JP5437223B2 - 光受信機、光通信システム及びコヒーレント検波方法 - Google Patents

光受信機、光通信システム及びコヒーレント検波方法 Download PDF

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Description

本発明は、光信号をコヒーレント同期検波する光受信機、これを含む光通信システム及びそのコヒーレント同期検波方法に関する。
PON(Passive Optical Network)に代表される光アクセスシステムの普及と共に、より高速な通信に対する要求が増大している。この要求を解決する手段として、高感度かつ帯域外雑音を抑制した受信が可能なことが知られているコヒーレント検波をアクセスシステムに適用したOFDMA (Orthogonal Frequency Division Multiple Access) PON(例えば、非特許文献1を参照。)や光符号分割多重(Code Division Multiple Access;CDMA) PON(例えば、非特許文献2を参照。)が検討されている。
N.Cvijetic, D.Qian, J.Hu, and T.Wang,"Orthogonal frequency division multiple access PON (OFDMA−PON) for colorless upstream transmission beyond 10 Gb/s," IEEE J. Select. Areas Commun., vol.28, no.6, pp.781−790, Aug.2010. M.Yoshino, S.Kaneko, T.Taniguchi, N.Miki, K.Kumozaki, T.Imai, N.Yoshimoto, and M.Tsubokawa, "Beat noise mitigation of spectral amplitude coding OCDMA using heterodyne detection," J. Lightwave Technol., vol.26, no.8, pp.963−970, Apr.2008. K.Kasai, J.Hongo, M.Yoshida, and M.Nakazawa, "Optical phase−locked loop for coherent transmission over 500 km using heterodyne detection with fiber lasers", IEICE Electronics Express, vol.4, no.3, pp.77−81, Feb.2007. S.Ristic, A.Bhardwaj M.J.Rodwell, L.A.Coldren, and L.A.Johansson, "An optical phase−locked loop photonic integrated circuit," J. Lightwave Technol., vol.28, no.4, pp.526−538, Feb.2010. M.Fujiwara, J.Kani, H.Suzuki, K.Araya, and M.Teshima, "Flattened optical multi carrier generation of 12.5GHz spaced 256 channels based on sinusoidal amplitude and phase hybrid modulation," Electron. Lett., vol.37, pp.967−968, Jul.2001. M.Yoshino, N.Miki, N.Yoshimoto, and K.Kumozaki, "Multiwavelength optical source for OCDM using sinusoidally modulated laser diode," J. Lightwave Technol. Vol.27, no.20, pp.4524−4529, Oct.2009. 種村 拓夫、加藤 一弘、菊池 和朗、「ねじり光ファイバを用いた偏波無依存型非対称四光波混合」、2005年電子情報通信学会総合大会C−4−9 吉野 學、吉本 直人、坪川 信、「チャープ同期受信による光干渉抑圧」、2008年電子情報通信学会総合大会B−10−53 吉野 學、金子 慎、三鬼 準基、坪川 信,「隣接スペクトルチップの漏れ込みに強いSAC−OCDMA用復号器」、2007年電子情報通信学会総合大会B−10−22 O.Ishida and T.Okoshi, "Effect of frequency offset in DPSK phase diversity optical receivers", ECOC, 1988, pp.155−158.
コヒーレント検波は、信号光と局発光とのビートにより、信号光で搬送する信号を中間周波数(Intermediate Frequency;IF)(2つの光の周波数差に相当する周波数)信号に変換し、信号を復調する。コヒーレント検波には、包絡線検波と同期検波が存在する。この内、コヒーレント同期検波では、局発光の動的な位相同期技術が重要となる。これは、伝送後の信号光と局発光の位相が同期していないと、IF信号の位相が揺らいでしまい正確な復調が出来なくなるためである(例えば、非特許文献3を参照。)。揺らぎは、信号の伝送速度に比べて無視できる程度にする必要があるため、高速の信号を受信するためには、より高速な動的な位相同期が必要となる。
動的な位相同期は、光位相同期ループ(Optical Phase−Locked Loops;OPLL)により行う。光位相同期ループは通常、2光を光検波器により光検波し、検出した光位相の誤差情報を、電気回路で局発光源にフィードバックする構成になっている。実用的な光位相同期ループを実現するには、2光のフリーランニング時の光周波数差が光位相同期ループの周波数引き込み範囲以内に常に収まり、位相誤差が小さくなるように、光源の線幅を細くし、ループ長を短くし、光位相同期ループの帯域幅を広くする必要がある。例えば、線幅10MHz程度の信号光の場合、GHzの帯域幅が要求される。GHzの帯域幅のためには、ループ遅延時間とループ長は高々0.1マイクロ秒と2〜3cm程度にする必要がある。そのため、狭線幅の光源(例えば、非特許文献3を参照。)を用いることや光検波器と電気回路部品を集積化して光位相同期ループを短くすること(例えば、非特許文献4を参照。)などが提案されている。しかし、更なる高速化は困難である。
また、ポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、秘匿性、妨害耐性に優れた占有型光サービスを提供する方式として光符号分割多重が期待されている。特に加入者側装置に簡便なシステムを使用できるスペクトル領域の強度符号を用いた光符号分割多重が期待されている。スペクトル領域の強度符号は、異なる光周波数の複数の光の組み合わせにより符号化する。このスペクトル領域の強度符号を用いた光符号分割多重では、同一のスペクトルを使用する信号光間のビート雑音による伝送特性の劣化が生ずる。このため、異なる光周波数の複数の光からなる局発光を用いたコヒーレント受信方式の適用が提案されている。この光符号分割多重では他送信機からの信号光と位相差のばらつきのために多重アクセス干渉(Multiple Access Interference:MAI)が生ずるため、信号光を構成する複数の光とそれと対応するそれぞれの局発光の位相関係を一定にすることが求められている(例えば、非特許文献2を参照。)。
上述のコヒーレント同期検波における位相同期の課題を解決するためには、例えば、位相関係が一定の信号光と局発光を時分割多重又は偏波分割多重(但し偏波分割多重は信号光と局発光が異なる光周波数を用いるヘテロダイン検波に限る)して送信機から送る方式とすることで、信号光と局発光の位相関係を一定にすることができる。しかしこの方法は、信号光と共に局発光を同方向に伝搬するので、伝送路の利用効率が劣化し望ましくない。更に、同一光周波数の複数の信号光が同時に到着する可能性のある光符号分割多重の場合、コヒーレントクロストークが発生するために、同じ光周波数の局発光を複数の送信機から同時に伝送することは出来ない。また、光符号分割多重で複数の送信機が存在した場合、異なる送信機から到着する信号光のそれぞれの位相が異なるため、異なる位相の多数の信号光に一つの局発光の位相を同期することは本質的に不可能である。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、信号光と位相関係が一定の局発光を信号光と共に伝送することも、局発光の動的な光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相及び光周波数のゆらぎに関わらずコヒーレント同期検波することができる光受信機、光通信システム及びコヒーレント同期検波方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光受信機、光通信システム及びコヒーレント同期検波方法は、初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数の光を四光波混合部にポンプ光として入力し、信号光とポンプ光との四光混合のアイドラ光を複数出力させ、これらの出力されたアイドラ光同士の生成する中間周波数信号を、ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号で同期検波することとした。
具体的には、本発明に係る光受信機は、信号光、及び初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光が入力され、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合を発生させ、少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数であるアイドラ光を複数出力する四光波混合部と、前記四光波混合部からの前記アイドラ光を光検波し、アイドラ光同士の中間周波数信号を、前記中間周波数であり且つ前記ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号でコヒーレント同期検波する同期検波部と、を備える。
本発明に係る光受信機は、信号光、及び初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光から、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合を発生させ、少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数であるアイドラ光を複数出力し、前記アイドラ光を光検波し、アイドラ光同士の中間周波数信号を、前記中間周波数であり且つ前記ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号でコヒーレント同期検波するコヒーレント同期検波方法を採用する。
また、本発明に係る光通信システムは、前記光受信機と、前記光受信機に前記信号光を送信する光送信機と、を含む。
四光波混合部は、それぞれ初期位相と位相雑音項が等しいアイドラ光を出力する。さらに、同期検波の際の電気信号の位相を、このアイドラ光同士の中間周波数信号の位相差としている。初期位相と位相雑音項が等しいアイドラ光同士の中間周波数信号の位相は、信号光の位相及び光周波数揺らぎによらずに一定となる。このため、本発明に係る光受信機、コヒーレント同期検波方法及び光通信システムは、一つのアイドラ光を信号光、もう一つのアイドラ光を局発光としてコヒーレント同期検波することができる。
従って、本発明は、信号光と位相関係が一定の局発光を信号光と共に伝送することも、局発光の動的な光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相及び光周波数のゆらぎに関わらずコヒーレント同期検波することができる光受信機、光通信システム及びコヒーレント同期検波方法を提供することができる。
本発明において前記信号光は、複数の互いに光周波数が異なる光から構成され、前記信号光と前記ポンプ光は、前記同期検波部でのコヒーレント同期検波の対象となる前記アイドラ光の内、前記信号光を構成する異なる光周波数の光に基づく前記アイドラ光同士の光周波数間隔が前記伝送帯域の倍以上かつ前記中間周波数の4倍以上になる光周波数であることが好ましい。
本発明に係る光受信機及び光通信システムは、信号光を構成する複数の光のそれぞれに対応して互いに同期したアイドラ光の組がそれぞれ独立して発生するため、それぞれ混信することなくコヒーレント同期検波を行うことができる。
本発明において前記信号光は、複数の互いに光周波数が異なる光から構成され、前記信号光と前記ポンプ光は、前記同期検波部でのコヒーレント同期検波の対象となる前記アイドラ光の内、前記信号光を構成する異なる光周波数の光に基づく前記アイドラ光同士の光周波数間隔が前記伝送帯域以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であり、前記四光波混合部は、前記信号光毎に前記アイドラ光を出力し、前記同期検波部は、前記信号光毎に前記アイドラ光をコヒーレント同期検波することとしてもよい。
本発明に係る光受信機及び光通信システムは、光符号分割多重の信号を受信することができる。また、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、信号光を構成する複数の光のそれぞれに対応して互いに同期したアイドラ光の組がそれぞれ独立して発生するため、それぞれ混信することなくコヒーレント同期検波を行うことができる。
本発明において前記信号光は、複数の光周波数の光で光符号分割多重されており、前記四光波混合部は、復号する符号に応じて分岐した信号光の前記アイドラ光をそれぞれ出力又は前記アイドラ光を復号する符号に応じて分岐して出力し、前記同期検波部は、前記四光波混合部からの符号に応じて出力された前記アイドラ光をそれぞれ同期検波し、同期検波する信号を符号に応じて加減算することが好ましい。
本発明に係る光受信機及び光通信システムは、すべての複数の光符号多重の信号光をそれぞれ構成する複数の光(スペクトルチップ)に対応してそれぞれ、初期位相と位相雑音項が等しい信号光と局発光の組を生成してコヒーレント同期検波を行うことができる。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
本発明において前記信号光は、時間に対して光周波数が変化し、前記ポンプ光は、前記信号光の光周波数変化に同期して光周波数が変化することとしてもよい。
本発明に係る光受信機及び光通信システムは、スペクトルチップの光周波数変動とポンプ光の光周波数変動とを同期させており、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
本発明において前記ポンプ光は、互いに同一の円偏波状態であり、前記四光波混合部は、円偏波ねじり光ファイバで前記アイドラ光を生成することが好ましい。
コヒーレント同期検波をするためには局発光と信号光の偏波を一致させ、偏波依存性を解消する必要がある。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合部を非特許文献7に記載される偏波無依存型四光波混合としている。すなわち、四光波混合部にポンプ光を入力する際に同一の円偏波状態とし、四光波混合部を円偏波ねじり光ファイバとすることで、四光波混合における偏波依存性を解消することができる。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、コヒーレント同期検波の偏波依存性を解消することができる。
本発明において前記四光波混合部は、非線形媒質部と偏波ビームコンバイナ(PBC)とからなるループで前記アイドラ光を生成してもよい。
非線形媒質とPBCとを組み合わせることで直交するいずれの偏波成分に対しても同様の四光波混合を発生させることができる。この結果、それぞれのコヒーレント同期検波の出力の総和は偏波に拠らず一定となる。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、コヒーレント同期検波の偏波依存性を解消できる。
本発明において前記ポンプ光は、それぞれ互いの偏波が直交し、互いの光強度が等しい2つの光からなることでもよい。
互いに直交する偏波のポンプ光に対応するアイドラ光の偏波が保持される場合、互いに直交する偏波のアイドラ光同士のビート成分は発生しない。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、コヒーレント同期検波の偏波依存性を解消できる。
本発明は、信号光と位相関係が一定の局発光を信号光と共に伝送することも、局発光の動的な光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相及び光周波数のゆらぎに関わらずコヒーレント同期検波することができる光受信機、光通信システム及びコヒーレント同期検波方法を提供することができる。
本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 図6の場合に本発明に係る光通信システムの光検波器が出力する電気スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 図8の場合に本発明に係る光通信システムの光検波器が出力する電気スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが備える非線形媒質部を説明する図である。 本発明に係る光通信システムが備える非線形媒質部を説明する図である。 本発明に係る光受信機の非線形媒質部が出力する光スペクトルの模式図である。 (a)本発明に係る光受信機の非線形媒質部が出力する光スペクトルの模式図である。(b)信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔D及び信号光Lsとポンプ光Lp3との光周波数間隔Hの関係を説明する図である。 本発明に係る光受信機の非線形媒質部が出力する光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光受信機の非線形媒質部が出力する光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが備える四光波混合部を説明する図である。 本発明に係る光通信システムの実施例の効果を検証した実験系を説明する図である。 本発明に係る光通信システムの実施例の効果を検証した実験系での光濾波器後の(A)光のスペクトルと(B)電気のスペクトルを説明する図である。 信号光の位相揺らぎを摸擬した位相変調器での位相シフトに対する信号振幅の変化を説明する図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。 本発明に係る光通信システムが伝送する信号光の光スペクトルの模式図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の光通信システム501の概略構成図である。光通信システム501は、光受信機301と、光受信機301に信号光を送信する光送信機401と、光受信機301にポンプ光を供給するポンプ光源402と、を含む。光送信機401は光周波数(図中fs)の信号光を出力する。ここで、ポンプ光源402は、信号光に対して動的な光位相同期ループをかける必要がないため、動的な光位相同期ループを用いる光受信機とは異なり、当該光源で用いる電気信号を光受信機に供給可能であれば、図1に示すように光受信機301の外部に設置することが可能であり、複数の光受信機301でポンプ光源402を共用することも可能である。ポンプ光源402は光受信機301とは独立ではなく、光受信機301内部に内蔵される構成であってもよい。ここでは、後述の同期検波部での同期検波の際に用いる電気信号を、ポンプ光を生成する際の電気信号を用いることを前提に説明しているが、例えばパルス光源のパルス光を光検波してパルスの位相を検出すること等で、ポンプ光と位相が同期した電気信号を生成することが出来れば、ポンプ光を生成する際の電気信号に限らなくともよいし、電気信号にて一対のポンプ光を生成しなくともよい。これは以降の説明でも同様である。
以下、ポンプ光が2で、縮退四光波混合を利用する場合で説明するが、後述するようにポンプ光は3以上でもよく、縮退以外の四光波混合を用いても良い。ポンプ光源402が出力するポンプ光は、初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差になっている。このようなポンプ光を出力するポンプ光源402は、例えば、連続光(Continuous Wave:CW)光源101、正弦波信号発生器102及び強度変調器103を有する。正弦波信号発生器102は、例えば発信器である。強度変調器103はCW光源101からの光周波数fpの連続光を正弦波信号発生器102からの正弦波信号で変調する。ここで、強度変調器103は、CW光源101の出力であるキャリア成分を抑圧し、二つの変調サイドバンドのみ出力する状態に調整し、ポンプ光として出力する。ポンプ光は強度変調の二つの変調サイドバンドであるため、互いの位相は等しい。このような変調サイドバンドを用いた光源として非特許文献5及び6に示されるものなどがある。
また、以下、中間周波数信号の位相が零の場合を例に説明を行うが、ポンプ光の互いの初期位相と位相雑音項が等しくなっており、それらの初期位相と位相雑音項が等しい場合、アイドラ光の初期位相と位相雑音項も一定となり、同期検波する電気信号の位相との差が90度以外であれば、コヒーレント同期検波の出力は零以外の一定の値となる。そのため、90度以外の場合も、出力強度の絶対値は減少するが位相が零の場合と同様である。また、光源として変調サイドバンドを用いる例で示したが、初期位相と位相雑音項が等しければ、モードロックレーザや光周波数コム等の他の光源を用いても良い。
光受信機301は、四光波混合部31と同期検波部21とを備える。具体的には、光受信機301は、信号光と、初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光と、が入力され、信号光とポンプ光との四光波混合のアイドラ光を複数出力する四光波混合部31と、四光波混合部31からのアイドラ光を光検波し、アイドラ光同士の中間周波数信号を前記中間周波数でポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号で同期検波する同期検波部21と、を備える。ここで、アイドラ光の少なくとも一組の光周波数間隔を中間周波数とするためには、ポンプ光の光周波数間隔で調整することができる。また、同期検波部で同期検波する際に用いる電気の信号を調整し、同期検波部での検波対象となるアイドラ光を少なくとも一組出力するようにしてもよい。
光受信機301は、信号光と、初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光と、から、信号光とポンプ光との四光波混合のアイドラ光を複数生成し、アイドラ光同士を前記中間周波数でポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号で同期検波する。ここで、複数のポンプ光の光周波数は、アイドラ光の少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数となる周波数である。
四光波混合部31は、信号光とポンプ光を入力して四光波混合を発生する非線形媒質部11、非線形媒質部11の出力する四光波混合のアイドラ光を抜き出す光濾波器12とを有する。非線形媒質部11は、例えば、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)、高非線形ファイバ (High Nonlinear Fiber:HNLF)、ゼロ分散シフトファイバ(Dispersion−shifted Fiber:DSF)等を用いることができる。非線形媒質部11は、信号光及びポンプ光の波長分散等を考慮しても十分な相互作用長が取れるものとする。
四光波混合部31は、信号光及び初期位相と位相雑音項が等しいポンプ光が入力されると、一方のポンプ光の縮退四光波混合のアイドラ光、他方のポンプ光の縮退四光波混合のアイドラ光、及び両ポンプ光の四光波混合のアイドラ光を出力する。これらのアイドラ光の初期位相と位相雑音項は等しい。
ここで、信号光、ポンプ光及びアイドラ光に、信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラ光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラ光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラ光La3と名づけて説明する。信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラ光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラ光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラ光La3の位相をそれぞれφ1,φp1,φp2,φ1’,φ1’’,φ1’’’とする。また、信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラ光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラ光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラ光La3の光周波数をそれぞれf1,fp1,fp2,f1’,f1’’,f1’’’、とする。さらにポンプ光同士の光周波数間隔をdfとすると次式が成り立つ。
f1’=2fp1−f1
f1’’=2fp2−f1=2fp1+2df−f1
f1’’’=fp1+fp2−f1=2fp1+df−f1
φ1’=2φp1−φ1
φ1’’=2φp2−φ1=2φp1−φ1
φ1’’’=φp1+φp2−φ1=2φp1−φ1
ここで、アイドラ光(La1、La2、La3)は全て初期位相と位相雑音項が等しい。
なお、ポンプ光と信号光の光周波数関係について示していないが、ポンプ光、信号光、アイドラ光は、その変調による光周波数拡がりを考慮して、それぞれ重ならないことが望ましい。ポンプ光と信号光またはポンプ光とアイドラ光が重なった場合、信号光やアイドラ光もポンプ光の一部となり、その変調成分が、不必要にそのポンプ光から生成されるアイドラ光に重畳される恐れがある。但し、信号光やアイドラ光とポンプ光とが重なる影響は、信号光やアイドラ光とポンプ光の強度比によるので、ポンプ光の強度が信号光やアイドラ光の強度に対して、例えば30dBのように十分に大きい場合、無視することができる。後述の同期検波の対象となるアイドラ光と他の光が重なった時は、後述のように光濾波器12で、アイドラ光のみを取り出すことができないので、光濾波器12で取り除けない成分が雑音となる。特に、重なる光がアイドラ光に対して強度が大きいポンプ光の場合は、その影響が大きくなる。
図12は、信号光が1つ、ポンプ光が2つの場合でポンプ光、信号光、アイドラ光が互いに光周波数が重ならない例である。図12では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls、ポンプ光Lp1、ポンプ光Lp2、アイドラ光La1、アイドラ光La3、アイドラ光La2の順で並んでいる。ここで光周波数の高低を反転してもよく、この高低の反転は以降の説明でも同様に可能である。
信号光Lsの光周波数f1=fs、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
アイドラ光La1の光周波数f1’
=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
アイドラ光La3の光周波数f1’’’
=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
アイドラ光La2の光周波数f1’’
=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df
と表せる。ここで、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、ポンプ光間の光周波数間隔dfを同期検波する中間周波数とし、信号光の伝送帯域Bを中間周波数の半分とした。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。逆に無視できる場合は無視できる変調成分の周波数幅を現じた周波数とすればよい。これらは以降の説明でも同様である。
この時、変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{fs+B}={fs+D}−{fs+B}
=D−B≧0、即ちD≧Bが成立すればよい。
また、変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−fs−B}−{fp2}
={fs+2D−B}−{fs+D+df}=D−B−df≧0、
即ちD≧B+dfが成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、伝送帯域Bとポンプ光間隔dfの和以上であればこの条件を満たす。伝送帯域Bがポンプ光間隔dfの半分の場合、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの1.5倍以上であればこの条件を満たす。
ここで、後述する光濾波器12の透過光周波数と遮断光周波数は光周波数軸上でステップ上に切り替わることを前提としている。透過光周波数と遮断光周波数の切替わりがなだらかな場合は、アイドラ光とポンプ光の間隔は、伝送帯域Bに相当するポンプ光間隔の半分の0.5df以上の代わりに、ポンプ光が十分遮断できる間隔とすればよい。この光濾波器の特性の考慮は以降の説明においても同様に考慮すればよい。また、伝送帯域Bと中間周波数の関係は2倍としたが、後述する電気濾波器で中間周波数成分を抜き出すに必要な関係であれば良く2倍以上であっても良い。この電気濾波器の特性の考慮は以降の説明においても同様に考慮すればよい。逆に、SSB(Single SideBand)変調し、変調サイドバンドの抑圧が十分に小さい場合は、信号光の伝送帯域Bを中間周波数とすることもできる。
更に、伝送帯域よりも小さい中間周波数であってもよい。そのような中間周波数は、例えば、ホモダイン検波でパワーペナルティが無視できる中間周波数である。例えば、非特許化文献10に示されるように、ホモダイン検波でパワーペナルティ1dB以下が期待される値である伝送帯域の2%以下の値とすればよい。但し、この非特許化文献の値は、2つの光のビートによる間の中間周波数信号であるが、本願では3つの光が関与するため、非特許化文献の値よりも厳しい、例えば1%等の値とすればよい。
この時、変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{fs+B}={fs+D}−{fs+B}
=D−B≧0、即ちD≧Bが成立すればよい。
また、変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−fs−B}−{fp2}
={fs+2D−B}−{fs+D+df}=D−B−df≧0、
即ちD≧B+dfが成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、伝送帯域Bにポンプ光間隔dfを加えた周波数以上であればこの条件を満たす。これらは以降の説明でも同様である。
なお、以降の説明で、特記なき場合は、中間周波数が伝送帯域よりも大きい場合に関して説明している。
以下、図1の説明に戻る。光濾波器12は、アイドラ光(La1、La2、La3)のみを抜き出し、光検波器13に入力する。ここで、信号光及びポンプ光の強度が中間周波数信号の同期検波の際に無視できる程度であれば、光濾波器12はなくともよい。無視できる程度とは、受信時に要求される信号対雑音比(SN)の要求条件による。例えば、この箇所での信号光及びポンプ光の強度に伴うSN劣化が信号の1/1000以下まで許容できるのであれば、1/1000以下に相当する程度である。これは以降の実施形態でも同様である。
同期検波部21は、光検波器13と、光検波器13の出力から中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14と電気濾波器14の抜き出した中間周波数信号とポンプ光を生成する際の電気信号を乗じて同期検波するミキサー18とを有する。ここで、アイドラ光(La1、La2、La3)は全て初期位相と位相雑音項が等しいため、光検波器13は一のアイドラ光を信号光、他のアイドラ光を局発光とみなすことでコヒーレント同期検波が可能となる。ここで、中間周波数信号の同期検波の際に所望の中間周波数成分以外が無視できる程度であれば、電気濾波器14もなくともよい。これも以降の実施形態でも同様である。
図1に示すように、光濾波器12が、アイドラ光(La1、La2、La3)を全て導通する場合、光検波器13にて、アイドラ光La1−アイドラ光La3、アイドラ光La2−アイドラ光La3によりポンプ光間隔df(図中fIF1)の中間周波数信号が発生し、アイドラ光La1−アイドラ光La2によりポンプ光間隔の倍の2df(図中fIF2)の中間周波数信号が発生する。電気濾波器14は、例えば、中間周波数2dfの中間周波数信号を十分に抑圧し、中間周波数dfの中間周波数信号を抜き出すことにより、アイドラ光La1−アイドラ光La3とアイドラ光La2−アイドラ光La3の中間周波数信号のコヒーレント同期を容易にする。この構成は信号強度的にはもっとも望ましい。
電気濾波器14は、アイドラ光La1−アイドラ光La2の中間周波数信号である2dfの中間周波数信号を抜き出してもよい。また、光濾波器12がアイドラ光(La1、La2、La3)の内の任意の二つを抜き出してもよい。例えば、アイドラ光La1−アイドラ光La3とアイドラ光La2−アイドラ光La3のいずれかを抜き出してもよい。この場合、抜き出したアイドラ光同士の中間周波数信号しか光検波器13で発生しないこととなる。なお、アイドラ光La1−アイドラ光La2のみを抜き出すと、電気濾波器14の低周波側の減衰要求が緩和される効果もある。即ち光周波数2dfの中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14が光周波数dfの中間周波数信号を完全に抑圧できなくとも、光受信機301はコヒーレント同期検波が可能である。
同期検波に用いる電気信号はポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号である。電気信号は、ポンプ光を生成する際の電気信号の周波数を逓倍し、伝搬による位相回転分を考慮して、アイドラ光の位相差と同じ位相にてミキサーにおける同期検波する電気信号であることが望ましい。この場合、同一の電気信号源を用いるため、電気の信号源の位相揺らぎの効果も相殺される。図では、電気信号の周波数を逓倍する逓倍器104を光源402中に具備しているが、他の箇所、例えば同期検波部25などに具備していてもよい。また、ポンプ光源402と同期検波部25とで異なる電気の信号源を互いに同期して用いてもよい。この場合電気の信号源同士の位相同期が必要となるが、光位相同期ループを構成する場合と比べて、帯域積等の制限は実用上無視できる。アイドラ光同士の初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差であるために、中間周波数信号の位相も一定である。このため、同期検波に用いる電気信号の位相は、ポンプ光を生成する際の電気信号自体に同期することも可能であるし、局発光源で用いる電気信号源と同一の外部クロックに同期した電気信号源を用いることも可能であるし、中間周波数信号に同期してもよい。このように、安定性が10−6などであり、光源と比べて、安定な電気信号源からの電気信号で同期検波を行うために、光信号から生成した中間周波数信号自身の包絡線検波と比べて、雑音の少ない信号が得られる。また包絡線検波と異なり、乗ずる電気信号での選択性が高いため電気濾波器で取りきれない雑音成分を除去する効果も高い。
上記説明では、信号光Ls1の中心光周波数は一定であることを前提としたが、非特許文献8に記載されるように時間に対して光周波数が変化する光であってもよい。光フィルタ12を用いる場合、アイドラ光が光フィルタ12を導通するように、ポンプ光(Lp1、Lp2)の光周波数が信号光Ls1の時間に対する光周波数変化に同期して変化すればよい。
本実施形態では、光増幅器を示していないが適宜使用することとしてもよい。
本実施形態では、ポンプ光を2つ用いた縮退四光波混合を例として説明を加えたが、3以上のポンプ光を用いてもよい。例えば、光周波数軸上で信号光の低周波数側に1ポンプ光、高周波数側に2ポンプ光が配置される3ポンプ光を用いるとする。ここで、低周波数側のポンプ光の光周波数をfp1とし、高周波数側のポンプ光の光周波数をfp2とfp2+dfとする。このときfp2よりも高周波数側の光周波数f1の信号光に対する光周波数がfp1とfp2のポンプ光に対するアイドラ光の光周波数をf&、光周液数がfp1とfp2+dfのポンプ光に対するアイドラ光の光周波数をf&&とする。このときアイドラ光の光周波数f1&とf1&&について次式が成り立つ。
f1&=fp2+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1
f1&&=fp2+df+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1+df
この場合、周波数間隔がdfだけ離れた光周波数f1&とf1&&の2つのアイドラ光が生成する。この2つのアイドラ光を光検波することにより、中間周波数dfでの同期検波が可能となる。なお、ここで、高周波側に2つのポンプ光を配したが、低周波数側に2つのポンプ光を配するとしても同様である。両ポンプ光は、信号光とアイドラ光がその両ポンプ光の間に収まる間隔であればよい。収まる間隔とは、変調による光周波数拡がりを考慮して、それぞれ重ならない、又は重なっても場合、信号に対する影響が例えば30dBのように十分に小さくなる間隔である。
光周波数f1&とf1&&のアイドラ光の光周波数は、f1&とf1&&のアイドラ光を、信号光、ポンプ光、光周波数f1&とf1&&以外のアイドラ光から光濾波器12で十分遮断できる光周波数であるか、電気濾波器14で遮断できる光周波数であるか、同期検波で抑圧できる光周波数、例えばdf以上異なるとする。
ここで、ポンプ光の間に信号光が入る例で示したが、信号光の高周波側又は、低周波側にポンプ光が位置していても良い。図13は、信号光が1つ、ポンプ光が3つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図13では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls、ポンプ光Lp1、ポンプ光Lp2、第3のポンプ光Lp3、アイドラ光La1、La3、アイドラ光La2、ポンプ光Lp3とポンプ光Lp1又はポンプ光Lp2とのアイドラ光(La4、La5とする)、ポンプ光Lp3の縮退四光波混合のアイドラ光Lp6の順で並んでいるが、光周波数の高低を反転してもよい。また図13では、アイドラ光La4とLa5の中間周波数信号を同期検波の対象としているが、アイドラ光La1、La3、La2の中間周波数信号を用いて同期検波をしても良い。
信号光の光周波数f1=fs、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
ポンプ光Lp3の光周波数fp3=fs+H、
アイドラ光La1、La3、La2、La4、La5、La6の光周波数をそれぞれ
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
f1’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
f1’’’’=fp1+fp3−fs=fs+D+H、
f1’’’’’=fp2+fp3−fs=fs+D+H+df、
f1’’’’’’=2fp3−fs=2fs+2H−fs=fs+2H
と表せる。ここで、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、信号光Lsとポンプ光Lp3との光周波数間隔をH、ポンプ光Lp1とポンプ光Lp2との間の光周波数間隔dfを同期検波する中間周波数、信号光の伝送帯城Bを、中間周波数の半分とした。
この時、変調を考慮して、信号光とポンプ光が重ならないためには、変調サイドバンドが伝送帯域Bとすると
{fp1}−{fs+B}={fs+D}−{fs+B}
=D−B≧0、即ちD≧Bが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−fs−B}−{fp3}
={fs+2D−B}−{fs+H}=2D−H−B≧0、
即ちH≦2D−Bが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮して同期検波対象とするアイドラ光La4と同期検波対象としないアイドラ光La2が重ならないためには、
{fp1+fp3−fs−B}−{2fp2−fs+B}
={fs+D+H−B}−{fs+2D+2df+B}=H−D−2df−2B≧0、
即ちH≧D+2df+2Bが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮して同期検波対象とするアイドラ光La5と同期検波対象としないアイドラ光La6が重ならないためには、
{2fp3−fs−B}−{fp2+fp3−fs+B}
={fs+2H−B}−{fs+D+H+df+B}
=H−D−df−2B≧0、
即ちH≧D+df+2Bが成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔D及び信号光Lsとポンプ光Lp3との光周波数間隔Hは、図13(b)の斜線に示す領域の関係にあれば、この条件を満たす。ポンプ光Lp3がポンプ光Lp1よりも低周波数の場合も、同様である。
また例えば、周波数間隔がdfの互いに初期位相と位相雑音項が等しい4ポンプ光を用いる場合、縮退四光波混合以外の6つのアイドラ光の光周波数をそれぞれfa、fb、fc、fd、fe、ffとすると次式が成り立つ。
fa=fp1+fp2−f1=2fp1+df−f1
fb=fp1+fp3−f1=2fp1+2df−f1
fc=fp1+fp4−f1=2fp1+3df−f1
fd=fp2+fp3−f1=2fp1+3df−f1
fe=fp2+fp4−f1=2fp1+4df−f1
ff=fp3+fp4−f1=2fp1+5df−f1
なお、縮退四光波混合の4つのアイドラ光の光周波数はf1’=2fp1−f1、f1’’=fb、fe、2fp1+6df−f1である。この場合、df、2df、3df、4df、5df、6dfの中間周波数信号が発生するので、任意の中間周波数信号を選択して同期検波すればよい。
次に、本実施形態では、信号光の位相揺らぎ及び周波数揺らぎをアイドラ光同士の中間周波数信号では相殺できるために、光位相同期ループによる動的な光位相同期が不要で、静的な位相同期が可能であることを説明する。
まず、本願は初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差のポンプ光による四光波混合を利用している。受信した信号光は、初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差のポンプ光と共に非線形媒質に入力される。非線形媒質中で信号光とポンプ光の四光波混合によりアイドラ光が生成される。アイドラ光は光検波器に入力され、1又は複数の組のアイドラ光が、コヒーレント検波の信号光と局発光として作用する。光検波器の出力信号はミキサーにて電気の正弦波信号と乗ずる。ここで電気の正弦波信号の周波数はアイドラ光同士のビート信号(中間周波数信号)の内で同期検波対象の中間周波数の信号と同じ周波数である。位相は中間周波数信号と同位相である。このような正弦波信号は、例えばポンプ光を生成する光源に供給する電気の正弦波信号を、その周波数を逓倍した信号とすれば得ることが出来る。信号光一つに中間周波数だけ離れた一組の初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差のポンプ光を用いる場合を想定する。更に信号光とそれぞれのポンプ光の縮退四光波混合で生ずるアイドラ光同士即ち3つのアイドラ光のうちの外側の二つから生ずる中間周波数信号を用いる場合は、光源を駆動する電気の正弦波信号の4倍の周波数の正弦波信号で同期検波すればよい。ここで、中間周波数信号と電気の正弦波の位相は一致するように線路長を調整する。
この時二つの外側のアイドラ光の間の中間周波数と初期位相は次式のように示せる。
fIF={2fp2−fa}−{2fp1−fa}
={2(fp1+fD)−fa}−{2fp1−fa}=2fD
OIF={2Op2−Oa}−{2Op1−Oa}=2{Op2−Op1}
ここで、fIFとOIFは中間周波数と中間周波数信号の初期位相、faとfp1とfp2は信号光とポンプ光の周波数、fDは二つのポンプ光間の周波数差、OaとOpj(j=1、2)は信号光とポンプ光の初期位相を意味する。上記の式に示されるように、信号光の周波数変動と位相変動の成分は中間周波数信号では相殺される。ポンプ光は単一の光を変調して生成したとすると、Op1−Op2は一定となり、ポンプ光の間の周波数差のみが影響することがわかる。このようにして、信号光の周波数揺らぎと位相揺らぎに関係なく、中間周波数信号の位相は常時一定となることがわかる。
図17は本実施例の効果を検証した実験系である。非線形媒質として、シングルモードファイバとの接続損が少なく、フェムト秒オーダーの応答時間であるHNLFを用いた。応答時間が早いため、応答時間に起因するアイドラ光の波形歪みは無視でき、かつ応答時間に起因する位相同期までの遅延も無視できる。初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差のポンプ光源は、DFB LD(Distributed Feedback Laser Diode;LD)と強度変調器(Intensity Modulator;IM)と強度変調器を駆動する625MHzの正弦波信号を出力する発振器で構成した。発振器の出力と強度変調器はキャリアを抑圧し、1.25GHz間隔のデュアルサイドバンドを生成するように調整した。信号光は強度変調器によりPPG(Pulse Pattern Generator)からの100Mbit/sの“10”交番パターンで変調した。信号光の位相は、位相揺らぎによる効果を検証するために位相変調器(Phase Modulator;PM)で位相を2π以上シフトした。信号光とポンプ光を光カプラ(Optical Coupler;OC)で合波し、光増幅器で増幅した後にHNLFに入力した。HNLFの出力はアイドラ光以外の強度を抑圧するために透過幅1nmの光濾波器で濾波した。濾波後の光のスペクトルと電気のスペクトルを図18に示す。図の18Aに示されるように、信号光とポンプ光、ポンプ光とアイドラ光の波長間隔は約1.2nmである。図18Bに示されるように、隣接するアイドラ光の周波数差は1.25GHzである。濾波後の光を光検波器で検波した信号から外側二つのアイドラ光の中間周波数信号を抜き出すために透過周波数1.5GHz〜3.5GHzの電気濾波器(Bandpass Filter;BPF)で濾波した。濾波した電気信号は、光源で用いた発信器と同一の10MHzの外部参照クロックに同期した別の発信器からの2.5GHzの正弦波信号でミキサーにて同期検波した。図19に、信号光の位相揺らぎを摸擬した位相変調器での位相シフトに対する信号振幅の変化を示す。黒丸が実測値であり、実線が位相同期されていない場合の振幅変化の例の計算値を示した。計算は位相シフト量0で位相が合致している場合の例である。図19に示されるように、位相シフトの影響は無視できることが分かる。
以上示したように、本実施形態の光受信機301及び光通信システム501は、信号光と初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の局発光を信号光と同じ伝送路で伝送せずに、局発光の動的な位相同期を行う光位相同期ループを用いずにコヒーレント同期検波を実現することができる。
(第2の実施形態)
図2は、信号光に複数の光周波数が含まれる場合の光通信システム502を説明する概略図である。図1の光通信システム501と図2の光通信システム502の違いは信号光のみである。本光通信システム502が伝送する信号光は、異なる光周波数の複数の光からなる。
図6は、信号光を構成する異なる光周波数の光の数が2、その周波数間隔が中間周波数の4倍、伝送帯域の8倍とした場合の光スペクトルの模式図である。図7は、この場合に光検波器13が出力する電気スペクトルの模式図である。図6の横軸は光周波数で、縦の矢印は光スペクトルの中心周波数で、実線の台形は変調成分を意味する。図7の横軸は周波数で、実線の台形は変調成分を意味し、台形内の縦線は電気スペクトルの中心周波数を意味し、破線の台形は電気濾波器14の透過帯域を意味する。図6に示すように、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光の間隔が4df以上であれば、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光に対応するアイドラ光は光周波数でポンプ光間隔の倍の2df以上離れる。このため、中間周波数dfの中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14は、図7に示すように中間周波数の倍の2dfの中間周波数信号を十分抑圧可能であり、光検波器13の出力から中間周波数dfの中間周波数成分のみを抜き出すことが可能である。従って、図2の光受信機301は、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光間でのビートによる雑音を抑圧でき、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光の内の光濾波器12で選択した任意の光に対応するアイドラ光をコヒーレント同期検波が可能となる。なお、図2、図6、図7では光濾波器12で異なる光周波数の複数の光に対応するアイドラ光を同時にコヒーレント同期検波するとしているが信号光を構成する異なる光周波数の複数の光のいずれかに対応するアイドラ光を光濾波器13で選択するとしてよい。この場合は、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光同士が重ならなければ良いので、図8に示すように信号光を構成する異なる光周波数の二つの光の間隔が3df以上であればよい。更に、コヒーレント同期検波するアイドラ光のみを選択する場合は、図20に示すように信号光を構成する異なる光周波数の二つの光の間隔が2df以上であればよい。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数の2倍以上とすればよい。逆にSSB変調の場合は、中間周波数は、伝送帯域であってもよい。図6に対応するSSB変調の場合の例を図21に示す。
なお、ポンプ光間隔が伝送帯域の倍で、ポンプ光間隔の倍の2dfの中間周波数信号を、電気濾波器14で取り出して同期検波するためには、信号光を構成する異なる光周波数の光の周波数間隔をポンプ光間隔の5倍以上離せばよい。この場合、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光はポンプ光間隔の3倍の3df以上離れる。
なお、上記の例ではポンプ光と信号光の光周波数関係について示していないが、同期検波の対象となるアイドラ光同士の光周波数間隔に加えて、ポンプ光、信号光、アイドラ光は、その変調による光周波数拡がりを考慮して、それぞれ重ならないことが望ましい。例えば、コヒーレント同期検波の対象となるアイドラ光の組同士は2df間隔以上はなれることが望ましい。また、コヒーレント同期検波の対象とならないアイドラ光は光濾波器12によって遮断することを前提とすると、コヒーレント同期検波の対象のアイドラ光と対象でないアイドラ光同士が重ならないことが望ましい。
図14は、信号光が2つ、ポンプ光が2つの場合でポンプ光、信号光、アイドラ光および異なる信号光のアイドラ光が互いに光周波数が重ならない例である。図14では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls1、Ls2、ポンプ光Lp1、Lp2、信号光Ls1のアイドラ光、信号光Ls2のアイドラ光の順で並んでいる。ここで、光周波数の配置の高低は反転してもよい。
信号光Ls1の光周波数f1=fs、
信号光Ls2の光周波数f2=fs+S、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
信号光Ls1とポンプ光Lp1及びLp2とのアイドラ光の光周波数をそれぞれ
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
f1’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
信号光Ls2とポンプ光Lp1及びLp2のアイドラ光の光周波数をそれぞれ
f2’=2fp1−f2=fs+2D−S、
f2’’’=fp1+fp2−f2=fs+2D+df−S、
f2’’=2fp2−f2=fs+2D+2df−S
と表せる。ここで、信号光間の光周波数間隔をS、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、ポンプ光間の光周波数間隔dfを同期検波する中間周波数、信号光の伝送帯域Bを、中間周波数の半分とした。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。
この時、コヒーレント同期検波対象とするアイドラ光と、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光が重ならないためには、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光同士が2df以上離れればよい。従って、
f1’−f2’’−2df={2fp1−f1}−{2fp2−f2}−2df
={fs+2D}−{fs+2D+2df−S}−2df=S−4df≧0、
即ち、S≧4dfを満たせばよい。
変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{f2+B}={fs+D}−{fs+S+B}
=D−S−B≧0、
即ちD≧S+Bが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−f2−B}−{fp2}
={fs+2D−S−B}−{fs+D+df}
=D−S−df−B≧0、
即ちD≧S+df+Bが成立すればよい。
従って、伝送帯域Bがdfの半分の場合、信号光間の光周波数間隔Sは4df、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの5.5倍以上であればこの条件を満たす。
ここで、後述する光濾波器12の透過光周波数と遮断光周波数は光周波数軸上でステップ上の切り替わることを前提としている。透過光周波数と遮断光周波数の切替わりがなだらかな場合は、アイドラ光とボンプ光の間隔は、伝送帯域Bに相当するポンプ光間隔の半分の0.5dfの代わりに,ポンプ光が十分遮断できる間隔とすればよい。また。伝送帯域Bと中間周波数の関係は2倍としたが、後述する電気濾波器及び同期検波によりで中間周波数成分を抜き出すに必要な関係であれば良く、2倍以上であっでも良い。
また、伝送帯域よりも小さい中間周波数である場合、コヒーレント同期検波対象とするアイドラ光と、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光が重ならないためには、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光同士が2B以上離れればよい。従って、
f1’−f2’’−2B={2fp1−f1}−{2fp2−f2}−2B
={fs+2D}−{fs+2D+2df−S}−2B=S−2B−2df≧0、
即ち、図22に示すように、S≧2B+2dfが成立すればよい。なお、SSB変調である場合は、図23に示すようにS≧B+2dfが成立すればよい。
変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{f2+B}={fs+D}−{fs+S+B}
=D−S−B≧0、
即ちD≧S+Bが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−f2−B}−{fp2}
={fs+2D−S−B}−{fs+D+df}
=D−S−df−B≧0、
即ちD≧S+df+Bが成立すればよい。
従って、信号光間の光周波数間隔Sは2B+2df以上、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは3B+2df以上であればこの条件を満たす。
また、中間周波数が伝送帯域より大きく、コヒーレント同期検波対象とするアイドラ光を信号毎に、後述の第3の実施形態と同様に光濾波器でそれぞれ分岐し、それぞれ異なる光検波器でコヒーレント同期検波する場合は、異なる信号光に対応するアイドラ光の変調成分同士が重ならなければよい。即ち伝送帯域の倍であるdf以上離れればよいので、縮退四光波混合のアイドラ光同士でコヒーレント同期検波する場合は信号光間の光周波数間隔SはS≧3df、縮退四光波混合と縮退四光波混合以外のアイドラ光同士でコヒーレント同期検波する場合は信号光間の光周波数間隔SはS≧2dfを満たせばよいのは明らかである。この関係は以降の説明でも同様である。
また、中間周波数が伝送帯域より小さく、コヒーレント同期検波対象とするアイドラ光を信号毎に、後述の第3の実施形態と同様に光濾波器でそれぞれ分岐し、それぞれ異なる光検波器でコヒーレント同期検波する場合は、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光でコヒーレント同期検波対象のアイドラ光の変調成分同士が重ならなければよい。即ちデュアルサイドバンドの場合は図24に示すように伝送帯域の倍にポンプ光間隔の倍を加えた2B+2df以上離れればよいので、ポンプ光の間隔を無視すれば、信号光間の光周波数間隔SはS≧2B+2dfを満たせばよいのは明らかである。なお、SSBの場合は、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光でコヒーレント同期検波対象のアイドラ光の変調成分同士が重ならないためには伝送帯域にポンプ光間隔を加えたB+df以上離れればよい。これらの関係は以降の説明でも同様である。
また、信号光が3以上の場合は、信号光間の光周波数間隔Sに信号光数から1を引いた数を乗じた光周波数間隔で、信号光とポンプ光の光周波数間隔の関係式を計算すれば同様に求まる。この関係は以降の説明でも同様である。
ポンプ光が3以上の場合も、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光同士が重ならず、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光の内で同一の光検波器で光検波するアイドラ光の間隔が、コヒーレント同期検波する中間周波数から伝送帯域を減じた周波数からコヒーレント同期検波する中間周波数から伝送帯域を加えた周波数に内容にするのは同様である。例えば、信号光を構成する異なる光周波数の光は、伝送帯域の2倍以上かつ電気濾波器14で取り出して同期検波したい中間周波数以上離れることが望ましい。
例えば、光周波数軸上で信号光の低周波数側に1つのポンプ光、高周波数側に2つのポンプ光が配置される3ポンプ光を用いるとする。ここで、低周波数側のポンプ光の光周波数をfp1とし、高周波数側のポンプ光の光周波数をfp2とfp2+dfとする。このときfp2よりも高周波数側に位置する光周波数f1及びf2の信号光を構成する異なる光周波数の光に対する光周波数がfp1とfp2のポンプ光に対するアイドラ光の光周波数をf1&、f1&&、光周波数f2の信号光に対する光周波数がfp1とfp2+dfのポンプ光に対するアイドラ光の光周波数をf2&、f2&&とする。このときアイドラ光の光周波数f1&、f1&&、f2&、f2&&について次式が成り立つ。
f1&=fp2+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1
f1&&=fp2+df+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1+df
f2&=fp2+f2−fp1=(fp2−fp1)+f2
f2&&=fp2+df+f2−fp1=(fp2−fp1)+f2+df
この場合、隣接する信号光に対するアイドラ光の間隔が伝送帯域の2倍以上かつ3df以上であれば、それぞれの信号光を独立してコヒーレント同期検波することが可能である。このため、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光の光周波数間隔は、|f2−f1|≧3df以上、即ち、ポンプ光間隔の3倍以上とする。ここで、高周波側に2つのポンプ光を配したが、低周波数側に2つのポンプ光を配するとしても同様である。なお、両ポンプ光は、信号光とアイドラ光がその両ポンプ光の間に収まる間隔であればよい。
光周波数f1&とf1&&のアイドラ光の光周波数は、信号光、ポンプ光、光周波数f1&とf1&&以外のアイドラ光から光濾波器12で十分遮断できる光周波数であるか、電気濾波器14で遮断できる光周波数であるか、同期検波で遮断できる光周波数、例えばdf以上異なるとする。
ここで、ポンプ光の間に信号光が入る例で示したが、信号光の高周波側又は低周波側にポンプ光が位置していても良い。図15は、信号光が2つ、ポンプ光が3つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図15では、光周波数の低いほうから順に、信号光を構成する異なる光周波数の光Ls1、Ls2、ポンプ光Lp1、Lp2、Lp3、信号光を構成する光Ls2とポンプ光Lp1とLp2に対応するアイドラ光、信号光を構成する光Ls1とポンプ光Lp1とLp2に対応するアイドラ光、信号光を構成する光Ls2とポンプ光Lp3とLp1又は2に対応するアイドラ光、信号光を構成する光Ls1とポンプ光Lp3とLp1 又はLp2に対応するアイドラ光、信号光を構成する光Ls2又はLs1とポンプ光Lp3に対応するアイドラ光の順で並んでいる。光周波数の高低は反転してもよい。また図15では、ポンプ光Lp3とLp1又はLp2に対応するアイドラ光をコヒーレント同期検波の対象としている。
信号光を構成する光の光周波数をそれぞれ
f1=fs、
f2=fs+S、
ポンプ光Lp1、Lp2、Lp3の光周波数をそれぞれ
fp1=fs+D、
fp2=fp1+df=fs+D+df、
fp3=fs+H、
アイドラ光の光周波数をそれぞれ
f2’=2fp1−f2=2fs+2D−fs−S=fs+2D−S、
f2’’’=fp1+fp2−f2=2fp1+df−fs−S=fs+2D+df−S、
f2’’=2fp2−f2=2fp1+2df−fs−S=fs+2D+2df−S、 f2’’’’=fp1+fp3−f2=fs+D+H−S、
f2’’’’’=fp2+fp3−f2=fs+D+H+df−S、
f2’’’’’’=2fp3−f2=2fs+2H−fs−S=fs+2H−S、
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
fl’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
f1’’’’=fp1+fp3−fs=fs+1D+H、
f1’’’’’=fp2+fp3−fs=fs+D+H+df、
f1’’’’’’’=2fp3−fs=2fs+2H−fs=fs+2H
と表せる。ここで、信号光を構成する光の間の光周波数間隔をS、信号光を構成する光Ls1とポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、信号光を構成する光Ls1とポンプ光Lp3との光周波数間隔をH、ポンプ光Lp1とポンプ光Lp2との間の光周波数間隔dfを同期検波する中間周波数、信号光の伝送帯域Bを、中間周波数の半分とした。
この時、同期検波対象とするアイドラ光の中で、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光の中間周波数信号がコヒーレント同期検波する中間周波数信号に重ならないためには、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ光同士が2df以上離れればよいので、
{fp1+fp3−fs}−{fp2+fp3−f2}−2df
={fs+D+H}−{fs+D+H+df−S}−2df
=S−3df≧0、
即ち、S≧3dfを満たせばよい。
変調を考慮して、信号光とポンプ光が重ならないためには、変調サイドバンドが伝送帯域Bとすると、
{fp1}−{f2+B}={fs+D}−{fs+S+B}
=D−S−B≧0、
即ちD≧S+B、B=0.5dfの場合D≧3.5dfが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラ光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−f2−B}−{fp3}
={fs+2D−S−B}−{fs+H}=2D−H−S−B≧0、
即ちH≦2D−S−Bが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮して同期検波対象とするアイドラ光と同期検波対象としないアイドラ光が重ならないためには、
{fp1+fp3−fs2−B}−{2fp2−fs+B}
={fs+D+H−S−B}−{fs+2D+2df+B}=H−D−S−2df=2B≧0、
即ちH≧D+S+2df+2B、B=0.5dfの場合H≧D+6df
及び
{2fp3−fs2−B}−{fp2+fp3−fs+B}
={fs+2H−S−B}−{fs+D+H+df+B}=H−D−S−df−2B≧0、
即ちH≧D+S+df+2B、B=0.5dfの場合H≧D+5dfが成立すればよい。ポンプ光Lp3がポンプ光Lp1よりも低周波数の場合も、同様である。
なお、複数の信号光のうちのいずれか一つの信号光に対応するアイドラ光を光濾波器12で四光波混合部に入力する前に信号光を選択するとしてもよい。本願では、選択する信号光を変更しても、それに応じて同期検波部を調整しなおす必要はない。また四光波混合部からの、各信号光に対応するアイドラ光を後述の第3の実施形態のようにそれぞれ分岐し、分岐した数の同期検波部を持つとしてもよい。
以上述べたように、本光通信システム502は、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラ光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくコヒーレント同期検波を行うことができる。更に、従来のシステムでは複数の信号光を受信するためにはそれぞれに対応してPLLの調整が必要となるが、本光通信システム502では、その必要がなく、同時の受信することもできる。
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態の光通信システム503を説明する概略図である。図2の光通信システム502と光通信システム503との違いは、受信機302の代替として受信機303を有している点である。光受信機303は、信号を構成する異なる光周波数の光毎にアイドラ光を出力する四光波混合部33、及び信号を構成する異なる光周波数の光毎にアイドラ光を、ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号で同期検波する同期検波部23を有する。
四光波混合部33は復号器15を持ち、異なる光周波数の光のアイドラ光毎にアイドラ光を出力する。同期検波部23は、異なる光周波数の光のアイドラ光毎に光検波する光検波器(13a〜13d)を持つ。なお、図では異なる光周波数の光のアイドラ光と1対1対応で光検波器を備えるとしたが、後述のように同一の光検波器で光検波する異なる光周波数の光のアイドラ光同士のビートが影響しないとの前提で、複数の光周波数の光のアイドラ光を同一の光検波器で光検波してもよい。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様である。信号光は、互いの光周波数間隔が前記帯域の6倍以上の光周波数、且つ前記中間周波数の3倍以上の光周波数であり、ポンプ光は2波長である場合で説明する。
図8は、信号光を構成する異なる光周波数の光の数が2、その周波数間隔が中間周波数の3倍、伝送帯域の6倍とした場合の光スペクトルの模式図である。図9は、この場合に光検波器(13a〜13d)が出力する電気信号のスペクトルの模式図である。図8の横軸は周波数で、縦の矢印は光スペクトルの場合は中心周波数で、実線の台形は変調成分を、破線の台形は濾波器の透過帯域を意味する。図8に示すように、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光に対応するアイドラ光はdf以上離れる。このため、第2の実施形態と異なり、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光のアイドラ光同士の周波数間隔がdfとなる。図2の構成で、ポンプ光が中間周波数dfだけ異なる2波長とした場合、光検波した後では、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光間でのビートを電気濾波器14で除去できないので、ビートによる雑音が無視できない。しかし、本実施形態の光受信機303は、復号器15で信号光を構成する異なる光周波数の複数の光毎に分離し、それぞれを光検波器(13a〜13d)で光検波するので、異なる光周波数の複数の光間でのビートが発生しない。復号器15は例えば、異なる光周波数の複数の光にそれぞれ対応するアイドラ光を分岐する光分波器である。光検波器(13a〜13d)で光検波した電気信号は、電気濾波器14a〜14dで必要な中間周波数の信号だけ取り出され、電気濾波器14a〜14dの抜き出した中間周波数信号を、それぞれポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号をミキサー18で乗じて同期検波する。このため、本光通信システムは、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光毎にコヒーレント同期検波が可能となる。
光送信機401の伝送信号による変調は、第2の実施形態と同様に伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は伝送帯域の2倍とした。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合も同様に、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。さらに、信号光を構成する複数の光周波数間隔は、この中間周波数の4倍以上とすればよい。
このようにして、光通信システム503は、非特許文献2に示された構成における信号光を構成する異なる光周波数の光(スペクトルチップ)の光周波数間隔の最小値の3dfである信号光を2ポンプ光の場合に、コヒーレント同期検波することができる。非特許文献2に記載の光符号分割多重の信号光を受信する場合は、その受信対象となる符号に応じて各スペクトルチップの電気信号を加減算器(不図示)で加減算して復号する。さらに、第2の実施形態に示したように、3ポンプ光の場合に、光周波数間隔2dfの信号光をコヒーレント同期検波することも可能である。また、光濾波器12により、アイドラ光を間引くことで、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラ間のビート成分を削減することも可能である。
以上述べたように、光通信システム503は、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラ光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくコヒーレント同期検波を行うことができる。
(第4の実施形態)
図4及び図5は、第4の実施形態の光通信システム504及び光通信システム505を説明する概略図である。光通信システム(504、505)は、信号光を構成するスペクトルチップを用いた光符号多重の信号光を受信する。このような光符号分割多重の信号光は同一の光周波数の光を複数の信号光で利用する。
図2の光通信システム502と光通信システム(504、505)との違いは、送受信機で送受する信号光が光符号多重の信号光であることに加えて、受信機301の代替として受信機304又は受信機305を有している点である。光受信機304又は受信機305は、アイドラ光を復号する符号に応じて分岐して出力する四光波混合部(33、35)と、四光波混合部(33、35)からの分岐されたアイドラ光をコヒーレント同期検波後に復号する符号に応じてそれぞれ加減算する同期検波部24又は同期検波部25を有する。
図4の光受信機304は、光濾波器12の後に、例えば、非特許文献2に記載される信号光を構成するスペクトルチップを復号する符号に応じて分岐する復号器15を四光波混合部33に持ち、復号器15で分岐した出力を差動検波する差動光検波器16を同期検波部25に持つ。差動光検波器16の出力は中間周波数の電気濾波器14へ入力される。図4には記載されないが、同期検波部25は、図3の同期検波部23のように復号器15と各出力を検波する光検波器(13a〜13d)、それぞれの光検波器の出力を中間周波数の電気濾波器(14a〜14d)を通し、符号に合わせて加減算する加減算器を有していてもよい。
なお、アイドラ光と信号光は光周波数の並びが反転することを鑑みて、復号器15の符号は符号器で符号化するときの符号と光周波数軸で反転した並びとなっている。図4では、符号(1100)及びその並びの反転した(0011)に応じた復号器15で説明している。ここで、符号は例であり、他の符号でもよいし、4以外の符号長であってもよい。各スペクトルチップの周波数間隔は、各スペクトルチップの復号対象とするアイドラ光の間隔となっている。
また、復号器15又は光濾波器12により、アイドラ光を間引くことで、異なるスペクトルチップに対応するアイドラ間のビート成分を削減することも可能である。
また、光濾波器12は、復号器15の後に配置してもよいし、復号器と一体であってもよい。
図4の光受信機304と図5の光受信機305との違いは、復号器15の配置にある。図5の光受信機305の場合、復号器15は、非線形媒質部11の前に位置し、信号光のみが入力される。また、光受信機305は、少なくとも加算するスペクトルチップと、減算するスペクトルチップとが入力される複数の非線形媒質部11を具備する。それぞれの非線形媒質部11は、復号器15の各出力をそれぞれ四光波混合する。なお、非線形媒質部11はスペクトルチップ毎に具備してもよい。この構成は、光周波数の並びが反転するアイドラ光ではなく、信号光をそのまま復号器15に入力するので、復号器15の符号は光周波数軸で反転した並びではなく、符号器で符号化したときと同じスペクトルチップの並びとなる。また、復号器15の符号の周波数間隔も信号光のスペクトルチップの周波数間隔と等しく、光送信機401に搭載される符号器と同じ構成の復号器をそのまま使用できる。
以上述べたように、光通信システム(504、505)は、すべての複数の光符号多重の信号光を構成する複数のスペクトルチップに対応して初期位相と位相雑音項が等しい信号光と局発光の組をそれぞれ生成してコヒーレント同期検波を行う。このため、光通信システム(504、505)は、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
(第5の実施形態)
本光通信システムと第4の実施形態の光通信システム(504、505)との違いは、信号光、ポンプ光、復号器が用いる符号にある。その他は第4の実施形態と同様である。本光通信システムの信号光は、信号光を構成するスペクトルチップがそれぞれ時間に対して周波数が同様に変化する。具体的には複数のスペクトルチップのそれぞれが、非特許文献8に示されるように変化する。
ポンプ光は所望のアイドラ光の光周波数変動に伴い光濾波器12を導通しない場合に、当該アイドラ光が光濾波器12を導通するように信号光の時間に対する周波数変化に同期して周波数が同様に変化する光である。また、符号は、非特許文献9で提案された隣接スペクトルチップでの漏れ込みで直交化のために不足するスペクトルチップを追加している符号であってもよい。その場合、具体的には、符号の巡回性を用いて、漏れ込みのあるスペクトルチップに対応するチップを符号の反対側に配置した符号を復号する復号器15としている。例えば、元の符号が0010111であり、±1スペクトルチップ漏れ込みの場合、100101110とする。漏れ込みのあるスペクトルチップ数の範囲内でスペクトルチップシフトして同じ符号となる符号による干渉は避けられないので、それらの符号同士は同時には用いない。使用しない符号数は隣接スペクトルチップの漏れ込み以外が無視できる場合、スペクトルチップシフトしたM系列符号では半分、ウオルシュアダマール符号では高々1となる。
本光通信システムは、この符号を用い、且つ図5の構成をとることで、各スペクトルチップの周波数間隔に応じた復号器15であっても、光符号分割多重の信号をコヒーレント同期検波することが可能である。これは、通常、復号器に用いられる光濾波器では、透過強度が減少するところで光の位相が回転するため、信号光と局発光の位相差が変化する。このため、上記のような信号光の場合、一つのシンボル時間内でも位相関係が変動する。そのため、各スペクトルチップの周波数間隔に応じた復号器では、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIが発生する。しかし、本光通信システムは、位相差ばらつきが発生しないため信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIを解消することができる。
(第6の実施形態)
本光通信システムは、互いに同一の円偏波状態であるポンプ光を使用し、円偏波ねじり光ファイバの四光波混合部で前記アイドラ光を生成する。本光通信システムと第1から第5の実施形態との違いは、ポンプ光源402からのポンプ光の偏波と非線形媒質部11にある。即ち、ポンプ光源402はポンプ光を同一の円偏波状態とし、四光波混合部31は円偏波ねじり光ファイバとする。このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、コヒーレント周期検波の偏波依存性を解消できる。
(第7の実施形態)
本光通信システムは、非線形媒質71と偏波ビームコンバイナ(Polarization Beam Combiner:PBC)72を含む非線形媒質部11を備える。非線形媒質71は、例えば、非線形媒質ファイバである。非線形媒質部11は、非線形媒質ファイバの両端から信号光及びポンプ光を入力し、アイドラ光を生成する。
非線形媒質部11は、図10に示すように非線形媒質71とPBC72とでループを形成する。PBC72は直交する両偏波で等しい光強度のポンプ光を非線形媒質71の両端から入力する。図10では、入力された光はPBC72で互いに直交する2偏波に分離され、それぞれPBC72の一端から非線形媒質71を経て再びPBC72に戻る。この際、PBC72から出力されたときと再びPBC72に戻ってくる際の偏波は同一である。あるいは、非線形媒質部11は、図11に示すように非線形媒質71とPBC72とのループ及びPBC72への入出力を分離する光サーキュレータ73からなる。図11の非線形媒質部11の構成では、非線形媒質71の中点で偏波が90度回転しているが、ループの別の箇所であってもよい。図11の構成では、途中で偏波が90度回転しているため、PBC72から出力されたときと直交する偏波で再びPBC72に戻ってくる。また図10及び図11の非線形媒質71は分布型でなく、集中型であってもよい。図10及び図11の横矢印αと二重丸βはそれぞれ直交する偏波を意味する。図10及び図11に示すように直交するいずれの偏波成分に対しも同様に四光波混合を発生するので、それぞれのコヒーレント同期検波の出力の総和は偏波に拠らず一定となる。
このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、コヒーレント同期検波の偏波依存性を解消できる。
(第8の実施形態)
本光通信システムと第1から第5実施形態との違いは、ポンプ光にある。本光通信システムのポンプ光は第1から第5実施形態に示す一つのポンプ光に対して、直交する異なる偏波の等強度の二つのポンプ光から構成される。アイドラ光の偏波がポンプ光の偏波と同一偏波に保持される場合、異なる偏波のアイドラ光同士のビート成分は発生しない。
一つのポンプ光に対応する互いに直交する偏波の二つのポンプ光の光周波数差は、それぞれの偏波のアイドラ光同士から発生する中心周波数信号が電気濾波器14の導通帯域に入る程度の範囲内であり、且つ異なる偏波の二つのポンプ光が単一の偏波の一つのポンプ光とならない程度の光周波数差であれば好ましい。光検波の前に偏波毎に分離してそれぞれ光検波後に電気信号を合流する必要がない。
一方、光検波の前に偏波毎に分離してそれぞれ光検波後に電気信号を合流する場合は、異なる偏波の二つのポンプ光が単一の偏波の一つのポンプ光とならない程度の光周波数差であればよい。
異なる偏波の二つのポンプ光が合波すると単一の偏波の一つのポンプ光となる場合、四光波混合部は、信号光を直交する二つの偏波に分離し、分離した信号光と同一偏波のポンプ光との四光波混合のアイドラ光をそれぞれ出力する四光波混合部とする。偏波が直交するポンプ光に加えて直交する偏波のそれぞれに対応する四光波混合部を備えることで、直交するいずれの偏波成分に対しても同様の四光波混合を発生させることができる。このような四光波混合部の例を図16に示す。図16ではPBCで直交する偏波に分離し、偏波毎に非線形媒質を経由してPBCで再合波するとしているが、再合波せずにそれぞれ別の同期検波部で同期検波しても良い。いずれの場合も偏波分離した信号光又はその同期検波の出力を合流するまでの経路長差は、シンボル長に比べて十分短い長さ、例えばシンボル長の数十分の1程度に抑える。この結果、それぞれの同期検波の出力の総和は信号光の偏波によらず一定となる。なお、同期検波部は偏波毎にそれぞれ備えてもよいが、直交する偏波の信号光とポンプ光に対応するアイドラ光の偏波が保持される場合、直交する偏波のアイドラ光同士のビート成分は発生しないので、単一の同期検波部に入力しても良い。
このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、コヒーレント同期検波の偏波依存性を解消できる。
11:非線形媒質部
12:光濾波器
13、13a、13b、13c、13d:光検波器
14、14a、14b、14c、14d:電気濾波器
15:復号器
16:差動光検波器
18、18a、18b、18c、18d:ミキサー
21、23、24、25:同期検波部
31、33、35:四光波混合部
71:非線形媒質
72:偏波ビームコンバイナ(PBC)
73:サーキュレータ
101:CW光源
102:正弦波信号発生器
103:強度変調器
104:逓倍器
301、303、304、305:光受信機
401:光送信機
402:ポンプ光源
501〜505:光通信システム

Claims (10)

  1. 信号光、及び初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光が入力され、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合を発生させ、少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数であるアイドラ光を複数出力する四光波混合部と、
    前記四光波混合部からの前記アイドラ光を光検波し、アイドラ光同士の中間周波数信号を、前記中間周波数であり且つ前記ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号でコヒーレント同期検波する同期検波部と、
    を備える光受信機。
  2. 前記信号光は、複数の互いに光周波数が異なる光から構成され、
    前記信号光と前記ポンプ光は、前記同期検波部でのコヒーレント同期検波の対象となる前記アイドラ光の内、前記信号光を構成する異なる光周波数の光に基づく前記アイドラ光同士の光周波数間隔が前記伝送帯域の倍以上かつ前記中間周波数の4倍以上になる光周波数であることを特徴とする請求項1に記載の光受信機。
  3. 前記信号光は、複数の互いに光周波数が異なる光から構成され、
    前記信号光と前記ポンプ光は、前記同期検波部でのコヒーレント同期検波の対象となる前記アイドラ光の内、前記信号光を構成する異なる光周波数の光に基づく前記アイドラ光同士の光周波数間隔が前記伝送帯域以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であり、
    前記四光波混合部は、前記信号光毎に前記アイドラ光を出力し、
    前記同期検波部は、前記信号光毎に前記アイドラ光をコヒーレント同期検波する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光受信機。
  4. 前記信号光は、複数の光周波数の光で光符号分割多重されており、
    前記四光波混合部は、復号する符号に応じて分岐した信号光の前記アイドラ光をそれぞれ出力又は前記アイドラ光を復号する符号に応じて分岐して出力し、
    前記同期検波部は、前記四光波混合部からの符号に応じて出力された前記アイドラ光をそれぞれ同期検波し、同期検波する信号を符号に応じて加減算
    することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光受信機。
  5. 前記信号光は、時間に対して光周波数が変化し、
    前記ポンプ光は、前記アイドラ光が光濾波器で遮断されないように前記信号光の光周波数変化に同期して光周波数が変化することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光受信機。
  6. 前記ポンプ光は、互いに同一の円偏波状態であり、
    前記四光波混合部は、円偏波ねじり光ファイバで前記アイドラ光を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  7. 前記四光波混合部は、非線形媒質部と偏波ビームコンバイナとからなるループで前記アイドラ光を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  8. 前記ポンプ光は、それぞれ互いの偏波が直交し、互いの光強度が等しい2つの光からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光受信機と、
    前記光受信機に前記信号光を送信する光送信機と、
    を含む光通信システム。
  10. 信号光、及び初期位相と位相雑音項が等しく所定の周波数差の複数のポンプ光から、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合を発生させ、少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数であるアイドラ光を複数出力し、
    前記アイドラ光を光検波し、アイドラ光同士の中間周波数信号を、前記中間周波数であり且つ前記ポンプ光を生成する際の電気信号と位相が同期した電気信号でコヒーレント同期検波するコヒーレント同期検波方法。
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