JP5576169B2 - 電気かみそり - Google Patents

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Description

本発明は、モーターの回転動力を往復動力に変換して内刃に伝動するための内刃駆動構造がかみそりヘッドに設けてある電気かみそりに関する。なかでも、モーターの回転動力を往復動力に変換するための動作変換機構が、左右に往復スライドする摺動ピースと、摺動ピースを往復駆動する偏心カムとで構成してある電気かみそりに関する。
内刃駆動構造において、モーターの回転動力を振動子で往復動力に変換することは周知である。振動子は、左右一対の弾性腕と、両弾性腕で支持される枠部と、枠部に設けられるカム溝などで構成してあり、カム溝および枠部が偏心カムで往復駆動されるときの上下方向の動作成分を両弾性腕で吸収する。
左右に往復スライドする摺動ピースと、摺動ピースを往復駆動する偏心カムとで動作変換機構を確動機構として構成することは、例えば特許文献1に開示されている。そこでは、摺動ピースを本体ケースに装着した摺動板で支持している。摺動ピースの下面には、摺動抵抗を軽減するための4個の鋼球が装填してある。摺動ピースは内刃を外刃に押し付けるばねを利用して摺動板に押し付けてある。特許文献2の動作変換機構においては、偏心カムを、カム本体と、カム本体を間にして平行に配置される一対の弾性腕とで構成し、弾性腕を摺動ピースのカム溝に係合している。
実公昭57−36131号公報(第2頁右欄19〜28行、第1図) 実公昭57−60787号公報(第2頁右欄36〜40行、第7図)
モーターの回転動力を振動子で往復動力に変換する周知の動作変換機構においては、左右一対の弾性腕と枠部とを往復動させるための空間をかみそりヘッドの内部に確保する必要があるため、かみそりヘッドが大形化しやすい。とくに、かみそりヘッドの上下寸法が大きくなるのを避けられない。また、確動機構として構成される動作変換機構に比べて、動作変換時の動力損が大きい。
その点、特許文献1の電気かみそりのように、摺動ピースを動作変換要素とする動作変換機構によれば、弾性腕を省く分だけ、動作変換機構が占める空間を小さくして、かみそりヘッドをある程度は小形化できる。また、摺動ピースを摺動板で鋼球を介して支持するので、摺動ピースの摺動抵抗を軽減できる。しかし、摺動ピースはばねで摺動板に押し付け付勢してあるものの、摺動板から浮き離れる向きに動いてがたつく余地があるため、動作変換に伴なう振動と騒音の発生を抑止できない。
特許文献2の電気かみそりでは、カム本体と一対の弾性腕とで偏心カムを構成し、偏心カムとカム溝との間の隙間のばらつきを弾性腕で吸収するので、往復ストロークの両端において偏心カムがカム溝に衝突して生じる騒音を軽減できる。反面、回転動力を弾性腕を介してカム溝に伝動するので、特許文献1の動作変換機構に比べて、動作変換に伴なう動力損が大きくなる点に難がある。
本発明の目的は、摺動ピースを変換要素とする内刃駆動構造の小形化とコンパクト化を実現してかみそりヘッドを小形化し、同時に動作変換に伴なう振動と騒音の発生を抑止し、さらに騒音の伝播を抑止して、運転騒音を減少できる電気かみそりを提供することにある。
本発明の目的は、摺動ピースと偏心カムによる動作変換時の動力損を低減して、効率よく内刃を駆動できる電気かみそりを提供することにある。
本発明に係る電気かみそりは、ヘッドフレーム9を有するかみそりヘッド1の内部に、モーター15の回転動力を往復動力に変換して内刃19bに伝動する内刃駆動構造が設けてある。内刃駆動構造は、モーター15で回転駆動される偏心カム35と、偏心カム35で往復駆動され、その往復駆動に伴って生じる往復動力を内刃19bに伝動する摺動ピース37と、摺動ピース37を上下に挟持した状態で左右方向へ往復スライド自在に案内する摺動構造とを含む。ヘッドフレーム9は、摺動ピース37をその上方で支持する摺動ベース部16を含む。上記摺動構造と摺動ベース部16との間に、摺動ピース37および摺動構造の構成部品間の隙間を吸収して、摺動ピース37のがたつきを防ぐ弾性体38を設ける。
図1に示すように、摺動構造は、摺動ピース37を上下に挟む押圧体47と摺動ガイド48とで構成する。弾性体は、摺動ガイド48とヘッドフレーム9との間に配置したシート状の弾性マット38からなる。
弾性マット38と、摺動ガイド48と、摺動ピース37は、ヘッドフレーム9に対して記載順に組み付ける。図7に示すように、弾性マット38は、シート状のマット部58と、マット部58に設けた複数のボス60を一体に備えている。図8に示すように、ヘッドフレーム9に設けたピン61にボス60を嵌合し、ボス60に摺動ガイド48を嵌合して、弾性マット38および摺動ガイド48をヘッドフレーム9と一体化する。摺動ピース37はヘッドフレーム9に固定した押圧体47で押さえ保持する。
摺動ガイド48と摺動ピース37との間に、互いに凹凸係合して摺動ピース37を左右方向へ往復スライド自在に案内するガイド構造を設ける。図6に示すように、ガイド構造は、摺動ガイド48と摺動ピース37のいずれか一方に設けた、スライド突起53と、他方に設けたスライド溝44とで構成する。
摺動ピース37と押圧体47との摺動面のいずれか一方に、摩擦減少構造を設ける。図5に示すように、摩擦減少構造は、摺動ピースと37押圧体47との摺動面のいずれか一方に設けた複数個の突起45で構成する。
内刃19aと押圧体47との間に、内刃駆動構造の外面を覆って騒音を遮蔽する遮蔽壁64を設ける(図5参照)。
水平軸まわりに回転駆動されるロータリー式のメイン刃18を備えている電気かみそりにおいては、メイン刃用の内刃駆動構造を次のように構成する。図1に示すように、モーター15の回転動力を前記ヘッドフレーム9の一側へ向かって横向きに伝動する前段ギヤ群20と、前段ギヤ群20の回転動力を内刃18aへ向かって縦向きに伝動する後段ギヤ群21とを含んで内刃駆動構造とする。メイン刃18と前段ギヤ群20との間に、弾性マット38と、摺動ガイド48と、摺動ピース37と、押圧プレート47とを配置する。
ヘッドフレーム9は、ベース体13と、ベース体13の上面に装着されるギヤカバー14とで構成する(図4参照)。ギヤカバー14の上面にヘッド枠11を組み付ける。ベース体13に組み付けた前段ギヤ群20の外面を、ギヤカバー14で覆う。さらに、ギヤカバー14の外面をヘッド枠11に設けた遮蔽壁64で覆う。
本発明の電気かみそりにおいては、偏心カム35と、偏心カム35で往復駆動される摺動ピース37と、摺動ピース37を上下に挟持した状態でスライド案内する摺動構造などで内刃駆動構造を構成した。このように、摺動ピース37を変換要素とする内刃駆動構造によれば、振動子を変換要素とする従来の内刃駆動構造に比べて、内刃駆動構造が占める空間量を小さくして、内刃駆動構造の小形化とコンパクト化を実現でき、かみそりヘッド1を小形化できる。また、摺動構造とヘッドフレーム9との間に設けた弾性体38で、摺動ピース37および摺動構造の構成部品間の隙間を吸収して、動作変換時に摺動ピース37が上下にがたつくのを防止するので、動作変換に伴なう振動と騒音の発生を抑止して電気かみそりの運転騒音を減少できる。
摺動ピース37を上下に挟む押圧体47と摺動ガイド48とで摺動構造を構成し、シート状の弾性マット38の弾性力で摺動ピース37を押圧体47に押し付けると、内刃駆動構造等で発生する振動や騒音を弾性マット38で吸収し減衰できる。したがって、往復動式の電気かみそりにおいて避けられない、動作変換に伴なう振動と騒音が外部に放射されることをよく防止できる。また、シート状の弾性マット38の弾性力で摺動ピース37を面状に押し付けるので、摺動ピース37を押圧体47に向かって常に均等に押し付けることができる。したがって、摺動ピース37をより安定した姿勢で円滑に往復スライドさせて動作変換時の動力損を低減でき、効率よく内刃19aを駆動できる。例えば、複数個の片持ち状の弾性アームで摺動ピースを押し付け付勢する場合に比べて、弾性マット38が占める空間量を小さくできるので、内刃駆動構造のコンパクト化と、動作変換時の振動や騒音の減衰とを同時に実現できる。
弾性マット38、摺動ガイド48、摺動ピース37をヘッドフレーム9に対して記載順に組み、さらに、ヘッドフレーム9に固定した押圧体47で摺動ピース37を押さえ保持すると、各部材37・38・47・48を隙間なく密着させることができる。したがって、摺動ピース37ががたつくのを確実に解消して、動作変換に伴なう振動と騒音の発生をさらに的確に抑止できる。ヘッドフレーム9に設けたピン61に弾性マット38のボス60を嵌合し、ボス60に摺動ガイド48を装着すると、マット部58で上下方向の振動を吸収し、ボス60で左右方向の振動を吸収できる。したがって、より簡単な構造の弾性マット38でありながら、内刃駆動構造で発生する振動を効果的に減衰できる。弾性マット38の取り付け構造を利用して摺動ガイド48をヘッドフレーム9に装着するので、摺動ガイド48の固定構造を省略して、内刃駆動構造の構造を簡素化できる利点もある。
摺動ガイド48と摺動ピース37との間に、互いに凹凸係合して摺動ピース37をスライド案内するガイド構造を設けると、ガイド構造において発生した騒音の伝播を弾性マット38で減衰できるので、電気かみそりの運転騒音をさらに減少して静粛性を向上できる。また、摺動ガイド48と摺動ピース37の間に設けた、スライド突起53とスライド溝44とでガイド構造を構成すると、より簡単な構造で摺動ピース37をスライド案内してガイド構造をコンパクト化でき、内刃駆動構造をさらに小形化できる。
摺動ピース37と押圧体47との摺動面のいずれか一方に摩擦減少構造を設けると、摺動ピース37が往復スライドするときの摺動摩擦を軽減して、摺動ピース37の駆動負荷を小さくでき、さらに効率よく内刃19aを駆動できる。また、摩擦減少構造を、摺動ピースと37押圧体47の摺動面のいずれか一方に設けた複数個の突起45で構成すると、摩擦減少のための構造がいたずらに複雑になるのを避けながら、摺動ピース37の摺動摩擦を的確に軽減できる。
内刃19aと押圧体47との間に、内刃駆動構造の外面を覆う遮蔽体64を設けると、内刃駆動構造で発生する摺動音や振動に伴なう騒音を遮蔽体64で遮蔽して、騒音が遮蔽体64の外へ放射されるのをよく防止できる。また、かみそりヘッド1の外郭体と、その内部に設けた遮蔽体64とが共同して騒音を遮断するので、騒音がかみそりヘッド1の外部に漏洩するのを効果的に低減して、電気かみそりの静粛性を向上できる。
水平軸まわりに回転駆動されるロータリー式のメイン刃18を備えている電気かみそりにおいては、前段ギヤ群20と後段ギヤ群21とを含んでメイン刃の内刃駆動構造を構成する。また、メイン刃18と前段ギヤ群20との間に、弾性マット38と、摺動ガイド48と、摺動ピース37と、押圧プレート47とを配置する。このように、メイン刃の内刃駆動構造とは別に、センター刃用あるいはトリマー刃用の内刃駆動構造を設けると、メイン刃の内刃18aと、メイン刃以外の内刃19bとを、1個のモーター15で同時に駆動することができる。電気かみそりを使用するときは、メイン刃の内刃駆動構造においてギヤ騒音が発生する。しかし、メイン刃用の内刃駆動構造の上外面側に、センター刃用あるいはトリマー刃用の内刃駆動構造を配置するので、先のギヤ騒音を、後者の内刃駆動構造の構成部品によって遮断することができ、ギヤ騒音がかみそりヘッド1の外部に漏れるのを防止できる。
前段ギヤ群20の外面をギヤカバー14で覆い、さらに、ギヤカバー14の外面をヘッド枠11に設けた遮蔽壁64で覆うと、ギヤ騒音の伝播経路をギヤカバー14と遮蔽壁64とで二重に遮断して、ギヤ騒音が外部へ漏れ出るのをさらに確実に防止できる。また、前段ギヤ群20の外面を多重に覆うことにより、ギヤカバー14および遮蔽壁64で覆われた空間を、共鳴しにくい小さな空間とすることができ、したがってギヤ騒音の共鳴による騒音レベルの増加を防止できる。
本発明に係る内刃駆動構造の概略を示す原理構造図である。 電気かみそりの正面図である。 かみそりヘッドの一部を分離し破断した分解断面図である。 ヘッドフレームおよびヘッド枠の分解断面図である。 かみそりヘッドの縦断側面図である。 内刃駆動構造を示す縦断正面図である。 内刃駆動構造の分解斜視図である。 図6におけるA−A線断面図である。 内刃駆動構造の別の実施例を示す縦断正面図である。 内刃駆動構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 摺動ピースの別の実施例を示す正面図である。
(実施例) 図1ないし図8は本発明をロータリー式の電気かみそりに適用した実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図5に示す交差矢印と、矢印の近傍に表示した前後、左右、上下の表記に従う。図2において電気かみそりは、かみそりヘッド1と、かみそりヘッド1を支持する本体部2と、本体部2の後面側に配置されるきわ剃りユニット(図示していない)などで構成する。本体部2の内部には、2次電池3・3と回路基板4などの電装品が収容してあり、本体部2の前面には、モーター15への通電状態を切り換えるスイッチボタン5と、複数の発光部で構成される発光表示部6が設けてある(図2参照)。
図3においてかみそりヘッド1は、ヘッドフレーム9と、ヘッドフレーム9の下面および上面に固定されるモーターホルダー10およびヘッド枠11と、ヘッド枠11に着脱される外刃ホルダー12などを外郭体にして構成してある。ヘッドフレーム9は、ベース体13と、ベース体13の上面に装着されるギヤカバー14とで構成する(図4参照)。モーターホルダー10の内部に、メイン刃18およびセンター刃19などを駆動するモーター15が配置してある。かみそりヘッド1の全体は、本体部2で前後、左右、上下の全方位方向へ浮動可能に支持してある。
図5に示すように、かみそりヘッド1の上部には、前後一対のメイン刃18と、センター刃19を配置し、これら両者の内刃18a・19aを、モーター15の動力でメイン刃用の内刃駆動構造と、センター刃用の内刃駆動構造を介して駆動できるようにしている。メイン刃用の内刃駆動構造においては、モーター15の回転動力を、前段ギヤ群20と後段ギヤ群21とを介してメイン刃18の内刃18aに伝動する(図1参照)。内刃18aは、丸軸状の刃ホルダーの周囲に小刃の一群を螺旋状に固定して構成してある。外刃18bは網刃で形成してあり、先の外刃ホルダー12に組み付けてある。
前段ギヤ群20は、モーター15の出力軸に固定される第1ギヤ24と、第1ギヤ24に噛み合う第2ギヤ25と、第2ギヤ25の回転動力を水平のギヤ軸28まわりの回転動力に変換する、一対のベベルギヤからなる第3ギヤ26および第4ギヤ27などで構成する。このように、前段ギヤ群20は、モーター15の回転動力をヘッドフレーム9の左側端へ向かって横向きに伝動しており、その上外面はギヤカバー14で覆われている(図6参照)。ギヤ軸28は、専用の軸受ユニット29で回転自在に軸支してある。
上記のように、前段ギヤ群20の周囲を、ベース体13と、ギヤカバー14と、軸受ユニット29とで囲うことにより、前段ギヤ群20で発生したギヤ騒音が外部へ漏れるのを防止できる。図1および図3に示すように、後段ギヤ群21は、ギヤ軸28とメイン刃18の内刃軸との間に設けられるギヤトレイン30で構成してあり、前段ギヤ群20の回転動力を内刃18aへ向かって縦向きに伝動する。
図3に示すように、前後一対のメイン刃18の内刃18aは、逆門形の内刃フレーム32で回転自在に支持してある。先のギヤトレイン30は、ギヤ軸28に固定した初段ギヤを除いて、内刃フレーム32の一側に設けたギヤ室33に配置してある。内刃フレーム32は、先のヘッド枠11の上面に着脱自在に装着される。
センター刃用の内刃駆動構造は、モーター15の回転動力を往復動力に変換して、センター刃19の内刃19aに伝動する。詳しくは、図1に示すように、モーター15の出力軸に固定される偏心カム35と、偏心カム35にカム溝36を介して連結される摺動ピース37と、摺動ピース37を左右スライド自在に案内する摺動構造と、弾性マット(弾性手段)38などでセンター刃用の内刃駆動構造を構成している。センター刃19の内刃19aは櫛歯状に形成してある。外刃19bはスリット刃状に形成してあり、外刃ホルダー12の前後中央に内刃19aと共に組み付けてある(図3参照)。内刃19aには、後述する駆動軸42と係合して、摺動ピース37の往復動力を受け継ぐ受動枠39が固定してある。内刃19aは、図示していない板ばねで外刃19bに常に押し付けられている。
図7において摺動ピース37は、四角板状の主壁41と、主壁41の上面に突設される駆動軸42と、主壁41の後部から連出されるきわ剃り刃用の駆動腕43とを一体に備えたプラスチック成形品からなる。主壁41の下面中央には、偏心カム35の偏心ピン35aと係合する前後方向に長いカム溝36が凹み形成してあり、カム溝36の左右には、左右方向に長いスライド溝44が凹み形成してある。主壁41の上面の四隅には、突起(摩擦減少構造)45が一体に形成してある。突起45は、押圧プレート47に接当して、摺動ピース37と押圧プレート47との間の摺動摩擦を軽減する。
摺動ピース37をスライド案内する摺動構造は、摺動ピース37を上下に挟む押圧プレート(押圧体)47と摺動ガイド48とからなる。摺動ピース37、弾性マット38、および押圧プレート47、摺動ガイド48などの動作変換部を配置するために、ギヤカバー14の上面に摺動ベース部16を設け、摺動ベース部16の左右両側に押圧プレート47用の取付部17・17を突設している。図7に向かって右側の取付部17は、前後に長い座壁を有し、その前後にビス49用の下穴50が形成してある。また、左側の取付部17は、第4ギヤ27の上面を覆うカバー壁の前後に分離配置してあり、前後の座壁のそれぞれにビス49用の下穴50が形成してある。
押圧プレート47はステンレス板材をU字状に打ち抜いて形成してあり、その板面の四隅を先の取付部17・17に載置した状態で、ビス49を下穴50にねじ込むことによりギヤカバー14に固定される。この固定状態において、押圧プレート47の前後の押圧腕56で突起45を受け止めて、摺動ピース37を摺動ガイド48と協同してスライド案内する。先に説明したように、ヘッドフレーム9は、ベース体13と、ベース体13の上面に装着されるギヤカバー14とで構成するので、摺動ベース部16および取付部17はヘッドフレーム9の上部に設けてあると言うことができる。
摺動ガイド48は、四角板状のプラスチック成形品からなり、板面の中央に偏心カム35用の逃げ穴51が上下貫通状に形成され、逃げ穴51の周囲4個所に連結穴52が形成してある。また、摺動ガイド48の上面には、先の逃げ穴51を間に挟んで左右一対のスライド突起53が形成され、さらに四隅部分には摺動ピース37の下面を支持する突起54が形成してある。スライド突起53は先のスライド溝44と係合して、摺動ピース37を左右スライドのみ可能に案内する。スライド溝44とスライド突起53とで、摺動ピース37をスライド案内するガイド構造を構成している。四隅に設けた突起54は、左右摺動する摺動ピース37を支持して、摺動ガイド48と摺動ピース37との間の摺動摩擦を軽減する。
摺動ガイド48とギヤカバー14(ヘッドフレーム9)の摺動ベース部16との間には、振動および騒音を吸収するためのシート状の弾性マット(弾性体)38を配置する。弾性マット38は、NBRに代表されるブタジエン系合成ゴムを素材とするゴム成形品からなり、シート状のマット部58の中央に、偏心カム35用の逃げ穴59が上下貫通状に形成され、逃げ穴59の周囲4個所にボス60が形成してある。弾性マット38のマット部58は、振動および騒音を吸収するのと同時に、摺動ピース37および摺動構造の構成部品間の隙間を吸収して摺動ピース37のがたつきを防ぐ弾性体として機能する。
センター刃用の内刃駆動構造を構成する各部品は、次のように組み立てる。まず、弾性マット38の各ボス60がギヤカバー14(ヘッドフレーム9)の摺動ベース部16に設けた4個のピン61に係合する状態で、マット部58を摺動ベース部16の上面に組み付ける。さらに、連結穴52が各ボス60に外嵌する状態で摺動ガイド48を弾性マット38に組み付けて、マット部58および摺動ガイド48をギヤカバー14(ヘッドフレーム9)と一体化する。つぎに、摺動ピース37のスライド溝44を、摺動ガイド48のスライド突起53に係合し、摺動ピース37の上面に設けた押圧プレート47を取付部17に締結することにより、摺動ピース37を押圧プレート47と摺動ガイド48とで上下に挟持する。
上記の組み付け状態において、摺動ピース37は左右スライド自在に案内されており、偏心ピン35aは摺動ピース37のカム溝36に連結されている。カム溝36の左右幅と偏心ピン35aの直径とは、両者35a・36の間に隙間が生じないように設定してある。したがって、摺動ピース37が左右スライドするときの、ストローク端における両者35a・36の衝突音の発生を抑止できる。
押圧プレート47と、弾性マット38を支持するギヤカバー14の摺動ベース部16との上下間隔H1(図5参照)は、摺動ピース37および摺動構造の構成部品の上下厚みの総和との関係で設定する。摺動ピース37および摺動構造の構成部品の上下厚みの総和とは、自由状態における弾性マット38のマット部58の厚みと、摺動ガイド48の突起54を含む厚みと、摺動ピース37の突起45を含む厚みの総和である。この上下厚みの総和をH2とするとき、先の上下間隔H1との関係は(H1≦H2)とする。
上記のように、摺動構造側の上下厚みの総和H2を、先の上下間隔H1と同じか、これより大きく設定すると、弾性マット38、摺動ガイド48、摺動ピース37、および押圧プレート47の、各部材間に隙間を生じる余地がない。したがって、摺動ピース37が往復スライドするとき上下にがたつくのを防止できる。因みに、(H1>H2)であると、弾性マット38、摺動ガイド48、摺動ピース37、および押圧プレート47の、各部材間のどこかに隙間が生じるので、往復スライドする際に、摺動ピース37が上下にがたつくのを防ぐことができない。また、(H1<H2)である場合には、上下間隔H1を越える寸法のばらつきを、マット部58で吸収して各部材を密着できるので、各部材を組み付けるときの上下間隔H1の管理を厳密に行なう必要がなく、がたつきを防ぎながら摺動ピース37を円滑に往復スライドできる。
ヘッド枠11は、内刃フレーム32および外刃ホルダー12を取り付けるための構造体であって、下向きに開口するキャップ状のプラスチック成形品からなる。図4に示すようにヘッド枠11の上面には、センター刃用の内刃駆動構造の上面を覆う遮蔽壁(遮蔽体)64が設けてあり、先の内刃フレーム32は遮蔽壁64に対して着脱可能に装着してある。遮蔽壁64の中央には、摺動ピース37の駆動軸42用の開口65が形成してあり、この開口65と駆動軸42との間の隙間はシール体66で封止してある(図5参照)。したがって、切断された毛屑が遮蔽壁64の内部に侵入することはなく、また、センター刃用の内刃駆動構造で発生した騒音が遮蔽壁64の外へ放射されるのを遮蔽壁64で遮断できる。図示していないが、遮蔽壁64の内部には、遮蔽壁64に取り付けた内刃フレーム32をロックするためのロック構造が設けてある。
以上のように構成した電気かみそりによれば、振動子を変換要素とする従来の内刃駆動構造に比べて、内刃駆動構造が占める空間量を小さくでき、内刃駆動構造の小形化とコンパクト化を実現してかみそりヘッド1を小形化できる。また、弾性マット38で、摺動ガイド48、摺動ピース37、および押圧プレート47の間の隙間を吸収して、往復スライドする摺動ピース37ががたつくのを確実に解消できる。したがって、摺動ピース37のがたつきに伴なう振動と騒音の発生を抑止でき、電気かみそりの運転騒音を減少できる。
ゴム製の弾性マット38で摺動ピース37を支持するので、内刃駆動構造等で発生する振動や騒音を弾性マット38で吸収し減衰でき、同時に振動や騒音の伝播を弾性マット38で遮断できる。また、摺動ピース37を押圧プレート47で押さえ保持するので、内刃駆動構造等で発生する振動を前後の押圧腕56で吸収し減衰でき、押圧プレート47を経由する振動の伝播を遮断できる。換言すると、摺動ピース37より上側の振動は、押圧プレート47と取付部17とで減衰でき、摺動ピース37より下側の振動は、弾性マット38で減衰できるように、各部品が効果的に配置してある。したがって、往復動式の電気かみそりにおいて避けられない、動作変換に伴なう振動と騒音が外部に漏れるのをよく防止できる。また、シート状の弾性マット38で摺動ピース37を支持するので、摺動ピース37をより安定した姿勢で円滑に往復スライドさせて動作変換時の動力損を低減できる。
図9は、本発明の内刃駆動構造をレシプロ式の電気かみそりに適用した実施例を示す。そこでは、メイン刃18を、スリット刃からなる内刃71と網刃からなる外刃72とで構成し、内刃71を先の実施例で説明した内刃駆動構造を介して駆動できるようにした。この実施例においては、先の実施例におけるヘッド枠11、ギヤカバー14、前段ギヤ群20、および後段ギヤ群21などを省略するので、ベース体13がヘッドフレーム9として機能する。これに伴ない、内刃駆動構造を構成する弾性マット38、摺動ガイド48、摺動ピース37は、ベース体13の上面に設けた摺動ベース部16に組み付けられて、取付部17の座壁に締結した押圧プレート47で抑え保持される。また、内刃駆動構造の上外面を、独立部品として構成した遮蔽体64で覆って、騒音が遮蔽体64の外へ放射されるのを遮断できるようにした。
内刃71はプラスチック成形品からなる内刃枠76に固定してあり、内刃枠76の中央下部には駆動軸42に連結される丸軸状の受動部77が設けてある。摺動ピース37の駆動軸42の上部には、受動部77に係合する弾性腕78が一体に形成してある。符号79は、内刃71を外刃72に押し付けるばねであり、圧縮コイルばねで構成してある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図10は、図9と同様に本発明の内刃駆動構造をレシプロ式の電気かみそりに適用した実施例であるが、偏心カム35による摺動ピース37の駆動構造が異なっている。偏心カム35は、モーター15の出力軸から偏心する位置に配置されて、軸受81で回転のみ自在に軸支されており、フレキシブル軸82を介して回転駆動される。偏心カム35と摺動ピース37の下面に設けた駆動ピン83とは、連動アーム84を介して連結してある。連動アーム84の両端にはそれぞれボス85が設けてあり、一方のボス85は偏心カム35の偏心ピン35aに連結され、他方のボス85は駆動ピン83に連結してある。このように、偏心カム35と摺動ピース37とを連動アーム84を介して連結すると、偏心ピン35aの偏心回転動作のうち左右スライド成分のみを摺動ピース37に伝動して、摺動ピース37をスライド駆動できる。モーター15は本体部2に設けてある。
上記のように、モーター15の回転動力をフレキシブル軸82を介して偏心カムに伝動すると、かみそりヘッド1を本体部2で前後、左右、上下の全方位方向へ浮動可能に支持することができる。ベース体13と本体部1との間には、かみそりヘッド1を中立位置へ戻す複数の浮動ばね87が配置され、その周囲全体がシール体88で封止してある。この実施例では、押圧体47をハット形に形成して、その下壁をベース体13の摺動ベース部16に締結して、その上部に設けた前後の押圧腕56で摺動ピース37を押圧した。
図11は摺動ピース37の別の実施例を示す。そこでは、弾性マットに換えて弾性アーム(弾性体)38で摺動ピース37を押し付け付勢した。弾性アーム38は、主壁41の四隅から片持ち梁状に連出して形成してあり、その連出端に設けた摺動片88がギヤカバー14の上壁に接当した状態で、摺動ピース37の全体を押し上げ付勢する。スライド溝44と係合するスライド突起53はギヤカバー14に設けておく。
上記の実施例では、突起45を摺動ピース37に設けたが、突起45は押圧プレート47の側に設けることができる。また、スライド溝44を摺動ガイド48に設け、スライド突起53を摺動ピース37に設けることができる。弾性マット38は、予め摺動ガイド48に接着しておくことができる。ボス60をギヤカバー14に設けた嵌合穴に係合し、摺動ガイド48の下面に設けたピンをボス60のボス穴に係合して、弾性マット38および摺動ガイド48をギヤカバー14と一体化することができる。
1 かみそりヘッド
9 ヘッドフレーム
14 ギヤカバー
15 モーター
19a 内刃
20 前段ギヤ群
21 後段ギヤ群
35 偏心カム
37 摺動ピース
38 弾性体(弾性マット)
42 駆動軸
44 スライド溝
45 突起
47 押圧体(押圧プレート)
48 摺動ガイド
53 スライド突起
58 マット部
64 遮蔽壁

Claims (3)

  1. ヘッドフレーム(9)を有するかみそりヘッド(1)の内部に、モーター(15)の回転動力を往復動力に変換して内刃(19b)に伝動する内刃駆動構造が設けられており、
    内刃駆動構造は、モーター(15)で回転駆動される偏心カム(35)と、偏心カム(35)で往復駆動され、その往復駆動に伴って生じる往復動力を内刃(19b)に伝動する摺動ピース(37)と、摺動ピース(37)を上下に挟持した状態で左右方向へ往復スライド自在に案内する摺動構造とを含み、
    ヘッドフレーム(9)は、摺動ピース(37)をその上方で支持する摺動ベース部(16)を含み、
    上記摺動構造と摺動ベース部(16)との間に、摺動ピース(37)および摺動構造の構成部品間の隙間を吸収して、摺動ピース(37)のがたつきを防ぐ弾性体(38)が設けてある電気かみそり。
  2. 摺動構造が、摺動ピース(37)を上下に挟む押圧体(47)と摺動ガイド(48)とで構成してあり、
    弾性体が、摺動ガイド(48)とヘッドフレーム(9)との間に配置したシート状の弾性マット(38)からなる請求項1に記載の電気かみそり。
  3. 弾性マット(38)と、摺動ガイド(48)と、摺動ピース(37)と、押圧体(47)とが、ヘッドフレーム(9)に対して記載順に組み付けられており、
    弾性マット(38)は、シート状のマット部(58)と、マット部(58)に設けた複数のボス(60)を一体に備えており、
    ヘッドフレーム(9)に設けたピン(61)にボス(60)を嵌合し、前記ボス(60)に摺動ガイド(48)を装着して、弾性マット(38)および摺動ガイド(48)がヘッドフレーム(9)と一体化されており、
    摺動ピース(37)がヘッドフレーム(9)に固定した押圧体(47)で押さえ保持してある請求項2に記載の電気かみそり。
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