JP5533112B2 - 監視装置,監視方法および監視プログラム - Google Patents
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Description
各ルータは、ルーティングテーブルを構築する際に、送信元から宛先へ送信される情報がECMPを通過する場合、ECMPである複数の経路をその送信元から宛先のフローに対応する経路としてルーティングテーブルに設定する。そして、ECMPを通過する、送信元から宛先への情報が送信されると、各ルータは、経路を振り分けるための所定のルールに基づいて、情報が通過する経路をECMPの複数の経路の中から決定する。
また、図25は、図24に示す一般的なIPネットワーク100におけるルーティングテーブルT5を示す図である。
図24に示すIPネットワーク100において、A〜Jはルータ等の中継装置である。
なお、図24に示す各ルータ間に付されている数値は、ルータ間のコストを表すものである。また、各ルータA〜Jは、ルータ間で交換したLSAに含まれるコスト等の情報に基づいて、ルーティングテーブルを作成する。
また、各ルータA〜Jは、10.0.0.0/8のサブネットから13.0.0.0/8のサブネットへのフローが、コストが最小(70)となるA→C→E→G→H→Jの経路及びA→C→D→F→H→Jの経路のいずれかの経路を通過するように、図25に示すルーティングテーブルT5に経路を設定する。
以下、同様に、各送信元及び宛先サブネット単位で、各フローの経路がLSAに基づいて設定される。
図24に示す障害経路監視装置(経路を監視する装置)110は、IPネットワーク100内に設置され、IPネットワーク100内を伝送されるデータを監視することにより、データの品質に劣化が発生した場合に、障害の発生した経路を特定する装置である。
そのために、障害経路監視装置110は、品質に劣化が発生したデータの送信元サブネット10.0.0.0/8及び宛先サブネット13.0.0.0/8の情報に基づいて、例えばルーティングテーブルT5を参照することによりそのデータが通過した経路を判定する。
このように、障害経路監視装置110は、IPネットワーク100内を伝送されるデータを監視し、ルーティングテーブルT5を参照することによって、そのデータが通過した経路がECMPであることを判定する。
従って、障害経路監視装置110によって、IPネットワーク100のECMPを通過するデータに含まれる情報に基づいて、品質に劣化が発生したデータが実際にECMPのいずれの経路を通過するかを容易に特定することは難しい。
従来、ECMPにおいてデータの品質劣化が発生した経路を特定するためには、障害経路監視装置110は、品質の劣化が発生したデータの送信元及び宛先のサブネット間の全てのIPアドレスごとにtraceroute等の経路探索を実行していた。そして、障害経路監視装置110は、品質の劣化が発生したデータの送信元及び宛先サブネット内の各送信元及び宛先IPアドレスのフローがいずれの経路を通過するかを確認し、通過経路を確認した各フローに対して品質計測を実行することにより、品質の劣化が発生した経路を特定していた。
また、監視装置が、ネットワークトポロジから階層構造を表すテーブルを作成し、このテーブルと故障の検出箇所の情報とに基づいて、すべての下層側の端末で故障が検出された分岐を見つけることにより、当該分岐部分を故障発生箇所として推定する方法も知られている。
一方、上述した、通信ネットワークの経路における障害発生箇所を特定するための既知の手法では、OSPFが用いられているIPネットワークにおいて、ECMP区間の障害経路を容易に特定することは難しい。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の1つとして位置付けることができる。
(A)第1実施形態
(A−1)第1実施形態の構成
図1は、第1実施形態の障害経路監視装置10の構成例を示すブロック図である。
障害経路監視装置(経路を監視する装置)10は、中継装置を含むネットワーク内に設置され、特定部11と、パケット受信部12とを含む。
特定部11は、パケット受信部12が受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化を検出する。そして、特定部11は、受信パケットの品質の劣化が検出された場合に、品質の劣化が検出された送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの互いに異なる経路をたどる複数のパケットを、受信パケットの宛先アドレス又は/及び送信元アドレスに基づいて推定する。さらに、特定部11は、異なる経路をたどることが推定された複数のパケットについて品質計測を実行し、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定することにより、中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定する。
なお、受信パケットの品質に劣化が検出された送信元から宛先サブネットへ送信される複数のパケットから、異なる経路をたどる複数のパケットを推定する手法については、後述する。
図2に示すように、IPネットワーク1は、ルータA〜J等の中継装置を含む。そして、これらの中継装置を介して複数のサブネット(10.0.0.0/8,11.0.0.0/8,12.0.0.0/8及び13.0.0.0/8)間で相互に通信を行なうことが可能である。また、IPネットワーク1は、複数のサブネット間の通信の経路制御を行なうためのプロトコルとして、例えば、OSPFプロトコルを用いる。
さらに、サブネット10.0.0.0/8,11.0.0.0/8,12.0.0.0/8及び13.0.0.0/8内には、それぞれ、複数の端末20が存在しており、IPネットワーク1における各サブネット間でパケットが送受信される。なお、図2においては、一つの端末20のみがサブネット10.0.0.0/8に接続されているが、他の端末20が存在してもよい。また、図2においては、他のサブネット11.0.0.0/8,12.0.0.0/8及び13.0.0.0/8についてもサブネット10.0.0.0/8と同様に複数の端末20が存在してもよい。
各ルータは、この経路制御情報を交換して管理し、中継するデータについて、中継する宛先となるルータを決定することにより、経路の制御を行なう。
以下、経路制御情報として、LSAを用いる場合を例に挙げて説明する。
LSAには、各ルータに接続されたネットワークの情報とともに、上述したコストの情報等が含まれており、各ルータは、交換したLSAの情報に基づいて、IPネットワークにおける経路を決定する。例えば、各ルータは、送信元サブネットから宛先サブネットへ送信される情報が通過する経路のコストが最小となる経路を導出し、導出した経路をルーティングテーブルに設定することで、IPネットワークにおける経路を決定する。
図2に示す例においては、特定部11は、品質の劣化が検出されたパケットのパケットヘッダから、例えば送信元IPアドレス10.0.0.2及び宛先IPアドレス13.0.0.4を得ると、送信元及び宛先IPアドレスを含むフロー、すなわち、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット13.0.0.0/8へのフローを品質劣化フローと判定する。
上述したように、各ルータA〜Jは、送信元サブネットから宛先サブネットへ送信される情報が最小コストを有する複数の経路、すなわち、ECMPを通過する場合、ECMPである複数の経路をその送信元サブネットから宛先サブネットに対応する経路としてルーティングテーブルに設定する。
従って、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット13.0.0.0/8へのフローに対応する経路が二通りの経路であった場合、このフローは、二つの経路を有するECMPであることを意味する。
そして、特定部11は、当該品質劣化フローがECMPであった場合には、後述する手順により、ECMPの複数の経路のうち、パケットの品質に劣化を発生させた障害経路を特定する。
分岐部30は、例えば、ネットワークタップや隣接するルータのミラーポート等により、障害経路監視装置10が配置されるルータ間を通過する、OSPFのLSAを含む全てのIPパケットを分岐して障害経路監視装置10に供給するものである。
図3は、第1実施形態の障害経路監視装置10の構成例を示すブロック図である。
また、図4は、第1実施形態のIPネットワーク1のルータC−E間で障害が発生した状態を示す図である。
図3に示すように、障害経路監視装置10は、先の図1の例におけるパケット受信部12を備えるとともに、先の図1の例における特定部11として、品質計測部14,ECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17を備える。また、障害経路監視装置10は、トポロジ・経路管理部13及び品質計測結果保持部15を備える。
パケット受信部12は、分岐部30で分岐された、分岐部30の配置された箇所を通過する全てのパケット及びOSPFのLSAを受信し、受信したパケットを品質計測部14及びECMP経路判定部16に、OSPFのLSAをトポロジ・経路管理部13に、それぞれ順次出力する。
具体的には、図5を参照すると、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット12.0.0.0/8へのフローには、トポロジ・経路管理部13によって、ルータA→C→E→G→Iの経路がLSAに基づいてセットされる。また、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット13.0.0.0/8へのフローには、トポロジ・経路管理部13によって、ルータA→C→E→G→H→J及びルータA→C→D→F→H→Jの2つの経路がLSAに基づいてセットされる。以下、同様に、各送信元及び宛先サブネット単位で、トポロジ・経路管理部13によって、各フローの経路がLSAに基づいてセットされる。
また、トポロジ・経路管理部13は、ルータ間の接続、及び各フローの経路情報を管理する。
ここで、図6〜図8に、IPパケット,TCPパケット並びにUDP及びRTPパケットの各ヘッダフォーマットを示す。
一般に、IPパケットが送信される際、IPヘッダのIDフィールドには、IPパケットごとに連続したIDが設定される。
ここで、受信したIPパケットのIPヘッダと比較するIPパケットを、「所定の時間の範囲内に受信したIPパケット」としたのは、IPパケットが、IPネットワーク1内を伝送される際に、送出された順序とは異なる順序で伝送され、パケット受信部12で受信されることが起こり得るためである。なお、品質計測部14は、上述した手法以外に、既知の種々の手法によりパケットの損失を計測してもよい。
ここで、フラグメント・フラグとは、IPパケットに分割処理をしたかを表す情報であり、フラグメント・オフセットとは、分割されたIPパケットが、分割前のIPパケットのデータ部分の先頭から数えて何バイト目から分割されたかを表す情報である。
さらに、品質計測部14は、パケット受信部12で受信したパケットがUDPパケットであれば、UDPパケットの上位プロトコルであるRTPパケットのRTPヘッダのシーケンス番号の抜けを調べることにより、パケットの損失を計測する。
また、品質計測部14は、パケットに損失が発生した送信元サブネット及び宛先サブネットの組については、品質計測結果テーブルT2の品質計測結果のフィールドに“1”(損失発生検出)をセットする。一方、パケットに損失が発生していない送信元サブネット及び宛先サブネットの組については、品質計測結果のフィールドに“0”(損失発生非検出)をセットする。
なお、品質計測部14は、送信元及び宛先サブネットの組において、パケットに損失が発生しているか否かを、所定の閾値に基づいて判断することが望ましい。例えば、品質計測部14は、所定の閾値として50が設定されており、送信元及び宛先サブネットの組の送信側の損失パケット数及び/又は受信側の損失パケット数が、所定の閾値である50以上であるか否かを判断する。そして、当該損失パケット数が50以上である場合には、品質計測結果のフィールドに“1”(損失発生検出)を、当該損失パケット数が50未満である場合には、品質計測結果のフィールドに“0”(損失発生非検出)をセットする。
なお、品質計測部14は、順次送られてくるパケット受信部12で受信したパケットについて、品質計測単位(例えば、上述のように送信元サブネット及び宛先サブネット単位)で品質計測を実行する。このとき、品質計測部14は、順次または所定の周期ごとに、品質計測結果テーブルT2に品質計測結果を格納する。品質計測結果テーブルT2に格納される品質計測結果は、品質計測の正確性を確保するため、可能な限り最新の情報であることが望ましい。そこで、品質計測部14または品質計測結果保持部15は、品質計測結果テーブルT2に格納される品質計測結果を、所定の周期や障害が解消した場合等の条件によりクリアする、または他の記憶媒体に移動するように構成してもよい。これにより、例えば、過去に発生した障害によってパケットの損失が発生していたが、現在は解消している場合において、当該過去の障害発生時の品質計測結果が品質計測結果テーブルT2に残存しているために、当該過去に発生した障害によるパケットの損失が品質計測部14に検出されることを防ぐことができる。
なお、品質計測部14は、ECMP経路判定部16に対して、品質劣化の発生の通知だけでなく、品質計測結果のフィールドに“1”(損失発生検出)がセットされた送信元サブネット及び宛先サブネットの組を、品質劣化フローとして通知してもよい。これにより、ECMP経路判定部16は、品質計測結果保持部15の品質計測結果テーブルT2を参照せずに、当該品質劣化フローを認識することができる。
以下、ECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17の具体的な動作について詳述する。
(A−2−1)品質劣化フローがECMPであるか否かの判定
ECMP経路判定部16は、品質計測部14からの品質劣化の通知に応じて、当該品質劣化フローがECMPであるか否かを、また、ECMPである場合にはその経路数を、トポロジ・経路管理部13が保持するルーティングテーブルT1を参照することにより判定する。
例えば、図9に示す品質計測結果テーブルT2において、品質計測結果のフィールドに“1”(損失発生検出)がセットされているフローに着目する。図5に示すルーティングテーブルT1において、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット12.0.0.0/8へのフローは、A→C→E→G→Iの一通りの経路を有する。一方、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット13.0.0.0/8へのフローは、A→C→E→G→H→J及びA→C→D→F→H→Jの二通りの経路を有するECMPである。また、送信元サブネット11.0.0.0/8から宛先サブネット12.0.0.0/8へのフローは、B→D→C→E→G→I及びB→D→F→H→G→Iの二通りの経路を有するECMPである。
従って、ECMP経路判定部16は、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット12.0.0.0/8への品質劣化フローを選択した場合には、当該品質劣化フローはECMPではないと判定する。また、送信元サブネット10.0.0.0/8から宛先サブネット13.0.0.0/8への品質劣化フローを選択した場合には、当該品質劣化フローがECMPであり、経路数が2であると判定する。さらに、送信元サブネット11.0.0.0/8から宛先サブネット12.0.0.0/8への品質劣化フローを選択した場合には、当該品質劣化フローがECMPであり、経路数が2であると判定する。
なお、上述のように、トポロジ・経路管理部13は、各ルータA〜Jと同様に、送信元サブネットから宛先サブネットへ送信される情報が通過する経路のコストが最小となる経路を選択し、ルーティングテーブルT1を生成する。このように、最小コストを選択する制御下においては、ECMP経路判定部16が一つのフローについて複数の経路を有すると判定した場合、そのフローはECMPであることを意味する。
次に、ECMP経路判定部16は、ECMPであると判定した品質劣化フローについて、送信元サブネット及び宛先サブネット間の品質劣化フローを、モジュロ(n)演算により複数のフローに分離する。なお、nは当該品質劣化フローのECMPの経路数である。
ここで、モジュロ(n)演算とは、OSPFのようなルーティングプロトコルを用いたIPネットワークにおいて、ECMPを通過するデータについて、ECMPの経路を振り分ける際に実際のルータが用いる手法である。ルータは、ECMPに対してパケットを送出(中継)する際に、いずれの経路(ルータ)にパケットを送出(中継)すべきかを決定する。このとき、ルータは、モジュロ(n)演算による経路振り分けルールによって、いずれの経路(ルータ)にパケットを送出(中継)すべきかを決定する。
具体的には、ルータは、図10に示すように、パケットの持つIPアドレス(送信元IPアドレス及び宛先IPアドレス,または送信元IPアドレスのみ,または宛先IPアドレスのみ)を、桁上げを無視して8ビットごとに加算する(ステップS1)。次いで、ルータは、加算結果の8ビットのデータをビット反転してHash値を得る(ステップS2)。最後に、ルータは、Hash値に有効パス数(ECMPの経路数(n))を乗じた値を256で割って、小数点以下を切り捨てることにより、ECMPに対して送出(中継)するパケットごとに、0〜n−1の選択パスを得る(ステップS3)。
ルータは、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを、桁上げを無視して8ビットごとに加算し、下記(1)の16進数を得る(ステップS1)。
次に、ルータは、(1)の16進数を2進数でビット反転し、下記(2)の10進数のHash値を得る(ステップS2)。
H `[27-0] = 0x1A = 0001 10102 →(ビット反転)
→ 0101 10002 = H [27-0] = H `[20-7] = 0x58 = 8810 (2)
最後に、ルータは、Hash値88に有効パス数2を乗じた値を256で割って、小数点以下を切り捨てることにより、選択パスとして“0”を得る(ステップS3)。
ルータは、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを、桁上げを無視して8ビットごとに加算し、下記(3)の16進数を得る(ステップS1)。
次に、ルータは、(3)の16進数を2進数でビット反転し、下記(4)の10進数のHash値を得る(ステップS2)。
H `[27-0] = 0x21 = 0010 00012 →(ビット反転)
→ 1000 01002 = H [27-0] = H `[20-7] = 0x84 = 13210 (4)
最後に、ルータは、Hash値132に有効パス数2を乗じた値を256で割って、小数点以下を切り捨てることにより、選択パスとして“1”を得る(ステップS3)。
なお、このモジュロ(n)演算結果は、ECMPの経路数(n)が2の場合、モジュロ(n)演算の性質上、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスの最下位アドレスの和が偶数か奇数かで、選択パス0または1の値が振り分けられることになる。図10に示すステップに沿って示した例においては、送信先IPアドレス10.0.0.1の最下位アドレス“1”と、宛先IPアドレス13.0.0.2の最下位アドレス“2”との和は “3(奇数)”であり、送信先IPアドレス10.0.0.4の最下位アドレス“4”と、宛先IPアドレス13.0.0.6の最下位アドレス“6”との和は “10(偶数)”である。
換言すると、ECMP経路判定部16は、実際のルータがECMPの経路を振り分ける手法を再現(ルールを同様に利用)することにより、品質劣化フローの送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスのフローごとに、n個の選択パスのうちいずれの選択パスが割り振られるかを求めることができる。
このとき、特定部11としてのECMP経路判定部16は、複数のパケットを、品質の劣化が検出された受信パケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ(n)演算の結果に基づいて推定することができる。
次に、ECMP経路判定部16の品質劣化フローの障害経路の特定方法について、図11〜図13を参照しながら説明する。
図11は、ルータC−E間での障害発生時に第1実施形態のIPネットワーク1におけるルータが振り分けたフローの経路を示す図である。
以下、図11に示すように、OSPFのようなルーティングプロトコルを用いたIPネットワーク1において、選択パス1(図中及び以下、モジュロ(1)ともいう)のフローには、ルータにより、A→C→E→G→H→Jの経路が割り振られていると仮定する。同様に、選択パス0(図中及び以下、モジュロ(0)ともいう)のフローには、ルータにより、A→C→D→F→H→Jの経路が割り振られていると仮定する。
同様に、送信元IPアドレス:10.0.0.1及び宛先IPアドレス:13.0.0.2のフロー,送信元IPアドレス:10.0.0.3及び宛先IPアドレス:13.0.0.4のフロー等は、ルータによるモジュロ(n)演算の結果、選択パス0が割り当てられている。
なお、上述したように、ECMP経路判定部16は、ルーティングテーブルT1からは、送信元サブネットから宛先サブネットへのフローにおいて、どのような経路が存在するかを知ることはできるが、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスごとのフローが、ルータによっていずれの経路に振り分けられているかを知ることはできない。品質計測結果保持部15が保持する品質計測結果テーブルT2においても同様に、ECMP経路判定部16は、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスごとのフローが、ルータによっていずれの経路に振り分けられているかを知ることはできない。
また、ECMP経路判定部16は、n個に分離した品質劣化フロー(以下、分離した品質劣化フローを品質劣化候補フローという)のそれぞれについて、品質計測部14に品質計測を実行させ、品質劣化が発生したフローを複数の品質劣化候補フローの中から絞り込む。
はじめに、ECMP経路判定部16は、図12に示す探索経路候補テーブルT3を作成し、送信元サブネット及び宛先サブネットのフィールドに、対象の品質劣化フローの送信元及び宛先サブネットをそれぞれセットする。また、ECMP経路判定部16は、トポロジ・経路管理部13が保持するルーティングテーブルT1から取得した、ECMPの経路数(n)に基づいて、モジュロ(n)のフィールドに0〜n−1の選択パスをセットする。図12に示す例においては、ECMP経路判定部16は、送信元サブネットのフィールドに10.0.0.0/8を、宛先サブネットのフィールドに13.0.0.0/8を、モジュロ(n)のフィールドに0及び1を、それぞれセットする。
このECMP経路判定部16によるパケットの抽出からモジュロ(n)演算までの処理は、探索経路候補テーブルT3に格納されたモジュロ(n)のフィールドの選択パス0〜n−1の全ての値が出現するまで、抽出するパケットを順次変更して繰り返し実行される。なお、モジュロ(n)演算により取得した選択パスが、それ以前に取得した選択パスと同一である場合には、ECMP経路判定部16は、探索経路候補テーブルT3へのパケットの送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスのセットを省略してもよい。
次いで、ECMP経路判定部16は、品質計測部14に対して、探索経路候補テーブルT3に格納されたモジュロ(n)のフィールドの選択パス0〜n−1の値に基づいて、モジュロ(0)〜(n−1)の各品質劣化候補フローについて、順に品質計測を実行するよう要求する。
同様に、品質計測部14は、パケット受信部12より送られるパケットの送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスについて、ECMP経路判定部16に対してモジュロ(n)演算を実行させ、モジュロ(1)の品質劣化候補フローであると確認すると、当該送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスのフローについて品質計測を実行する。
すなわち、品質計測部14は、パケット受信部12が受信した複数のパケットのそれぞれについてECMP経路判定部16にモジュロ(n)演算を実行させ、当該モジュロ演算の結果が品質計測の対象である品質劣化候補フローに対応するものである場合に、当該モジュロ演算に用いたパケットの送信元及び宛先IPアドレスについて、品質計測を実行する機能を備えるといえる。
ここで、探索経路候補テーブルT3において、品質計測結果が“1”(損失発生検出)である選択パス0〜n−1が存在しない場合、または二つ以上存在する場合がある。
これは、上述したように、ルータが使用する振り分けルールによっては、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを用いずに、送信元IPアドレスのみ、または宛先IPアドレスのみを用いたモジュロ(n)演算を行なうことがあるためである。
そして、EMCP経路判定部16は、モジュロ(n)演算を行なう際に用いるIPアドレスを、送信元IPアドレスまたは宛先IPアドレスに変更して、品質劣化フローを分離する手順から再度実行する。
このとき、ECMP経路判定部16は、当該品質劣化フローの品質劣化は、ECMP区間外(図11に示す例においては、ルータA−C間またはH−J間)で発生していると判定し、処理を終了する。
このように、ECMP経路判定部16は、パケット受信部12が受信した複数のパケットのうち、パケットの送信元及び宛先IPアドレスが、品質劣化フローの送信元及び宛先サブネットに含まれる複数のパケットを抽出する。そして、ECMP経路判定部16は、抽出したそれぞれのパケットの送信元及び宛先のIPアドレス、または送信元のIPアドレス、または宛先のIPアドレスのいずれかを用いたモジュロ(n)演算結果に基づいて、品質劣化フローを複数の品質劣化候補フローに分離する機能を備える。
ここで、任意の一フローとは、当該選択パスに対応する品質劣化候補フローに含まれる実際の送信元IPアドレスから宛先IPアドレスへのフローである。
そこで、ECMP経路判定部16は、図12に示す探索経路候補テーブルT3を参照して、当該選択パスに対応する、当該品質劣化フローを分離した際にセットした送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを読み出し、経路探索実行要求とともに経路探索実行要求部17に対して送信する。
当該送信元IPアドレスを有する端末20は、当該宛先IPアドレスへの経路探索を実行する。経路探索実行結果は、端末20から経路探索実行要求部17に送信され、さらに経路探索実行要求部17からECMP経路判定部16に対して送信される。
図12に示す例においては、モジュロ(1)に対応する品質劣化経路のフィールドに、A→C→E→G→H→Jの障害経路がセットされる。
このように、ECMP経路判定部16と経路探索実行要求部17とは、協働して、ECMP区間の障害経路を特定する経路特定部として機能する。
具体的には、経路特定部としてのECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17は、品質計測部14からの品質劣化候補フローごとの品質計測結果に基づき、複数の品質劣化候補フローの中から、品質劣化の発生した品質劣化候補フローを検出するとともに、検出した品質劣化候補フローにおける任意の一のフローに対して経路探索を実行することにより、品質劣化フローの障害経路を特定するといえる。
また、経路特定部としてのECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17は、品質計測部14に実行させた品質劣化候補フローごとの品質計測結果を、テーブルT4として保持し、このテーブルT4に基づいて、品質劣化候補フローごとに品質劣化の発生を判定する。そして、当該判定結果を、品質劣化候補フローに対応する送信元及び宛先IPアドレスに対応付けて、探索経路候補テーブルT3として保持するとともに、探索経路候補テーブルT3に基づいて、品質劣化フローの障害経路を特定するといえる。
この場合、経路特定部としてのECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17は、通知された複数の品質劣化フローから、任意の一つの品質劣化フローを選択し、当該品質劣化フローについて、上述した手順によって障害経路を特定する。
なお、ECMP経路判定部16は、自身が作成する探索経路候補テーブルT3及びモジュロごとの品質計測結果テーブルT4を、品質計測結果保持部15に格納してもよい。または、障害経路監視装置10あるいはECMP経路判定部16が、探索経路候補テーブルT3及びモジュロごとの品質計測結果テーブルT4を格納する記憶部を、品質計測結果保持部15とは別にそなえてもよい。
次に、第1実施形態における障害経路特定手順について、図14を参照しながら説明する。
図14は、図11に示すIPネットワーク1のルータC−E間で障害が発生した場合の、第1実施形態の障害経路監視装置10における障害経路特定手順を説明するためのフローチャートである。
次に、品質計測部14は、パケット受信部12より送られたパケットに基づいて、送信元及び宛先サブネットごとにフローを分類し、各フローについての品質計測を行なう(ステップS11)。このとき、品質計測結果は品質計測結果テーブルT2に格納される。
品質計測部14は、品質劣化フローを検出すると、ECMP経路判定部16に対して、当該品質劣化フローを通知する(ステップS12のYesルート)。なお、品質劣化フローが複数存在する場合には、品質計測部14は、複数の品質劣化フローをECMP経路判定部16に通知する。
品質劣化フローを通知されたECMP経路判定部16は、トポロジ・経路管理部13が管理するルーティングテーブルT1を参照し、当該品質劣化フローがECMPであるか否かを、また、ECMPである場合にはその経路数を判定する(ステップS13)。
ECMP経路判定部16が、当該品質劣化フローがECMPでないと判定した場合には(ステップS13のNoルート)、品質計測部14から通知された品質劣化フローが他に存在するか否かを判断する(ステップS14)。
ECMP経路判定部16は、ルーティングテーブルT1を参照して、当該品質劣化フローがECMPであり、経路数が2であることを確認する(ステップS13のYesルート)。
次いで、ECMP経路判定部16は、品質計測部14に対して、探索経路候補テーブルT3に格納されたモジュロ(n)のフィールドの選択パス0〜n−1の値に基づいて、モジュロ(0)〜(n−1)の各品質劣化候補フローについて、順に品質計測を実行させる(ステップS17)。
次に、ECMP経路判定部16は、品質計測部14及びECMP経路判定部16による品質劣化候補フローごとの品質計測によって作成された探索経路候補テーブルT3から、複数の品質劣化候補フローのうち、品質計測結果が“1”(損失発生検出)である品質劣化候補フローが一つだけ存在するか否かを確認する(ステップS18)。
一方、当該品質劣化フローを分離した際のモジュロ(n)演算において、全てのパターンを用いていない場合には(ステップS21のNoルート)、ECMP経路判定部16は、当該品質劣化フローを分離した際に用いなかった他のパターンを用いて、再度、当該品質劣化フローを分離する(ステップS23,S16)。
ステップS18において、品質計測結果が“1”(損失発生検出)である品質劣化候補フローが一つだけ存在すると判定された場合には(ステップS18のYesルート)、ECMP経路判定部16は、品質結果が“1”(損失発生検出)である品質劣化候補フローに対応する送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを探索経路候補テーブルT3から取得し、当該IPアドレスについて、経路探索実行要求部17に対して経路探索の実行を要求する。
ECMP経路探索部16は、経路探索実行要求部17からの経路探索結果を、探索経路候補テーブルT3の品質結果が“1”(損失発生検出)である品質劣化候補フローに対応する経路探索結果のフィールドにセットする。
(A−4)まとめ
このように、第1実施形態によれば、品質計測部14により、品質劣化フローがサブネット単位で検出される。また、ECMP経路判定部16によるモジュロ(n)演算により、ECMPの品質劣化フローが経路ごとの品質劣化候補フローに分離され、品質計測部14により、分離した品質劣化候補フローごとの品質計測が実行される。そして、品質劣化の発生した品質劣化候補フローのうち、絞り込んだフローを優先的に(絞り込んだ任意の一フローについてのみとすることもできる)、経路探索が実行され、品質劣化の発生した品質劣化候補フローの経路が特定される。
また、品質劣化が発生している送信元及び宛先サブネット間において、全ての送信元及び宛先IPアドレスごとに経路探索を実行せずに済むため、経路探索に要する時間を短縮することができ、ECMP区間の障害経路を短時間で特定することができる。
(A−5)第1実施形態の第1変形例
第1実施形態における品質計測部14による品質劣化候補フローごとの品質計測については、上述した手順に限らず、例えば以下のように実行してもよい。
次に、ECMP経路判定部16は、探索経路候補テーブルT3のモジュロ(0)、すなわち選択パス0に対応する送信元IPアドレス/宛先IPアドレスのフィールドを参照して、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを読み出し、読み出したIPアドレスを品質計測部14に対して通知し、品質計測の要求をする。
以下、ECMP経路判定部16は、上述した手順により、探索経路候補テーブルT3及びモジュロごとの品質計測結果テーブルT4に対して、モジュロ(0)の品質劣化候補フローについての品質計測結果をセットする。
上述のように、第1実施形態の第1変形例の経路特定部としてのECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17は、品質劣化フローを複数の品質劣化候補フローに分離した際に抽出した複数のパケットの送信元及び宛先IPアドレスを、品質計測部14に通知する。そして、第1実施形態の第1変形例の品質計測部14は、パケット受信部12が受信した複数のパケットのうち、送信元及び宛先IPアドレスが、通知された送信元及び宛先IPアドレスであるパケットの情報に基づいて品質計測を実行する。
これにより、第1実施形態における効果に加えて、ECMP経路判定部16は、品質劣化フローを複数の品質劣化候補フローに分離するときにのみ、モジュロ(n)演算を実行すればよいので、障害経路監視装置10における負荷を低減することができる。また、ECMPにおいて品質劣化が発生した経路をより短時間に特定することできる。
第1実施形態におけるECMP経路判定部16による品質劣化フローの分離、及び品質計測部14による品質劣化候補フローごとの品質計測については、上述した手順に限らず、例えば以下のように実行してもよい。
図15は、図11に示すIPネットワーク1のルータC−E間で障害が発生した場合の、第1実施形態の障害経路監視装置10における障害経路特定手順の変形例を説明するためのフローチャートである。この図15に示す変形例の手順では、図14のステップS16,S17に代えて、ステップS116,S117が実行される。
以下、ECMP経路判定部16により、品質劣化フローがECMPであると判定された場合について説明する。
ECMP経路判定部16により、品質劣化フローがECMPであると判定された場合(ステップS13のYesルート)、ECMP経路判定部16は、品質劣化フローについての図12に示す探索経路候補テーブルT3及び図13に示すモジュロごとの品質計測結果テーブルT4を作成する。そして、ECMP経路判定部16は、各テーブルにおいて、送信元サブネット及び宛先サブネットのフィールドには対象の品質劣化フローの送信元及び宛先サブネットを、モジュロ(n)のフィールドには選択パスを、それぞれセットする。
品質計測部14では、この要求を受けると、パケット受信部12から受信している複数のパケットのうち、送信元及び宛先IPアドレスが、品質劣化フローの送信元及び宛先サブネットに含まれる送信元及び宛先IPアドレスであるパケットを抽出し、抽出したパケットについて、送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスごとのフローに分類して、各フローの品質を計測する(ステップS116)。
また、ECMP経路判定部16は、探索経路候補テーブルT3に対して、当該選択パスに対応する送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを、送信元IPアドレス/宛先IPアドレスのフィールドにセットする。さらに、ECMP経路判定部16は、探索経路候補テーブルT3に対して、当該選択パスに対応する送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスのフローについての品質計測結果に基づいて、品質計測結果のフィールドに“0”(損失発生非検出)または“1”(損失発生検出)をセットする。従って、上述した手順によって、選択パス0〜n−1に対応する各品質劣化候補フローが得られる。
このように、第1実施形態の第2変形例によれば、ECMP経路判定部16により、品質劣化フローにおける送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスごとのフローについての品質計測結果が受信され、それぞれのフローが0〜n−1のいずれの選択パスに対応するかがモジュロ(n)演算により判定される。そして、判定した結果に基づいて、それぞれのフローのIPアドレスや品質計測結果等の情報が、探索経路候補テーブルT3及びモジュロごとの品質計測結果テーブルT4に対してセットされる。
第1実施形態における品質計測部14による送信元及び宛先サブネットごとの品質計測、ECMP経路判定部16による品質劣化フローの分離、及び品質計測部14による品質劣化候補フローごとの品質計測については、上述した手順に限らず、例えば以下に図16〜図18を参照しながら説明する第2実施形態のように実行してもよい。
図18は、第2実施形態の障害経路監視装置10のECMP経路判定部16が作成する、図4に示すIPネットワーク1における探索経路候補テーブルT13を示す図である。
まず、トポロジ・経路管理部13は、上述した手順により、パケット受信部12より送られたOSPFのLSA情報に基づき、ルーティングテーブルT1を作成する(ステップS10)。
このとき、ECMP経路判定部16は、品質劣化フローが複数通知された場合には、任意の品質劣化フローを選択し、選択した品質劣化フローについて判定する。
ECMP経路判定部16は、ルーティングテーブルT1を参照して、当該品質劣化フローがECMPであり、経路数が2であることを確認する(ステップS213のYesルート)。
次いで、ECMP経路判定部16は、当該品質劣化フローの送信元IPアドレス及び宛先IPアドレス、または送信元IPアドレス、または宛先IPアドレスを用いたモジュロ(n)演算を実行することにより、当該品質劣化フローに対応する選択パスを得る。また、ECMP経路判定部16は、モジュロ(n)演算により得た選択パスに基づいて、探索経路候補テーブルT13の当該選択パスに対応する送信元IPアドレス/宛先IPアドレスのフィールドに、当該品質劣化フローの送信元及び宛先IPアドレスをセットする。さらに、ECMP経路判定部16は、探索経路候補テーブルT13の当該選択パスに対応する品質計測結果のフィールドに“1”(損失発生検出)をセットする。
また、ECMP経路判定部16は、図17に示す品質計測結果テーブルT12から当該品質劣化フローと同じ送信元サブネット及び宛先サブネットに含まれる、他のフロー(品質劣化フローであるか否かは問わない)の送信元IPアドレス及び宛先IPアドレス、または送信元IPアドレス、または宛先IPアドレスを参照して、モジュロ(n)演算を実行することにより、当該他のフローに対応する選択パスを得る。さらに、ECMP経路判定部16は、品質計測結果テーブルT12の当該他のフローの品質計測結果を参照して、探索経路候補テーブルT13の対応する品質計測結果のフィールドに“0”(損失発生非検出)または“1”(損失発生検出)をセットする。
上述のように、第2実施形態では、経路特定部としてのECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17により、品質劣化計測テーブルT12の品質計測結果が参照されて、品質劣化フローが含まれる送信元及び宛先サブネット間のフローが複数の品質劣化候補フローに分離される。そして、分離された複数の品質劣化候補フローと品質計測結果とに基づいて、品質劣化フローにおける任意の一のフローに対して経路探索要求が実行されることにより、品質劣化フローの障害経路が特定される。
これにより、第1実施形態における効果に加えて、品質計測部14は、品質劣化フローを検出するときにのみ品質計測を実行すればよいので、障害経路監視装置10における負荷を低減することができる。また、ECMPにおいて品質劣化が発生した経路をより短時間に特定することできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。
例えば、図19〜図23を参照しながら説明するごとく、第1実施形態及び第2実施形態のIPネットワーク1における品質劣化フローの経路数は2であったが、ECMPの経路数は3以上であってもよい。
図20〜図23は、それぞれ、障害経路監視装置10におけるルーティングテーブルT21、品質計測結果テーブルT22、探索経路候補テーブルT23及びモジュロごとの品質計測結果テーブルT24を示す図である。
このようなIPネットワーク2の構成においても、上述した第1実施形態及び第2実施形態における障害経路特定手順を適用することが可能である。
なお、上述した特定部11,パケット受信部12,トポロジ・経路管理部13,品質計測部14,ECMP経路判定部16及び経路探索実行要求部17としての機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が障害経路特定プログラムとしての所定のアプリケーションプログラムを実行することによって実現されてもよい。
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から記憶部制御プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
(D)付記
そして、本発明は、以下に示すように要約することができる。
中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定する装置であって、
ネットワーク内を伝送されるパケットを受信するパケット受信部と、
前記パケット受信部が受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、送信元アドレス又は宛先アドレスに基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどることが推定された複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する特定部と、
を備えたことを特徴とする監視装置。
前記複数のパケットは、前記中継装置によるパケットの経路振り分けルールと同じ振り分け結果を得る判定基準を用いて推定される、
付記1記載の監視装置。
(付記3)
前記複数のパケットは、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて推定される、
付記2記載の監視装置。
前記特定部は、前記パケット受信部が受信した受信パケットのうち、パケットの送信元及び宛先アドレスが、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先サブネットに含まれる複数のパケットを抽出し、抽出したそれぞれのパケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて、前記複数のパケットを推定する、
付記3記載の監視装置。
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットのそれぞれについてモジュロ演算を実行し、当該モジュロ演算の結果が、品質計測の対象である前記品質の劣化が検出された前記受信パケットについてのモジュロ演算の結果に対応するものである場合に、当該モジュロ演算に用いたパケットの送信元及び宛先アドレスであるパケットの情報に基づいて、品質計測を実行する、
付記3又は付記4記載の監視装置。
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットのうち、送信元及び宛先アドレスが、前記複数のパケットを推定した際に抽出した前記複数のパケットの送信元及び宛先アドレスであるパケットの情報に基づいて品質計測を実行する、
付記5記載の監視装置。
前記特定部は、
前記推定された複数のパケットについて品質計測を実行して、障害経路をたどるパケットが特定できなかった場合または二つ以上の異なる経路をたどるパケットが障害経路をたどるパケットであると特定した場合に、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先サブネットにおける送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのうち、当該複数のパケットの推定の際に用いなかった他のモジュロ演算の結果に基づいて、前記複数のパケットを推定するとともに、当該複数のパケットについて品質計測を実行することにより、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する、
付記3または付記4に記載の監視装置。
前記パケット受信部は、ネットワーク内を伝送される経路を制御する情報をさらに受信し、
前記パケット受信部で受信した経路を制御する情報に基づいて、ルーティングテーブルを作成する管理部をさらにそなえるとともに、
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、前記管理部が作成した前記ルーティングテーブルに基づいて、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路が複数存在するか否かを判断し、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路が複数存在すると判断した場合に、前記複数のパケットを推定する、
付記1〜7のいずれか1つに記載の監視装置。
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、前記管理部が作成した前記ルーティングテーブルに基づいて、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路の経路数を算出するとともに、前記算出した経路数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定する、
付記8記載の監視装置。
前記特定部は、前記複数のパケットについての品質計測の結果に基づき、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定し、特定したパケットに含まれる情報に基づいて経路探索を実行することにより、前記ネットワーク内の障害経路を特定する、
付記1〜9のいずれか1つに記載の監視装置。
前記特定部は、
前記推定された複数のパケットについての品質計測の結果を、テーブルとして保持し、
前記テーブルに基づいて、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定し、当該特定結果を、前記推定された複数のパケットに対応する送信元及び宛先アドレスに対応付けて、探索経路候補テーブルとして保持するとともに、
前記探索経路候補テーブルに基づいて経路探索を実行することにより、前記ネットワーク内の障害経路を特定する、
付記10に記載の監視装置。
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質計測を行なうとともに、前記受信パケットの品質の劣化を検出する品質計測部と、
前記品質計測部で前記受信パケットの品質の劣化を検出した場合に、送信元アドレス又は宛先アドレスに基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定し、当該複数のパケットについて前記品質計測部に品質計測を実行させることにより、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する経路特定部と、を備えたことを特徴とする、
付記1〜11のいずれか1つに記載の監視装置。
前記品質計測部の品質計測の結果を保持する保持部をさらにそなえ、
前記品質計測部は、
前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質計測の結果を品質計測結果テーブルとして、前記保持部に格納するとともに、前記品質計測結果テーブルの品質計測の結果に基づいて、前記受信パケットの品質の劣化を検出する、
付記12に記載の監視装置。
OSPF(Open Shortest Path First)が用いられるネットワーク内のECMP(Equal Cost Multi Path)区間の障害経路を特定する、
付記1〜13のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記15)
中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定する方法であって、
ネットワーク内を伝送されるパケットを受信し、
前記受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、送信元アドレス又は宛先アドレスに基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどることが推定された複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定することを特徴とする、監視方法。
前記複数のパケットは、前記中継装置によるパケットの経路振り分けルールと同じ振り分け結果を得る判定基準を用いて推定される、
付記15記載の監視方法。
(付記17)
前記複数のパケットは、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて推定される、
付記16記載の監視方法。
中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定するプログラムであって、
パケット受信部が受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、送信元アドレス又は宛先アドレスに基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどることが推定された複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する特定部として、コンピュータを機能させることを特徴とする、監視プログラム。
前記複数のパケットは、前記中継装置によるパケットの経路振り分けルールと同じ振り分け結果を得る判定基準を用いて推定される、
付記18記載の監視プログラム。
(付記20)
前記複数のパケットは、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて推定される、
付記19記載の監視プログラム。
10,110 障害経路監視装置
11 特定部
12 パケット受信部
13 トポロジ・経路管理部(管理部)
14 品質計測部
15 品質計測結果保持部(保持部)
16 ECMP経路判定部(経路特定部)
17 経路探索実行要求部(経路特定部)
20 端末
30 分岐部
A〜L ルータ
T1,T21,T5 ルーティングテーブル
T2,T12,T22 品質計測結果テーブル
T3,T13,T23 探索経路候補テーブル
T4,T24 モジュロごとの品質計測結果テーブル
Claims (10)
- 中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定する装置であって、
ネットワーク内を伝送されるパケットを受信するパケット受信部と、
前記パケット受信部が受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質計測を実行し、前記受信パケットの品質の劣化を検出した場合に、送信元アドレス及び宛先アドレスの少なくとも一方に基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定し、当該複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する特定部と、
を備えたことを特徴とする監視装置。 - 前記複数のパケットは、前記中継装置によるパケットの経路振り分けルールと同じ振り分け結果を得る判定基準を用いて推定される、
請求項1記載の監視装置。 - 前記複数のパケットは、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて推定される、
請求項2記載の監視装置。 - 前記特定部は、前記パケット受信部が受信した受信パケットのうち、パケットの送信元及び宛先アドレスが、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先サブネットに含まれる複数のパケットを抽出し、抽出したそれぞれのパケットの送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのいずれかを用いたモジュロ演算の結果に基づいて、前記複数のパケットを推定する、
請求項3記載の監視装置。 - 前記特定部は、
前記推定された複数のパケットについて品質計測を実行して、障害経路をたどるパケットが特定できなかった場合または二つ以上の異なる経路をたどるパケットが障害経路をたどるパケットであると特定した場合に、前記品質の劣化が検出された前記受信パケットの送信元及び宛先サブネットにおける送信元及び宛先アドレス、または送信元アドレス、または宛先アドレスのうち、当該複数のパケットの推定の際に用いなかった他のモジュロ演算の結果に基づいて、前記複数のパケットを推定するとともに、当該複数のパケットについて品質計測を実行することにより、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する、
請求項3または請求項4に記載の監視装置。 - 前記パケット受信部は、ネットワーク内を伝送される経路を制御する情報をさらに受信し、
前記パケット受信部で受信した経路を制御する情報に基づいて、ルーティングテーブルを作成する管理部をさらにそなえるとともに、
前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、前記管理部が作成した前記ルーティングテーブルに基づいて、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路が複数存在するか否かを判断し、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路が複数存在すると判断した場合に、前記複数のパケットを推定する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の監視装置。 - 前記特定部は、
前記パケット受信部が受信した受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質の劣化が検出された場合に、前記管理部が作成した前記ルーティングテーブルに基づいて、前記送信元及び宛先サブネット間の伝送経路の経路数を算出するとともに、前記算出した経路数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定する、
請求項6記載の監視装置。 - 前記特定部は、前記複数のパケットについての品質計測の結果に基づき、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定し、特定したパケットに含まれる情報に基づいて経路探索を実行することにより、前記ネットワーク内の障害経路を特定する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の監視装置。 - 中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定する方法であって、
ネットワーク内を伝送されるパケットを受信し、
前記受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質計測を実行し、
前記受信パケットの品質の劣化を検出した場合に、送信元アドレス及び宛先アドレスの少なくとも一方に基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定し、
前記推定した複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定することを特徴とする、監視方法。 - 中継装置を含むネットワーク内の障害経路を特定するプログラムであって、
ネットワーク内を伝送されるパケットを受信し、
前記受信した受信パケットに含まれる情報に基づいて前記受信パケットの送信元及び宛先サブネット間における品質計測を実行し、
前記受信パケットの品質の劣化を検出した場合に、送信元アドレス及び宛先アドレスの少なくとも一方に基づいて前記送信元及び宛先サブネット間の複数の伝送経路のうちの異なる経路をたどる複数のパケットを推定し、
前記推定した複数のパケットについて品質計測を実行して、いずれのパケットが障害経路をたどるパケットか特定する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする、監視プログラム。
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