JP5460472B2 - クロロプロパンの安定化組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、クロロプロパンの新規な組成物に関する。詳しくは、保存安定性を高くしたクロロプロパンの安定化組成物である。
クロロプロパンは、農薬原料の中間体をはじめ、各種工業製品の中間体として重要な塩素化合物である。例えば1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから製造する1,1,2,3−テトラクロロプロペンは、トリクロロアリルジイソプロピルチオカルバメート除草剤を製造する際の重要な化学中間体であることが知られている。また、上記クロロプロパンの他の具体的な用途としては、その構造により、地球温暖化係数の低いフロンを得るための中間体としての用途が挙げられる。
また、クロロプロパンはさまざまな化合物の中間体であるゆえに、工業分野においては、貯蔵、ローリーでの移送が多くなり、このような状況下においても安定であること、その用途が農薬原料であることからクロロプロパンの純度の維持も要求される。貯蔵タンクやローリーのタンクは、フッ素樹脂等のライニング、ガラスコーティング等がなされたものを用いることもあるが、コスト等を考慮しステンレスなどの金属系素材が用いられることが多い。
従来、クロロプロパンの一つである1,2−ジクロロプロパンの安定剤としては、エーテル系化合物を用いる方法が知られており、さらに補助安定剤としてアミレンを配合することも提案されている。(特許文献1参照)
また炭素数1のクロロアルカンが金属を腐食することは知られており、そのため安定化剤としてやはりエポキシドなどの含酸素化合物やアミン類等を配合し、補助安定剤としてアミレンを配合することも提案されている(例えば特許文献2、3)。
また炭素数1のクロロアルカンが金属を腐食することは知られており、そのため安定化剤としてやはりエポキシドなどの含酸素化合物やアミン類等を配合し、補助安定剤としてアミレンを配合することも提案されている(例えば特許文献2、3)。
前記エーテル系化合物などの含酸素化合物は確かにクロロアルカンの安定性向上には有益であるが、以下のような問題も有している。
即ち、十分な安定性を得るためにはクロロアルカンに対して少なくとも0.1質量%以上、通常は数質量%程度と比較的多量の添加を要する。当該クロロアルカンが金属洗浄剤などの最終製品として使用される際には、含酸素化合物が多量に含まれていても、最終製品としての物性、即ち洗浄性やすすぎの際の除去性に対して問題を生じることは殆ど無い。
しかしながら農薬やフロン代替材料の中間体として用いる場合、多量に含まれる安定剤が思わぬ副反応を生じたり、或いは目的反応の阻害を生じたりする場合がある。特に含酸素化合物や含窒素化合物はクロロアルカンとは本質的に異なる反応性を有する化合物であるため、その傾向が顕著である。
従って、本発明の目的は、クロロプロパンの安定化を達成するにあたり、含酸素化合物や含窒素化合物を用いず、かつ極く少量の添加で効果のある安定化されたクロロアルカン組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)
CCl3−CCl(2−m)Hm−CCl(3−n)Hn (1)
(上記式中、mは0〜2であり、nは0〜3の整数である)
で示される化合物が、1,2−ジクロロプロパンよりも相対的に安定性が高く、そのため従来は補助的な安定剤としてしか認識されていなかったアミレンが単独で、しかも極く少量でもクロロプロパンを安定に維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
CCl3−CCl(2−m)Hm−CCl(3−n)Hn (1)
(上記式中、mは0〜2であり、nは0〜3の整数である)
で示される化合物が、1,2−ジクロロプロパンよりも相対的に安定性が高く、そのため従来は補助的な安定剤としてしか認識されていなかったアミレンが単独で、しかも極く少量でもクロロプロパンを安定に維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、上記一般式(1)で示されるクロロプロパンが100質量部と、アミレンが0.002質量部〜0.5質量部とからなるクロロプロパン組成物である。
本発明によれば、極く低濃度のアミレンを存在させることで、クロロプロパンの安定化でき、従来の方法に比して、工業的に極めて有利に目的とするクロロプロパンの安定化を達成できる。
本発明で安定化の対象となるクロロプロパンは下記一般式(1)で示される化合物であり、
CCl3−CCl(2−m)Hm−CCl(3−n)Hn (1)
(上記式において、mは0〜2、nは0〜3の整数)
具体的には、1,1,1,3−テトラクロロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,2,3−ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン等が挙げられる。
CCl3−CCl(2−m)Hm−CCl(3−n)Hn (1)
(上記式において、mは0〜2、nは0〜3の整数)
具体的には、1,1,1,3−テトラクロロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,2,3−ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン等が挙げられる。
安定化剤として添加するアミレンは炭素数5個、水素数10の化合物総称であり、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン等の化合物であり、それぞれを単独で使用しても良いし、混合物として使用しても良い。
当該アミレンは実質的に二重結合以外に反応性基を有さないため、クロロプロパンを中間体として用いる場合でも各種反応に際して想定外の副反応を生じたり、反応阻害剤として作用する可能性が極めて低い。さらに、アミレンの沸点は20〜40℃であるから、前記式(1)で示されるクロロプロパンとの沸点差が100℃以上ある。したがって、アミレンの存在が問題となる場合には蒸留操作等により容易にクロロプロパンと分離することも可能である。
当該アミレンは、前記式(1)で示されるクロロプロパン100質量部に対して、0.002質量部〜0.5質量部で配合される。0.002質量部未満では実質的な安定化効果が得られない。好ましくは0.003質量部以上である。一方、安定化効果に対してはどれほど多くても問題はないが、クロロプロパンを中間体として使用する場合、アミレン含有量が多すぎると原料単位当たりの製造効率が低くなるため0.5質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは0.2質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。
本発明のクロロプロパン組成物は、各種化合物の中間体として有用である。例えば、特開2009−227675号公報、特開2001−261593号公報等に記載の如く含フッ素炭化水素の製造原料として好適に使用できるし、また特開平6−256250号公報に記載の如く医農薬の合成中間体とすることもできる。
本発明のクロロプロパン組成物は、上記用途に供するまでの間、内壁面がステンレスなどの鉄系素材を用いたタンク等での貯蔵、ローリーによる運搬を行っても劣化することが殆どなく、これら貯蔵・運搬に際してのコスト低減への寄与が大きい。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例1
50mlのガラス製のスクリュー管ビンに、アミレン(和光純薬工業製、1−ペンテン)を0.0030質量%含む1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを35mlとSUS316の金属片を入れ、暗所で、室温で保管した。30日後金属片の表面状態を観察した結果、全く変化は見られなかった。
50mlのガラス製のスクリュー管ビンに、アミレン(和光純薬工業製、1−ペンテン)を0.0030質量%含む1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを35mlとSUS316の金属片を入れ、暗所で、室温で保管した。30日後金属片の表面状態を観察した結果、全く変化は見られなかった。
実施例2、比較例1〜3
アミレン含有量を表1に示す割合に変化させた以外は実施例1と同様に保存試験を行った。結果を表1に示す。
アミレン含有量を表1に示す割合に変化させた以外は実施例1と同様に保存試験を行った。結果を表1に示す。
Claims (1)
- 下記一般式(1)で示されるクロロプロパン100質量部と、アミレン0.002質量部〜0.5質量部とからなるクロロプロパン組成物。
CCl3−CCl(2−m)Hm−CCl(3−n)Hn (1)
(上記式において、mは0〜2、nは0〜3の整数)
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| JP2010131751A JP5460472B2 (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | クロロプロパンの安定化組成物 |
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