JP5458002B2 - 発射装置用移動体模型 - Google Patents

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Description

本発明は、高速で移動する移動体によって生ずる圧縮波などの空気力学的現象を再現するために行われる実験に用いられる移動体模型に関する。
鉄道列車等の移動体が高速でトンネルに突入すると、トンネルの入口で圧縮波が生じ、出口方向に伝播する。トンネル内を伝播する圧縮波は、トンネル出口でパルス状の圧力波を放射したり、トンネル内を走行する別の移動体に振動を与えたりする。トンネル出口で放射されるパルス状の圧力波をトンネル微気圧波といい、坑口から発破音が発生したり、坑口付近の家屋の建具を揺らしたりすることがある。
この現象を解明するために、移動体模型を発射する装置を用いた、圧縮波の再現実験が行われる。図5に圧縮波の再現実験装置の構成を示す。移動体が鉄道列車の場合など実物大で模型を製作できないときには、適当な縮尺で移動体模型1を製作する。移動体模型1は、上下1対の発射輪21に挟まれている。発射輪21は互いに異なる方向に高速回転することで、移動体模型1に摩擦により駆動力を与え、移動体模型1を加速する。発射輪21は、1対でも良いし、複数対あっても良い。
加速された移動体模型1は、発射装置2から発射される。発射された移動体模型1は、ピアノ線3で案内されながらトンネル模型4に突入する。この際に生じる圧力変動を、適当な箇所に設置した圧力計で測定する。
移動体模型1の移動速度は、移動体模型1の後端に埋め込んだ磁石18を用いて測定する。つまり、移動経路の複数箇所にコイル5を設け、これらのコイル5を移動体模型1が通過する際にコイル5に生じる電圧を測定すれば、コイル間の距離と電圧を測定した時間差から、移動体模型1の移動速度を算出することができる。
トンネル模型4を通過した移動体模型1は、最終的には停止装置6で停止する。停止装置6は、いわばクッションであり、この停止装置6に移動体模型1がぶつかることで、移動体模型1は停止する。
移動体模型1には、案内用のピアノ線3を通す必要があるため、分割可能に製作する。図9に従来の移動体模型1を分割したところを示す。分割された各部を本体部分11と呼ぶことにする。図9では前端部15を含む本体部分11と中間の本体部分11とを表している。図10は従来の移動体模型1の接合部を示す図であり、図11は従来の移動体模型1の結合を表す断面図である。分割された各本体部分11は、移動体模型1の各断面でそれぞれを接続するために、断面を挟んで一方の本体部分11には雄ねじ13を、もう一方の本体部分11には開口7を設けその内側に雌ねじ14をそれぞれ形成し、雄ねじ13を雌ねじ14にねじ込んで結合している。
長尺物体の結合に関する従来技術がいくつかある。
特許文献1は、ケーシングパイプの結合構造に関する従来技術である。一方のケーシングパイプの内側に他方のケーシングパイプの端部が挿入可能となっており、設けられたねじで互いにネジ結合する。
特許文献2は、管継手構造に関する従来技術である。継手部の左右に管体を挿入可能となっており、継手部の筒体の内周には雌ねじが、管体の端部に設置したリテーナの外周には雄ねじが設けられ、互いにネジ結合することで、管体が結合される。
しかし、いずれの構造においても、継手部でパイプ(管体)の径が変わってしまうが、鉄道列車を模した移動体模型では、その断面積を変化させることなく、移動体模型を分割し、結合できる構造が必要である。
特開2001−200685号公報 特開2002−243075号公報
図10に示すように、従来の移動体模型1は、重量を軽くするために、本体部分を断面から長手方向にくり貫いて中空に成形していた。一方で、従来、発射された移動体模型1は、停止装置6(図8参照)に衝突する際、移動体模型1の接続部に相当する雄ねじに衝撃による応力が集中し、接合部の雄ねじが破損することがあった。そこで、雄ねじの強度を増加させるために雄ねじの厚さ(図10中の厚さd2)を増加させる対策をとっていたが、雄ねじは本体部分と一体成型しているため、移動体模型1を中空にしようとしても、雄ねじの厚さ(d2)を増すと本体部分をくり貫く量が減少し、結果的に移動体模型1の総重量が増加するという問題点があった。
移動体模型1の重量の増加は、発射装置と停止装置とへの負荷を増し、また移動体模型1の取扱いを難しくする原因となる。
また、図12に示すように、従来の移動体模型1では、後端部16に磁石18を埋め込んでいたため、移動体模型1の後端部16では、磁石18を埋め込む穴19のために、表面がでこぼこしていた。圧縮波の再現実験では、移動体模型1の断面積の変化率を現実と等価にする必要があることから、前端部15の表面に凹凸があることは好ましくない。従って、停止装置6に移動体模型1が衝突を繰り返し、移動体模型1の前端部15が破損したり変形したりした場合、後端部16を前端部15と交換することはできず、前端部15を再度製作する必要があり、時間的経済的に負担が大きいという問題があった。
さらに、後端部16に埋め込まれた磁石18に衝撃力が加わり、磁石18を埋め込んだ穴19やふた20が破損することで、磁石18ががたついたり、飛び出したりすることがあった。
本発明は、これらの問題を解決するために、移動体模型1が停止装置6に繰り返し衝突しても継手部12が破損せず、また重量の軽く取扱いの容易な移動体模型1を提供することを目的とする。
また、移動体模型1が停止装置6に衝突を繰り返し、前端部15が破損しても、前端部15を後端部16と交換することで、取り替えを安価に行える移動体模型1を提供することを目的とする。
以下、符号を付して本願発明を説明する。ただし、符号は参照のためであり、本願発明を実施形態に限定するものでない。
本願に係る第1の発明は、上記の目的を達成するために、進行方向に略垂直な断面で複数に分割可能な発射装置用の移動体模型1であって、複数の前記本体部分11と、前記本体部分11の個数より1つ少ない個数の継手部12とから構成され、前記継手部12のうち少なくとも1つに磁石18を内蔵しており、各本体部分11どうしは、断面に設けられた開口7に前記継手部12を挿入することで互いに連結し、該移動体模型1を構成すること、を特徴とする。
また、本願に係る第2の発明は、前記複数の本体部分11のうち、進行方向端部の本体部分11の形状と、進行方向反対側端部の本体部分11との形状が合同となるようにした。
また、本願に係る第3の発明は、本体部分の断面に設けられた開口7には雌ネジ14が、各継手部の表面には雄ネジ13が形成されており、前記各本体部分どうしは、前記継手部とネジ止めすることで互いに連結し、該移動体模型1を構成することとした。
このように構成することで、継手部12の厚さ(図2の厚さd1)を増加させて、その強度を増すことができるので、継手部に設けられた雄ねじ13が破損することがない。一方、継手部12とは独立した本体部分11を断面からくり貫くことができるため、任意の肉厚に形成し軽量化を図ることができる。
さらに、このように構成することで、停止装置6に移動体模型1が衝突を繰り返したとしても、磁石18は、本体に内包される継手部12に内蔵されているため、磁石18ががたつくことはない。
さらに、このように構成することで、移動体模型1の後端部16で表面がでこぼこするという問題は生じ得ないし、また停止装置6に移動体模型1が衝突を繰り返した結果、移動体模型1の前端部15が破損したとしても、前端部15と後端部16との形状が合同であるので、進行方向反対側端部の本体部分と進行方向端部の本体部分とを交換すれば、再度移動体模型1を圧縮波の再現実験に使用することができる。従って、このような構成にすることは、経済的でありかつ交換用の前端部15を製作する時間が不要となる。
移動体模型の外観を表す図である。 本願発明に係る移動体模型の結合を表す図である。 本願発明に係る継手部のうち、磁石が内蔵された継手部を表す図である。 本願発明に係る移動体模型の結合を表す断面図である。 圧縮波の再現実験装置の構成を表す図である。 圧縮波の再現実験装置の発射装置の構成を表す図である。 圧縮波の再現実験装置のトンネル模型とコイルとを表す図である。 圧縮波の再現実験装置の停止装置を表す図である。 従来の移動体模型の結合を表す図である。 従来の移動体模型の前端部を含む本体部分を表す図である。 従来の移動体模型の結合を表す断面図である。 従来の移動体模型の後端部に内蔵した磁石を表す図である。 各種列車の先頭形状と移動体模型の前端部の形状との対応例を表す図である。 鉄道列車がトンネルに突入した際に生じる圧縮波の概念図である。
[発明にかかる移動体模型]
本願発明に係る移動体模型1について説明する。
図1は、移動体模型1の外観を示す図である。移動体模型1の縮尺は通常1/60〜1/100である。移動体模型1は、案内用のピアノ線3を通す必要があるため、進行方向に略垂直な断面で複数に分割可能な構造となっている。図1では、4つの本体部分に分割可能な移動体模型1を表しているが、再現実験の目的に応じて、移動体模型1の長手方向の長さを変更するために、2つ以上の本体部分から構成するようにすればよい。ピアノ線3は該断面の中心に通される。
図2は本願発明に係る移動体模型1の結合を示す図であり、前端部15を含む本体部分11と中間の本体部分11と、これらの継手部12とを表している。図4は本願発明に係る移動体模型1の結合を表す断面図である。分割された本体部分11の各断面には、それぞれを接続するために、断面に開口7が設けられている。また、開口7に挿入可能な継手部12が本体部分11の数より1つ少ない個数だけあり、本体部分11どうしは、断面に設けられた開口7に前記継手部12を挿入することで互いに連結し、全ての断面ですべての本体部分11が連結されると、移動体模型1を構成する。
図2に示す本実施例では、本体部分11の開口7の内側に雌ねじ14を形成し、一方継手部12を円筒形状に形成した上でその外側曲面に雄ねじ13を形成し、継手12の雄ねじ13と本体部分11の雌ねじ14とを互いにねじ込んで結合する。このように構成することで、移動体模型1の分割および結合がしやすくなる。図4は、本実施例に係る移動体模型1の結合を示す図である。本体部分11と継手部12との結合は、スプライン結合、嵌合等の機械的結合でもよい。
継手部12のうち少なくとも1つには、磁石18を埋め込むため、移動体模型1の長手方向の穴19が4カ所設けられている。図3に、本願発明に係る継手部12のうち、磁石18が内蔵された継手部12を示す。それぞれの穴19に磁石18が埋め込まれ、継手部12に磁石18が内蔵される。
移動体として鉄道列車を模擬した実験を行う際には、移動体模型1の前端部15と後端部16との形状を合同にすることが多い。一般に鉄道列車の場合、前端部15の形状と後端部16の形状とが略合同だからである。
図1に示すように、模型製作のしやすさ、および取扱いの容易さから、移動体模型1は軸対称、すなわち進行方向と垂直方向の断面が円形になるように成型される。
移動体模型1は、棒状の原材料を旋盤で削り出すことで製作する。旋盤を用いることで、進行方向に直角な断面は円形となるが、後述のように圧縮波の再現実験には、移動体模型1の断面形状は影響しない。
図1に示すように、移動体模型1の前端部15と後端部16は、それぞれ先端になるほど断面積が小さくなるように成型されることがあるが、移動体模型1の前端部15と後端部16の形状は、再現しようとする移動体(本実施例では鉄道列車)の形状によって定まる。これは、トンネル内で生じる圧縮波の再現のためには、トンネル模型4の断面積と移動体模型1の断面積の比と、移動体模型1の前端部15の断面積変化率、および移動体模型1がトンネル模型4に突入する速度を現実と等価にする必要があるためである。つまり、鉄道列車を模した実験では、日本国内で通常見られるような切妻型の通勤列車を再現しようとすれば、前端部15と後端部16の形状は、おおむね円筒状になる。一方、高速列車のような流線型の列車を再現しようとすれば、前端部15と後端部16の形状は、先端になるほど断面積が小さくなるようになる。図13に、切妻型車両(通勤列車)、流線型車両(高速列車)、およびこれらの中間型(特急列車)の先頭形状と移動体模型1の前端部15(または後端部16)の形状との対応例を示す。
[圧縮波の再現実験]
本発明に係る移動体模型は、主に圧縮波の再現実験に用いられる。以下、圧縮波の再現実験について説明する。
移動する移動体がトンネルに突入すると、トンネルの入口に発生した圧縮波が、音速でトンネル内を出口方向に伝播する。この圧縮波は、トンネル内を走行する別の移動体に振動を与えたり、トンネル出口に達するとその一部がパルス状の圧力波となって外部に放射され低周波音を生じたりする。また、トンネル出口で反射した圧縮波が、トンネルを走行中の移動体自身に振動を与えることがある。トンネル出口で放射されるパルス状の圧力波をトンネル微気圧波という。図14に圧縮波の発生するメカニズムを示す。
この現象を解明するために、移動体模型を発射してトンネル模型に突入させる装置を用いた実験が行われる。ここでは、移動体として鉄道列車を例に説明するが、移動体は自動車等、他の移動体であっても良い。
[実験装置の構成]
図5に圧縮波の再現実験装置の構成を示す。通常、移動体として鉄道列車を模擬した実験を行うため、模型を実物大で製作できない。このため、適当な縮尺で模型を製作して実験を行う。
図5に圧縮波の再現実験装置の構成を示す。この実験装置は、模型発射装置2、ピアノ線3、トンネル模型4、コイル5、停止装置6、および移動体模型1から構成される。
[模型発射装置]
模型発射装置2は、移動体模型1を後述のトンネル模型4に向けて発射するための装置である。図6に発射装置2の構成を示す。図6では発射輪21は3対となっているが、実験の目的や実験の規模に応じて1対以上の発射輪21を用いればよい。また、図6では発射輪21を上下に設置しているが、移動体模型1を挟むように、水平に設置したり、斜めに設置したりすることも可能である。
発射輪21は、移動体模型1を摩擦駆動によって加速するためのものである。発射輪21は上下1つずつで1対をなす。発射輪21は移動体模型1を上下から挟み、互いに異なる方向に高速回転することで、移動体模型1に摩擦により駆動力を与え、移動体模型1を加速する。
発射装置2から発射される前の移動体模型1は、発射輪21の手前に設置されている。発射の際に、移動体模型1はバネ(図示せず)によって発射輪の間に送り出され、発射輪21によって摩擦駆動され加速し、トンネル模型4に向けて発射される。例えば、本実施例の発射装置2で、移動体模型1を300km/hに加速しようとした場合、3つの発射輪21は、トンネル模型4に遠い方から、徐々に回転数を高くし、最終の発射輪21を300km/hの速さで回転し、移動体模型1を加速する。
[ピアノ線]
ピアノ線3は、移動体模型1を案内するために、移動体模型1の移動経路に設置される。図5に示すように、ピアノ線3の両端は緊張装置31に固定される。ピアノ線3は垂れ下がらない程度に張力が加えられる。本実施例では直径5mmのピアノ線を用いた。ピアノ線3の代わりに他の鋼線、ナイロン製の線等、実験の目的や規模に応じて他の適当な材料を用いることができる。また、ピアノ線3の太さは、実験の目的などに応じて太さを変えることもできる。
[トンネル模型]
図7は、トンネル模型4とコイル5を表す図である。トンネル模型4は、トンネルを模擬した模型で、本実施例では、透明アクリル製の管体を用いた。
ここで、トンネル微気圧波の現象を再現するためには、トンネル模型4の断面積と移動体模型1の断面積との比と、移動体模型1の前端部15の断面積変化率、および移動体模型1の速度を、現実と等価に再現すればよい。従って、本実施例では、トンネル模型4の断面は円形としているが、トンネルの断面形状は現実のトンネル実断面形状であってもよい。
また本実施例では、装置の製作のしやすさ、入手のしやすさ、費用の面等の観点から透明アクリル製の管体を用いているが、他の材質、例えばポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂製の水道管でもよい。ただし、後述するように、コイル5と磁石18とを用いて移動体模型1の移動速度を測定するので、トンネル模型4の材質としては、磁力を透過するものの方が望ましい。
[コイル]
移動体模型1の速度は、移動体模型1に埋め込まれた磁石18が、移動体模型1の移動経路に設置されたコイル5を通過する際に生じる電圧によって計測できる。図7にコイル5の設置例として、トンネル模型4の入口と出口付近に設置した場合の例を示す。
具体的には、移動体模型1の移動経路の2カ所以上に、ピアノ線3を囲むようにコイルを設置する。これらのコイル5を移動体模型1が通過すると、移動体模型1に埋め込まれた磁石によりコイルに電圧を生じる。2カ所以上にコイル5を設置しておけば、コイル5間の距離をそれぞれのコイル5に電圧が生じた時間の差で除すことで移動体模型1の速度が算出できる。
本実施例では、トンネル模型4の入口近傍と出口近傍の2カ所にコイル5を設置したが、3カ所以上にコイル5を設置しても良い。例えば、トンネル模型4の入口近傍に2カ所、出口近傍に2カ所、コイル5を設置すれば、移動体模型1がトンネル模型4に突入した際の速度とトンネル模型4から脱出する際の速度とを測定することができる。
[停止装置]
発射された移動体模型1は、停止装置6に衝突して停止する。図8は停止装置6を表す図である。停止装置6は、いわばクッションであり、この停止装置6に移動体模型1がぶつかることで、移動体模型1は停止する。停止装置6は、トンネル模型4の後方(移動体模型の移動方向)に設置される。本実施例では、停止装置6のクッション材61としてスポンジを用いている。移動体模型1は高速鉄道の速度並みの時速500km/hに達することもあるので、移動体模型1が停止装置6と衝突した際に破壊しない程度の、十分な厚さとやわらかさのクッション材61を用いて停止装置6を製作する。
[発明に係る移動体模型を用いた圧縮波の再現試験]
次に、移動体模型1を用いた圧縮波の再現実験について、順を追って説明する。
移動体模型1を発射する際には、まず移動体模型1を、前記発射装置2の発射輪21のうち最も手前側(進行方向反対側)の発射輪の手前に設置する。次に、発射輪21を回転させ、設定した回転数に達したときに移動体模型1をバネによって発射輪21に送り出し、摩擦駆動により移動体模型1を加速する。複数対の発射輪21は手前から徐々に回転速度が速くなるように調整されており、移動体模型1は隣の発射輪21の対に移動する度に、徐々に加速する。そして、最後の発射輪21を通過する際の速度が、実験で求められる移動速度になるよう、発射輪21の回転速度を調整する。
複数対の発射輪21がある場合、移動体模型1の長手方向の長さは、発射輪21の間隔より短くする必要がある。すなわち、複数対の発射輪21で移動体模型1を徐々に加速する場合には、隣接する発射輪21の間で回転速度が異なるため、もし移動体模型1の長手方向の長さが発射輪21どうしの間隔よりも長いと、移動体模型1に長手方向の力が加わり、移動体模型1を破損する原因となる。従って、移動体模型1の長手方向の長さは発射輪21どうしの間隔に比して同程度か短くする必要がある。
発射された移動体模型1は、トンネル模型4に突入する。この際トンネル模型4の入口で圧縮波が生じてトンネル模型内を出口方向(進行方向側)へ伝播する。これを、圧力計(図示せず)を用いて測定する。
発射された移動体模型1の移動速度は、2カ所以上に設置したコイル5を通過した際に生じる電圧が生じた時間の差から算出する。
トンネル模型4を通過した移動体模型1は、トンネル模型4の先(進行方向側)に設置された停止装置6に衝突して停止する。
本実施例に係る移動体模型1を圧縮波の再現実験に用いたことにより、以下の効果を奏する。
発射された移動体模型1が、停止装置6に衝突して停止する際、移動体模型1の継手部12には衝撃による応力が集中する。また、移動体模型1の前端部15は衝突を繰り返すうちに徐々に磨耗していく。しかし、本願発明のように移動体模型1を構成すれば、継手部12の厚さ(図2の厚さd1)を増加させて、その強度を増すことができので、継手部12の雄ねじ13が破損することがない。
また、移動体模型1の前端部15が停止装置6と衝突して磨耗したとしても、移動体模型1の後端部16の表面は平滑で凸凹はなく、形状が前端部15と合同であるため、後端部16を含む本体部分11と前端部15を含む本体部分11とを交換することができる。
また、分割された本体部分11を中空にすることができるが、各本体部分11は継手部12から独立しているため、継手部の厚さd1に依らず中空に作成することができる。このように構成すれば移動体模型1全体として軽量化が図られ、作業時の取り扱いが容易になる。また、同じ発射速度を与えようとした場合でも、移動体模型1が軽量であれば発射装置2が移動体模型1に与える駆動力が少なくてすむ。さらに、移動体模型1が衝突することによる停止装置6への負荷を軽減することができる。
また、継手部12に磁石18を内蔵する構成とすれば、発射された移動体模型1が停止装置6に衝突を繰り返したとしても、内蔵された磁石18は本体部分11の内側にあるので従来の移動体模型1に比べて破損しにくく、また衝撃で磁石18が飛び出すことはない。
移動体模型1の前端部15と後端部16は、それぞれ先端になるほど断面積が小さくなるように成型されることがある。これは、圧縮波の再現のためには、トンネル模型の断面積と移動体模型1の断面積の比と、移動体模型1の前端部の断面積変化率および移動体模型1がトンネル模型4に突入する速度を現実と等価にする必要があるためである。すなわち、鉄道列車を模した実験では、現実の鉄道列車、特に高速鉄道の車両は、先頭形状が流線型となっていることが多いため、移動体模型1の断面積変化率を等価に再現するために、先端になるほど断面積が小さくなるように、移動体模型1が形成される必要があるからである。
1 移動体模型
11 本体部分
12 継手部
13 雄ねじ
14 雌ねじ
15 前端部
16 後端部
17 中空
18 磁石
19 穴
20 ふた
2 発射装置
21 発射輪
3 ピアノ線
31 緊張装置
4 トンネル模型
5 コイル
51 電圧計
6 停止装置
61 クッション材
7 開口

Claims (3)

  1. 移動体模型発射装置用の移動体模型であって、
    該移動体模型は、進行方向に略垂直な断面で複数に分割可能な本体部分と、
    前記本体部分の個数より1つ少ない個数の継手部と、から構成され、
    前記継手部のうち少なくとも1つは、磁石を内蔵しており、
    各本体部分どうしは、断面に設けられた開口に前記継手部を挿入することで互いに連結し、該移動体模型を構成すること、
    を特徴とする移動体模型。
  2. 前記複数の本体部分のうち、進行方向端部の本体部分の形状と、進行方向反対側端部の本体部分との形状が合同であること、
    を特徴とする請求項1記載の移動体模型。
  3. 前記各本体部分の断面に設けられた開口には雌ネジが、各継手部の表面には雄ネジが形成されており、
    前記各本体部分どうしは、前記継手部とネジ結合することで互いに連結し、該移動体模型を構成すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の移動体模型。
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