JP5476776B2 - トロリ線検測装置 - Google Patents

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本発明は、測域センサを用いてトロリ線の高さ、変位を測定するトロリ線検測装置に関し、特に、測定時の誤差を低減し、精度の高い測定値を得ることができるトロリ線検測装置に関する。
電気車に電気を供給するための電線であるトロリ線は、レールからの高さや電力供給を受けるパンタグラフ上での偏位の範囲が決められていることから、その高さや偏位が所定範囲内に収まるようにトロリ線を保全する必要がある。これには、トロリ線の高さや偏位の測定が重要となる。
従来、トロリ線を測定する方法としては例えば以下のようなものがある。第一に、パンタグラフのバネの部分にLEDなどの光源を二個ずつ上下に設置し、パンタグラフからの相対位置を求める方法である(例えば、特許文献1参照)。第二に、パンタグラフのバネの位置に光を反射しやすいマーカを取り付けてラインセンサで撮影し、パターンマッチングにより相対位置を検出する方法である(例えば、特許文献2参照)。第三に、トロリ線にロータリエンコーダを取り付けたポリゴンミラーを介してレーザ光を当て、ポリゴンミラーからトロリ線までの距離と、ロータリエンコーダから読み取れる回転角度をもとに、ポリゴンミラーからの相対位置を求める方法である(例えば、特許文献3参照)。
また、上述した第一ないし第三の方法のほかに、測域センサを用いてトロリ線の高さと偏位を求めることもできる。即ち、図12に示すように、車両1の屋根上に車両1の進行方向に平行な軸周りでトロリ線4をスキャンするように測域センサ2を設置する一方、車両1の内部に演算装置3を設置する。そして、測域センサ2においてレーザ光によりセンサの周囲を扇状にスキャンして得た測定対象物までの距離とステップ角とに基づき演算装置3において演算処理を行い、トロリ線の高さ及び偏位を求める。
つまり、測域センサ2の正面を鉛直上方に向けて車両1に配置し、その車両1を走行させることで測域センサ2の設置場所からトロリ線4までの距離と角度を取得し、これらを演算装置3側で座標に変換することで、測域センサ2からトロリ線4までの高さと偏位を求めるのである。
特開2001−235310号公報 特開2008−104312号公報 特開2006−123787号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では接触力を測定するために二箇所にLEDやマーカを取り付ける必要がある。さらにパンタグラフの高さ・偏位・接触力が同時に得られるような計算を行っているため、高さと偏位のみを得たい場合には不要な計算が発生してしまうという問題があった。また、特許文献2に記載された構成では、まず時空画像を生成してからパターンマッチングを行うため、リアルタイムに高さや偏位を得ることが困難であるという問題があった。
一方、文献3や測域センサを用いた方法では直接的にトロリ線までの距離と角度が得られるため、最小限の計算でトロリ線までの高さや偏位が得られるという利点がある。しかし、図12に示したように測域センサ4を用いてトロリ線4の高さを測定する際、第一にトロリ線4の形状による誤差が生じるという問題、第二に測域センサ2の精度による誤差が生じるという問題の二つの問題が生じるおそれがあった。
上記第一の問題は、図13に示すように、測域センサ2は一定の微小な角度ごとに放射線状に周囲をスキャンように構成されているため、測域センサ2からの距離が近いトロリ線4Aを測定する場合と、測域センサ2からの距離が遠いトロリ線4Bを測定する場合とでは、測域センサ2からの距離が遠いトロリ線4Bを測定する場合の方が測定誤差が大きくなる可能性が高いという問題である。これは、トロリ線4A,4Bの大きさが同じ場合であっても測域センサ2からの距離によって測域センサ2による一回のスキャンでトロリ線4A,4Bを検出できる回数が異なる場合があるためである。
即ち、測域センサ2によるトロリ線4の高さ測定では、一回のスキャンで得られるトロリ線4A,4Bの座標のうちその位置が最も低い座標をトロリ線4の座標とする。ところが、トロリ線4A,4Bの検出箇所Piが中心からずれると、図14に示すようにずれた分だけ最下点Pjとの誤差が大きくなる。この誤差を低減するには、角度分解能の高い測域センサを用いる必要があった。
また、第二の問題は、測域センサ2そのものの精度によるものであり、この場合にも、より測定精度の高い測域センサを用いる必要があった。
このようなことから本発明は、測域センサによる測定誤差を低減することを可能としたトロリ線検測装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する第1の発明に係るトロリ線検測装置は、車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記検出範囲抽出手段において、前記検出範囲内にある測定対象物のみを抽出して求めた前記座標から、トロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角φを有するようにその設置角度を設定され、該傾斜角φをrmax・sinω<a/cosφ(ただし、rmaxは前記測域センサから前記トロリ線までの距離の最大値、ωは前記測域センサの角度分解能、aは前記トロリ線の半径)とし、前記測域センサから前記トロリ線までの距離rが前記測域センサの測定可能距離を超えないものとすることを特徴とする。
上記の課題を解決する第の発明に係るトロリ線検測装置は、車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して前記車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたことを特徴とする。
上記の課題を解決する第の発明に係るトロリ線検測装置は、車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角を有するとともに、前記車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたことを特徴とする。
上述した第1の発明に係るトロリ線検測装置によれば、車両の屋根上に設置される測域センサと、車両の内部に設置される演算装置とを備え、測域センサの検出結果に基づいて演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって演算装置が、測域センサの操作を行う制御手段と、測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、検出範囲抽出手段において、検出範囲内にある測定対象物のみを抽出して求めた座標から、トロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、測域センサが、そのスキャン平面が車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角φを有するようにその設置角度を設定され、該傾斜角φをrmax・sinω<a/cosφ(ただし、rmaxは測域センサからトロリ線までの距離の最大値、ωは測域センサの角度分解能、aはトロリ線の半径)とし、測域センサからトロリ線までの距離rが測域センサの測定可能距離を超えないものとするので、測域センサによる測定誤差を低減することができる。また、トロリ線を測定する領域を広くすることができるため、測域センサの角度分解能を変更することなく、一回のスキャンで一つのトロリ線を測定する回数を増加させることができ、測定値の精度が向上する。さらに、測域センサの測定可能距離内で確実にトロリ線の測定を行うことができる。
の発明に係るトロリ線検測装置によれば、車両の屋根上に設置される測域センサと、車両の内部に設置される演算装置とを備え、測域センサの検出結果に基づいて演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、演算装置が、測域センサの操作を行う制御手段と、測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、測域センサが、そのスキャン平面が車両の進行方向に直交する面に対して車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたので、より角度分解能の高い測域センサを導入することなく、測域センサによる高さ方向の誤差を低減することができる。
の発明に係るトロリ線検測装置によれば、車両の屋根上に設置される測域センサと、車両の内部に設置される演算装置とを備え、測域センサの検出結果に基づいて演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、演算装置が、測域センサの操作を行う制御手段と、測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、測域センサが、そのスキャン平面が車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角を有するとともに、車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたので、測域センサの高さ方向の誤差を低減しつつ、トロリ線の測域センサによって測定される領域を広げることができる。
図1(a)は本発明の実施例1に係るトロリ線検測装置の適用例を示す正面図、図1(b)は図1(a)の側面図である。 図1(a)の上面図である。 本発明の実施例1における演算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1におけるトロリ線検測の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1における測域センサとトロリ線との関係を示す説明図である。 本発明の実施例2に係るトロリ線検測装置の適用例を示す側面図である。 トロリ線の高さ及び偏位と測域センサの設置角度の関係を示す説明図である。 本発明の実施例3に係るトロリ線検測装置の適用例を示す側面である。 本発明の実施例3における測域センサの設置角度と測定対象物の測定値との関係を示す説明図である。 本発明の実施例3における測域センサの設置角度と測定対象物の測定値との関係を示す他の説明図である。 本発明の実施例3における測域センサの設置角度と測定対象物の測定値との関係を示す他の説明図である。 図12(a)は従来のトロリ線検測装置の一例を示す正面図、図12(b)は図12(a)の側面図である。 測域センサから測定対象物までの距離と測域センサによる測定回数との関係を示す説明図である。 測域センサによる測定対象物の測定誤差を説明する説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るトロリ線検測装置の詳細を説明する。
図1乃至図14を用いて本発明に係るトロリ線検測装置の第一の実施例を説明する。
図1に示すように、本実施例に係るトロリ線検測装置は、車両1の屋根上にトロリ線4を測定可能に設置された測域センサ2と、車両1の内部に設置された演算装置3とを備えて構成されている。
測域センサ2はレーザ光により測定領域Aとしてその周囲を扇状にスキャンし、トロリ線4等の測定対象物までの距離とステップ角を演算装置3に出力するものであり、本実施例においては、図2に示すようにその正面を鉛直上方に向けるとともに、そのスキャン平面S(測域センサ2によってスキャンされる面)が車両1の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで角度φ(0°<φ<90°)だけ傾斜するようにその設置角度を設定されている。また、本実施例では、測域センサ2は図1に示す測定範囲A(スキャン角度270°)を1080ステップでスキャンするものとし、これにより角度分解能ωは0.25°となっている。なお、図1中の符合Bは後述する検出範囲を示しており、図1(b)及び図2においてはトロリ線4の直径を誇張して示している。また、図1(b)において斜線を付した部分はトロリ線4と測定範囲Aとが交差する面の例を示している。
本実施例では、上述したように測域センサ2をそのスキャン平面Sが車両1の進行方向に直交する面に対して斜めになるように配置することにより、トロリ線4に対するスキャン幅d’が、測域センサ2のスキャン平面Sを車両1の進行方向に直交させた場合のスキャン幅dに比較して広くなっている。そのため、相対的に角度分解能を向上させることが可能となり、測定対象物の形状による誤差を解消することができる。
ここで、トロリ線4はその断面がほぼ円形である一方、パンタグラフに接する箇所、即ち測域センサ2によって位置を検出される面は平らになっているため、一つのトロリ線4に対して常に1スキャンで2回以上その位置の測定を行うことができれば十分な精度が得られると考えられる。
図1及び図2に示すように測域センサ2を車両1の進行方向に直交する面に対して角度φだけ傾斜させて設置した場合のスキャン幅d’[mm]は、従来のスキャン幅d[mm]を用いて下式(1)のように表される。
Figure 0005476776
以下に、一例として角度分解能ωの測域センサ2を用いて直径2aのトロリ線4を検測する場合を考える。測域センサ2による測定対象物の位置測定は、図13に示し上述したように測域センサ2と測定対象物との間の距離に大きく影響される。
例えば、測域センサ2をそのスキャン平面Sが車両1の正面に対して平行するように設置した場合、一回のスキャンで常に2回以上トロリ線を検出するための条件式は、測域センサ2からこの測域センサ2によって測定されるトロリ線4の位置までの距離(以下、単に「測域センサ2からトロリ線4までの距離」という)r[mm]を用いて下式(2)のように表せる。
Figure 0005476776
例えば、測域センサ2の角度分解能をω=0.25°、トロリ線4の直径を2a=12.37mmとした場合、(2)式から、測域センサ2からトロリ線4までの距離rは約r<1417.5mmとなる。これに対し、トロリ線4は表1に示すようにレールから決まった高さと偏位に存在しなければならないことが定められている。
Figure 0005476776
表1に示すように、新幹線に使われるトロリ線4の場合は、レール面から最高5300mmの高さに敷設される。ここで、一例として新幹線の車高を3360mmとすると、車両1の上部からトロリ線4までの高さは最高1940mmとなる。つまり、新幹線にこの測域センサ2を載せてトロリ線4を検測する場合には、1スキャンにつき1回しか検出できない箇所があることが分かる。
これに対し、本実施例に係るトロリ線検測装置を適用する場合は、測域センサ2からトロリ線4までの距離の最大値をrmax[mm]とした場合に下式(3)を満たすようなφが存在すればその有効性が確認される。
Figure 0005476776
一例として、測域センサ2の角度分解能をω=0.25°、トロリ線4の直径を2a=12.37、測域センサ2からトロリ線4までの距離の上限をrmax=1940mmとして上式を解くと、cosφ<0.7306…、即ちφ>43.05…となる。従って、車両1の進行方向に直交する面に対して測域センサ2を例えば設置角度φ=45°で配置すれば、一回のスキャンで常に2回以上トロリ線4を測定することができることがわかる。このように、本実施例によれば測域センサ2による測定誤差を低減し、測定精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施例では、車両1の正面に対する測域センサ2の設置角度φを90°に近づけるほどトロリ線4に対するスキャン範囲を広く採ることができる。しかし設置角度φを90°に近づけると、図5に示すように、測域センサ2からトロリ線4までの距離r[mm]が大きくなってしまう。これに対し、測域センサ2は測定可能範囲が決まっており、測域センサ2からトロリ線4までの距離rが測域センサ2の測定可能距離Rを越えないようにする必要がある。
例えば、測域センサ2の角度分解能がω=0.25°、測定可能距離がR=4095mm、トロリ線4の偏位の限界がwmax=300/cosφ[mm]、車両1の上部からトロリ線4までの高さがh=1940mmである場合、測域センサ2の設置角度φは下式(4)の条件を満たす必要がある。
Figure 0005476776
(4)式から、測域センサ2の設置角度の範囲はφ<85.228となる。このように、測域センサ2の角度分解能ω、トロリ線4の偏位の上限wmax、車両1の上部からトロリ線4までの高さの上限hmaxに応じて測域センサ2の設置角度φを調整するようにすればよい。
このように構成される測域センサ2に対し、演算装置3は測域センサ2による測定結果に基づいてトロリ線4の高さや偏位等を算出する部分である。この演算装置3には、図3に示すように制御部31、第一メモリ32、検出範囲抽出部33、第二メモリ34、トロリ線座標検出部35、第三メモリ36、ログ出力部37が設けられている。
制御部31は測域センサ2の操作を行い、測域センサ2によって検出された測定対象物の距離・角度データは第一メモリ32に格納される。検出範囲抽出部33は、第一メモリ32から取り出した距離・角度データに基づき、予め設定した検出範囲B内に存在する測定対象物の座標を対象物座標として抽出する。検出範囲Bは、測定範囲A内に、トロリ線4の高さ方向及び水平方向の偏位に基づいて設定される。
より詳しくは、まず、測域センサ2から送られてきた距離・角度データの余弦xφ[mm]・正弦yφ[mm]を取り、測域センサ2にとっての直交座標に変換する。続いて、更にx=xφcosφ[mm]、y=yφ[mm]により、測域センサ2によって取得した測定結果を実際の直交座標に変換する。その後、この座標が検出範囲B内に存在するか否かを判断し、検出範囲B内に存在する測定対象物の座標を対象物座標として出力する。検出範囲抽出部33から出力された対象物座標は第二メモリ34に格納される。
トロリ線座標検出部35は、第二メモリ34から取り出した一回のスキャンで連続して得られる複数の対象物座標のうち、最もその位置が低い座標をトロリ線4の座標とみなし、これをトロリ線座標として出力する。なお、一回のスキャンで連続して測定対象物を検出した後に、間隔をおいて検出範囲B内で再度測定対象物を検出した際には、二度目に検出された測定対象物を新たなトロリ線とみなし、第二のトロリ線の座標として出力する。トロリ線座標検出部35から出力されたトロリ線座標は第三メモリ36に格納される。
ログ出力部37は、第三メモリ36から取り出したトロリ線座標を履歴データとして特定のフォーマットで出力する。そしてこのログ出力部37から出力された履歴データをログLとして保管する。
図4に示すように、本実施例に係るトロリ線検測装置によりトロリ線の測定を行う場合、演算装置3では、まず、制御部31により測域センサ2を操作してトロリ線4の測定を開始し、測域センサ2によって求めた測定範囲A内にある測定対象物までの距離及び角度のデータを取得する(ステップP1)。続いて、検出範囲抽出部33、トロリ線座標検出部35によりトロリ線4の判定を行い(ステップP2)、ログ出力部37により履歴データを出力する(ステップP3)。上記ステップP1からステップP3の工程を測定終了まで繰り返す(ステップP4)。
このように構成される本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、従来に比べてトロリ線4を測定する際のスキャン範囲を広く採ることができるため、一回のスキャンでトロリ線4を検出可能な回数が増加する。従ってより精度の高い測定値を得ることができる。また、測定結果の精度向上のために、より角度分解能の高い測域センサを導入する必要がなくなる。
図6及び図7を用いて本発明に係るトロリ線検測装置の第2の実施例を説明する。本実施例は図1乃至図14に示し上述した実施例1に係るトロリ線検測装置とは測域センサ2の設置角度が異なるものである。その他の構成は実施例1に係るトロリ線検測装置と概ね同様であり、以下、同一の作用を奏する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
図6に示すように、本実施例において測域センサ2はそのスキャン平面Sが水平面に対して車両1の幅方向に平行な軸周りで角度θ(0<θ<90°)だけ傾斜した状態となるように、換言すると、車両1の進行方向に直交する面に対して車両1の幅方向に平行な軸回りで角度(90°−θ)だけ傾斜した状態となるように設置されている。
ここで、測域センサ2のセンサ固有誤差E[mm]は、常に測域センサ2のスキャン平面Sの方向に発生する。従って、測域センサ2を水平面に対して角度θだけ傾けたとき、高さ方向の誤差E’[mm]は下式(5)で表される。
E’=Esinθ ・・・(5)
例えば測域センサ2のセンサ固有誤差をE=±30mm、測域センサ2の設置角度をθ=45°とすると、(5)式から高さ方向の誤差E’は下式(6)に示す値となる。
E’=Esin45°=±21.21… ・・・(6)
即ち、本実施例では、測域センサ2の設置角度θを小さくすればするほど誤差を低減することができる。ただし、設置角度θを小さくすると図7に示すように測域センサ2からトロリ線4までの距離r[mm]が大きくなる。このため、設置角度θは車両1の上部からトロリ線4までの高さをh、測定可能距離をR、トロリ線4の偏位をwとすると、下式(7)を満たす必要がある。
Figure 0005476776
例えば測域センサ2の測定可能距離をR=4095mm、車両の屋根からトロリ線4までの高さの限界をh=1940mm、トロリ線4の偏位をw=0mmとすると、測域センサ2の設置角度θは(7)式より、θ>28.27…となる。
本実施例に係るトロリ線検測装置によるトロリ線4の検出手順を以下に示す。本実施例において、検出範囲抽出部33では、第一メモリ32から取り出した測定対象物の距離・角度データに対して、これの余弦xθ[mm]・正弦yθ[mm]を取り、測域センサ2にとっての直交座標に変換する。更にx=xθ[mm]、y=yθsinθ[mm]により、実際の直交座標に変換する。その後、x,yが検出範囲Bに入っていれば対象物座標、即ち、トロリ線の座標候補として第二メモリ34に格納する。
このように構成される本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、測域センサ2の高さ方向の誤差を低減することができる。また、測定精度向上のためにより精度の高い測域センサ2を導入する必要がなくなる。
図8乃至図11を用いて本実施例に係るトロリ線検測装置の第3の実施例を説明する。
図8に示すように、本実施例は上述した実施例1及び実施例2の構成を組み合わせたものである。即ち、本実施例において測域センサ2は、そのスキャン平面Sが車両1の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸周りに角度φだけ傾斜しているとともに、水平面に対して車両1の幅方向に平行な軸周りに角度θだけ傾斜するようにその設置角度を設定されている。
以下に、測域センサ2の水平面に対する傾きθの範囲の数値例を示す。
図9乃至図11に示すように測定対象物(トロリ線4)の検出点Pをスキャン平面のyθ軸に正射影した点をQ、点Pと点Qを水平面S’に正射影した点をP’,Q’とする。ここで、測域センサ2から測定対象物(トロリ線4)までの距離OPをr[mm]、平面S’から検出点Pまでの距離PP’=QQ’をh[mm]、OP’をp[mm]とすると、測域センサ2から測定対象物(トロリ線4)までの距離rは下式(8)で表される。
2=p2+h2 ・・・(8)
図11からh=pcosφtanθであるから、これを(8)式に代入して測域センサ2から測定対象物(トロリ線4)までの距離rは下式(9)で表される。
Figure 0005476776
ここで、測域センサ2から測定対象物(トロリ線4)までの距離rは、実施例1で示した(2)式から下式(10)の関係を満たす必要がある。
Figure 0005476776
以上をcosφについて整理すると、下式(11)が得られる。
Figure 0005476776
ここで、cos2φ≧0であるから、上記不等式の右辺は0より大きくなる。従って、例えば測域センサ2からトロリ線4までの高さをh=1940mm、測域センサ2の角度分解能をω=0.25°、トロリ線4の直径を2a=12.37、トロリ線4の偏位をw=0とすると、tanθ>1.3686…、即ちθ>53.3885°が得られる。
また、測域センサ2の傾斜角φの範囲は、上記(11)式から下式(12)で与えられる(ただし、θ>53.3885°)。
Figure 0005476776
測域センサ2からトロリ線4までの距離rは、トロリ線4が最大偏位の位置にあるとき(例えば、w=300mm)に最大となる。いま、図10の平面Sを角度φだけ傾斜した座標系における座標(x,y)は、図9のパラメータを用いて下式(13)のように表される。
Figure 0005476776
更に図9乃至図11から下式(14)が得られる。
rsinψsinθ=h ・・・(14)
これらをx=300mm、h=1940mmとして整理すると測域センサ2からトロリ線4までの距離r[mm]は下式(15)で表される。
Figure 0005476776
上記(13)式においてrが測域センサの測定可能距離Rを越えないように、例えばr<1940mmを満たすようにパラメータθ,φの範囲を求めると、最小のθとそれに対応するφはそれぞれθ=59°、φ=66°となる。
このように構成される本実施例に係るトロリ線検測装置において、検出範囲抽出部33では、まず、測域センサ2から送られてきた距離r、角度ψのデータから余弦xθ・正弦yθを取り、測域センサ2にとっての直交座標に変換する。次にxφ=xθ、yφ=yθcosθにより、スキャン平面Sを設置角度θだけ傾斜させた直交座標に変換する。更に、x=xφcosφ−yφsinφ、y=rsinψsinθにより、実際の直交座標に変換する。その後、x,yが検出範囲Bに入っていれば対象物座標、即ち、トロリ線4の座標候補として第二メモリ34に格納する。
トロリ線4の偏位x[mm]と高さy[mm]は最終的に図9乃至図11に示すパラメータを用いて下式(16)、(17)で表される。
x=rcosψcosφ−rsinψsinφcosθ ・・・(16)
y=rsinψsinθ ・・・(17)
本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、測域センサの高さ方向の誤差を低減しつつ、測定範囲を広げることができる。また、上述した実施例2に比較して、角度分解能の高い測域センサを導入することなく、測域センサ2からトロリ線4までの距離が離れることによって、一回のスキャンでトロリ線4を検出できる回数が減る可能性を低減することができる。
上述した実施例2に係るトロリ線検測装置では、実施例1で述べた測域センサ2からトロリ線4までの距離により十分な測定精度を得られなくなる問題に対し、角度分解能の高い測域センサを用いることが必要となる。これに対し、本実施例に係るトロリ線検測装置は、実施例1と実施例2を組み合わせることにより、測域センサ2を交換することなく測域センサ2固有の誤差の影響を低減し、さらに測定範囲を拡張することを特徴とする。本実施例において、測域センサ2のスキャン平面Sによってスキャンされるトロリ線4の幅については実施例1と同様の議論ができ、測域センサ2の誤差については実施例2と同様の議論ができる。
本発明は、測域センサを用いてトロリ線の高さ・偏位を測定するトロリ線検測装置に適用可能である。
1 車両
2 測域センサ
3 演算装置
31 制御部
32 第一メモリ
33 検出範囲抽出部
34 第二メモリ
35 トロリ線座標検出部
36 第三メモリ
37 ログ出力部
38 ログ
4 トロリ線
A 測定範囲
B 検出範囲
S スキャン平面

Claims (3)

  1. 車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記検出範囲抽出手段において、前記検出範囲内にある測定対象物のみを抽出して求めた前記座標から、トロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え
    前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角φを有するようにその設置角度を設定され、該傾斜角φを
    rmax・sinω<a/cosφ
    (ただし、rmaxは前記測域センサから前記トロリ線までの距離の最大値、ωは前記測域センサの角度分解能、aは前記トロリ線の半径)
    とし、前記測域センサから前記トロリ線までの距離rが前記測域センサの測定可能距離を超えないものとすることを特徴とするトロリ線検測装置。
  2. 車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、
    前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して前記車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたことを特徴とするトロリ線検測装置
  3. 車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段と、前記測域センサによって測定した測定対象物の位置を直交座標に変換した後、予め設定した検出範囲内にある測定対象物のみを抽出してその座標を求める検出範囲抽出手段と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段とを備え、
    前記測域センサが、そのスキャン平面が前記車両の進行方向に直交する面に対して鉛直方向に平行な軸回りで傾斜角を有するとともに、前記車両の幅方向に平行な軸回りで傾斜角を有するようにその設置角度を設定されたことを特徴とするトロリ線検測装置
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