JP5514325B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイポールアンテナを備えたアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置に関する。
従来技術に係るエンドファイアアンテナとして、誘電体基板の表面に形成された接地導体のエッジに、当該エッジに直交するスロットを形成し、誘電体基板の裏面にスロットと交差する給電線路を形成したスロットアンテナが知られている。給電線路はスロットと電磁的に結合し、給電線路を介して伝送される高周波信号はスロットを励振する。このときスロットに現れる電界はスロットに沿って誘電体基板のエッジ方向に導波され、エンドファイア方向に放射される。
エンドファイアアンテナの多くは進行波型のアンテナであるため、一般に、広帯域化を図ることが容易である。例えば、特許文献1は、給電線路の形状を工夫してスロットアンテナの広帯域化を図っている。また、複数のスロットを備えたアレー構造を有するアンテナ又はテーパ形状を有するテーパスロットを備えたテーパスロットアンテナ(特許文献2参照。)により、エンドファイアアンテナを高利得化する技術が知られている。
特開2008−283251号公報 特開2009−5086号公報 米国特許出願公開第2009/0195460号明細書 米国特許出願公開第2009/0046019号明細書 米国特許出願公開第2009/0207088号明細書 米国特許第6281843号明細書
しかしながら、誘電体基板のエッジ方向に電波を放射するスロットアンテナを、ミリ波帯などの非常に高い周波数帯の電波に適用する場合、以下の2つの課題があった。まず始めに、一般的なプリント配線基板のエッチングプロセスでは、スロットに給電するための給電部をミリ波帯の電波の波長に応じて小さく形成することが困難であるという課題があった。また、スロットに沿って流れるグランド電流の損失が比較的大きくなるという課題があった。グランド電流の損失は放射効率の低下に直結するため、上述したアレー構造を有するアンテナ又はテーパスロットアンテナでもこの課題を解決できなかった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアンテナ装置は、
第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
上記誘電体基板の第1の面に形成されかつ給電線路に接続された第1の給電素子と、上記誘電体基板の第2の面に形成されかつ接地導体に接続された第2の給電素子とを備え、放射すべき高周波信号の波長の実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナと、
上記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第1の無給電素子アレーとを備えたアンテナ装置であって、
上記各第1の無給電素子アレーにおいて、上記複数の第1の無給電素子は、上記ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第1の間隔で配置され、
上記少なくとも3個の第1の無給電素子アレーは、隣接する1対の第1の無給電素子アレー間においてそれぞれ、上記ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第1の擬似スロット開口を形成するように、所定の第2の間隔で実質的に互いに平行に配置されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記第1の間隔は、上記波長の実質的に1/8以下に設定されたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、隣接する1対の上記第1の無給電素子アレーのうちの一方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子は、他方の第1の無給電素子アレーの対応する各第1の無給電素子にそれらの互いに隣接する各端部で対向することを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、隣接する1対の上記第1の無給電素子アレーのうちの一方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子は、他方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子に対して、上記ダイポールアンテナの長手方向と直交する方向で所定の距離だけシフトさせて配置されたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、
上記誘電体基板の第2の面に形成された複数の第2の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第2の無給電素子アレーをさらに備え、
上記各第2の無給電素子アレーにおいて、上記複数の第2の無給電素子は、上記ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第3の間隔で配置され、
上記少なくとも3個の第2の無給電素子アレーは、隣接する1対の第2の無給電素子アレー間においてそれぞれ、上記ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第2の擬似スロット開口を形成するように、所定の第4の間隔で実質的に互いに平行に配置され、
上記ダイポールアンテナは、
上記第1の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第3の無給電素子と、
上記第2の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第4の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記第3の間隔は、上記波長の実質的に1/8以下に設定されたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、互いに異なるように設定されたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、実質的に互いに等しいように設定されたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記第1及び第2の面のうちの少なくとも一方に形成され反射器として動作する2つの無給電素子を備えた少なくとも1対の無給電素子ペアをさらに備え、
上記2つの無給電素子はストリップ形状を有し、上記ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナに関して上記少なくとも3個の第1の無給電素子アレーと反対側に位置する直線上に、上記ダイポールアンテナに対向しかつ電磁的に結合するように形成されたことを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、上記アンテナ装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第1の無給電素子アレーを備えて構成される。ここで、各第1の無給電素子アレーにおいて、複数の第1の無給電素子は、ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第1の間隔で配置され、少なくとも3個の第1の無給電素子アレーは、隣接する1対の第1の無給電素子アレー間においてそれぞれ、ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第1の擬似スロット開口を形成するように、所定の第2の間隔で実質的に互いに平行に配置される。従って、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図である。 図1のアンテナ装置100の裏面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るアンテナ装置100Aの表面図である。 図3のアンテナ装置100Aの裏面図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図である。 図5のアンテナ装置100Bの裏面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図である。 図7のアンテナ装置100Cの裏面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図である。 図9のアンテナ装置100Dの裏面図である。 本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図である。 図11のアンテナ装置100Eの裏面図である。 本発明の第6の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定したときのXY平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くしたときのXY平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くしたときのXZ平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、偶数列目の無給電素子アレー6をL5/2だけX軸方向にシフトさせたときのXY平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、偶数列目の無給電素子アレー6をL5/2だけX軸方向にシフトさせたときのXZ平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4dを追加したときのXY平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4dを追加したときのXZ平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4dを追加し、無給電素子ペア13及び14を追加したときのXY平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定し、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4dを追加し、無給電素子ペア13及び14を追加したときのXZ平面における放射パターンを示すグラフである。 図11のアンテナ装置100Eにおいて、無給電素子アレー6間の間隔L6をλ/10に設定したときの無給電素子5間の間隔L5と主ビームのピーク利得との関係を示すグラフである。 図11のアンテナ装置100Eにおいて、無給電素子5間の間隔L5をλ/25に設定したときの無給電素子アレー6間の間隔L6と主ビームのピーク利得との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図であり、図2は、図1のアンテナ装置100の裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100は、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナ装置である。
図1において、アンテナ装置100は、誘電体基板1と、接地導体10,11,12と、ストリップ導体2,30,31と、8個の無給電素子5をそれぞれ含む6個の無給電素子アレー6とを備えて構成される。なお、本実施形態及び以下の各実施形態及び変形例において、図1に示すようにXYZ座標系を定義する。このとき、図1の右方向をX軸方向といい、上方向をY軸方向という。また、X軸方向と反対方向を−X軸方向といい、Y軸と反対方向を−Y軸方向という。
図1において、誘電体基板1は、例えばガラスエポキシ基板である。また、接地導体10,11と、ストリップ導体2,30と、給電素子4aと、無給電素子アレー6とは、誘電体基板1の表面上に形成され、接地導体12と、ストリップ導体31と、給電素子4bとは誘電体基板1の裏面上に形成される。ここで、接地導体12は、図1の誘電体基板1の左端部に形成される。ストリップ導体2は、接地導体12に対向しかつ誘電体基板1の左端部からX軸方向に延在するように形成される。接地導体10及び11は、接地導体12に対向するように、ストリップ導体2との間に所定の間隔を有して、ストリップ導体2の両側に形成される。なお、接地導体10,11及び12は互いに電気的に接続されている。図1及び図2において、誘電体基板1を挟設する接地導体10,11及びストリップ導体2と、接地導体12とはグランデッドコプレーナ線路を構成し、給電線路20として用いられる。
また、図1において、ストリップ導体30は電気長L30を有し、図1のストリップ導体2の右端部に接続された一端と他端とを有し、X軸方向に延在するように形成される。さらに、給電素子4aは、ストリップ導体30の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有し、ストリップ導体30の他端からY軸方向に延在する。図2において、ストリップ導体31は、接地導体2に接続された一端と、給電素子4bの一端に接続された他端とを有し、ストリップ導体30に対向するように形成される。また、給電素子4bは、ストリップ導体31の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有し、ストリップ導体30の他端から−Y軸方向に延在する。上述したように形成された給電素子4aと4bとは、給電素子4aの開放端から給電素子4bの開放端までの電気長L4を有する半波長プリントダイポールアンテナ(以下、ダイポールアンテナという。)4として動作し、主にX軸方向に電波を放射する。以下、X軸方向をエンドファイア方向ともいう。
図1において、各無給電素子アレー6は、誘電体基板1の表面上に形成された8個の無給電素子5を備えて構成される。ここで、各無給電素子5は、ダイポールアンテナ4の長手方向(Y軸方向)に実質的に平行に延在するストリップ形状を有する。さらに、各無給電素子アレー6において、無給電素子5は互いに電磁的に結合するように、X軸に平行な直線上に所定の間隔L5で配置される。
また、図1において、6個の無給電素子アレー6は、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー6が所定の幅L6を有する擬似的なスロット開口(以下、擬似スロット開口という。)S6を形成するように、互いに実質的に平行に形成される。図1の場合、6個の無給電素子アレー6により、X軸方向に延在する5個の擬似スロット開口S6が形成されている。なお、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー6のうちの一方の無給電素子アレー6の各無給電素子5は、他方の無給電素子アレー6の対応する各無給電素子5に、それらの互いに隣接する各端部で間隔L6を有して対向する。従って、6個の無給電素子アレー6の互いに対応する各6個の無給電素子は、Y軸に平行な一直線上に配置されている。
ここで、ダイポールアンテナ4の電気長L4は、給電線路20に給電される高周波信号の波長λの1/2に実質的に等しいように設定される。これにより、ダイポールアンテナ4から効率よく電波を放射できる。また、給電素子4a及び4bの各電気長は実質的に互いに等しいように設定される。さらに、間隔L5は、隣接する無給電素子5が互いに電磁的に結合するように、例えばλ/8以下に設定される。またさらに、幅L6(間隔L6)は、例えばλ/10に設定される。さらに、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子5と、ダイポールアンテナ4との間の間隔L45は、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子5とダイポールアンテナ4とが互いに電磁的に結合するように設定され、好ましくは、間隔L5と等しい値に設定される。電気長L30は、例えば、間隔L5に等しいように設定される。
図1及び図2において、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯の周波数成分を有する高周波信号を出力する高周波回路からの高周波信号は、給電線路20と、誘電体基板1を挟設するストリップ導体30及び31からなる伝送線路とを介して伝送され、ダイポールアンテナ4に給電され、ダイポールアンテナ4からエンドファイア方向に放射される。一方、各無給電素子アレー6において、X軸方向で隣接する無給電素子5は互いにX軸方向で電磁的に結合し、各無給電素子アレー6はX軸方向に延在する電気壁として動作する。そして、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー6間に擬似スロット開口S6が形成される。このため、各擬似スロット開口S6においてY軸方向に平行な電界が発生し、これに伴い、擬似スロット開口S6にX軸方向に平行な磁流が流れる。従って、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子アレー6間の各擬似スロット開口S6に沿って誘電体基板1の表面をX軸方向に導波されて伝送され、誘電体基板1の右側の縁端部1a(図1参照。)からエンドファイア方向に放射される。すなわち、アンテナ100は、擬似スロット開口S6を磁流源として動作する。このとき、誘電体基板1の縁端部1aにおいて、電波の位相が揃って等位相面が生じる。ここで、磁流は、電界と磁界との関係と同じように、電流とある所定の関係で一対一に対応するものである。アンペアの法則にて、磁界は電流を波源として定式化されるのと同様に、電界は磁流を波源として定式化される。なお、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー6のうちの一方の無給電素子アレー6の無給電素子5と、他方の無給電素子アレー6の無給電素子5とは、Y軸方向で電磁的に結合せず、共振しない。
以上説明したように、アンテナ装置100は、誘電体基板1と、誘電体基板1の表面に形成されかつ給電線路20に接続された給電素子4aと、誘電体基板1の裏面に形成されかつ接地導体12に接続された給電素子4bとを備え、放射すべき高周波信号の波長λの実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナ4と、誘電体基板1の表面に形成された複数の無給電素子5をそれぞれ備えた6個の無給電素子アレー6とを備えて構成される。ここで、各無給電素子アレー6において、複数の無給電素子5は、ダイポールアンテナ4の長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の間隔L5で配置され、6個の無給電素子アレー6は、隣接する1対の無給電素子アレー6間においてそれぞれ、ダイポールアンテナ4からの電波を磁流として伝搬させる擬似スロット開口S6を形成するように、所定の間隔L6で実質的に互いに平行に配置されたことを特徴としている。
従って、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、各無給電素子アレー6は電気壁として動作し、Y軸方向で隣接する2つの無給電素子アレー6間に擬似スロット開口S6が形成される。すなわち、アンテナ装置100は、例えば、X軸方向に延在する導体を複数の無給電素子5に分断した構成を有するので導体長が短くなり、擬似スロット開口S6に沿って流れる電流を小さくできる。
また、間隔L5をできるだけ小さく設定することにより、X軸方向で隣接する無給電素子5どうしが誘電体基板1の表面上の自由空間を介して強く電磁的に結合し、誘電体基板1内の電気力線の密度を低下させることができるので、誘電体基板1による誘電体損の影響を小さくできる。このため、従来技術に比較して、高利得特性を得ることができる。
さらに、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、無給電素子5をより小さく形成することで、無給電素子5上に生じる電流を小さくできる。また、無給電素子5間の間隔L5を狭くすることで、誘電体基板1による誘電体損を緩和できる。これにより、アンテナ装置100を小型化でき、高利得特性を得ることができる。
また、誘電体基板1の縁端部1aで等位相面が生じるので、垂直面内のビーム幅及び水平面内のビーム幅を従来技術に比較して狭くできる。
さらに、アンテナ装置100は擬似スロット開口S6に流れる磁流を利用して動作するので、アンテナ装置100と、アンテナ装置100の近傍に配置される導体との間の干渉が利得に与える影響は比較的小さい。
またさらに、本実施形態によれば、給電線路20はグランデッドコプレーナ線路であるので、接地導体10及び11はダイポールアンテナ4から−X軸方向に放射された電波をX軸方向に反射する反射器として動作する。従って、ダイポールアンテナ4からの電波を効率的に無給電素子アレー6に向けることができ、利得を上げることができる。
従って、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、空間での伝搬損失が比較的大きいミリ波帯などの高周波帯で通信する無線通信装置の電力効率を上げることができる。
また、本実施形態に係るアンテナ装置100は、ダイポールアンテナ4を備えたので、ミリ波帯などの高周波信号を送受信するためのアンテナ装置を比較的容易に実現できる。
なお、本実施形態において、アンテナ装置100は6個の無給電素子アレー6を備えたが、本発明はこれに限られず、複数の擬似スロット開口S6を形成するように配置された3個以上の無給電素子アレー6を備えればよい。なお、各無給電素子アレー6のエンドファイア方向の長さを長くするほど(無給電素子5の個数を増やすほど)、垂直面(XZ平面)内のビーム幅は狭くなる。また、無給電素子アレー6の数を増やすほど、水平面(XY平面)内のビーム幅は狭くなる。すなわち、無給電素子アレー6の長さ及び個数によって、垂直面及び水平面内のビーム幅を独立に制御できる。
第1の実施形態の変形例.
第1の実施形態において、各無給電素子アレー6のX軸方向の長さ(すなわち、各無給電素子アレー6内の無給電素子5の数)は互いに同一であったが、本発明はこれに限られず、互いに異なってもよい。また、第1の実施形態において、各無給電素子アレー6において、無給電素子5は等しい間隔L5で配置された。しかしながら、本発明はこれに限られず、各無給電素子アレー6において、無給電素子5は互いにX軸方向で電磁的に結合するように、不等間隔で配置されてもよい。ただし、各無給電素子アレー6内の無給電素子5間の各間隔の最大値はλ/8以下であることが好ましい。
図3は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るアンテナ装置100Aの表面図であり、図4は、図3のアンテナ装置100Aの裏面図である。アンテナ装置100Aは、アンテナ装置100に比較して、6個の無給電素子アレー6に代えて無給電素子アレー61〜67を備えた点が異なる。本変形例において、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図3において、無給電素子アレー61,62,63,64,65,66及び67は、それぞれ9,8,8,7,8,8及び9個の無給電素子5を備えて構成される。各無給電素子アレー61〜67において、無給電素子5は第1の実施形態に係る無給電素子アレー6内の無給電素子5と同様に形成されて配置される。また、図3において、無給電素子アレー61,62,63,64,65,66及び67は、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレーが所定の幅L60を有する擬似スロット開口S60を形成するように、互いに実質的に平行に形成される。図3の場合、7個の無給電素子アレー61〜67により、X軸方向に延在する6個の擬似スロット開口S60が形成されている。
なお、無給電素子アレー61〜67において、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレーのうちの一方の無給電素子アレーの各無給電素子5は、他方の無給電素子アレーの各無給電素子5に対して、ダイポールアンテナ4の長手方向と直交する方向で所定の距離Dだけシフトさせて配置される。さらに、図3において、間隔L5、間隔L45及び幅L60はそれぞれ、第1の実施形態における間隔L5、間隔L45及び幅L6と同様に設定される。
図3及び図4において、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子アレー61〜67間の各擬似スロット開口S60に沿って誘電体基板1の表面をX軸方向に導波されて伝送され、誘電体基板1の右側の縁端部1aからエンドファイア方向に放射される。アンテナ装置100Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同様の効果を奏する。
第2の実施形態.
図5は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図であり、図6は、図5のアンテナ装置100Bの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Bは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Aを備え、8個の無給電素子7をそれぞれ含む6個の無給電素子アレー8をさらに備えたことを特徴としている。本実施形態において、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図5及び図6において、ダイポールアンテナ4Aは、給電素子4a及び4bと、無給電素子4c及び4dとを備えて構成される。ここで、無給電素子4cは、誘電体基板1の表面に、給電素子4bに対向しかつ給電素子4aとの間に所定の間隔を有するように形成される。また、無給電素子4dは、誘電体基板1の裏面に、給電素子4aと対向しかつ給電素子4bとの間に所定の間隔を有するように形成される。
また、図6において、各無給電素子アレー8は、誘電体基板1の裏面上に形成された8個の無給電素子7を備えて構成される。ここで、無給電素子7は、ダイポールアンテナ4Aの長手方向(Y軸方向)に実質的に平行に延在するストリップ形状を有する。さらに、各無給電素子アレー8において、無給電素子7は互いに電磁的に結合するように、X軸に平行な直線上に所定の間隔L7で配置される。
また、図6において、6個の無給電素子アレー8は、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー8が所定の幅L8を有する擬似スロット開口S8を形成するように、互いに実質的に平行に形成される。図6の場合、6個の無給電素子アレー8により、X軸方向に延在する5個の擬似スロット開口S8が形成されている。なお、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー8のうちの一方の無給電素子アレー8の無給電素子7は、他方の無給電素子アレー8の無給電素子7に、それらの互いに隣接する各端部で間隔L7を有して互いに対向する。
なお、本実施形態において、間隔L7は間隔L5と等しいように設定され、幅L8は幅L6と等しいように設定され、無給電素子7はそれぞれ無給電素子5に対向するように形成される。
各無給電素子アレー8において、X軸方向で隣接する無給電素子7は互いにX軸方向で電磁的に結合し、各無給電素子アレー8はX軸方向に延在する電気壁として動作する。そして、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー8間に擬似スロット開口S8が形成される。このため、各擬似スロット開口S8においてY軸方向に平行な電界が発生し、これに伴い、擬似スロット開口S8にX軸方向に平行な磁流が流れる。従って、ダイポールアンテナ4Aから放射された電波は、各無給電素子アレー8間の各擬似スロット開口S8に沿って誘電体基板1の裏面をX軸方向に導波されて伝送され、誘電体基板1の右側の縁端部1aからエンドファイア方向に放射される。すなわち、アンテナ100Bは、擬似スロット開口S8を磁流源として動作する。このとき、誘電体基板1の縁端部1aにおいて、電波の位相が揃って等位相面が生じる。なお、Y軸方向で隣接する1対の無給電素子アレー8のうちの一方の無給電素子アレー8の無給電素子7と、他方の無給電素子アレー8の無給電素子7とは、Y軸方向で電磁的に結合せず、共振しない。
以上説明したように、図5及び図6において、ダイポールアンテナ4Aから放射された電波は、各擬似スロット開口S6に沿って誘電体基板1の表面を磁流として伝搬するともに、各擬似スロット開口S8に沿って誘電体基板1の裏面を磁流として伝搬し、誘電体基板1の縁端部1aからエンドファイア方向に放射される。
本実施形態に係るダイポールアンテナ4Aによれば、無給電素子4cが給電素子4bと電磁的に結合し、無給電素子4dが給電素子4aと電磁的に結合するので、上述したダイポールアンテナ4に比較して、効率よく電波を放射できる。さらに、無給電素子アレー8をさらに備えたので、上述した実施形態及び変形例に比較して、放射効率及び開口効率を上げることができる。
なお、本実施形態において、間隔L7は間隔L5と等しいように設定され、幅L8は幅L6と等しいように設定さたが、本発明はこれに限られない。また、間隔L7は間隔L5と等しくなくてもよいが、好ましくはλ/8以下である。また、幅L8は幅L6と等しくなくてもよいが、例えばλ/10に設定される。さらに、誘電体基板1の表面の無給電素子アレー6の配置形状と、裏面の無給電素子アレー8の配置形状とは同一である必要はない。
また、本実施形態において、アンテナ装置100Bは無給電素子アレー6及び8を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子アレー6及び8のうちの一方のみを備えてもよい。
第3の実施形態.
図7は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図であり、図8は、図7のアンテナ装置100Cの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Cは、第2の実施形態に係るアンテナ装置100Bに比較して、無給電素子13a,13bを備えた無給電素子ペア13と、無給電素子14a,14bを備えた無給電素子ペア14とをさらに備えて構成される。本実施形態において、第2の実施形態との相違点のみを説明する。
図7及び図8において、無給電素子13a及び13bはストリップ形状を有し、誘電体基板1の表面に形成される。無給電素子13a及び13bは、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関して無給電素子アレー6と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。また、無給電素子14a及び14bはストリップ形状を有し、誘電体基板1の裏面に形成される。無給電素子14a及び14bは、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関して無給電素子アレー6と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。
また、図7において、無給電素子13aは、誘電体基板1の表面であって給電素子4aと接地導体11との間の領域に、Y軸方向に延在するように形成される。また、無給電素子13bは、誘電体基板1の表面であって無給電素子4cと接地導体10との間の領域に、Y軸方向に延在するように形成される。さらに、無給電素子14a及び14bは、誘電体基板1の裏面に、無給電素子13a及び13bとそれぞれ対向するように形成される。無給電素子13aは給電素子4aと電磁的に結合し、無給電素子13bは無給電素子4cと電磁的に結合し、無給電素子14aは無給電素子4dと電磁的に結合し、無給電素子14bは給電素子4bと電磁的に結合する。
本実施形態によれば、ダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側の位置に、反射器として動作する無給電素子ペア13及び14を設けたので、第2の実施形態に比較して、ダイポールアンテナ4から放射される電波を効率よくエンドファイア方向に向けることができ、FB(Front to Back)比を向上できる。特に、無給電素子アレー6及び8の個数が増えてアンテナ装置100CのY軸方向のサイズが大きくなった場合、無給電素子ペア13及び14の効果は大きくなる。また、給電線路20がマイクロストリップ線路などの、反射器として動作する接地導体10及び11を備えない場合、無給電素子ペア13及び14の効果は大きくなる。
なお、本実施形態において、アンテナ装置100Cは2つの無給電素子ペア13及び14を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア13及び14のうちの一方のみを備えてもよい。
また、本実施形態において、アンテナ装置100Cは無給電素子アレー6及び8を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子アレー6及び8のうちの一方のみを備えてもよい。
第4の実施形態.
図9は、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図であり、図10は、図9のアンテナ装置100Dの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Dは、第1の実施形態の変形例に係るアンテナ装置100Aに比較して、給電素子4bに代えて、給電素子4eを備えたことを特徴としている。本実施形態において、第1の実施形態の変形例との相違点のみを説明する。上述した各実施形態及び変形例において、給電素子4a及び4bの各電気長は互いに等しい値に設定されたが、本実施形態において、給電素子4eの電気長は給電素子4bの電気長より短いように設定される。また、給電素子4aと4eとは、給電素子4aの開放端から給電素子4eの開放端までの電気長L4を有するダイポールアンテナ4Bとして動作する。
本実施形態及び上述した各実施形態において、給電線路20は不平衡伝送線路であるため、給電線路20に平衡型のダイポールアンテナ4を接続すると、給電素子4aに流れる電流と、給電素子4bに流れる電流がアンバランスになり、水平面内のビームがエンドファイア方向を向かないことがある。上述した各実施形態及び変形例に係るアンテナ装置100,100A,100B,100Cは、従来技術に比較して小さいビーム幅を有するため、ビームの向きがアンテナ装置100,100A,100B,100Cの正面(エンドファイア方向である。)を向かないと、ユーザにとって使い勝手が悪くなってしまう。
本実施形態に係るアンテナ装置100Cによれば、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短いように設定することで、上述した電流のアンバランスを調整してビームをエンドファイア方向に向けることができる。また、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるので、上述した各実施形態及び変形例に比較して、無給電素子アレー6での導波効率が向上する。
なお、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定したが、本発明はこれに限られず、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向などの所望の方向に向けるように、給電素子4aの電気長と給電素子4eの電気長とを互いに異なるように設定すればよい。
また、本実施形態において、誘電体基板1の裏面に無給電素子アレーを設けなかったが、本発明はこれに限られない。誘電体基板1の裏面に、例えば無給電素子アレー61〜67と同様の少なくとも3個の無給電素子アレーを設けてもよい。この場合、各無給電素子アレーにおいて、複数の無給電素子(例えば、図8の無給電素子7である。)は、ダイポールアンテナ4Bの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の間隔で配置される。また、上記少なくとも3個の無給電素子アレーは、隣接する1対の無給電素子アレー間においてそれぞれ、ダイポールアンテナ4Bからの電波を磁流として伝搬させる擬似スロット開口(例えば、図8の擬似スロット開口S8である。)を形成するように、所定の間隔で実質的に互いに平行に配置される。
第5の実施形態.
図11は、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図であり、図12は、図11のアンテナ装置100Eの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Eは、第3の実施形態の変形例に係るアンテナ装置100Cに比較して、給電素子4bに代えて、給電素子4eを備えたことを特徴としている。本実施形態において、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
本実施形態において、給電素子4eの電気長は、第4の実施形態に係るアンテナ装置100Dと同様に、給電素子4bの電気長より短いように設定される。また、給電素子4a,4c,4d,4eは、給電素子4aの開放端から給電素子4eの開放端までの電気長L4を有するダイポールアンテナ4Cとして動作する。
本実施形態によれば、第4の実施形態と同様に、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短いように設定することで、ビームをエンドファイア方向に向けることができる。また、ダイポールアンテナ4Cからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるので、第3の実施形態に比較して、無給電素子アレー6及び8での導波効率が向上する。
なお、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定したが、本発明はこれに限られず、ダイポールアンテナ4Cからの電波の放射方向をエンドファイア方向などの所望の方向に向けるように、給電素子4aの電気長と給電素子4eの電気長とを互いに異なるように設定すればよい。
また、本実施形態において、無給電素子4cの電気長を給電素子4eの電気長より長いように設定したが、本発明はこれに限られず、無給電素子4cの電気長を給電素子4eの電気長と実質的に等しいように設定してもよい。
さらに、本実施形態において、アンテナ装置100Eは無給電素子アレー6及び8を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子アレー6及び8のうちの一方のみを備えてもよい。またさらに、アンテナ装置100Eは無給電素子ペア13及び14を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア13及び14のうちの一方のみを備えてもよい。
第6の実施形態.
図13は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。図13において、無線通信装置200は、無線モジュール基板などの無線通信装置であって、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とを備えて構成される。ここで、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とは、誘電体基板1の表面上に設けられる。なお、各回路501〜503は、ダイポールアンテナ4に関して−X軸方向に設けられる。
図13において、上位層回路501は、MAC(Media Access Control)層及びアプリケーション層などの物理層より上位の層の回路であって、例えば通信回路及びホスト処理回路を含む。上位層回路501は、所定のデータ信号をベースバンド回路502に出力する一方、ベースバンド回路502からのベースバンド信号に対して所定の信号処理を行ってデータ信号に変換する。また、ベースバンド回路502は、上位層回路501からのデータ信号に対して波形成形処理を行った後に、所定の搬送波信号を処理後のデータ信号に従って変調して高周波信号に変換し高周波回路503に出力する。さらに、ベースバンド回路502は、高周波回路503からの高周波信号をベースバンド信号に復調して上位層回路501に出力する。
また、図13において、高周波回路503は、ベースバンド回路502からの高周波信号に対して無線周波数帯での電力増幅処理及び波形整形処理を行い、給電線路2を介してダイポールアンテナ4に出力する。さらに、高周波回路503は、ダイポールアンテナ4により無線受信された高周波信号に対して周波数変換などの所定の処理を行った後にベースバンド回路502に出力する。
なお、高周波回路503とアンテナ装置100とは、高周波伝送線路を介して接続される。また、必要に応じて、高周波回路503とアンテナ装置100Cとの間にインピーダンス整合回路を設ける。以上説明したように構成された無線通信装置200は、アンテナ装置100を用いて高周波信号を無線送受信するので、従来技術に比較して小型かつ高利得の無線通信装置を実現できる。
なお、本実施形態に係る無線通信装置200はアンテナ装置100を備えたが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置100A,100B,100C,100D又は100Eを備えてもよい。
また、本実施形態に係る無線通信装置200は無線送受信を行ったが、本発明はこれに限られず、無線送信のみ又は無線受信のみを行ってもよい。
図14〜図22を参照して、図1のアンテナ装置100に対して3次元電磁界解析を行った結果を説明する。なお、図14〜図22において、無給電素子アレー6の個数を5に設定し、各無給電素子アレー6に含まれる無給電素子5の個数を20に設定した。さらに、誘電体基板1の厚さを0.2mmに設定し、ダイポールアンテナ4に給電される高周波信号の周波数を60GHzに設定した。
図14は、図1のアンテナ装置100のXY平面における放射パターンを示すグラフである。図14に示すように、XY平面において、比較的狭いビーム幅が得られることがわかる。また、図15及び図16はそれぞれ、図1のアンテナ装置100において、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くしたときのXY平面及びXZ平面における放射パターンを示すグラフである。図15及び図16に示すように、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くすることにより、ビーム幅は変わらないが、ビーム方向がX軸方向(エンドファイア方向)に向くことがわかる。
図17及び図18は、図1のアンテナ装置100において、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、偶数列目の無給電素子アレー6をL5/2だけX軸方向にシフトさせたときのXY平面及びXZ平面における放射パターンを示すグラフである。図17及び図18を、図15及び図16と比較すると、無給電素子アレー6の配置方法が変化しても放射特性は実質的に変化しないことがわかる。
図19及び図20は、図1のアンテナ装置100において、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4d(例えば、図5及び図6参照。)を追加したときのXY平面及びXZ平面における放射パターンを示すグラフである。図19及び図20を図15及び図16と比較すると、無給電素子4c及び4dを追加することにより放射パターンの形状は実質的に変化しないが、利得が上昇することがわかる。
図21及び図22は、図1のアンテナ装置100において、給電素子4bの長さを給電素子4aの長さより短くし、無給電素子4c及び4dを追加し、無給電素子ペア13及び14(例えば、図7及び図8参照。)を追加したときのXY平面及びXZ平面における放射パターンを示すグラフである。図21及び図22を、図15〜図18と比較すると、無給電素子ペア13及び14を追加することにより放射パターンの形状は実質的に変化しないが、利得が上昇することがわかる。
次に、図23及び図24を参照して、図11のアンテナ装置100Eにおいて、給電素子5間の間隔及び無給電素子アレー6間の間隔L6の最適値を検討した結果を説明する。なお、ダイポールアンテナ4Cに給電される高周波信号の周波数を62GHzに設定した。また、給電素子4eの長さを、ダイポールアンテナ4Cからの電波をエンドファイア方向に向けるように給電素子4aの長さより短く設定した。さらに、無給電素子5のX軸方向の幅をλ/25に設定し、Y軸方向の長さをX軸方向の幅の約3倍に設定した。
図23は、図11のアンテナ装置100Eにおいて、無給電素子アレー6間の間隔L6をλ/10に設定したときの無給電素子5間の間隔L5と主ビームのピーク利得との関係を示すグラフである。図23に示すように、間隔L5を小さく設定するほどピーク利得は上昇し、特に、間隔L5を8/λ以下に設定することにより、9.5dBi以上の高いピーク利得を得ることができる。また、図24は、図11のアンテナ装置100Eにおいて、無給電素子5間の間隔L5をλ/25に設定したときの無給電素子アレー6間の間隔L6と主ビームのピーク利得との関係を示すグラフである。図24に示すように、間隔L6を小さく設定するほどピーク利得は上昇し、特に間隔L6を0.4λ以下に設定することにより、9.5dBi以上の高いピーク利得を得ることができる。
なお、上記各実施形態及び変形例において、無給電素子アレー6,61〜67,8は等間隔で配置されたが、本発明はこれに限られず、無給電素子アレー6,61〜67,8は不等間隔で配置されてもよい。ただし、複数の無給電素子間の各間隔の最大値は0.4λ以下であることが好ましい。また、上記各実施形態及び変形例において、無給電素子アレー6,61〜67,8は直線状に配置されたが、本発明はこれに限られず、曲線状に配置されてもよい。さらに、上記各実施形態及び変形例において、各無給電素子アレー6,61〜67,8において、無給電素子5,7は等間隔で配置されたが、本発明はこれに限られず、不等間隔で配置されてもよい。ただし、各無給電素子アレー6,61〜67,8内の無給電素子5,7間の各間隔の最大値はλ/8以下であることが好ましい。
また、上述した各実施形態及び変形例において、グランデッドコプレーナ線路を、高周波信号を伝送するための給電線路20として用いたが、本発明はこれに限られず、マイクロストリップ線路などの不平衡伝送線路又は平衡伝送線路を給電線路20として用いればよい。
以上、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよい。
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第1の無給電素子アレーを備えて構成される。ここで、各第1の無給電素子アレーにおいて、複数の第1の無給電素子は、ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第1の間隔で配置され、少なくとも3個の第1の無給電素子アレーは、隣接する1対の第1の無給電素子アレー間においてそれぞれ、ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第1の擬似スロット開口を形成するように、所定の第2の間隔で実質的に互いに平行に配置される。従って、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置は、高周波通信などの分野のためのアンテナ装置及び無線通信装置として有用である。
1…誘電体基板、
2,30,31…ストリップ導体、
4,4A,4B,4C…ダイポールアンテナ、
4a,4b,4e…給電素子、
4c,4d,5,7,13a,13b,14a,14b…無給電素子、
6,8,61〜67…無給電素子アレー、
13,14…無給電素子ペア、
10,11,12…接地導体、
20…給電線路、
100,100A,100B,100C,100D,100E…アンテナ装置、
200…無線通信装置、
S6,S8,S60…擬似スロット開口。

Claims (10)

  1. 第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
    上記誘電体基板の第1の面に形成されかつ給電線路に接続された第1の給電素子と、上記誘電体基板の第2の面に形成されかつ接地導体に接続された第2の給電素子とを備え、
    放射すべき高周波信号の波長の実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナと、
    上記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第1の無給電素子アレーとを備えたアンテナ装置であって、
    上記各第1の無給電素子アレーにおいて、上記複数の第1の無給電素子は、上記ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第1の間隔でかつ上記複数の第1の無給電素子の配列方向が上記ダイポールアンテナの長手方向と直交する方向となるように配置され、
    上記少なくとも3個の第1の無給電素子アレーは、隣接する1対の第1の無給電素子アレー間においてそれぞれ、上記各第1の無給電素子アレーを上記第1の間隔よりも小さい所定の第2の間隔で配置することにより上記ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第1の擬似スロット開口を形成し、かつ当該各第1の無給電素子アレーの配列方向が上記ダイポールアンテナの長手方向と平行な方向となるように、互いに平行に配置されたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 上記第1の間隔は、上記波長の実質的に1/8以下に設定されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 隣接する1対の上記第1の無給電素子アレーのうちの一方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子は、他方の第1の無給電素子アレーの対応する各第1の無給電素子にそれらの互いに隣接する各端部で対向することを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  4. 隣接する1対の上記第1の無給電素子アレーのうちの一方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子は、他方の第1の無給電素子アレーの各第1の無給電素子に対して、上記ダイポールアンテナの長手方向と直交する方向で所定の距離だけシフトさせて配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  5. 上記アンテナ装置は、
    上記誘電体基板の第2の面に形成された複数の第2の無給電素子をそれぞれ備えた少なくとも3個の第2の無給電素子アレーをさらに備え、
    上記各第2の無給電素子アレーにおいて、上記複数の第2の無給電素子は、上記ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように所定の第3の間隔でかつ上記複数の第2の無給電素子の配列方向が上記ダイポールアンテナの長手方向と直交する方向となるように配置され、
    上記少なくとも3個の第2の無給電素子アレーは、隣接する1対の第2の無給電素子アレー間においてそれぞれ、上記各第2の無給電素子アレーを上記第3の間隔よりも小さい第4の間隔で配置することにより上記ダイポールアンテナからの電波を磁流として伝搬させる第2の擬似スロット開口を形成し、かつ当該各第2の無給電素子アレーの配列方向が上記ダイポールアンテナの長手方向と平行な方向となるように、互いに平行に配置され、
    上記ダイポールアンテナは、
    上記第1の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第3の無給電素子と、
    上記第2の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第4の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  6. 上記第3の間隔は、上記波長の実質的に1/8以下に設定されたことを特徴とする請求項5記載のアンテナ装置。
  7. 上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、互いに異なるように設定されたことを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  8. 上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、実質的に互いに等しいように設定されたことを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  9. 上記第1及び第2の面のうちの少なくとも一方に形成され反射器として動作する2つの無給電素子を備えた少なくとも1対の無給電素子ペアをさらに備え、
    上記2つの無給電素子はストリップ形状を有し、上記ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナに関して上記少なくとも3個の第1の無給電素子アレーと反対側に位置する直線上に、上記ダイポールアンテナに対向しかつ電磁的に結合するように形成されたことを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  10. 請求項1から9のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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