JP5532097B2 - 冷蔵庫用扉及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は冷蔵庫用扉及びその製造方法に関するものである。
一般に冷蔵庫は、断熱性を有する冷蔵庫本体内に冷蔵室、冷凍室、野菜室等を設け、これら各冷蔵室、冷凍室、野菜室等は扉によって開閉可能に構成してある。
上記扉は、冷蔵庫本体の前面となる前板と、冷蔵室、冷凍室、野菜室等の内面となる内フレームと、これら前板と内フレームとを一体に連結する枠体との間にウレタンを充填発泡させて、冷蔵庫本体と同様断熱性を有するように構成してある。
このような冷蔵庫扉の前板は冷蔵庫全体の見栄え、すなわち意匠に大きな影響を与え、その仕上がりは冷蔵庫全体の品位を大きく左右する。
そこでこの扉の意匠性を向上させるべく扉の前板をガラス板で構成したものが見られる(例えば、特許文献1参照)。
図8は上記特許文献1で提案された扉を示し、その前板101は模様等の着色層102をシルク印刷によって形成した着色ガラス板103で構成してあり、当該着色ガラス板103と内フレーム104と枠体105との間にウレタン106を充填発泡させて構成してある。
上記従来の構成によれば、着色層102の手前に着色ガラス板103の透明層が位置するため、着色の色に深みが加わって質感が増し、金属製あるいは樹脂製の塗装前板に比べるとその意匠性が向上する利点がある。
しかしながら、上記従来の扉は枠体105に着色ガラス板挿入部107を設け、この着色ガラス板挿入部107に前記着色ガラス板103をはめ込んで着色ガラス板103を保持していたため、この着色ガラス板挿入部107の縁部が着色ガラス板103の前面周囲に露出し、着色ガラス板103を用いて向上させた意匠性を損なうという課題があった。
また、この着色ガラス板挿入部107の縁部と着色ガラス板103表面との境界部にはごく微細な誇りや塵埃等が付着堆積していき、この微細なほこりや塵埃等は拭きとろうとしても完全にふき取ることができず、縁部に沿って線状に見え始めるようになる。これは着色ガラス板103の着色が白色系であれば短期間の使用で目立ちはじめ、使用期間が長くなるにつれて大きく目立つようになり、冷蔵庫の美観を大きく損ねる。
そこで出願人はこのような課題を解決すべく、枠体105の着色ガラス挿入部107を廃止して、着色ガラス板103を発泡ウレタン106の接着力で接着保持させ、着色ガラス板103の端部をそのまま露出状態としたものを試作してみた。
その結果、この扉は、ウレタンの充填発泡後、当該発泡ウレタン106の熱収縮によって着色ガラス板103の外周部が内側に反る変形が生じることが見出された。これはウレタン発泡工程で内フレーム104やウレタン106は膨張し、工程終了後、熱収縮するが、その熱収縮は外周部ほど大きく、その際、着色ガラス板103はさほど熱収縮しないので、着色ガラス板103の外周部は発泡ウレタン106との接着によって当該発泡ウレタン106の熱収縮に引っ張られて反り変形するのであった。
更に、この反り変形は、冷蔵庫の運転によってもわずかではあるが経年的に進行していく。すなわち冷蔵庫の運転によって、発泡ウレタン106は、扉内側では冷却され熱収縮するのに対し、扉外側では外気温とほぼ同じ温度となっていてそのままであるため、扉外周部が扉内側に向かって反るような形に変形が進行していくのであった。この反り変形は前記扉成形時の反りを含めても2mm程度と極めて少ないものであるが、冷蔵室の扉のように面積の大きな扉にあっては使用者が気づくレベルのものになり、意匠性を低下させてしまう。
上記課題は、着色ガラス板103を発泡ウレタンに接着保持させなければ解決することができるが、その場合は従来と同様、枠体105に着色ガラス板挿入部107を設けて当該着色ガラス板挿入部107に着色ガラス板103を保持させる必要があり、着色ガラス板挿入部107の縁部が着色ガラス板103の前面周囲に露出し、意匠性を損なうという課題が残ってしまう。
本発明はこの様な点に鑑みてなしたもので、着色ガラス板等の透明前板挿入部を廃止して意匠性を高めつつ、透明前板の反り変形を防止して、長期間に亘って透明前板の平面度を維持でき、かつ、意匠性も良好に維持できる冷蔵庫用扉を提供するものである。
本発明は上記目的を達成するため、その扉は、貯蔵室の内側に位置する内フレームと、前記内フレームを覆うようにその内フレームの縁枠に配置したガラス板等の着色層付きの透明前板と、前記透明前板と内フレームと縁枠との間の空間に充填し発泡させた発泡ウレタンとからなっていて、前記透明前板は発泡ウレタンによって接着保持しその外周部は透明前板挿入部等で覆うことなくそのまま露出状態とした構成とするとともに、前記透明前板は少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とした構成としてある。
これにより、透明前板を用いたことによる高い質感を発揮させることができるとともに、透明前板を発泡ウレタンによって接着保持させて透明前板挿入部を廃止し意匠性を高めることができ、かつ、それでいて、すなわち透明前板を発泡ウレタンに接着保持させていても、発泡ウレタンの熱収縮による透明前板の反り変形を防止し、発泡ウレタンの熱収縮力と透明前板の剛性力が均衡して少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内となって透明前板の平面度を保つことができ、反り変形が少なく、かつ、質感の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
本発明は、着色ガラス板等の透明前板挿入部を廃止して意匠性を高めつつ、透明前板の反り変形の少ない冷蔵庫用扉を提供することができる。
第1の発明は、冷蔵庫の貯蔵室を開閉する扉であって、上記扉は、貯蔵室の内側に位置する内フレームと、前記内フレームを覆うようにその内フレームの縁枠に配置したガラス板等の着色層付きの透明前板と、前記透明前板と内フレームと縁枠との間の空間に充填し発泡させた発泡ウレタンとからなっていて、前記透明前板は発泡ウレタンによって接着保持しその外周部は透明前板挿入部等で覆うことなくそのまま露出状態とした構成とするとともに、前記透明前板は少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とし、前記発泡ウレタンはその外周部の発泡密度を中央部分の発泡密度より高くした構成としてある。
これにより、透明前板を用いたことによる高い質感を発揮させることができるとともに、透明前板を発泡ウレタンによって接着保持させて透明前板挿入部を廃止し意匠性を高めることができ、かつ、それでいて、すなわち透明前板を発泡ウレタンに接着保持させていても、発泡ウレタンの熱収縮による透明前板の反り変形を防止し、発泡ウレタンの熱収縮力と透明前板の剛性力が均衡して少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内となって透明前板の平面度を保つことができ、反り変形が少なく、かつ、質感の高い冷蔵庫用扉とすることができる。また、発泡ウレタンの外周部は発泡密度が高い分ウレタンそのものの量が多くなっていて、当該発泡ウレタンの外周部分の熱収縮変形は中央部分の熱収縮変形に比べ少ないものとなるから、発泡ウレタン全体で見た場合の熱収縮変形は発泡ウレタン全面に亘ってほぼ同じ程度となって外周部が反ったような形になりにくい。したがって、透明前板もその外周部の反り変形防止はもちろん、発泡ウレタンの内外温度差によって経年的に進行する可能性のある反り変形の進行も抑制できることになり、透明前板をより平坦にし、かつその平面度を長期間に亘って維持することができる。第2の発明は、冷蔵庫の貯蔵室を開閉する扉であって、上記扉は、貯蔵室の内側に位置する内フレームと、前記内フレームを覆うようにその内フレームの縁枠に配置したガラス板の着色層付きの透明前板と、前記透明前板と内フレームと縁枠との間の空間に充填し発泡させた発泡ウレタンとからなっていて、前記透明前板は発泡ウレタンによって接着保持しその外周部は透明前板挿入部等で覆うことなくそのまま露出状態とした構成とするとともに、前記透明前板は少なくとも長辺
長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とし、前記発泡ウレタンはその外周部の単位体積当たりの重量が中央部分の単位体積当たりの重量よりも重くなるようにした構成としてある。これにより、発泡ウレタンの外周部分の熱収縮変形は中央部分の熱収縮変形に比べ重量が重い分ウレタンそのものの量が多くなっていて少ないものとなるから、発泡ウレタン全体で見た場合の熱収縮変形は発泡ウレタン全面に亘ってほぼ同じ程度となって外周部が反ったような形になりにくい。したがって、透明前板もその外周部の反り変形防止はもちろん、発泡ウレタンの内外温度差によって経年的に進行する可能性のある反り変形の進行も抑制できることになり、透明前板をより平坦にし、かつその平面度を長期間に亘って維持することができる。
長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とし、前記発泡ウレタンはその外周部の単位体積当たりの重量が中央部分の単位体積当たりの重量よりも重くなるようにした構成としてある。これにより、発泡ウレタンの外周部分の熱収縮変形は中央部分の熱収縮変形に比べ重量が重い分ウレタンそのものの量が多くなっていて少ないものとなるから、発泡ウレタン全体で見た場合の熱収縮変形は発泡ウレタン全面に亘ってほぼ同じ程度となって外周部が反ったような形になりにくい。したがって、透明前板もその外周部の反り変形防止はもちろん、発泡ウレタンの内外温度差によって経年的に進行する可能性のある反り変形の進行も抑制できることになり、透明前板をより平坦にし、かつその平面度を長期間に亘って維持することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、透明前板はその外周部を扉外側に反らせた状態で発泡ウレタンを充填発泡させた構成としてある。
これにより、透明前板の外周部は発泡ウレタン外周部の熱収縮に伴って基の平坦面状態に戻るような形となっていくから、透明前板の平面度が確保され、反り変形が少なく平面度の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
第4の発明は、第1または第2の発明にいて、透明前板はその線膨張係数を発泡ウレタンの線膨張係数より小さく設定した構成としてある。
これにより、透明前板は発泡ウレタンに比べ熱収縮しにくく、発泡ウレタンがある程度熱収縮して透明前板が平坦面状態となった以降透明前板は熱収縮変形することがほとんど無くなって、それ以上の発泡ウレタンの熱収縮変形を抑制、すなわち、透明前板の熱収縮変形を抑制することになる。したがって、透明前板の平面度が高いものとなる。
第5の発明は、第1〜第4の発明において、内フレームと透明前板との間の発泡ウレタンに真空断熱板を埋設配置した構成としてある。
これにより、真空断熱板が持つ剛性に加え次のような作用によって発泡ウレタンの熱収縮変形を抑制することができ、透明前板の反り変形をより少なくすることができる。すなわち、上記発泡ウレタンは充填したウレタンが板体の周囲を回りこんで透明前板側から内フレーム側へと流れながら発泡するため、内フレーム側と透明前板側との発泡密度に差が生じ、内フレーム側の方の発泡密度が高くなってウレタン量も多くなっている。そのため、この内フレーム側の発泡ウレタンの方が透明前板側の発泡ウレタンに比べ熱収縮を起こしにくいものとなる。そして、この内フレーム側の発泡ウレタンは冷蔵庫内からの冷気によって冷却され熱収縮を起こしやすい方であるため、この熱収縮しやすい内フレーム側の発泡ウレタンを熱収縮しにくくすることができるところから、扉全体としてのソリ変形を少ないものとすることができ、透明前板の経年的なソリ変形の発生が防止できるのである。
また、透明前板をガラス板とした場合、ガラスは比熱が大きく、内フレーム等からの伝熱により一旦冷却されると、高湿の外気や扉開閉時の冷気と接触して結露を生じ発汗し易くなる独自の課題があるが、真空断熱板によって伝熱遮断され、発汗を防止できる利点もある。
第6の発明は、第1〜第5の発明において、透明前板の外周縁は縁枠の外周縁より内側に位置させた構成としてある。
これにより、発泡ウレタンと接着し、当該発泡ウレタンの熱収縮力によって常に応力がかかっている透明前板の外周縁を縁枠によって保護し外力が加わるのを防止することができ、わずかな外力が加わっても破損しやすくなっている透明前板の破損を確実に防止することができ、意匠性とともに信頼性をも向上させることができる。
第7の発明は、透明前板および縁枠を金型にセットし、その後、当該縁枠と透明前板とで構成した空間にウレタンを充填した後、内フレームを前記縁枠にかぶせ所定圧にて押し付けて前記透明前板の外周部を外向きに反らせた状態でウレタンを発泡させ、透明前板、縁枠、内フレームを発泡ウレタンで一体化した冷蔵庫用扉の製造方法である。
この方法によれば、発泡ウレタンの固形化時の熱収縮によって扉成形時に外向きに反らせた透明前板の外周部の反りが略平面に戻る形となり、その状態で発泡ウレタンの熱収縮力と透明前板の剛性力とが均衡して透明前板は略平面状態となり、当該透明前板は少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内となる。よって、第1の発明と同様、発泡ウレタンの熱収縮に
よる透明前板の反り変形が少なく、かつ、質感の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
よる透明前板の反り変形が少なく、かつ、質感の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
第8の発明は、第7の発明において、透明前板の外周部に縁枠を配置した後、当該縁枠と透明前板とで構成した空間に真空断熱板を透明前板との間に間隙を置いて配置し、その後前記縁枠と透明前板とで構成した空間にウレタンを充填して発泡させる方法である。
これにより、扉成形時に真空断熱板を発泡ウレタン中に埋設して透明前板の反り変形をより確実に防止できる。第9の発明は、第1〜6の発明の前記ガラス板を樹脂板に置き換えたもので、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態ではガラス板等の透明前板外周部を保持する透明前板挿入部を廃止したことにより懸念される透明前板の接着保持力を強化する構成、特に透明前板に付与する着色層が原因となる透明前板の剥がれにも対応したものを例にして説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の外観斜視図、図2は同冷蔵庫の概略断面図、図3は同冷蔵庫の扉の一つを示す斜視図、図4は同冷蔵庫の扉の分解斜視図、図5は同図3のA−A断面図、図6は同図3のB−B断面図、図7は扉の製造工程を示す説明図である。
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の外観斜視図、図2は同冷蔵庫の概略断面図、図3は同冷蔵庫の扉の一つを示す斜視図、図4は同冷蔵庫の扉の分解斜視図、図5は同図3のA−A断面図、図6は同図3のB−B断面図、図7は扉の製造工程を示す説明図である。
図1、図2において、冷蔵庫本体1は、前方に開口する金属製(例えば鉄板)の外箱2と、硬質樹脂製(例えばABS)の内箱3と、これら外箱2と内箱3との間に発泡充填した硬質の発泡ウレタン4からなる。上記冷蔵庫本体1はその内部に、冷蔵室5と、冷蔵室5の下に位置する切替室6及び切替室6に並設した製氷室7と、切替室6及び製氷室7の下部に位置する冷凍室8と、冷凍室8の下部に位置する野菜室9とを有する。また、前記冷蔵室5の前面は、例えば観音開き式の扉10,10により開閉自由に閉塞し、切替室6及び製氷室7と冷凍室8と野菜室9の前面部は引き出し式の扉11,12,13,14によって開閉自由に閉塞してある。
冷蔵庫本体1の背面には冷却室16があり、冷気を生成する冷却器17と、冷気を各室に供給する送風ファン18とが設けてある。また、上記冷蔵庫本体1の本体天面奥部には圧縮機19が設けてあり、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ20と、キャピラリーチューブ21と、前記した冷却器17とを順次環状に接続してなる冷凍サイクルに冷媒を封入し、冷却運転を行うように構成してある。
ここで、上記各扉10〜14は冷蔵庫本体1と同様硬質のウレタンを充填発泡させて断熱性を持たせて長方形に形成してあり、更に意匠性を向上させるべくその前面をガラス板等の透明前板で構成してある。
以下、扉10の場合を例にしてその構成について図3〜図6を用いて説明する。なお、扉10以外の扉11〜14も同様の構成である。
図3〜図6において、23は冷蔵庫本体1の内側に位置することになる内フレームで、例えばABS樹脂で形成してある。24はこの内フレーム23の周端面に結合固定した縁枠で、同じくABS樹脂で形成してある。25は前記内フレーム23を覆うようにその縁枠24に積層配置したガラス板等の透明前板(以下、ガラス板と称す)で、この実施の形態では光沢のある強化ガラス板で形成してある。
このガラス板25は図5、図6に示すようにその内面に接着剤26を介して樹脂フィル
ム27が貼り付けてあり、この樹脂フィルム27に絵模様、例えばヘアーラインのような金属調模様からなる着色層28が形成してある。これによって、前記ガラス板25は、あたかも着色層付きのガラス板となる。前記樹脂フィルム27はこの実施の形態では透明性が高く機械的強度の高いポリエチレンテレフタレートを用い、着色層28はホワイト系ではガラス板25とは反対側面に形成し、グレー系ではガラス板25側に形成してある。図面ではガラス板25とは反対側面に形成した場合を示している。
ム27が貼り付けてあり、この樹脂フィルム27に絵模様、例えばヘアーラインのような金属調模様からなる着色層28が形成してある。これによって、前記ガラス板25は、あたかも着色層付きのガラス板となる。前記樹脂フィルム27はこの実施の形態では透明性が高く機械的強度の高いポリエチレンテレフタレートを用い、着色層28はホワイト系ではガラス板25とは反対側面に形成し、グレー系ではガラス板25側に形成してある。図面ではガラス板25とは反対側面に形成した場合を示している。
29は前記ガラス板25の樹脂フィルム27側の面と内フレーム23と縁枠24との間の空間に充填発泡させた硬質のウレタンで、発泡によって内フレーム23及び縁枠24とともに前記ガラス板25内面の樹脂フィルム27に接着し、当該樹脂フィルム27を介してガラス板25を接着保持している。
ここで、前記内フレーム23の縁枠24は従来例で説明したような着色ガラス板挿入部を有しておらず、前記ガラス板25はその外周部をそのまま露出させた構成としてある。更に上記ガラス板25はその外周縁を図6に示すように縁枠24の外周縁24aより若干内側に位置させた構成としてある。
また、前記ガラス板25は前記発泡ウレタン29に生じる熱収縮に抗して平面を維持する構成としてある。この実施の形態では、例えば、ガラス板25はその外周部をあらかじめ扉外側に反らせた状態で発泡ウレタン29を充填発泡させて構成することにより、発泡ウレタン29の熱収縮に抗して平面を維持する構成としてある。
加えて、上記ガラス板25はその線膨張係数が9.5〜11×10^(−5)/℃のものを選定し、かつ、内フレーム23及び縁枠24もその線膨張係数が0.85〜0.9×10^(−5)/℃と程度としてあり、発泡ウレタン29の線膨張係数10〜20×10^(−5)/℃に比べ、ガラス板25や内フレーム23及び縁枠24の線膨張係数は小さなものとなり、この様な構成とすることによってもガラス板25が平面度を維持するようにしてある。
更に、発泡ウレタン29はその外周部の発泡密度を中央部分の発泡密度より高くして、外周部の収縮度合いが中央部分の収縮度合いより少なくなる構成とすることによっても、ガラス板25が発泡ウレタン29の熱収縮に抗して平面を維持する構成としてある。この発泡密度を外周部のほうが高くなるようにするのは、例えば、内フレーム23の発泡ウレタン外周部分に相当する位置に空気抜き孔を設けて、この空気抜き孔部分でウレタンがコア発泡するようにすれば形成できる。
また、前記内フレーム23とガラス板25との間にはそのほぼ全域わたって真空断熱板30を埋設配置してあり、この真空断熱板30が持つ剛性と断熱性によってもガラス板25が発泡ウレタン29の熱収縮に抗して平面を維持する構成としてある。
一方、この実施の形態の扉は、ガラス板25の外周部を保持するガラス板挿入部を廃止したことにより懸念されるガラス板25の接着保持を確実化する構成を備えており、以下その構成を説明する。
まず、前記ガラス板25は既述した通り着色層28を形成した樹脂フィルム27を接着剤26によって貼り付けることにより着色ガラス板としてある。そして、前記樹脂フィルム27の発泡ウレタン側の面には易接着層32を形成し、この易接着層32を介して発泡ウレタン29と接着した構成としてある。上記易接着層32は樹脂フィルム27の表面をコロナ処理やプラズマ処理を施したり、ポリエステル系やウレタン系の接着剤を塗布して、形成することができる。この実施の形態ではポリエステル系接着剤を塗布して構成して
ある。
ある。
また、すでに述べたとおり前記ガラス板25の樹脂フィルム27側の面と内フレーム23と縁枠24との間の空間に充填発泡させた発泡ウレタン29は、その発泡密度をガラス板25の中央部分より外周部分の方を高く設定してある。
更に、前記ガラス板25の樹脂フィルム27と内フレーム23の縁枠24とは図5に示すように両面テープ31によって接着してある。
更に、この実施の形態では、同図5に示すように前記内フレーム23の縁枠24のうち、ガラス板25の下端面に位置する部分には、当該ガラス板25の前面から前方に飛び出すことのない程度の寸法、例えば、ガラス板25の前面から2mm以内後方の位置までは飛び出してガラス板下端面に重合する透明前板支持片(以下、ガラス板支持片と称す)24bを設け、ガラス板25の重量を支えるように構成してある。
以上のように構成した上記冷蔵庫の扉10は、ヘアーラインのような金属調模様からなる着色層28がガラス板25及び樹脂フィルム27からなる透明層の内側に位置するため、着色の色に深みが加わり、その意匠性は金属製あるいは樹脂製の塗装前板に比べると大きく向上する。特にこの実施の形態では前記着色層28は樹脂フィルム27に形成しているので、ローラ等によって形成することができ、ガラス板に直接着色層をシルク印刷するものでは不良率が高くて実質的には得られなかったようなヘアーライン等の精細な模様も形成できて、その意匠性を格段に向上させることができる。
また、上記ヘアーラインを立体的に強調する場合には、ガラス板25側に形成した着色層28とは反対側の樹脂フィルム27の表面に凹凸状の溝を設けて立体形状のヘアーラインを形成し、その表面にクロム蒸着層(図示せず)を形成すればよい。これにより、ヘアーラインが立体的になって意匠性を向上できる。その際、前記蒸着層の材料をクロムとすることで、樹脂フィルム27と蒸着層の端面を起点とする蒸着層の錆発生を防止でき、模様の耐久性を向上させることができる。
しかも、この扉は、ガラス板25を発泡ウレタン29の接着力によって接着保持することにより、従来のガラス板周縁部を覆うガラス板挿入部等を廃止しているので、ガラス板挿入部があるもののように意匠性を損なうことがなく、全面フラット感のあるすっきりとした外観にすることができる。また、ガラス板挿入部とガラス板との間の境界部にほこりや塵埃等が付着堆積してこれが線状に目立ってくることもなく、長期間に亘って初期の高い意匠性をそのまま維持することができる。
一方前記扉はその前面を構成するガラス板25が前記発泡ウレタン29の熱収縮に抗して平面を維持する構成としてあるから、ガラス板25を発泡ウレタン29に接着保持させていても、発泡ウレタン29の熱収縮によるガラス板25の反り変形等を防止して平面を保つことができ、反り変形がなく、かつ、質感の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
すなわち、この実施の形態では、熱収縮に抗して平面を維持するために、ガラス板25はその外周部をあらかじめ扉外側に反らせた状態でウレタンを充填発泡させた構成としてある。したがって、発泡ウレタン29の固形時の熱収縮に伴ってガラス板25の外周部は基の平坦面状態に戻るような形となる。そして、その状態で発泡ウレタン29の熱収縮力とガラス板25の剛性力とが均衡してガラス板25は略平面状態となる。
この略平面状態は、ガラス板25の少なくとも長辺長手方向の垂線(この発明の「垂線」は長辺長手方向が上下方向である場合はもちろん、長辺長手方向が水平方向である場合
の長辺長手方向の水平線も指すものとする)に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内好ましくは0.3%以内となるように設定してあり、この範囲内であれば人の視力による認識ではほぼ反りの無い平面状に見えるようになる。すなわち、ガラス板25は発泡ウレタン29の熱収縮が生じても平面度が確保され、反り変形が少なくなり平面度の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
の長辺長手方向の水平線も指すものとする)に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内好ましくは0.3%以内となるように設定してあり、この範囲内であれば人の視力による認識ではほぼ反りの無い平面状に見えるようになる。すなわち、ガラス板25は発泡ウレタン29の熱収縮が生じても平面度が確保され、反り変形が少なくなり平面度の高い冷蔵庫用扉とすることができる。
このとき、この実施の形態では上記ガラス板25はその線膨張係数が発泡ウレタン29の線膨張係数よりも小さなものとしてあるから、この点からも平面度の高いものとなる。すなわち、ガラス板25は発泡ウレタン29に比べ熱収縮しにくく、ガラス板25が基の平坦面状態に戻った以降は熱収縮変形することがほとんど無くなって、それ以上の発泡ウレタン29の熱収縮変形をガラス板25の剛性によって抑制、すなわち、ガラス板25自体の熱収縮変形を抑制することになる。したがって、ガラス板25の平面度は高いものに維持されるようになるのである。
また、発泡ウレタン29はその発泡密度を中央部分より外周部分のほうが高く(密)なるようにしてあるから、発泡ウレタン29の外周部は気泡密度が高い分ウレタンそのものの量が多くなっている。よって、発泡ウレタン29の外周部分の熱収縮変形は中央部分の熱収縮変形に比べ少ないものとなるから、発泡ウレタン全体で見た場合の熱収縮変形は発泡ウレタン全面に亘ってほぼ同じ程度となって外周部が反ったような形になりにくい。したがって、扉成形時にガラス板25の反り量を大きくしなくてもその反りが戻ったときにはガラス板25は略平面状態とすることができ、その後の発泡ウレタンの熱収縮度合いも少なくなるから、この点からもガラス板25の外周部がウレタン熱収縮によって反ったような形で変形するのが抑制されることになり、より平坦なものとすることができる。しかも発泡ウレタン29の内外温度差によって経年的に進行する可能性のある発泡ウレタン29の反り変形、すなわちガラス板25の反り変形も抑制することができる。
更にまた前記発泡ウレタン29の外周部の単位体積当たりの重量は中央部分の単位体積当たりの重量よりも重くなっているので、ガラス板25の反り変形及びその経年的な進行はより抑制されることになる。すなわち、ガラス板25は扉成形時にその外周部を扉外方に向けてあらかじめ反らせた状態でウレタンを充填発砲させてあるから、このガラス板25を反らせた分だけガラス板25と内フレーム23との間に充填されるウレタン量は中央部分よりも多くなり、この多くなったウレタンがウレタン自体の熱収縮とガラス板25の平面状態への復元力によって圧縮され、単位体積当たりの重量は中央部分に比べ重くなっているのである。これにより、前記した発泡密度の場合と同様、発泡ウレタン29の外周部分は、中央部分の熱収縮変形に比べ重量が重い分ウレタンそのものの量が多くなっていて熱収縮変形しにくいものとなっているから、発泡ウレタン全体で見た場合の熱収縮変形は発泡ウレタン全面に亘ってほぼ同じ程度となって外周部が反ったような形になりにくい。したがって、ガラス板25もその外周部が反ったような形で変形するのが抑制されることになり、より平坦なものとすることができる。しかも発泡ウレタン29の内外温度差によって経年的に進行する可能性のある発泡ウレタン29の反り変形、すなわちガラス板25の反り変形も抑制することができる。
また、この実施の形態の扉においては、前記内フレーム23とガラス板25との間の発泡ウレタン29に真空断熱板30を埋設配置してあるから、真空断熱板30が持つ剛性と断熱性によって発泡ウレタン29の熱収縮変形を抑制することができ、ガラス板25の反り変形を更に少なくすることができる。
すなわち、上記発泡ウレタン29は充填したウレタンが真空断熱板30の周囲を回りこんでガラス板25側から内フレーム23側へと流れながら発泡するため、内フレーム23側の発泡ウレタン29aとガラス板25側の発泡ウレタン29bとの発泡密度に差が生じ
、内フレーム23側の方の発泡密度が高くなってウレタン量も多くなっている。そのため、この内フレーム23側の発泡ウレタン29aの方がガラス板25側の発泡ウレタン29bに比べ熱収縮を起こしにくいものとなる。そして、この内フレーム23側の発泡ウレタン29bは冷蔵庫内からの冷気によって冷却され熱収縮を起こしやすい方であるため、この熱収縮しやすい内フレーム23側の発泡ウレタン29bを熱収縮しにくくすることができるところから、扉全体としてのソリ変形を少ないものとすることができ、ガラス板25の経年的なソリ変形の発生が防止できるのである。
、内フレーム23側の方の発泡密度が高くなってウレタン量も多くなっている。そのため、この内フレーム23側の発泡ウレタン29aの方がガラス板25側の発泡ウレタン29bに比べ熱収縮を起こしにくいものとなる。そして、この内フレーム23側の発泡ウレタン29bは冷蔵庫内からの冷気によって冷却され熱収縮を起こしやすい方であるため、この熱収縮しやすい内フレーム23側の発泡ウレタン29bを熱収縮しにくくすることができるところから、扉全体としてのソリ変形を少ないものとすることができ、ガラス板25の経年的なソリ変形の発生が防止できるのである。
また、ガラスは比熱が大きく、内フレーム23等からの伝熱により一旦冷却されると、高湿の外気や扉開閉時の冷気と接触して結露を生じ発汗し易くなる独自の課題があるが、真空断熱板30によって伝熱遮断され、発汗を防止できる。
一方、上記のように反り変形を防止されたガラス板25はその外周縁を図6に示すように縁枠24の外周縁24aより内側に位置させてあるから、不用意に外力が加わって、ひび割れ、欠け等が発生するのを防止でき、信頼性の高いものとなる。すなわち、ガラス板25は、発泡ウレタン29と接着し、当該発泡ウレタン29の熱収縮力によって常に応力がかかった状態となっているが、そのガラス板25の外周縁は縁枠24よりも内側に位置して当該縁枠24によって保護されているから、不用意に外力が加わるのを防止することができ、わずかな外力が加わっても破損しやすくなっているガラス板の破損を確実に防止することができるのである。
図7は本実施の形態における扉の製造工程を示す。この実施の形態の扉はすでに述べた通り、あらかじめガラス板25の外周部を扉外方に向けて反らせた状態でウレタンを発泡させてある。
そのため、まずaの状態から扉下金型33にガラス板25及び縁枠24をセットし、その後bで示すように縁枠24とガラス板25とで構成した空間にウレタンをノズル34によってガラス板25の長手方向に沿って流し込む(充填する)。その後、直ちにcで示すように内フレーム23をセットした扉上金型35を扉下金型33に押し付け、縁枠24に内フレーム23をかぶせた状態でそのまま更に所定圧力で加圧する。
ここで、上記扉上下金型33、35は図面から明らかなように外周部分が扉外側向きに反るような円弧状としてあり、そのため前記加圧によって内フレーム23はもちろんガラス板25もその外周部が扉外側向きに反るような形になり、その状態で前記ウレタンが発泡を始め、dに示すようにガラス板25、縁枠24、内フレーム23内に充満しこれらを一体化する。この状態でeに示すように扉上下金型33、34を離反させると、扉が得られる。
このときの扉はeに示すように円弧状に反った形となっているが、この時点で発泡ウレタン29は常温近くまで温度低下して熱収縮を起こし、これとともに内フレーム23も温度低下して熱収縮を起こす。その際、ガラス板25は内フレーム23とともに外周部分が扉外方側に向かって反っていたのでこの反りがなくなるような形になるとともに、ガラス板25の外周部の反りも自身の復元力によって元の状態に復元し、fで示すようにその全面が平坦面となる。なお、図面では円弧状の反り寸法を誇張して記載しているが、実際は数ミリ、例えば1〜2mm程度のものである。
その際、すなわち、前記ガラス板25と縁枠24を配置した後、前記縁枠24とガラス板25とで構成した空間にウレタンを充填し、その後図示しないものの、当該縁枠24とガラス板25とで構成した空間に真空断熱板30をガラス板25との間に間隙を置いて配置し、その後内フレーム23をかぶせる。これにより、ウレタンはガラス板25の上面か
ら真空断熱板30の周縁部へと広がりながら発泡し、そのまま当該真空断熱板30の周縁部を乗り越え、真空断熱板30と内フレーム23との間に廻り込んで発泡し、真空断熱板30を取り囲むような形で発泡固形化していく。すなわち、扉成形時に真空断熱板30を発泡ウレタン29中に埋設配置することができ、生産性が向上する。
ら真空断熱板30の周縁部へと広がりながら発泡し、そのまま当該真空断熱板30の周縁部を乗り越え、真空断熱板30と内フレーム23との間に廻り込んで発泡し、真空断熱板30を取り囲むような形で発泡固形化していく。すなわち、扉成形時に真空断熱板30を発泡ウレタン29中に埋設配置することができ、生産性が向上する。
なお、この実施の形態では、すでに述べたように、ガラス板25の内面に接着剤26を介して樹脂フィルム27を貼り付け、この樹脂フィルム27に着色層28を形成してあって、当該着色層28はローラ等によって形成することができるので、樹脂フィルム27に対する接着強度を管理保障することができ、発泡ウレタン29の熱収縮や経年変化等による接着状態の劣化が生じても樹脂フィルム27に対し剥がれることを確実に防止できるようになる。
これにより、樹脂フィルム27をガラス板25と発泡ウレタン29との間に位置させてこれら両者を発泡ウレタン29及び接着剤26の接着力によって接着させたとき、着色層28が樹脂フィルム27から剥がれてこの剥がれに起因してガラス板25が発泡ウレタン29から剥離等するのを防止することができる。よって、長期間に亘ってフィルム付きガラス板25の接着強度を維持保障することができ、信頼性の高いものとすることができる。
加えてこの実施の形態では、発泡ウレタン29の発泡密度をガラス板25の中央部分より外周部分の方が高くなるようにしてあるから、発泡ウレタン29の接着力はガラス板25の外周部分のほうが強くなる。これにより、ガラス板25の樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着力を長期間に亘ってより確実に維持保障することができる。
すなわち、冷蔵庫は内部と外部で温度差が激しく、扉の開閉時に内部からの冷気によって扉のガラス板25端部は結露や激しい温度変化の影響を受ける。また、使用者の使い方によっては、開閉時に激しい衝撃を扉に与えたり、収納物の出し入れ時にガラス板25を含む扉に水や汁を溢す使用実態となる。そして、このような冷蔵庫特有の使用環境・実態によってガラス板25の端部は当該ガラス板端部を覆うガラス板挿入部が無いと発泡ウレタン29から剥がれやすい環境となっている。
このような環境下において、この実施の形態では、ガラス板25の端部、すなわち、周囲部は発泡ウレタン29の発泡密度が高い、すなわちごく微細に発泡しているウレタンスキン層との接着となっていて、発泡ウレタン29とガラス板25の樹脂フィルム27との接着密度は高く強固なものとなっている。したがって、長期間の使用に際してもガラス板25の樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着は確保され、長期間フィルム付きガラス板25の接着強度を維持保障することができ、信頼性を確保できるのである。
また、ガラス板25の外周部は両面テープ31を介して縁枠24に接着してあるから、扉外周部にかかる水や汁などが発泡ウレタン29とガラス板25との間の接着面まで浸透するのを当該両面テープ31によって防止することができ、より長期間に亘ってガラス板25の接着強度を維持保障することができ、更に信頼性の高いものとすることができる。
加えてこの実施の形態では、樹脂フィルム27の発泡ウレタン29との密着面に易接着層32を形成してあるから、樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着強度がより高いものとなり、発泡ウレタン29からの樹脂フィルム27、ひいてはガラス板25の剥離をより確実に防止することができ、長期間フィルム付きガラス板25の接着強度を維持保障することができる。
特にこの実施の形態で例示したように、樹脂フィルム27としてポリエチレンテレフタ
レートを用い、かつ、易接着層32をウレタン系またはポリエステル系の接着剤とすると、その接着強度は強力なものとなる。すなわち、前記ウレタン系接着剤またはポリエステル系接着剤を構成するウレタンまたはポリエステルは、その溶解性パラメータ(以下、SP値と称す)がウレタンのSP値10〜11及びフィルムの材料であるポリエチレンテレフタレートのSP値11.3と近いので、これら相互間の接着力は強固なものとなるのである。換言するとポリエステル系(ウレタン系も同様)接着剤は末端に−OH基をイソシアネートで反応させていて、ウレタン変成樹脂膜となっており、一方、ウレタン発泡材はポリエーテルポリオールのイソシアネート硬化であることから、基本の樹脂骨格は異なるものの反応内容は同じであるため、接着強度が向上するのである。よって、長期間の使用に際してもガラス板25の樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着を確保し、長期間フィルム付きガラス板25の接着強度を維持保障することができるのである。
レートを用い、かつ、易接着層32をウレタン系またはポリエステル系の接着剤とすると、その接着強度は強力なものとなる。すなわち、前記ウレタン系接着剤またはポリエステル系接着剤を構成するウレタンまたはポリエステルは、その溶解性パラメータ(以下、SP値と称す)がウレタンのSP値10〜11及びフィルムの材料であるポリエチレンテレフタレートのSP値11.3と近いので、これら相互間の接着力は強固なものとなるのである。換言するとポリエステル系(ウレタン系も同様)接着剤は末端に−OH基をイソシアネートで反応させていて、ウレタン変成樹脂膜となっており、一方、ウレタン発泡材はポリエーテルポリオールのイソシアネート硬化であることから、基本の樹脂骨格は異なるものの反応内容は同じであるため、接着強度が向上するのである。よって、長期間の使用に際してもガラス板25の樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着を確保し、長期間フィルム付きガラス板25の接着強度を維持保障することができるのである。
また、前記樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着面はミクロ的に見ると発泡ウレタンのスキン層と樹脂フィルム27とが接着しており、このようなスキン層と樹脂フィルム27とはその双方の表面が滑面となっているため、剥がれかけると一気に剥がれてしまう危険性がある。特に、ガラス板外周部分の発泡密度を高めてその接着面をスキン層とした場合にあってはガラス板外周部分で剥がれが広がってしまう恐れがある。
しかしながら、この実施の形態では前記したように樹脂フィルム27の発泡ウレタン29との密着面に易接着層32を形成してあるから、樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着強度が強化され、前記したような発泡ウレタンスキン層と樹脂フィルム27との剥がれの広がりを防止できる。よって、ガラス板内面の樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着強度を長期間に亘って維持保障することができ、更に信頼性の高いものとすることができる。
またウレタンの発泡密度が低くて発泡ウレタン29と樹脂フィルム27との実質接着面積が減少するガラス板中央部分でもその接着強度を向上させることができる。すなわち、ウレタンの発泡密度が低くて発泡ウレタン29と樹脂フィルム27との実質接着面積が減少する分をこの易接着層32による接着力アップでカバーして、発泡ウレタン29と樹脂フィルム27との接着強度をより確実なものとすることができ、ひいてはガラス板25の接着強度を長期間に亘って維持保障することができ、信頼性の高いものとすることができる。
上記、ガラス板25と発泡ウレタン29との接着力は寿命加速試験を行った結果、その接着力は1.0g/cm2以上、好ましくは2.6g/cm2以上とすることにより、発泡ウレタン29の熱収縮等の経年変化による接着力劣化があっても確実に樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着強度を保障することができ、ひいてはガラス板25の接着強度を長期間に亘って維持保障することができて、信頼性の高いものとすることができた。なお、上記接着力の測定方法は、接着剤の重ね合わせせん断接着強さの標準的な測定方法である「JIS K 6850(接着剤−剛性被着材の引張せん断 接着強さ試験方法)」に基づく。
更にこの実施の形態では、前記内フレーム23の縁枠24のうち、ガラス板25の下端面に位置する部分には当該ガラス板25の前面から前方に飛び出すことなくガラス板下端面に重合するガラス板支持片24bが位置しているから、ガラス板25はその重量を内フレーム23の縁枠24のガラス板支持片24bによって支持されることになる。よって、万が一、発泡ウレタン29によるガラス板25の接着力の劣化によってガラス板25の剥がれが部分的に生じるようなことがあったとしても、ガラス板25が落下する等の異常事態は確実に防止でき安心感が大きく向上する。また、前記縁枠24のガラス板支持片24bはガラス板前面より飛び出すことがないので、ガラス板挿入部のように扉前面から見え
ることもなく、意匠性及び全面フラット感は良好なまま維持できる。
ることもなく、意匠性及び全面フラット感は良好なまま維持できる。
また、前記ガラス板25に何らかの外力が加わって万が一割れることがあっても、このガラス板片は樹脂フィルム27に接着していて飛散を防止されることになり、万が一のときの安全性も向上する。
以上、本発明の主な実施形態を説明したが、上記実施の形態は本発明を実施するうえでの一例として示したものであり、本発明の目的を達成する範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、ガラス板を透明樹脂板に置き換えても良く、これによって軽量化による接着強度の更なる保障が可能となり、しかも低コスト化を図ることができる。
また、樹脂フィルムも着色層の接着強度を管理保障できるものであればポリエチレンテレフタレート以外のものであっても良いものである。
更に、樹脂フィルム27の着色層28はすでに述べている通りガラス板側であっても良く、また、樹脂フィルム27と発泡ウレタン29との接着強度を向上させるために用いる接着剤26としてウレタンバインダー或いは蒸着層を用いても良く、或いは当該接着剤26と発泡ウレタン29との間に更に蒸着層或いはウレタンバインダー或いはその双方を介在させても良く、必要に応じて用いることによって接着強度や着色層の意匠性を向上させることができる。
以上のように本発明は、着色ガラス板等の透明前板挿入部を廃止して意匠性を高めつつ、透明前板の反り変形を防止して、長期間に亘って透明前板の平面度を維持でき、かつ、意匠性も良好に維持できる冷蔵庫用扉を提供することができ、一般用はもちろん業務用の冷蔵庫やワインクーラーにも幅広く適用できる。
1 冷蔵庫本体
2 外箱
3 内箱
4 発泡ウレタン
5 冷蔵室
6 切替室
7 製氷室
8 冷凍室
9 野菜室
10,11,12,13,14 扉
16 冷却室
17 冷却器
18 送風ファン
19 圧縮機
20 放熱パイプ
21 キャピラリーチューブ
23 内フレーム
24 縁枠
24a 外周縁
24b 透明前板支持片(ガラス板支持片)
25 透明前板(ガラス板)
26 接着剤
27 樹脂フィルム
28 着色層
29、29a、29b 発泡ウレタン
30 真空断熱板
31 両面テープ
32 易接着層
33 扉下金型
34 ノズル
35 扉上金型
2 外箱
3 内箱
4 発泡ウレタン
5 冷蔵室
6 切替室
7 製氷室
8 冷凍室
9 野菜室
10,11,12,13,14 扉
16 冷却室
17 冷却器
18 送風ファン
19 圧縮機
20 放熱パイプ
21 キャピラリーチューブ
23 内フレーム
24 縁枠
24a 外周縁
24b 透明前板支持片(ガラス板支持片)
25 透明前板(ガラス板)
26 接着剤
27 樹脂フィルム
28 着色層
29、29a、29b 発泡ウレタン
30 真空断熱板
31 両面テープ
32 易接着層
33 扉下金型
34 ノズル
35 扉上金型
Claims (9)
- 冷蔵庫の貯蔵室を開閉する扉であって、上記扉は、貯蔵室の内側に位置する内フレームと、前記内フレームを覆うようにその内フレームの縁枠に配置したガラス板の着色層付きの透明前板と、前記透明前板と内フレームと縁枠との間の空間に充填し発泡させた発泡ウレタンとからなっていて、前記透明前板は発泡ウレタンによって接着保持しその外周部は透明前板挿入部等で覆うことなくそのまま露出状態とした構成とするとともに、前記透明前板は少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とし、前記発泡ウレタンはその外周部の発泡密度を中央部分の発泡密度より高くした冷蔵庫用扉。
- 冷蔵庫の貯蔵室を開閉する扉であって、上記扉は、貯蔵室の内側に位置する内フレームと、前記内フレームを覆うようにその内フレームの縁枠に配置したガラス板の着色層付きの透明前板と、前記透明前板と内フレームと縁枠との間の空間に充填し発泡させた発泡ウレタンとからなっていて、前記透明前板は発泡ウレタンによって接着保持しその外周部は透明前板挿入部等で覆うことなくそのまま露出状態とした構成とするとともに、前記透明前板は少なくとも長辺長手方向の垂線に対し当該長辺長手方向中央と端との前後方向の寸法差が長辺長手方向寸法の0.5%以内とし、前記発泡ウレタンはその外周部の単位体積当たりの重量が中央部分の単位体積当たりの重量よりも重くなるようにした冷蔵庫用扉。
- 透明前板はその外周部を扉外側に反らせた状態で発泡ウレタンを充填発泡させた請求項1または2記載の冷蔵庫用扉。
- 透明前板はその線膨張係数を発泡ウレタンの線膨張係数より小さく設定した請求項1または2記載の冷蔵庫用扉。
- 内フレームと透明前板との間の発泡ウレタンに真空断熱板を埋設配置した請求項1〜4のいずれか1項記載の冷蔵庫用扉。
- 透明前板の外周縁は縁枠の外周縁より内側に位置させた請求項1〜5のいずれか1項記載の冷蔵庫用扉。
- 透明前板および縁枠を金型にセットし、その後、当該縁枠と透明前板とで構成した空間にウレタンを充填した後、内フレームを前記縁枠にかぶせ所定圧にて押し付けて前記透明前板の外周部を外向きに反らせた状態でウレタンを発泡させ、透明前板、縁枠、内フレームを発泡ウレタンで一体化した冷蔵庫用扉の製造方法。
- 透明前板の外周部に縁枠を配置した後、当該縁枠と透明前板とで構成した空間に真空断熱板を透明前板との間に間隙を置いて配置し、その後前記縁枠と透明前板とで構成した空間にウレタンを充填して発泡させる請求項7記載の冷蔵庫用扉の製造方法。
- 請求項1〜6の前記ガラス板を樹脂板に置き換えた冷蔵庫用扉。
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