JP5468767B2 - 軌陸作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道上を走行可能な車両の車台上に高所作業装置やクレーン装置を設けて構成された軌陸作業車に関する。
従来、高所作業装置の先端に設けられた作業台を所望高所に移動させ、作業台に搭乗した作業者による高所作業を行わせるように構成された高所作業車が知られている。この高所作業車の一例として、軌道走行用車輪と道路走行用車輪とを有し、軌道上において高所作業装置による架線の保守点検作業等ができるように構成された軌陸作業車がある(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に開示されたように構成される軌陸作業車は、軌道に沿って架線の保守点検を行う作業等が要求される場合が多く、その場合には、軌道走行用車輪が軌道上に載って車両を支持した状態で、軌道上を走行しながら高所作業装置による架線の保守点検作業等が行われる。
上記軌陸作業車において、作業台が極端に上方や左右側方に移動されたままの状態で軌道に沿って走行させると、作業台が架線、架線を支持する支柱および隣り合う軌道上の鉄道車両等に接触する虞があるとともに、作業台に搭乗した作業者を危険に晒すことにもなる。そのため従来、作業台が架線等と接触しない許容移動範囲を予め設定して、作業台がこの許容移動範囲内にある場合には走行を許容し、逆に許容移動範囲を超えるときには走行を規制する走行規制装置が設けられていた。
特開2000−38292号公報
ところで、上述の走行規制装置が設けられた従来の軌陸作業車において、例えば停車させた状態で作業台を架線部分近傍まで上昇させて保守点検作業を行い、次の作業場所に移動する際には、作業台を一旦上記許容移動範囲内に移動させることで発進可能となる。実際の作業現場においては保守点検作業を効率的に行うために、作業台を許容移動範囲の限界位置近傍まで移動させて発進させる場合がある。この状態で走行させると、軌陸作業車に振動や横揺れ等が作用して姿勢が若干ふらつくようなときに、即座に作業台が許容移動範囲外に位置することになって走行規制装置が頻繁に作動していた。このように、走行規制装置が作動する度に軌陸作業車は減速して停車されるので、作業者は操作通りに走行させにくくなって作業車に対する操作性を低下させるとともに、次の作業場所に移動するまでに余分な時間がかかってしまい、作業効率を低下させる虞があった。
以上のような課題に鑑みて、本発明では、軌道走行時における頻繁な走行規制作動をなくすことで、操作性および作業効率を向上させた軌陸作業車を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る軌陸作業車は、軌道走行用車輪(例えば、実施形態における鉄輪14)により軌道上を走行可能な車両(例えば、実施形態における車体10)と、前記車両の車台上に前記車台に対して少なくとも昇降移動可能に配設された作業装置(例えば、実施形態における作業台40)と、前記作業装置の移動位置に応じて前記車両の走行作動を規制する走行規制装置(例えば、実施形態における軌道走行コントローラ90)とを有した軌陸作業車において、前記走行規制装置が、前記作業装置の移動位置を検出する位置検出部(例えば、実施形態における車両姿勢演算部91)と、前記軌道上を前記車両が走行するときにおいて、前記軌道の周囲に設けられた軌道設備(例えば、実施形態における架線9)に干渉しないような前記作業装置の許容移動範囲および前記許容移動範囲を前記軌道設備に干渉しない範囲において外方に拡げて設定された拡大許容移動範囲を備え、前記位置検出部において検出される前記作業装置の移動位置に応じて前記走行作動を規制する制御部(例えば、実施形態における規制範囲判定部93)とを有して構成され、前記制御部は、前記軌道上で前記車両が停車した停車状態において前記位置検出部により検出された前記作業装置の移動位置が前記許容移動範囲外であるときに前記車両の発進を規制し、前記軌道上を前記車両が走行する走行状態において、前記位置検出部により検出された前記作業装置の移動位置が前記拡大許容移動範囲外であるときに前記車両の走行を規制する。
なお、上記構成の軌陸作業車において、前記車台には、水平面に対する前記車台の傾斜角を検出する傾斜角検出部(例えば、実施形態における車体傾斜角検出器25)が設けられており、前記許容移動範囲および前記拡大許容移動範囲は、前記軌道が設けられた軌道面に対して垂直上方に延びるように設定されるとともに、前記傾斜角検出部により検出された前記車台の傾斜角の大きさに応じて前記垂直上方高さが設定されることが好ましい。
本発明に関する軌陸作業車によれば、作業装置の一例としての作業台の移動位置に応じて走行規制を行う走行規制装置が、許容移動範囲と、この許容移動範囲よりも広く設定された拡大許容移動範囲とを備えた制御部を有して構成される。これにより、停車状態において作業台が許容移動範囲外に位置している場合に車両の発進を規制し、走行状態において拡大許容移動範囲外に作業台が位置するときに車両の走行を規制する構成が可能となる。そのため、例えば走行中に許容移動範囲よりも広い拡大許容移動範囲内に作業台があれば走行が規制されることなく許容されるようにすることで、例えば許容移動範囲の限界位置近傍に作業台を移動させて発進させた場合において、軌陸作業車が走行中に若干ふらついて作業台が許容移動範囲外に位置しても拡大許容移動範囲内に位置していれば、走行規制装置が作動することなく走行を継続することができる。よって、軌道走行時に走行規制装置が頻繁に作動することを防止して、作業車に対する操作性および作業効率を向上させることが可能となる。
なお、上記軌陸作業車において、車台の傾斜角を検出する傾斜角検出部を設け、この傾斜角検出部により検出された傾斜角に対応して、許容移動範囲および拡大許容移動範囲が設定される構成が好ましい。例えば、検出された傾斜角の大きさに反比例するように、許容移動範囲および拡大許容移動範囲の上方高さを設定する場合には、軌陸作業車に作用する転倒モーメントの大きさに応じた許容移動範囲および拡大許容移動範囲が設定可能となり、走行中の軌陸作業車の転倒を確実に防止できる。
以下、本発明に係る軌陸作業車の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1および図2を参照して、本発明を適用した軌陸作業車の一例である軌陸作業車1の全体構成について説明する。図1は軌陸作業車1の側面図を、図2は後述する鉄輪張出格納装置60をそれぞれ示している。
軌陸作業車1は、図1に示すように、運転席11およびその後方に設けられた車台12を有してタイヤ車輪13により道路走行が可能な車体10と、車台12上に設けられた旋回台20と、この旋回台20から上方に延びた支柱21にフートピン22により取り付けられてブーム起伏シリンダ23の作動により起伏可能なブーム30と、このブーム30の先端部に設けられた作業台40とを有して構成される。
旋回台20は、車体10内に設けられたブーム旋回モータ24の作動により水平旋回可能であり、これによりブーム30を360度旋回させる。ブーム30は複数のブーム部材が入れ子式に構成されており、内蔵されたブーム伸縮シリンダ31の作動により伸縮可能である。ブーム30の先端部には図示しないレベリング装置の作用により常時垂直に保持される垂直ポスト32が設けられており、作業台40はこの垂直ポスト32の上部に取り付けられている。このため作業台40は床面が常に水平に保たれ、内蔵された作業台旋回モータ41の作動により水平面内での首振りができるようになっている。
作業台40には上部操作装置50が設けられており、ここに備えられたレバー類を操作することにより、ブーム起伏シリンダ23、ブーム伸縮シリンダ31、ブーム旋回モータ24、作業台旋回モータ41、および後述する油圧モータ81L,81R等を油圧作動させて、ブーム30の起伏、伸縮、旋回、作業台40の首振り、および後述するように軌道R上において軌陸作業車1を走行させることができるようになっている。このため、作業台40に搭乗した作業者は、所望の高所作業位置へ作業台40を移動させて作業を行うことができる。
車体10の前後左右4箇所、各タイヤ車輪13の後方には、軌道走行用の鉄輪14が鉄輪張出格納装置60を介して取り付けられている。この鉄輪張出格納装置60は、図2にも示すように、車体10側部材である基部61の下部に揺動ピン71により揺動自在に枢結されて鉄輪14を回転自在に支持するブラケット62と、上端部(シリンダ本体63a側の端部)が図示しない上部ピンにより車体10側に枢結されるとともに、下端部(ピストンロッド63b側の端部)が下部ピン72によりブラケット62のシリンダ取付部62aに枢結された鉄輪張出格納シリンダ63とを備えている。この構成から、鉄輪張出格納シリンダ63を伸長させることで鉄輪14を張出状態、鉄輪張出格納シリンダ63を縮小させることで鉄輪14を格納状態とすることができる。なお、図1には張出状態を、図2には格納状態をそれぞれ示している。
車体10の後部には後部操作装置55が設けられており、この後部操作装置55には各鉄輪14の張出指令を行う鉄輪張出スイッチ(図示せず)と、各鉄輪14の格納指令を行う鉄輪格納スイッチ(図示せず)とが設けられている。また、図1に示すように、車体10の下部には車体10を道路と軌道Rとの間で載せ換え移動させるための転車台17が、下方に突出して設けられている。この転車台17は、車体10に内蔵された転車台張出格納シリンダ18の伸縮作動により、下方への張り出しおよび上方への格納が可能になっている。この転車台張出格納シリンダ18の作動操作は、後部操作装置55より行われる。
以上のように構成された軌陸作業車1を用いて、軌道R上での高所作業、例えば架線の保守点検作業を行う手順について説明する。このような高所作業を行うには、まず作業者が運転席11から運転して道路走行を行い、作業車1を作業現場最寄りの踏切へ移動させる。このように道路上を移動するときには、鉄輪14は上方の格納位置に位置させた状態(図2参照)とし、タイヤ車輪13により走行する。このとき、ブーム30は全縮状態で前方に倒伏させ、ブーム30を車台12に設けたブーム受け19に載置させておく。
作業現場最寄りの踏切に到着したら、前後のタイヤ車輪13により踏切を跨ぐように停止し、後部操作装置55から操作を行って転車台張出格納シリンダ18を作動させ、転車台17を車体10の下方へ張り出させる。車体10が転車台17により持ち上げ支持されたら車体10を手で押して約90度旋回させ、車体10の走行方向と軌道Rの方向とが一致したら後部操作装置55から鉄輪張出スイッチを操作して、鉄輪張出格納シリンダ63を作動させる。このようにして、各鉄輪14を所定の張出位置にまで張り出した後、転車台張出格納シリンダ18を作動させ、転車台17を格納させながら鉄輪14を軌道R上に位置させる。これにより車体10は、道路から軌道R上へ載せ換え移動された状態となり、鉄輪14を駆動させることで軌道Rに沿って走行可能となる。
軌道Rに沿って軌陸作業車1を走行させるため、図3に示すように、前側の鉄輪14(左鉄輪14Lおよび右鉄輪14R)に、左および右側鉄輪駆動用の油圧モータ81L,81Rが接続されている。図3には、左および右鉄輪14L,14Rの回転駆動および制動に関する油圧回路を示している。
上記油圧回路は、車載のバッテリ(図示せず)により駆動される電気モータ82(なお、これに代えて車載のエンジン、例えば、タイヤ車輪13を駆動する走行用エンジンの駆動力を、PTO装置を介して取り出す、あるいは車台12上に備えられるエンジン駆動式のユニットを用いても良い)と、この電気モータ82により駆動されて作動油タンクTの作動油を吸入する油圧ポンプ83と、この油圧ポンプ83からの圧油が供給される制御バルブ84、この制御バルブ84により供給制御された圧油が送られる油圧モータ81L,81R、駐車ブレーキキャリパ15L,15R、ブレーキキャリパ16L,16Rとを主体に構成される。
油圧モータ81L,81Rにより回転駆動される左右の鉄輪14L,14Rには、ブレーキロータ80L,80Rが一体に結合して取り付けられており、このブレーキロータ80L,80Rを挟持してその回転を制動するブレーキキャリパ16L,16Rが、ブラケット62に取り付けられている(図2参照)。また、ブラケット62には、ブレーキロータ80L,80Rを挟持してその回転を制動する駐車ブレーキキャリパ15L,15Rも取り付けられている。
ブレーキキャリパ16L,16Rは、制御バルブ84から圧油が供給されて制動状態となり、圧油の供給がされていないときには制動が解除された状態となる。駐車ブレーキキャリパ15L,15Rは、ネガティブタイプと称されるディスクブレーキであって、制御バルブ84から圧油が供給されていないときにはスプリング(図示せず)の付勢力により制動状態となっており、一方、制御バルブ84から圧油が供給されることで、上記付勢力による制動が解除されるようになっている。よって、例えば油圧ポンプ83が故障して制御バルブ84からの圧油供給が途絶えた場合においても、直ちに制動力を発生可能な構成となっており、作業安全性が確保されている。
また、上部操作装置50に設けられた例えば走行レバー(図示せず)の操作信号が制御バルブ84に入力されるようになっており、この操作信号に基づいて油圧モータ81L,81Rへの圧油の供給制御が行われる。
以上のように構成された軌陸作業車1を、例えば軌道R上で走行させて所望の位置で停車させ、ブーム30を作動させて作業台40を高所に移動させて架線の保守点検作業を行う。図4(a)および(b)には、軌道R上に位置した軌陸作業車1を前方から見た図を示しており、例えば停車状態で軌道Rの上方に設けられた架線9の高さ位置付近に作業台40を移動させて作業を行う場合を示している。
ここで、ブーム起伏シリンダ23には、ブーム起伏シリンダ23に作用するモーメントを検出する軸力センサ(図示せず)が取り付けられており、検出されたモーメントが予め設定された許容モーメントを超えるようなブーム30の作動が規制されるようになっている。図4(a)においては、ブーム30の作動が規制されず作業台40が移動可能な範囲として、2点鎖線で示す許容作業範囲4が設定されている。なお、図4(a)は軌陸作業車1が水平な軌道R上に位置した場合を、図4(b)は水平面に対して傾斜角αの軌道R上に位置した場合をそれぞれ示している。
ところで、作業台40が架線9の高さ位置付近に移動されたままの状態で、軌陸作業車1を軌道Rに沿って走行させると、作業台40が架線9に接触する虞があり危険である。そこで、軌陸作業車1においては、作業台40が所定範囲外に位置している場合には発進が規制される構成となっている。また、軌陸作業車1は軌道R上を走行中においてもブーム30を作動させて作業台40を移動可能となっており、走行中に作業台40が一定範囲外に移動した場合には、上記と同様に作業台40が架線9に接触する虞があるため、このとき軌陸作業車1の走行が規制される構成となっている。以下、これらの規制に関する装置構成およびその作動について説明する。
軌陸作業車1には、図5に示すような車両姿勢演算部91と、車両走行演算部92と、規制範囲判定部93とを備えた軌道走行コントローラ90が搭載されている。例えばブーム30には、ブーム30の起伏角度を検出するブーム起伏角検出器33、ブーム30の車台12に対する旋回角度を検出するブーム旋回角検出器34、およびブーム30の伸長量を検出するブーム伸長検出器35が取り付けられており、各検出器における検出結果が車両姿勢演算部91に出力されるようになっている。
車両姿勢演算部91では、入力された各検出結果を基にして作業台40の移動位置を求める。また、作業台40に搭乗した作業者による上部操作装置50の操作状態(例えば、走行レバーが操作されているか否か)が、操作信号として上部操作装置50から車両走行演算部92に出力される。車両走行演算部92では、入力された操作信号から軌陸作業車1が軌道R上を「走行中」であるか、または「停車中」であるかを検出可能に構成されている。
規制範囲判定部93は、例えば図4(a)に示すような略矩形で軌陸作業車1を囲むように設定された許容移動範囲2と、この許容移動範囲2を左右および上方に拡げるようにして設定された拡大許容移動範囲3とを備えている。これら許容移動範囲2および拡大許容移動範囲3は、この範囲内に作業台40が位置した状態で軌陸作業車1が走行した場合に、作業台40と架線9等とが接触しない範囲として設定される。なお、これら許容移動範囲2および拡大許容移動範囲3の詳細については後述する。
車体10には、車体10の傾斜角度を検出する車体傾斜角検出器25が取り付けられており、この車体傾斜角検出器25における検出結果が規制範囲判定部93に出力される(図5参照)。この規制範囲判定部93には、車体傾斜角検出器25における検出結果の他に、車両姿勢演算部91で求められた作業台40の移動位置、および車両走行演算部92における「走行中」または「停車中」の検出結果が入力されるようになっている。
続いて、このように構成された軌道走行コントローラ90の作動について、図4(a)で軌陸作業車1を停車させ架線9の高さ位置付近に作業台40を移動させて作業を行った後、軌陸作業車1を走行させて次の作業位置に移動させる場合を例に挙げて説明する。この場合には、車両走行演算部92から規制範囲判定部93へ「停車中」という検出結果が出力されており、車両姿勢演算部91から入力された作業台40の移動位置と許容移動範囲2とが比較される。
ここで、作業台40が許容移動範囲2の内側(例えば、図4(a)に示す作業台40aの位置)に移動されている場合には、規制範囲判定部93において、許容移動範囲2の内側に作業台40が位置していると判断され、その判断に応じた作動信号が規制範囲判定部93から制御バルブ84へ出力される。この作動信号に基づき、制御バルブ84から油圧モータ81L,81Rおよび駐車ブレーキキャリパ15L,15Rへ圧油供給が許容されて、軌陸作業車1は走行レバーの操作に応じて発進可能となる。このように軌道走行コントローラ90が作動することにより、軌陸作業車1を発進させたときに作業台40が架線9に接触することを防止できて安全性を高めることができる。
一方、作業台40が許容移動範囲2の外側(例えば、図4(a)に示す作業台40bの位置)にある場合、規制範囲判定部93において作業台40が許容移動範囲2の外側に位置していると判断される。この判断に基づいて、制御バルブ84が切り換えられて油圧モータ81L,81Rおよび駐車ブレーキキャリパ15L,15Rへ圧油供給が規制されるので、走行レバーの操作に応じて軌陸作業車1を発進させることができず、発進させるためにはブーム30を作動させて作業台40を許容移動範囲2の内側に移動させなければならない。このようにして、発進する際には作業台40が常に許容移動範囲2の内側に位置した状態となっており、作業台40と架線9とが接触することなく安全性を確保可能な構成となっている。
上述のようにして、作業台40が許容移動範囲2の内側に位置した状態で軌陸作業車1は発進し、軌道R上を走行して次の作業場所に移動される。この走行中において、作業台40が許容移動範囲2の内側に位置していれば、作業台40と架線9とが接触する虞はないため走行が許容される一方で、軌道Rから軌陸作業車1に例えば振動や横揺れ等が作用して、作業台40が若干ふらついて許容移動範囲2の外方に位置する場合がある。このときの軌道走行コントローラ90の作動について、図4(a)を参照しながら以下に説明する。この場合には、車両走行演算部92から規制範囲判定部93へ「走行中」という検出結果が出力されており、車両姿勢演算部91から入力された作業台40の移動位置と拡大許容移動範囲3とが比較される。
ここで、走行中に作業台40が若干ふらついて、例えば作業台40aの位置から作業台40bの位置(許容移動範囲2の外側で且つ拡大許容移動範囲3の内側)に移動した場合、規制範囲判定部93において、拡大許容移動範囲3の内側に作業台40が位置していると判断される。そして、その判断に応じた作動信号が規制範囲判定部93から制御バルブ84へ出力され、この作動信号に基づいて制御バルブ84は、そのまま油圧モータ81L,81Rへの圧油の供給を許容して走行状態が維持される。このように、振動や横揺れ等が作用して作業台40が若干ふらついて許容移動範囲2の外側に位置した場合においても、その都度走行規制が行われて停車されることがなくなり、移動時間を短縮できて作業効率を向上させることが可能となる。また、作業者の操作通りにスムーズに軌陸作業車1を走行させることができるので、作業車に対する操作性を向上させることが可能である。
一方、走行中に軌陸作業車1に大きな振動等が作用したりブーム30が操作されたりして、作業台40が拡大許容移動範囲3の外側の作業台40cに移動した場合には、作業台40と架線9とが接触する虞があり危険である。このとき、規制範囲判定部93において、拡大許容移動範囲3の外側に作業台40が位置していると判断され、制御バルブ84を切り換えて油圧モータ81L,81Rへの圧油を停止するとともに、ブレーキキャリパ16L,16Rへ圧油を供給する。そうすることにより、軌陸作業車1を直ちに減速させて停車させることができるので、走行中に作業台40と架線9とが接触することを防止できて安全性を高めることができる。
ところで、従来の1つの許容移動範囲のみを設定した構成においては作業効率を上げるため、この許容移動範囲の範囲端部近傍に作業台40を移動させて発進させる場合が多々あった。このとき、作業台40が若干ふらつくことで即座に作業台40が許容移動範囲の外側に位置することになり、その都度走行規制が作動して停車することで操作性の低下に繋がっていた。
一方、本発明を適用した軌陸作業車1においては、許容移動範囲2の内側に作業台40を位置させることを発進させるための条件としており、これにより作業台40と架線9とが接触することなく安全性を確保できる構成となっている。さらに、走行中においては、許容移動範囲2よりも広い拡大許容移動範囲3の内側に作業台40が位置していれば走行が許容されるので、許容移動範囲2の範囲端部近傍に作業台40を位置させて発進させた場合において、作業台40が若干ふらついてもその都度走行規制が作動することを回避でき操作性を向上させることが可能である。
上記規制範囲判定部93は、軌陸作業車1が位置した軌道Rの傾斜に応じて上記許容移動範囲2および拡大許容移動範囲3を設定可能となっており、その設定方法について以下に説明する。図4(b)に示すような傾斜した軌道R上に軌陸作業車1が位置した場合、この傾斜角αが車体傾斜角検出器25により検出され、規制範囲判定部93に出力される。そして、規制範囲判定部93は、この傾斜面から垂直上方に延びるように許容移動範囲5および拡大許容移動範囲6を設定するが、このとき、検出された傾斜角の大きさに反比例させるようにして許容移動範囲5および拡大許容移動範囲6の上方高さを設定する。
例えば、水平な軌道Rに位置した図4(a)と比較した場合、許容移動範囲5は許容移動範囲2よりも低く、拡大許容移動範囲6は拡大許容移動範囲3よりも低く設定される。このように設定されることで、軌陸作業車1に作用する転倒モーメントの大きさに応じた許容移動範囲5および拡大許容移動範囲6が設定可能となり、走行中の軌陸作業車1の転倒を確実に防止できる。なお、このとき、作業台40が移動可能な許容作業範囲7は、上記傾斜角αを考慮して軌陸作業車1の中心軸Cに対して斜面上側にスライドさせた範囲に設定される。
上述の実施形態において、軌陸作業車1は軌道R上を走行中および停車中のどちらの場合においても、ブーム30を操作して作業台40を移動できる構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば軌道R上を走行中において、作業台40が図4(a)に示す許容移動範囲2を超えるようなブーム30の作動を規制する構成でも良い。また、軌道R上を走行中においては、ブーム30を作動させないように規制する構成も可能である。
また、上述の実施形態において、図4(a)および(b)に示した略矩形の許容移動範囲および拡大許容移動範囲の設定は一例であって、このような範囲設定に限定されない。例えば、軌道Rの周辺設備(架線の設置高さや架線を支持する支柱の左右間隔等)の設置状態に応じて範囲設定される構成も可能である。
上述の実施形態において、本発明を適用した軌陸作業車1として、ブーム30の先端に作業台40を設けた高所作業装置を備えた軌陸作業車の構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、シザースリンクや垂直マストにより作業台を昇降移動させる構成の軌陸作業車にも、本発明を適用することが可能である。さらに、ブームの先端からフックが吊下され、荷物の吊り上げ移動可能に構成されたクレーン装置を車台上に備えた軌陸作業車にも適用することができる。
本発明を適用した軌陸作業車の側面図である。 上記軌陸作業車の鉄輪近傍の側面図である。 上記陸作業車の鉄輪部分の油圧回路図である。 許容移動範囲および拡大許容移動範囲を示した図であって、(a)は上記陸作業車が水平な軌道R上に位置した場合を、(b)は傾斜した軌道R上に位置した場合をそれぞれ示す。 上記陸作業車の制御系統図である。
符号の説明
R 軌道
1 軌陸作業車
2 許容移動範囲
3 拡大許容移動範囲
9 架線(軌道設備)
10 車体(車両)
12 車台
14(14L,14R) 鉄輪(左鉄輪、右鉄輪)(軌道走行用車輪)
25 車体傾斜角検出器(傾斜角検出部)
40 作業台(作業装置)
90 軌道走行コントローラ(走行規制装置)
91 車両姿勢演算部(位置検出部)
93 規制範囲判定部(制御部)

Claims (2)

  1. 軌道走行用車輪により軌道上を走行可能な車両と、前記車両の車台上に前記車台に対して少なくとも昇降移動可能に配設された作業装置と、前記作業装置の移動位置に応じて前記車両の走行作動を規制する走行規制装置とを有した軌陸作業車において、
    前記走行規制装置が、
    前記作業装置の移動位置を検出する位置検出部と、
    前記軌道上を前記車両が走行するときにおいて、前記軌道の周囲に設けられた軌道設備に干渉しないような前記作業装置の許容移動範囲および前記許容移動範囲を前記軌道設備に干渉しない範囲において外方に拡げて設定された拡大許容移動範囲を備え、前記位置検出部において検出される前記作業装置の移動位置に応じて前記走行作動を規制する制御部とを有して構成され、
    前記制御部は、
    前記軌道上で前記車両が停車した停車状態において前記位置検出部により検出された前記作業装置の移動位置が前記許容移動範囲外であるときに前記車両の発進を規制し、
    前記軌道上を前記車両が走行する走行状態において、前記位置検出部により検出された前記作業装置の移動位置が前記拡大許容移動範囲外であるときに前記車両の走行を規制することを特徴とする軌陸作業車。
  2. 前記車台には、水平面に対する前記車台の傾斜角を検出する傾斜角検出部が設けられており、
    前記許容移動範囲および前記拡大許容移動範囲は、前記軌道が設けられた軌道面に対して垂直上方に延びるように設定されるとともに、前記傾斜角検出部により検出された前記車台の傾斜角の大きさに応じて前記垂直上方高さが設定されることを特徴とする請求項1に記載の軌陸作業車。
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