JP5528443B2 - Mtbe−含有混合物の分解によってイソブテンを製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MTBE−含有混合物の分解によってイソブテンを製造する方法に関する。
イソブテンは、多くの有機化合物の製造、例えばブチルゴム、ポリイソブチレン、イソブテン−オリゴマー、分枝したC−アルデヒド、C−カルボン酸、C−アルコール及びC−オレフィンを製造するための重要な中間体である。更にこれは、アルキル化剤として、殊にt−ブチル芳香化合物の合成のために、かつペルオキシドを得るための中間体として使用される。更にイソブテンは、メタクリル酸及びそのエステルの前駆体として使用されうる。
イソブテンは、慣用の工業流分中に飽和及び不飽和のC−炭化水素と一緒に存在している。この混合物から、イソブテンは、イソブテンと1−ブテンとの間の僅かな沸点差又は僅かな分離因子の故に、蒸留によって経済的には分離することができない。従って屡々工業用炭化水素からのイソブテンは、イソブテンを慣用の炭化水素混合物から容易に分離できる誘導体に変換し、単離された誘導体を再び分解してイソブテンと誘導体化剤とに戻すことによって、得られている。
通常イソブテンは、C−分、例えば水蒸気分解物のC−フラクシヨンから、次のようにして分離される:不飽和炭化水素の大部分、特にブタジエンを、主として抽出及び蒸留によるか又は線状ブテンまで選択的に水素化することによって除去した後に、残留混合物(ラフィネートI又は選択的に水素化された分解物−C)をアルコール又は水と反応させる。メタノールの使用の際には、イソブテンからメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)が生じ、水の使用の際には、t−ブタノール(TBA)が生じる。それらの分離の後に、これら誘導体は、その形成とは逆にイソブテンまで分解されうる。
メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)の分解によりイソブテン及びメタノールを得ることは、酸性又は塩基性触媒の存在下に、液相で又は気/液−混合相で又は純粋な気相で実施することができる。
US 5567860中には、高純度のイソブテンの製造法が記載されている。ここでは、イソブテン含有C−流分が先ずメタノールでエーテル化されて、変換率に応じて、MTBE、2−メトキシブタン(MSBE)、反応しなかったC−炭化水素、メタノール、水、ジメチルエーテル(DME)、C−オリゴマー並びにC−及びC−炭化水素からの混合物がC−流分の不純物として得られる。この生成物混合物は、蒸留によりC−、C−及びC−炭化水素、メタノール及びDMEを含有する低沸点物とC−オリゴマーを含有する高沸点物とに分けられる。塔の側流部で、MTBE及び2−メトキシブタン(MSBE)が得られ、次いでこれは酸性触媒分解に供される。
DE 10 2006 040431中には、MTBE−分解によるイソブテンの製造法が記載されている。ここでは、装入物−MTBEが返送されたMTBE−流分と一緒に、1つの塔中で、高沸点物の分離によって精製され、得られるMTBEが分解される。この反応の流出物は、蒸留によって、持分(共沸)量のメタノールを有するイソブテンと主成分メタノール及び未反応のMTBEを有する混合物とに分けられる。引き続き、このメタノール/MTBE−混合物から大部分のメタノールが除去され、MTBE−含有流分は、高沸点物の分離のための塔中に戻される。場合によっては、装入MTBEから低沸点物が分離される。
刊行物DE 10 2006 040430は比較可能な方法に基づいている。特徴は、分解時に使用されたMTBEをMSBE1000質量−ppm以下まで精製すること及び得られるイソブテン中の線状ブテンの濃度が1000質量−ppmを下回ることである。反応しなかったMTBEの返送(Rueckfuehrung)は選択肢である。
刊行物DE 10 2006 040434は、MTBEの分解法を記載しており、ここでは、第1工程でのこの分解の流出物から、イソブテンが、持分(共沸)量のメタノールと一緒に分離されている。引き続き、もう一つの蒸留で、塔底物としてのメタノール、ジイソブテン、メタノール及びMTBEを含有している側流分及びMTBE及びメタノールを含有している塔頂流分が得られ、この際、この塔頂流分は分解に返送される。従ってここでは、この方法で形成された高沸点物のゲート排出が側流で行われている。
イソブテンの二量化又はオリゴマー化によってC−オリゴマー、いわゆるC−及びC12−成分にすることによる高沸点物の形成は、MTBE−分解の公知の副反応の1つである。不所望のC−成分は、主に2,4,4−トリメチル−1−ペンテン及び2,4,4−トリメチル−2−ペンテンである。
更に、この分解時に生じるメタノールの一部は、特に塩基性触媒に接して、脱水下にDMEまで変化する。
従ってDE 10 2006 040431、DE 10 2006 040430及びDE 10 2006 040434中で得られているメタノール含有イソブテン流分の更なる後処理は、水での抽出及び引き続く蒸留によるメタノールの分離であり、この際、DME及び水が、イソブテンから分離される。
気相でのMTBE−分解は、それが通常は高い温度で進行する利点を有する。従って、MTBEからイソブテン及びメタノールまでの反応の平衡は、これらの生成物の方向により強力であるので、より高い変換率を得ることができる。しかしながら高い分解温度の故に、他の及び/又は付加的な副反応が生じることがあり得る。
先に記載のように、イソブテンは多くの有機化合物の製造のための重要な中間体である。この製品の有効な製造は、実際の工業的研究の核心領域であり、この場合に同時に最高の製品純度要求が存在する。
従って、例えばポリイソブテン(PIB)、ブチルゴム又はメチルメタクリレート(MMA)の製造のために必要であるような高純度のイソブテンを入手可能とする方法を開発する課題が存在した。
この課題は、次の工程を包含しているMTBE−含有混合物からのイソブテンの製造法によって解決された:
a) 1反応器R中での、MTBE−含有装入物質(1a)及び/又はMTBE−含有流分(13、5)から得られる混合物の分解(Spaltung)により、イソブテン、メタノール、MTBE並びに副産物から成る反応生成物の流分(6)を生成する工程
(この際、この副産物は、
a1)0.1MPaの圧力で55℃を上回る沸点範囲を有する高沸点物、
a2)0.1MPaの圧力で12〜55℃の沸点範囲を有する中沸点物及び
a3)0.1MPaの圧力で12℃を下回る沸点範囲を有する低沸点物から成る);
b) 蒸留分離により、流分(6)を生成物イソブテン及び低沸点物を含有している流分(7)と、MTBE、メタノール、中沸点物及び高沸点物を含有している流分(8)とに分ける工程;
c) 流分(8)の蒸留分離により、MTBE−含有流分(10、12)及びメタノール含有高沸点物−流分(9、11)を得る工程;
d) MTBE−含有流分(10、12、13)を、この方法の工程(a)に返送する工程
(この際、工程d)の前に、中沸点物含分の多い流分(10、12)からの中沸点物の完全な又は部分的な分離が行なわれる)。
意外にも、気相でのMTBEの分解時に、その通常沸点に関して、C−炭化水素とMTBEの沸点の間で沸騰する成分を有する反応混合物が生じることが確認された。例として、ジメトキシメタン及びイソプレンが挙げられる。ジメトキシメタンは、メタノールのホルムアルデヒドまでの脱水素及びメタノールでのそのアセタール化によって生じることができる。イソプレンは、ホルムアルデヒド及びイソブテンから形成されうる。C−炭化水素及びMTBEに関する沸騰順序に関して、中沸点を有する成分が重要であるので、以後これら成分を、中沸点物と称する。その沸点は典型的に0.1MPa(絶対)で、12℃〜55℃である。
この場合に、この反応時に形成される中沸点物の濃度は、典型的に、反応器流出物に対して明らかに500質量−ppmを下回っている。C−炭化水素、例えば、例えばMSBEの分解により生じることができ、イソブテンより僅かに上で沸騰する1−ブテン又はシス−及びトランス−2−ブテン並びにこの分解の副産物として同時に形成されうるイソブタンは、この中沸点物を意味しない。
第1表:0.1MPa(絶対)におけるC−炭化水素の沸点
Figure 0005528443
副反応から生じる中沸点物がこの方法で分離されない場合には、これがこのプロセスで富化し及び/又はイソブテン生成物中に達することがありうる。イソブテンのいくつかの用途、例えばポリイソブテン(PIB)又はブチルゴムの製造のために、オキシゲネート(Oxygenate)又は共役ジエンは妨害作用をする。
オキシゲネート、例えばジメトキシメタンは、通常仕様のジメチルエーテル(DME)と類似の特性を有する。DMEとは対照的に、ジメトキシメタンはイソブテンよりも高い温度で沸騰する。従って、DME及びジメトキシメタンは、1蒸留工程でイソブテンから分離することができない。
これに反して副反応から形成されるイソブタンは、少なくとも低い濃度では通常は問題がない。それというのも、これは化学的に充分に不活性であり、通常のイソブテン仕様は、生成物中で1000ppmまでの濃度を許容しているからである(第5表を参照)。
これら関連文献中には、この中沸点物の形成は記載されていない。従って、この反応混合物からのこの中沸点物の分離を予測させる方法も公知ではない。
US 5567860、DE 10 2006 040431、DE 10 2006 040430及びDE 10 2006 040434中に記載されている方法も、中沸点物の分離に関して何も記載していない。これらの方法では、この成分は、この反応器の後に配置されている塔の操作法に応じて、全て又は一部がこの塔の塔頂生成物中に、従って生成物イソブテン中に達しているはずである。
しかしながら、この塔底生成物を経る分離の際に、反応しなかったMTBEの返送によって、このプロセスで中沸点物が富化する。この場合に、これら成分が反応器を更なる反応なしに通過すると、中沸点物の濃度は、限界濃度まで上昇するはずであり、この濃度でこれらは再び、この反応器の後に配置されている塔の塔頂生成物中に;かつ最終的に、この中にイソブテンフラクシヨンが達する。この反応器中で中沸点物の後続反応が起こる場合には、付加的な成分がイソブテン中に達するか、又は触媒が、例えばコークス化によって害される危険がある。
本発明による方法は、DE 10 2006 040431及びDE 10 2006 040430中に記載されている下記の技術水準に比べて、このプロセスで生じる中沸点物が合目的にゲート排出される利点を有している。
このプロセスの好ましい1実施形では、このことが装入MTBEの低沸点物及び中沸点物と一緒に行われ、これにより付加的に、工業的及びエネルギー経費が低く保持される。
中沸点物の分離のこの可能性は、更に分解の操作を高い温度まで拡げる。それというのも、中沸点物の形成は、高い温度で強く起こるからである。このことは、例えば触媒耐用時間の延長又は触媒量の減少のために利用することができる。
分解反応
本発明の方法の工程a)でMTBEは、気相で不均一系触媒に接して分解されて、イソブテン及びメタノールになる。この場合に、150〜500℃の温度範囲、殊に200〜400℃の範囲で、MTBEを分解してイソブテン及びメタノールにする作用をする全ての固体触媒を使用することができる。
本発明の方法で使用される触媒は、例えば金属酸化物、金属混合酸化物、殊に酸化珪素及び/又は酸化アルミニウムを含有するもの、金属酸化物担体又は金属塩又はこれらの混合物上の酸であることができる。
本発明の方法では、MTBEを気相で分解してイソブテン及びメタノールを得るために、好ましくは、形式的に酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素から成っている触媒が使用される。このような触媒は、例えばUS 5171920中の例4に、又はEP 0589557中に記載されている。
形式的に酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び二酸化珪素を有し、0.5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、特に好ましくは10〜15質量%の酸化マグネシウム分、4〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の酸化アルミニウム分及び60〜95質量%、好ましくは70〜90質量%の二酸化珪素分を有する触媒が特別有利に使用される。触媒が、酸化マグネシウムと共にアルカリ金属酸化物を有する場合が有利でありうる。これは、例えばNaO又はKOから選択することができる。この触媒はアルカリ金属酸化物としてNaOを有することが有利である。好ましく使用される触媒は、200〜450m/g、好ましくは200〜350m/gのBET−表面積(DIN ISO 9277により窒素で容積測定)を有することが有利である。この触媒が担体上の活物質として適用される場合には、活物質のみが、記載の範囲のBET−表面積を有する。これに反して、触媒と担体からの物質は、担体の性質に応じて明らかに異なるBET−表面積、殊により小さいBET−表面積を有することができる。
この触媒の気孔容積(Porenvolumen)は、有利に0.5〜1.3ml/g、好ましくは0.65〜1.1ml/gである。
この触媒のDIN 66133による平均気孔直径は、有利に5〜20nm、好ましくは8〜15nmである。この触媒の全気孔容積(DIN 66133により水銀ポロシメトリーで測定される3.5nm以上の気孔直径を有する細孔の気孔容積の合計)の少なくとも50%、有利には70%以上が、直径3.5〜50nmの直径を有する細孔(メソ孔)に割当てられていることが特に好ましい。
本発明の方法では、10μm〜10mm、有利に0.5mm〜10mmの平均粒径(篩分析で測定)、特別好ましくは1〜5mmの平均粒径を有する好ましい触媒が使用される。2〜4mm、殊に3〜4mmの平均粒径d50を有する固体触媒が有利に使用される。
本発明の方法では、成形体としての触媒を使用することができる。この成形体は、任意の形を有することができる。好ましくはこの触媒は、球、押出物又はタブレットの形の成形体として使用される。これら成形体は、有利に前記の平均粒径を有する。
このようなマグネシウム−珪酸アルミニウム−触媒の製造及び使用は、DE 10 2006 040432中に記載されている。これを参照することができる。
MTBEの分解は、気相で、0.05〜2MPaの圧力、殊に0.3〜1MPaの圧力、全く特別に0.5〜0.7MPaの圧力で、150〜500℃、殊に200〜400℃の温度範囲で行なわれる。
イソブテン及びメタノールまでのMTBEのこの分解は吸熱反応である。MTBE及び生成物の部分凝縮を避けるために、反応器を、反応器中の最低温度が150℃より高い、好ましくは200℃より高いように操作することが適切である。従って、反応器の前に接続されている加熱装置を用いて調節されうるMTBEの入口温度は、最低でも150℃、有利には最低でも200℃である。
この操作の過程で、触媒の失活の増加に伴って、この反応を一定保持するために、入口温度を500℃まで高めることが有利でありうる。500℃の到達時にこの変換率をもはや保持できない場合には、この触媒の全て又は一部分を交換することが有利でありうる。
本発明の方法の工程a)でのMTBEの変換率は、40%〜99%、好ましくは70%〜98%、特別好ましくは85%〜95%である。
この反応器を、直線通路内で、0.1〜5h-1、殊に1〜3h-1の空間速度(単位時間当たりの空間速度(WHSV);出発物質kg/触媒kg/h)で操作することが有利である。
反応器として、反応管又は管束反応器、殊に管直径10〜60mmを有するものを使用することが好ましい。これを、DE 10 2006 040433中に記載されているように作動させることが有利である。
更に、プレート反応器(Plattenreaktor)をこの分解反応の実施のために使用することができる。このプレート反応器は、プレート熱交換器と同様に構成されている。この場合に、その間に触媒が存在するプレートの間隔は、好ましくは10〜80mmである。
触媒帯域中での温度降下は、任意の位置で、入口温度に対して50℃を下回る、特別好ましくは40℃を下回る、全く特別好ましくは5〜30℃である。最大温度降下は、多くのパラメータにより、例えば加熱のために使用される熱媒体の温度によって、並びにジャケット中を熱媒体が流れる速度によって調節することができる。
MTBEの分解時に副反応が現れる。これはMTBEに又は分解生成物イソブテン及びメタノールに帰因することができる。標準的には、MTBE分解時にジメチルエーテル(DE)の形成が現れる。この場合に2モルのメタノールが反応してDME及び水を生じる。本発明のプロセスを、DMEまでのこの反応のDME−選択率が10%を下回る、好ましくは4%を下回るように操作することが有利である。(DME−選択率=2×[形成されたDME(モル)]/[変換されたMTBE(モル)])。
イソブテンと水との反応により、更にt−ブタノール(TBA)が形成されうる。いずれにせよ、TBAの形成/分解は平衡反応であり;TBAがMTBEと一緒に反応器中に通されると、これは通常は部分的に分解される。
もう一つの副反応は、イソブテンの二量化によるC−炭化水素の形成である。これは、主にジイソブテン、2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4−トリメチルペンテン−2とからの混合物から成っている。
この副反応に、大抵はなお平行して進行する反応が加わり、ここで、MTBEからの不純物が反応する。それには、例えばMTBE中に含有されている2−メトキシブタン(MSBE)の分解が該当する。これから、メタノールの分離によって、1−ブテン及び2−ブテンを生じることができる。MTBE中に含有されている3−メトキシ−1−ブテン又は1−メトキシ−2−ブテンから、この分解時に1,3−ブタジエンが形成されうる。
原料
本発明は、MTBEからイソブテンを製造する方法である。種々の品質のMTBEを使用することができる。殊に、種々の品質の工業用MTBE又は工業用MTBEとメタノールとからの混合物を使用することができる。
高純度のイソブテンを得るためには、この方法のa)工程で、高純度の装入−MTBEを使用することが有利である。これは、通常は燃料市場用に規定されている工業用MTBEから精製によって得ることができる。本発明の方法の好ましい実施形では、この精製はこのプロセスの一部であるので、直接工業用MTBEを使用することができる。従って、工業用MTBE(燃料品質)は好ましい装入物質である。第2表は、工業用MTBEの典型的な組成を例示している。
第2表:工業用MTBE(燃料品質)の典型的な組成
Figure 0005528443
工業用MTBEは、公知方法で、それから多不飽和炭化水素が充分に除去されているC−炭化水素混合物、例えばラフィネート1又は選択的に水素化された分解−Cとメタノールとの反応によって製造することができる。
分解生成物の精製
反応器からの分解生成物は、本発明による方法の工程b)で蒸留分離される。この場合に、流分7が得られ、これは、90質量%を上回るイソブテン、低沸点物及びメタノール分を含有し、かつもう一つの流分8中には、メタノール、MTBE、中沸点物及び高沸点物が含有されている。
第3表は、0.5MPa(絶対)における、反応器流出物中に典型的に含有されている成分の純物質沸点を示している。イソブテンと並んで、低沸点物として他のC−炭化水素(1−ブテン、2−ブテン)及びDMEが含有されている。イソプレン及びジメトキシメタンは、この反応時に生じる下記表における沸点を有する中沸点物である。高沸点物、即ちMTBEよりも高い沸点を有する成分として、TBA、ジイソブテン及びMSBEが含有されている。
第3表:0.5MPa(絶対)における、反応器流出物中に典型的に含有されている成分の純物質沸点
Figure 0005528443
本発明の方法の工程b)での蒸留分離の相応する設計及び操作法によって、中沸点物を大部分又は完全に流分8中で富化させて、イソブテン富化流分7を中沸点物不含とするか又は殆ど不含とすることが可能である。
この場合に、分解生成物6の蒸留分離は、好ましく正に1つの蒸留塔中で行われる。この蒸留塔は、有利に20〜55の理論分離段(theoretishe Trennstufen)、好ましくは25〜45、特別好ましくは30〜40の理論分離段を有する。還流比は、実際の段数、反応器流出物の組成及び留出物及び塔底生成物の必要純度に依存して、有利には5より小さい、好ましくは1より小さい。この塔の操作圧を、有利に0.1〜2.0MPa(絶対)に調節することができる。この場合にこの塔を、分離反応器(R)が操作される圧力よりも低い圧力で操作することが有利である。次いで反応生成物6を、ガス状で又は部分的にガス状で、部分的凝縮の後に、蒸留塔中に移行させることができる。これにより、圧力を高めるための圧縮器を又は完全な凝縮を放棄することができる。
反応生成物6を部分的凝縮の後に蒸留塔中に移行させることが特別好ましい。この場合に、このガス流分の好ましくは30〜70%、特に好ましくは40〜70%が凝縮される。凝縮されなかったガス流分は、直接、必要な場合にはポンプによる圧力上昇により凝縮させて、塔中に導入される。
この場合に、この気相及び液相の供給は、この塔の同じ又は異なる位置で行うことができる。この液相の供給を、同じ棚段上に又は気相の供給の下1〜5棚段上に行うことが好ましい。
気相の部分的凝縮時に放出されるエネルギーは、好ましくは、このプロセスの他の位置で、例えば塔の加熱のため又は反応器入口の予備加熱のために利用される。
塔頂部でイソブテンを冷却水で凝縮させることができるためには、約0.5MPa(絶対)の圧力が必要である。分解が例えば0.65MPa(絶対)で操作される場合には、この蒸留塔を、0.55〜0.6MPa(絶対)の作動圧で操作する場合が有利であり得る。この塔の加熱のためには、例えば0.4MPa−蒸気を使用することができる。塔底生成物として、流分8が得られ、塔頂生成物として流分7が得られる。これは、全塔頂生成物に対して90質量%を上回る、有利に95質量%を上回るイソブテンを含有している。
場合によりこの塔を、反応性蒸留(Reaktivdestillation)として実施することができる。これは、分解反応器中で変換されなかったMTBEの一部を反応性蒸留塔の反応部中でイソブテンとメタノールとまで分解させることによって、全方法のMTBE−変換率を高めることができる利点を有する。反応性蒸留としてのこの塔の詳細は、特にDE 102006040430中に記載されている。
流分7中の線状ブテンの含分は、C−オレフィンフラクシヨンに対して有利に10000質量ppmより低い、好ましくは5000質量ppmより低い、特別好ましくは1000質量ppmより低い。この場合に、流分7中の1−ブテンの含分は、C−オレフィンフラクシヨンに対して有利に5000質量−ppmより低い、好ましくは1000質量−ppmより低い、特別好ましくは500質量−ppmより低い。ブテン(双方の2−ブテンの合計)の含分は、C−オレフィンフラクシヨンに対して同様に5000質量−ppmより低い、好ましくは2000質量−ppmより低い、特別好ましくは500質量−ppmより低いことが有利である。
本発明によらない、イソブテンと一緒の中沸点物及び低沸点物の分離は、工業的に同様に可能である。次いでこのイソブテンから、場合によるメタノールの分離の後に、蒸留によって、中沸点物が分離される。この場合に、これはいずれにせよ、塔底流分として生じ、他方で全イソブテン量は、塔頂生成物として得られる。工業的にこのことは有利性が低い。
この方法の工程b)で得られる流分8から、工程c)で、含有メタノールの大部分が分離される。下記の第4表は、0.1MPa(絶対)における、純物質MTBE、MSBE、メタノール、TBA及びジイソブテンの沸点並びにこの反応時に生じる中沸点物の例で、イソプレン及びジメトキシメタンの沸点を示している。2種の異性体で存在するジイソブテンについて、見本の2,4,4−トリメチルペンテ−1−エンの沸点を挙げた。イソプレン、ジメトキシメタン、MTBE、MSBE、メタノール、TBA及びジイソブテンの順で、沸点は上昇していることが認識できる。しかしながら同時に、成分イソプレン、MTBE、MDBE及びジイソブテンは、メタノールとの最小−共沸混合物(Minimum-Azeotrope)を形成する。この共沸混合物の沸点及び組成が、同様に第4表中に挙げられており、ここで、共沸混合物は、プロパティ−法(Property-Methode)"UNIFAC−DMD"(J.Gmehling,J.Li,and M.Schiller,Ind. Eng.Chem, Res. 32,(1993),pp.178-193参照)で、定常シュミレーシヨンプログラムASPEN Plus(Version 12.1 der Firma Aspen Tech)を用いて計算された。この周辺条件下で、イソプレン−メタノール−共沸混合物は、この系中の低沸点物であり、唯一の1塔中でのこの分離の実施の際に、塔頂生成物として得ることができる。しかしながら、殆ど純粋なメタノールを塔底生成物として得たい場合には、付加的に純物質イソプレン及びジメトキシメタン及び共沸混合物MTBE−メタノール、MSBE−メタノール及びジイソブテン−メタノールを、塔頂から蒸留させるべきである。唯一の副成分として、−この表中に挙げられていない水及び有用生成物メタノールと共に−TBAが、塔底生成物中に残留している。
第4表:0.1MPa(絶対)における、純物質及びメタノールとの共沸混合物の沸点;共沸混合物を、プロパティ−法"UNIFAC−DMD"で計算した。
Figure 0005528443
塔底生成物8からのメタノールの蒸留分離を、1以上の蒸留塔中で、有利には1蒸留塔中で行う。
1つの蒸留塔の使用時にこれは、有利に、20〜75、好ましくは30〜65、特別好ましくは35〜50の理論分離段を有する。この塔が現実の段数及び分解反応器中で得られるMTBE−変換率に依存して、10より小さい、好ましくは0.5〜5の還流比で操作される場合が有利でありうる。この塔の作動圧を、0.05〜1MPa(絶対)、好ましくは0.1〜0.3MPa(絶対)の範囲の値に調節することが有利である。この塔の加熱のために、例えば0.4MPa水蒸気を使用することができる。凝縮は、選択される作動圧に応じて、冷却ゾル、冷却水又は空気に対して行うことができる。
この方法の工程c)で分離されたメタノールは、有利に97質量%を上回る、特に好ましくは99質量%を上回るメタノールを含有する。塔底生成物中のTBA−含分は、有利に500〜2000質量−ppmであり、水分含有率は有利に0.5〜0.8質量%である。反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及びジメトキシメタンは、有利に200ppmを下回って、好ましくは100ppmを下回って、特別好ましくは50ppmを下回って含有されている。従って、このメタノールは、慣用の工業的合成、例えばエステル化又はエーテル化のために使用できる程度に高い純度を有する。しかしながら必要な場合には、このメタノールを、もう一つの蒸留工程で、なお高い純度まで濃縮させることもできる。
この方法の工程c)でメタノールの分離の後に得られる流分10は、主成分MTBEと共に、なおメタノール及び反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンを含有する。本発明によって、中沸点物は、それがこの方法の工程a)に返送される前に、流分10から分離される。流分10からの中沸点物の蒸留による分離は、1以上の塔中で行うことができる。更にこの場合に、流分10からの中沸点物の分離を、装入−MTBEの精製と組み合わせることが有利でありうる。
図1〜図4を用いて本発明を詳述するが、本発明はそこに例示されている実施方式に限定されるものではない。
本発明の方法を実施することのできる好ましい1実施形のブロック図。 本発明の方法のもう一つの好ましい実施形を示す図。 本発明の方法のもう一つの好ましい実施形を示す図。 本発明の方法を実施できる装置のもう一つの好ましい実施形のブロック図。
図1に、本発明の方法を実施することのできる好ましい1実施形のブロック図が示されている。装入MTBE 1aは、戻り流分(Rueckstrom)13と一緒に分解反応器(R)中に導入される。分解生成物6は、塔(K3)中で、塔頂生成物7(これは形成されたイソブテン、DME及びイソブテンとメタノールと間の共沸混合物に基づくメタノール分を含有している)と、反応しなかったMTBE及び生じたメタノールの大部分を有する塔底生成物8とに分けられる。塔底生成物8は、反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンをも含有している。
流分8から、塔(K4)中で、メタノール及び水の大部分が塔底生成物9として分離される。塔(K6)中で、流分10から中沸点物14が分離され、主要なMTBE−含有戻り流分13が分離に返送される。
この方法のもう一つの好ましい実施形が、図2中に示されている。ここでは、分解反応器(R)中への供給の前に、装入−MTBE 1a及びMTBE−含有戻り流分13から、塔(K2)中で、付加的に高沸点物4が、少なくとも部分的に分離される。留出物として流分5が得られ、これが分解反応器(R)中に導入される。更なる後処理は、図1で先に記載されているように行なわれる。
図3中には、この方法のもう一つの好ましい実施形が示されている。装入−MTBE 1aは、流分10と一緒に、塔(K1)中で分別される。戻り流分10は、反応しなかったMTBE及びメタノールと共に、反応部(R)中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンをも含有している。塔(K1)中で、この中沸点物は、場合により装入−MTBE 1a中に含有されている低沸点物及び/又は中沸点物と一緒に、塔頂生成物2として、持分に応じて分離される。塔底生成物3は、塔(K2)中に導入される。そこで、含有している高沸点物(ジイソブテン、MSBE)は少なくとも部分的に塔底生成物4として分離される。塔頂生成物5は、分解反応器(R)中に導入される。分解生成物6は、塔(K3)中で、形成されたイソブテン、DME及びイソブテンとメタノールとの間の共沸混合物形成に基づくメタノール分を含有している塔頂生成物7と、反応しなかったMTBE及び生じたメタノールの大部分を有する塔底生成物8とに分けられる。この塔底生成物8は、反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンをも含有している。
この塔(K4)中で、流分8からメタノール及び水の大部分が塔底生成物9として分離される。MTBE、メタノールの一部及び反応部で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンを含有している塔頂生成物10が、装入−MTBE 1aと一緒に塔(K1)中で精製される。
場合により、塔(K1)及び(K2)は、唯一の分離壁塔(Trennwandkolonne)で置換されていてもよい。
図3によるこの方法の実施は、工業用MTBEを直接この方法で使用することのできる利点を提供する。含有されている低沸点物は、塔(K1)中でこのプロセスで生じた中沸点物と一緒に分離される。この組み合わせによって、1つの塔を節約する潜在的利点が得られる。このプロセスからの及び装入−MTBEからの高沸点物(例えばMSBE)は、塔(K2)中で一緒に分離される。
図4中に、その中で本発明の方法を実施することのできる装置のもう一つの好ましい実施形のブロック図が示されている。装入−MTBE 1aは、MTBEを含有している戻り流分12と一緒に、塔(K1)中で分別される。この戻り流分12は、反応しなかったMTBE及びメタノールと共に、反応部(R)中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンをも含有している。塔(K1)中で、この中沸点物は、場合により装入−MTBE中に含有されている低沸点物(C−及びC−炭化水素)と一緒に、塔頂生成物2として、持分に応じて分離される。塔底生成物は、分解反応器(R)中に導かれる。分解生成物6は、塔(K3)中で、形成されたイソブテン、DME及びイソブテンとメタノールとの間の共沸混合物形成に基づき、メタノール分を含有している塔頂生成物7と、未反応のMTBE及び生じたメタノールの大部分を有する塔底生成物8とに分けられる。塔底生成物8は、反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンをも含有している。塔(K5)は、本発明の方法の工程c)の可能な1実施形である。その中で、流分8は塔底生成物9と、側流分11と塔頂生成物12とに分けられる。塔底生成物9は、特に98%を上回るメタノールを含有している。側流11で、ジイソブテン及び場合による他の高沸点物、例えばMSBEがゲート排出される。MTBE、メタノールの一部及び分解反応器中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンが塔頂生成物12として得られ、装入−MTBE1aと一緒に、塔(K1)中に供給される。
図4による実施形は、特に少量のジイソブテン及びMTBEを含有しているようなMTBE−装入混合物にとって重要である。この場合には、反応部の前のこれら成分を分離するための塔K2を放棄することができ、これによって、この方法は簡単になる。装入−MTBEが低沸点物を含有しない場合には、これを流分1bとして直接、分解反応器中に導入することができる。この場合には、塔K1中で中沸点物のみが流分2として分離される。
本発明によれば、全ての実施形は、その中で、分離反応器(R)中で生じた中沸点物を塔頂から分離する1つの塔を有することで共通している。
分解反応器(R)中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンの蒸留分離は、代わりに、塔(K6)又は(K1)中で、他の1つの流分から、例えば流分8(図1)又は流分5(図2)から行うこともできる。このオプションも、それが別個に考慮されない場合でも、本発明の方法の実施形である。
物質分離
以下に、図1〜4中に示されている塔K1、K2、K5及びK6の好ましい実施形及び作動パラメータを記載する。
塔(K1)、図3及び4
本発明によれば、塔(K1)中で、主にMTBEから成っている戻り流分(10又は12)から、反応部中で生じた中沸点物、例えばジメトキシメタン及び/又はイソプレンが分離される。付加的に、低沸点物(C−及びC−炭化水素)が、工業用MTBEから除去されうる。
30〜80の理論分離段、好ましくは40〜75、特別好ましくは40〜60の理論分離段を有する蒸留塔中で、物質分離を実施することが有利である。この塔は、実際の段数、使用されたMTBEの組成及びC−及びC−炭化水素の必要純度及び反応部中で生じる中沸点物、例えばジメトキシメタン及び/又はイソプレンに依存して、50〜350、殊に120〜300の還流比で有利に操作される。この塔を、0.2〜0.6MPa(絶対)、好ましくは0.3〜0.4MPa(絶対)の作動圧で操作することが有利である。この塔の加熱のために、例えば水蒸気を使用することができる。凝縮は、選択される作動圧に応じて、冷却ゾル、冷却水又は空気に対して行うことができる。塔の塔頂液は、完全に又は部分的にのみ凝縮させることができるので、塔頂生成物2を液状で又は蒸気状で排出させることができる。この塔頂生成物2は熱的に活用することができるか又は合成ガス装置の装入物質として利用することができる。
塔(K2)、図2及び図3
塔(K2)中で、MTBEを有する流分が蒸留され、この際に、高沸点物、殊にジイソブテン及び/又はMSBEが、MTBEから分離される。この塔中で先ずジイソブテンのみを分離したい場合には、この塔が15〜60理論分離段、有利には20〜55、好ましくは30〜45理論分離段を有する場合が有利でありうる。本発明の範囲で、留出物の質量流分で割った戻り流分の質量流分として定義されている還流比を、現実の段数、使用されたMTBEの組成及び必要な純度に依存して、0.5〜7、好ましくは1〜4の値に調節することが有利である。
この塔中でジイソブテン及び付加的にMSBEを分離すべき場合には、使用される蒸留塔は、50〜140、好ましくは60〜120、全く特別好ましくは80〜110の理論分離段を有することが有利である。還流比は、実際の段数、使用されたMTBEの組成及び必要な純度に依存して、1〜20、好ましくは3〜10であることが有利である。
装入−MTBE 1aの品質及び製造されるイソブテンの必要純度に関連してフレキシビリティを高めるためには、それを用いて2つの物質を分離することができる塔、即ち特に50〜140の理論分離段を有する塔が特別有利でありうる。MSBEの分離を必要としない場合でも、より大きい塔は不利ではない、それというのも、大きい塔の高い経費の一部がエネルギー節約(還流比の減少)によって相殺されうるからである。
ジイソブテン又は付加的なMSBEのみを分離すべきか否かとは無関係に、作動圧は0.1〜2.0MPa(絶対)であることができる。分解反応器中での塔頂生成物5の分解が気相で、高い圧力で行われる場合には、蒸留を高い圧力で実施することが有利であり、この場合には、塔頂凝縮器は、有利に部分凝縮器として操作され、塔頂生成物5は蒸気状で排出される。分解反応器中の反応圧が例えば0.7MPa(絶対)である場合には、この蒸留圧は低くても0.75MPa(絶対)であることが有利である。大きい1.3MPa(絶対)の作動圧の場合には、凝縮熱に伴い低圧−(ND−)蒸気を得ることができ、これでこの方法の他の塔を加熱することができる。この塔の加熱のために、選択される作動圧に応じて、水蒸気又は熱媒体油を使用することができる。塔底生成物4は、高沸点物、例えばMSBE及びジイソブテンと共にMTBEを含有することもありうる。この混合物は、熱的に活用することができ、合成ガス装置の装入物として利用できるか又は直接又は水素化の後に、燃料成分(Treibstoffkomponente)として使用することができる。
塔(K2)への流入物の組成を、分解反応器(R)(直線通路)中の装入−MTBE1a及びMTBEの変換度に依存して変えることができる。第2表における組成のMTBEの装入及び50〜95%のMTBE−変換率の場合に、この塔への流入物は85〜97質量%のMTBEを有し、このメタノール含有率は2〜12質量%である。ジイソブテン含有率は、1500〜5000質量−ppmであり、MSBEの含有率は3500〜5000質量−ppmである。反応部中で生じた中沸点物、例えばジメトキシメタン及び/又はイソプレンは、有利に200ppmを下回り、好ましくは100ppmを下回り、特別好ましくは50ppmを下回って含有されている。更なる成分として、特にTBA、水及び場合により線状ブテンが含有されている。
塔(K2)の塔底生成物4は、典型的に、高沸点物ジイソブテン及びMSBE並びにMTBEを含有している。この塔中で特にジイソブテンが分離されるべき場合には、この塔底生成物中のMTBE−含分を、25質量%を下回る値まで減少させることができる。付加的にMSBEが分離されるべき場合には、この分離の経費を減少させるために、好ましくは、MSBEとMTBEとの間の小さい沸点差に基づき、塔底生成物中のより高い、好ましくは60〜85質量%のMTBE−含分が許容される。高沸点物、例えばジイソブテンを、塔(K2)の塔底を経て分離することは、この分解反応器中には高沸点物は達しないか又は僅かにのみ達する利点を有する。このことは場合により、触媒を、高沸点物の付着及び場合によるコークス化の場合に生じうる促進された失活から保護することができる。
塔(K5)、図4
蒸留分離を、できるだけ純粋なメタノールが塔底生成物9として得られ、MTBEの主要部及びこの反応時に生じた全ての中沸点物、例えばイソプレン及び/又はジメトキシメタンが塔頂生成物12中に得られ、側流11中に、特に流入管8中に含有されているジイソブテンの50%以上、好ましくは80%以上、特別好ましくは95%以上が得られるような条件下に、行なうことが有利である。この側流物は、同時になお、場合により出発物質中に含有されていて、分解時に反応しなかったMSBEの排出物であるので、この循環系中でのこの成分の高すぎる濃縮は避けられる。この循環系中のMSBEの濃度の限定によって、同時に、生成物イソブテン中のMSBEの分解により反応部中に生じる線状ブテンの許容できない高い値は避けられる。塔頂生成物12は、有利に塔(K1)中に返送される(図4)。
第4表から読み取ることができるように、低沸点物のイソプレン−メタノール−共沸混合物がこの系中に存在し、使用された塔中で、塔頂生成物として取得することができる。同時に、イソプレン、ジメトキシメタン及び共沸混合物MTBE−メタノール及びMSBE−メタノールも、塔頂から蒸留されうる。ジイソブテンはメタノールと共沸混合物を形成し、これはMTBE−メタノールと純メタノールとの間で沸騰する。従って、ジイソブテン−メタノール−共沸混合物は側流で分離することができるので、殆どジイソブテン不含の塔頂生成物及び塔底生成物が1つの塔内で産出されうる。こうして、塔底生成物としてほぼ純粋なメタノールが得られ、これは唯一の副成分として−第4表中には挙げられていない水と共に−t−ブタノールを含有している。
使用された蒸留塔(K5)は、有利に20〜80の理論分離段、好ましくは30〜70、特別好ましくは40〜60の理論分離段を有する。この塔流入物の供給位置の下又は上から側流分を取出すことができる。好ましくは、この側流分の取出しは、塔流入物の添加位置の上、特に好ましくは2〜12の理論段の上で行なわれる。有利に、この塔は、実際の段数及び得られるMTBE−変換率に依存して、10を下回る、好ましくは0.5〜5の還流比で操作される。塔(K5)の作動圧を、0.05〜1MPa(絶対)、好ましくは0.1〜0.3MPa(絶対)の範囲の値に調節することが有利である。塔の加熱のために、例えば0.4MPaの水蒸気を使用することができる。凝縮は、選択される作動圧に応じて、冷却ゾル、冷却水又は空気に対して行うことができる。
得られる塔底生成物9は、有利に98質量%を上回る、好ましくは99質量%を上回るメタノールを含有する。塔底生成物中のTBA−含有率は、有利に500〜3000質量−ppmであり、水含有率は有利に0.5〜0.8質量%である。反応部中で生じた中沸点物、例えばイソプレン及びジメトキシメタンは、200ppmを下回って、好ましくは100ppmを下回って、特別好ましくは50ppmを下回って含有されていることが有利である。従って、このメタノールは、慣用の工業的合成のため、例えばエステル化又はエーテル化のために使用することができる程度に高い純度を有する。しかしながら必要な場合にはこのメタノールを、もう一つの蒸留工程でなお高い純度まで濃縮させることができる。
得られる塔頂生成物12は、有利に、供給流分8中に含有されているMTBEの主要分並びにメタノール、反応部中で生じた中沸点物、例えばジメトキシメタン及びイソプレン及び場合によるMSBEを含有し、有利に塔(K1)中に返送される。MTBE−含有率は、蒸留条件及び塔圧に応じて、有利に65〜85質量%、好ましくは75〜85質量%である。メタノール含有率は、有利に10〜35質量%、好ましくは12〜18%である。MSBEの含有率は、特に0.5〜5質量%である。供給流分8がイソプレンを含有している場合には、このイソプレン含有率は、有利に1質量%を下回る。供給流分8がジメトキシメタンを含有している場合には、このジメトキシ含有率は、裕利に5000質量−ppmを下回っている。
得られる側流分11は、有利に供給流分8中に含有されているジイソブテンのほぼ全量を含有している。更に、この側流分は、塔の運転法に応じて、供給流分8中に含有されているMSBEの10〜40質量%を含有することができる。操作法及び使用される触媒に応じて、分解反応器(R)中でMSBEは完全には変換されないので、側流分のゲート排出なしの返送時に、この循環でのMSBEの不所望の濃縮(これは側流でのゲート排出によって非常に簡単に避けることができる)の危険に抵抗するはず(bestuende)である。この側流分11は熱的に活用することができ、合成ガス装置の装入物質として使用するか又は燃料成分として利用することができる。
塔(K6)、図1及び図2
塔(K6)中で、本発明による主としてMTBE及びメタノールから成る戻り流分10から、反応部中で生じた中沸点物、例えばジメトキシメタン及び/又はイソプレンが分離される。
20〜75の理論分離段、好ましくは25〜55、特別好ましくは30〜45の理論分離段を有する蒸留塔中でこの物質分離を実施することが有利である。特にこの塔を、その実際の段数、返送流分の組成及び分解反応器(R)中で生じた中沸点物、例えばジメトキシメタン及び/又はイソプレンの量に依存して、10〜150、殊に30〜100の還流比で操作することが有利である。この塔は、特に0.05〜1MPa(絶対)、好ましくは0.3〜0.6MPa(絶対)の作動圧で有利に操作される。この塔の加熱のために、例えば水蒸気を使用することができる。凝縮は、選択される作動圧に応じて、冷却ゾル、冷却水又は空気に対して行なうことができる。この塔の塔頂液は完全に又は部分的に凝縮され、塔頂生成物14を、液状又は蒸気状で引き出すことができる。塔頂生成物14は、熱的に活用できるか又は合成ガス装置の装入物質として利用することができる。
本発明の方法で、塔、例えば図1〜4中にK1、K2、K3、K4、K5及びK6なる符号で示されている塔を使用する場合に、これらは、ビルトイン、例えば棚段、回転性ビルトイン、不規則な充填床及び/又は規則的なパッキンを有していることができる。
この蒸留塔棚段において、例えば次のタイプを使用することができる:
− 棚板中に穿孔又はスリットを有する棚段、
− 鐘、キャップ又はフードで被われている頚部又は煙突を有する棚段、
− 棚板中に穿孔を有し、可動弁で被われている棚段、
− 特別構造を有する棚段。
回転性ビルトインを有する塔中で、還流分を、加熱された管壁上に、例えば回転性ホッパーを通して噴射するか又はロータを用いて膜として広げることができる。
種々の充填体での不規則な充填床を有する塔の使用時に、この充填体は、殆ど全ての材料、殊に鋼、不錆鋼、銅、炭素、石材、陶器、ガラス又はプラスチックから成っていることができ、種々の形、殊に平滑な又は溝付き表面を有する球又はリング、内部ブリッジを有するリング又は壁破断片、金網リング、サドル及び螺旋の形を有することができる。
規則的な/秩序ある形態を有するパッキンは、例えば金属板又は織布から成っていてもよい。このようなパッキンの例は、金属又はプラスチック製のSulzer Gewebe-packungen BX、金属板製のSulzer Lamellenpackungen Mellapak、Sulzerの高効率パッキン、例えばMella-pakPlus、次の構造パッキンSulzer(Optiflow)、Montz(BSH)及びKuehni(Rombopak)である。
イソブテン後処理
この方法の工程b)で得られたイソブテン富化された流分7を後処理して、高純度のイソブテンにすることができる。この場合には、特にメタノール、ジメチルエーテル(DME)及び水が除去される。従って、図1〜4中に記載されている好ましい実施形で、流分7の後処理を例示説明する。
流分7中のメタノールを、自体公知の方法で、例えば抽出によって分離することができる。流分7からのメタノールの抽出は、例えば抽出剤としての水又は水溶液を用いて、例えば1抽出塔中で実施することができる。水又は水溶液での抽出は、特に4〜16の理論分離段を有する抽出塔中で、有利に実施される。抽出剤が、この抽出塔を、抽出すべき流分に対して有利に向流で流過する。この抽出を15〜50℃、好ましくは25〜40℃の温度で実施することが有利である。例えば、0.9MPa(絶対)の圧力及び40℃の温度で操作される、6より多い理論分離段を有する抽出塔を使用する場合には、500質量ppmを下回る、好ましくは100質量−ppmを下回る、特別好ましくは30質量−ppmを下回るメタノール残留含分を有する水飽和イソブテンを得ることができる。
この抽出時に得られるメタノール含有水抽出物は、蒸留によって水とメタノールとに分けることができる。この水を、抽出剤としてこの抽出工程に返送させることができる。このメタノールは、通常の工業的合成のために、例えばエステル化又はエーテル化のために利用することができる。
抽出塔からの湿っているイソブテン流分を、1以上の他の蒸留塔中で、水及び場合によるDMEの分離により後処理して、乾燥イソブテンにすることができる。この場合にこの乾燥イソブテンが、塔底生成物として得られる。この塔の塔頂の凝縮系中で、相分離の後に水を液状で、かつDMEを残留量のイソブテンと共に液状及び/又はガス状で抜き出すことができる。乾燥のために好ましく使用される蒸留塔は、30〜80の理論分離段、好ましくは40〜65の理論分離段を有することが有利である。還流比は、実際の段数及びイソブテンの必要純度に依存して、有利に60より小さい、好ましくは40より小さい。塔K2の作動圧を、有利に0.1〜2.0MPa(絶対)に調節することができる。塔頂部で得られるDME富化流分を、必要な場合には、更に蒸留によって分離することができる。
流分7からDMEの一部を、任意に既に蒸留(K3)時に分離することができ、この際には、蒸留塔又は反応性蒸留塔に付いている凝縮器は、部分凝縮器として作動される。この中で、塔頂生成物中に含有されているC−フラクシヨンは凝縮され、ガス状のジメチルエーテルの一部は排ガス流として留去されうる。
抽出及び蒸留によるイソブテンの濃縮は、例えばDE 10238370中に詳述されている。好ましくは、このイソブテンを有する塔頂流分7からメタノールが抽出によって、かつこの抽出されたイソブテンからDME及び場合による水が蒸留により分離される。
本発明の方法で、塔の側流中に存在する水の分離のためのデカンタを有する、DME及び水の分離のための塔を使用することが特別好ましい。この塔の側流中にこのデカンタを結合することによって、イソブテン損失を最小化することができる。このような方法は、例えばDE 10238370中にも記載されている。この場合には、この抽出からの湿ったイソブテン流が、場合により残留している異種の水(heterogenem Wasser)を例えばデカンタ又はコアレッサ(Koaleszer)により分離した後に、塔中に供給される。この塔の頭頂部でDMEが、かつ塔底部で乾燥イソブテンが得られる。出発物質導入位置の下又は上から、塔の側流分が液状で取出され、これはデカンタ中に導入される。このデカンタ中で、水貧化された有機相から水相が分離される。この水はゲート排出され、有機層は塔中に返送される。この場合に、側部デカンタまでのこの流分の放出は、好ましくこの塔供給部の下で行われ、デカンタから塔中への流分の返送は、この取出位置の下で行われる。この場合にこの塔は、有利に30〜80の理論分離段、好ましくは40〜65の理論分離段の分離段数を有する。精製すべきイソブテンは、それぞれ上から数えて有利に15〜30の分離段上に供給される。供給位置の上2〜5分離段でこの分離段の全凝縮物を引き出し、デカンタ中に導びくことが好ましい。水の分離の後に、1〜2分離段の下で、有機相がこの塔中に返送される。この塔の還流比は、実際の段数及びイソブテンの必要純度に依存して、有利には60より小さい、好ましくは40より小さい。この塔の作動圧は、0.1〜2.0MPa(絶対)、特別好ましくは1.0〜1.5MPa(絶対)であることが有利である。
こうして得られたイソブテンは、例えば第5表中に挙げられている組成を有することができる:
第5表:市場で慣用のイソブテンの典型的な組成
Figure 0005528443
これから、イソブテン中に含有されている線状ブテン(1−ブテン、2−ブテン)を工業的に有意義に分離することは可能ではない。線状ブテンの形成は、特にMTBE中に含有されていることがありうるMSBEの分解により行われる。従って、塔(K2)中のMSBEの完全な分離によって、線状ブテンの形成を避けることができる。しかしながら、蒸留コストを制限するためには、MSBEの低い濃度を許容することが有利でありうる。このことは、殊にこの方法の工程a)で、MSBEよりもMTBEをより早く分解する触媒を使用する場合に可能である。
しかしながら、純度要求に応じて、必要とあれば副成分の低い濃度も達成可能である。
本発明の方法で製造されたイソブテンは、例えばメタクリル酸、メチルメタクリレート、ジイソブテン、ポリイソブテン、アルキルフェノール、塩化メタリル又はスルホン酸メタリルの製造のために使用することができる。この分解時に得られるメタノールもイソブテンも、メチルメタクリレートの製造のために使用できることは、殊に有利でありうる。メチルメタクリレートを製造するためのこのような方法は、例えばEP 1254887中に記載されており、この記載を参照できる。
次の実施例につき、本発明を説明する。
実施例
例1
分解を、それを熱媒体油(Sasol Olefins & Surfactans GnbHのMarlotherm SH)が流過する加熱ジャケットを有する反応管中で実施した。触媒として、マグネシウムドーピングされたシリカ−アルミナを使用した。触媒の製造を、DE 10 2006 040432、例2に相応して行った。出発物質として、通常は燃料添加物ではなく溶剤として使用される、高純度のMTBE(Firma Evonik Oxeno GmbHのDRIVERON-S)を用いた。
反応器中への導入の前に、MTBEを蒸発器中で、300℃で完全に蒸気化させた。280℃の温度(この反応器ジャケットの流入分中のMarlothermsの温度)で分解を実施し、反応器の端部でのガス定流量保持(Druckhaltung)によって、圧力を常に0.7MPa(絶対)に調節した。MTBE流入分を、常に1500g/h(これは、314gの触媒量の場合に、4.78h-1のWHSV値に相当する)に調節した。この反応器を出るガス状の分解混合物を完全に凝縮させ、ガスクロマトグラフィ分析を行った。
1006時間の使用時間の後に、選択された反応条件下でのMTBEの変換率は98%であった。分解生成物イソブテン及びメタノールと共に、第6表中に挙げられている副産物が検出された。
第6表:反応器流入物、反応器流出物の分析(それぞれ質量部)
Figure 0005528443
ジメチルエーテル(DME)及びC−炭化水素に加えて、付加的に更なる副産物(イソプレン、ジメトキシメタン、イソブタン)が低い濃度で形成されることが明らかである。1,3−ブタジエンの形成は、使用されたMTBE中の3−メトキシ−1−ブテンの存在に帰因する。原料は実際に2−メトキシブタン(MSBE)不含であるので、実質的な量の線状ブテンは形成されない。
例2及び3の説明
次の例2及び3で、定常シュミレーシヨンプログラムASPEN Plus(Version 12.1 der Firma Aspen Tech)を用いて、全プロセスにおける中沸点物形成の影響を示す計算を行った。
再現可能な明白なデータを得るために、一般に入手可能な物質データのみを使用した。更に全ての変更法で、反応性蒸留の使用を放棄した。この単純化によって、当業者にとっては、この計算を追体験することは容易に可能である。使用されたこの方法は、工業装置の説明に足る充分な正確性を有しないが、この結線(Schaltung)の質的な違いは正確に把握される。記載の全ての変法で、反応性蒸留の使用によってMTBE−変換率を高めることができる。
この例中では、プロパティ−法"UNIFAC−DMD"(J. Gmehling,J.Li,及びM.Schiller,Ind.Eng. Chem. Res. 32,(1993),pp.178-193参照)を使用した。この反応器Rのために、それぞれ、100リットルの反応器容積をモデル化し、この際、形式的に酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素から成り、その製造がDE 10 2006 040432中に記載されている触媒の充填を行う。
この反応器モデル化のために、この計算では、この触媒を用いる多くの実験的測定データに基づく反応速度論的反応器モデル(ein kinetisches Reaktormodell)を使用した。従ってこの例中には、それぞれ、反応器モデル化時に採用された反応温度も挙げられている。それぞれ、反応工程の流入分及び流出分の組成も挙げられているので、当業者にとっては、反応器の所定の固定変換率での調整によって、この反応速度論の正確な方程式を知らずに、この例を検算する(nachrechnen)ことが可能である。
例2
この例2は、図3中に示されている変法に対応している。図3によれば、MTBE−分解装置への供給分として、第7表中に挙げられている組成を有するMTBE−流分1a(装入物−MTBE)100kg/hを採用している(典型的な燃料−MTBE、第2表と比較)。
第7表:例2のMTBE−分解装置中へのMTBE−装入流分1aの組成
Figure 0005528443
装入−MTBE1aを、返送流分10と混合して、塔K1に供給する。この返送流分10は、塔4の留出物流であり、これは分解反応器(R)中で反応しなかったMTBE、副成分ジイソブテン、MSBE及びメタノールの全量を含有している。更にこの流分は、分解反応器中で生じた中沸点物(この例では、イソプレン及びジメトキシメタン)をも含有している。戻り流分10の及びこの混合物から生じる塔1への供給流分の認定組成が、第8表中に示されている。
第8表:例2の返送流分10及び塔K1の供給流分の組成
Figure 0005528443
例2中の塔K1の課題は、装入−MTBE中に含有されているC−及びC−炭化水素の分離と並んで、特に分解反応器(R)中で生じ、返送流分中に含有されている中沸点物(この例ではイソプレン及びジメトキシメタン)のゲート排出(Auschleu-sung)である。この塔は、55の理論段を有し、116の還流比及び0.3MPa(絶対)で操作される。物質添加は、上から数えて段22上に行われる。塔頂温度は、72.4℃であり、塔底温度は87.3℃である。この塔の留出物2は、約68%のMTBEの残留含分を有している。還流比及び/又は分離段数を高めることによって、MTBE含分を減少させることができた。この塔底生成物は、MTBE中及び返送流分中に含有されている低沸点物(C−及びC−炭化水素)を含有していない。同様に、中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンが分離される。
第9表:例2の塔K1の留出物2及び塔底生成物3の組成
Figure 0005528443
低沸点物及び中沸点物の除かれた塔K1の塔底生成物を塔K2中に供給する。塔K2の分離課題は、ジイソブテン及びMSBEの分離である。この塔は、95の理論段を有し、4.2の還流比及び0.95MPa(絶対)の圧力で操作される。物質添加は上から数えて32段上に行われる。塔頂温度は140.5℃であり、塔底温度は154.4℃である。塔頂生成物5としてガス状のフラクシヨンが得られ、これはイソブテン不含であり、MSBE 2100質量−ppmのみを含有している(第10表参照)。MTBEの含有率は約95.5質量%である。塔底生成物4中のMTBEの含有率は約61.8質量%である。還流比及び/又は分離効率を高めることによって、塔底生成物中のMTBEの含有率を更に低めることができる。
第10表:例2の塔K1の留出物流分5及び塔底生成物流分4の組成
Figure 0005528443
塔K2の留出物流分5を、更に反応温度まで加熱の後に、分解反応器(R)に供給する。この反応器を305℃及び0.85MPa(絶対)で操作する。この反応条件下で約94%のMTBE−変換率が生じ、MSBEの変換率は約18%である。この高い反応温度で、副反応により中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンが形成される。この反応条件下で、反応器流出物は、ジメトキシメタン約70ppm及びイソプレン約210ppmを含有している。イソブタン約220ppmが含有されている。第11表は、反応器流出物6の組成を示している。
第11表:例2の反応器流出物6並びに塔K3の留出物流分7及び塔底物流分8の組成
Figure 0005528443
反応器流出物6を部分的に凝縮させ、2相で塔K3に導入する。この塔は、42の理論段を有し、0.7の還流比及び0.65MPa(絶対)の圧力で操作される。物質添加は、上から数えて28段上に行なわれる。塔頂温度は51.3℃、塔底温度は117.1℃である。塔頂生成物7は95質量%を上回る純度を有するイソブテンである(第11表参照)。イソプレン、同様にジメトキシメタンも、塔底から完全に分離される。典型的なイソブテン仕様書で要求される線状ブテンの限界(<1000質量−ppm)及びC−炭化水素の限界(<1000質量−ppm)が確実に保持されている。必要な場合には水での抽出によってメタノールを除去することができ、残留水及びDMEを、引き続く蒸留によって分離し、イソブテンを99.9質量%より高い純度まで濃縮させることができる。
塔K3の塔底生成物8は、主に反応しなかったMTBE(約14質量%)及びメタノール(約84質量%)から成っている。更にこの流分は、反応で生じた中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンの全量を含有している。更に、特に反応しなかったMSBE、TBA、水及び反応により生じたジイソブテンを含有している。この流分は、塔K4に導入される。
第12表:例2の塔K4の塔底流分9の組成
Figure 0005528443
塔K4は、35の理論段を有し、1.9の還流比及び0.1MPa(絶対)の圧力で操作される。物質添加は、上から数えて10段上で行われる。塔頂温度は51.3℃、塔底温度は64.4℃である。第12表は、塔底生成物9の組成を示しており、塔K4の留出物10の組成は、第8表中にも記載されている。この塔中で、MTBE、MSBE及びジイソブテンが、一定量のメタノールと共に塔頂を経て留出される。この場合に、これら成分とメタノールとの共沸混合物形成が利用される。付加的に、全ての低沸点物及び中沸点物(DME、ブテン、C−炭化水素、イソプレン、ジメトキシメタン)も充分に分離されて、99質量−%を上回るメタノールを有する非常に純粋な塔底生成物を得ることができる。塔K4の留出物10は、塔K1の供給物に混入される。
例3
例3は、図4中に示されている変法に相当する。図4によれば、MTBE−分解装置への供給物として、第13表中に挙げられている組成のMTBE−流分1a(装入−MTBE)100kg/hを採用する。
例2(比較の第7表)と比べて、この装入流分は、より低いMSBE及びジイソブテン含有率を有するので、反応部の前でのこれら成分の分離を放棄することができ、図4におけるように、塔K5の側流でのゲート排出を行うことができる。
第13表:例3のMTBE−分解装置中へのMTBE−装入流分1aの組成
Figure 0005528443
装入−MTBE 1aを、返送流分12と混合して、塔K1に供給する。返送流分12は、反応部(R)中で反応しなかったMTBEの大部分、副成分ジイソブテン及びMSBE及びメタノールを含有している塔K5の留出物流である。更にこの流分は、反応部中で生じた中沸点物(この例では、イソプレン及びジメトキシメタン)を含有している。戻り流分12及びこの混合物から生じる塔K1への供給物流分の組成が、第14表中に示されている。
第14表:例3の返送流分12及び塔K1への供給物流分の組成
Figure 0005528443
塔K1の課題は、装入−MTBE中に含有されているC−及びC−炭化水素の分離と並んで、特に、返送流分中に含有されている、反応部中で生じた中沸点物(この例では、イソプレン及びジメトキシメタンである)のゲート排出である。この塔は60の理論段を有し、197の還流比及び0.3MPa(絶対)の圧力で操作される。物質添加は、上から数えて25段上に行われる。塔頂温度は48.2℃であり、塔底温度は105.8℃である。この塔の留出物2は、MTBE15質量%の残留含分を有している。還流比及び/又は分離段数を高めることによって、MTBE−含分を更に減少させることができる。この塔底生成物は、MTBE中及び返送流分中に含有されている低沸点物(C−及びC−炭化水素)を含有していない。同様に、中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンは完全に分離される。
第15表:例3の塔K1の留出物流分2及び塔底生成物3の組成
Figure 0005528443
低沸点物及び中沸点物を含有しない塔K1の塔底生成物を、液状で反応圧まで加圧し、加熱し、かつ蒸留させて、ガス状で、反応器中の反応温度に相応する温度で、反応部(R)に供給する。反応温度、反応圧、変換率及び副生成物スペクトルは、例2に比べて変わっていない。従って、この反応器流出物は、ジメトキシメタン約60ppm及びイソプレン約210ppmを含有している。イソブタン約220ppmが含有されている。第16表は、この反応器流出物6の組成を示している。
第16表:例3の反応器流出物6並びに塔K3の留出物流分7及び塔底物流分8の組成
Figure 0005528443
反応器流出物6を部分的に凝縮させ、2相で塔K3に供給する。塔K3の段数、物質添加位置、還流比及び作動圧は、例2に比べて変わっていない。塔頂温度は51.3℃であり、塔底温度は116.9℃である。塔頂生成物7は95質量%を上回るイソブテン純度を有するイソブテンである(第16表参照)。イソプレン、同様にジメトキシメタンは、塔底を経て完全に分離される。典型的なイソブテン仕様書に要求されている線状ブテンの限界(<1000質量−ppm)及びC−炭化水素の限界(<1000質量−ppm)は確実に保持されている。必要な場合には水での抽出によりメタノールを除去することができ、残留水及びDMEは、引き続く蒸留により分離され、イソブテンは、99.9質量%を上回る純度まで濃縮されうる。
塔K3の塔底生成物8は、主に反応しなかったMTBE(約15質量%)及びメタノール(約84質量%)から成っている。更にこの流分は、この反応により生じた中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンの全量を含有している。更に特に、反応しなかったMSBE、TBA、水及び反応により生じたジイソブテンを含有している。この流分は、塔K5に導入される。
第17表:例3の塔K5の塔底物流分9及び側流分11の組成
Figure 0005528443
塔K5は、62の理論段を有し、14.5の還流比及び0.15MPa(絶対)の圧力で操作される。物質添加を、上から数えて36段上で行う。上から数えて25段上で側流分を液状で引き出す。塔頂温度は61℃であり、塔底温度は75.1℃である。塔底生成物9及び側流分11の組成が第17表中に示されており、塔K4の留出物10の組成は第14表中に共に挙げられている。
この塔中で、供給物流分8中に含有されているMTBE並びにMSBEの主要部が、少量のメタノールと一緒に塔頂から留出される。この場合に、これらの成分とメタノールとの共沸混合物形成が利用される。加えて、全ての低沸点物(DME、ブテン及びペンタン)及び反応部中で生じた中沸点物(イソプレン、ジメトキシメタン)が塔頂から分離される。留出物12は、反応部中に返送される。
側流分11は、完全なジイソブテン、付加的なMTBE、メタノール及びMSBE、並びに中沸点物イソプレン及びジメトキシメタンを痕跡量で含有している。MSBEのゲート排出によって、この成分が循環内で不所望の濃度まで濃度増加することはできない。この循環中でのMSBEの濃度の限定によって、これと同時に、イソブテン生成物中の、反応部中でのMSBEの分解によって生じる線状ブテンの不当に高い値が避けられる。
塔底生成物9として非常に純粋なメタノールが得られ、これは99質量%を上回る純度を有し、ジイソブテン不含である。唯一の副成分として、TBA及び水が含有されている。必要な場合には、このメタノールを、もう一つの蒸留工程でTBA及び水から分離して、なお高い純度まで濃縮させることができる。

Claims (14)

  1. 次の工程:
    a) 反応器R中での、MTBEの分解によって、イソブテン、メタノール、MTBE並びに副産物から成る反応生成物の流分(6)を生成する工程
    ここで、この副産物は、
    a1)0.1MPaの圧力で55℃を上回る沸点範囲を有する高沸点物;
    a2)0.1MPaの圧力で12〜55℃の沸点範囲を有する中沸点物;及び
    a3)0.1MPaの圧力で12℃を下回る沸点範囲を有する低沸点物
    から成っており;
    b) 反応生成物の流分(6)の蒸留分離により、生成物イソブテン及び低沸点物を含有している流分(7)と、MTBE、メタノール、中沸点物及び高沸点物を含有している流分(8)とを生じさせる工程;
    c) 流分(8)の蒸留分離により、MTBE含有中沸点物流分(10、12)と、メタノール含有高沸点物流分(9、11)とを得る工程;
    d) MTBE含有中沸点物流分(10、12)を、MTBE−含有装入物質(1a)と一緒にして、反応器Rに供給する工程、ここで、MTBE含有中沸点物流分(10、12)を、MTBE−含有装入物質(1a)と一緒にする前に、又はMTBE−含有装入物質(1a)と一緒にしてから反応器Rに供給する前に、MTBE含有中沸点物流分(10、12)から中沸点物を完全に又は部分的に分離する;
    を包含している、MTBE−含有混合物からイソブテンを製造する方法。
  2. 前記分解を、固体触媒に接して行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分解を、150〜500℃の温度範囲で実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記分解を、0.05〜2MPaの圧力範囲で実施することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記分解を、低くても150℃の反応器中への導入温度で実施することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記分解に供給されるMTBE−含有装入物質流分を予め蒸留させ、この蒸留の作動圧が、この分解反応の作動圧よりも少なくとも0.05MPa上回っているようにすることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記分解の後に接続されている反応生成物の流分(6)の蒸留を、分解反応の作動圧よりも少なくとも0.05MPa下回っている作動圧で実施することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. この方法の工程c)でMTBE含有中沸点流分(10、12)をMTBE−含有装入物質と一緒にし、この全流分から、高沸点物、中沸点物及び/又は低沸点物を分離することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 低沸点物、中沸点物及び高沸点物の蒸留分離を、少なくとも2つの蒸留塔中で行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 第1の蒸留塔中で、低沸点物及び中沸点物を塔頂生成物として、もう一つの蒸留塔中で、高沸点物を塔底生成物として分離することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 低沸点物はジメチルエーテル及び/又はC−炭化水素を含有していることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 中沸点物はジメトキシメタン及び/又はC−炭化水素を含有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 中沸点物はイソプレンを含有していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 高沸点物は2−メトキシブタン及び/又はC−炭化水素を含有していることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
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