JP5532806B2 - リチウムイオン二次電池の容量回復方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の容量回復方法に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギー密度を発揮することが求められている。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、結着剤を用いて正極活物質等を集電体の表面に塗布した正極と、結着剤を用いて負極活物質等を集電体の表面に塗布した負極とが、電解質を含む電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
このようなリチウムイオン二次電池は、繰り返しの充放電サイクル、高温保存、長期保存などにより劣化することが知られている。劣化パターンの一つとして、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のアンバランスによって引き起こされる容量低下が挙げられる。該リチウムイオンの移動量のアンバランスは、正極または負極の一方の電極と電解質とが副反応を起こすことが原因となっている。
より詳細には、上記アンバランスの原因の一つとして、リチウムイオン二次電池の初期充電時に負極−電解質界面で起こる固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface:SEI)の形成が関与していることが考えられている。該SEIの形成は、負極周囲の電解質が、負極により還元されて副反応を起こすことによるものである。この際、負極から電解質へと電子が放出されるとともに、負極に吸蔵されていたリチウムイオンも放出される。言い換えると、負極のみが自己放電してしまった状態となる。このような電池を放電した場合、負極が完全放電の状態に達しても、正極では完全放電の状態に達することができない。すなわち、負極がリチウムイオンを放出しきった状態になっても、正極ではリチウムイオンをさらに吸蔵することができる状態のままとなってしまう。
そこで、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のアンバランスを回復するための手段として、特許文献1では、リチウムイオンの授受が可能な第3電極を設ける手段が開示されている。そして、第3電極−正極間、あるいは第3電極−負極間に外部からの通電を行い、正極からリチウムイオンを放出させ、あるいは負極にリチウムイオンを補うことにより、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のアンバランスを解消する、としている。
特開平8−190934号公報
しかしながら、特許文献1のように第3電極を用いる手段では、電池の構造が複雑になってしまうという問題がある。
そこで本発明は、電池の構造を複雑にすることなく、電池容量の低下を回復させる手段を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池の容量回復方法は、正極と、負極と、電解質層と、が積層されてなる発電要素を有するリチウムイオン二次電池の容量回復方法において、電解質層に容量回復材を添加する工程を含む。そして、この容量回復材の酸化電位は放電時の正極の電位よりも低く、容量回復材の還元電位は放電時の負極の電位よりも低い。
本発明によれば、電解質層に添加された容量回復材が、正極の電位によって酸化される。これにより、電解質中のリチウムイオンが正極に補充され、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のバランスをとることができる。この結果、電池の構造を複雑にすることなく、電池容量の低下を回復することができる。
本発明の一形態に係る容量回復方法に用いられるリチウムイオン二次電池の一実施形態である、双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る容量回復方法に好適に用いられる、容量回復材の注入孔を有するリチウムイオン二次電池の外観図である。 本発明の一実施形態にかかる容量回復材のサイクリックボルタンメトリー測定において、電位を正方向に掃引したときのサイクリックボルタモグラムである。 図3Aのサイクリックボルタモグラムの酸化ピークの立ち上がり部分を拡大したグラフである。 本発明の一実施形態にかかる容量回復材のサイクリックボルタンメトリー測定において、電位を負方向に掃引したときのサイクリックボルタモグラムである。 図4Aのサイクリックボルタモグラムの還元ピークの立ち上がり部分を拡大したグラフである。
本発明の一形態は、正極と、負極と、電解質層と、が積層されてなる発電要素を有するリチウムイオン二次電池の容量回復方法に関する。該容量回復方法は、電解質層に容量回復材を添加する工程を含む。そして、容量回復材の酸化電位が放電時の正極の電位(以下、「正極電位」とも称する)よりも低く、容量回復材の還元電位が放電時の負極の電位(以下、「負極電位」とも称する)よりも低いことを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
まず、本形態の容量回復方法に用いられるリチウムイオン二次電池について説明する。図1は、リチウムイオン二次電池の一実施形態である、双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型二次電池」とも称する)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図1に示すように、本実施形態の積層型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素17が、電池外装材であるラミネートフィルム22の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートフィルムを電池外装材として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素17を収納し密封した構成を有している。
発電要素17は、負極集電体11の両面(発電要素の最下層用および最上層用は片面のみ)に負極活物質層12が配置された負極と、電解質層13と、正極集電体14の両面に正極活物質層15が配置された正極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの負極活物質層12とこれに隣接する正極活物質層15とが、電解質層13を介して対向するようにして、負極、電解質層13、正極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する負極、電解質層13および正極は、1つの単電池層16を構成する。したがって、本実施形態の積層型二次電池10は、単電池層16が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層16の外周には、隣接する負極集電体11と正極集電体14との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)が設けられていてもよい。発電要素17の両最外層に位置する最外層負極集電体11aには、いずれも片面のみに負極活物質層12が配置されている。なお、図1とは負極および正極の配置を逆にすることで、発電要素17の両最外層に最外層正極集電体が位置するようにし、該最外層正極集電体の片面のみに正極活物質層が配置されているようにしてもよい。
負極集電体11および正極集電体14には、各電極(負極および正極)と導通される負極集電板18および正極集電板19がそれぞれ取り付けられ、ラミネートフィルム22の端部に挟まれるようにラミネートフィルム22の外部に導出される構造を有している。負極集電板18および正極集電板19は、必要に応じて負極端子リード20および正極端子リード21を介して、各電極の負極集電体11および正極集電体14に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。ただし、負極集電体11が延長されて負極集電板18とされ、ラミネートフィルム22から導出されていてもよい。同様に、正極集電体14が延長されて正極集電板19とされ、同様に電池外装材22から導出される構造としてもよい。
なお、リチウムイオン二次電池の他の形態としては、集電体の一方の面に負極活物質層が形成され、他方の面に正極活物質層が形成されてなる双極型電極が、電解質層を介して積層された双極型二次電池が挙げられる。上記積層型二次電池10と双極型二次電池とは双方の電池内の電気的な接続形態(電極構造)が異なることを除いては、基本的には同様である。
以下、本形態に係るリチウムイオン二次電池を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態も同様に採用されうる。
[電極(正極および負極)]
正極および負極は、リチウムイオンの授受により電気エネルギーを生み出す機能を有する。正極は正極活物質を含み、負極は負極活物質を含む。これらの電極構造は、積層型二次電池の場合、活物質を含む活物質層のみから構成されてもよいし、上記図1の形態のように集電体の表面に活物質を含む活物質層が形成されてなる構造であってもよい。一方、双極型二次電池の場合の電極(双極型電極)は、集電体の一方の面に正極活物質を含む正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる構造を有する。すなわち、集電体を介して正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)が一体化した形態を有する。なお、活物質層には、活物質以外にも必要に応じて導電助剤、バインダなどの添加剤が含まれうる。
(正極活物質)
正極活物質は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する組成を有する。好ましい一例としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが使用できる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル特性に優れ、低コストな材料である。このうちLi・Mn系複合酸化物である、マンガン酸リチウム(LiMn)を用いることがより好ましい。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することが可能である。この他、正極活物質としては、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなど、を用いることもできる。上記正極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記正極活物質を正極として使用する際には、正極活物質を含む正極活物質層を板状に成形しそのまま正極としてもよいし、集電体の表面に上記正極活物質粒子を含む正極活物質層を形成して正極としてもよい。後者の形態における正極活物質粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、正極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。このような範囲であれば、二次電池は、高出力条件下での充放電時における電池の内部抵抗の増大が抑制され、充分な電流を取り出しうる。なお、正極活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であるのが望ましいといえるが、本発明では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、正極活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる正極活物質の粒径および1次粒子の粒径は、レーザー回折法を用いて得られたメディアン径を使用できる。なお、正極活物質粒子の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
(負極活物質)
負極活物質は、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵できる組成を有する。負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、負極活物質の例としては、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti、TiO、もしくはSiO、SiO、SnOなどの金属酸化物、Li4/3Ti5/3もしくはLiMnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、または天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素材料などが好ましく挙げられる。このうち、リチウムと合金化する元素を用いることにより、従来の炭素系材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量および優れた出力特性の電池を得ることが可能となる。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。上記のリチウムと合金化する元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。
上記活物質のうち、炭素材料、ならびに/またはSi、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を含むことが好ましく、炭素材料、Si、またはSnの元素を含むことがより好ましい。炭素材料のうち、リチウム対比放電電位が低い黒鉛を用いることがさらに好ましい。
なお、負極活物質の形状は、特に制限されず、上述の正極活物質と同様の形態を取りうるので、ここでは詳細な説明を省略する。
(集電体)
集電体は導電性材料から構成され、その一方の面または両面に活物質層が配置される。集電体を構成する材料に特に制限はなく、例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された導電性を有する樹脂が採用されうる。
金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも導電性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス鋼、および銅が好ましい。
また、導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はないが、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。集電体の厚さについても特に制限はないが、通常は1〜100μm程度である。
[導電助剤]
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等のカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF;登録商標)等の種々の炭素繊維、膨張黒鉛などが挙げられる。しかし、導電助剤がこれらに限定されないことはいうまでもない。
[バインダ]
バインダは、活物質層中の構成部材同士または活物質層と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。バインダとしては、特に制限はないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリイミド、PTFE、SBRなどの合成ゴム系バインダ等が挙げられる。しかし、バインダがこれらに限定されないことはいうまでもない。
[電解質層]
電解質層は、正極と負極との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。
電解質層を構成する電解質に特に制限はなく、液体電解質、ならびに高分子ゲル電解質および高分子固体電解質などのポリマー電解質が適宜用いられうる。
液体電解質は、有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が挙げられる。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiN(SO、LiN(SOCF、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSOCFなどを用いることができる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない高分子固体電解質に分類される。
ゲル電解質は、リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体などが挙げられる。かようなマトリックスポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
高分子固体電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が高分子固体電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
高分子ゲル電解質や高分子固体電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発揮しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。なお、上記電解質は、電極の活物質層中に含まれていてもよい。
[集電板]
リチウムイオン二次電池においては、電池外部に電流を取り出す目的で、集電体に電気的に接続された集電板(正極集電板および負極集電板)が外装材であるラミネートフィルムの外部に取り出されている。
集電板を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板と負極集電板とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極端子リードおよび負極端子リード]
図1に示す積層型二次電池10においては、負極端子リード20および正極端子リード21をそれぞれ介して、集電体は集電板と電気的に接続されている。
負極および正極端子リードの材料は、公知の積層型二次電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
[外装材]
外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができる。そのほか、図1に示すようなラミネートフィルム22を外装材として用いて、発電要素17をパックしてもよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。このようなラミネートフィルムを用いることにより、外装材の開封、容量回復材の添加、外装材の再封止を容易に行うことができる。
より好ましい形態としては、外装材に容量回復材を添加する注入孔が設けられる。図2は、本形態の容量回復方法に好適に使用される、容量回復材の注入孔を有するリチウムイオン二次電池の外観図である。このような注入孔を設けることにより、後述のリチウムイオン二次電池の電解質に容量回復材を添加する作業をスムーズに行うことができる。
次に、本形態の容量回復方法について詳細に説明する。
本形態の容量回復方法は、上述のリチウムイオン二次電池の電解質層に容量回復材を添加する工程を必須に含む。
(容量回復材)
本形態に係る容量回復材は、容量回復材の酸化電位が放電時の正極の電位よりも低く、容量回復材の還元電位が放電時の負極の電位よりも低いことを特徴とする。このような容量回復材は、正極電位により容易に酸化され、負極電位によって還元されないため、正極のみを放電することができる。これにより、正極にリチウムイオンが補充され、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のアンバランスによって低下した電池容量を回復することができる。
なお、本明細書において、「容量回復材の酸化電位」および「容量回復材の還元電位」は、サイクリックボルタンメトリーによって測定することができる。具体的には、3極式のビーカーセルを用いて行う測定方法が挙げられる。対極、参照極にリチウム金属、作用極に白金を用いたビーカーセルを用い、電位走査範囲0.3〜4.0V程度で測定する。
まず、「容量回復材の酸化電位」について説明する。図3Aに、本形態の容量回復材に対するサイクリックボルタンメトリー測定において、電位を正方向に掃引したときのサイクリックボルタモグラムを示す。図3Aによると、電位を正方向に掃引していくと、容量回復材の酸化反応により電極間に電流が流れるために酸化ピークPが生じる。そして、酸化ピークPの立ち上がり部分(破線で囲まれた部分3B)における電位Vが「容量回復材の酸化電位」である。電位がVよりもかなり低い小さい段階では、電流はほとんど流れない。すなわち、容量回復材の酸化反応はほとんど起こっていないことを意味する。電位がVを超えると急速に電流値が大きくなる。すなわち、容量回復材の酸化反応が進行していることを意味する。図3Bに、図3Aのサイクリックボルタモグラムの酸化ピークの立ち上がり部分を拡大したグラフを示す。容量回復材の酸化電位Vは、該酸化ピークの立ち上がり部分において、ある電圧Vから(V+0.1[V])まで変化する間の積算電流値が、(V−0.1[V])からVまで変化する間の積算電流値Aの2倍となるときの値である。
次に、「容量回復材の還元電位」について説明する。図4Aに、本形態の容量回復材に対するサイクリックボルタンメトリー測定において、電位を負方向に掃引したときのサイクリックボルタモグラムを示す。図4Aによると、電位を負方向に掃引していくと、容量回復材の還元反応により電極間に電流が流れるために還元ピークPが生じる。そして、還元ピークPの立ち上がり部分(破線で囲まれた部分4B)における電位Vが「容量回復材の還元電位」である。電位がVよりもかなり低い小さい段階では、電流はほとんど流れない。すなわち、容量回復材の還元反応はほとんど起こっていないことを意味する。電位がVを超えると急速に電流値が大きくなる。すなわち、容量回復材の還元反応が進行していることを意味する。図4Bに、図4Aのサイクリックボルタモグラムの還元ピークの立ち上がり部分を拡大したグラフを示す。容量回復材の酸化電位Vは、該還元ピークの立ち上がり部分において、ある電圧Vから(V−0.1[V])まで変化する間の積算電流値が、(V+0.1[V])からVまで変化する間の積算電流値Aの2倍となるときの値である。
また、本明細書において、「放電時の正極の電位」および「放電時の負極の電位」は、正極および負極の電圧に対する充電状態(State of Charge:SOC)カーブ(SOCVカーブ)ならびに電池容量の低下量から算出することができる。また、ここでいう「放電時」とは、リチウムイオン二次電池が完全放電状態である時を意味する。
例えば、「放電時の正極の電位」は、以下のように求める。初期充電時の正極はSOC100%である。負極の不可逆容量がSOC10%とすると、正極の使用領域はSOC100%〜10%となる。この電池が劣化し、電池容量がSOC20%低下したとすると、正極の使用領域はSOC100%〜30%となる。すなわち、電池の完全放電状態においても正極はSOC30%となる。この電池の完全放電状態における正極のSOC値をSOCVカーブに当てはめることによって、「放電時の正極の電位」を求めることができる。なお、電池容量の低下量は、初期充電時の放電容量から、劣化後の放電容量を差し引くことで求められる。なお、上記のように付加逆容量および電池容量の低下量から負極電位を算出する方法以外にも、SOC100%の時の理論容量および劣化後の電池容量をSOCVカーブに当てはめることによっても放電時の正極の電位を求めることもできる。
一方、「放電時の負極の電位」は、以下のように求める。負極は電池が完全放電状態のときは常にSOC0%となる。完全放電状態では負極は電荷を持たずに、分極によって電位が上昇する。どこまで電位が上昇するかは、セルの放電電圧と、上記で求めた放電時の正極の電位」との差から求めることができる。例えば、劣化後の「放電時の正極の電位」が4V、セルの放電電圧が2.5Vであるとすると、「放電時の負極の電位」は1.5Vとなる。
なお、上記のように電池容量の低下量から正極電位および負極電位を算出する方法以外にも、参照極をセル内に挿入して実測することもできる。
このような容量回復材としては、上述のように放電時の正極電位によって容易に酸化され、放電時の負極電位によって還元されないものであれば特に制限はなく、従来公知の化合物を適宜採用することができる。好ましい形態としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、ジメチルイミダゾールなどのアミド化合物が挙げられる。これらの化合物は、上述のリチウムイオン二次電池に使用される正極材料(例えばマンガン酸リチウム)および負極材料(例えば黒鉛)に対して、好適な酸化電位および還元電位を有するので、良好な容量回復効果を発揮することができる。
また、容量回復材は、常温(25℃)常圧(1気圧)下で、液体であることが好ましい。このような容量回復材を用いることにより、正極、負極、および電解質層が積層されてなる電池構造において、電極全体に容量回復材を均等に行き渡らせることができる。
本形態の容量回復方法では、上記リチウムイオン二次電池の電解質層に上記容量回復材を添加する方法を必須に含む。添加方法は特に制限はなく、劣化後のリチウムイオン二次電池の外装材を開封し、容量回復材を添加後、外装材を再封止すればよい。この際、容量回復材添加後に容量回復材が正極電位で酸化され、ガスが発生する場合があるので、添加後数時間〜一晩程度外装材を開封状態にしてガスを抜いた後に、外装材を再封止することが好ましい。なお、添加の回数も特に制限はなく、1回または複数回に分けて添加してもよい。
好ましい形態としては、容量回復材の添加は、リチウムイオン二次電池の放電時に行うことが好ましい。具体的には、負極のSOCが30%以下の時点で行うことが好ましく、20%以下の時点で行うことがより好ましく、10%以下の時点で行うことがさらに好ましく、0%(完全放電状態)の時点で行うことが最も好ましい。これにより、容量回復材が負極電位により還元されるなどの好ましくない反応を防ぐことができる。
容量回復材の添加量は、リチウムイオン二次電池の容量によるので、特に制限はないが、劣化後の電池容量を算出し、減少分の容量等量(電荷)以下の量の容量回復材を添加するように制御することが好ましい。具体的には、減少分の電池の容量等量を100としたときに、容量回復材の反応電荷を100〜90とすることが好ましく、100〜95とすることが好ましい。このような添加量に制御することによって、未反応の容量回復材が残ったり、好ましくない反応(ガスの発生など)が起こったりするのを効果的に防ぐことができる。
本形態の容量回復方法においては、上記電解質層に容量回復材を添加する工程において、リチウムイオン源をさらに添加することが好ましい。本形態の容量回復方法によれば、容量回復材が正極電位によって酸化される際に、電解質中のリチウムイオンの一部が正極活物質中にドープされる。これにより、電解質中のリチウムイオン濃度が低下するが、これを補うことにより、容量回復効果を高め、また電池性能(抵抗など)を低下させることなく容量回復を行うことができる。
上記リチウムイオン源の添加量は、特に制限はないが、容量回復材の反応電荷よりも多いことが好ましい。より好ましい形態としては、リチウムイオン源の添加量は、容量回復材の反応電荷1モル当たり、1〜5モル(リチウムイオン換算)であることが好ましく、1〜2モル(リチウムイオン換算)であることがより好ましい。このような量のリチウムイオンを補充すれば、電解質中のリチウムイオン濃度が低下を防ぎ、電池性能を十分に維持することが可能である。リチウムイオン源としては、上述の電解質に用いられるリチウム塩を使用することができるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、本形態の容量回復方法は、一度、該容量回復方法を実施したリチウムイオン二次電池が再度劣化した場合においても、もちろん実施することができる。以上のように、本方法は、電池の構造を複雑にすることなく、効果的に容量回復を行うことができる、非常に優れた方法である。
本発明の作用効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。以下では、まず、リチウムイオン二次電池を作製し、充放電サイクルを繰り返すことにより電池容量の低下を確認した。そして、該リチウムイオン二次電池に各々組成の異なる容量回復材を添加し、容量回復後の電池容量を評価した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
正極としてマンガン酸リチウム(LiMn;大きさ68×68mm、厚さ90μm、放電時の電位:4.02V)、負極として黒鉛(大きさ70×70mm、厚さ50μm、放電時の電位:1.25V)を準備した。電解質として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合したEC−DEC混合溶媒に、リチウム塩であるLiPFを1.0Mの濃度で溶解したものを調製した。
上記正極、ポリプロピレン製のセパレータ(厚さ25μm)、上記負極を積層した。得られた積層体と上記電解液1.5mLとを、外装材としてのアルミラミネートフィルムで真空封止し、積層型のリチウムイオン二次電池を完成させた。
<充放電サイクル試験(I)>
上記で作製したリチウムイオン二次電池について、充放電サイクル試験(I)を行った。具体的には、各電池を25℃の恒温槽中で、定電流定電圧方式(CCCV、電流:1C、セル電圧:4.2V)で充電して、30分間休止後、定電流方式(CC、電流:1C)でセル電圧2.5Vまで放電した。これを1サイクルとして、300サイクル後の放電容量を求めた。
上記充放電サイクル試験(I)の結果、1サイクル後の放電容量を100%としたときの300サイクル後の放電容量の割合は76%であった。これは、300サイクルの充放電により、電池容量が24%低下したことを意味する。
<容量回復方法の実施>
[実施例1]
ジメチルイミダゾール(DMI、酸化電位:3.7V、還元電位:0.2V)81mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを6mg添加した容量回復材を調製した。
上記充放電サイクル試験(I)後のリチウムイオン二次電池を3Vまで完全放電した。露点−30℃以下のドライルーム内で、該電池の外装体の一部を開放し、上記容量回復材の全量を注入し、一晩放置した。その後、外装体を真空再封止した。
[実施例2]
ジメチルイミダゾール54mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを4mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例3]
ジメチルイミダゾール27mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを2mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例4]
テトラヒドロフラン(THF、酸化電位:3.8V、還元電位:0.5V)54mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを6mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例5]
テトラヒドロフラン36mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを4mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例6]
テトラヒドロフラン18mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを2mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例7]
ジエチルエーテル(酸化電位:3.8V、還元電位:0V以下)55mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを6mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例8]
ジエチルエーテル37mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを4mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例7と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例9]
ジエチルエーテル18mgに、リチウムイオン源としてのLiPFを2mg添加した容量回復材を用いたことを除いては、実施例7と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例10]
リチウムイオン源を添加せずに、ジメチルイミダゾール81mgのみを容量回復材として用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例11]
リチウムイオン源を添加せずに、ジメチルイミダゾール54mgのみを容量回復材として用いたことを除いては、実施例2と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[実施例12]
リチウムイオン源を添加せずに、ジメチルイミダゾール27mgのみを容量回復材として用いたことを除いては、実施例3と同様の方法で、リチウムイオン二次電池の容量回復を行った。
[比較例1]
容量回復材を添加しないまま、実施例1と同様の操作を行った。
<充放電サイクル試験(II)>
上記で容量回復方法を実施したリチウムイオン二次電池について、充放電サイクル試験(II)を行った。各電池を25℃の恒温槽中で、定電流定電圧方式(CCCV、電流:1C、セル電圧:4.2V)で充電して、30分間休止後、定電流方式(CC、電流:1C)でセル電圧2.5Vまで放電した。そして、該サイクルにおける放電容量を求め、上記充放電サイクル試験(I)における1サイクル後の放電容量を100%としたときの、容量回復後の放電容量の割合を算出した。結果を下記表1に示す。
Figure 0005532806
表1によると、容量回復材を添加した実施例1〜12では、リチウムイオン二次電池の容量回復効果が確認された。これは容量回復材が正極電位で酸化されることにより、正極にリチウムイオンが補充され、正極−負極間におけるリチウムイオンの移動量のアンバランスが解消されたことによるものと考えられた。
特に、容量回復材としてのジメチルイミダゾールに加えて、LiPFを添加した実施例1〜3では、LiPFを添加しなかった実施例10〜12と比較して、より高い容量回復効果が確認された。これは、消費されたリチウムイオンを電解質中に補充したことにより、容量回復効率が高まったためと考えられた。
10 積層型二次電池、
11 負極集電体、
11a 最外層負極集電体、
12 負極活物質層、
13 電解質層、
14 正極集電体、
15 正極活物質層、
16 単電池層、
17 発電要素、
18 負極集電板、
19 正極集電板、
20 負極端子リード、
21 正極端子リード、
22 ラミネートフィルム、
30 注入孔、
、A 積算電流値、
酸化ピーク、
還元ピーク、
酸化電位、
還元電位。

Claims (5)

  1. 正極と、
    負極と、
    電解質層と、が積層されてなる発電要素を有する、リチウムイオン二次電池の容量回復方法において、
    前記電解質層に容量回復材を添加する工程を含み、
    前記容量回復材の酸化電位が、放電時の前記正極の電位よりも低く、
    前記容量回復材の還元電位が、放電時の前記負極の電位よりも低い、リチウムイオン二次電池の容量回復方法。
  2. 前記電解質層に容量回復材を添加する工程において、リチウムイオン源を添加する、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の容量回復方法。
  3. 前記リチウムイオン源の添加量(リチウムイオン換算)が、前記容量回復材の反応電荷よりも多い、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の容量回復方法。
  4. 前記正極に含まれる正極活物質がマンガン酸リチウムを含み、
    前記負極に含まれる負極活物質が黒鉛を含み、
    前記容量回復材が、エーテル化合物およびアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の容量回復方法。
  5. 前記容量回復材を添加する工程が、リチウムイオン二次電池の放電時に行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の容量回復方法。
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