JP5501868B2 - 艶消しフィルム、これを用いた内装材及び艶消しフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)を含有する樹脂組成物から成形され、
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対する酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)の合計含有量が5質量部以上100質量部以下であり、
上記熱可塑性エラストマー(C)のメルトインデックスが2g/10分以上18g/10分以下、上記熱可塑性エラストマー(C)の質量平均酸価が2.5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である艶消しフィルムである。
エチレンービニルアルコール共重合体(A)は、主構造単位として、エチレン単位及びビニルアルコール単位を有する。なお、このEVOHとしては、エチレン単位及びビニルアルコール単位以外に、他の構造単位を1種又は複数種含んでいてもよい。
酸変性ポリオレフィン(B)は、カルボキシル基又はその無水物基、スルホン酸基等の酸性基を有するポリオレフィンをいう。この酸変性ポリオレフィン(B)としては、ポリオレフィンに、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその無水物をグラフト重合又は付加させたカルボン酸変性ポリオレフィン等があげられる。上記カルボン酸変性ポリオレフィンを得るためのポリオレフィンは、エチレン又は炭素数が3以上のα−オレフィンを主成分としたモノマーを重合して得られる単独重合体であるポリα−オレフィンが好ましい。このポリα−オレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテンが好ましく、中でもポリエチレンが最も好ましい。なお、このポリα−オレフィンは、本発明の目的及び効果を妨げない限りにおいて、オレフィン系単量体等の他のモノマーを微量の構成成分として含んでいてもよい。
熱可塑性エラストマーとは、加熱することにより流動性を有し、常温ではゴム状弾性を有する樹脂である。なお、本発明において、酸変性ポリオレフィン(B)は、上記条件を満たす場合も熱可塑性エラストマーには含まれない。
本発明の艶消しフィルムを形成する樹脂組成物は、上記の三成分の他、本発明の目的が阻害されない範囲で他の添加剤を含有されてもよい。このような添加剤の例としては、滑剤(D)、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。
本発明の艶消しフィルムを形成する樹脂組成物は、この樹脂組成物全体の質量平均酸価を調整し、酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)のEVOH(A)中での均一分散性を向上させることで凹凸形成性をさらに向上させ、その結果、艶消しフィルムの光沢度をさらに低減させることができる。この質量平均酸価の下限としては0.1mgKOH/gが好ましく、0.5mgKOH/gがさらに好ましく、0.8mgKOH/gが特に好ましい。一方、この平均酸価の上限としては、5.0mgKOH/gが好ましく、3.0mgKOH/gがさらに好ましく、2.0mgKOH/gが特に好ましい。
本発明の艶消しフィルムは、単層又は多層構造のいずれでもよい。当該艶消しフィルムの厚み(最大厚み)としては、特に限定されないが、下限としては10μmが好ましく、12μmがさらに好ましい。また、この上限としては、50μmが好ましく、40μmがさらに好ましく、30μmが特に好ましい。厚みが上記下限より小さい場合の製膜は困難な場合がある。逆に、厚みが上記上限を超えると、壁紙等に使用した際の施工性が低下するおそれがある。
当該艶消しフィルムは、上記各成分を混合して樹脂組成物を得る工程と、上記樹脂組成物を成形(製膜)する工程とを有する製造方法で得ることができる。
本発明の内装材は、基材と、この基材の表面に熱ラミネートにより積層される上記の艶消しフィルムとを備えるものである。なお、内装材とは、建築物の内部の装飾に用いられる材料であり、壁紙、化粧板、装飾材などが挙げられる。これらの内装材のうち、本発明の艶消しフィルムの高い柔軟性を効果的に活用することができるものとして、壁紙が好適に用いられる。
(A)成分として、エチレン単位含有量が44モル%、ケン化度が99.97%、メルトインデックス(210℃、荷重2160g)が12g/10分、酸価が0mgKOH/gのEVOHペレット100質量部と、
(B)成分として、メルトインデックス(210℃、荷重2160g)が0.5g/10分、酸価が2.2mgKOH/gの無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンペレット6質量部と、
(C)成分として、メルトインデックス(210℃、荷重2160g)が2.9g/10分、酸価が5.6mgKOH/gの無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(C1−a)ペレット17質量部と
を計量し、タンブラー(容量120L)により、10分間運転し一括混合した。一括混合した原料を直径40mm、L/D=22、1軸フルフライト先端マドック付きスクリュー、ストランドダイ:3mmφ×2本取で、成形温度215℃、スクリュー回転数25rpm、吐出量8kg/hrの条件で押出し、ストランドを冷却水槽中で冷却しながらペレタイザーでカッティングし円柱形状のブレンドペレットを得た。なお、各樹脂の酸価は、以下の方法で算出したものである。このブレンドペレットをTダイ押出機(株式会社東洋精機製作所製20mm押出機D2020(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト浅溝タイプ、ダイス:コートハンガー300mm幅ダイ、スクリーン:50/100/50Mesh))で、押出温度:供給部/圧縮部/計量部/ダイ=170/210/225/215℃、スクリュー回転数75rpm、吐出量1.9kg/hrの条件でフィルムに製膜した。この際、引き取り速度を調整し、製膜可能な最薄フィルムとして、製膜可能な最大の引き取り速度で製膜し、厚み(最大厚み)13.0μmの艶消しフィルムを得た。
精秤した試料400mgにキシレン80mLを加え、130℃で加熱撹拌して均一な溶液とし、0.05M水酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定した。中和までに要した0.05M水酸化カリウムエタノール溶液の量から、下記式(1)に従い各樹脂の酸価A(mgKOH/g)を算出した。
A=56.1×0.05×B×C/D ・・・(1)
A:酸価(KOHmg/g)
B:0.05M水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(mL)
C:0.05M水酸化カリウムエタノール溶液の濃度補正値
D:試料質量(g)
表1に記載されているとおりのペレットの種類及び量でブレンドした以外は、実施例1と同様にして、これらの実施例及び比較例に係る艶消しフィルムを得た。実施例2においては滑剤として、エチレンビスステアリン酸アミドを0.15質量部配合した。なお、表1中の各(C)成分は以下のメルトインデックス及び酸価を有する。
・無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(C1−b)
メルトインデックス(210℃、荷重2160g):0.3g/10分
酸価:9.2mgKOH/g
・エチレン−ブテン共重合体(C2−a)
メルトインデックス(210℃、荷重2160g):5.1g/10分
酸価:0mgKOH/g
・エチレン−ブテン共重合体(C2−b)
メルトインデックス(210℃、荷重2160g):23.7g/10分
酸価:0mgKOH/g
実施例1〜4及び比較例1〜8で得られた艶消しフィルムの各特性は、以下記載の方法に従って評価した。なお、比較例9〜11では製膜することができなかった。これらの評価結果を、樹脂組成物の成分割合、物性等とともに表1に示す。
引き取り速度を調整し、製膜可能な最薄フィルムとして、製膜可能な最大の引き取り速度で製膜した際のフィルムを20cm×20cmのサイズでサンプリングした。このサンプリングフィルムの厚み(最大厚み)を、厚さ測定器(Saginomiya社製DIAL INDICATOR MODERU LCM−0101)で9箇所測定した値の平均値(L1)を算出した。
上記サンプリングフィルムの密度をトルエン四塩化炭素混合溶液を使用し、浮力法にて密度を測定し、この質量と、密度からフィルムの理論厚み(L2)を算出した。実測の厚みと理論厚みとの差((L1)−(L2))を算出し、凹凸度とした。
有機溶剤系である大日本インキ化学株式会社製ディックシールLA−100ZとKP−90(硬化剤)とを100部対0.6部の質量比で混合したもの80質量部に、溶媒としてメチルエチルケトン20質量部加え接着剤を得た。これを10番のバーコーターを用いて上記の各最薄のフィルム上に塗布し、80℃の乾燥機で1分間乾燥した。ナンカイテクナート株式会社製非発泡塩化ビニル壁紙基材の塩化ビニル面上に、上記フィルムの接着剤塗布面を合わせ、さらにその上に東レ株式会社製二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名ルミラーS105、厚み50μm)を重ね合わせた。次に、東京ラミックス株式会社製ラミネーターDX−350を用いて、温度120℃、速度2m/minの条件で熱ラミネートして、フィルム/塩化ビニル壁紙の内装材を得た。この内装材のフィルム表面の光沢度をJIS−Z8741に従い日本電色工業株式会社製グロスメーターVGS−300Aにて角度60度で測定した。
上記の各最薄の艶消しフィルムをMD方向(流れ方向)に20mm、TD方向(垂直方向)に5mmにカットした。このカットしたフィルムを、株式会社レオロジ製粘弾性測定解析装置「DVE−4レオスペクトラー」の引張りチャックに取り付けた。JIS−K7244−4に従い、測定モード引張り(t=1mm以下)、−120℃〜120℃、昇温速度3℃/分、基本周波数10Hz、歪み波形正弦波で温度に対するフィルムの動的粘弾性の変化を示すグラフを作成し、5℃の貯蔵弾性率(E’)を読みとった。
上記の方法で算出した各樹脂の酸価の質量平均を樹脂組成物の平均酸価とした。
上記の各最薄の艶消しフィルムをJIS−Z8741に準拠し、日本電色工業株式会社製グロスメーターVGS−300Aにて角度60度で測定した。
株式会社村上色彩技術研究所製HR−100型ヘイズメーターを使用し、JIS−D8741に準じて測定を行った。全ヘイズは上記各最薄のフィルムの値、内部ヘイズは上記各最薄のフィルム両面にシリコンオイルを厚み約2μmで塗布して測定した値である。
実施例1〜4及び比較例1〜5においては、押出成形におけるメヤニの発生量を確認するため、ストランド(ブレンドペレット)を得る際の押し出し開始後30分後の時点で、押出口に固着している樹脂組成物(メヤニ)を取り出し、その質量を測定した。なお、メヤニの発生量を確認するため、フィルム成形ではなく、吐出量が多くメヤニの発生しやすいストランドの押出成形において、メヤニの発生量を比較することとした。
Claims (17)
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)を含有する樹脂組成物から成形され、
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対する酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)の合計含有量が5質量部以上100質量部以下であり、
上記熱可塑性エラストマー(C)のメルトインデックスが2g/10分以上18g/10分以下であり、上記熱可塑性エラストマー(C)の質量平均酸価が2.5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である艶消しフィルム。 - 上記酸変性ポリオレフィン(B)に対する熱可塑性エラストマー(C)の質量比〔(C)/(B)〕が1.5以上10以下である請求項1に記載の艶消しフィルム。
- 上記熱可塑性エラストマー(C)が酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1又は請求項2に記載の艶消しフィルム。
- 上記酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体がカルボン酸変性エチレン−ブテン共重合体である請求項3に記載の艶消しフィルム。
- 上記酸変性ポリオレフィン(B)のメルトインデックスが0.01g/10分以上10g/10分以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記酸変性ポリオレフィン(B)が酸変性ポリエチレンである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記酸変性ポリエチレンがカルボン酸変性高密度ポリエチレンである請求項6に記載の艶消しフィルム。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のメルトインデックスが0.1g/10分以上30g/10分以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のメルトインデックスから、熱可塑性エラストマー(C)のメルトインデックスを減じた値が5g/10分以上である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のエチレン単位含有量が35モル%以上60モル%以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のケン化度が90モル%以上である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 上記樹脂組成物全体の質量平均酸価が0.1mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下である請求項1から11のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 5℃における貯蔵弾性率が1.6GPa以下である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 凹凸度が8μm以上である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の艶消しフィルム。
- 基材と、この基材の表面に熱ラミネートにより積層される請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の艶消しフィルムとを備える内装材。
- 表面の光沢度が20%以下である請求項15に記載の内装材。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)を混合して樹脂組成物を得る工程と、上記樹脂組成物を成形する工程とを有し、
上記樹脂組成物のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対する酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性エラストマー(C)の合計含有量が5質量部以上100質量部以下であり、
上記熱可塑性エラストマー(C)のメルトインデックスが2g/10分以上18g/10分以下であり、上記熱可塑性エラストマー(C)の質量平均酸価が2.5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である艶消しフィルムの製造方法。
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