JP5570601B2 - 回転電機のラジアルリードの固定構造 - Google Patents

回転電機のラジアルリードの固定構造 Download PDF

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Description

この発明は、回転電機のスリップリングに接続するラジアルリードを回転軸に固定する固定構造に関するものである。
回転電機として、例えば、交流同期発電機では、発電機の回転子の界磁コイルに外部から直流電流を供給し、回転子を回転させて発生する回転磁界により、回転子の外周側に固定された電機子コイルに交流電圧を誘起させる。界磁コイルと外部との電気的な接続部となる集電子部の従来技術としては、例えば、図6,図7のような構成が知られている。
図6は、回転子の集電子側の軸心から上半分のみを示す部分断面図である。また、図7は、図6の一点鎖線で囲った部分の拡大断面図である。
図6に示すように、回転子31の回転軸32の中心には中心孔32aを有し、この中心孔32a内にアキシャルリード33が配置され、主端子ボルト34から一対のラジアルリード(集電端子ボルト)35まで延在してそれぞれのボルトの一端側に接続されている。
主端子ボルト34の他端側は、押さえリング36によって保持されている主界磁端子巻線37に接続され、ラジアルリード35の他端側は、回転軸32に装着された一対のスリップリング38a,38bに接続されている。
カーボンブラシ(図示せず)から、スリップリング38a,38bへ直流電流が供給され、ラジアルリード35、アキシャルリード33、主端子ボルト34を経由して主界磁端子巻線37側へ通電される。
図7により、ラジアルリード部の詳細について説明する。ラジアルリード35は、上端側と下端側に雄ねじが形成されており、滑らかな中間部を有し、中間部には絶縁スリーブが取り巻いている。下端側は、アキシャルリード33の雌ねじに螺合されて固定されている。上端側は鋼製ナット39と内側銅ナット40とによりスリップリングの接続リード線41に接続されている。回転軸32に形成されたラジアルリード穴42には、ガスケット43がシールワッシャ44とガスケットブッシング45とに挟まれて挿入されている。そして、回転軸32の外周近傍の位置において、ラジアルリード穴42に形成された雌ねじ部に締付ボルト46が締め付けられ、ガスケット43が圧縮されることで気密が保てるようになっている。発電機の内部は、冷却用の冷媒として、例えば水素ガスが封入されており、水素ガスは回転軸32の中心孔32aにも連通し、中心孔32aとアキシャルリード33との隙間にも封入されているので、ガスケット43は、水素ガスが外部に漏れないようにシールする役目を担っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−237558号公報(第3−4頁、図1及び図3)
特許文献1に示されたようなラジアリード部構造において、ラジアルリード35が挿通されるラジアルリード穴42は、発電機の冷却ガスをシールするために、上記のように、ガスケット43が締付ボルト46で締め付けられているが、締付ボルト46を螺合する雌ねじ部は、回転軸32の最外周近傍の位置に設けられている。回転子31は軸方向に細長く、回転軸32の両端部近傍で軸受けにより支持されて高速回転するが、曲げ荷重を受けながら回転するときの回転曲げによって回転軸32にはストレスがかかる。そのため、回転軸32は、回転曲げの疲労による強度低下が問題となる。
ねじ部には、ねじの締付力に加えて、ねじへの応力集中が回転曲げ時に作用するが、回転軸32の最外周が最も応力が高くなるため、ねじ部が最外周近傍に形成されている特許文献1のような構成では、回転軸の軸径はブラシ周速による制限があり、その制限以上に径を大きくすることができず、そのような箇所にねじ部を有するラジアルリード穴が設けられているため、疲労強度の改善が困難であった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、回転電機のスリップリングと接続するラジアルリード部において、回転曲げ等による疲労に対する強度を改善させた回転電機のラジアルリード部を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機のラジアルリード部の固定構造は、回転子の回転軸に設けられたスリップリングと、回転軸の中心孔の内部に配置されて回転子コイルへ電流を供給するアキシャルリードとを接続すると共に、回転軸の内部の冷媒ガスの漏出を防止する機能を備えた回転電機のラジアルリードの固定構造において、ラジアルリードは、回転軸の中心孔からラジアル方向に貫通するラジアルリード穴に挿通され、一端側に形成された雄ねじがアキシャルリードに形成された雌ねじに螺合されて固定され、他端側がスリップリングに電気的に接続されており、ラジアルリード穴の段差部に装填されたシール部材が、スペーサを介し、ラジアルリードの他端側に螺合した締付ナットによって締め付けられて、中心孔側と外部側との気密が保たれているものである。
この発明の回転電機のラジアルリード部の固定構造によれば、ラジアルリードは、回転軸の中心孔からラジアル方向に貫通するラジアルリード穴に挿通され、一端側に形成された雄ねじがアキシャルリードに形成された雌ねじに螺合されて固定され、他端側がスリップリングに電気的に接続されており、ラジアルリード穴の段差部に装填されたシール部材が、スペーサを介し、ラジアルリードの他端側に螺合した締付ナットによって締め付けられて気密を保つようにしたので、ラジアルリード穴側に、回転曲げや捩り振動に対する疲労の弱点となるねじ部を有さないため、回転曲げや捩り振動による疲労強度を改善して、疲労強度の向上を図ることができる。
基礎技術による回転電機のラジアルリード部近傍の構造を示す部分断面図である。 図1の要部の拡大断面図である。 この発明の実施の形態1による回転電機のラジアルリード部の部分断面図である。 この発明の実施の形態2による回転電機のラジアルリード部の部分断面図である。 この発明の実施の形態2による回転電機のラジアルリード部の他の例を示す部分断面図である。 従来の回転電機のラジアルリード部近傍の構造を示す部分断面図である。 図6の要部の拡大断面図である。
基礎技術
先ず、この発明の実施の形態1について説明する前に、その発明に至った基礎技術について説明する。
図1は、例えば、タービン発電機のような回転電機のラジアルリード部近傍の構造を示す部分断面図である。(a)は側面断面図を示し、(b)は(a)の矢印b−bから見た断面図である。
また、(a)は、背景技術の項で説明した図6に対応する部分であるが、図6とは左右逆になっており、図の右側が回転子本体の回転子コイル側となっている。
周知のように、発電機は、回転子コイルに電気を流すことで回転子を磁化させ、その回転子を回転させることで固定子コイルと鎖交する磁束が変化し、固定子コイルに起電力を誘起させるものであるが、回転子を励磁させるために外部から電力を供給する必要があり、その出入口がスリップリングである。
図1(a)に示すように、一対の軸受け(図示せず)で支持された回転子の回転軸1は、一方の端部の機外側に、正極と負極の一対のスリップリング2a,2bが装着されている。スリップリング2a,2bにはカーボン製のブラシ3a,3bが、図示しないばねにより押圧されて摺動可能に接触しており、そのブラシ3a,3bを通じて直流電流が供給される。
スリップリング2aより供給された電流は、矢印で示すように、回転軸1にラジアル方向に設けられた一対のラジアルリード部4(詳細は後述する)の一方から、回転軸1の中心孔1aに設けられたアキシャルリード5の一方を通り、その他端側で径方向に引き出されて回転子コイル(図示せず)へと流れ、回転子コイルからの電流は他方のアキシャルリード5に戻り、他方のラジアルリード部4を経由してスリップリング2bへと流れる。
回転軸1の中心孔1aは、図1(b)に示すように、回転軸1の中心軸と同軸に形成されており、内部は絶縁部材6によって2分され、それぞれの空間にアキシャルリード5が挿通されている。但し、(b)にはラジアルリード部4とアキシャルリード5の図示は省略している。なお、アキシャルリード5と中心孔1aとは筒状絶縁部材7で絶縁されている。
また、発電機内部は冷却性能を上げるため、冷媒として、例えば、水素ガスが封入されており、封入した水素ガスが外部に漏れないように各部においてシールされている。ラジアルリード部4も例外ではなく、次に詳細に説明するように内部の水素ガスを外部に漏らさないためのシール部材が挿入されている。
課題の項で説明したように、回転軸に回転曲げ応力が作用したときは、回転軸の最外周が最も応力が高い。また、回転曲げ以外にも、突発短絡のような事故が発生したときには、回転軸に捩り振動が発生する。捩り振動時も回転軸の最外周の応力が高くなる。
そこで、回転曲げ等による疲労に対する強度を改善したラジアルリード部4の構造として、図2に示すような構成について検討した。図2は、図1のラジアルリード部4の拡大断面図である。以下、図2に基づいてラジアルリード部4の詳細を説明する。
先ず、ラジアルリード部4が挿通されるラジアルリード穴8から説明する。ラジアルリード穴8は、回転軸1に設けた一対のスリップリング2a,2bの中間部で、径方向に180度対向する位置に2箇所、中心孔1aからラジアル方向に貫通して設けられている。
ラジアルリード穴8の断面形状は、図2示すように、回転軸1の中心孔1a側に開口する開口端近傍の径を一段小さくして、段差部8aが形成され、ラジアルリード穴8の長さ方向の、外側開口部より内側に寄せた部位に雌ねじ部8bが形成され、それより外側は少し径の大きい大径部としている。
ラジアルリード部4の中心導体であるラジアルリード9は、アキシャルリード5に接続される側はテーパ雄ねじ9aが形成されており、反対側のスリップリング2a,2bに接続される端部側は、中間部より一段細い径のストレートねじ9bが形成されている。中間部のストレート部には絶縁筒10が密着して設けられている。
ラジアルリード9とアキシャルリード5とは、アキシャルリード5に設けたテーパ雌ねじ5aにラジアルリート9のテーパ雄ねじ9aを螺合させることで接続され、ラジアルリード9が遠心力で外側に飛び出さないように固定されている。
ラジアルリード4の組立は、まず、アキシャルリード5のテーパ雌ねじ5aにラジアルリード9のテーパ雄ねじ9aをねじ込んで固定し、次に、ラジアルリード穴8の段差部8aにシール受け11を挿入する。シール受け11の内径はラジアルリード9の絶縁筒10が微少隙間で遊嵌する大きさとしている。次に、シール部材12を挿入する。シール部材12は、内径が絶縁筒10の外径とほほ同じであり、外径がラジアルリード穴8の内径とほぼ同じである。材料は、例えば、フッ素ゴム等が用いられる。
次に、ラジアルリード穴8の中間部に形成した雌ねじ部8bにリング状の締付ボルト13をねじ込む。これにより、シール部材12が圧縮され、その内径側が絶縁筒10に、外径側がラジアルリード穴8の内壁に密着してシールされると共に、シール部材12が回転軸1の回転時の遠心力に耐えるように固定される。なお、締付ボルト13の内径は、絶縁筒10の外径より僅かに大きくしている。
次に、締付ボルト13の上側に、絶縁筒10の外径より僅かに大きい内径の円筒状のスペーサ14を挿入し、ラジアルリード9の外側端部に設けたストレートねじ9bに締付ナット15をねじ込んで、スペーサ14を締め付ける。このとき、先に締め付けた締付ボルト13は締付ナット15の締め付け力の反力としての役割も兼ねている。
更に、スリップリング接続リード18を挟み、外側ナット16で締め付けて組立が完了する。なお、外側ナット16には爪付ワッシャ17を用いて回り止めがなされている。上記で説明した符号9〜17でラジアルリード部4が構成されている。
次に、このように構成したラジアルリード部4とラジアルリード穴8の作用について説明する。
背景技術の項で説明した特許文献1と比較して、この基礎技術の特徴とするところは、回転軸1のラジアルリード穴8に設けるシール部材12の取付位置をできるだけ回転軸1の軸心側にずらすことにより、ラジアルリード穴8に形成した雌ねじ部8bの位置を、軸心側にずらした点である。
先に説明したように、回転軸に回転曲げ応力が作用したときは、回転軸の最外周が最も応力が高く、また、突発短絡のような事故が発生したときには、回転軸に捩り振動が発生するが、この捩り振動時も回転軸の最外周が、応力が高くなる。
このような回転曲げや捩り振動に対して、回転軸の径方向に加工したねじそのものは、応力集中となる方向ではないが、ねじ部は締付トルクによる応力が常に掛かり、また加工傷のリスクもある。すなわち、回転曲げや捩り振動に対して、ねじ部は特に弱点となっている。
ラジアルリード穴8はある程度の長さ(深さ)を有する。そこで、その長さの範囲内で、雌ねじ部8bの位置を、できるだけ応力が低い回転軸1の中心側にずらすように配置したものである。
図2のような構造のラジアルリード部と、図2とほぼ同じ構造でラジアルリード穴8の雌ねじ8bの位置が回転軸1の外周近傍にあるラジアルリード部とを、応力解析等を行って回転曲げや捩り振動における応力集中度合いを比較検証した。その結果、図2のように位置をずらすことで、雌ねじ部8bの応力集中は改善されていることが分かった。
しかしながら、図2のような構造の場合、締付ボルト13を使用しているために、次のような点で、まだ必ずしも十分ではないことが検証の過程で判明した。
すなわち、回転軸1に回転曲げや捩り振動が加わったとき、特に捩りによって、円柱状に形成されたラジアルリード穴8は、その円形の断面が捩り方向に楕円状に変形しようとする。
一方、締付ボルト13は、平面形状が円形のリング状で剛性があるので、ラジアルリード穴8の断面が楕円状に変形することにより、雌ねじ部8bと締付ボルト13の雄ねじ部との接触部において、近づく箇所と離れる箇所が発生する。締付ボルト13は上方からスペーサ14で押圧されているので、接触部の変位により雌ねじ8bのねじ底部の一部に応力が集中し、その部分が弱点となってねじ部が破損に至る場合があることを検証した。
そこで、このような基礎技術での検証結果を踏まえて、更に、回転曲げや捩り振動による疲労強度の改善を図ったラジアルリード部を、以下に説明する。
実施の形態1.
図3は、実施の形態1による回転電機のラジアルリード部の部分断面図である。基礎技術で説明した図2に対応する部分であり、同等部分は同一符号で示して説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、ラジアルリード部近傍の全体構造は、基礎技術で説明した図1とほぼ同等である。
図2との相違部分は、図2の締付ボルト13を省略した点である。以下、図3に基づいて説明する。
ラジアルリード穴8には、その途中に段差部8aを形成し、それより外側(回転軸1の外周側)は一段径を大きくしてストレートに形成している。
組立は、まず、アキシャルリード5のテーパ雌ねじ5aにラジアルリード9のテーパ雄ねじ9aをねじ込んで固定する。次に、ラジアルリード穴8の段差部8aにシール受け11を挿入する。次に、シール部材12を挿入し、その上に円筒状のスペーサ19を挿入する。スペーサ19は、内径が絶縁筒10の外径より僅かに大きく、外形がシール部材12の収納部のラジアルリード穴8の内径より僅かに小さい大きさとしている。
次に、ラジアルリード9の外側端部に設けたストレートねじ9bに締付ナット15をねじ込んで、スペーサ19を介してシール部材12を締め付ける。
これにより、シール部材12が圧縮され、内径側が絶縁筒10に、外径側がラジアルリード穴8の内壁に密着してシールされると共に、シール部材12が回転軸1の回転時の遠心力に耐えるように固定される。
更に、締付ナット15の上にスリップリング接続リード18を挟み外側ナット16で締め付けて組立が完了する。外側ナット16には回り留めのために爪付ワッシャ17が設けられている。
上記で説明した符号9〜12,15〜17,19で実施の形態1のラジアルリード部4が構成されている。
上記の組み立て作業において、締付ナット15はラジアルリード9のストレートねじ9bに螺合しているので、締付ナット15を締め付けるとき、締付力が弱いと、シールが十分に行えずガス漏れの原因となり、逆に、締付力が強すぎても、シール部材12の破損を招く虞が有り、同様にガス漏れの原因となる。そこで、締付ナット15の締付に当たっては、締付力を所定値の範囲に管理するのが望ましい。
締付力としては、回転電機の容量にもよるが、シール部材12を2.7mm以上の沈み込みとすれば、十分にシール効果が得られ、適切であることを検証した。
次に作用について説明する。
回転電機の運転中において、回転軸には回転曲げ応力が作用し、また、突発短絡のような事故が発生したときには、回転軸に捩り振動が発生する。このとき、ラジアルリード穴8の形状は、穴の軸線に垂直な断面が、捩り方向に楕円状に変形しようとする。
しかしながら、本実施の形態では、シール部材12はスペーサ19を介して上方から締付ナット15で締め付けられており、ラジアルリード穴8の内面には雌ねじを設けてないので、ラジアルリード穴8の断面が楕円状に変形しても応力が極度に集中する箇所は発生しない。このため、基礎技術の図2のように、ラジアルリード穴8に雌ねじ部8bが形成され、締付ボルト13でシール部材12を締め付けるものと比較して、回転曲げや捩り振動による疲労強度を、より改善でき、疲労強度の向上が期待できる。
以上のように、実施の形態1の回転電機のラジアルリードの固定構造によれば、回転子の回転軸に設けられたスリップリングと、回転軸の中心孔の内部に配置されて回転子コイルへ電流を供給するアキシャルリードとを接続すると共に、回転軸の内部の冷媒ガスの漏出を防止する機能を備えた回転電機のラジアルリードの固定構造において、ラジアルリードは、回転軸の中心孔からラジアル方向に貫通するラジアルリード穴に挿通され、一端側に形成された雄ねじがアキシャルリードに形成された雌ねじに螺合されて固定され、他端側がスリップリングに電気的に接続されており、ラジアルリード穴の段差部に装填されたシール部材が、スペーサを介し、ラジアルリードの他端側に螺合した締付ナットによって締め付けられて、中心孔側と外部側との気密を保つようにしたので、ラジアルリード穴にねじ部を有するものと比較して、回転曲げや捩り振動に対する疲労の弱点となるねじ部の凹凸断面がないため、応力集中の大きな部分がなくなり、回転曲げや捩り振動による疲労強度を改善して、疲労強度の向上を図ることができる。
また、シール部材は、管理された所定の締付力で締め付けられているので、シール部材の締め付け不足や締めすぎを防止でき、シール性能が優れた回転電機のラジアルリードの固定構造を提供できる。
また、締付力はシール部材の沈み込み量が2.7mm以上に管理されているので、ラジアルリード部のシール品質を良好に保つことができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2による回転電機のラジアルリード部の部分断面図であり、実施の形態1の図3に対応する部分である。図3と同等部分は同一符号で示して説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図3との相違部分は、シール部材12を締め付ける部分の構造である。以下、相違部分を図4により説明する。
ラジアルリード穴8の外部開口端近傍には、テーパ面8cが形成されている。テーパ面8cは、シール受け11とシール部材12が挿入される部分のラジアルリード穴8の内周面に連続し、外部開口端側に向けて円錐状に広がるように形成されている。そして、このテーパ面8cと同じテーパ角を有し、テーパ面8cに嵌合するリング状のテーパ部材20を備えている。テーパ部材20の内径は、絶縁筒10の外径より僅かに大きくしている。また、テーパ面8cとテーパ部材20との寸法関係は、テーパ部材20をテーパ面8cに完全に密着するまで押し込んだとき、シール部材12が所定の締付力を得られるように圧縮される寸法としている。
組立は、シール部材12を挿入するまでは先の図3と同じであり、シール部材12の上にテーパ部材20とスペーサ21を重ねて、スペーサ21の上方から締付ナット15をラジアルリード9のストレートねじ9bに螺合させて締め付けることで、シール部材12が所定の押圧力で締め付けられる。スリップリング接続リード18の取り付けは、図3の場合と同様である。
次に作用について説明する。
シール部材12は、テーパ部材20とスペーサ21を介して、ラジアルリード9に設けたストレートねじ9bに締付ナット15を締め付けることで、シール機能を確保している。シール機能を確実にするために、実施の形態1で説明したように、シール部材の締付力を管理するのが望ましいが、実施の形態1の図3のような、テーパ部材20が無い構造の場合では、締付ナット15を締め付ける際に、締付トルクを管理する等の作業が発生し、締付作業が繁雑となり手間が掛かる。これに対し、本実施の形態ではラジアルリード穴8にテーパ面8cを設けて上記のような寸法のテーパ部材20を介装したので、締付ナット15を締め付けるとき、特に締付トルクを気にすることなく、テーパ部材20の締代分いっぱいに締めるだけで、所定の締付力でシール部材12を締め付けることが可能である。
図4の構成において、ラジアルリード穴8には、実施の形態1と同様に、ねじ部を設けてないので、疲労強度の改善は期待できる。しかしながら、基礎技術の検証結果で分かったように、円柱状に形成されたラジアルリード穴8は、捩りによってその円形の断面が捩り方向に楕円状に変形しようとする。ところが、円環状のテーパ部材20が挿入されているため、細かく観察すればテーパ接触面で周方向に接触の強弱が生じている。そこで、これを更に改善したラジアルリード部の構成を次に説明する。
図5は、図4の変形例であり、図4と同一部分は同一符号で示している。相違点は、テーパ部材20の装填部位を回転軸1の軸心側にできるだけ移動させた点である。それ以外は図4と同じである。なお、スペーサ22は図4より長くなっている。
図4と同様に、ラジアルリード穴8側にねじ部を設けてないので、ねじ部による回転曲げや捩り振動に対する疲労強度の弱点はなく、更に、図4と比較すれば、テーパ部材20の装填部位を、回転軸1の軸心側に近づけているので、図4の構造と比較して、回転曲げや捩り振動の影響を受けにくい。
以上のように、実施の形態2の回転電機のラジアルリードの固定構造によれば、ラジアルリード穴のシール部材が装填される内周面に連続して、外部開口端側に向けて広がるテーパ面が形成され、テーパ面に嵌合するリング状のテーパ部材を有し、シール部材とスペーサとの間にテーパ部材が介装されているので、実施の形態1と同様に、ラジアルリード穴側に、回転曲げや捩り振動に対する疲労強度の弱点となるねじ部を設けていないため、ねじ部を有する場合に比較して疲労強度の向上を図ることができ、更に、テーパ部材を介装したことにより、締付ナットを締め付けるとき、特に締付トルクを気にすることなく、テーパ部材の締代分いっぱいに締めるだけで、所定の締付力でシール部材を締め付けることができるため、締付作業が簡単となる。
なお、実施の形態1,2の説明において、回転電機として同期発電機を例に挙げて説明したが、同様なラジアルリード部を有する回転電機全般に適用することができる。

Claims (4)

  1. 回転子の回転軸に設けられたスリップリングと、前記回転軸の中心孔の内部に配置されて回転子コイルへ電流を供給するアキシャルリードとを接続すると共に、前記回転軸の内部の冷媒ガスの漏出を防止する機能を備えた回転電機のラジアルリードの固定構造において、
    前記ラジアルリードは、前記回転軸の前記中心孔からラジアル方向に貫通するラジアルリード穴に挿通され、一端側に形成された雄ねじが前記アキシャルリードに形成された雌ねじに螺合されて固定され、他端側が前記スリップリングに電気的に接続されており、
    前記ラジアルリード穴の段差部に装填されたシール部材が、スペーサを介し、前記ラジアルリードの他端側に螺合した締付ナットによって締め付けられて、前記中心孔側と外部側との気密が保たれていることを特徴とする回転電機のラジアルリードの固定構造。
  2. 請求項1記載の回転電機のラジアルリードの固定構造において、
    前記シール部材は、管理された所定の締付力で締め付けられていることを特徴とする回転電機のラジアルリードの固定構造。
  3. 請求項2記載の回転電機のラジアルリードの固定構造において、
    前記締付力はシール部材の沈み込み量が2.7mm以上であることを特徴とする回転電機のラジアルリードの固定構造。
  4. 請求項1記載の回転電機のラジアルリードの固定構造において、
    前記ラジアルリード穴の前記シール部材が装填される内周面に連続して、外部開口端側に向けて広がるテーパ面が形成され、前記テーパ面に嵌合するリング状のテーパ部材を有し、前記シール部材と前記スペーサとの間に前記テーパ部材が介装されていることを特徴とする回転電機のラジアルリードの固定構造。
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