JP5524701B2 - ブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、省資源や炭酸ガス排出抑制の規制強化などの環境問題的観点より、タイヤの低燃費性や耐久性の向上が重要視されてきている。そして、タイヤの大部分を占めるトレッドゴムだけでなく、トレッドゴム以外のタイヤコンポーネント(例えば、カーカス(プライ)とブレーカーとの間に両者の接着力を高める目的で配されるブレーカー/プライ間ストリップ層)においても、低燃費性や耐久性(耐セパレーション性能(隣接ゴムとの接着性)等)の向上が求められている。
一方、トレッドゴム以外のタイヤコンポーネントの多くには天然ゴムが多く含まれている。天然ゴム(イソプレン系ゴム)は、熱劣化により硬化するため、ゴムの力学物性の低下を引き起してしまう。そのため、天然ゴムを多量に配合したゴム組成物では、充分な耐久性が得られないという問題がある。上記問題を解決するための1つの手法として、老化防止剤の増量により、熱劣化による硬化現象を抑制する試みがなされている。しかし、老化防止剤がゴム表面に析出することにより、隣接するゴムとの接着性が低下し、耐セパレーション性能が低下し、耐久性の向上効果が充分に得られないという問題があった。
また、天然ゴムには蛋白質や脂質などの非ゴム成分が5〜10質量%ほど存在している。これらの非ゴム成分、得に蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引き起す要因となる。ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、低燃費性の悪化を引き起す。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用ゴムとして使用することが提案されている。例えば、特許文献1では、ブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物に脱蛋白天然ゴムを使用することにより、加工性、破断強度、破断時伸びが向上することが記載されている。しかし、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)をバランスよく向上する点について未だ改善の余地を残すものである。
特開2008−303293号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な加工性を有しつつ、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)をバランスよく向上できるブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物、及びそれをタイヤのブレーカー/プライ間ストリップ層に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含むブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物に関する。
上記改質天然ゴムは、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。
上記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下であることが好ましい。
ゴム成分100質量%中の上記改質天然ゴムの含有量が5〜95質量%であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対して、上記酸化亜鉛の含有量が0.5〜20質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したブレーカー/プライ間ストリップ層を有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、上記改質天然ゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛とを含むブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物であるので、良好な加工性を有しつつ、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)をバランスよく向上でき、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物は、上記改質天然ゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛とを含む。
従来、天然ゴム(NR)を使用した場合に比べて、脱蛋白天然ゴム(DPNR)(NR中に含まれる蛋白質を低減、除去した天然ゴム)を使用すると、加工性、破断強度、破断時伸びが向上することが知られている。本発明では、ゴム成分として、NR中に含まれる蛋白質だけでなく、ゲル分、リン脂質をも低減、除去した改質天然ゴム(HPNR)を含むため、DPNRを使用した場合に比べて、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)を顕著にバランスよく向上できる。すなわち、HPNRを使用することにより、DPNRを使用した場合に比べて、破断強度、破断時伸び等の熱劣化前の力学物性をより高めることができる。そのため、熱劣化により天然ゴムの硬化が徐々に進行した場合であっても、熱劣化前の力学物性が高いために、ブレーカー/プライ間ストリップ層として最低限必要な力学物性を維持できる時間を長く確保でき、耐セパレーション性能等の耐久性を向上できるものと推測される。
さらに、本発明では、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛)が使用される。微粒子酸化亜鉛は、比表面積が大きく、さらに酸化亜鉛の分散性が向上することから、加硫促進助剤として効果的に機能し、ゴムをより均一に加硫できる。そのため、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)をよりバランスよく向上できる。さらに、熱劣化によりゴムの力学物性が低下した際に、酸化亜鉛の凝集核が破壊核となり損傷の原因となり得るが、微粒子酸化亜鉛を使用することにより、酸化亜鉛の分散性が向上し、酸化亜鉛の凝集を抑制することができる。そのため、微粒子酸化亜鉛を使用することにより、耐セパレーション性能等の耐久性をより向上できるものと推測される。
上記改質天然ゴム(HPNR)は、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が得られない傾向がある。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。ここで、リン含有量は、たとえばICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が高くなるなど、加工性が低下する傾向がある。また、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が得られない傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
改質天然ゴムは、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。「実質的にリン脂質が存在しない」とは、天然ゴム試料をクロロホルムで抽出し、抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しない状態を表す。−3ppm〜1ppmに存在するリンのピークとは、リン脂質におけるリンのリン酸エステル構造に由来するピークである。
改質天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.3質量%以下が好ましく、0.15質量%以下がより好ましい。窒素含有量が0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇する傾向がある。また、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が得られない傾向がある。窒素は蛋白質に由来する。窒素含有量は、例えばケルダール法等、従来の方法で測定することができる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が得られない傾向にある。該改質天然ゴムの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、コストが高くなると共に、加工性が低下する傾向がある。
改質天然ゴムの製造方法としては、例えば、天然ゴムラテックスをアルカリによりケン化し、ケン化後凝集させたゴムを洗浄し、その後乾燥することにより製造する方法が挙げられる。ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することにより行う。なお、必要に応じて撹拌等を行っても良い。上記製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。本発明では、天然ゴムラテックスにアルカリを添加してケン化できるが、天然ゴムラテックスに添加することにより、効率的にケン化処理を行えるという効果がある。
天然ゴムラテックスはヘビア樹の樹液として採取され、ゴム分のほか水、蛋白質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。本発明では、ヘビア樹をタッピングして出てくる生ラテックス、あるいは遠心分離法によって濃縮した精製ラテックスを使用できる。さらに、生ゴムラテックス中に存在するバクテリアによる腐敗の進行を防止し、ラテックスの凝固を避けるために、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックスであってもよい。
ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アミン化合物等が挙げられ、ケン化処理の効果や天然ゴムラテックスの安定性への影響の観点から、特に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いることが好ましい。
アルカリの添加量は特に限定されないが、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、下限は0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、上限は12質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましく、5質量部以下が特に好ましい。アルカリの添加量が0.1質量部未満では、ケン化処理に時間がかかってしまうおそれがある。また逆にアルカリの添加量が12質量部を超えると天然ゴムラテックスが不安定化するおそれがある。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用可能である。陰イオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の陰イオン性界面活性剤があげられる。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の非イオン性界面活性剤があげられる。両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性界面活性剤があげられる。なかでも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、下限は0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、1.1質量部以上が更に好ましく、2.0質量部以上が特に好ましく、上限は6.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下がさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.01質量部未満では、ケン化処理時に天然ゴムラテックスが不安定化するおそれがある。また逆に界面活性剤の添加量が6.0質量部を超えると天然ゴムラテックスが安定化しすぎて凝固が困難になるおそれがある。また、1.1質量部以上である場合には、天然ゴム中のリン含有量、窒素含有量、ゲル含有率をより低減することができる。
ケン化処理の温度は、アルカリによるケン化反応が十分な反応速度で進行しうる範囲、および天然ゴムラテックスが凝固等の変質を起こさない範囲で適宜、設定できるが、通常は20〜70℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。また処理の時間は、天然ゴムラテックスを静置して処理を行う場合、処理の温度にもよるが、十分な処理を行うことと、生産性を向上することとを併せ考慮すると3〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
ケン化反応終了後、凝集させたゴムを破砕し、洗浄処理を行う。凝集方法としては、例えば、ギ酸等の酸を添加し、pHを調整する方法が挙げられる。また、洗浄処理としては、例えばゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離処理を行い、ゴム分を取り出す方法が挙げられる。遠心分離する際は、まず天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるように水で希釈する。次いで、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離すればよく、所望のリン含有量になるまで洗浄を繰り返せばよい。洗浄処理終了後、ケン化処理天然ゴムラテックスが得られる。ケン化処理天然ゴムラテックスを乾燥することにより、本発明における改質天然ゴムが得られる。
上記製造方法では、天然ゴムラテックス採取後15日以内にケン化、洗浄及び乾燥の工程を終了することが好ましい。より好ましくは10日以内、更に好ましくは5日以内である。採取後固形化せずに15日を超えて放置しておくとゲル分が増大していくためである。
HPNR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、脱蛋白天然ゴム(DPNR)(NR中に含まれる蛋白質を除去した天然ゴム)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、HPNRに対する相溶性に優れるという理由から、NRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。ここで、NRとは窒素含有量が2〜20質量%程度のものをいう。上記改質天然ゴム(HPNR)と共に、NRを配合することにより、加工性を向上できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、加工性が低下する傾向がある。また、該NRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。95質量%を超えると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が得られない傾向にある。
本発明では、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛)が使用される。
酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは90nm以下、特に好ましくは75nm以下である。200nmを超えると、通常の酸化亜鉛と比較して、酸化亜鉛の分散性やゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能))において充分な改善効果が得られないおそれがある。酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上である。20nm未満であると、酸化亜鉛の平均一次粒子怪がシリカやカーボンブラックの一次粒子径よりも小さくなり、酸化亜鉛の分散性が充分に向上できず、ゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能))が逆に悪化するおそれがある。
なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
上記酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上、特に好ましくは4.0質量部以上、最も好ましくは6.0質量部以上である。0.5質量部未満では、充分なゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能))が得られない傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは19質量部以下、更に好ましくは12質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の無機・有機充填剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、オイル等の軟化剤、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、破断強度、破断時伸びをより向上できる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、120m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、補強性が低下し、破断強度、破断時伸びが低下する傾向にある。また、カーボンブラックのNSAは200m/g以下が好ましく、160m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、低燃費性が著しく悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満では、補強性が低下し、破断強度、破断時伸びが低下する傾向にある。また、該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化するおそれがある。また、低燃費性が悪化するおそれがある。
硫黄としては、特に限定されず、従来からゴム工業で使用される鶴見化学工業(株)製の硫黄などを使用できる。
硫黄の配合量は、本発明の効果が充分に得られる点から、ゴム成分100質量部に対して3〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましい。
加硫促進剤としては、特に限定されず、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジフェニルグアニジンなどを使用できる。なかでも、本発明の効果が充分に得られる点から、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましく、0.8〜4質量部がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されず、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン系老化防止剤などを使用できる。なかでも、本発明の効果が充分に得られる点から、p−フェニレンジアミン系の老化防止剤が好ましい。p−フェニレンジアミン系の老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。0.2質量部未満であると、充分なゴムの耐劣化性能が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下、更に好ましくは2.2質量部以下である。3.0質量部を超えると、老化防止剤がゴム表面に析出することにより、隣接するゴムとの接着性が低下し、耐セパレーション性能が低下する傾向がある。
本発明では、老化防止剤の配合量を上記量とすることができるため、老化防止剤のゴム表面への析出を防止でき、隣接するゴムとの接着性の低下を抑制でき、充分な耐久性(耐セパレーション性能)を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、ブレーカー/プライ間ストリップ層等のタイヤの各部材に好適に使用できる。
本発明のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物は、カーカス(プライ)の外側でブレーカーの内側に配設されるブレーカー/プライ間ストリップ層(BPストリップ層)に使用されるものであり、これにより、ブレーカーやプライのゲージを厚くすることなく、耐セパレーション性能を向上できる。具体的には、特開2007−168643号公報の図1、特開2008−303293号公報の図1、等に示されるBPストリップ層に使用される。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でブレーカー/プライ間ストリップ層の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、重荷重車(トラック、バス等)用タイヤ等として好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR
改質天然ゴム:下記製造例1により得られた固形ゴム(HPNR)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(NSA:143m/g、DBP:113ml/100g)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛2種(平均一次粒子径:250nm)
微粒子酸化亜鉛(1):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−1(平均一次粒子径:100nm)
微粒子酸化亜鉛(2):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(アルカリによるケン化処理天然ゴムの作製)
製造例1
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴム)を得た。
製造例1により得られた固形ゴム及びTSRについて以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、製造例1で得られた改質天然ゴム又はTSR約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、(株)島津製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 0005524701
表1に示すように、改質天然ゴムは、TSRに比べて、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減していた。また、製造例1において得られた改質天然ゴムから抽出した抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークを検出しなかった。
実施例1〜6及び比較例1〜4
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で35分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をタイヤのブレーカー/プライ間ストリップ層の形状に成型し、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で35分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:11R22.5)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
(ムーニー粘度)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。そして、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数の値が大きいほど加工しやすく、加工性が優れていることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
(引張試験)
得られた加硫ゴム組成物から、3号ダンベル型試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、引張試験を実施し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸び(EB)をそれぞれ測定した。そして、比較例1のTB指数およびEB指数を100とし、以下の計算式により、各配合のTB、EBを指数表示した。なお、TB指数、EB指数ともに、大きいほど、ゴム強度に優れる。
(TB指数)=(各配合のTB)/(比較例1のTB)×100
(EB指数)=(各配合のTB)/(比較例1のTB)×100
(耐セパレーション再現ドラム試験)
得られた試験用タイヤをJIS規格の最大荷重(最大空気圧条件)に対して140%である荷重オーバーロード条件で、速度80km/hでドラム走行させたときのトレッド部の膨れなどの異常が発生するまでの走行距離を測定し、比較例1の耐セパレーション性能指数を100とし、以下の計算式により、各配合の走行距離を指数表示した。なお、耐セパレーション性能指数が大きいほど、耐セパレーション性能(耐久性)に優れることを示す。
(耐セパレーション性能指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
(粘弾性試験)
得られた加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど低燃費性に優れる。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0005524701
表2により、上記改質天然ゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛とを含む実施例では、良好な加工性を有しつつ、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐セパレーション性能)をバランスよく向上できた。

Claims (8)

  1. リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含むブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  2. 前記改質天然ゴムは、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  3. 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  4. 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量が5〜95質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記酸化亜鉛の含有量が0.5〜20質量部である請求項1〜5のいずれかに記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  7. 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをアルカリによりケン化し、ケン化後凝集させたゴムを繰り返し洗浄してケン化により分離したリン化合物を洗浄除去して得られるものである請求項1〜6のいずれかに記載のブレーカー/プライ間ストリップ層用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したブレーカー/プライ間ストリップ層を有する空気入りタイヤ。
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