JP5501794B2 - 押出成形用フラットダイ - Google Patents

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Description

本発明は、溶融樹脂等の流体を押出すことによってシート状に形成する押出成形用フラットダイに関する。
溶融樹脂等を押出成形機でシート状に成形する際には、フラットダイと呼ばれる口金が押出成形機の吐出口に設けられる。溶融可塑化装置から送られてきた溶融樹脂等の流体を、フラットダイが吐出口に設けられた押出成形機で押出すことによって、該溶融樹脂等の流体はフラットダイの形状に合わせてシート状に形成される。また、フラットダイは、種類の異なる複数の樹脂をシートの厚み方向に積層させるために用いられることもある。
図1は、押出成形用フラットダイ1の外観を示す斜視図である。図1で示すように、押出成形用フラットダイ1は、第1のダイ本体2と第2のダイ本体3とが本体結合ボルト4で結合されることによって構成され、押出成形用フラットダイ1の内部には流路5が形成されている。さらに、押出成形用フラットダイ1には、流体を押出成形用フラットダイ1の外部から流路5に取り込むためのダイ入口6と、該流体を薄く広い幅に形成した状態で押出成形用フラットダイ1の外部に排出するダイ出口7と、が設けられている。
なお、本書の説明において、ダイ出口7の長手方向を幅方向とする。また、ダイ出口7の短手方向を厚み方向とし、幅方向及び厚み方向と垂直な方向を流れ方向とする。
押出成形用フラットダイ1では、流路5の形状が押出品の形状に影響を与えるため、流路5として様々な形状が提案されている。例えば、非特許文献1では、T型ダイと呼ばれる押出成形用フラットダイ1が開示されている。
図2は、非特許文献1で開示されているT型ダイにおける流路5aの概略図である。図2に示すように、T型ダイにおける流路5aは、ダイ入口6からダイ出口7へ、幅方向の端部への流体の流動を確保するためのマニホールド8と、流体を所望の厚さに形成するためのスリット9と、をこの順に備えている。したがって、溶融樹脂等の流体をスリット9に通過させることによって、流体がシート状に押出形成される。
図2に示すT型ダイの流路5aでは、マニホールド8は円柱形状であり、マニホールド8の中心軸が幅方向と平行に配置されているため、流体の経路によって流体が受ける抵抗が異なる。例えば、ダイ入口6からマニホールド8及びスリット9の幅方向の中央を通ってダイ出口7へ向かう流れF1が最も短く、ダイ入口からマニホールド8及びスリット9の幅方向の端部を通ってダイ出口7へ向かう流れF2が最も長い。流れF1、F2とも、スリット9における経路の長さは同じであり、スリット9から受ける抵抗は同じである。しかし、流れF2の方が流れF1に比べてマニホールド8での経路が長くなる分だけ、流れF2の経路で生じる抵抗が大きくなる。したがって、流れF2の流量は流れF1の流量よりも小さくなり、押出品は幅方向の中央部が厚く端部が薄い形状になりやすい。
上記問題を解消するために、非特許文献1ではコートハンガー型ダイが開示されており、また特許文献1では傾斜ランド型ダイが開示されている。図3は、非特許文献1で開示されているコートハンガー型ダイにおける流路5bの概略図であり、図4は、特許文献1で開示されている傾斜ランド型ダイにおける流路5cの概略図である。
図3に示すように、コートハンガー型ダイにおける流路5bでは、マニホールド8の幅方向の中央部とダイ出口7との距離が、マニホールド8の幅方向の端部とダイ出口との距離よりも大きくなるように、マニホールド8が形成されている。
図3に示すコートハンガー型ダイでは、流れF1のスリット9における経路の長さは流れF2におけるスリット9の経路よりも大きくなり、スリット9が流体に与える抵抗は流れF1の方が流れF2よりも大きくなる。特に、スリット9の隙間はマニホールド8の径よりも小さいため、スリット9が流体に与える単位長さ当たりの抵抗は、マニホールド8が流体に与える単位当たり長さの抵抗よりも大きい。したがって、流れF1及びF2の経路の長さに差があったとしても、流れF1及びF2を経路とする流体が受ける抵抗を同じにすることができ、ダイ出口7の幅方向における流量の分布を均一にすることができる。
図4に示すように、傾斜ランド型ダイにおける流路5cでは、T型ダイと同様にマニホールド8の中心軸が幅方向と平行に配置されている。スリット9は、第1スリット部9aと、第1スリット部9aの隙間よりも小さい隙間を有する第2スリット部9bと、で構成されている。マニホールド8からダイ出口7にかけて、第1スリット部9a及び第2スリット部9bがこの順に設けられている。傾斜ランド型ダイでは、第1スリット部9aの流れ方向における長さは、幅方向の中央部が最も短く、端部が最も長くなっている。逆に、第2スリット部9bの流れ方向における長さは、幅方向の中央部が最も長く、端部が最も短くなっている。
図4に示す傾斜ランド型ダイでは、流れF1における第1スリット部9aは、流れF2における第1スリット部9aよりも短く、逆に流れF1における第2スリット部9bは、流れF2における第2スリット部9bよりも長い。第2スリット部9bの隙間は第1スリット部9aの隙間よりも小さいため、第2スリット部9bが流体に与える単位長さ当たりの抵抗は、第1スリット部9bから流体に与える単位当たり長さの抵抗よりも大きい。したがって、流れF1及びF2の経路の長さに差があったとしても、流れF1及びF2を経路とする流体が受ける抵抗を同じにすることができ、ダイ出口7の幅方向における流量の分布を均一にすることができる。
さらに、近年では、プラスチックフィルム等の、幅に対して厚みが非常に薄いシートを製造するために、幅方向の厚みにおいて、より高い均一性が求められている。そのため、コートハンガー型ダイ、傾斜ランド型ダイのいずれとも、図5、図6に示すように、流路の先端に、より隙間の小さいリップランド10を設けることがある。図5は、コートハンガー型ダイにリップランド10が設けられている場合の流路5bの概略図であり、図6は、傾斜ランド型ダイにリップランド10が設けられている場合の流路5cの概略図である。リップランド10を流路の先端に設けることによって、より薄く且つ幅方向により均一な押出品を得ることが可能になる。
特開昭56−136328号公報
伊藤公正著、「押出成形用ダイの設計」、工業調査会発行
しかしながら、粘度が高い流体を用いて製造する場合には、リップランド10における圧力損失が大きくなり、口開きと呼ばれる、リップランド10の隙間が厚み方向に広がる変形が生じやすくなる。口開き量が大きいほど、所望の厚さと異なる厚さの押出品が形成され、且つシートの幅方向における厚みが不均一になるため、品質上の問題となる。
口開きは、本体結合ボルト4が支点となり、リップランド10が主な作用点となって生じる。そのため、本体結合ボルト4は、リップランド10までの距離が小さくなるように、マニホールド8の縁に沿ってマニホールド8よりダイ入口6の側に配設される。
コートハンガー型ダイでは、図7に示すように、幅方向の中央部における本体結合ボルト4とリップランド10との距離が、幅方向の端部における本体結合ボルト4とリップランド10との距離よりも大きくなる。したがって、幅方向の中央部における口開き量が大きくなりやすく、押出品の幅方向における厚みが不均一になりやすい。
一方、傾斜ランド型ダイでは、図8に示すように、本体結合ボルト4がリップランド10と平行に配置されるため、幅方向の中央部における口開きは抑制される。しかし、傾斜ランド型ダイでは、第1スリット部9a及び第2スリット部9cを形成する必要があるため、スリット9の流れ方向の長さが大きくなる傾向にある。したがって、本体結合ボルト4からリップランド10までの距離が大きくなり、幅方向全体の口開き量が大きくなりやすい。スリット9の流れ方向の長さを短くするために第1スリット部9a及び第2スリット部9bの流れ方向の長さを短くした場合、例えば図4に示す流れF1とF2とが受ける抵抗を揃える事ができずに幅方向の流量の分布が悪化する。
そこで、本発明は、幅方向の流量の分布を悪化させることなく、口開きの抑制が可能な押出成形用フラットダイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の押出成形用フラットダイは、溶融樹脂を所定の方向に導き入れるダイ入口と、ダイ入口から導き入れられた溶融樹脂を吐出するダイ出口であって、スリット形状を有し、該スリット形状の長手方向が所定の方向と交わっているダイ出口と、ダイ入口およびダイ出口を連通する流路と、を有する。流路は、長手方向へ向かって延びており、長手方向に関して中央部でダイ入口と連通したマニホールドと、マニホールドの一端から他端までの範囲に亘ってマニホールドに連通し、ダイ出口へ向かって延びる第1スリット部と、所定の方向と交わる断面がダイ出口に対応した形状を有し、第1スリット部およびダイ出口を連通する第2スリット部と、を含む。第1スリット部の、所定の方向と長手方向とに対して交わる厚さ方向に関する寸法は、長手方向に関して中央部から端部へいくほど大きいことを特徴とする。
本発明によれば、幅方向の流量の分布を悪化させることなく、口開きの抑制が可能な押出成形用フラットダイが提供される。
押出成形用フラットダイの斜視図である。 従来の押出成形用フラットダイの1つであるT型ダイの流路の概略図である。 従来の押出成形用フラットダイの1つであるコートハンガー型ダイの流路の概略図である。 従来の押出成形用フラットダイの1つである傾斜ランド型ダイの流路の概略図である。 コートハンガー型ダイにリップランドを設けた場合の流路の概略図である。 傾斜ランド型ダイにリップランドを設けた場合の流路の概略図である。 コートハンガー型ダイにおける本体結合ボルトの配置を説明する図である。 傾斜ランド型ダイにおける本体結合ボルトの配置を説明する図である。 本発明における押出成形用フラットダイの流路の概略図である。 図9に示す第1スリット部のA−A面の断面図である。 図9に示す流路のB−B断面図である。 本発明におえる押出成形用フラットダイにおける本体結合ボルトの配置を説明する図である。 本発明の実施例における押出成形機用フラットダイの第1のダイ本体の斜視図である。 第1のダイ本体と対になって押出成形用フラットダイを構成する第2のダイ本体の斜視図である。 押出成形時におけるダイ出口7の幅方向の流量分布をプロットした図である。 押出成形時におけるダイ出口7の幅方向の口開き量分布をプロットした図である。 比較例2で用いた第1のダイ本体の斜視図である。
以下、この発明の一実施形態を図に基づいて詳細に説明する。図9は、本発明の実施形態における押出成形用フラットダイの流路5dの概略図である。図9に示すように、流路5dは、溶融樹脂等の流体を流路5dに導入するためのダイ入口6と、押出品の幅及び厚さと略等しいダイ出口7とを備える。
また、流路5dは、ダイ入口6からダイ出口7へ、幅方向の端部への流体の流動を確保するためのマニホールド8と、流体を通過させてシート状に形成するスリット11と、をこの順に備えている。なお、スリット11の流体の出口はダイ出口7と一致する。マニホールド8からスリット11に流体を押出すことによって、流体がシート状に形成される。
マニホールド8は円柱形状を有しており、マニホールド8の中心軸が幅方向と平行になるように配設されている。また、マニホールド8の幅方向の中央部において、ダイ入口とマニホールド8とが連通されている。マニホールド8は円柱形状に限定されず、スリット11の幅方向に流体を広げられる幅を有する形状であれば良い。
スリット11は、スリット11への溶融樹脂等の流体の入口側、即ちマニホールド8の側に位置する第1スリット部11aと、スリット11の溶融樹脂等の流体の出口側に位置する第2スリット部と、を含む。第2スリット部11bは、第1スリット部11aの、溶融樹脂等の流体の通過する方向に垂直な断面よりも小さい長方形断面を有している。即ち、第2スリット部11bは、押出品の厚さ及び幅に略等しい隙間及び幅を有し、リップランドの機能を担う。
図10は、図9に示す第1スリット部11aを、流れ方向に垂直なA−A面で切断したときの断面図である。図10に示すように、第1スリット部11aは、幅方向、即ちスリット11の長手方向において異なる大きさの隙間を有している。特に、スリット11の長手方向の中央部の隙間が最も小さく、端部へいくほど隙間が大きくなっている。
また、図11は、図9に示す流路5dを、ある幅方向の位置において、幅方向に垂直なB−B面で切断したときの断面図である。図11に示すように、第1スリット部11aの隙間は第2スリット部11bの隙間よりも大きい。なお、第1スリット部11aの隙間の最も小さい部分、即ち幅方向の中央部における第1スリット部11aの隙間は、第2スリット部11bの隙間と同じでも良い。
次に、本実施形態における流れの経路と、流体が経路から受ける抵抗と、について説明する。図9に示すように、ダイ入口6からマニホールド8及びスリット9の幅方向の中央部を通ってダイ出口7へ向かう流れF1と、ダイ入口6からマニホールド及びスリット9の幅方向の端部を通ってダイ出口7へ向かう流れF2について説明する。
図9に示すように、流れF2はマニホールド8で幅方向の中央部から端部へ広がるため、流れF2の方が流れF1よりもマニホールド8での経路が長い。そのため、流体がマニホールド8から受ける抵抗は、流れF2の方が流れF1よりも大きい。
本実施形態では、流れF2における第1スリット部11bの隙間は、流れF1における第1スリット部11bの隙間よりも大きい。そのため、流体が第1スリット部11bから受ける抵抗は、流れF2の方が流れF1よりも小さくなる。
したがって、第1スリット部11aの隙間を幅方向において適当な値とすることにより、流れF1と流れF2がマニホールド8及びスリット11から受ける抵抗を同じにすることができる。よって、ダイ出口7の幅方向における流量分布を均一にすることが可能となる。
続いて、本発明における押出成形用フラットダイにおける本体結合ボルト4の配置について説明する。図12は、本実施形態の押出成形用フラットダイにおける本体結合ボルトの配置を説明する図である。
図12に示すように、複数の本体結合ボルト4が、マニホールド8よりもダイ入口6の側に、マニホールド8の縁に沿って配置されている。本体結合ボルト4はスリット11の長手方向と平行に配置され、各々の本体結合ボルト4と第2スリット部11bとの距離を同じとすることができる。したがって、従来のコートハンガー型ダイで生じやすい、幅方向の中央部における口開き量の増大を抑制することができる。
また、本発明の押出成形用フラットダイを用いた流路5bであれば、第1スリット部11aにおける単位長さ当たりの抵抗を、幅方向における隙間によって調整することができるため、第1スリット部11aの流れ方向の長さを短縮することができる。具体的には、図9において流れF1及び流れF2において、第1スリット部11aの流れ方向の長さを小さくした場合、流れF1における第1スリット部11aの隙間と、流れF2における第1スリット部11aの隙間と、の差を大きくすればよい。
第1スリット部11aの流れ方向の長さの短縮により、本体結合ボルト4と第2スリット部11bとの距離を小さくすることができる。したがって、ダイ出口7における幅方向の流量分布を悪化させることなく、口開き量を抑制することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の説明では上述した実施形態において示したのと同じ部分に対しては同じ符号を用いて説明する。
(実施例)
図13は、本発明の実施例における第1のダイ本体12の斜視図であり、図14は、第1のダイ本体12と対になって押出成形用フラットダイを形成する第2のダイ本体13の斜視図である。
図14に示すように、第2のダイ本体13には、図9に示すマニホールド8及びスリット11を形成するためのマニホールド形成壁14b及びスリット形成壁15bが設けられている。スリット形成壁15bは、平坦な面で形成されている。
図13に示すように、第1のダイ本体12にもマニホールド形成壁14a及びスリット形成壁15aが設けられている。スリット形成壁15aは、図9に示す第1スリット部11a及び第2スリット部11bを形成するための第1スリット部形成壁16a及び第2スリット部形成壁16bで構成されている。
本実施例では、図9に示す、第1スリット部11aの幅方向の中央部、即ち第1スリット部11aの最も小さい隙間を4.0mmとし、幅方向の端部、即ち第1スリット部11aの最も大きい隙間を8.4mmとした。第1スリット部11aの、スリット11の長手方向における中央部と端部とを接続する面は、段差のない連続した平面で形成した。また、第1スリット部11aの流れ方向の長さを50mmとし、ダイ出口7の幅を1000mmとした。
第1及び第2のダイ本体12、13が互いに結合されて形成された押出成形用フラットダイに、メルトインデックス(Melt index:MI)が5.0のポリエチレンを300kg/hの流量で押出成形を行った。
図15は、横軸をダイ出口7における幅方向の中央部からの距離とし、縦軸をダイ出口7におけるポリエチレンの流量としてプロットしたものである。なお、ポリエチレンの流量は、ダイ出口7の幅方向の各位置における流量を、ダイ出口7の幅方向全体の流量平均の比で表している。図15に示すグラフの実線によるプロットが本実施例における幅方向の流量分布である。図15に示すように、本実施例における各幅方向における流量は、平均流量に対し、3%以内に収まっており、極めて良好な押出特性を示した。
また、図16は、押出成形時におけるダイ出口7の幅方向の口開き量分布をプロットした図である。図16に示すグラフの実線によるプロットが本実施例における幅方向の口開き量分布である。図16に示すように、ダイ出口7の口開き量が180μm程度に抑えられた。
次に、以下の比較例に示す押出成形用フラットダイを用いて、本発明の実施例との比較を行った。
(比較例1)
比較例1では、本発明の実施例に示す押出成形用フラットダイの形状に略等しく、寸法が異なる押出成形用フラットダイを用いて行った。具体的には、図9に示す、第1スリット部11aの幅方向の中央部の隙間を4.0mmとし、第1スリット部11aの幅方向の端部の隙間を5.3mmとした。また、第1スリット部11aの流れ方向の長さを80mmとした。
その他の寸法、例えば、ダイ出口7の幅やその他の寸法は、実施例と同じとした。したがって、本体結合ボルト4とダイ出口7との距離は、実施例よりも30mm大きい。
(比較例2)
比較例2では、従来の傾斜ランド型ダイを用いて押出成形を行った。具体的には、図17に示す第1のダイ本体17と、図14に示す第2のダイ本体13とを結合させて押出成形用フラットダイとした。図17は、比較例2で用いた第1のダイ本体17の斜視図である。比較例2で用いる第1のダイ本体17には、図5に示す第1スリット部9a、第2スリット部9b及びリップランド10を形成するための第1スリット部形成壁18a、第2スリット部形成壁18b及びリップランド形成壁19と、が設けられている。
比較例2では、図6に示す、第1スリット部9aの隙間を5.2mm、第2スリット部9bの隙間を4.0mmとした。また、第1スリット部9aの幅方向の中央部と端部との流れ方向における距離(図6に示すT)を80mmとした。
その他の寸法、例えば、ダイ出口7の幅や第2スリット部11bの寸法等は、実施例と同じとした。したがって、比較例2における本体結合ボルト4とダイ出口7との距離は、比較例1と同じであり、実施例1よりも30mm大きい。
比較例1、及び比較例2の押出成形用フラットダイを用いて、実施例1と同様の押出成形を行い、ダイ出口7における流速分布及びダイ出口7の口開き量を測定した結果を図15及び図16にプロットした。図15及び図16において、破線で示すプロットが比較例1における結果を示し、一点鎖線で示すプロットが比較例2における結果を示す。
図15に示すように、実施例1、比較例1、比較例2とも、流量分布が略等しいことが確認できる。つまり、本発明の押出成形用フラットダイの流路の形状であっても、従来の傾斜ランド型ダイの流路の形状と同等の、ダイ出口7における幅方向の流量分布を維持することができる。
また、図16に示すように、比較例1及び比較例2では、口開き量が最大270μmとなった。実施例1において、口開き量の最大が約180μmであり、実施例の押出成形用フラットダイを用いることにより、口開き量を約35%抑制できる結果となった。
これは、比較例1及び比較例2に対し、実施例では本体結合ボルト位置をダイ出口7の側へ30mm近づいたことで、流体から受ける圧力に対する撓みの耐性が増したためである。
以上より、本発明の押出成形用フラットダイの形態を用いることによって、ダイ出口7の幅方向の流量分布を損なうことなく、口開き量をより抑制することが可能となる。
また、本実施例では、第1スリット部11aの長手方向の中央部から端部への連続した面を直線的に変化させているが、該面を非直線的、例えば2次放物線のようにすることで、ダイ出口7における幅方向の流量分布をより高精度に均一にすることが可能となる。
1 押出成形用フラットダイ
2、12、17 第1のダイ本体
3、13 第2のダイ本体
4 本体結合ボルト
5 流路
6 ダイ入口
7 ダイ出口
8 マニホールド
9 スリット
9a 第1スリット部
9b 第2スリット部
10 リップランド
11 スリット
11a 第1スリット部
11b 第2スリット部

Claims (7)

  1. 溶融樹脂を所定の方向に導入するダイ入口と、
    前記ダイ入口から導入された前記溶融樹脂を吐出するダイ出口であって、スリット形状を有し、該スリット形状の長手方向が前記所定の方向と交わっているダイ出口と、
    前記ダイ入口および前記ダイ出口を連通する流路と、を有する押出成形用フラットダイにおいて、
    前記流路は、
    前記長手方向へ向かって延びており、前記長手方向に関して中央部で前記ダイ入口と連通して前記ダイ入口から導き入れられた前記溶融樹脂を前記長手方向へ広げるためのマニホールドと、
    前記マニホールドの一端から他端までの範囲に亘って前記マニホールドに連通し、前記ダイ出口へ向かって延びる第1スリット部と、
    前記所定の方向と交わる断面が前記ダイ出口に対応した形状を有し、前記第1スリット部および前記ダイ出口を連通する第2スリット部と、を含み、
    前記第1スリット部の、前記所定の方向と前記長手方向とに対して交わる厚さ方向に関する寸法は、前記長手方向に関して中央部から端部へいくほど大きいことを特徴とする押出成形用フラットダイ。
  2. 前記ダイ出口、および前記第2スリット部の前記断面が、長方形形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の押出成形用フラットダイ。
  3. 前記マニホールドが、前記長手方向と平行に延びていることを特徴とする、請求項1または2に記載の押出成形用フラットダイ。
  4. 前記第1スリット部の、前記厚さ方向に位置する壁面が、段差のない連続した面で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の押出成形用フラットダイ。
  5. 前記連続した面が、直線的に変化していることを特徴とする請求項4に記載の押出成形用フラットダイ。
  6. 前記連続した面が、非直線的に変化していることを特徴とする請求項4に記載の押出成形用フラットダイ。
  7. 対になって前記流路を形成する第1のダイ本体と第2のダイ本体と、
    前記第1および前記第2のダイ本体を結合する本体結合ボルトと、をさらに備え、
    前記本体結合ボルトが、前記長手方向に沿って配設されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の押出成形用フラットダイ。
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