JP5539802B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
体積変化率(%)=[(A−B)/A]×100
なお、本発明におけるリチウムサイト、鉄サイトおよびリンサイトとは、結晶学的にLiFePO4におけるリチウム、鉄およびリンが占有する等価位置のことを示す。結晶性の物質の原子配列は幾何学的に分類が可能であり、全ての結晶性物質の原子配列は230の空間群として定義される種類に分類できる。これ等の空間群に対して、結晶構造内に存在する原子は対称性や繰返し性等を考慮し結晶学的にみて同じ環境にある等価位置に存在すると定義される。LiFePO4は具体的には空間群Pnmaに属することが知られており、リチウム、鉄、およびリンはそれぞれ、4aサイト、4cサイト、4cサイトに位置する。なお空間群や等価位置の定義はInternational Union of Crystallography 発行の“INTERNATIONAL TABLE FOR CRYSTALLOGRAPHY Volume A”の記載に従った。
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4 (1)
(但し、式中、MはFe1−xZxで表され、ZはZr、Sn、YおよびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦0.25、yは0.10≦y≦0.50、aは0≦a≦0.05、bは0.9≦b<1である。ここで、aおよびbはCuKα線を線源に用いた粉末X線回折パターンからリートベルト解析を用いて求められる等価位置中の元素の占有率であり、aはリチウムサイト中のMの占有率であり、bは鉄サイト中のMの占有率である。)。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、下記一般式(1)で表される組成を有す
るリチウム含有複合金属酸化物を含むことを特徴とするものである。
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4 (1)
(但し、式中、MはFe1−xZxで表される混合金属種、ZはZr、Sn、YおよびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦0.25、yは0.10≦y≦0.50、aは0≦a≦0.05、bは0.9≦b<1である。ここで、aおよびbはCuKα線を線源に用いた粉末X線回折パターンからリートベルト解析を用いて求められる等価位置中の元素の占有率であり、aはリチウムサイト中のMの占有率であり、bは鉄サイト中のMの占有率である。)
なお、詳細な欠損発生のメカニズムは明確になっていないが、5価のリンを4価のシリコンで置換を行うことは、リンサイトの電子が見かけ上1個増えることを意味しており、電荷の中性を保つためにシリコン近傍の鉄サイトが欠損しているのではないかと考えられる。
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−xZrx、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−xSnx、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−xYx、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−xAlx、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.25)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Zr,Sn)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5、ZrとSnの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Zr,Y)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5、ZrとYの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Zr,Al)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5、ZrとAlの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Sn,Y)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5、SnとYの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Sn,Al)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.5、SnとAlの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4(0≦a≦0.05、0.9≦b≦1.0、M=Fe1−x(Y,Al)x、0.05≦x<0.25、0.1≦y≦0.25、YとAlの原子比0.99:0.01〜0.01:0.99)、が挙げられる。
リチウム含有金属酸化物は、原料として、各元素の炭酸塩、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等の組合せを用いることにより製造できる。製造方法としては、焼成法、固相法、ゾルゲル法、溶融急冷法、メカノケミカル法、共沈法、水熱法、噴霧熱分解法等の方法を用いることができる。
本発明は、上記一般式のリチウム含有複合酸化物を製造する方法であり、原料物質となるリチウム源、鉄源、ジルコニウム源、リン源およびシリコン源を溶媒に溶解させる工程(以下、溶解工程という。)、得られた溶液をゲル化させる工程(以下、ゲル化工程という。)、得られたゲルを焼成する工程(以下、焼成工程という。)を少なくとも含む。なお、必要に応じて、ゲル化工程で得られたゲルから溶媒を除去する工程(以下、乾燥工程という。)や、焼成前のゲルを粉砕する工程(以下、粉砕工程という。)や、焼成前のゲルに炭素源となる物質を混合する工程(以下、炭素源混合工程という。)を設けることもできる。
原料物質であるリチウム源、鉄源、ジルコニウム源、リン源及びシリコン源は、溶媒に溶解しうる物質であれば特に限定されない。これらの物質は、100gの溶媒に10mmol以上溶解する物質であることが好ましい。
リチウム源となる物質には、リチウムの無機塩、水酸化物、有機酸塩、金属アルコキシドおよびこれら塩の水和物を用いることができる。具体的には、無機塩としては、弱酸との塩(以下、弱酸塩という。)である炭酸リチウム(Li2CO3)、強酸との塩(以下、強酸塩という。)である硝酸リチウム(LiNO3)、塩化リチウム(LiCl)を挙げることができる。また、有機塩としては、弱酸塩である、酢酸リチウム(LiCH3COO)、シュウ酸リチウム(COOLi)2を挙げることができる。また、金属アルコキシドとしては、リチウムメトキシド(LiOCH3)、リチウムエトキシド(LiOC2H5)、リチウム−n−プロポキシド(LiO-n-C3H7)、リチウム−i−プロポキシド(LiO-i-C3H7)、リチウム−n−ブトキシド(LiO-n-C4H9)、リチウム−t−ブトキシド(LiO-t-C4H9)、リチウム−sec−ブトキシド(LiO-sec-C4H9)等を挙げることができる。無機塩および有機塩については、水和物であってもよい。これらの中でも、大気雰囲気下で均一な溶液を作製しやすい、安価であるという観点から弱酸塩または強酸塩が好ましく、その中でも酢酸リチウムまたは硝酸リチウムが好ましい。
リチウム源として、弱酸塩の無水物を用いる場合は、エタノールへの溶解性が低いため、鉄源の塩の水和物あるいはジルコニウム源の塩の水和物を溶解した後に溶解させることが好ましい。鉄源の塩の水和物あるいはジルコニウム源の塩の水和物を加える前に溶解させる場合は、予め水に溶解させておくことが好ましい。あるいは、弱酸塩の無水物が溶解するのに必要な量の水をエタノールへ添加しておいてもよい。弱酸塩の無水物を溶解させる水の量としては、Liのモル数の1倍〜100倍の水が好ましく、より好ましくは4倍〜20倍である。
鉄源となる物質には、鉄の無機塩、水酸化物、有機酸塩、金属アルコキシドおよびこれら塩の水和物を用いることができる。鉄源としては、無機塩として、弱酸塩である炭酸鉄(II)(Fe(CO3))、強酸塩である硝酸鉄(II)(Fe(NO3)2)、硝酸鉄(III)(Fe(NO3)3)、塩化鉄(II)(FeCl2)および塩化鉄(III)(FeCl3)を挙げることができる。また、有機塩としては、弱酸塩である、シュウ酸鉄(II)(FeC2O4)、シュウ酸鉄(III)(Fe2(C2O4)3)、酢酸鉄(II)(Fe(CH3COO)2)および酢酸鉄(III)(Fe(CH3COO)3)を挙げることができる。好ましくは強酸塩の水和物、その中でも硝酸鉄(III)の9水和物が好ましい。
強酸塩の水和物は、リチウム源、ジルコニウム源、シリコン源との任意の組合せにおいて、任意の順番に溶解させても均一な溶液を得ることができる。得られた均一な溶液を予め反応させた後に、残りの原料を加えてもよい。強酸塩の水和物はリン酸よりも先に溶媒に加えることが好ましい。強酸塩の水和物のみを予め反応させることにより、焼成後の不純物の生成を抑制できるので、強酸塩の水和物は、強酸塩の水和物のみをエタノール中に溶解させた後に、沈殿物が生じない程度に熱をかけることにより予め反応させてもよい。
ジルコニウム源となる物質には、ジルコニウムの無機塩、有機酸塩、金属アルコキシドおよびこれら塩の水和物を用いることができる。ジルコニウム源としては、無機塩として、ジルコニウムハロゲン化物である塩化ジルコニウム(ZrCl4)、臭化ジルコニウム(ZrBr4)、ヨウ化ジルコニウム(ZrI4)、オキシジルコニウム塩である、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO3)2)を挙げることができる。また、金属アルコキシドとしては、ジルコニウムメトキシド(Zr(OCH3)4)、ジルコニウムエトキシド(Zr(OC2H5)4)、ジルコニウム-n-プロポキシド(Zr(O-n-C3H7)4)、ジルコニウム-i-プロポキシド(Zr(O-i-C3H7)4)、ジルコニウム-n-ブトキシド(Zr(O-n-C4H8)4)、ジルコニウム-t-ブトキシド(Zr(O-t-C4H8)4)、ジルコニウム-sec-ブトキシド(Zr(O-t-C4H8)4)等を挙げることができる。好ましくはジルコニウムハロゲン化物、その中でも塩化ジルコニウムが好ましい。
リン源となる物質には、リン酸(H3PO4)、リン酸水素アンモニウム((NH4)2HPO4)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)等を挙げることができる。これらの中でも、リン酸が好ましい。
リン酸は、少なくともリチウム源、鉄源およびジルコニウム源を溶解させた後で、投入する必要がある。リン酸をリチウムの弱酸塩無水物やジルコニウムハロゲン化物と混合すると、沈殿物が生成するからである。リン酸を加える際は、過剰にリン酸を加えてもよい。リン酸を過剰に加えることにより、焼成後の不純物の発生やリチウム複合酸化物におけるLiサイトへのFeの置換を抑制できる。過剰にリン酸を加える場合、化学量論比のリン酸に対して5〜20重量%の範囲で、より好ましくは5〜15重量%の範囲で過剰に加えることができる。
シリコン源となる物質には、シリコンの金属アルコキシドを用いることができる。具体例としては、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)、テトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)、メチルトリエトキシシラン(CH3Si(OC2H5)3)、メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3)、エチルメトキシシラン(C2H5Si(OCH3)3)、エチルトリエトキシシラン(C2H5Si(OC2H5)3)等の種々のシリコンアルコキシドを挙げることができる。好ましくはテトラエトキシシランあるいはテトラメトキシシランである。
シリコンアルコキシドは、リチウム源、鉄源、ジルコニウム源との任意の組合せにおいて、任意の順番に溶解させても均一な溶液を得ることができる。シリコンアルコキシドの反応を促進するため、水を加えてもよい。加える水の量としては、シリコンのモル数の1倍〜100倍、より好ましくは2倍〜20倍である。水を加えることにより加水分解が進み、反応を促進させることができる。シリコンアルコキシドをリン酸と予め反応させることもできる。テトラエトキシシランを用いる場合は、40℃〜80℃で反応をさせることが好ましく、より好ましくは50℃〜80℃で反応させることが好ましい。テトラメトキシシランを用いる場合は、20℃〜60℃で反応させることが好ましい。テトラメトキシシランと、リチウム源となる弱酸塩の無水物を反応させる場合、(リチウム源のLiのモル数/シリコン源のSiのモル数)≧2であることが好ましい。
溶解工程においては、原料物質を溶解させる順番によっては沈殿物が生成して均一な溶液ができない場合がある。そのため、原料物質を溶解させる順番が重要となる。前述のように、リン酸をジルコニウム源と混合すると沈殿物が生成するが、鉄イオンが存在するとジルコニウムイオンは安定化され沈殿物の生成が抑制される。そのため、本発明においては、少なくとも鉄源およびジルコニウム源を溶解させた溶媒にリン源を溶解させる必要がある。シリコン源は、リン源を溶解させる前に溶解させてもよく、あるいはリン源を溶解させた後に溶解させてもよい。
鉄源およびジルコニウム源を溶解させた溶媒を調製する順番としては、ジルコニウムイオンを鉄イオンにより安定化させることができれば特に限定されない。ジルコニウムイオンを鉄イオンにより安定化させる方法としては、溶媒中に鉄の強酸塩水和物を溶解させた後に、ジルコニウムハロゲン化物を溶解させる方法や、溶媒中にジルコニウムハロゲン化物を溶解させた後に、鉄の強酸塩水和物を溶解させる方法や、溶媒中に鉄の強酸塩水和物とジルコニウムハロゲン化物を同時に溶解させる方法を挙げることができる。なお、鉄源とジルコニウム源の溶解の順番は特に限定されず、いずれが一方を先に溶解させても、あるいは両者を同時に溶解させてもよい。
本工程では、溶解工程により得られた溶液をゲル化させる。ゲル化は、Li、Fe、Zr、PおよびSiが酸素原子を介して結合する一群の集合体となり、この集合体がゲル中で数nmから数十nmの粒径の微粒子として析出することで溶液の粘度が上昇することにより行われると発明者等は考えている。
ゲル化方法は、溶液を静置してもよく、あるいは溶液を攪拌してもよい。また、ゲル化を促進させるため、室温以上の温度に加熱してもよい。加熱温度は、室温から使用する溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは40℃〜60℃である。また、加熱時間は、10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。
本工程では、ゲル化したゲルから残留する溶媒を除去する。溶媒の除去方法としては、室温で静置する方法や、30〜80℃に加熱して溶媒を除去する方法や、ロータリーポンプなど用いたチャンバー内にゲルを設置し、減圧して溶媒を除去する方法等を用いることができる。また、溶液調製時に使用した溶媒よりも揮発性の高い溶媒や表面張力の異なる溶媒と溶媒交換を行った後に前述と同じ方法で溶媒を除去してもよい。溶媒交換に用いる溶媒としてはトルエン、ベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、イソプロパノールおよびこれらの混合溶媒を挙げることができる。また、本工程で得られたゲルを超臨界状態の二酸化炭素に浸して溶媒を抽出することで溶媒を除去することもできる。これらの除去した溶媒は工業的観点から回収して再利用することが好ましい。
得られたゲルを機械的に粉砕することで二次粒子のサイズを制御してもよい。粉砕方法は特に限定されず、必要に応じて加温、冷却および雰囲気制御をする方法を挙げることができる。
糖類、油脂類や合成樹脂材料を、粉砕したゲルと混合してもよい。これら化合物は、焼成時に炭化することにより正極活物質の表面の少なくとも一部、好ましくは全面に炭素被覆を形成し、正極活物質の導電性を向上させることができる。これにより充放電サイクルの繰返しによる容量低下、及び初回容量低下をさらに抑制できる。糖類としては、スクロース、フルクトース等を用いることができる。また、合成樹脂材料としては、ポリエーテル類としてはポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテル類や、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル等を用いることができる。
本工程では、得られたゲルを焼成することでリチウム含有複合酸化物を得る。焼成は、400〜700℃、好ましくは400〜600℃の温度範囲で、1〜24時間をかけて行う。焼成時の雰囲気は、不活性雰囲気(アルゴン、窒素、真空等の雰囲気)又は還元性雰囲気(水素含有不活性ガス、一酸化炭素等の雰囲気)を用いることができる。均一に焼成を行うため、ゲルを攪拌してもよく、焼成時にNOxやSOx、塩素などの有毒なガスが発生する場合は、除去装置を設けてもよい。
得られたリチウム含有複合酸化物は、必要に応じて、粉砕工程及び/又は分級工程に付すことで、所望の粒径に調製してもよい。
得られたリチウム含有複合酸化物は、非水系電解質二次電池の正極活物質に使用できる。正極活物質には、上記リチウム含有複合酸化物以外に、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn2O4、Li2MnO3、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4、LiFePO4等の他の酸化物が含まれていてもよい。
(a)正極
正極は、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、正極活物質と導電材とバインダーとを有機溶剤を用いて混練分散してペーストを得、該ペーストを集電体に塗布することによって作製できる。なお、得られたリチウム含有複合酸化物が十分に高い導電性を有する場合には、導電材は必ずしも添加する必要はない。
負極は公知の方法により作製できる。例えば、負極活物質とバインダーと導電材とを混合し、得られた混合粉末をシート状に成形し、得られた成形体を集電体、例えばステンレスまたは銅製のメッシュ状集電体に圧着して作製できる。また、上記(a)正極で説明したようなペーストを用いる方法を用いて作製することができ、その場合、負極活物質と導電材とバインダーとを有機溶剤を用いて混練分散してペーストを得、該ペーストを集電体に塗布することによって作製できる。
非水系電解質としては、例えば、有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。
セパレータとしては、多孔質材料や不織布等の公知の材料を用いることができる。セパレータの材質としては、電解液中の有機溶媒に対して溶解したり膨潤したりしないものが好ましい。具体的には、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エーテル系ポリマー、ガラス繊維等を挙げることができる。
電池容器のような他の部材についても公知の各種材料を使用でき、特に制限はない。
二次電池は、例えば、正極と負極と、それらの間に挟まれたセパレータとからなる積層体を備えている。積層体は、例えば短冊状の平面形状を有していてもよい。また、円筒型や扁平型の電池を作製する場合は、積層体を巻き取って巻回体としてもよい。
実施例1.
<i.溶解工程>
以下のように、鉄源、リチウム源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源の順番で溶媒に溶解させた。
Liのモル量に対して30倍のモル量のエタノールに、鉄源としてFe(NO3)3・9H2Oを量りとり、完全に溶解するまで撹拌した。完全に溶解したことを確認した後、リチウム源としてLiCH3COOを量りとり、ジルコニウム源としてZrCl4、シリコン源としてSi(OC2H5)4を量りとり、順に溶解させていき、均一溶液を調製した。最後にリン源としてH3PO4(85重量%)を量りとり均一な溶液になるまで撹拌した。リチウム源であるLiCH3COOを0.9899gとして、Li:Fe:Zr:P:Si=0.98:0.73:0.24:0.51:0.49(モル比)、となるように各原料物質を秤量した。得られた均一な溶液を、室温でスターラーにて1時間攪拌した。
室温で1時間攪拌した均一な溶液を60℃の恒温槽にて24時間、保管することにより、ゲル化を行った。ゲル化時には、容器の蓋をして、溶媒の蒸発を抑制した。
ゲル化工程により、得られたゲルの容器の蓋を開け、60℃の恒温槽にて1晩放置することにより、溶媒を揮発させた。
ゲルを乾燥することにより得られた前駆体を、乳鉢で粉砕した。
粉砕した前駆体を水に溶かした炭素源を加えた。炭素源としては、スクロースを使用した。加えた量としては、前駆体の重量に対して15重量%とした。スクロースを加えた前駆体を乾燥後、乳鉢で粉砕した。
粉砕工程により得られた前駆体を550℃で12時間焼成した。焼成プロセスとしては、まず炉内を真空にした後、窒素をフローし、200℃/hの昇温速度で加熱した。降温速度は、炉冷とした。得られた試料をA1とした。
得られた複合酸化物について、株式会社理学社製粉末X線回折装置MiniFlex IIを用いて粉末X線回折パターンの測定を行った。結果を図1に示す。オリビン型構造の結晶相の生成を確認した。また、ZrO2等の不純物に帰属されるピークがないことを確認した。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.90:0.10:0.80:0.10とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をA2とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.93:0.83:0.09:0.81:0.19とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をA3とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.96:0.91:0.05:0.9:0.1とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をA4とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.96:0.89:0.10:0.8:0.2とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をA5とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.93:0.83:0.09:0.81:0.09とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をB1とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.93:0.9:0.10:0.8:0.2とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をB2とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.98:0.02:0.96:0.04とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をB3とした。
溶解工程において、以下のように、鉄源、ジルコニウム源、シリコン源、リン源、リチウム源の比をLi:Fe:Zr:P:Si=0.98:0.7:0.3:0.4:0.6とした以外は、実施例1と同様の方法により、リチウム含有複合酸化物を製造した。得られた試料をB4とした。
試料をメノウ乳鉢にて粉砕し、理学社製X線解析装置MiniFlexIIにより、図1に示すような粉末X線回折パターンを得た。測定条件は2θの範囲が10°〜90°、1ステップ0.02°で1ステップ当りの計測時間を3sのFTモードとした。
各試料について以下の方法で、正極容量及び体積変化率測定用のセルを作製した。
A1〜A5及びB1〜B4をそれぞれ約1g秤量しメノウ乳鉢にて粉砕し、これに導電剤として約10wt%のアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック)と、結着剤として約10wt%のテフロン(登録商標)樹脂粉末(呉羽化学社製クレハKFポリマー)とを混合した。
体積変化率=[(A−B)/A]×100
ここで、上記式中、Aはリチウム脱離前の結晶格子体積、Bはリチウム脱離後の結晶格子体積を表す。充電前後の格子定数、格子体積及び体積変化率を表4に示す。
得られた試料について以下の方法で、二次電池を作製した。A1〜A5及びB1〜B4をそれぞれ約1g秤量しメノウ乳鉢にて粉砕し、これに導電剤として約10wt%のアセチレンブラックと、結着剤として約10wt%のテフロン(登録商標)樹脂粉末とを混合した。この混合物をN−メチル−2−ピロリドンに溶解してスラリー状にし、これを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にドクターブレード法で塗布した。塗布量としては約5mg/cm2となるようした。この塗膜を乾燥した後に、プレスを行って正極を作製した。
容量保持率(%)=(100回目の放電容量/初回の放電容量)×100
2 負極
3 セパレータ
4 正極タブ及び負極タブ
5 ラミネート
Claims (7)
- 下記一般式(1)表される組成を有するリチウム含有複合金属酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質。
(Li1−aMa)Mb(P1−ySiy)O4 (1)
(但し、式中、MはFe1−xZxで表され、ZはZr、Sn、YおよびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦0.25、yは0.10≦y≦0.50、aは0≦a≦0.05、bは0.9≦b<1である。ここで、aおよびbはCuKα線を線源に用いた粉末X線回折パターンからリートベルト解析を用いて求められる等価位置中の元素の占有率であり、aはリチウムサイト中のMの占有率であり、bは鉄サイト中のMの占有率である。) - 体積変化率が5%以下である請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 上記Mの平均価数が4価である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 上記ZがZrである請求項1から3のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 上記正極活物質の表面の少なくとも一部が、炭素で被覆されている請求項1から4のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質と、導電材と、バインダーとを含む非水電解質二次電池用正極。
- 請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質を含む正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有する非水電解質二次電池。
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