JP5557207B2 - 床シート - Google Patents

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本発明は合成樹脂製の床シートに関し、更に詳しくは、シート基材の上に散布され熱圧成形で一体化された表層用ペレットがシート基材から剥離しにくく、熱圧成形時に押し潰されにくい床シートに関する。
従来より、種々の合成樹脂製の床シートが開発され、出願されているが、その一つとして、チップと熱可塑性樹脂製の基材シートの面積比が5:95〜90:10になるように、チップを基材シート上に散布し、引続いて加熱溶融後にエンボスをすることでチップと基材シートとが一体化し、チップと基材シートが略平滑になった意匠シート(床シート)が知られている(特許文献1参照)。
この意匠シートは、特許文献1によれば、その効果について、基材シートとチップが同時に摩耗するため外観が見苦しくなる心配がなく、また、チップと基材シートの面積比が5:95〜90:10であるためチップの使用量も少なくコストを抑えられる、と記載されている。
特開2005−290607号公報
しかしながら、上記意匠シートは、最初からシート化されている熱可塑性樹脂製基材シートの上にチップを散布するため、基材シートに落下したチップが基材シート面に勢いよく落下すると、チップが跳ね返り、所望の位置にチップを載置できなかったり、チップ同士が重なりあったりして、意図する模様や図柄を形成することが難しいという問題があった。
また、上記意匠シートのように、チップに比べて極端に体積の大きい基材シートの上に体積の小さいチップを散布すると、基材シートとチップを溶融一体化するために加熱したとき、体積の小さいチップが基材シートよりも早く溶融状態になり、基材シートの表面に溶融したチップがへばり付いた状態となる。このような現象は、通常、加熱が基材シートの上側から行われるので、一層促進されることとなる。それ故、ロールで賦形したときに、早く溶融したチップがロールで押し広げられて基材シートの表層部に充分埋設されないため、チップの形態がぼやけた不鮮明な模様や図柄が形成されたり、床シートとして使用したときにチップが基材シートから剥離したりするという問題があった。このような問題は、加熱時に、チップの真下の基材シート表面が、チップに隠れて充分に加熱溶融されにくいことから、更に助長されることとなる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、表層用ペレットをシート基材の所望の位置に載置でき、表層用ペレットが押し潰され難く、シート基材の表層部に表層用ペレットが埋入されて充分に溶融一体化され、シート基材から表層用ペレットが脱落し難い床シートを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る床シートは、熱可塑性樹脂のシート基材の上に熱可塑性樹脂の表層用ペレットを散布し、シート基材と表層用ペレットを熱圧成形で一体化した床シートであって、床シート表面に占める表層用ペレットの面積比率が5〜95%であり、熱圧成形前のシート基材が熱可塑性樹脂の基材用ペレットからなるペレット層であり、表層用ペレットは基材用ペレットよりも真比重が大きいことを特徴とするものである。
本発明の床シートにおいては、表層用ペレットの平均体積が基材用ペレットの平均体積と同一又はそれよりも大きいことが好ましい。
本発明の床シートは、熱圧成形前のシート基材が熱可塑性樹脂の基材用ペレットからなるペレット層であるので、散布した熱可塑性樹脂の表層用ペレットが該ペレット層に衝突しても、該ペレット層がその衝撃を吸収するため、表層用ペレットが跳ね難く、所望の位置に表層用ペレットを載置できる。従って、表層用ペレットが例えば模様や図柄を形成するための色が異なるペレットである場合は、所望の模様や図柄を容易かつ正確に形成することが可能となる。
また、シート基材がペレット層であると、熱圧成形時の熱によって表層用ペレットもペレット層の基材用ペレットもほぼ同程度に加熱溶融し、しかも、表層用ペレットは基材用ペレットよりも真比重が大きいので、比重差によって表層用ペレットがペレット層に沈降しようとし、熱圧成形時の圧力によって表層用ペレットのみが極端に押し潰されることなくペレット層の表層部の基材用ペレット間に半ば埋没した状態でペレット同士が絡み合って強固に溶着一体化されるので、表層用ペレットの形態が大きく壊れたり、表層用ペレットが熱圧成形後のシート基材から脱落したりすることが殆どなくなる。
特に、表層用ペレットの平均体積が基材用ペレットの平均体積と同一又はそれよりも大きい場合は、熱圧成形時に表層用ペレットが基材用ペレットよりも早く溶融状態になることがなく、表層用ペレットの形状をほぼ維持したまま確実に基材用ペレット間に埋入されて溶着一体化されるので、上記の効果がより顕著に奏されることとなる。
(a)は本発明の一実施形態に係る床シートの部分平面図、(b)は同床シートの熱圧成形前の部分平面図である。 (a)は同床シートの部分断面図、(b)は同床シートの熱圧成形前の部分断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る床シートの実施形態を説明する。
図1の(a)、図2の(a)に示す床シートSは、シート基材1の表面(表層部)に色相の異なる模様2を形成したものであって、このシート基材1は、図1の(b)、図2の(b)に示すように、熱圧成形前は熱可塑性樹脂の基材用ペレット1aからなるペレット層10であり、このペレット層10の上に模様2を形成するための異色の表層用ペレット2aを散布し、ペレット層10と表層用ペレット2aを熱圧成形で一体化して作製したものである。
即ち、この床シートSは、熱圧成形時の熱で表層用ペレット2aと基材用ペレット1aを溶融させながら、熱圧成形時の圧力で表層用ペレット2aをペレット層10の基材用ペレット1aの相互間に埋入し、表層用ペレット2a同士、表層用ペレット2aと基材用ペレット1a、基材用ペレット1a同士を溶着させることによって、ペレット層10をシート化してシート基材1を形成すると共に、溶着した表層用ペレット2aによる異色の模様2をシート基材1の表層部に形成したものである。
基材用ペレット1aと表層用ペレット2aは、色相が異なるのみで組成が略同じもの、つまり、顔料等の着色剤の種類や添加量が異なるだけのペレットを使用すればよい。ペレット1a,2aの主材料樹脂は、熱可塑性樹脂であれば全て採用可能であるが、その中でも、従来から床材の材料樹脂として賞用されている可塑剤を含有させた軟質塩化ビニル樹脂や、オレフィン系樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂には、増量の目的やテクスチャーを改善する目的で、炭酸カルシウム、タルクなどの無機充填剤を添加してもよいし、化学発泡剤を添加して床シートSを軽量化すると共に弾力性を向上させてもよい。また、シリコン系や金属系の防滑用粒子を添加して防滑ペレットを得たり、熱線反射剤を添加して熱線反射ペレットを得たり、抗菌・抗黴剤を添加して抗菌・抗黴ペレットを得たり、ワックス等を添加して防汚ペレットを得たり、蓄光剤を添加して蓄光ペレットを得てもよく、これらのペレットを適宜表層用ペレット又は基材用ペレットとして使用すると、上記の各種機能を備えた床シートを作製できる利点がある。尚、上記樹脂には、成形に必要な熱安定剤、成形助剤などが添加されることは言うまでもない。
基材用及び表層用のペレット1a,2aは、上記のように種々の添加剤を加えた熱可塑性樹脂組成物を、押出成形機で厚み0.5〜10mm程度の板状に押出して粉砕したものや、同じく直径0.5〜10mm程度の円柱状に押出してカット刃物で短円柱状に切断したものが用いられるが、基材用ペレット1aのペレット層10とその上に散布した表層用ペレット2aを熱圧成形した時に、ペレット同士が絡み合って強固に溶融一体化できるように、不定形ペレットを用いることが好ましい。不定形ペレットは、上記の粉砕物やカット物を二次粉砕して作製すればよい。
基材用及び表層用のペレット1a,2aの大きさ(平均体積)は特に限定されないが、おおよそ0.001〜100mmの平均体積を有するペレットを使用することができる。尚、平均体積が0.1〜5mmのペレットを使用すると、熱圧成形性や取扱い性が良いので好ましい。表層用ペレット2aの平均体積は、基材用ペレット1aの平均体積と同一又はそれよりも大きいことが好ましく、そのような表層用ペレット2aを基材用ペレット1aのペレット層10上に散布して熱圧成形すると、表層用ペレット2aが基材用ペレット1aよりも早く溶融状態になることはないので、表層用ペレット2aの形状をほぼ維持したまま基材用ペレット1aの相互間に確実に埋入して強固に溶着一体化できる利点がある。
また、表層用ペレット2aは、基材用ペレット1aよりも真比重が大きいものを使用することが好ましい。このようにすると、比重差によって表層用ペレット2aがペレット層10に沈降しようとし、ペレット層10の表層部の基材用ペレット1a間に半ば埋没した状態でペレット1a,2a同士が絡み合って強固に溶融一体化できる利点がある。
基材用ペレット1aの真比重と表層用ペレット2aの真比重との比は、以下のような関係にあることが好ましい。
基材用ペレットの真比重:表層用ペレットの真比重=1:1.05〜1.5
表層用ペレット2aの真比重の基材用ペレットの真比重に対する比が上記の範囲(1.05〜1.5)より小さい場合は、比重差によって表層用ペレット2aがペレット層10の表層部の基材用ペレット1a間に埋没しづらく、上記の範囲より大きい場合は、表層用ペレット2aの大部分が埋没して表層用ペレット2aが目立たなくなるので、いずれの場合も好ましくない。
なお、ペレット1a,2aの真比重の調整は、ペレットの主材料樹脂に添加する前記充填剤等の添加量を増減することで容易に行うことができる。
また、表層用ペレット2aは、色相の異なる複数種類のペレットを併用しても勿論良く、その場合は床シートSの表面の模様2がカラフルになり、意匠性が一層向上する利点がある。
ペレット層10は、エンドレスのコンベア上に基材用ペレット1aを、公知の散布方法を用いて、所望の幅で、実質的に隙間なく、面全体として略同一厚みに散布することによって形成すればよい。形成されるペレット層10は、図2の(b)に示すように、基材用ペレット1aが2粒程度重なった厚さとするのが適当であるが、3粒以上重なった厚さとしてもよいし、1粒の厚さとしてもよい。
一方、表層用ペレット2aの散布は、彫刻ロールを回転させて表層用ペレット2aを落下させたり、ふるい穴から落下させたり、振動版を用いて落下させるなどの公知の方法で、表層用ペレット2aをペレット層10の所望の位置に散布すればよい。このように表層用ペレット2aを散布しても、ペレット層10が表層用ペレット2aの落下衝撃を吸収するため、表層用ペレット2aは跳ねることが殆どなく、所望の位置に載置される。
そして、表層用ペレット2aの散布後に、コンベア上のペレット層10に微振動を与えることが好ましく、そのようにすると、基材用ペレット1aと表層用ペレット2aが絡み合いやすくなるので、溶融一体化したとき表層用ペレット2aが一層脱落し難くなる。特に、両ペレット1a,2a間に比重差がある場合は、微振動によって表層用ペレット2aがすみやかに埋入して基材用ペレット1aと充分に絡み合い、熱圧成形時に強固に溶融一体化されるようになる。
表層用ペレット2aの散布量は、床シートSの表面に占める表層用ペレット2aの面積比率が5〜95%となるように調節する必要があり、面積比率が5%を下回ると、形成される模様2が小さくなって殆ど目立たなくなる。一方、95%を越えると、床シートSの表面の大部分が模様2で占められるため、模様2の色相を床シートSの表面の色相と錯覚し、却って模様2が分かりにくくなる。
尚、補足しておくと、上記の床シートSの表面に占める表層用ペレット2aの面積比率とは、熱圧成形した後の床シートSの表面に露出した表層用ペレット2a相当部分の面積総和が、床シートSの表面に占める比率を示したものである。
表層用ペレット2aを散布した後の熱圧成形は、熱風や熱線照射などの公知の方法でペレット層10の基材用ペレット1aと表層用ペレット2aを加熱し、その後、ロールやプレス板でプレスして行えばよい。加熱条件は、例えば熱風加熱の場合、熱風温度をペレット樹脂の軟化温度より10〜100℃程度高い温度とし、加熱時間を1〜15分程度とするのが適当である。また、圧力条件は、0.5〜3kN/cmとするのが適当である。
上記のように、コンベア上に基材用ペレット1aを散布してペレット層10を形成し、その上に表層用ペレット2aを散布して熱圧成形すると、図1の(a)、図2の(a)に示すように、シート基材1の表層部に色相の異なる模様2が埋入状態で形成され、且つ、模様2を構成する表層用ペレットの床シートS(シート基材1)の表面に占める面積比率が5〜95%である床シートSを製造することができる。
以上のような構成の床シートSは、そのシート基材1が熱圧成形前は熱可塑性樹脂の基材用ペレット1aからなるペレット層10であるため、散布した熱可塑性樹脂の表層用ペレット2aの落下衝撃がペレット層10によって吸収され、表層用ペレット2aが跳ね難いので、ペレット層10の所望の位置に色相の異なる表層用ペレット2aを載置して、所望の模様2や図柄を容易かつ正確に形成することができる。また、熱圧成形時の熱によって表層用ペレット2aもペレット層10の基材用ペレット1aもほぼ同程度に加熱溶融し、熱圧成形時の圧力によって表層用ペレット2aのみが押し潰されることなくペレット層10の基材用ペレット1a間に埋入されて、互いに絡み合った状態のまま溶着一体化されるので、表層用ペレット2aの形態が大きく壊れたり、表層用ペレット2aが熱圧成形後のシート基材1から脱落したりすることが殆どなく、従って、輪郭が鮮明で、表層用ペレット2aの脱落による退化(劣化)が生じにくい所望の模様2や図柄を形成することができる。
なお、前記実施形態の床シートSは、基本的に同一の組成で色相のみが異なる基材用ペレット1aと表層用ペレット2aを使用しているが、溶融一体化が可能であれば、双方のペレット間で樹脂や添加剤の種類、添加量などを適宜変更、追加して組成を異ならせてもよいことは言うまでもない。
また、前記実施形態の床シートSは略平滑な表面を備えているが、エンボス加工で表面に凹凸を形成してもよく、更に、床シートSの表面に、防汚性や耐殺傷性、耐候性を付与するための塗膜層を設けてもよい。また、シート基材1の下面に裏打ちシートを積層したり、シート基材1と裏打ちシートの間、或いは、裏打ちシートの下面にガラス不織布などの補強繊維層を設けたりしてもよい。その場合、裏打ちシートについても、熱可塑性樹脂の裏打ち用ペレットからなるペレット層を前記ペレット層10の下側に積層し、熱圧成形で溶融一体化して形成することが好ましい。
1 シート基材
1a 基材用ペレット
2 模様
2a 表層用ペレット
10 ペレット層
S 床シート

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂のシート基材の上に熱可塑性樹脂の表層用ペレットを散布し、シート基材と表層用ペレットを熱圧成形で一体化した床シートであって、床シート表面に占める表層用ペレットの面積比率が5〜95%であり、熱圧成形前のシート基材が熱可塑性樹脂の基材用ペレットからなるペレット層であり、表層用ペレットは基材用ペレットよりも真比重が大きいことを特徴とする床シート。
  2. 表層用ペレットの平均体積が基材用ペレットの平均体積と同一又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の床シート。
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