JP5536619B2 - 耐荷構造物用の支柱 - Google Patents
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Description
従来の衝撃吸収柵のエネルギー吸収量は、基本的に防護ネット及び支柱の変形量に比例する。
その一方で、道路や鉄道等の交通路線の脇に衝撃吸収柵を設置する場合は、支柱の変形量を小さく抑制することが求められる。そのために、鋼管にモルタル等のセメント系固化材を充填して曲げ強度を増強したCFT構造の支柱が用いられる(特許文献1)。
(1)支柱の変形量を小さく抑制するためには、径を大きくして支柱の断面係数を大きくする必要がある。
支柱の断面係数を大きくすると、支柱の重量が重たくなって運搬や設置等の取扱いが不便になるだけでなく、支柱コストも嵩む問題がある。
(2)鋼管内にモルタルを充填して現場で支柱を構築する場合には、養生期間を要するため全体工期が延びて施工的に支障がでる。
(3)受撃に伴い支柱が変形すると、屈曲変形箇所のセメント系固化材が鋼管内で砕けて強度が極端に低下し、初期の支柱強度を持続することができない。
そのため、衝撃が繰り返し作用すると、二回目以降は初期の支柱強度を維持できずに衝撃吸収柵としての機能を喪失する。
(4)支柱が変形したときは新たな支柱と交換しているが、撤去した支柱は鋼管と内部のセメント系固化材が一体化しているため、支柱を構成する素材のリサイクルやリユースを図ることが不可能である。
(1)支柱の強度と靭性が大幅に向上すること。
(2)支柱を構成する素材のリサイクルやリユースが図れること。
(3)現場での取扱い性に優れ、施工がし易く、低コスト化を図ること。
本願の第2発明は、前記第1発明において、前記栓蓋が支柱本体の端部開口に内挿可能な小径部と、支柱本体の端部開口に内挿不能な大径部とを具備することを特徴とする。
本願の第3発明は、前記第1発明において、前記栓蓋が支柱本体の端部開口に内挿可能な小径部を具備し、前記支柱本体の曲げ変形に伴って該栓蓋が中詰粒体を加圧することを特徴とする。
本願の第4発明は、前記第1乃至第3発明の何れかにおいて、中詰粒体が細骨材、鋼球、廃棄物の固化粒体群の何れかひとつであることを特徴とする。
本願の第5発明は、前記第1乃至第4発明の何れかにおいて、耐荷構造物が衝撃吸収柵であることを特徴とする。
(1)本発明に係る支柱は引張材を緊張して中詰粒体を締め固めて形成した硬質塊体と、硬質塊体を拘束する支柱本体とを一体化して合成構造としたものであるだけでなく、プレストレスが作用している。
そのため、従来のモルタル充填鋼管と比較して、格段に高い曲げ強度と靭性を発揮することができる。
(2)引張材に導入した緊張力を解放すると、中詰粒体の結合が解けて柱状の硬質塊体を解体できる。そのため、支柱を構成する支柱本体と中詰粒体を分離回収してリユースやリサイクルが図れる。
(3)支柱本体には特別な追加加工を一切施す必要がなく、市販の鋼管をそのまま使用できる。
そのため、支柱のコストを削減できるだけでなく、支柱の組立て時間とコストも削減することができる。
図1〜図4に本発明に係る支柱10の一例を示す。
支柱10は中空の支柱本体11と、支柱本体11の端部の開口を閉鎖する栓蓋20と、支柱本体11内に充填した非圧縮性の中詰粒体30と、栓蓋20を介して中詰粒体30に圧縮力を与える引張材40とを具備する。
栓蓋20が支柱本体11の端部開口に摺動可能に装着して中詰粒体30を封入し、引張材40がその端部を栓蓋20に定着し、栓蓋20を介して中詰粒体30を加圧している。
本発明に係る支柱10は、引張材40を緊張して中詰粒体30を締め固めて形成した硬質塊体31と、該硬質塊体31を拘束する支柱本体11とを一体化して合成構造としたものである。
支柱本体11は鋼管等の中空管で、衝撃吸収柵等の耐荷構造物の設置高さに応じて適宜の長さに設定されている。
支柱本体11の断面形状は性能的には円形が望ましいが、その他に楕円形、または多角形であってもよい。
栓蓋20は支柱本体11内の中詰粒体30を封入する蓋材としての機能と、封入した中詰粒体30を加圧する機能を併有した部材である。本例の栓蓋20は、異径の短柱体で小径部21と大径部22とを有し、その軸心に貫通した透孔23を有する。
本発明では支柱10の強度と靭性を高めるため、支柱本体11内に中詰粒体30を圧密状態で封入するものである。
中詰粒体30の粒径については特に制約がない。また中詰粒体30は単粒度だけで構成する場合もあるが、粒径の異なる複数種類の粒体の混合物を使用してもよい。
栓蓋20を介して中詰粒体30に圧縮力を与える引張材40には、引張耐力に優れた公知のPC鋼棒、鉄筋等の棒体の他にPCストランド、高強度繊維等のロープを使用できる。
図4は下端を栓蓋20で閉鎖して縦置きした支柱本体11の上口から中詰粒体30を充填する工程を示している。
支柱本体11内には引張材40を配置しておき、支柱本体11内のほぼ全域に中詰粒体30を充填する。
中詰粒体30の充填に当たっては支柱本体11又は中詰粒体30に振動を与える等して中詰粒体30相互間の間隙をできるだけ小さくしておくことが望ましい。
図5は引張材40を緊張して支柱本体11内の中詰粒体30を加圧する工程を示している。
支柱本体11の上部から突出する引張材40に透孔23を通じて別途の栓蓋20を被せるともに、栓蓋20の小径部21を支柱本体11の上端開口に挿入する。
つづいて、引張材40を所定の力で緊張した後、引張材40の端部を定着具41で定着して引張材40に所定の緊張力を導入する。
栓蓋20が無数の中詰粒体30を圧縮することで、粗かった中詰粒体30間の隙間が密実へと変化する。
非圧縮材である中詰粒体30は、その周囲を支柱本体11で拘束されて逃げ場がない。そのため、引張材40の緊張力に比例して中詰粒体30の拘束圧力が増加する。
中詰粒体30の拘束圧力は、支柱本体11への中詰粒体30の充填量と、引張材40の緊張力等により求められる。
図1は引張材40に所定の緊張力を導入して製作した支柱10の完成品を示している。
中詰粒体30は非圧縮性の粒体であるから粒体そのものは変形せずに、加圧力を相互に伝達し合い、粒体相互間の間隙が限界まで小さくなっている。
加圧前の中詰粒体30群は相互に結合する関係にはなかったが、支柱本体11で拘束した状態で加圧されることで、中詰粒体30相互間に結合力が生じ、無数の中詰粒体30群が硬質塊体31へと変化する。
上記したように本発明に係る支柱10は、支柱本体11と、支柱本体11の内部で中詰粒体30を締め固めて形成した柱状の硬質塊体31とによる合成構造体である。
さらに引張材40に導入した緊張力が支柱本体11へプレストレスとして作用している。
そのため、本発明に係る支柱10は従来のモルタル充填鋼管と比較して、格段に高い曲げ強度と靭性を発揮することができる。
以下に詳しく説明する。
そのため、支柱10に曲げ力が加わると、その力は中詰粒体30の全体へ伝達され、支柱本体11の拘束効果により支柱10全体で支持される。
支柱10が曲げ変形をしている間も無数の中詰粒体30が柱状の硬質塊体31を維持し、さらに引張材40に導入した緊張力も維持されるので、支柱10の初期強度を略そのまま持続することが可能となる。
そのため、支柱10の現場での取扱い性に優れ、施工がし易い。
支柱10が変形したときは新たな支柱10と交換する。
撤去した変形した支柱10は、引張材40に導入した緊張力を解放し、支柱本体11から栓蓋20を取り外すと、中詰粒体30の結合が解けて柱状の硬質塊体31が解体される。
このように引張材40の緊張力を解放することで、支柱本体11から中詰粒体30を容易に取り出せるから、支柱本体11と内部の中詰粒体30を分離回収することができる。
回収した中詰粒体30は別の支柱10にリユースでき、また回収した支柱本体11はリサイクルすることができる。
本実施例では、中空の支柱本体11と、支柱本体11の端部の開口を閉鎖する栓蓋と、支柱本体11内に充填した中詰粒体30と、栓蓋を介して中詰粒体30に圧縮力を与える引張材40とより支柱10を構成することは先の実施例1と同様であるが、小径部21のみで構成した栓蓋25を用いて支柱本体11の端部開口を閉鎖し、支柱10が曲げ変形を生じたときに、栓蓋25による中詰粒体30の圧縮力を増すようにしたものである。
支柱本体11内に充填した無数の中詰粒体30は、支柱本体11の他方(下位)に装着した異形の栓蓋20と、支柱本体11の一方(上位)に装着した栓蓋25とにより圧縮されて柱状の硬質塊体31を形成している。
栓蓋25は短柱状の小径部21からなり、その軸心に透孔23を有する。
小径部21は、支柱本体11の端部開口の径と同径または僅かに小径に形成してあって、支柱本体11の端部開口に内挿可能である。
本例では支柱本体11の一方(上位)の端部開口に栓蓋25を装着し、支柱本体11の他方(下位)の端部開口に挿入深さの制限がある異形の栓蓋20を装着した形態を示すが、支柱本体11の両方の端部開口に栓蓋25を装着してもよいことは勿論である。
本実施例における支柱10の基本的な特性は既述した実施例1と同じであるが、支柱10が曲げ変形をしたときに、以下に説明する動栓蓋25の加圧動作によって中詰粒体30の圧縮力が増加する。
引張材40の下端に係止した異径の栓蓋20は、その小径部21と大径部22の段差部が支柱本体11の開口端部に当接して、それ以上の挿入が制限されている。
引張材40の上端に係止した栓蓋25では、支柱本体11の開口端部に当接する段差が存在しない。そのため、支柱10の曲げ変形量に比例して引張材40の引張力が増すと、栓蓋25が支柱本体11の内部へ入り込んで、中詰粒体30に対する加圧力が増す。
11・・・・支柱本体
20,25・・・栓蓋
21・・・・小径部
22・・・・大径部
23・・・・透孔
30・・・・中詰粒体
31・・・・硬質塊体
40・・・・引張材
41・・・・定着具
Claims (5)
- 耐荷構造物用の支柱であって、
中空の支柱本体と、
支柱本体内に充填した非圧縮性の中詰粒体と、
支柱本体の端部開口に摺動可能に装着し、該端部開口を閉鎖して中詰粒体を加圧する栓蓋と、
栓蓋に端部を定着し、栓蓋を介して中詰粒体へ加圧力を与える引張材とを具備し、
前記引張材を緊張して中詰粒体を締め固めて形成した硬質塊体と、該硬質塊体を拘束する支柱本体とを一体化して合成構造としたことを特徴とする、
耐荷構造物用の支柱。 - 請求項1において、前記栓蓋が支柱本体の端部開口に内挿可能な小径部と、支柱本体の端部開口に内挿不能な大径部とを具備することを特徴とする、耐荷構造物用の支柱。
- 請求項1において、前記栓蓋が支柱本体の端部開口に内挿可能な小径部を具備し、前記支柱本体の曲げ変形に伴って該栓蓋が中詰粒体を加圧することを特徴とする、耐荷構造物用の支柱。
- 請求項1乃至請求項3の何れか1項において、中詰粒体が細骨材、鋼球、廃棄物の固化粒体群の何れかひとつであることを特徴とする、耐荷構造物用の支柱。
- 請求項1乃至請求項4の何れか1項において、耐荷構造物が衝撃吸収柵であることを特徴とする、耐荷構造物用の支柱。
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