JP5577110B2 - 光学素子成形用型、並びに光学素子、及び該光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、母材とa−C:H:Si膜との密着性を高めるためには、膜の厚みが薄いことが好ましい。しかし、緩衝作用や潤滑作用を期待する膜の場合、膜の厚みを薄くしてしまうと、それらの作用を弱めることとなってしまうため、膜の厚みを薄くすることはできず、十分な密着性が得られないという問題がある。
したがって、耐久性、及び離型性に優れ、かつ、光学素子成形用型の基材と表面層との密着性にも優れる光学素子成形用型の速やかな開発が求められているのが現状である。
これは、表面層の厚みを薄くすることにより、基材と表面層との密着性を高めることができ、更に、SiがCの酸化を抑制し、Cが酸化により気化して消失することを防ぐことにより、離型性と耐久性を向上することができるためと考えられる。
<1> 基材と、表面層とを有し、
前記表面層が、Siを含有するダイヤモンド状炭素を含み、
前記表面層におけるSiの含有量が、SiとCとの比(Si/C)として、0.01〜0.05であり、
前記表面層の厚みが、2nm以上50nm未満であることを特徴とする光学素子成形用型である。
<2> 表面層の摩擦係数が、0.01〜0.08である前記<1>に記載の光学素子成形用型である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形することを特徴とする光学素子の製造方法である。
前記光学素子の製造方法では、光学素子材料との反応性が低い光学素子成形用型を用いるので、光学素子材料の光学素子成形用型への融着を抑制することができ、また、得られる光学素子への転写を抑制することができるので、光学素子の不良を抑制することができる。
<4> 光学素子材料が、Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有する前記<3>に記載の光学素子の製造方法である。
<5> 前記<3>から<4>のいずれかに記載の光学素子の製造方法により製造されることを特徴とする光学素子である。
本発明の光学用成形型は、少なくとも基材と表面層とを有し、必要に応じてその他の構成を有してなる。
前記基材の材質、形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、例えば、超硬合金(炭化タングステン(WC)、炭化タングステン−コバルト(WC−Co)合金など)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ホウ素含有窒化珪素、サーメット、ジルコニア(ZrO2)、シリコンナイトライド(Si3N4)、チタンカーバイド(TiC)、金属の混合材料、13Crマルテンサイト鋼、シリコン(Si)、酸化チタン(TiO2)、ステンレス鋼、などが挙げられる。
これらの中でも、超硬合金、シリコンカーバイドが、密着性、及び加工性に優れる点で、有利である。
前記基材の形状、大きさとしては、目的とする光学素子の形状、大きさに応じて適宜選択することができる。
前記鏡面研磨、洗浄などの前処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
また、更に、逆スパッタ、イオン照射などにより、前記基材をクリーニングしてもよい。
前記表面層は、Siを含有するダイヤモンド状炭素を含む。
前記ダイヤモンド状炭素(Diamond−Like Carbon;以下「DLC」と称することがある。)とは、ダイヤモンド状構造と、グラファイト状構造とを有するものをいう。
前記ダイヤモンド状炭素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化アモルファス炭素、i−カーボン、硬質炭素などが挙げられる。
前記表面層におけるSiの含有量としては、SiとCの比(Si/C)として、0.01〜0.05であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜0.047が好ましく、0.01〜0.045がより好ましく、0.01〜0.04が特に好ましい。前記表面層におけるSiの含有量が、SiとCの比(Si/C)として、0.01未満であると、Siを添加することによる低反応性・低摩擦化の効果が薄く、0.05を超えると、膜再生のための酸素アッシングによる剥離工程で著しく生産性が悪化する。一方、前記表面層におけるSiの含有量が前記特に好ましい範囲内であると、低反応性・低摩擦化の効果があり、表面酸化も抑制される点で、有利である。
前記表面層の厚みとしては、2nm以上50nm未満であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2nm〜49nmが好ましく、2nm〜45nmがより好ましく、3nm〜40nmが更に好ましく、5nm〜35nmが特に好ましい。前記表面層の厚みが、2nm未満であると、全面均一に膜形成されないことがあり、50nm以上であると、膜再生のための酸素アッシングによる剥離工程で著しく生産性が悪化する。一方、前記表面層の厚みが前記特に好ましい範囲内であると、全面で膜形成され、密着力が強い点で、有利である。
前記表面層の厚みは、例えば、エリプソメトリ法により、測定することができる。
前記表面層の硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5GPa〜25GPaが好ましく、5GPa〜20GPaがより好ましく、10GPa〜20GPaが特に好ましい。前記表面層の強度が、5GPa未満であると、膜が摩耗することがあり、25GPaを超えると、膜の剥離耐久性が不十分になることがある。一方、前記表面層の強度が前記特に好ましい範囲内であると、耐摩耗性・密着耐久性の点で、有利である。
前記表面層の硬度は、例えば、ナノインデンターにより、測定することができる。
前記表面層の摩擦係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜0.08が好ましく、0.02〜0.07がより好ましく、0.04〜0.06が特に好ましい。前記表面層の摩擦係数が、0.01未満であると、金型の成形面がレンズに均一に転写できないことがあり、0.08を超えると、使用頻度につれてカンが発生することがある。一方、前記表面層の摩擦係数が前記特に好ましい範囲内であると、レンズ形状の安定・カンの抑制の点で、有利である。
前記表面層の摩擦係数は、例えば、ボールオンディスク装置を用いてSUS製ボールを、荷重100gf、1mm/secで10mm直線運動させることにより、測定することができる。
前記表面層の表面エネルギーは、例えば、水とヨードメタンの接触角から算出することができる。
前記高周波の出力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0kW〜5.0kWが好ましく、1.5kW〜4.0kWがより好ましく、1.8kW〜3.0kWが特に好ましい。前記高周波の出力が、1.0kW未満であると、使用頻度につれて膜が剥離することがあり、5.0kWを超えると、成膜中に金型が高温になり膜の硬度が低下することがある。一方、前記高周波の出力が前記特に好ましい範囲内であると、表面層の硬度が優れる点で、好ましい。
前記その他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層が挙げられる。
前記中間層は、前記基材と、表面層との間に形成される。
前記中間層を形成することにより、前記基材の変形を防ぐことができる。
前記中間層の材質、厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記材質としては、例えば、TiN、TaN、ZrN、HfN、AlN、TiC、TaC、ZrC、HfC、TiAlN、TiCN、TaCN、ZrCN、HfCN、SiC、SiN、ダイヤモンドなどが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、例えば、2μmなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどが挙げられる。
本発明の光学素子は、本発明の光学素子の製造方法により製造される。
本発明の光学素子の製造方法は、本発明の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形する。
前記光学素子材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiO2を含有するガラス、Nb2O5を含有するガラス、WO3を含有するガラス、Bi2O3を含有するガラスなどが挙げられる。前記Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有するガラスは、反応性が高いが、本発明の光学素子成形用型を用いることにより、不良の少ない光学素子を製造することができる。
前記光学素子材料を成形する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレス成形、射出成形などが挙げられる。
前記プレス成形では、前記光学素子成形用型上で前記光学素子材料の塊状物を加熱してプレスしてもよいし、予め加熱した光学素子材料の塊状物をプレスしてもよい。
前記加熱の温度、プレスの荷重、プレスの時間としては、特に制限はなく、光学素子材料に応じて適宜選択することができる。
前記光学素子の形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光学素子としては、例えば、レンズ、プリズムなどが挙げられる。
<光学素子成形用型1の製造>
光学素子成形用型の基材として、超硬合金(WC−Co)を用いた。
前記光学素子成形用型の上型基材は、平らな表面を有するものを用いた。
前記光学素子成形用型の下型基材は、凹形状の表面を有するものを用いた。
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、下記の条件のプラズマCVDにより、厚み10nmのSiを含有するダイヤモンド状炭素の表面層を形成した。前記表面層におけるSiの含有量は、SiとCとの比(Si/C)として、Si/C=0.01となるように、メタン(CH4)ガス流量(5sccm〜200sccm)と、テトラメチルシラン(TMS)ガス流量(0.1sccm〜5sccm)とで調整した。
プラズマCVDの条件:
高周波電源・・・13.56MHz
高周波出力・・・2kW
ガス圧力・・・4Pa
メタン(CH4)ガス流量・・・5sccm〜200sccmで調整した。
テトラメチルシラン(TMS)ガス流量・・・0.1sccm〜5sccmで調整した。
図1に、プラズマCVDの模式図を示す。図1中、符号1はガスを示し、符号2、及び4は高周波電極を示し、符号3は基材を示し、符号5はマッチングボックスを示し、符号6は高周波電源を示す。
−摩擦係数の測定方法−
ボールオンディスク装置を用いてSUS製ボールを、荷重100gf、1mm/secで10mm直線運動させ、摩擦係数を測定した。
<光学素子成形用型2の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、下記の条件のプラズマCVDにより、厚み10nmのSiを含有するダイヤモンド状炭素の表面層を形成した。前記表面層におけるSiの含有量は、SiとCとの比(Si/C)として、Si/C=0.05となるように、メタン(CH4)ガス流量(5sccm〜200sccm)と、テトラメチルシラン(TMS)ガス流量(0.1sccm〜5sccm)とで調整した。
プラズマCVDの条件:
高周波電源・・・13.56MHz
高周波出力・・・2kW
ガス圧力・・・4Pa
メタン(CH4)ガス流量・・・5sccm〜200sccmで調整した。
テトラメチルシラン(TMS)ガス流量・・・0.1sccm〜5sccmで調整した。
<光学素子成形用型3の製造>
実施例1−1において、プラズマCVDにおける高周波出力を2kWとしていた点を、1.5kWに変更した以外は、実施例1−1と同様にして光学素子成形用型3を製造した。
実施例1−1と同様にして、ラマン分光測定により分析した結果、前記光学素子成形用型3の表面層には、ダイヤモンド状炭素が形成されていた。
前記表面層におけるSi、及びCの含有量を実施例1−1と同様にしてXPS分析により確認したところ、Si/C=0.01であった。
前記表面層の摩擦係数を実施例1−1と同様にして測定したところ、0.08であった。
前記表面層の表面エネルギーを実施例1−1と同様にして測定したところ、41mJ/m2であった。
<光学素子成形用型4の製造>
実施例1−2において、プラズマCVDにおける高周波出力を2kWとしていた点を、1.5kWに変更した以外は、実施例1−2と同様にして光学素子成形用型4を製造した。
実施例1−1と同様にして、ラマン分光測定により分析した結果、前記光学素子成形用型4の表面層には、ダイヤモンド状炭素が形成されていた。
前記表面層におけるSi、及びCの含有量を実施例1−1と同様にしてXPS分析により確認したところ、Si/C=0.05であった。
前記表面層の摩擦係数を実施例1−1と同様にして測定したところ、0.07であった。
前記表面層の表面エネルギーを実施例1−1と同様にして測定したところ、42mJ/m2であった。
<光学素子成形用型5の製造>
実施例1−1において、表面層の厚みを10nmとしていた点を、成膜時間を調整して、30nmに変更した以外は、実施例1−1と同様にして光学素子成形用型5を製造した。
実施例1−1と同様にして、ラマン分光測定により分析した結果、前記光学素子成形用型5の表面層には、ダイヤモンド状炭素が形成されていた。
前記表面層におけるSi、及びCの含有量を実施例1−1と同様にしてXPS分析により確認したところ、Si/C=0.01であった。
前記表面層の摩擦係数を実施例1−1と同様にして測定したところ、0.06であった。
前記表面層の表面エネルギーを実施例1−1と同様にして測定したところ、42mJ/m2であった。
<光学素子成形用型6の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、下記の条件のプラズマCVDにより、厚み10nmのSiを含有するダイヤモンド状炭素の表面層を形成した。前記表面層におけるSiの含有量は、SiとCとの比(Si/C)として、Si/C=0.03となるように、メタン(CH4)ガス流量(5sccm〜200sccm)と、テトラメチルシラン(TMS)ガス流量(0.1sccm〜5sccm)とで調整した。
プラズマCVDの条件:
高周波電源・・・13.56MHz
高周波出力・・・2kW
ガス圧力・・・4Pa
メタン(CH4)ガス流量・・・5sccm〜200sccmで調整した。
テトラメチルシラン(TMS)ガス流量・・・0.1sccm〜5sccmで調整した。
<光学素子成形用型7の製造>
実施例1−1において、表面層の厚みを10nmとしていた点を、成膜時間を調整して、2nmに変更した以外は、実施例1−1と同様にして光学素子成形用型7を製造した。
実施例1−1と同様にして、ラマン分光測定により分析した結果、前記光学素子成形用型7の表面層には、ダイヤモンド状炭素が形成されていた。
前記表面層におけるSi、及びCの含有量を実施例1−1と同様にしてXPS分析により確認したところ、Si/C=0.01であった。
前記表面層の摩擦係数を実施例1−1と同様にして測定したところ、0.06であった。
前記表面層の表面エネルギーを実施例1−1と同様にして測定したところ、42mJ/m2であった。
<光学素子成形用型8の製造>
実施例1−1において、表面層の厚みを10nmとしていた点を、成膜時間を調整して、45nmに変更した以外は、実施例1−1と同様にして光学素子成形用型8を製造した。
実施例1−1と同様にして、ラマン分光測定により分析した結果、前記光学素子成形用型8の表面層には、ダイヤモンド状炭素が形成されていた。
前記表面層におけるSi、及びCの含有量を実施例1−1と同様にしてXPS分析により求めたところ、Si/C=0.01であった。
前記表面層の摩擦係数を実施例1−1と同様にして測定したところ、0.06であった。
前記表面層の表面エネルギーを実施例1−1と同様にして測定したところ、42mJ/m2であった。
<光学素子成形用型9の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、下記の条件のプラズマCVDにより、厚み10nmのSiを含有しないダイヤモンド状炭素の表面層を形成した。
プラズマCVDの条件:
高周波電源・・・13.56MHz
高周波出力・・・2kW
ガス圧力・・・4Pa
メタン(CH4)ガス流量・・・5sccm〜200sccmで調整した。
<光学素子成形用型10の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、下記の条件のプラズマCVDにより、厚み10nmのSiを含有するダイヤモンド状炭素の表面層を形成した。前記表面層におけるSiの含有量は、SiとCとの比(Si/C)として、Si/C=0.008となるように、メタン(CH4)ガス流量(5sccm〜200sccm)と、テトラメチルシラン(TMS)ガス流量(0.1sccm〜5sccm)とで調整した。
プラズマCVDの条件:
高周波電源・・・13.56MHz
高周波出力・・・2kW
ガス圧力・・・4Pa
メタン(CH4)ガス流量・・・5sccm〜200sccmで調整した。
テトラメチルシラン(TMS)ガス流量・・・0.1sccm〜5sccmで調整した。
また、プラズマCVDにおける高周波出力が2kWである実施例1−1、1−2、及び1−5〜1−8の光学素子成形用型の表面層の摩擦係数は、高周波出力を1.5kWとした実施例1−3、及び実施例1−4の光学素子成形用型の表面層の摩擦係数よりも低いことがわかった。
<光学素子成形用型1を用いた光学素子の製造−1>
光学素子材料として、下記表1の組成のガラス1を用い、光学素子成形用型として光学素子成形用型1を用い、前記光学素子材料を580℃まで加熱し、荷重50kgfでプレス成形を行い、直径4mm、厚み1.5mm、凸形状の光学レンズの作製を100ショット行った。
図3、4は、プレス成形の概略説明図である。図3は、プレス成形前の説明図であり、図4は、プレス成形時の説明図である。図3、4中、符号11は基材(上型)を示し、符号12は表面層を示し、符号13は光学素子材料を示し、符号14は基材(下型)を示す。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型1は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型2を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型2に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型2は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型5を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、ガラス1を用いていた点を、下記表2の組成のガラス2に代え、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型5に代え、加熱温度を580℃としていた点を、570℃に変えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型5は、光学素子材料として反応性が高い材料を用い、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型1を用いた光学素子の製造−2>
実施例2−1において、ガラス1を用いていた点を、下記表3の組成のガラス3に代え、加熱温度を580℃としていた点を、560℃に変えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型1は、光学素子材料として反応性が低い材料を用い、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型3を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型3に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
そのため、前記光学素子成形用型3は、100ショットを超えても光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型3を用いた光学素子の製造−2>
実施例2−3において、光学素子成形用型5を用いていた点を、光学素子成形用型3に代えた以外は、実施例2−3と同様にして光学素子の製造を行った。
そのため、前記光学素子成形用型3は、100ショットを超えても光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型3を用いた光学素子の製造−3>
実施例2−4において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型3に代えた以外は、実施例2−4と同様にして光学素子の製造を行った。
そのため、前記光学素子成形用型3は、100ショットを超えても光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型4を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型4に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
そのため、前記光学素子成形用型4は、100ショットを超えても光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型6を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型6に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型6は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型7を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型7に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型7は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型8を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型8に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型8は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることがわかった。
<光学素子成形用型9を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型9に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
<光学素子成形用型9を用いた光学素子の製造−2>
実施例2−3において、光学素子成形用型5を用いていた点を、光学素子成形用型9に代えた以外は、実施例2−3と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、20ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
<光学素子成形用型9を用いた光学素子の製造−3>
実施例2−4において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型9に代えた以外は、実施例2−4と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、40ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
<光学素子成形用型10を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を用いていた点を、光学素子成形用型10に代えた以外は、実施例2−1と同様にして光学素子の製造を行った。
また、光学レンズの成形において、50ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
また、「カン」の欄中、「○」は、「100ショット成形時にクラックが発生しなかった。」ことを示し、「×」は、「100ショット成形時にクラックが発生した。」ことを示し、かっこ内の数字は、クラックが発生した時のショット数を示す。なお、「100↑」は、「100ショット成形時にクラックが発生しなかった」ことを示す。
また、表面層が、Siを含有するダイヤモンド状炭素を含み、前記表面層におけるSiの含有量が、SiとCとの比(Si/C)として、0.01〜0.05であり、前記表面層の厚みが、2nm以上50nm未満である光学素子成形用型1〜8は、光学素子成形用型の基材と表面層との密着性に優れ、かつ、離型性と耐久性に優れることがわかった。
これは、表面層の厚みを薄くすることにより、基材と表面層との密着性を高めることができ、更に、SiがCの酸化を抑制し、Cが酸化により気化して消失することを防ぐことにより、離型性と耐久性を向上することができるためと考えられる。
2 高周波電極
3 基材
4 高周波電極
5 マッチングボックス
6 高周波電源
11 基材(上型)
12 表面層
13 光学素子材料
14 基材(下型)
Claims (5)
- 基材と、表面層とを有し、
前記表面層が、Siを含有するダイヤモンド状炭素を含み、
前記表面層におけるSiの含有量が、SiとCとの比(Si/C)として、0.01〜0.05であり、
前記表面層の厚みが、2nm以上10nm以下であることを特徴とする光学素子成形用型。 - 表面層の摩擦係数が、0.01〜0.08である請求項1に記載の光学素子成形用型。
- 請求項1から2のいずれかに記載の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 光学素子材料が、Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有する請求項3に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項3から4のいずれかに記載の光学素子の製造方法により製造されることを特徴とする光学素子。
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