JP5568399B2 - 球状アルミナ粉末、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
(1)レーザー回折散乱法粒度分布測定における0.5μm以下の粒子の含有率が3体積%以下であり、平均粒子径が1.0〜3.5μm、比表面積が2.0〜6.0m2/g、平均球形度が0.90以上であることを特徴とする球状アルミナ粉末。
(2)前記(1)に記載の球状アルミナ粉末を含有することを特徴とする球状無機質粉末。
(3)前記(1)に記載の球状アルミナ粉末を3〜15質量%含有することを特徴とする球状無機質粉末。
(4)前記(1)に記載の球状アルミナ粉末を含有してなる樹脂組成物。
(5)前記(2)又は(3)に記載の球状無機質粉末を含有してなる樹脂組成物。
(6)前記(4)又は(5)に記載の樹脂組成物を用いた放熱部材。
(7)前記(4)又は(5)に記載の樹脂組成物を用いた放熱シート。
(8)比表面積10〜20m2/gの超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリーを火炎温度が1300〜1650℃の火炎中に噴霧することを特徴とする前記(1)に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
(9)助燃ガスが空気、不活性ガス含有の空気、又は不活性ガス含有の酸素であることを特徴とする前記(8)に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
本発明は組成物の混練・成形工程においても容易に解れることのない球状アルミナ粉末である。本発明の球状アルミナ粉末は、樹脂組成物に用いた場合に樹脂組成物の粘度特性を悪化させることがない。本発明の球状アルミナ粉末は、表面積が大きいため樹脂との接触面積が大きくなり、樹脂組成物の強度を高めることができる。
球状アルミナ粉末は図1に示す設備を用いて製造した。概説すれば、炉頂部より超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリーを火炎中に霧状に噴射し、得られた球状アルミナ粉末を排ガスと共にブロワーによってバグフィルターに搬送し捕集する。原料スラリーの分散にはアトマックス社製アトマックスノズルBN500型を使用した。火炎は燃料ガスにLPG、助燃ガスに空気、窒素ガス添加の空気、又は窒素ガス添加の酸素を使用し、炉体に設定された燃焼バーナーから噴射して形成した。原料スラリーの分散ガスにはコンプレッサーで加圧した空気を使用した。燃料ガス流量は5Nm3/Hr、助燃ガス流量は25Nm3/Hr、分散ガスは100Nm3/Hrで行った。
球状アルミナ粉末の0.5μm以下の粒子含有率は原料である超微粉アルミナ粉末の比表面積の調整によりコントロールすることができる。樹脂組成物の強度特性を考慮すると、球状アルミナ粉末の0.5μm以下の粒子含有率はレーザー回折散乱法粒度分布測定において3体積%以下である。
0.5μm以下の粒子が多くなると強度特性が発現しにくくなる。超微粉アルミナ粉末の比表面積は20m2/g以下とするのが好ましい。
球状アルミナ粉末の粒子径は原料である超微粉アルミナ粉末の比表面積と超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリー濃度を調整することによりコントロールすることができる。樹脂組成物に用いた場合に樹脂組成物の粘度特性を悪化させることがないという点において、球状アルミナ粉末の平均粒子径は小さい方が好ましいが、平均粒子径が小さくなりすぎると強度特性が発現しにくくなる。粘度と強度の特性の両立を考慮すると球状アルミナ粉末の平均粒子径は1.0〜3.5μmであることが好ましい。
超微粉アルミナ粉末の比表面積が高いほど、製造される球状アルミナ粉末の平均粒子径は大きくなる。また、超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリー濃度については、超微粉アルミナ粉末濃度が高いほど製造される球状アルミナ粉末の平均粒子径は大きくなる。アルコールスラリー濃度については10〜30質量%であることが好ましい。
球状アルミナ粉末の比表面積は原料である超微粉アルミナ粉末の比表面積と超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリー濃度と助燃ガスの酸素濃度により火炎温度を調整することによりコントロールすることができる。樹脂組成物の強度の特性のバランスを考慮すると、球状アルミナ粉末の比表面積については2.0〜6.0m2/gである。
原料である超微粉アルミナ粉末の比表面積を高くすると製造される球状アルミナ粉末の比表面積が高くなる。超微粉アルミナの比表面積が高くなりすぎると、樹脂組成物に用いた場合に樹脂組成物の粘度特性が悪化してしまう。超微粉球状アルミナ粉末の比表面積は10〜20m2/gである。アルコールスラリー濃度を希薄にすると製造される球状アルミナ粉末の比表面積が高くなる。アルコールスラリー濃度については10〜30質量%とすることが好ましい。また助燃ガスの酸素濃度を低減させると火炎温度が低くなり、球状アルミナ粉末の比表面積を高くすることができる。火炎温度については1300〜1650℃が適正な範囲である。
球状アルミナ粉末の平均球形度は超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリーのフィード量を調整することによりコントロールすることができる。フィード量を多くすると炉内で球状アルミナ粉末同士が接触する確率が高くなり、平均球形度は低くなってしまう。球状アルミナ粉末の平均球形度が低くなると粘度特性が悪化する。樹脂組成物の粘度特性を考慮すると、球状アルミナ粉末の平均球形度については0.90以上である。
超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリーのフィード量については45L/Hr以下とすることが好ましい。
比表面積測定はマイクロデータ社製AUTO MATIC SURFACE ANALYZER MODEL−4232IIを使用して行った。
アルミナ粉末の0.5μm以下の粒子含有率の確認、並びに平均粒子径測はベックマンコールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置LS−230を使用した。粒度分布測定は溶媒にイオン交換水を用い、ポンプ回転数60rpmで測定した。粒度分布の解析には屈折率のパラメーターが必要となる、今回測定するサンプルがアルミナで分散させる溶媒が水なので、屈折率には水(1.333)、アルミナ(1.768)を使用した。粒度分布の解析は体積部−累積で行った。粒度分布測定用サンプルは水溶液系スラリーで導入する。水溶液系スラリーについては球状アルミナ粉末0.04gに対してエタノール0.5ml、さらに5mlのイオン交換水を加えた後、トミー精工社製超音波発生器UD−200(超微量チップTP−030装着)を用いて30秒分散処理を行い調製した。
溶融時の火炎温度は炉外にバーナーを設置し、Impac社製放射温度計IS5/F型を使用して測定した。温度測定については、超微粉アルミナのメタノールスラリーをフィードしながら行った。
平均球形度測定は、Sysmex社製フロー式粒子像解析装置FPIA−3000を使用して行った。フロー式粒子像解析装置は、一個の粒子投影像の周囲長と粒子投影像の面積に相当する円の周囲長を解析することができ、式(円形度)=(粒子投影像の周囲長)/(粒子投影像の面積に相当する円の周囲長)、により円形度を算出することができる。平均球形度は平均円形度を2乗したものである。今回の平均球形度測定に際して、粒子36000個の円形度のデータを採取した。測定で得られた円形度のデータは粒子径0.992−9.961μmの領域について再解析を施し、平均円形度を求め直した。再解析で得られた平均円形度を2乗したものが本発明における平均球形度になる。本測定は高倍率撮像ユニットで行い、対物レンズにLUCPLFLN20×(倍率20倍)、NDフィルタにAND−40C−70(透過率70%)を使用した。平均円形度を測定する際の前処理は、サンプル0.05gを20mlのガラスビーカー容器に計量し、プロピレングリコール25質量%水溶液を10ml加えた後、超音波分散器で3分間分散させて行う。前処理した溶液はFPIA−3000に全量入れ、HPFモード/定量カウント(トータルカウント数36000個、繰返し測定回数1回)方式で測定する。
球状アルミナ粉末の製造は図1に示す製造装置を用いて行った。球状アルミナ原料には表1に示す超微粉アルミナ粉末を使用し、アルコールには三井化学社製メタノール(純度98%)を使用した。表2に球状アルミナ粉末の製造条件と得られた球状アルミナ粉末の特性を示す。球状アルミナ製造時のガス条件は燃料ガス流量5Nm3/Hr、助燃ガス流量25Nm3/Hr、分散ガス流量100Nm3/Hrで行った。燃料ガスはLPG、助燃ガスは空気をベースにし、ガス混合機にて空気と窒素又は酸素を混合させることで酸素濃度を調整した。酸素濃度についてはエムケー・サイエンティフィック社製小型ガス検知器MiniMax4を使用して、ガス配管中に流れる助燃ガスから直接計測した。
表2で製造した球状アルミナ粉末と他の無機質粉末を表3又は表5に示す割合で配合し、球状無機質粉末を調製した。他の無機質粉末には電気化学工業社製球状アルミナ粉末DAW−45(平均粒子径45μm)、DAW−05(平均粒子径5μm)と電気化学工業社製窒化ホウ素粉末SP−7(平均粒子径1.5μm)と電気化学工業社製球状シリカSFP−20M(平均粒子径0.3μm)を使用した。
放熱部材評価を行う球状無機質粉末についてはカップリング剤による表面処理を行った。カップリング剤による表面処理は、ボールミル(セイワ技研社製AXB−15)に球状無機質粉末1kgとアルミナボール(20φmm)500g、カップリング剤を封入して行った。ボールミル処理は回転数250rpm、時間30分で行った。カップリング剤には信越化学社製カップリング剤KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。カップリング剤は以下の式で計算した量を添加した。
カップリング剤の添加量[g]=(球状アルミナ粉末の質量[g])×(球状アルミナ粉末の比表面積[m2/g])/カップリング剤の最小被覆面積(m2/g)。
カップリング剤の最小被覆面積にはKBM−5103(333m2/g)を用いた。
実施例1、2、4〜14、比較例1〜8では、表4の割合で調合された樹脂40質量%と表3の球状無機質粉末60質量%を混合し、同方向噛み合い二軸押出混練機(スクリュー径D=25mm、ニーディングディスク長10Dmm、パドル回転数150rpm、吐出量4.5kg/h、ヒーター温度105〜110℃)で加熱混練した。また、実施例3では、表4の割合で調合された樹脂30質量%と表3の球状無機質粉末70質量%を混合し、同様の方法で加熱混連した。吐出物を冷却プレス機で冷却した後、粉砕して樹脂組成物を調製し、その曲げ強度、流動性、熱伝導率を以下に従い評価した。それらの結果を表3に示す。球状アルミナ粉末の種類が及ぼす影響は実施例1、2、8〜14、比較例1〜7を比較することで確認することができる。球状アルミナ粉末の配合割合が及ぼす影響は実施例2、4,5、7を比較することで確認することができる。BN粉を配合することによる影響は実施例2、6を比較することで確認することができる。
曲げ強度は島津製作所製オートグラフAG−2000Dを用い、室温20℃のもと、JIS K 6911に準じて行った。測定する試験片は175℃、7.4MPa、プレス時間90秒の条件で金型成形し、10×4×100mmのものを準備した。
スパイラルフロー金型を用い、EMMI−66(Epoxy Molding Material Institute;Society of Plastic Industry)に準拠したスパイラルフロー測定用金型を取り付けたトランスファー成型機を用いて、二軸押出混練機で加熱混練して調製した半導体封止材料のスパイラルフロー値を測定した。トランスファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧力7.4MPa、プレス時間90秒とした。
球状アルミナ粉末含有エポキシ樹脂組成物を25×25mm、厚み3mmに成形し、これを15×15mmの銅製ヒーターケースと銅板の間に挟み、締め付けトルク5kgf/cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに15Wの電力をかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板の温度差を測定し、熱抵抗を測定する。
熱抵抗(℃/W)=銅製ヒーターケースと銅板の温度差(℃)/ヒーター電力(W)
熱伝導率は熱抵抗(℃/W)と伝熱面積[銅製ヒーターケースの面積](m2)、締め付けトルク5kgf/cm時の成形体厚(m)から算出することができる。
熱伝導率(W/m・K)= 成形体厚(m)/{熱抵抗(℃/W)×伝熱面積(m2)}
実施例15、16、18〜28、比較例9〜16では、Momentive performance Material社製、液状シリコーンゴム(YE5822シリーズ)15質量%と表5の割合で調製した球状無機質粉末85質量%を混合してゴム組成物を作成した。また、実施例17では、Momentive performance Material社製、液状シリコーンゴム(YE5822シリーズ)10質量%と表5の割合で調製した球状無機質粉末90質量%を混合してゴム組成物を作成した。
放熱シート評価については、粘度、引張強度、熱伝導率を以下に従い評価した。その結果を表5に示す。球状アルミナ粉末の種類が及ぼす影響は実施例15、16、22〜28、比較例9〜15を比較することで確認することができる。球状アルミナ粉末の配合割合が及ぼす影響は実施例16、18,19、21を比較することで確認することができる。BN粉を配合することによる影響は実施例16、20を比較することで確認することができる。
粘度測定はMomentive performance Material社製、液状シリコーンゴムYE5822Aに表5の割合で調製した球状無機質粉末を投入し、東京理化器械社製、攪拌機NZ−1100を用いて混合した。混合した組成物は真空脱泡し、東機産業社製、B型粘度計TVB−10で粘度測定を行った。粘度測定はNo7スピンドルを使用し、回転数は20rpm、室温20℃で行った。
なお、上記にて調製した液状シリコーンゴムYE5822Aと球状無機質粉末の組成物にMomentive performance Material社製、液状シリコーンゴムYE5822BをYE5822Aの10質量%添加し、成形した後120℃雰囲気で加熱処理するとシリコーンゴムが硬化し、放熱部材となる。
[球状無機質粉末含有シリコーンゴム組成物の作製]
液状シリコーンゴムにはMOMENTIVE performance materials社製YE5822(A),YE5822(B)を使用し、YE5822(A)とYE5822(B)の比率は10:1[質量比]で行った。表5に示す球状無機質粉末とYE5822(A)とYE5822(B)を遊星式撹拌・脱泡装置(MAZERUSTAR KK−400W)で60秒混合した後、シートに成形した。120℃で加熱し、シリコーンゴムを硬化させ、球状無機質粉末含有シリコーンゴム組成物を作製した。球状無機質粉末含有シリコーンゴム組成物の厚さは3.0mmとした。
[引張強度測定用試験片作製]
厚さ3.0mmのシート状に成形された球状無機質粉末含有シリコーンゴム組成物を高分子計器株式会社製試験片打抜刃JIS1号でダンベル型に打ち抜いて、引張強度測定用試験片を作成した。
[引張強度測定]
引張強度測定は島津製作所製オートグラフAG−2000Dを使用し、JIS K6251に準拠して行った。
球状アルミナ粉末含有シリコーンゴム組成物を25×25mm、厚さ3mmに成形し、これを15×15mmの銅製ヒーターケースと銅板の間に挟み、締め付けトルク5kgf/cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに15Wの電力をかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板の温度差を測定し、熱抵抗を測定する。
熱抵抗(℃/W)=銅製ヒーターケースと銅板の温度差(℃)/ヒーター電力(W)
熱伝導率は熱抵抗(℃/W)と伝熱面積[銅製ヒーターケースの面積](m2)、締め付けトルク5kgf/cm時の成形体厚(m)から算出することができる。
熱伝導率(W/m・K)= 成形体厚(m)/{熱抵抗(℃/W)×伝熱面積(m2)}
1 溶融炉
2 バーナー
3 燃料ガス供給管
4 助燃ガス供給管
5 原料スラリー供給部(アトマックスノズルBN500型)
6 バグフィルター
7 ブロワー
1 本発明の球状アルミナ粒子
Claims (10)
- レーザー回折散乱法粒度分布測定における0.5μm以下の粒子の含有率が3体積%以下であり、平均粒子径が1.0〜3.5μm、比表面積が2.0〜6.0m2/g、平均球形度が0.90以上であることを特徴とする球状アルミナ粉末。
- 超微粉アルミナ粒子が集合したものであることを特徴とする請求項1に記載の球状アルミナ粉末。
- 請求項1又は2に記載の球状アルミナ粉末を含有することを特徴とする球状無機質粉末。
- 請求項1又は2に記載の球状アルミナ粉末を3〜15質量%含有することを特徴とする球状無機質粉末。
- 請求項1又は2に記載の球状アルミナ粉末を含有してなる樹脂組成物。
- 請求項3又は4に記載の球状無機質粉末を含有してなる樹脂組成物。
- 請求項5又は6に記載の樹脂組成物を用いた放熱部材。
- 請求項5又は6に記載の樹脂組成物を用いた放熱シート。
- 比表面積10〜20m2/gの超微粉アルミナ粉末のアルコールスラリーを火炎温度が1300〜1650℃の火炎中に噴霧することを特徴とする請求項1に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
- 助燃ガスが空気、不活性ガス含有の空気、又は不活性ガス含有の酸素であることを特徴とする請求項9に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
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