JP5500963B2 - 衝突被害軽減装置 - Google Patents

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本発明は、車両前方に位置する先行車両、停止車両及び落下物など(以下「障害物」という)との衝突が回避困難であるときに、ブレーキを自動的に作動させて衝突時の被害を軽減する衝突被害軽減装置に関する。
衝突被害軽減装置のブレーキ作動の判定には、障害物との相対速度や距離などを測定するレーダ装置からの信号が用いられる。レーダ装置は、車両前方にミリ波等の電磁波を送信し、障害物からの反射波に基づいて種々の測定を実行する(特許文献1)。
特開2005−134266号公報
衝突被害軽減装置は、主に高速道路においてトラック等の大型車両のドライバー(運転者)の居眠り運転による前方車両への追突事故発生時の事故被害軽減を目的としている。
したがって、ドライバーの意思が働いているときは、居眠り運転をしている可能性は非常に低い(覚醒して運転している)ので、衝突被害軽減装置を作動させる必要がない。
しかし、山岳路面など、急なカーブ及びガードレールが存在するような路面を走行している際、ドライバーは、道に沿って曲がっていこうとしているにかかわらず、衝突被害軽減装置が「車両が前方ターゲットとの衝突のおそれがある」と認識し、自動ブレーキを作動させてしまい、却って運転性を損ねてしまう場合がある。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、衝突被害軽減装置を作動させる必要のない状況では作動させないようにすることを目的とする。
このため、本発明の衝突被害軽減装置は、車速を測定する車速測定手段と、車両前方に位置する障害物までの距離、該障害物との相対速度を測定する障害物測定手段と、前記障害物測定手段により夫々測定された距離及び相対速度に基づいて、前記障害物に衝突するまでの衝突時間を演算する衝突時間演算手段と、前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が所定閾値以下となったときに、ブレーキを自動的に作動させるブレーキ作動手段と、操舵角検出情報を含む情報に基づいて検出された操舵角が、車速検出情報を含む情報に基づいて検出された車速が高いほど小さい値に設定される操舵角の閾値以上であるときを、所定レベル以上のカーブ走行と判定し、該所定レベル以上のカーブ走行が所定以上の頻度で行われる所定走行状態を検出する所定走行検出手段と、前記所定走行状態を検出したときに、前記ブレーキ作動手段の作動を禁止するブレーキ作動禁止手段と、を含んで構成される。
本発明によれば、山岳走行路のカーブ走行時などドライバーが覚醒して正常に運転していて衝突被害軽減装置によるブレーキ作動が不要で、却って運転性が損なわれるような場合には、前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が所定閾値以下となった場合でも、前記ブレーキ作動禁止手段によって、前記ブレーキ作動手段によるブレーキ作動が禁止され、良好な運転性を維持できる。
本発明に係る衝突被害軽減装置を備えた車両の全体構成図 ブレーキ作動禁止モードを設定する処理内容を示すフローチャート 衝突被害軽減装置によるブレーキ作動制御の処理内容を示すフローチャート
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係る衝突被害軽減装置を備えた車両の全体構成を示す。
車両には、コンピュータを内蔵した衝突被害軽減電子制御ユニット(以下、「衝突被害軽減ECU」という。以下、同様)10と、ブレーキを電子制御するブレーキECU20と、が搭載されている。
衝突被害軽減ECU10は、CAN(Controller Area Network)などのネットワークを介して、ブレーキECU20と相互通信可能に接続される。衝突被害軽減ECU10は、悪天候や汚れなどの環境要因の影響を受け難いミリ波等の障害物測定波を車両前方に送信し、障害物からの反射波に基づいて少なくとも障害物までの距離及び障害物との相対速度の測定を行うレーダ30と、車速を測定する車速センサ40と、障害物との衝突を検出する衝突検出装置50と、に接続される。衝突検出装置50は、例えば、加速度センサが検出する急激な加速度の変化や、車両前部に設けられた歪みセンサが検出する歪みを用いて衝突を検出したり、エアバッグの作動有無により衝突を検出する構成であってもよい。
また、衝突被害軽減ECU10は、ROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムを実行しつつ、レーダ30から出力される距離及び相対速度、車速センサ40から出力される車速、衝突検出装置50から出力される衝突検出信号などの各種信号を適時取得する。そして、衝突被害軽減ECU10は、車両前方に位置する障害物との衝突が回避困難であるときに、ブレーキECU20に対してブレーキ作動指令を出力する。
一方、衝突被害軽減ECU10は、山岳路走行など所定レベル以上のカーブ走行が所定以上の頻度で行われる所定走行状態を検出したときは、ブレーキECU20に対してブレーキ作動禁止指令を出力する。この所定走行状態検出のため、前記車速センサ40と共に、操舵角を検出する操舵角センサ60が設けられ、衝突被害軽減ECU10に接続される。
ここで、衝突被害軽減ECU10が制御プログラムを実行することで、衝突時間演算手段、ブレーキ作動手段、推定距離演算手段、ブレーキ作動禁止手段が夫々具現化される。また、レーダ30は障害物測定手段として機能し、車速センサ40は車速測定手段として機能する。なお、車速測定手段は、エンジンECU(図示略)から車速を読み込む構成を採用するようにしてもよい。
図2は、衝突被害軽減ECU10によりブレーキ作動禁止モードを設定する処理内容を示す。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、操舵角センサ60によって検出されるステアリングの操舵角θを読み込む。
ステップ2では、操舵角θが閾値θ1以上であるかを判定する。この閾値θ1は、高速道路では存在しないようなレベルのカーブ走行、即ち、所定レベル以上のカーブ走行を判定できる値に設定されている。例えば、曲率半径R250[m]のカーブ路(高速道路に存在する曲率半径Rの最小値は300[m])を40[Km/h]で走行した際に発生する操舵角θ0より大きい操舵角を閾値θ1として設定する。なお、操舵角θ0の算出は、曲率半径R250[m]、車速40[Km/h]の他、車両仕様に依存したタイヤ径、ステアリング比なども必要であるが、これらの値は予め衝突被害軽減ECU10に入力させておけば操舵角θ0を算出できる。
また、前記操舵角θの閾値θ1を、車速VSPに応じて可変に設定する構成としてもよく、例えば、車速VSPが高いときほど、閾値θ1を小さい値に設定する。
ステップ2で操舵角θがθ1未満と判定されたときは、ステップ1へ戻り、θ1以上と判定されたときはステップ3へ進む。
ステップ3では、所定時間t0(例えば1〜10分)内に、θ≧θ1と判定された回数nが所定値n1(例えば2回)以上であるか、即ち、所定レベル以上のカーブ走行の発生頻度xが所定値x1以上であるかを判定する。
ステップ3で頻度xが所定値x1未満と判定されたときは、ステップ4で(情報データ)をリセットした後、ステップ1に戻り、頻度xが所定値x1以上と判定されたときは、ステップ5へ進んで衝突被害軽減装置によるブレーキ作動を禁止する「ブレーキ作動禁止モード」を設定する。
ここで、簡易的には、所定時間経過毎に頻度xを判定する方式でもよいが、時分割された所定周期(例えば本フローの周期)毎に、カーブ走行のレベル判定データを記憶しておき、このフローの開始後、所定時間を経過後は、一番古いレベル判定データを最新のレベル判定データと置き換えつつ頻度xを判定する方式とすれば、走行状態を、その変化に良好に追従して精度良く判定できる。
ステップ6では、上記「ブレーキ作動禁止モード」が設定されてからの経過時間を計測するための作動禁止モードタイマのカウントを開始する。
ステップ7では、前記カウント値cが所定値c1以上、即ち、「ブレーキ作動禁止モード」が設定されてからの経過時間が所定時間以上となる前に、「ブレーキ作動禁止モード」への移行条件が成立(ステップ3の判定がYES)したかを判定し、成立時にはステップ8で、カウント値cを0にリセットした後、ステップ6へ戻り、非成立のまま所定値c1以上となったときは、ステップ9へ進み、「ブレーキ作動禁止モード」を終了(解除)する。即ち、前記所定走行状態が所定時間内で連続して検出されるかぎり、「ブレーキ作動禁止モード」が維持され、所定時間継続して検出されなくなったときに、「ブレーキ作動禁止モード」が解除されブレーキ作動を許容するようになっている。
図3は、上記「ブレーキ作動禁止モード」を含む衝突被害軽減装置によるブレーキ作動制御の処理内容を示す。
ステップ11では、レーダ30から車両前方に位置する障害物までの距離D[m]及び障害物との相対速度V[m/s]を夫々読み込む。
ステップ12では、例えば、t=D/Vという演算式を用いて、距離D及び相対速度Vから、障害物に衝突するまでの衝突時間t[s]を演算する。
ステップ13では、衝突時間tが所定閾値t1(例えば1.6[s])以下であるか否かを判定する。そして、衝突時間tが所定閾値t1以下であればステップ14へ進む一方(YES)、衝突時間tが所定閾値t1より大きければステップ11へと戻る(NO)。
ステップ14では、図2の処理により、「ブレーキ作動禁止モード」が設定されている(ON)かを判定する。
ステップ14で「ブレーキ作動禁止モード」が設定されていない(OFF)と判定されたときは、ステップ15へ進み、ブレーキECU20に対してブレーキ作動指令を出力し、衝突被害軽減装置によるブレーキ作動を実行して衝突した際の被害を低減させる。該衝突被害軽減装置によるブレーキ作動は、衝突検出装置50によって衝突が検出され、さらに車速センサ40によって車速VSPが0となったことが検出されるまで継続される。
一方、ステップ14で「ブレーキ作動禁止モード」が設定されている(ON)と判定されたときは、ブレーキECU20に対してブレーキ作動禁止指令を出力する。これにより、
衝突被害軽減装置によるブレーキ作動が禁止される。
本実施形態の作用・効果を説明する。
所定レベル以上のカーブ走行が所定以上の頻度で行われるような所定走行状態が検出されるときは、衝突被害軽減装置によるブレーキ作動条件が成立する可能性があるが、このような場合は、ドライバーの意思が明確に存在し(居眠りしていない)、かつ、山岳路等カーブ路が連続する路面を走行している可能性が高いと判断される。
このため、衝突被害軽減装置によるブレーキ作動を行う必要がなく、ブレーキ作動が行われると、却って運転性が損なわれてしまう。
そこで、本実施形態では、前記所定走行状態が検出されたときは、衝突被害軽減装置によるブレーキ作動が禁止されるので、良好な運転性を維持することができる。
上記第1の実施形態では、操舵角(及び車速)を用いて所定レベル以上のカーブ走行を検出したが、図1に一点鎖線で示すように、ヨーレート(車両の旋回方向への回転角の変化する速度)を検出するヨーレートセンサ101を設け、該ヨーレートセンサ101によって検出されるヨーレートあるいはヨーレートの変化率(単位時間当たりの変化量)が所定値以上のときを、所定レベル以上のカーブ走行として検出するようにしてもよく、第1の実施形態と同様の作用・効果が得られる。なお、上記ヨーレートあるいはヨーレートの変化率と比較する所定値を車速毎に可変に設定(例えば、車速が高いほど小さい値)してもよい。
10 衝突被害軽減ECU
20 ブレーキECU
30 レーダ
40 車速センサ
50 衝突検出装置
60 操舵角センサ
101 ヨーレートセンサ

Claims (2)

  1. 車速を測定する車速測定手段と、
    車両前方に位置する障害物までの距離、該障害物との相対速度を測定する障害物測定手段と、
    前記障害物測定手段により夫々測定された距離及び相対速度に基づいて、前記障害物に衝突するまでの衝突時間を演算する衝突時間演算手段と、
    前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が所定閾値以下となったときに、ブレーキを自動的に作動させるブレーキ作動手段と、
    操舵角検出情報を含む情報に基づいて検出された操舵角が、車速検出情報を含む情報に基づいて検出された車速が高いほど小さい値に設定される操舵角の閾値以上であるときを、所定レベル以上のカーブ走行と判定し、該所定レベル以上のカーブ走行が所定以上の頻度で行われる所定走行状態を検出する所定走行検出手段と、
    前記所定走行状態を検出したときに、前記ブレーキ作動手段の作動を禁止するブレーキ作動禁止手段と、
    を含んで構成される衝突被害軽減装置。
  2. 前記ブレーキ作動禁止手段は、前記所定走行状態が検出されたときから設定時間、前記ブレーキ作動手段の作動禁止を維持する請求項1に記載の衝突被害軽減装置。
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