JP5512404B2 - 熱膨張性微小球 - Google Patents
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Description
最近、耐熱性の高い熱膨張性微小球が種々検討されている。たとえば、特許文献2には、ニトリル系単量体およびカルボキシル基含有単量体を重合して得られた共重合体を外殻とする熱膨張性微小球等が開示されている。この熱膨張性微小球では、最大膨張温度(Tmax)と膨張開始温度(Ts)との差(Tmax−Ts)が30℃以上もある。
このような耐熱性の高い熱膨張性微小球および基材成分を含む組成物を加熱成形する際、得られる成形物は十分に軽量化される。しかし、熱膨張性微小球が加熱膨張して得られる中空バルーンには、依然として発泡剤が内包されているために、中空バルーンは、通常、膨張する余力を残して内圧を保持した状態にあり、内圧が低下した(萎んだ)状態とはならない。したがって、得られた成形物(基材成分)が変形する際に、中空バルーンは変形に対する追従性は低く、基材成分が元来有している力学的特性が損なわれたりすることがあった。特に、基材成分がゴムである場合、この力学的特性は著しく低下する。また、内圧を保持した中空バルーンが成形物の表面付近にあると、その部分が表面に盛り上がった状態となり、表面の平滑性が低下する。
すなわち、本発明にかかる熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球であって、前記熱可塑性樹脂が単量体成分を必須とする重合性成分を重合して得られる共重合体であり、前記単量体成分が、ニトリル系単量体と、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体およびハロゲン化ビニリデン系単量体から選ばれる少なくとも1種とを含み、前記発泡剤が炭素数3〜16の炭化水素であり、前記熱膨張性微小球の膨張開始温度および最大膨張温度をそれぞれTs(℃)およびTmax(℃)とし、Tmax(℃)における変位量をLmax(μm)として、DMAを使用した下記熱分析評価法による測定をしたとき、下記数式(1)〜(3)を満足する。
120<Ts≦250 (1)
0≦Tmax−Ts<30 (2)
0<Lmax≦600 (3)
前記単量体成分に占めるニトリル系単量体の重合割合が10〜95重量%であると好ましい。
前記重合性成分が架橋剤をさらに含むと好ましい。
本発明にかかる造孔材は、上記熱膨張性微小球からなる。
本発明にかかる組成物は、基材成分と、上記熱膨張性微小球とを含む。
本発明の造孔材は、上記熱膨張性微小球からなるため、表面の平滑性に優れ、基材成分の力学的特性が損なわれず、軽量な成形物を製造できる。
本発明の組成物は、基材成分と上記熱膨張性微小球とを含むので、成形によって、表面の平滑性に優れ、基材成分の力学的特性が損なわれず、軽量な成形物を製造できる。
本発明の熱膨張性微小球(1)は、たとえば図1に示すように、熱可塑性樹脂からなる外殻(2)と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤(3)とから構成される熱膨張性微小球である。
熱膨張性微小球の平均粒子径については特に限定されないが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜80μm、さらに好ましくは10〜60μmである。熱膨張性微小球の粒度分布の変動係数CVは特に限定されないが、好ましくは35%以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは25%以下である。変動係数CVは、以下に示す計算式(1)および(2)で算出される。
熱膨張性微小球の膨張開始温度および最大膨張温度をそれぞれTs(℃)およびTmax(℃)とし、Tmax(℃)における変位量をLmax(μm)としたとき、本発明においてこれらを測定評価する方法として、DMA(DMA Q800型、TA instruments社製)を使用した熱分析評価法が行われ、以下の実施例で詳しく説明する。
最大膨張温度Tmax(℃)と膨張開始温度Ts(℃)との差は、通常、0≦Tmax−Ts<30を満足し、好ましくは0≦Tmax−Ts≦20、より好ましくは0≦Tmax−Ts<8、さらに好ましくは0≦Tmax−Ts≦5、特に好ましくは0≦Tmax−Ts≦3を満足する。
最大膨張時の変位量Lmax(μm)は、通常、0<Lmax≦600、より好ましくは0<Lmax≦500、特に好ましくは0<Lmax≦400である。
本発明の熱膨張性微小球の発泡剤としては、加熱することで気化する物質であれば特に限定はないが、たとえば、プロパン、シクロプロパン、イソブタン、シクロブタン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、イソヘキサン(2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン)、シクロヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン(2,2,3−トリメチルブタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2−メチルヘキサン)、3−エチルペンタン、3−メチルヘキサン、1,1,2,2−テトラメチルシクロプロパン、オクタン、イソオクタン(2,2,3,3−テトラメチルブタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン)、ノナン、イソノナン(2,2,4,4−テトラメチルペンタン、2,2,4−トリメチルヘキサン、2,2,5−トリメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメチルヘプタン、2,5−ジメチルヘプタン、2−メチルオクタン)、3,3−ジメチルヘプタン、3,4−ジメチルヘプタン、3,5−ジメチルヘプタン、1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、1,1,4−トリメチルシクロヘキサン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1−エチル−2−メチルシクロヘキサン、デカン、イソブチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、シクロデカン、ノルマルペンチルシクロペンタン、tert−ブチルシクロヘキサン、trans−1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキサン、ウンデカン、アミルシクロヘキサン、ドデカン、イソドデカン(2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2−メチルウンデカン)、3−メチルウンデカン、シクロドデカン、ヘキシルシクロヘキサン、イソヘキサデカン等の炭素数3〜16の炭化水素;石油エーテルやノルマルパラフィン等の石油分留物;テトラアルキルシラン;加熱により熱分解してガスを生成する化合物等を挙げることができる。
低沸点炭化水素(A)と高沸点炭化水素(B)との重量比率(A/B)は、特に限定はないが、好ましくは10/90〜60/40、より好ましくは16/84〜50/50、特に好ましくは20/80〜45/55である。上記重量比率が10/90より小さい場合は、最大膨張到温度到達後も膨張する余力が残留することがある。上記重量比率が60/40より大きい場合は、膨張開始温度が低下し、所望の温度以下で膨張してしまうことがある。
これらの低沸点炭化水素(A)のうちでも、炭素数が5〜6である炭化水素(たとえば、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、イソヘキサン(2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン)、シクロヘキサン等)が好ましい。低沸点炭化水素(A)に占める炭素数が5〜6である炭化水素の割合については、特に限定はないが、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%である。上記割合が50重量%未満の場合は、膨張開始温度が低下し、所望の温度以下で膨張してしまうことがある。
これらの高沸点炭化水素(B)のうちでも、炭素数7〜8である炭化水素(たとえば、ヘプタン、イソヘプタン(2,2,3−トリメチルブタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2−メチルヘキサン)、3−エチルペンタン、3−メチルヘキサン、1,1,2,2−テトラメチルシクロプロパン、オクタン、イソオクタン(2,2,3,3−テトラメチルブタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン等)が好ましい。高沸点炭化水素(B)に占める炭素数7〜8である炭化水素の割合については、特に限定はないが、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%である。上記割合が50重量%未満の場合は、耐熱性が高くなり所望の温度以上で膨張する余力が残留することがある。
熱膨張性微小球の外殻を形成する熱可塑性樹脂は、重合性成分を(好ましくは重合開始剤存在下で)重合することによって得られる。重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。
単量体成分としては、特に限定はないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル等のニトリル系単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;カルボキシル基含有単量体の無水物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド、置換(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体;ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
単量体成分がニトリル系単量体を含むと、ガスバリア性と最大膨張到達後の膨張力のコントロールが容易になるため、さらに好ましい。
単量体成分が、ニトリル系単量体とともに(メタ)アクリル酸エステル系単量体をさらに含むと、(Tmax−Ts)を小さくすることができるために好ましい。
重合性成分は、上記単量体成分以外に、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体(架橋剤)を含んでいてもよい。架橋剤を用いて重合させることにより、熱膨張時の内包された発泡剤の保持率(内包保持率)の低下が抑制され、効果的に熱膨張させることができる。
架橋剤の量については、特に限定はないが、単量体成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部、特に好ましくは0.2重量部超1重量部未満である。
重合開始剤としては、特に限定はないが、過酸化物やアゾ化合物等を挙げることができる。
アゾ化合物としては、たとえば、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。上記重合開始剤のなかでも、パーオキシジカーボネートが好ましい。
重合開始剤の量については、特に限定はないが、前記単量体成分100重量部に対して0.3〜8.0重量部であると好ましい。
水性分散媒は、電解質をさらに含有してもよい。電解質としては、たとえば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。電解質の含有量については、特に限定はないが、水性分散媒100重量部に対して0.1〜50重量部含有するのが好ましい。
水性分散媒は、電解質や水溶性化合物以外に、分散安定剤や分散安定補助剤を含有していてもよい。
分散安定補助剤としては、特に限定はないが、たとえば、高分子タイプの分散安定補助剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に乳化分散させるために、油性混合物を乳化分散させる方法としては、たとえば、ホモミキサー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(たとえば、株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
重合温度は、好ましくは30〜100℃で制御される。反応温度を保持する時間は、0.1〜20時間程度が好ましい。重合初期圧力については特に限定はないが、ゲージ圧で0〜5.0MPaである。
本発明の造孔材は、上記熱膨張性微小球からなる材である。造孔材は、主に、射出成形、押出成形、プレス成形等を行う際に利用され、樹脂成形で得られる成形物に微小な孔、つまり気泡を形成するために好適に用いられる。
本発明の組成物は、基材成分と上記熱膨張性微小球とを含む組成物である。
基材成分としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ乳酸(PLA)、澱粉樹脂や、天然ゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム類、およびそれらの混合物等が挙げられる。基材成分は、ガラス繊維やカーボンファイバーなどの補強繊維を含有していてもよい。
基材成分がゴム類である場合、本発明の組成物を成形して得られた成形物について引張り試験を行うと、好ましくは応力−歪曲線中に降伏点は確認されない。なお、降伏点とは、応力−歪曲線中の傾きが0以下の箇所が少なくとも1箇所あることを意味する。
実施例および比較例では、次に示す要領で各種物性および性能を測定、評価した。
レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製、HEROS&RODOS)を使用した。乾式分散ユニットの分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定法により測定し、D50値を熱膨張性微小球の平均粒子径とした。
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA−510N型、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。
熱膨張性微小球1.0gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W1)を測定した。アセトニトリル30ml加え均一に分散させ、30分間室温で放置した後に、120℃で2時間加熱し乾燥後の重量(W2)を測定した。発泡剤の内包率は、下記の式により計算される。
内包率(重量%)=(W1−W2)(g)/1.0(g)×100−(含水率)(重量%)
(式中、含水率は、上記方法で測定される。)
DMA(DMA Q800型、TA instruments社製)を使用した熱分析評価法が行われる。具体的には、熱膨張性微小球0.5mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、熱膨張性微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、厚み0.1mm)をのせて試料を調整した後、その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定する。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で、20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定する。アルミ蓋が正方向に変位を開始する温度が膨張開始温度Ts(℃)であり、アルミ蓋の最大変位量Lmax(μm)を示したときの温度が最大膨張温度Tmax(℃)である。
発泡シートを70mm×10mmの大きさに切断してサンプルを準備した。引張り試験機(テスター産業社製、PT−200N−T−74)を用いて、初期引張り治具間距離50mm、引張り治具速度10mm/min、変位距離50mmの測定条件で、サンプルの引張り試験を行い、応力−歪曲線中の降伏点の有無を確認した。
降伏点がある場合は、基材成分がゴム類の場合に、その力学的特性が損なわれることを意味するので、×と評価した。一方、降伏点がない場合は、基材成分がゴム類の場合に、その力学的特性が損なわれていないことを意味するので、○と評価した。
発泡シートの表面状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
○:表面が平滑な状態
×:表面が荒れた状態
(熱膨張性微小球)
イオン交換水600gに、塩化ナトリウム150g、シリカ有効成分20重量%であるコロイダルシリカ40g、ポリビニルピロリドン2.0gおよびエチレンジアミン四酢酸・4Na塩の0.1gを加えた後、得られた混合物のpHを3に調整し、水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル110g、メタクリロニトリル80g、メタクリル酸メチル60g、エチレングリコールジメタクリレート0.3g、イソペンタン40g、イソオクタン60gおよび有効成分70%のジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート含有液5gを混合して油性混合物を調製した。
水性分散媒と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(特殊機化工業社製、TKホモミキサー)回転数12000rpmで2分間分散して、縣濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度50℃で20時間重合した。重合後に得られた重合液を濾過、乾燥することにより、熱膨張性微小球を得て、物性を測定した。結果を表1に示す。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)130部、カーボンブラック100部、重質炭酸カルシウム25部、パラフィンオイル40部、亜鉛華5部、ステアリン酸1部、硫黄3部、加硫促進剤4.5部の配合比であらかじめ組成物を調製した。
前記組成物100gおよび上記で得られた熱膨張性微小球を加えてゴム組成物を得た。なお、熱膨張性微小球の配合量については、後述の発泡シートの比重が0.5になるように設定した。テストロール機(西村マシナリー社製、NS−90型)を用い、ロール温度55℃、ロール速度20rpm、ロール間距離1mmに成形条件を設定して、ゴム組成物を5分間混合し、厚さ1mmのシートを作製した。
得られたシートをギア式オーブン(上島製作所株式会社製、AG−1100型)にて200℃にて5分間加熱し発泡シート(比重0.5)を作製し、物性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1で、使用する油性混合物や反応温度を表1に示すものに変更する以外は、実施例1と同様にして熱膨張性微小球をそれぞれ得て、物性を測定した。結果を表1に示す。次に、実施例1と同様にして、得られた熱膨張性微小球を用いてゴム組成物を調製し、発泡シートをそれぞれ作製し、物性を測定した。結果を表1に示す。
表1では以下の表2に示す略号が使用されている。
それに対して、比較例1〜3では、熱膨張性微小球が加熱膨張して得られる中空バルーンには、依然として発泡剤が内包されているために、中空バルーンは、膨張する余力を残して内圧を保持した状態にあり、内圧が低下した(萎んだ)状態とはならない。したがって、得られた成形物が変形する際に、中空バルーンは変形に対する追従性が悪く、力学的特性が失われている。また、内圧を保持した中空バルーンは膨れているので、成形物の表面に盛り上がり、平滑性が損なわれている。比較例4では、熱膨張性微小球の最大膨張温度が極端に低いために、基材成分であるゴムの加硫完了前に熱膨張性微小球から漏出した発泡剤が成形物の表面近傍に溜まる。このため、得られる発泡シートの表面に多数のボイドが発生し、平滑性が損なわれている。
2 外殻(シェル)
3 発泡剤(コア)
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球であって、
前記熱可塑性樹脂が単量体成分を必須とする重合性成分を重合して得られる共重合体であり、前記単量体成分が、ニトリル系単量体と、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体およびハロゲン化ビニリデン系単量体から選ばれる少なくとも1種とを含み、
前記発泡剤が炭素数3〜16の炭化水素であり、
前記熱膨張性微小球の膨張開始温度および最大膨張温度をそれぞれTs(℃)およびTmax(℃)とし、Tmax(℃)における変位量をLmax(μm)として、DMAを使用した下記熱分析評価法による測定をしたとき、下記数式(1)〜(3)を満足する、熱膨張性微小球。
熱分析評価法による測定:熱膨張性微小球0.5mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、熱膨張性微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、厚み0.1mm)をのせて試料を調整した後、その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定する。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で、20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定する。アルミ蓋が正方向に変位を開始する温度が膨張開始温度T s (℃)であり、アルミ蓋の最大変位量L max (μm)を示したときの温度が最大膨張温度T max (℃)である。
120<Ts≦250 (1)
0≦Tmax−Ts<30 (2)
0<Lmax≦600 (3) - 前記単量体成分に占めるニトリル系単量体の重合割合が10〜95重量%である、請求項1に記載の熱膨張性微小球。
- 前記発泡剤が炭素数3〜6の炭化水素(A)および炭素数7〜12の炭化水素(B)を含む、請求項1または2に記載の熱膨張性微小球。
- 炭化水素(A)および炭化水素(B)の重量比(炭化水素(A)/炭化水素(B))が、10/90〜60/40の範囲にある、請求項3に記載の熱膨張性微小球。
- 前記重合性成分が架橋剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の熱膨張性微小球。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱膨張性微小球からなる、造孔材。
- 基材成分と、請求項1〜5のいずれかに記載の熱膨張性微小球とを含む、組成物。
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