JP5496367B2 - 選別装置、選別方法 - Google Patents
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Description
本発明は、複数の小片が集まった選別対象である小片群から特定の材種からなる小片を選別する選別技術に関し、特に、使用済み家電製品などを破砕して得られる選別対象から特定の樹脂種の小片を選別する選別技術に関するものである。
近年の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済活動が、地球温暖化や資源の枯渇など地球規模での環境問題を引き起こしている。このような状況の中、循環型社会の構築に向けて、家電リサイクルが注目され、使用済みになったエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機のリサイクルが義務付けられている。
従来、不要になった家電製品は、家電リサイクル工場で破砕されて小片となった後に磁気、風力、振動等を利用して材種毎に小片が分別され、再資源化されている。特に金属からなる小片は、比重選別装置や磁気選別装置を用いることで、鉄、銅、アルミニウムなどの材種毎に高純度で分別され、高い再資源化率が実現されている。
一方、樹脂材料では、軽比重物であるポリプロピレン(以下、PPと表記)からなる小片が、水を活用した比重選別で高比重物と選別され、比較的高純度で回収されている。しかしながら、水を活用した比重選別は、大量の排水が発生することやポリスチレン(以下、PSと表記)からなる小片とアクリロニトリルブタジェンスチレン(以下、ABSと表記)からなる小片など比重の近い小片を分別できないことが大きな課題となっている。
樹脂材料の再資源化に関する前記課題を考慮した選別方法が特許文献1で提案されている。
特許文献1に記載の技術では、識別装置により材種を検出することで、比重選別では選別できない樹脂材料からなる小片の選別を可能にしている。
特許文献1に記載の技術は具体的には、コンベア上を流れる選別対象を、識別装置で小片毎に材種を識別し、識別された特定材種の樹脂を、前記コンベアの搬送端より排出される選別対象の飛翔経路から分離する技術である。分離方法は、前記飛翔経路の上方または下方に配置されたノズルから、パルス的にエアを吐出し、特定材種の小片のみを吹き飛ばすことによって選別対象から分離するものである。
特許文献1に記載の従来の選別対象の選別方法について、図を用いてさらに詳細に説明する。
図7a〜図7cおよび図8は、従来の選別対象の選別方法の実施の形態を示すものである。図7a〜図7cは、コンベア1によって搬送される小片2A、2B、2C、2Dから、所望の特定材種の小片2Aを選別する工程の側面図であり、図8は平面図である。
図7aは、コンベア1によって搬送される選別対象としての小片2A、2B、2C、2Dを示しており、小片2Aが所望の特定材種である。図中の符合3が示す装置は、識別装置である。図中の符合4が示す部分は、小片2A、2B、2C、2Dが排出されるコンベア1の搬送端である。図中の符合5が示す部材は、搬送端4より排出される小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から特定材種の小片2Aを分離するために、コンベア1の幅方向に設けられたノズル群である。図中の符合8が示す部材は、小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から分離された特定材種の小片2Aを分離するための選別板である。なお、図7aは、側面図であり、図8は、図7aと同一場面の平面図である。
図7bでは、選別対象2A、2B、2C、2Dが識別装置3の下を通過して、材種、形状が識別されている。
図7cでは、識別装置3で識別された小片2A、2B、2C、2Dがコンベア1の搬送端4より排出されている。さらに、所望の特定材種である小片2Aがノズル群5の下を通過したときに対応する部分のノズルのみからパルスエアを吐出して、小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から、所望の特定材種である小片2Aを吹き飛ばして選別している。また、コンベア1の搬送端4より排出された小片2A、2B、2C、2Dの代表的な飛翔経路を実線、点線および1点破線で示している。
このように特許文献1に記載される従来の選別方法によれば識別装置とパルスエアによって選別対象から特定材種物を選別できるため、PSとABSなど比重の近い材料でも選別が可能である。
なお、特許文献1に記載の従来の選別方法では、1回の選別処理で、1種類の特定材種物を選別するため、選別対象から2種以上の特定材種物を選別する場合は、複数回の選別処理を実施している。
特許文献1に記載の従来の選別方法で、選別効率を向上させるためには、2種以上の特定材種の小片を1回の選別処理で選別することが考えられる。2種以上の特定材種の小片を1回の選別処理で選別するためには、選別対象である小片の飛翔経路に沿って独立した2連以上のエアノズル群を配置し、前記ノズル群からのパルス的なエアで選別対象である小片の飛翔経路から材種別に小片を分離する必要がある。
特許文献1に記載の従来の選別方法で、2種以上の特定材種の小片を1回の選別処理で同時に選別する工程について、図を用いて詳細に説明する。
図9a〜図9cは、2種以上の特定材種の小片を1回の選別処理で同時に選別する選別方法の実施の形態を示すものである。コンベア1によって搬送される選別対象である小片2A、2B、2C、2Dから、所望の特定材種の小片2Aおよび2Bを選別する工程を示している。
図9aは、コンベア1によって搬送される選別対象である小片2A、2B、2C、2Dを示しており、小片2Aおよび小片2Bが所望の特定材種の小片である。識別装置3、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが排出されるコンベア1の搬送端4は前記と同様である。図中の符合5Aおよび5Bは、搬送端4より排出される小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から特定材種の小片2Aおよび2Bを分離するために、コンベア1の幅方向に設けられたノズル群である。図中の符合8Aおよび8Bは、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から分離された特定材種の小片2Aおよび2Bを選別するための選別板である。
図9bでは、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが識別装置3の下を通過して、材種、形状が識別されている状態が示されている。
図9cでは、識別装置3で識別された選別対象である小片2A、2B、2C、2Dがコンベア1の搬送端4より排出されている状態が示されている。さらに、所望の特定材種の小片2Aおよび2Bが、ノズル群5Aおよび5Bの下を通過したときにパルス的にエアを吐出して、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路から、所望の特定材種の小片2Aおよび2Bをはじき出している。コンベア1の搬送端4より排出された選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの代表的な飛翔経路を実践、点線および1点破線で示している。
コンベア1の搬送端4から排出された選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路は、形状や比重の違いの影響でバラツキが発生する。また、そのバラツキは、コンベア1の搬送端4から遠くなるほど大きくなる。たとえば、発泡ウレタンなどの見かけ比重が小さい材種は抗力が大きくなるため、飛翔経路は図9cの1点破線のようになり、手前に落下しやすくなる。また、厚みが小さくかつ面積が大きいシート状の樹脂材料などは、揚力で上昇し、飛翔経路は図9cの点線のような軌道になる場合がある。このため、コンベア1の搬送端4から離れた遠方での選別は、飛翔経路のバラツキにより精度が低下する。
したがって、2種以上の特定材種を1回の選別処理で同時に高精度に選別するためには、前記選別対象である小片の飛翔経路を安定化することが課題である。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、選別効率が高く、選別精度が高い選別対象の選別方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかる本発明の請求項1記載の選別対象である小片の選別方法は、コンベアによって搬送される選別対象である小片を前記コンベア上で個々に識別し、識別された少なくとも2種以上の特定材種の小片を、前記コンベアの搬送端より排出される選別対象である小片の飛翔経路に沿って独立配置した少なくとも2群以上のノズル群から、パルス的にエアを吐出することで、前記選別対象である小片の飛翔経路から前記少なくとも2種以上の特定材種の小片を個別に分離する選別対象である小片の選別方法において、前記コンベアの搬送方向と同じ向きに、搬送面に沿って前記コンベアの搬送端に空気流を流し、かつ前記選別対象である小片の飛翔経路に沿って板材を設け、かつ前記板材の始端をコンベア面に沿わせ、かつ前記板材の上面が前記選別対象である小片の飛翔経路よりも下方になるように設置することで、前記選別対象である小片を前記板材に接触させないで落下させることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の選別対象である小片の選別方法は、請求項1において、コンベアの搬送端における空気流の風速がコンベア速度の1/2以上3倍以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の選別対象である小片の選別方法は、請求項1または2において、空気流の高さ方向の幅が、コンベアによって搬送される選別対象である小片の高さよりも大きいことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の選別対象である小片の選別方法は、請求項1から3の何れかにおいて、選別対象である小片の飛翔経路に沿って設けられた板材の終端が、ヘッドプーリーの中心から水平かつコンベアの搬送方向に移動した点の鉛直上方に位置し、かつ前記コンベアの搬送方向に移動した点と前記ヘッドプーリーの中心の距離が、前記ヘッドプーリーの半径長の80%以上であることを特徴とする。
この構成によれば、コンベアによって搬送される選別対象である小片を前記コンベア上で個々に識別し、識別された少なくとも2種以上の特定材種の小片を、前記コンベアの搬送端より排出される選別対象である小片の飛翔経路に沿って独立配置した少なくとも2群以上のノズル群から、パルス的にエアを吐出することで、前記選別対象である小片の飛翔経路から前記少なくとも2種以上の特定材種の小片を個別に分離する選別対象である小片の選別方法において、前記コンベアの搬送方向と同じ向きに、搬送面に沿って前記コンベアの搬送端に空気流を流し、かつ前記選別対象である小片の飛翔経路に沿って板材を設け、かつ前記板材の始端をコンベア面に沿わせ、かつ前記板材の上面が前記選別対象である小片の飛翔経路よりも下方になるように設置することで、前記選別対象である小片を前記板材に接触させないで落下させることにより、従来は困難であった生産性が高く、選別精度が高い選別対象である小片の選別方法を実現できる。
次に、本願発明に係る選別装置、選別方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る選別装置、選別方法の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。
図1a〜図1cは、選別装置を示す側面図である。
図2は、選別装置を示す平面図である。
これらの図に示すように、選別装置10は、第一材種からなる複数の第一小片2Aと、第二材種からなる複数の第二小片2Bとを含む選別対象である小片群2から第一小片2Aと第二小片2Bとを選別する選別装置であって、コンベア1と、識別装置3と、送風装置と、第一選別部と、第二選別部と、整流板7とを備えている。選別装置10はさらに、第一選別板8Aと第二選別板8Bとを備えている。
コンベア1は、小片群2を構成する小片2A〜2Dを載置して一方向(図中X軸正の向き)に搬送する装置である。本実施の形態の場合、コンベア1としてベルトコンベアが採用されている。コンベア1は、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが搬送される最後の位置として搬送端4を備えており、搬送端4を通過した小片2A、2B、2C、2Dは、空間中に放出されることとなる。
識別装置3は、第一小片2Aの材種と第二小片2Bの材種と他の材種とを識別し、識別された第一小片2Aと第二小片2Bとの位置情報を取得する装置である。
識別装置3は、小片群2を構成する小片2A〜2Dを撮像し、得られた画像を解析することにより色や、形状、デザインに基づいて第一小片2Aと第二小片2Bと他の小片2C、2Dとを識別するものでもよく、近赤外線センサ、中赤外線センサ、X線センサ、画像認識センサなど様々な方式の中から、感度の最も優れたセンサを採用すれば良い。本実施の形態の場合、近赤外線識別装置を用いており、コンベア1の上方に配置されている。
本実施の形態に係る選別装置10の場合、コンベア1としてのベルトコンベアにより小片群2を構成する小片2A〜2DをX軸の方向に搬送しており、識別装置3は、ベルトコンベアの搬送方向と交差する方向にセンサを走査し、第一小片2Aの材種と第二小片2Bの材種とが存在する位置情報とそれ以外の位置情報とを取得することができるものとなっている。従って、本実施の形態の場合、識別装置3は、位置情報取得装置としても機能している。
送風装置は、小片2A〜2D(小片群2)が搬送される搬送面、つまりコンベア1の表面に沿い、コンベア1の中間部から搬送端4に向かう(X軸正の方向の)空気流9を発生させる装置である。なお、図中においては、送風装置の送風口部6のみが示され、空気流を発生させるファンやモータやポンプなどは省略されている。
空気流9を供給する送風装置の送風口部6はコンベア1の幅方向(Y軸方向)に延びて配置されるスリット状の開口を有するいわゆるスリットノズルヘッドである。送風口部6は、コンベア1の上方に設けられ、コンベア1の搬送方向(X軸方向正の向き)に、搬送面に沿って、かつ、コンベア1の有効幅(Y軸方向)と同等またはコンベア1の有効幅(小片群2を搬送することができる最大幅)よりも広い範囲に空気流9を供給できる開口形状となっている。
第一選別部、第二選別部(以下「選別装置」と総称する場合がある)は、識別装置3から得られる第一小片2A、第二小片2Bの位置情報に基づき、気体流をパルス的に発生させ、コンベア1の搬送端4から放出される第一小片2A、第二小片2Bを吹き飛ばして落下経路を変更する装置である。本実施の形態の場合、第一選別部は、空圧源に接続される複数のノズルが一列に配置される第一ノズル群5Aを備え、第二選別部は、空圧源に接続される複数のノズルが一列に配置される第二ノズル群5Bを備えている。
第一選別部は、第一ノズル群5Aから選択される特定のノズルからパルス的に放出される空気流によって第一小片2Aを吹き飛ばし、第二選別部は、第二ノズル群5Bから選択される特定のノズルからパルス的に放出される空気流によって第二小片2Bを第一小片2Aとは異なる場所に吹き飛ばすものとなっている。
整流板7は、小片2A、2B、2C、2D(小片群2)が放出される方向に向かってコンベア1から突出し、放出される小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の下方に配置される板材である。本実施の形態の場合整流板7は、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路の下方に沿って設けられ、かつ整流板7の始端をコンベア面に沿わせ、かつ整流板7の上面が選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路よりも下方になるように設置されている。
整流板7は、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路の周辺の空気流9を制御する板材であり、送風装置の送風口部6から流れ出てコンベア1から離れる空気流9を小片2A、2B、2C、2D(小片群2)が所望の飛翔経路となるように整流する。
第一選別板8A、第二選別板8B(以下「選別板」と総称する場合がある)は、選別対象である小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路から分離された特定材種の小片2Aおよび小片2Bを選別回収するための部材である。本実施の形態の場合、選別板8A、8Bは、小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路の下方に配置されている。選別板8A、8Bは、上下方向(Z軸方向)に延びて起立し、コンベア1の幅方向(Y軸方向)と同等、またはそれ以上に広がる板材である。第一選別板8Aと第二選別板8Bとは、コンベア1の搬送方向(X軸方向)に平行に並んで配置され、第一選別板8Aは、第二選別板8Bよりもコンベア1に近い側に配置されている。第一選別板8Aは、第二選別板8Bの高さより高いものとなっており、第一選別板8Aの高さと第二選別板8Bの高さは、小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路に対応するものとなっている。
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
例えば、識別装置3は、アレイ状やマトリクス状に並べられる複数個のセンサを備え、一度に複数箇所の第一小片2A、第二小片2Bを識別するものでも良い。
また、送風装置は、任意の位置に移動可能なノズルを備え、位置情報に基づきノズルを移動させるものや、ノズルの向きを変えるものでもよい。
また、選別板8A、8Bは、多数の孔が設けられたものや網状のもの格子状のものなど第一小片2A、第二小片2Bが通過できないものであれば任意の形状を採用しうる。
次に、選別方法について説明する。
図1aから図1cは、コンベア1によって搬送される選別対象である小片2A、2B、2C、2D(小片群2)から、所望の特定材種の小片2Aおよび2Bを選別する工程を順に示している。
図1aに示す工程では、コンベア1によって選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが搬送方向(X軸方向)に搬送されている。ここで、第一小片2Aおよび第二小片2Bが所望の特定材種の小片としている。
図1bに示す工程では、選別対象である小片2A、2B、2C、2D(小片群2)が識別装置3の下を通過して、材種や位置などが識別されている。また、送風口部6からは、コンベア1の搬送方向に、コンベア1の上面に沿って、かつ、コンベア1の有効幅(小片群2を搬送できる幅)と同等またはコンベア1の有効幅よりも広い範囲に空気流9が連続供給されている。つまり、図1a〜図1cの各工程にわたって定常的に空気流9が供給されている。
図1cに示す工程では、識別装置3で識別された選別対象である小片2A、2B、2C、2Dがコンベア1の搬送端4より放出されている。小片2A、2B、2C、2D(小片群2)は、空気流9に乗って所定の飛翔経路を飛翔する。
ここで、所望の特定材種の第一小片2Aが、第一ノズル群5Aの下を通過したときに第一ノズル群5Aの対応するノズルのみからパルス的にエアを吐出して、選別対象である小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路から、所望の特定材種の第一小片2Aを吹き飛ばして選別する。本実施の形態の場合、第一小片2Aを吹き飛ばす方向は、飛翔経路と交差する方向、より具体的には飛翔経路の接線とほぼ垂直な方向であって、第一小片2Aが第一選別板8Aを超える方向である。
次に、小片2B、2C、2D(小片群2)はそのまま飛翔経路を飛翔するが、第二の所望の特定材種である第二小片2Bが、第二ノズル群5Bの下を通過したときに第二ノズル群5Bの対応するノズルのみからパルス的にエアを吐出して、選別対象である小片2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路から、所望の特定材種の第二小片2Bを吹き飛ばして選別する。本実施の形態の場合、第二小片2Bを吹き飛ばす方向は、飛翔経路と交差する方向、より具体的には飛翔経路の接線とほぼ垂直な方向であって、第二小片2Bが第一選別板8Aと第二選別板8Bとの間に吹き飛ばされる方向である。
なお、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの代表的な飛翔経路は実践、点線および1点破線で示している。
例えば小片2A、2B、2C、2Dの厚みが小さくかつ面積が大きいシート状である場合、搬送端4から放出された後の飛翔時に揚力で上昇することがある。また、小片2A、2B、2C、2Dが平板の場合、飛翔中に仰角が発生した時、すなわち搬送方向の先頭部が後尾部より高くなった時も、小片2A、2B、2C、2Dに揚力が働くことがある。送風装置によって送風口部6からの定常的に供給される空気流9は、小片2A、2B、2C、2Dの上昇を抑制することができ、小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路を安定させることができる。つまり飛翔するシート状、平板状の小片2A、2B、2C、2D後方から空気流9を定常的に供給することで、小片2A、2B、2C、2Dが浮き上がることを抑止し、上方への飛翔経路のバラツキを低減することが可能となる。
また、小片2A、2B、2C、2Dが発泡ウレタンなどの見かけ比重が小さい場合、飛翔時に空気の抗力で減速することがある。これら比重の軽い小片2A、2B、2C、2Dは、送風装置によって送風口部6からの定常的に供給される空気流9によって空気の効力が減少し、空気流9に沿って案内される。つまり、飛翔する小片2A、2B、2C、2Dの後方から空気流9を供給することで小片2A、2B、2C、2Dに推力を与え、空気の抗力による減速を緩和することで、小片2A、2B、2C、2Dの下方への飛翔経路バラツキを低減している。
さらに、整流板7は、コンベア1の走行、回転によってコンベア1のヘッド表面に沿って発生する気流(乱気流)を抑止し、空気流9を小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路に沿うように整流している。これにより、コンベア1のヘッド表面に沿って流れる空気流9の影響で、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが所望の飛翔経路から離れて急落下することを抑制している。
以上のように本発明では、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの形状や比重の違いによる飛翔経路のバラツキを低減することができる。従って、小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路中において、特定材種の小片である第一小片2Aを適格にエアで吹き飛ばすことができ、さらに飛翔経路のその先で第二小片2Bを適格に吹き飛ばすことが可能となる。従って、一連の小片2A、2B、2C、2Dの飛翔において、2種類の材種の小片を高い精度で選別することが可能となる。
なお、図1a〜図1cおよび図2では、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路の上方に配置された第一ノズル群5A、および、第二ノズル群5Bから下方にパルス的にエアを吐出することで、第一小片2A、第二小片2Bを下方に吹飛ばして選別する実施形態を示したが、第一ノズル群5A、および、第二ノズル群5Bの配置は小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路の情報に限定されたものでは無い。例えば、第一ノズル群5A、および、第二ノズル群5Bを飛翔経路の下方に配置し、上方向けてエアをパルス的に吐出することで、特定材種の小片を上方に吹飛ばして選別してもかまわない。また、第一ノズル群5Aを飛翔経路の上方に、第二ノズル群5Bを飛翔経路の下方に(またはその反対)に配置するものでもよい。
また、ノズル群は、第一ノズル群5A、第二ノズル群5Bばかりでなく他のノズル群を飛翔経路の上方または下方に配置し3種以上の材種を選別してもかまわない。
次に、本願発明の具体的な実施例について説明する。
図3a〜図3cは、小片群2を選別する工程におけるコンベア1および小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路周辺の空気流の発生状況を示している。
図3aは、送風装置によって送風口部6から空気流9を発生させていない状態を示す図であり、3m/秒で走行するコンベア1と小片群2の飛翔経路の周辺の気流の発生状況を示している。コンベア1の3m/秒の走行により、コンベア1の表面に1.1m/秒の気流が発生している。
図3bは、送風装置によって送風口部6から空気流9を発生させ、かつ、整流板7を配置させていない状態を示す図である。空気流9を供給する送風装置の送風口部6から、コンベア1の搬送方向に、コンベア面に沿って、かつ、コンベア1の有効幅と同等またはコンベア1の有効幅よりも広い範囲に空気流9を連続供給している。コンベア1の搬送端4での風速が3m/秒になるように送風口部6から空気流9を供給した場合、第一ノズル群5Aの鉛直下方向の選別対象である小片の飛翔経路周辺には1.5m/秒の空気流が発生する。このことから、送風口部6から空気流9で、揚力による上方への飛翔経路のバラツキおよび抗力による下方への飛翔経路のバラツキが抑制できることがわかる。
また、送風口部6から空気流9を供給した場合、前記コンベア1のヘッド表面に沿った気流が増大するため、図3bに示す状態では、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dが急落下することがわかる。
図3cは、送風装置によって送風口部6から空気流9を発生させ、かつ、整流板7が配置された状態を示す図である。整流板7を設置することで、コンベア1のヘッド表面に沿った気流をせき止めて整流し、選別対象である小片2A、2B、2C、2Dの飛翔経路の方向に気流を向かせている。第一ノズル群5Aの鉛直下方向の選別対象である小片の飛翔経路周辺には2.6m/秒の空気流9となる。また、第二ノズル群5Bの鉛直下方向の小片群2の飛翔経路周辺では2.3m/秒の空気流9となる。
このことから、送風装置によって送風口部6から供給される空気流9および整流板7によって、選別対象である小片2A、2B、2C、2D(小片群2)の飛翔経路が安定化できる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
コンプレッサおよび断熱材中のフロンを取り除いた冷蔵庫を破砕機で小片に破砕し、篩い分けにより5〜150mmの小片群2として回収した。
次に、小片1kgを重ならないように、コンベア1の上に順次散布し、ハイスピードカメラを用いて、小片1kgの飛翔経路のバラツキを計測して、送風口部6からの空気流9および整流板7の効果を確認した。
整流板7は選別対象である小片群2の飛翔経路に沿って、かつ始端をコンベア面に極近傍に沿わせ、かつ、上面が小片群2の飛翔経路よりも下方になるように設置した。
飛翔経路のバラツキは、ハイスピードカメラの再生映像から小片群2に含まれる小片の飛翔経路を計測し、コンベア1の搬送端4から搬送方向に400mmの地点における前記選別対象である小片群2の飛翔経路の振れ幅から評価した。
図4および図5は、コンベア1の搬送端4における空気流9の風速の影響を検討した結果である。コンベア1は、ヘッドプーリー半径170mm、搬送速度2m/秒および3m/秒の条件で動作させた。整流板7は、厚さ3mm、長さ250mmのアクリル板(幅はコンベア1の有効幅と同じ)とした。
図4は、コンベアの搬送速度2m/秒、図5はコンベアの搬送速度3m/秒の場合の小片群2の飛翔経路のバラツキに及ぼす風速の影響を示している。コンベアの搬送速度2m/秒および3m/秒ともに最適な風速領域があることを見出した。さらには、コンベアの搬送速度2m/秒および3m/秒ともに、空気流9の風速がコンベアの搬送速度の1/2以上3倍以下で、良好な結果になることを見出した。これは、搬送速度に対して空気流9の風速が小さいと、見かけ比重の小さい材種の速度減衰を抑制できないためで、また、搬送速度に対して空気流9の風速が大きすぎると乱流が起こり小片群2の飛翔が乱れることが原因と推測できる。
また、空気流9の高さ方向(Z軸方向)の幅の影響を検討した結果、小片群2の高さよりも空気流9の幅が小さいと、見かけ比重の小さい材種の速度減衰を抑制できないこと、また、上方に浮上する小片群2があり、飛翔が不安定になることを見出した。したがって空気流9の高さ方向の幅は、小片群2の高さ(各小片の高さの平均)よりも大きいことが好ましい。
次に、整流板7の終端位置とコンベア1のヘッド表面に沿って発生する空気流9の関係を検討した結果について説明する。
なお、整流板7は厚み2mmのアクリル板を用いた。また、整流板7は、コンベア1から排出される小片群2の飛翔経路と平行となるように設置し、かつ整流板7の始端の下部はコンベア1に沿わせ、かつ始端の上部の高さ位置がコンベア1の搬送面よりも5mm下方になるように配置した。
図6は、整流板7の終端位置とコンベア1の先頭部(空気流速の測定点)の風速の関係を示している。整流板7の長さを変えることで、整流板7の終端位置を変え、コンベア先頭部への空気流9のまわり込みの状況を測定した。なお、コンベア1のヘッドプーリー半径は170mmで、走行速度は3m/秒とした。図6の横軸は、整流板7の終端位置で、縦軸はコンベア先端部の風速を示している。なお、整流板7の終端位置は、以下のように定義した。整流板7の終端を通過する鉛直軸とヘッドプーリーの中心を通過する回転軸を含む水平面の交点を求め、前記交点と前記ヘッドプーリーの中心との距離を算出する(つまり、ヘッドプーリーの回転軸と前記鉛直軸との距離)。整流板7の終端位置は、ヘッドプーリーの回転軸と前記鉛直軸との距離を前記ヘッドプーリーの半径に対する百分率で表した値とした。
図6から、整流板7の終端位置がヘッドプーリーの半径の80%よりも小さくなると、コンベア1の先頭部への空気流9のまわり込みが発生することを見出した。
また、ヘッドプーリー半径が75mmのコンベアでも同様の検討を実施し、ヘッドプーリー半径が170mmのコンベアと同様に、整流板7の終端位置がヘッドプーリーの半径の80%よりも小さくなると、コンベア1の先頭部への空気流9のまわり込みが発生することを確認した。したがって、整流板7の終端位置はヘッドプーリーの半径の80%以上が好ましい。
次に、小片群2を重ならないように、ヘッドプーリー半径170mm、搬送速度3m/秒で走行するコンベア1の上に順次散布し、ハイスピードカメラを用いて、小片群2の飛翔経路のバラツキを確認した。整流板7は、始端をコンベア面に沿わせ、かつ、小片群2の飛翔経路に沿って下方になるように配置した。整流板7は、厚さ3mm、長さ200mmのアクリル板とした。
図10は、小片群2からPPを材種とする小片とABSを材種とする小片とを一連の飛翔経路中において個別に選別したときの回収歩留りを示している。なお、PPを材種とする小片は第一ノズル群5Aで、ABSを材種とする小片は第二ノズル群5Bで吹き飛ばした。また、比較のため従来の選別方法で選別した結果も併記した。なお、回収歩留りは以下の計算式から算出した。回収歩留り(%)=(回収した所望の樹脂重量/選別前の小片群2中に含まれる所望の樹脂重量)×100。
以上の選別装置を用い、以上の選別方法を実行することにより、PPを材種とする小片およびABSを材種とする小片ともに高い回収歩留りが得られた。特に第一ノズル群5Aよりもコンベア1から遠い第二ノズル群5Bで選別したABSを材種とする小片に関しては、従来の選別方法と比較して大幅に歩留まりが改善されている。
本発明によれば、一連の飛翔経路において2種類の材種からなる小片を個別に選別する場合においても所望の特定材種の小片の回収歩留りを高めることができ、廃家電や一般廃棄物に含まれる特定材種の小片を再資源化する選別装置、選別方法として、材料の資源循環に適用できる。
1 コンベア
2 小片群
2A 第一小片
2B 第二小片
3 識別装置
4 搬送端
5 ノズル群
5A 第一ノズル群
5B 第二ノズル群
6 送風口部
7 整流板
8A 第一選別板
8B 第二選別板
9 空気流
10 選別装置
2 小片群
2A 第一小片
2B 第二小片
3 識別装置
4 搬送端
5 ノズル群
5A 第一ノズル群
5B 第二ノズル群
6 送風口部
7 整流板
8A 第一選別板
8B 第二選別板
9 空気流
10 選別装置
Claims (8)
- 第一材種からなる複数の第一小片と、第二材種からなる複数の第二小片とを含む選別対象である小片群から前記第一小片と前記第二小片とを選別する選別装置であって、
前記小片群を載置状態で一方向に搬送するコンベアと、
前記コンベア上の第一小片と第二小片とを材種により識別する識別装置と、
前記小片群が搬送される搬送面に沿い、前記コンベアの中間部から搬送端に向かう空気流を発生させる送風装置と、
前記識別装置の識別結果に基づき前記コンベアの端部である搬送端から前記空気流に乗って放出される小片群から前記第一小片を空気流によって吹き飛ばす第一選別部と、
前記識別装置の識別結果に基づき前記コンベアの端部である搬送端から前記空気流に乗って放出される小片群から前記第二小片を空気流によって前記第一選別部とは別の場所に吹き飛ばす第二選別部と、
前記小片群が放出される方向に向かって前記コンベアから突出し、放出される前記小片群の下方に配置され、前記空気流を整流する整流板と
を備える選別装置。 - 前記送風装置が発生させる空気流の風速は、前記コンベアの小片群の搬送速度の1/2以上3倍以下である
請求項1に記載の選別装置。 - 前記送風装置が発生させる空気流の高さ方向の幅は、前記小片群の高さ方向の幅の平均よりも大きい
請求項1または2に記載の選別装置。 - 前記コンベアは搬送端側の端部にヘッドプーリーを備え、
前記整流板は、前記整流板の終端の位置を通過する鉛直線と、前記ヘッドプーリーの回転軸との距離が、前記ヘッドプーリーの半径の80%以上となるように配置される
請求項1に記載の選別装置。 - 第一材種からなる複数の第一小片と、第二材種からなる複数の第二小片とを含む選別対象である小片群から前記第一小片と前記第二小片とを選別する選別方法であって、
前記小片群をコンベアにより一方向に搬送し、
識別装置により、前記コンベア上の第一小片と第二小片とを材種により識別し、
送風装置により、前記小片群が搬送される搬送面に沿い、前記コンベアの中間部から搬送端に向かう空気流を発生させ、
第一選別部により、前記識別装置の識別結果に基づき前記コンベアの端部である搬送端から前記空気流に乗って放出される小片群から前記第一小片を空気流によって吹き飛ばし、
第二選別部によって、前記識別装置の識別結果に基づき前記コンベアの端部である搬送端から前記空気流に乗って放出される小片群から前記第二小片を空気流によって前記第一選別部とは別の場所に吹き飛ばし、
前記小片群が放出される方向に向かって前記コンベアから突出し、放出される前記小片群の下方に配置される整流板によって前記空気流を整流する
選別方法。 - コンベアの搬送端における空気流の風速がコンベア速度の1/2以上3倍以下である
請求項5に記載の選別方法。 - 空気流の高さ方向の幅が、コンベアによって搬送される選別対象である小片の高さよりも大きい
請求項5または6に記載の選別方法。 - 前記コンベアは搬送端側の端部にヘッドプーリーを備え、
前記整流板は、前記整流板の終端の位置を通過する鉛直線と、前記ヘッドプーリーの回転軸との距離が、前記ヘッドプーリーの半径の80%以上となるように配置される
請求項5に記載の選別方法。
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