JP5567764B2 - 低アイソタクチシティを有するブテン−1(コ)ポリマー - Google Patents

低アイソタクチシティを有するブテン−1(コ)ポリマー Download PDF

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Description

本発明は、低いアイソタクチシティとエラストマー挙動とを有する特定のブテン−1(コ)ポリマーに関する。更に、本発明は、該ブテン−1(コ)ポリマーを含むポリマー組成物にも関する。
低いアイソタクチシティとエラストマー挙動を有するある種のブテン−1(コ)ポリマーは当業において公知である。それらは、他のポリオレフィン、またはポリマー生成物と一緒にブレンドの成分として使用して、特定の特性、例えばプラスチック材料のシールの強さ、柔軟性および軟らかさを調整することができる。特に、これらのブテン−1(コ)ポリマーは、野地板、道路表面材および封止剤組成物の製造における添加剤として、または、オイル増粘剤として使用できる。これらの目的に使用するために、重要な特性は、良好な加工性、そして、ポリマーの結晶部と非晶部との間の良好なバランスに由来するプラスチック特性とエラストマー特性との間の適当な折合いである。独国特許第DE 2241412号には、TiCl3系触媒を使用してブテン−1を重合させることによって行われる低立体規則性ポリブテンの調製が記載されている。この文書によると、この触媒の元々の立体特異性は、特定のAl:Tiモル比で助触媒としてAl−トリアルキル化合物を使用することによって低下させてきた。それにも関わらず、より結晶質の部分の寄与は、依然としてあまりにも高い。実際、加工可能な分子量を有するポリマーを考慮すると、エーテル可溶物の量について注目すればエラストマー特性は充分ではないことが分かる。
欧州特許第EP 186968号では、従来のアイソタクチックポリブテン−1に比べてより顕著なエラストマー特性を特徴とする高度に立体規則性の熱可塑性ポリブテン−1が開示されている。このポリブテン−1は、(a)Ti化合物と、MgCl2上に担持されたベンゾエート内部供与体とを含む固体成分;(b)助触媒としてアルキルアルミニウム化合物、および(c)外部電子供与体化合物としてp−アニス酸エチルを含むチーグラー・ナッタ触媒系の使用によって得られる。しかしながら、この場合でも、高含量のアイソタクチックシーケンスは、少量のエーテル可溶部分および比較的高値の降伏点引張強さによって明確に証明されるように、やはりポリマーの特性に影響を及ぼす。
米国特許第4,298,722号には、式(RCH24M(式中、MはTi、ZrまたはHfであり、Rはアリール、アラルキルまたは第三アルキルである)で表される有機金属化合物と、例えばAl23、TiO2、SiO2またはそれらの混合物のような金属酸化物の部分的に水和された表面との反応生成物である触媒の存在下でブテン−1を重合させることによって得られる分別可能なエラストマーポリブテン−1の調製が報告されている。重合から直接得られるポリマーは、従来の装置によって加工できず且つポリマー組成物の調製で任意に使用できない非常に高い固有粘度を有する。固有粘度は、ポリマーを加熱且つ粉砕することによって低下するが、それによって、同時に、エーテル可溶部分も減少し、結果として、エラストマー特性も悪化する。而して、適当な粘度範囲と最終エラストマー特性の両方を満たすために、粉砕前のポリマーは、非常に多量のエーテル可溶部分を含んでいなければならない。しかしながら、それらのレベルでは、ある種の機械的性質は、ある種の用途にはもはや適当ではないかもしれない。
而して、低いアイソタクチシティと、エラストマー特性(圧縮永久ひずみ、破断点伸び)とより結晶質の部分と関係があるエラストマー特性(破断点引張応力または降伏点引張応力)との適当なバランスとを有するポリブテン−1(コ)ポリマーに関するニーズがなお感じられる。
出願人は、良好なバランスを有し、且つ、以下の特性:すなわち、
− アイソタクチックペンタッド(mmmm)形態におけるブテン−1単位の含量が25〜55%;
− 135℃においてテトラリン中で測定された固有粘度[η]が1〜3dL/g;
− 0℃でのキシレン不溶部分の含量が3〜60%;そして、
− ES2/ES1比(ES1は、ポリマーそれ自体に関して測定された沸騰ジエチルエーテル可溶部分の量であり、ES2は、後述する方法に従ってポリマーを粉砕した後に測定された沸騰ジエチルエーテル可溶部分の量である)が1以上であることを特徴とするブテン−1(コ)ポリマーを見出した。
特に、本発明の目的であるブテン−1(コ)ポリマーは、以下の特徴:すなわち、
− 沸騰ジエチルエーテル可溶部分(ES1)の含量(総重量を基準として)20〜75%、好ましくは30〜65%、特に35〜60%;
− アイソタクチックペンタッド(mmmm)形態におけるブテン−1単位の含量30以上〜50%、好ましくは32〜45%;
− 135℃においてテトラリン中で測定された固有粘度[η]1.5〜3dL/g、好ましくは1.7〜2.8dL/g;
− 0℃でのキシレン不溶部分の含量(ポリマーの総重量を基準として)5〜50% が付与される。
本発明の好ましい面では、ブテン−1(コ)ポリマーは、以下の特性:すなわち、
・ 下記方法に従って測定された分子量分布(Mw/Mn)3.5〜9;より好ましくは4〜8、そして特に4〜7;
・ 示差走査熱量測定(DSC)によって測定された融解熱(ΔH)10J/g未満、および溶融温度(Tm)106℃未満、好ましくは103℃未満、そしてより好ましくは100℃未満(いくつかの場合、融点さえも無い)
・ 圧縮永久ひずみ(25%−22時間)90%未満、好ましくは80%未満、そしてより好ましくは50%未満、および
・破断点引張応力6Mpa超、好ましくは6.5〜20Mpa
のうちの1つ以上を更に有する。
ショアA値は、一般的に80未満であり、ある種の場合は60未満である。
これらの特性を考慮すると、本発明のブテン−1(コ)ポリマーは、特に、ある一定レベルの軟らかさが要求される用途で使用するポリマー組成物の成分として使用できる。
上記した固有粘度範囲によって示されているように、本発明ポリマーの分子量は、実質的に、該ブテン−1コポリマーを従来の装置で加工できるようにする範囲である。
好ましくは、ASTM D1238の条件Eに従って測定されたメルトインデックスは、0.1〜100g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分を含む。
本発明のブテン−1(コ)ポリマーは、式CH2=CHR(式中、Rは、Hであるか、またはエチルと異なるC1−C10アルキルである)で表される他のオレフィンを含むことができる。コモノマー(1種または複数種)としてエチレン、プロピレンおよびヘキセン−1またはそれらの混合物の使用が特に好ましい。本発明ポリマーにおける追加のオレフィン(1種または複数種)の量は、好ましくは0.1〜20mol%、より好ましくは0.5〜15mol%である。
また、本発明のブテン−1(コ)ポリマーは、下記の装置および手順でNMRによって分析した場合に、4,1介在ブテン単位の信号が認められないという事実によっても特徴づけられる。
前記したように、本発明のポリマーは、それら自体単独で使用できるか、または、低いシール開始温度で使用するためのポリマー組成物、すなわち繊維用途、野地板および道路表面材のための組成物のような広範な用途において他のポリマーとのブレンドの成分として好ましく使用できる。それらのエラストマー特性の故に、軟質ビニルポリマー、例えば高度に可塑化されたポリ(ビニルクロリド)またはいくつかのSEBS化合物の代わりに、可塑剤無しで使用することさえも可能である。
而して、本発明の更なる目的は:(A)本発明の目的のブテン−1(コ)ポリマーを1〜99重量%;および(B)別のポリマー成分を99〜1重量%(該重量%は(A)+(B)の合計を基準としている)含むポリマー組成物である。
特に、(A)は10〜90%の量で、そして(B)は90〜10%の量で存在できる。
好ましくは、成分(B)は、オレフィン(コ)ポリマーを含む。特に、成分(B)は、エチレン(コ)ポリマー、プロピレン(コ)ポリマー、ブテン−1(コ)ポリマーおよびそれらの混合物から選択できる。
特に興味深いのは:(A)本発明のブテン−1(コ)ポリマーを5〜40重量%;および(B)1〜30mol%のエチレンおよび/または式CH2=CHR(式中、RはC2−C10炭化水素基である)で表されるα−オレフィンを含むプロピレンコポリマーを60〜95重量%(該重量%は(A)+(B)の合計を基準としている)含むポリマー組成物である。
好ましくは、該α−オレフィンはブテン−1である。(B)が、(a)エチレンの含量が1〜10%であり且つブテン−1の含量が1〜10%であるエチレンとブテン−1の両方を含むプロピレンコポリマー、および(b)ブテン−1を2〜15mol%含むプロピレンコポリマーから選択される組成物が特に興味深い。
低いシール開始温度(SIT)が要求される用途で特に有用である該組成物は、許容可能な機械的性質を維持すると共に、良好な流動性および透明度を示す。
本発明の目的であるブテン−1コポリマーおよび組成物は、増強されたエラストマー挙動を有する熱可塑性エラストマー配合物を製造するために、加硫または架橋することができる。
加硫および架橋という用語は、実際の架橋または加硫と、ブテン−1(コ)ポリマーの鎖中でのグラフトが、使用される架橋システムによって促進される反応の結果として起きる反応とを含む。
当業において公知の様々な加硫技術の中で、好ましい技術は、動的加硫である。この技術による作業のとき、本発明のポリマーは、架橋剤および適当ならばそれらの補助剤の存在下で、混練または他の剪断力に曝露される。驚くべきことに、加硫のための通常の温度範囲は140〜240℃であるが、50未満の、好ましくは40未満のショアDを有するポリブテンに関しては、特に本発明のポリブテンに関しては、架橋プロセスは、100〜150℃の温度で行われることを見出した。而して、使用できる架橋剤は、好ましくは上記温度範囲において10〜200秒程度の半減期を有する、当業において公知の架橋剤、例えば有機過酸化物、(例えば1,1−ジ(tert.ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;ジセチルペルオキシジカーボネート;tert.ブチル−ペル−2−エチルヘキサノエート)である。本発明のポリマーまたは組成物は、架橋剤の添加前または加硫の開始もしくは最後に、それらの硬度を調整するために、伸展油を含浸できる。使用される伸展油は、様々なタイプ、例えば芳香族、ナフテンまたは好ましくはパラフィンであることができる。架橋用の補助化合物としては、液体1,2−ポリブタジエンまたは好ましくはトリアリルシアヌレートの化合物およびトリメチロールプロパン−トリメタクリレートタイプの化合物が使用できる。
本発明のブテン−1(コ)ポリマーは、(A)MgCl2上に担持されたTi化合物と電子供与体化合物とを含む固体成分;(B)アルキルアルミニウム化合物を含む立体特異性の低い触媒の存在下でモノマーを重合させることによって調製できる。本発明の(コ)ポリマーを調製する方法の好ましい面では、外部電子供与体化合物は、触媒の立体規則性調整能力を上げないようには使用されない。外部供与体が使用される場合、その使用量と使用様式は、立体規則性の高いポリマーをあまりにも多量に生み出さないようにすべきである。
活性型の二塩化マグネシウムを、好ましくは担体として使用する。活性型の二塩化マグネシウムは、特に、チーグラーナッタ触媒用の担体として特に適していることは特許文献により公知である。米国特許第4,298,718号および第4,495,338号は、チーグラーナッタ接触反応におけるこれらの化合物の使用を初めて記載した。オレフィン重合のための触媒成分における担体または補助担体として使用される活性型の二ハロゲン化マグネシウは、非活性のハロゲン化物のスペクトルで出現する最大強度の回折線が、その強度が減弱され且つハロゲン(ハロゲンの最大強度は、より強い強線のスペクトルに比べてより低い角度の方へと位置が変わる)によって置換されるX線スペクトルによって特徴付けられることが、これらの特許から分かる。
本発明の触媒成分で使用される好ましいチタン化合物は、TiCl4およびTiCl3であり;更にまた、式Ti(OR)n-yy(式中、nはチタンの価数であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、そしてyは1〜nの数である)で表されるTi−ハロアルコレートも使用できる。
内部電子供与体化合物は、好ましくはエステルから選択され、より好ましくはモノカルボン酸、例えば安息香酸、またはポリカルボン酸、例えばフタル酸またはコハク酸のアルキル、シクロアルキルまたはアリールエステル(該アルキル、シクロアルキルまたはアリール基は1〜18個の炭素原子を有する)から選択される。該電子供与体化合物の例は、ジイソブチルフタレート、ジエチルフタレートおよびジヘキシルフタレートである。一般的に、内部電子供与体化合物は、MgCl2を基準として0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5のモル比で使用される。
固体触媒成分の調製は、いくつかの方法によって行うことができる。
一つの好ましい方法に従って、固体触媒は、式Ti(OR)n-yy(式中、nはチタンの価数であり、そしてyは1〜nの数である)で表されるチタン化合物、好ましくはTiCl4を、式MgCl2・pROH(式中、pは0,1〜6の数、好ましくは2〜3.5の数であり、そしてRは1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基である)で表される付加物から誘導される塩化マグネシウムと反応させることによって調製できる。付加物は、付加物と不混和性の不活性炭化水素の存在下でアルコールと塩化マグネシウムを混合し、付加物の溶融温度(100〜130℃)において撹拌条件下で運転することによって、球状形態で適当に調製できる。次いで、エマルジョンを迅速に急冷し、それによって、球状粒子の形態で付加物を凝固させる。この手順によって調製される球状付加物の例は、米国特許第4,399,054号および第4,469,648号に記載されている。そのようにして得られた付加物は、Ti化合物と直接反応させることができるか、または、アルコールのモル数が一般的に3未満、好ましくは0.1〜2.5である付加物が得られるように、前以て、熱制御脱アルコール(80〜130℃)に曝露することができる。Ti化合物との反応は、冷TiCl4(一般的に0℃)中に付加物(脱アルコールされたものかまたはそのまま)を懸濁させ;その混合物を最高80〜130℃まで加熱し、そしてその温度に0,5〜2時間保つことによって行うことができる。TiCl4による処理は、1回以上行うことができる。内部電子供与体化合物は、TiCl4による処理中に加えることができる。電子供与体化合物による処理は、1回以上繰り返することができる。
球状形態の触媒成分の調製は、例えば欧州特許出願第EP−A−395083号、第EP−A−553805号、第EP−A−553806号、第EP−A−601525号および第WO98/44001号に記載されている。
上記方法に従って得られる固体触媒成分は、一般的に20〜500m2/g、好ましくは50〜400m2/gの表面積(B.E.T.方法による)および0.2を超える、好ましくは0,2〜0,6cm3/gの総多孔度(total porosity)(B.E.T.方法による)を示す。半径10.000Å以下の気孔の多孔度(Hg法)は、一般的に、0.3〜1.5cm3/g、好ましくは0.45〜1cm3/gの範囲である。
アルキル−Al化合物(B)は、好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムの中から選択される。トリアルキルアルミニウムと、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライドまたはアルキルアルミニウムセスキクロリド、例えばAlEt2ClおよびAl2Et3Cl3との混合物を使用することもできる。
使用される場合、外部供与体(C)は、好ましくは、式Ra 5b 6Si(OR7c(式中、aおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、そして合計(a+b+c)は4であり;R5、R6およびR7は、ヘテロ原子を任意に含む1〜18個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)で表されるケイ素化合物の中から選択される。ケイ素化合物の特に好ましい群は、aが0であり、cが3であり、bが1であり、R6がヘテロ原子を任意に含む分岐アルキル基またはシクロアルキル基であり、そしてR7がメチルであるケイ素化合物である。そのような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシランおよびテキシルトリメトキシシランである。テキシルトリメトキシシランの使用は、特に好ましい。
使用される場合、外部電子供与体化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と該電子供与体化合物の重量比が500超、好ましくは700超となるような量で供給する。
予備重合工程で該触媒を予備重合させることもできる。該予備重合は、一般的に100℃未満、好ましくは20〜70℃の温度で、液体(スラリーもしくは溶液)中または気相中で行うことができる。予備重合工程は、固体触媒成分1gあたり0.5〜2000g、好ましくは5〜500g、そしてより好ましくは10〜100gの量のポリマーを得るのに必要な時間、少量のモノマーで行う。
重合プロセスは、公知の技術に従って、例えば、液体不活性炭化水素を希釈剤として使用するスラリー重合または反応媒体として例えば液体ブテン−1を使用する溶液重合によって行うことができる。更に、気相で重合プロセスを行うこともでき、1つ以上の流動床反応器または機械的撹拌床反応器で運転する。反応媒体として液体ブテン−1を使用して行われる重合は極めて好ましい。
一般的に、重合は、20〜120℃で、好ましくは40〜90℃の温度で行う。重合は、分子量調節剤の濃度、コモノマー濃度、外部電子供与体濃度、温度、圧力などのような同じかまたは異なる反応条件下で運転できる1つ以上の反応器で行うことができる。2つ以上の反応器を使用するとき、配置は、第一反応器由来のモノマー/触媒/ポリマー反応混合物を連続している反応器に供給するカスケードモードであることができる。あるいは、平行な配置では、それら自体の供給システムを有する2つ以上の反応器は独立に運転され、そして、それらの反応器から生じるモノマー/触媒/ポリマー反応混合物は一緒に捕集され、そして最終セクションへと指向される。異なる条件下での少なくとも2つの反応器における運転により、その2つの反応器において、異なる平均分子量および/または異なる立体規則性を有するブテン−1(コ)ポリマーの調製へと導くことができる。更に、異なる条件下での複数の反応器における運転は、様々な重合段階を適当に調節して、最終ポリマーの特性を適当に調整できるという利点を有する。この技術は、キシレン可溶部分を非常に多量に有する生成物を製造する必要があるときに採用できる。実際には、これらの生成物は、ある種の運転中に、例えば造粒中に問題を引き起こすことがある。本出願人は、直列の2つの異なる反応器においてキシレン不溶部分の異なる含量を有する2種のポリマーを製造することにより、同じ量の最終キシレン不溶部分を有するただ1つの重合段階から誘導される生成物に比べてより良好に加工できる最終ポリマーが得られる点に注目した。これは、例えば、1つ以上の選択した反応器においてのみ、触媒をより立体特異的であるようにする少量の外部供与体を使用することによって達成できる。二段重合から得られる(コ)ポリマーは、重合条件の単一セットによって得られるコポリマーと同じ用途を有することができる。
上記したように、本発明のコポリマーは、多くの用途で使用するのに適している。一般的な慣例として、これらの各用途のために、当業者は、更なるポリマー成分、添加剤(例えば安定剤、酸化防止剤、錆止、核形成剤、加工助剤、オイルなど)および特定の特性を付与できる有機および無機両方の充填剤を、本発明の趣旨から逸脱せずに加えることができる。
以下、実施例を掲げて、本発明を限定することなく、より詳細に本発明を例示する。
特性評価
コモノマー含量の 13 C NMR分析
120℃において二重水素化1,1,2,2−テトラクロロ−エタン中ポリマー溶液(8〜12重量%)について13C−NMRスペクトルを測定した。13C−NMRスペクトルでは、1H−13Cカップリングを排除するために90°パルスおよびパルスとCPD(WALTZ16)との間の15秒間の遅延を使用し、120℃で、フーリエ変換モードにおいて100.61MHzで動作するBruker DPX−400分光計によって得た。約1500〜2000の中間体は、60ppm(0〜60ppm)のスペクトル窓を使用して32Kのデータポイントで記憶した。
ブテン/プロピレンコポリマーにおけるコモノマー含量
プロピレン含量は: BBB=M/Σ BBP=L/Σ PBP=I/Σ
BPB=0.5D/Σ BPP=[A+0.5(B+E)]/Σ
PPP=(C+0.5B)/Σ として算出されるトリアッド分布([P] = [PPP]+[PPB]+[BPB])から得られた。
上記式中、Σ= M+L+I+0.5D+[A+0.5(B+E)]+(C+0.5B)であり、そしてA,B,C,D,E,I,L,Mは13C−NMRスペクトルにおけるピークの積分である(アイソタクチックBBBBBペンタッドの分岐中のCH2炭素に起因する27.73ppmのピークは、内部標準として使用される)。これらのピークの帰属は、H.N.Cheng,Journal of Polymer Science,Polymer Physics Edition,21,573 (1983)に従って行い、表Aに示してある。
Figure 0005567764
13 C NMRによるmmmm%の定量
分岐メチレン炭素の領域におけるペンタッドシグナルの帰属は、Five Polyolefins Determined from the Chemical Shift Calculation and the Polymerization Mechanism,T.Asakura and others,Macromolecules 1991,24 2334−2340に従って行った。立体不規則性ペンタッド間の重なりに基づいて、mmmmペンタッドは、Two−site model analysis of 13C NMR of polypropylene polymerized by Ziegler −Natta catalyst with external alkoxysilane donors,R.Chujo,Y.Kogure,T.Vaananen,Polymer,1994,35,339−342に記載されている2サイトモデルで実験ペンタッド分布をフィッティングすることによって得られた。表1に記録してあるmmmm%は、ベストフィットで得られた値である。
4,1介在ブテン単位の定量
ブテンホモポリマーまたはブテン/プロピレンコポリマーの場合は、4,1介在ブテン単位の量は、上記実験条件で13C−NMR分光法によって調べられる。4,1介在単位の帰属は、V.Busico,R.Cipullo,A.Borriello,Macromol Rapid Commun.16,269,(1995)に従って行い、結果は表Bに示してある。
Figure 0005567764
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によるMWDの定量
MWDは、1ml/分の流量で(0.1体積の2,6−ジ−t−ブチル p−クレゾール(BHT)で安定化させた)溶媒の1,2−ジクロロベンゼン(ODCB)によって135℃で動作するTSKカラムセット(GMHXL−HT型)を備えているWaters 150−C ALC/GPCシステムを使用して定量する。サンプルは、1時間、140℃の温度で、連続撹拌することによって、ODCB中に溶解させる。その溶液を、0.45μmテフロン膜で濾過する。その濾液(濃度0.08〜1.2g/l、注入体積300μl)をGPCにかける。ポリスチレン(Polymer Laboratoriesから市販されている)の単分散画分を標準として使用した。PBコポリマーのための汎用較正は、PS(K=7.11x10-5dl/g;α=0.743)およびPB(K=1.18x10-4dl/g;α=0.725)に関するMark−Houwink定数の線形和を使用することによって行った。
熱的性質
ポリマー(Tm)の融点は、標準法にしたがって、Perkin Elmer DSC−7測定機器を使用した示差走査熱量測定法(D.S.C.)によって測定した。重合から得られた計量したサンプル(5〜7mg)を、アルミニウムパン中に封入し、1分間で10℃ずつ上げて180℃まで加熱した。そのサンプルを5分間180℃に保ち、すべての晶子を完全に溶融させ、次いで、10℃/分で20℃まで冷却した。20℃で2分間静置した後、再びサンプルを10℃/分で180℃まで加熱した。この第二の加熱では、ピーク温度を融点(Tm)とみなし、そして、ピーク領域を溶融エンタルピー(ΔHf)とみなした。
ショアAおよびDの定量
ASTM D2240に従って測定した。
引張特性
該当するコポリマーサンプルを1%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と180℃でBrabender中で混合することによって得られるポリマー組成物を圧縮成形(200℃で、次いで307分冷却)することによって得られた厚さ1.9mmのプラークに関してISO 527−Tensileに従って張力を測定した。特に断りが無ければ、すべての機械的測定は、室温および圧力2キロバールのオートクレーブ中で標本を10分間保持した後に、行った。
圧縮永久ひずみ
室温および2キロバールでオートクレーブ中で1分間処理された圧縮成形サンプルに関して、ASTM D395B タイプ1に従って測定した。そのようにして得られた標本を、原厚の25%まで圧縮し、次いで、70℃または23℃で22時間、オーブンに入れた。
キシレン不溶部分の定量
0℃のキシレンに不溶性の部分を定量するために、2.5gのポリマーを、135℃のキシレン250ml中に撹拌しながら溶かし、次いで20分後に0℃まで冷却する。30分後に、沈殿したポリマーを濾過し、次いで、恒量に達するまで80℃で減圧乾燥させる。
固有粘度[η]
135℃(ASTM 2857〜70)のテトラヒドロナフタレン中で測定した。
ジエチルエーテル可溶部分の定量
ジエチルエーテル中で可溶性の部分を定量するために、Kumagawa手順に従ってポリマーを抽出した。不活性雰囲気中で、2gのポリマーを、セルロース円筒濾紙に移し、次いで、300mLのジエチルエーテルの上にガラス外筒と一緒に吊るす。エーテルを還流温度で温め、その蒸気をバブルコンデンサー(buble condenser)で凝縮し、ポリマー上に連続して落とす。このような方法で、ポリマーを溶媒によって常に被覆し、そして、抽出温度は、エーテル還流温度に実質的に等しくする。
抽出は、15時間行う。可溶性画分は、メタノール(600mL)をエーテル溶液に加えることによって回収する。30分後に、沈殿したポリマーを濾過し、次いで、恒量に達するまで80℃で減圧乾燥させる。
粉砕手順
40gのポリマーを、55cm3のチャンバサイズを有するBrabender 2100中に入れ、90回転/分で、5分間、140℃の温度で、混合条件に曝露する。その後で、ポリマーを放出し、追加試験にかける。
実施例
固体触媒成分の調製
窒素でパージされた500mlの四つ口丸底フラスコに、225mlのTiCl4を0℃で入れた。撹拌しながら、6.8gの微小球状MgCl2・2.7C25OH(10,000回転/分ではなく3,000回転/分で運転した他は、米国特許第4,399,054号の実施例2で説明されているようにして調製した)を加えた。そのフラスコを40℃まで加熱し、次いで、4.4mmolのジイソブチルフタレートを加えた。温度を100℃まで上げ、その温度で2時間維持し、次いで、撹拌を中止すると、固体生成物が沈殿した。上澄み液は吸い上げて除去した。
200mlの新鮮なTiCl4を加え、その混合物を120℃で1時間反応させ、次いで、上澄み液を吸い上げて除去し、得られた固体を、60℃の無水ヘキサン(6×100ml)で6回洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させた。触媒成分は、2.8重量%のTiおよび12.3重量%のフタレートを含んでいた。
実施例1
4リットルのオートクレーブにおいて、1時間70℃の窒素流でパージし、7mmolのAliBu3を含む無水ヘキサン75mlおよび上記したようにして調製された固体触媒成分20mgを、30℃の窒素流で導入した。オートクレーブを閉じ、次いで、撹拌下で1.3Kgの液体ブテン−1を供給した。温度を5分で70℃まで上げ、その温度で2時間重合を行った。反応を止めた後、未反応のブテン−1を排気し、次いで、ポリマーを回収し、減圧下、70℃で6時間乾燥させた。重合活性は、13Kgポリマー/g触媒であった。最終ポリブテン−1生成物は、表1に記録してある特性を有していた。4,1−ブテン介在単位は、13C NMRによって検出されなかった。
実施例2
100cm3のH2を重合浴に供給した以外は、実施例1で説明した調製法を繰り返した。最終ポリブテン−1生成物は、表1に記録してある特性を有していた。4,1−ブテン介在単位は、13C NMRによって検出されなかった。
実施例3
250cm3のH2を重合浴に供給した以外は、実施例1で説明した調製法を繰り返した。最終ポリブテン−1生成物は、表1に記録してある特性を有していた。4,1−ブテン介在単位は、13C NMRによって検出されなかった。
実施例4
重合温度を80℃に設定した以外は、実施例1で説明した調製法を繰り返した。最終ポリブテン−1生成物は、表1に記録してある特性を有していた。4,1−ブテン介在単位は、13C NMRによって検出されなかった。
実施例5
100cm3のH2を重合浴に供給した以外は、実施例4で説明した調製法を繰り返した。最終ポリブテン−1生成物は、表1に示してある特性を有していた。4,1−ブテン介在単位は、13C NMRによって検出されなかった。
実施例6
逐次重合によるブテン−1ホモポリマーの調製
逐次重合は、液体ブテン−1が液体培地を構成している直列に接続された2つの液相撹拌反応器で行った。これまでの実施例に記載したものと同じ触媒を使用した。触媒成分(Al−アルキル/触媒重量比38)を10℃で予備接触させ、次いで、水素を供給せずに75℃で動作する第一反応器中に注入した。170分の重合の後、第一反応器の内容物を第二反応器に移し、そこで、同じ条件下で重合を続けた。100分後に重合を止め、そして、最終ポリマーは捕集し、特性評価を行った。重合活性に基づいて、総ポリマーの約70%が第一重合工程で製造され、キシレン不溶部分は30%であった。最終コポリマーに関して行った特性評価の結果は、表1に示してある。
実施例7
逐次重合によるブテン−1ホモポリマーの調製
実施例6に記載したものと同じセットアップと触媒を使用した。この実施例では、Al−アルキル/触媒重量比は40であり、そして第一反応器は、水素を供給せずに75℃で運転した。150分の重合の後、第一反応器の内容物を第二反応器に移し、そこで、外部供与体としてテキシルトリメトキシシランを、Tibal/供与体重量比950で使用した。重合は、第二反応器で100分間続けてから止め、最終ポリマーを捕集し、そして特性評価した。重合活性に基づいて、総コポリマーの約75%が第一重合工程で製造され、キシレン不溶部分は28%であった。全ポリマーのキシレン不溶部分は、35%であった。最終コポリマーに関して行った特性評価の結果は、表1に示してある。ショアD値は、30未満であった。
実施例8
ブテン−1/プロピレンコポリマーの調製
ブテン−1を供給した後に10gのプロピレンを供給した以外は、実施例1で説明した調製法を繰り返した。重合中、プロピレンを供給することによって圧力を一定に保った。特性評価が表1に示してある最終ポリマーは、プロピレンを2.6重量%(NMRによる定量)を含んでいた。
実施例9
ブテン−1/ヘキセンコポリマーの調製
ブテン−1を供給する前に125gのヘキセン−1を供給し、重合温度が75℃であった以外は、実施例1で説明した調製法を繰り返した。特性評価が表1に示してある最終ポリマーは、ヘキセン−1を4.3重量%(NMRによる定量)を含んでいた。DSC分析は溶融ピークを示さなかった。
実施例12
ブテン−1/エチレン/プロピレンターポリマーの調製
ブテン−1を供給した後に3gのエチレンおよび5gのプロピレンを供給した以外は、実施例10で説明した調製法を繰り返した。重合中、2/1g/gのエチレン/プロピレン混合物を供給することによって圧力を一定に保った。特性評価が表1に示してある最終ポリマーは、エチレンを1.1重量%およびプロピレンを0.9重量%含んでいた。DSC分析は溶融ピークを示さなかった。
実施例13
ブテン−1/プロピレン/ヘキセンターポリマーの調製
ブテン−1を供給した後に5gのプロピレンを供給した以外は、実施例13で説明した調製法を繰り返した。重合中、プロピレンを供給することによって圧力を一定に保った。
特性評価が表1に示してある最終ポリマーは、プロピレンを5.6重量%(NMRによる定量)およびヘキセンを4重量%含んでいた。DSC分析は溶融ピークを示さなかった。
実施例14
3.2重量%のエチレン、6%bwのブテン−1およびMFR(230℃、2.16kg)5.5を含み且つ133℃の融点を有するプロピレンターポリマーを10%と、実施例7のブテン−1ホモポリマーを90%bwとを含む機械的ブレンドを調製した。この組成物から得られたフィルムは、透明であり、13Mpaの曲げ弾性率、1.2のMFR(230℃、2.16kg)および512%の破断点伸びを有していた。
実施例15
実施例7で開示したようにして得られた38gのポリマーを、2gのジセチルペルオキシジカルボネートと一緒に、温度90℃のバンバリー型密閉式ミキサーに入れた。その混合物を、60回転/分で6分間混合して、生成物を動的架橋した。次いで、30gの混合物をプレートへと成形し(7分間180℃での圧縮成形)、そして、上記した方法セット(オートクレーブ養生は行わなかった)に従って圧縮永久ひずみ試験にかけた。圧縮永久ひずみは、39%であった。
実施例16
実施例7にて開示したようにして得られたポリマー38gを、1.6gのトリアリルシアヌレート/シリカブレンド(50/50)および0.4gの1,1−ジ(tert.ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン/シリカブレンド(40/60)と一緒に、温度140℃のバンバリー型密閉式ミキサーに入れた。その混合物を、60回転/分で6分間混合して、生成物を動的架橋した。次いで、30gの混合物をプレートへと成形し(7分間180℃での圧縮成形)、そして上記した方法セット(オートクレーブ養生は行わなかった)に従って圧縮永久ひずみ試験にかけた。圧縮永久ひずみは、48%であった。
Figure 0005567764

Claims (7)

  1. 以下の特性:すなわち、
    − アイソタクチックペンタッド(mmmm)形態のブテン−1単位の含量が25〜55%;
    − 135℃においてテトラリン中で測定された固有粘度[η]が1〜3;
    − 0℃でのキシレン不溶部分の含量が3〜60%;そして、
    − ES/ES比(ESは、ポリマーそれ自体に関して測定された沸騰ジエチルエーテル可溶部分の量であり、ここで、沸騰ジエチルエーテル中で可溶分の量は、Kumagawa手順に従って抽出したポリマーに関して測定され、不活性雰囲気中で、2gのポリマーを、セルロース円筒濾紙に移し、次いで、300mLのジエチルエーテルの上にガラス外筒と一緒に吊るし、還流温度で温め、その蒸気をバブルコンデンサー(buble condenser)で凝縮し、ポリマー上に15時間連続して落とし、その後可溶性画分は、メタノール(600mL)をエーテル溶液に加えることによって回収し、30分後に、沈殿したポリマーを濾過し、次いで、恒量に達するまで80℃で減圧乾燥させるものであり、ESは、粉砕手順にしたがってポリマーを粉砕した後に測定された沸騰ジエチルエーテル可溶部分の量であり、ここで、粉砕手順は40gのポリマーを、55cmのチャンバサイズを有するBrabender 2100中に入れ、90回転/分で、5分間、140℃の温度で、混合条件に曝露し、その後で、ポリマーを放出し試験にかけるものである)が1以上であることを特徴とするブテン−1ホモポリマーまたはコポリマー。
  2. アイソタクチックペンタッド(mmmm)形態におけるブテン−1単位の含量が、30〜50%である請求項1記載のブテン−1ホモポリマーまたはコポリマー。
  3. 沸騰ジエチルエーテル可溶部分(ES)の含量が、20〜75%である請求項1記載のブテン−1ホモポリマーまたはコポリマー。
  4. 6MpAを超える破断点引張応力および80未満のショアAを有する請求項1記載のブテン−1ホモポリマーまたはコポリマー。
  5. (A)請求項1〜4のいずれかに記載のブテン−1(コ)ポリマーを1〜99重量%;および(B)別のポリマー成分を99〜1重量%(該重量%は(A)+(B)の合計を基準としている)含むポリマー組成物。
  6. (A)MgCl上に担持されたTi化合物と内部電子供与体化合物とを含む固体成分;(B)アルキルアルミニウム化合物からなる触媒系の存在下でブテン−1を重合する工程を含む請求項1記載のブテン−1コポリマーの調製法。
  7. 40未満のショアDを有する、請求項1〜4のいずれかに記載のブテン−1ホモポリマーまたはコポリマーまたは請求項5に記載のポリマー組成物を、架橋剤の存在下且つ100〜150℃の温度で架橋する方法。
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