JP5558745B2 - 釣糸ガイド - Google Patents
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例えば、下記の特許文献1に記載の釣糸ガイドは、金属製の一枚の板材にプレス加工を施してフレーム形状に打ち抜き、さらにこのフレーム形状に絞り加工並びに曲げ加工を施すことで、ガイドリングを保持するリング保持部と、リング保持部に接続された支脚と、リング保持部を支脚を介して竿管に取り付ける取付足を有する、所定の立体形状に形成されている。
また、前記釣糸ガイドが金属製フレームのため、硬くて強いフレームにできる反面、撓み性を確保できず、釣糸に加わる張力がガイドリングを介して直接竿管に伝わり、結果的に、竿管に過大な負荷や衝撃が加わることとなって、竿管を傷つけ易く、破損し易いという問題があった。
前記釣糸ガイドによれば、固定部と支脚部とリング保持部を具備するフレームが強化繊維によって強化された樹脂により一体に形成されているから、従来知られているステンレス、チタン等の金属製のフレームを用いる場合に比べて、大幅に軽量化が図れると同時に比強度を高めることができる。また、固定部とリング保持部との間に支脚部を有するフレームを用いていること、および該フレームが強化繊維によって強化された樹脂により一体に形成されていることが相俟って、強化繊維が有する剛性と撓み性を十分生かすことができ、高強度と撓み性の双方が確保できる釣糸ガイドを提供できる。また、比較的強度が不足する細幅部を、細幅部の長手方向に沿う方向に配設した強化繊維によって補強することができ、必要箇所の効率良い補強が行える。
また、繊維強化樹脂層を単に重ねるという簡便な方法で、FRP構造の釣糸ガイドを製造でき、しかも品質の均一化を図ることができる。また、強化繊維の向きも多方向となるように設定することができ、この点で強度をより高めることが可能である。
この場合、補強繊維をリング保持部の中心と固定部の左右幅方向の中心を結ぶ中心線に沿わせて配置するのに比べ、支脚部に曲げ荷重が加わる際に、支脚部中の強化繊維にはその繊維中心に沿って斜めに荷重が作用する。この結果、撓み性をより確保することができる。
リング保持部には、ガイドリングを介して多方向の荷重が加わり易い。この場合、3方向以上の多方向に延びる強化繊維を有することにより、ガイドリングを介して加わる多方向の荷重に、リング保持部を十分対抗させることができる。また、多方向の荷重が加わる際にリング保持部の変形を抑えられるので、ガイドリングの保持力が向上する。
この場合、リング保持部の円周方向に沿って延びるように配設された強化繊維により、ガイドリングがセットされる部分の変形を抑えることができる。このため、ガイドリングの保持力が向上する。
この場合、最も大きな荷重が加わり易い屈曲部を補強することで、効率の良い補強ができる。また、ガイドリングにより補強されるリング保持部との間で良好な剛性バランスが確保され、釣糸ガイドの強度をバランスよく向上させることができる。
固定部は竿管によって、またリング保持部はガイドリングによってそれぞれ補強される。このため、最も大きな荷重を受けるのは支脚部であり、また支脚部の中でも屈曲部に応力が集中する。このように比較的大きな荷重が加わる支脚部や応力が集中し易い支脚部屈曲部の曲げ剛性を高めているので、支脚部や支脚部の屈曲部が損傷したり破損するのを防止できる。また、厚さを厚くする等曲げ剛性を高めるための手段を、フレーム全体に施すのに比べ、軽量化が図れる。つまり、釣糸ガイド全体の高強度化と軽量化を同時に果たすことができる。
この場合、比較的大きな荷重が加わる支脚部を補強することで、前述と同様、釣糸ガイド全体の高強度化と軽量化を同時に果たすことができる。
この場合、比較的大きな荷重がかかり損傷し易い支脚部から、強化繊維の剥離または強化繊維層の剥離の進行を防止でき、強度の面でもまた外観の面でも優れる釣糸ガイドを提供できる。
固定部は竿管によって補強されるため、高い曲げ剛性は不要である。一方、支脚部は強い曲げ荷重が加わるにも拘わらず、竿管等の他の部材によって補強されていない。このため、固定部に比べて高い曲げ剛性が必要な支脚部を補強することで、釣糸ガイドとしての強度をバランス良く向上させるとともに、軽量化を図ることができる。
剛性のあるガイドリングによって補強されるリング保持部は、竿管によって補強される固定部により強く補強される。このため、固定部の平均厚さをリング保持部の平均厚さよりも厚くすることで、釣糸ガイドとしての強度をバランス良く向上させるとともに、軽量化が可能となる。
本発明の釣糸ガイドの第1実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態の釣糸ガイドを備える釣竿を示す側面図である。図1に示すように、釣竿1は竿管2にその長さ方向所定間隔置きに釣糸ガイド10及びトップガイド10´が固定されている。
釣糸ガイド10は、フレーム11と、フレーム11により支持されて釣糸が挿通されるガイドリング12により構成される。フレーム11は、竿管2に固定される固定部13と、側方から見て固定部13から離間した位置に配設されるとともにガイドリング12を保持するリング保持部14と、固定部13とリング保持部14との間に介在されてそれらを連結する支脚部15とを備える。
なお、固定部13は竿管2に当接されて図5においてXで示す領域に外側から糸材を巻きつけられた後、糸止剤や接着剤を塗布されることで、竿管2に固定されるが、図2においては、糸材並びに接着剤の図示は省略してある。
また、平坦部15Cは、必ずしも平坦である必要はなく、必要に応じて、第2屈曲部に代えて、または、第1、2屈曲部15A、15Bと区別できる程度の小さな曲率をもって湾曲していてもよい。
プリプレグP1〜P4用の強化繊維Rとしては、引張弾性率3.92×1011(N/m2)以下(例えば、1.96×1011〜3.92×1011(N/m2))の高強度繊維を用いることが好ましいが、特に限定するものではなく、任意の強化繊維を使用できる。具体的には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維、合成樹脂繊維等が用いられる。
なお、これはあくまで例示であり、強化繊維Rの方向及び種類については、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、中央のプリプレグP1中に、固定部13の左右幅方向の中心とリング保持部14の中心とを結ぶ中心線Lに対して右傾斜あるいは左傾斜する一方向引揃え層の強化繊維Rを用いても良い。また、中央のプリプレグP1、中間層のプリプレグP3、最外層のプリプレグP4のいずれにも繊布層の強化繊維を用いても良い。この場合、プリプレグ中の相互の強化繊維の向きを変えるように積層するのが好ましい。
また、固定部13は、平均厚さT1がリング保持部14の平均厚さT2よりも厚く設定されていることが好ましいが、同じ厚さにするなど、任意に設定できる。
また、支脚部15の第1、第2屈曲部の厚さT3は、平坦部15Cの厚さT4よりも厚く設定されている。また、平坦部15Cの厚さT4は、固定部13の平均厚さT1よりも厚く設定されている。
また、支脚部15または支脚部15に形成された第1、第2屈曲部15A、15Bのうち少なくとも一つは、前記基準面Zに沿った方向の曲げ剛性が、釣糸ガイド10を固定した位置の竿管2aの曲げ剛性より大きくなるように設定されている。
さらに、固定部13は、前記基準面Zに沿った方向の曲げ剛性が、支脚部15の前記基準面Zに沿った方向の曲げ剛性よりも小さくなるように設定されている。
まず、中央のプリプレグP1、中間層のプリプレグP2、P3、最外層のプリプレグP4となる、それぞれのプリプレグを所定形状、例えば矩形状に切断する。
切断したプリプレグを、それらの内部に配設された強化繊維の延びる方向がそれぞれ所定の方向となるように重ね合わせる(図7(b)〜(e)参照)。
図8は金型20A、20BにプリプレグP1〜P4をセットし所定形状となるよう圧力をかけて保持した状態を示す断面図である。この図示例では、上下に型割りした金型20A、20Bを用いているので、重ね合わせたプリプレグを、まず、下型20Bにセットする。なお、型割りの方向は、図8に示したように、必ずしも上下に限られることなく、左右方向や傾斜方向でも良く、任意に変更可能である。
このとき、第1、第2屈曲部15A、15Bとなる部分を含め、成形後のフレーム11のなす角度を有するよう所定形状となるように保持する。こうすることで、成形後の内部残留応力の発生を防止でき、強度の向上並びに安定性の向上を図ることができる。
なお、第1、第2屈曲部15A、15Bとなる部分の肉厚を、他の部分よりも厚くなるように金型で予め設定しておくのが好ましい。
その後、金型20A、20Bを開き、加熱硬化したプリプレグP1〜P4からなる、所定箇所を屈曲された板状の成形品22を金型から取り出す。
成形品22は、1.2mm〜3.0mm程度の厚さとされているが、より好ましくは、1.2mm〜2.6mmの範囲内とする。
ここでは、成形品22を、所要箇所を屈曲された板状としているが、これに限られることなく、積層厚さを位置によって変化する形状であったり、側面視でT字状あるいは逆Y字状をなすように、板状部分が複数方向に分かれて延びるような形状としてもよい。
フレーム11の切り出し加工は、フレーム11の外形状の形成、リング保持部の円孔14aの形成、および支脚部の開口15Dの形成の3つの工程がある。これらの工程は同時に加工を行うのが好ましいが、別々に加工を行っても良い。
このとき、フレーム11の表面に、強化繊維Rが一部露出するとともにマトリックス樹脂が一部残るように研磨することが好ましい。こうすることで、フレーム11の研磨表面の光沢をより一層際立たせることができる。
次に、リング保持部14にガイドリング12を取り付ける。ガイドリング12の取り付け方法としては、圧入や接着剤を用いたりする方法、カーリングを施す方法等がある。なお、ガイドリング12を取り付けた後に、前記バレル加工や前記表面処理を行っても良い。
以上の工程を経ることによって、図3に示すような釣糸ガイド10を製造することができる。
また、前記実施形態では、プリプレグを重ねることで強化繊維を積層させたが、これに限られることなく、フィラメントワインデング法によって、層の一部または全部に強化繊維を積層しても良い。
前記釣糸ガイド10は、固定部13と支脚部15とリング保持部14を具備するフレーム11が強化繊維によって強化された樹脂により一体に形成されているから、従来知られているステンレス、チタン等の金属製のフレームを用いたものに比べて、大幅に軽量化が図れると同時に、比強度が向上する。また、固定部13とリング保持部14とが離間され、それらの間に支脚部15が介在されたフレーム11を用いていること、およびフレーム11が強化繊維によって強化された樹脂により一体に形成されていることが相俟って、強化繊維が有する剛性と撓み性を十分生かすことができ、従来の金属製ガイドでは得られなかった強度と撓み性の双方が確保される。
また、支脚部15の細幅部15Eには、強化繊維Rの方向を細幅部の長手方向Y、Y´に沿う方向に配設した層を有しているから、比較的強度が不足する細幅部15Eを、細幅部の長手方向Y、Y´に沿う方向に配設した強化繊維によって補強することができ、必要箇所の効率良い補強が行える。
なお、この実施形態では、支脚部15に限られることなく、固定部13、リング保持部14を含めフレーム11全体の最外層のプリプレグP4中に、繊布層の強化繊維を有するものを用いているが、これに限られることなく、支脚部15の最外層にのみ繊布層の強化繊維を有するプリプレグを用いても良い。
固定部13は竿管2によって補強されるため、前記基準面Zに沿った方向の高い曲げ剛性は不要である。一方、支脚部15は強い曲げ荷重が加わるにも拘わらず、竿管2等の他の部材によって補強されていない。このため、固定部13の曲げ剛性を必要以上高くするのを抑えつつ、高い曲げ剛性が必要な支脚部15を補強することで、釣糸ガイドとしての強度をバランス良く向上させるとともに、軽量化が可能となる。
図10は本発明の釣糸ガイドの第2実施形態を示す。
なお、説明の便宜上、前記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。これは、後述する第3、4実施形態においても同様である。
この実施形態の釣糸ガイド30は、固定部31が筒状に形成されていて、竿管2の外周に直接嵌合されしかも接着剤等の適宜接着手段を介して固定されている。この釣糸ガイド30においても、固定部31、リング保持部14、支脚部15からなるフレーム32は、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを3層以上積層させて一体に形成されている。
したがって、従来の釣糸ガイドに比べて、重量が軽く、比強度、撓み性の面において優れる利点が得られる。
図11は本発明の釣糸ガイドの第3実施形態を示す。
この実施形態の釣糸ガイド40において、固定部41が筒状に形成されている点は前記第2実施形態と同様である。この釣糸ガイド40では、固定部41が竿管に固定されるのではなく、竿管の軸方向に移動可能になっていて、テーパがついた竿管の適宜外径部分に嵌合することで、固定されるいわゆる遊動ガイドになっている。
この場合、固定部41としてはある程度の強度であるから、少なくともリング保持部14の厚さよりも厚く設定するのが好ましい。
この釣糸ガイド40においても、固定部41、リング保持部14、支脚部15からなるフレーム42は、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを3層以上積層させて一体に形成されている。
図12は本発明の釣糸ガイドの第4実施形態を示す。
この実施形態の釣糸ガイド50において、固定部51および支脚部52は、リング保持部14を中心としてその前後両側にそれぞれ延びるように設けられている。
この釣糸ガイド50においても、固定部51、リング保持部14、支脚部52からなるフレーム53は、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを3層以上積層させて一体に形成されている。
例えば、前記した実施形態では、固定部、リング保持部および支脚部を備えるフレームを複数のプリプレグを積層してFRP構造としたが、これに限られることなく、強化繊維を繊維束の状態で用いて樹脂を補強する構造のものであってもよい。
また、前記した第1実施形態では、適宜箇所を屈曲させた板状のフレームを用いたが、これに限られることなく、適宜箇所を湾曲させた板状のフレームを用いても、あるいは複数の板状を組み合わせたフレームを用いても良い。
13 固定部、T1 固定部の平均厚さ、14 リング保持部、T2 リング保持部の平均厚さ、15 支脚部、15A 第1屈曲部、15B 第2屈曲部、15C 平坦部(仮想平坦面)、15D 開口、15E 細幅部、T3 第1、第2屈曲部の厚さ、T4 平坦部の厚さ、P1〜P4 プリプレグ、Z 固定部とリング保持部の双方に直交する基準面。
Claims (11)
- 竿管に固定される固定部と、釣糸が挿通されるガイドリングが取り付けられたリング保持部と、前記固定部と前記リング保持部との間に介在されてそれらを連結する支脚部とを具備したフレームを有する釣糸ガイドであって、
前記支脚部は、前記固定部との連結部から漸次拡開しつつ分かれ、前記リング保持部の互いに離間する箇所に連結されて開口部を形成するように延びた細幅部を備え、
前記フレームは、前記固定部と前記支脚部と前記リング保持部とが、強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層を3層以上積層して一体に形成され、
前記細幅部は、各細幅部が延びる方向に沿って前記強化繊維を延在させた繊維強化樹脂層と、前記固定部の左右方向の中心と前記リング保持部の中心とを結ぶ中心線に対して平行に配設させた強化繊維を備えた繊維強化樹脂層とを備えていることを特徴とする釣糸ガイド。 - 前記繊維強化樹脂層のうち最外層の内側層中の強化繊維の弾性率は、前記最外層中の強化繊維の弾性率よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の釣糸ガイド。
- 前記支脚部は、前記固定部の左右幅方向の中心と前記リング保持部の中心とを結ぶ中心線に対して所定角度傾斜する前記強化繊維を有することを特徴とする請求項1または2に記載の釣糸ガイド。
- 前記リング保持部は、3方向以上の多方向に延びるように配設された強化繊維を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
- 前記リング保持部は、該リング保持部の円周方向に配設された強化繊維を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
- 前記支脚部は屈曲部を有し、
該屈曲部の厚さが前記リング保持部の厚さよりも厚く設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。 - 前記支脚部または支脚部に形成された屈曲部のうち少なくとも一方は、前記固定部と前記リング保持部の双方に直交する基準面に沿った曲げ剛性が、前記リング保持部の前記基準面に沿った曲げ剛性よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
- 前記支脚部は補強部を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
- 前記支脚部は、繊維強化樹脂層の最外層に強化繊維または強化繊維層の剥離を防止する剥離防止層を有していることを特徴とする請求項2に記載の釣糸ガイド。
- 前記固定部は、前記固定部と前記リング保持部の双方に直交する基準面に沿った曲げ剛性が、前記支脚部の前記基準面に沿った曲げ剛性よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
- 前記固定部は、平均厚さが前記リング保持部の平均厚さよりも厚く設定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
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