以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る表示体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体の一部を拡大して示す平面図である。図1及び図2では、表示体100の主面に平行であり且つ互いに直交する軸をX軸及びY軸とし、表示体100の主面に垂直な軸をZ軸としている。
図1に示す表示体100は、図2に示す通り、複数の画素PEを含んでいる。図2に示す例では、これら画素PEは、X軸及びY軸に沿って矩形格子状に配列している。
図3は、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の一例を示す平面図である。図4は、図3に示す画素のIV−IV線に沿った断面図である。
図3に示すように、画素PEは、赤色表示用画素PERと、緑色表示用画素PEGと、青色表示用画素PEBとを備えている。これら画素PER、PEG及びPEBは、典型的には、面積が互いに等しい。
赤色表示用画素PERは、第1サブ領域SR1と、第2領域R2とを備えている。なお、この第1サブ領域SR1は、表示体100の主面の法線と交差する斜め方向から観察する条件(以下、単に斜め方向から観察する条件と表記)において、赤色を表示するように構成されている。即ち、第1サブ領域SR1は、斜め方向から観察する条件において、赤色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
緑色表示用画素PEGは、第2サブ領域SR2と、第2領域R2とを備えている。なお、この第2サブ領域SR2は、斜め方向から観察する条件において、緑色を表示するように構成されている。即ち、第2サブ領域SR2は、斜め方向から観察する条件において、緑色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
青色表示用画素PEBは、第3サブ領域SR3と、第2領域R2とを備えている。なお、この第3サブ領域SR3は、斜め方向から観察する条件において、青色を表示するように構成されている。即ち、第3サブ領域SR3は、斜め方向から観察する条件において、青色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
なお、以下の説明においては、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3を含む領域を便宜的に第1領域と称する。
図4に示すように、画素PEは、レリーフ構造形成層110と、第1層120´と、第2層130´とを備えている。
レリーフ構造形成層110の一方の主面には、レリーフ構造が設けられている。第1層120´は、レリーフ構造形成層110の先の主面を部分的に被覆している。第2層130´は、第1層120´を被覆している。なお、この画素PEの構造等については、後で詳しく説明する。
次に、図5乃至図8を参照しながら、表示体100(を構成している画素PE)の製造方法について説明する。
図5乃至図8は、表示体100の製造方法を概略的に示す断面図である。この方法では、まず、図5に示すように、互いに隣接した第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3)及び第2領域R2を含んだ主面を有したレリーフ構造形成層110を準備する。
第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3は、凹構造及び/又は凸構造が設けられている。凹構造及び凸構造は、それぞれ、複数の凹部及び複数の凸部からなる。これら凹部又は凸部は、例えばストライプ状に配置されている。これら凹部又は凸部は、典型的には、白色光で照明したときに回折光を射出する回折格子又はホログラムを形成している。
これら複数の凹部又は凸部の長さ方向に垂直な断面の形状は、例えば、V字形状及びU字形状等の先細り形状とするか又は矩形状とする。図5には、一例として、上記の断面形状がV字形状である場合を描いている。
第1サブ領域SR1に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、860nm乃至880nmの範囲内とする。第2サブ領域SR2に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、755nm乃至775nmの範囲内とする。第3サブ領域SR3に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、735nm乃至755nmの範囲内とする。
また、これら複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、例えば0.5以下とし、典型的には0.05乃至0.3の範囲内とする。
なお、ここで「中心間距離」とは、隣り合った凹部間の距離、又は、隣り合った凸部間の距離を意味している。
第2領域R2は、凹構造及び/又は凸構造が設けられている。これら凹構造及び凸構造は、それぞれ、複数の凹部及び複数の凸部からなる。これら複数の凹部又は凸部は、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えている。
第2領域R2は、第1領域R1と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。なお、領域の「見かけ上の面積」とは、当該領域に平行な平面への当該領域の正射影の面積、即ち、凹構造及び凸構造を無視した当該領域の面積を意味することとする。また、領域の「表面積」とは、凹構造及び凸構造を考慮した当該領域の面積を意味することとする。
第2領域R2の複数の凹部又は凸部は、典型的には、第1領域の複数の凹部又は凸部と比較して、凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値がより大きい。図5に示す例では、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部と比較して、中心間距離に対する深さ又は高さの比がより大きい。
第2領域R2に設ける凹部又は凸部の中心間距離は、100nm乃至500nmの範囲内とする。
また、第2領域R2に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、第1領域に設けられる複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値と比較してより大きくする。第2領域R2に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、例えば0.8乃至2.0の範囲内とし、典型的には0.8乃至1.2の範囲内とする。この値が過度に大きいと、レリーフ構造形成層110の生産性が低下する場合がある。
レリーフ構造形成層110は、例えば、微細な凸部を設けた金型を樹脂に押し付けることにより形成することができる。この際、これら凸部の形状は、第1領域及び第2領域R2の双方に設ける凹部の形状に対応した形状とする。
レリーフ構造形成層110は、例えば、基材上に熱可塑性樹脂を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を、熱を印加しながら押し当てる方法により形成する。この場合、上記の熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用する。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に熱硬化性樹脂層を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を押し当てながら熱を印加し、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。この場合、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用する。なお、このウレタン樹脂は、例えば、反応性水酸基を有したアクリルポリオール及びポリエステルポリオール等に、架橋剤としてポリイソシアネートを添加して、これらを架橋させることにより得られる。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に放射線硬化樹脂を塗布し、これに原版を押し当てながら紫外線等の放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。或いは、レリーフ構造形成層110は、基材と原版との間に上記組成物を流し込み、放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。
放射線硬化樹脂は、典型的には、重合性化合物と開始剤とを含んでいる。
重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合が可能な化合物を使用する。光ラジカル重合が可能な化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合又はエチレン性不飽和基を有したモノマー、オリゴマー又はポリマーを使用する。或いは、光ラジカル重合が可能な化合物として、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等のオリゴマー、又は、ウレタン変性アクリル樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂等のポリマーを使用してもよい。
重合性化合物として光ラジカル重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を使用する。この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノン及びメチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、又は、ミヒラーズケトンを使用する。
或いは、重合化合物として、光カチオン重合が可能な化合物を使用してもよい。光カチオン重合が可能な化合物としては、例えば、エポキシ基を備えたモノマー、オリゴマー若しくはポリマー、オキセタン骨格含有化合物、又は、ビニルエーテル類を使用する。
重合性化合物として光カチオン重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光カチオン重合開始剤を使用する。この光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩又は混合配位子金属塩を使用する。
或いは、重合性化合物として、光ラジカル重合が可能な化合物と光カチオン重合が可能な化合物との混合物を使用してもよい。この場合、開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤との混合物を使用する。或いは、この場合、光ラジカル重合及び光カチオン重合の双方の開始剤として機能し得る重合開始剤を使用してもよい。このような開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩を使用する。
なお、放射線硬化樹脂に占める開始剤の割合は、例えば、0.1乃至15質量%の範囲内とする。
放射線硬化樹脂は、増感色素、染料、顔料、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物、エポキシ樹脂等の架橋剤、離型剤又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。また、放射線硬化樹脂には、その成形性を向上させるべく、非反応性の樹脂を更に含有させてもよい。この非反応性の樹脂としては、例えば、上記の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を使用することができる。
レリーフ構造形成層110の形成に用いる上記の原版は、例えば、電子線描画装置又はナノインプリント装置を用いて製造する。こうすると、上述した複数の凹部又は凸部を高い精度で形成することができる。なお、通常は、原版の凹凸構造を転写して反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を製造する。そして、必要に応じ、複製版を原版として用いて反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を更に製造する。実際の製造では、通常、このようにして得られる複製版を使用する。
レリーフ構造形成層110は、典型的には、基材と、その上に形成された樹脂層とを含んでいる。この基材としては、典型的には、フィルム基材を使用する。このフィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム及びポリプロピレン(PP)フィルム等のプラスチックフィルムを使用する。或いは、基材として、紙、合成紙、プラスチック複層紙又は樹脂含浸紙を使用してもよい。なお、基材は、省略してもよい。
樹脂層は、例えば、上述した方法により形成される。樹脂層の厚みは、例えば0.1μm乃至10μmの範囲内とする。この厚みが過度に大きいと、加工時の加圧等による樹脂のはみ出し及び/又は皺の形成が生じ易くなる。この厚みが過度に小さいと、所望の凹構造及び/又は凸構造の形成が困難となる場合がある。また、樹脂層の厚みは、その主面に設けるべき凹部又は凸部の深さ又は高さと等しくするか又はそれより大きくする。この厚みは、例えば、凹部又は凸部の深さ又は高さの1乃至10倍の範囲内とし、典型的には、その3乃至5倍の範囲内とする。
なお、レリーフ構造形成層110の形成は、例えば、特許第4194073号公報に開示されている「プレス法」、実用新案登録第2524092号公報に開示されている「キャスティング法」、又は、特開2007−118563号公報に開示されている「フォトポリマー法」を用いて行ってもよい。
次に、図6に示すように、レリーフ構造形成層110の材料とは屈折率が異なる第1材料を、第1領域及び第2領域R2の全体に対して気相堆積させる。これにより、レリーフ構造形成層110の第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第2領域R2を含んだ主面上に、反射材料層120を形成する。
この第1材料としては、例えば、レリーフ構造形成層110の材料との屈折率の差が0.2以上である材料を使用する。この差が小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120´との界面における反射が生じ難くなる場合がある。また、金属材料を用いることができる。
第1材料としては典型的には、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Ag及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1つの金属材料を使用する。
或いは、透明性が比較的高い第1材料として、以下に列挙するセラミック材料又は有機ポリマー材料を使用してもよい。なお、以下に示す化学式又は化合物名の後に記載した括弧内の数値は、各材料の屈折率を意味している。
即ち、セラミック材料としては、例えば、Sb2O3(3.0)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb2O3(5)、WO3(5)、SiO(5)、Si2O3(2.5)、In2O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(5)、MgO(1)、SiO2(1.45)、Si2O2(10)、MgF2(4)、CeF3(1)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1)、Al2O3(1)又はGaO(2)を使用することができる。
有機ポリマー材料としては、例えば、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)又はポリスチレン(1.60)を使用することができる。
第1材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又は化学蒸着法(CVD法)を用いて行う。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行う。具体的には、この気相堆積は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第1材料の量の比と、第2領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第1材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、典型的には、レリーフ構造形成層110の主面が平坦面のみからなると仮定した場合の膜厚(以下、設定膜厚という)を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、反射材料層120が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分が、第1領域の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図6に示す例では、この部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
第2に、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分が、第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにする。図6には、一例として、前者の場合を描いている。即ち、図6に示す例では、この部分は、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
なお、上述したように、第2領域R2は、第1領域と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。従って、反射材料層120が第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さくなる。
なお、ここでは、層の「平均膜厚」とは、当該層の一方の面上の各点と当該層の他方の面に下ろした垂線の足との間の距離の平均値を意味することとする。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、第1領域に対応した部分では第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており且つ第2領域R2に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した反射材料層120を形成することができる。
反射材料層120の設定膜厚は、典型的には、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。また、この設定膜厚は、典型的には、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。
具体的には、反射材料層120の設定膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内とし、典型的には、30nm乃至300nmの範囲内とする。この設定膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120´との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、上記の要件を満足するように反射材料層120を形成することが困難となる場合がある。
反射材料層120のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内とし、典型的には30nm乃至300nmの範囲内とする。この平均膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120´との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この平均膜厚が過度に大きいと、表示体100の生産性が低下する場合がある。
次いで、図7に示すように、反射材料層120の材料とは異なる第2材料を、反射材料層120に対して気相堆積させる。これにより、反射材料層120を間に挟んでレリーフ構造形成層110と向き合ったマスク層130を形成する。
この第2材料としては、典型的には、無機物を使用する。この無機物としては、例えば、MgF2、Sn、Cr、ZnS、ZnO、Ni、Cu、Au、Ag、TiO2、MgO、SiO2及びAl2O3が挙げられる。特には、第2材料としてMgF2を使用した場合、基材の曲げや衝撃に対するマスク層130及び第2層130´の追従性及び耐擦傷性を更に向上させることができる。
或いは、この第2材料として、有機物を使用してもよい。この有機物としては、例えば、重量平均分子量が1500以下の有機物を使用する。このような有機物としては、例えば、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の重合性化合物と開始剤とを混合し、放射線硬化樹脂と気相堆積した後に、放射線照射によって重合させたものを使用してもよい。
或いは、第2材料として、金属アルコキシドを使用してもよい。或いは、第2材料として、金属アルコキシドを気相堆積した後、これを重合させたものを使用してもよい。この際、気相堆積の後、重合させる前に、乾燥処理を行ってもよい。
第2材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又はCVD法を用いて行う。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行う。具体的には、この気相堆積は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第2材料の量の比と、第2領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第2材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、マスク層130の設定膜厚を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、マスク層130が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、マスク層130のうち第1領域に対応した部分が、第1領域の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図7に示す例では、この部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
第2に、マスク層130のうち第2領域R2に対応した部分が、第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにする。図7には、一例として、後者の場合を描いている。即ち、図7に示す例では、この部分は、反射材料層120の上で、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した不連続膜を形成している。
なお、上述したように、第2領域R2は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。従って、マスク層130が第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、マスク層130のうち第2領域R2に対応した部分は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さくなる。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、第1領域に対応した部分では第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており且つ第2領域R2に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口したマスク層130を形成することができる。
マスク層130の設定膜厚は、典型的には、第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。また、この設定膜厚は、典型的には、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。そして、マスク層130の設定膜厚は、典型的には、反射材料層120の設定膜厚と比較してより小さくする。
具体的には、マスク層130の設定膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内とし、典型的には、3nm乃至80nmの範囲内とする。この設定膜厚が過度に小さいと、マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分の平均膜厚が過度に小さくなり、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分のマスク層130による保護が不十分となる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のマスク層130による保護が過剰となる場合がある。
マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分の平均膜厚は、典型的には、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚と比較してより小さくする。
マスク層130のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内とし、典型的には3nm乃至80nmの範囲内とする。この平均膜厚が過度に小さいと、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分のマスク層130による保護が不十分となり、後述する第1層120´のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚が過度に小さくなる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のマスク層130による保護が過剰となる場合がある。
続いて、マスク層130を、反射材料層120の材料との反応を生じ得る反応性ガス又は液に曝す。そして、少なくとも第2領域R2の位置で、反射材料層120の材料との上記反応を生じさせる。
ここでは、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を溶解可能なエッチング液を使用する場合について説明する。このエッチング液としては、典型的には、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液及び水酸化カリウム溶液等のアルカリ性溶液を使用する。或いは、エッチング液として、塩酸、硝酸、硫酸及び酢酸等の酸性溶液を使用してもよい。
図7に示すように、マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分は連続膜を形成しているのに対し、第2領域R2に対応した部分は、部分的に開口した不連続膜を形成している。反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分は、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆された部分と比較して、反応性ガス又は液と接触しやすい。従って、前者は、後者と比較してよりエッチングされ易い。
また、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分が除去されると、反射材料層120には、マスク層130の開口に対応した開口が生じる。エッチングを更に続けると、反射材料層120のエッチングは、各開口の位置で面内方向に進行する。その結果、第2領域R2上では、反射材料層120のうちマスク層130を支持している部分が、その上のマスク層130と共に除去される。
従って、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図8に示すように、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のみを除去することができる。これにより、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3のみを被覆した第1層120´が得られる。
以上のようにして、図3及び図4に示す画素PEから構成される表示体100を得る。上述した方法によって得られる表示体100には、以下の特徴がある。
第1層120´は、反射層であり、典型的には、上述した第1材料からなる。第1層120´は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2のうち、第1領域のみを被覆している。即ち、第1層120´は、第1領域に対応した位置にのみ設けられている。また、第2領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第1材料の量の比は、ゼロである。
第1層120´は、第1領域の表面形状に対応した表面形状を有している。図3及び図4に示す例では、第1層120´は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有している。これら第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部は、典型的には、白色光で照明したときに回折光を射出する回折格子又はホログラムを第1層120´の表面に形成している。この場合、表示体100においては、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3において射出される回折光に対応した色を表示し得る。
具体的には、上記した第1サブ領域SR1は斜め方向から観察する条件において赤色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。第2サブ領域SR2は斜め方向から観察する条件において緑色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。第3サブ領域SR3は斜め方向から観察する条件において青色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。即ち、本実施形態に係る表示体100は、当該表示体100を斜め方向から観察する条件では、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3(つまり、第1領域)の分布に基づいた画像(フルカラーポジ画像)を表示する。従って、この場合、より優れた偽造防止効果及び装飾効果を達成することができる。
第1層120´の輪郭レリーフ構造形成層110の主面への正射影は、その全体が第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の輪郭と重なり合っている。即ち、第1層120´は、第1領域の形状に対応してパターニングされている。従って、第1領域及び第2領域R2を高い位置精度で形成しておくことにより、優れた位置精度で形成された第1層120´を得ることができる。
なお、図5乃至図8を参照しながら説明した方法では、反射材料層120のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分は、マスク層130によって被覆されている。それゆえ、上記のエッチング処理を行った場合でも、当該部分の膜厚は、殆ど又は全く減少しない。従って、第1層120´のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚は、典型的には、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚と等しい。即ち、この平均膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内にあり、典型的には30nm乃至300nmの範囲内にある。
なお、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3と第2領域R2との境界と、第1層120´の輪郭との最短距離の最大値は、例えば20μm未満とし、好ましくは10μm未満とし、より好ましくは、3μm未満とする。
第2層130´は、例えば、気相堆積法により形成される層である。第2層130´は、第1層120´を被覆している。第2層130´は、第1層120´を間に挟んで、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2のうち第1領域の全体のみと向き合っている。即ち、第1層120´の輪郭のレリーフ構造形成層110の主面への正射影は、その全体が第2層130´の輪郭の上記主面への正射影と重なり合っている。また、第2領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第2材料の量の比は、ゼロである。
第2層130´のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚は、マスク層130のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚と等しいか又はより小さい。この平均膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内にあり、典型的には3nm乃至80nmの範囲内にある。
第2層130´は、例えば、第1層120´を保護する役割を担っている。また、第2層130´を設けると、第2層130´が存在しない場合と比較して、表示体100の偽造をより困難とすることができる。
上記したように本実施形態に係る表示体100においては、第2領域R2(つまり、RGBを表現する回折素子以外の部分)に対してエッチングを行うことにより、反射層が除去されている。これにより、表示体100を透過光によって観察する条件においては、第2の領域R2の分布に基づいた画像(ネガ画像)が表示される。
即ち、本実施形態に係る表示体100によれば、フルカラーによる表現力を損なうことなく、透過光による観察においてネガ画像を表示することができるため、より高い偽造防止効果を実現することが可能となる。
なお、上では、反射材料層120が第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有しており、マスク層130のうち第1領域に対応した部分がこの第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており、マスク層130のうち第2領域R2に対応した部分が第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口している構成について説明したが、これら層の構成はこれには限られない。
例えば、反射材料層120とマスク層130との双方が第1領域及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有した構成を採用してもよい。この場合、先に述べたように、反射材料層120及びマスク層130のうち第2領域R2に対応した部分は、それぞれ、これら層のうち第1領域に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さい。
一般に、マスク層130のうち平均膜厚がより小さい部分は、平均膜厚がより大きい部分と比較して、反応性ガス又は液を透過させ易い。また、反応性ガス又は液と第2材料とが反応し、この反応の生成物がマスク層130から直ちに除去される場合には、第2領域R2上でのみマスク層130を開口させることができる。
従って、この場合においても、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図1乃至図4に示す表示体100を製造することが可能である。
或いは、反射材料層120とマスク層130との双方が、第1領域に対応した部分では第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており、第2領域R2に対応した部分では第2領域R2に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口している構成を採用してもよい。この場合において、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図1乃至図4に示す表示体100を製造することが可能となる。
また、上では、反射材料層120及びマスク層130のうち第2領域R2に対応した部分を完全に除去する場合について説明したが、これら部分の一部が残存するようにしてもよい。例えば、エッチング処理に供する時間をより短くすることにより、第2領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第1材料の量の比が、ゼロより大きく且つ第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第1材料の量の比と比較してより小さくなるようにしてもよい。或いは、同様にして、第2の領域R2の見かけ上の面積に対する第2領域R2の位置における第2材料の量の比が、ゼロより大きく且つ第1領域の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第2材料の量の比と比較してより小さくなるようにしてもよい。
また、上では、反応性ガス又は液としてエッチング液を使用する場合について説明したが、反応性ガス又は液はこれには限られない。例えば、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を気化させ得るエッチングガスを使用してもよい。
或いは、反応性ガス又は液として、第1材料との反応により、反射材料層120の一部を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させ得るガス又は液を使用してもよい。この場合、例えば、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分を除去する代わりに、当該部分を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させることが可能となる。
このような反応性ガス又は液としては、例えば、第1材料を酸化させ得る酸化剤を使用することができる。この酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、若しくはハロゲン、又は、二酸化塩素、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、次ハロゲン酸、過ハロゲン酸、及びその塩などのハロゲン化物、過酸化水素、過硫酸塩類、ペルオキソ炭酸塩類、ペルオキソ硫酸塩類、及びペルオキソリン酸塩類などの無機過酸化物、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過蟻酸、過酢酸、及び過安息香酸などの有機過酸化物、セリウム塩、Mn(III)、Mn(IV)及びMn(VI)塩、銀塩、銅塩、クロム塩、コバルト塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、過フタル酸マグネシウム、塩化第二鉄、及び塩化第二銅などの金属又は金属化合物、又は、硝酸、硝酸塩、臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、及びヨウ素酸塩などの無機酸若しくは無機酸塩を使用する。
例えば、反射材料層120´の材料としてCuを使用した場合、反射材料層120´のうち少なくとも第2領域R2に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をCu酸化物からなる層に変化させることができる。或いは、反射材料層120´の材料としてAlを使用した場合、反射材料層120´のうち少なくとも第2領域R2に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をベーマイト等のAl酸化物からなる層に変化させることができる。
或いは、上記の反応性ガス又は液として、反射材料層120´の材料を還元させ得る還元剤を使用してもよい。この還元剤としては、例えば、硫化水素、二酸化硫黄、フッ化水素、アルコール、カルボン酸、水素ガス、水素プラズマ、遠隔水素プラズマ、ジエチルシラン、エチルシラン、ジメチルシラン、フェニルシラン、シラン、ジシラン、アミノシラン、ボラン、ジボラン、アラン、ゲルマン、ヒドラジン、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、1−n−ブチル−1−フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−ナフチルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、アセチルヒドラジン又はベンゾイルヒドラジンを使用する。
なお、図5乃至図8を参照しながら説明した方法において、エッチング処理等によって第1層120´を形成した後、第2層130´を除去してもよい。この第2層130´の除去は、例えば、第1材料と第2材料とのイオン化傾向の差異に基づいた第1材料のイオン化が懸念される場合に有効である。
ここで、図9は、図3及び図4に示す第2領域R2に設けられている複数の凹部又は凸部として採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。
図9に示す例では、第2領域R2には、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凸部が設けられている。
なお、第2領域R2に設けられている複数の凹部又は凸部の中心間距離は、上記したように100nm乃至500nmの範囲内である。つまり、本実施形態においては、第2領域R2の部分(つまり、エッチングされる部分)に表面積の大きいクロスグレーティングが形成され、上記したように当該クロスグレーティング部分の金属反射層のみが除去される。
なお、図3を参照しながら説明した画素PEを備えた表示体100は、サブ領域SR1乃至SR3の一部又は全部が省略された画素PEを更に備えていてもよい。
図10及び図11は、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図である。
図10に示す画素PEでは、赤色表示用画素PERは、第1サブ領域SR1のみからなる。また、緑色表示用画素PEG及び青色表示用画素PEBは、第2領域のみからなる。それゆえ、図10に示す画素PEは、斜め方向から観察する条件において、赤色の表示に寄与する。
図11に示す画素PEでは、画素PER、PEG及びPEBは、第2領域R2のみからなる。この場合、図11に示す画素PEにおいては、全体的に上記したように金属反射層が取り除かれた状態となっている。
このように、以上のような構成を採用した場合、第1サブ領域SR1と第2サブ領域SR2と第3サブ領域SR3との面積比に応じて、画素PEに、任意の色を表示させることができる。即ち、このような構成を採用すると、斜めから観察する条件において、フルカラーの像を表示させることが可能となると共に、透過光によって観察する条件において、モノクロネガ画像を表示させることができる。
図12は、図1及び図2に示す表示体を斜め方向から観察した状態を示す斜視図である。図12に示す通り、表示体100は、斜め方向から観察する条件では、像をフルカラーで表示する。即ち、表示体100では、観察条件を法線方向から斜め方向へと変えることにより、フルカラーポジ画像を表示することができる。
なお、図示しないが、表示体100を透過光によって観察する条件においては、上記したように第2領域R2の分布に応じた画像(モノクロネガ画像)が現れる。
これにより、本実施形態に係る表示体100は、より高い偽造防止効果を得ることができる。
表示体100には、種々の変形が可能である。
例えば、図9には、第2領域R2が各々が円錐形状からなる複数の凸部を備えている場合を描いているが、当該第2領域R2に設けられる複数の凹部又は凸部の構成は、これには限られない。
例えば、第2領域R2に設けられている複数の凹部又は凸部は、四角錐形状又は三角錐形状を有していてもよい。また、これら複数の凹部又は凸部は、切頭錐形状を有していてもよい。或いは、これら複数の凹部又は凸部は、底面積が異なる複数の四角柱をその底面積が大きなものから順に積み重ねた構造を有していてもよい。なお、四角柱の代わりに、円柱や三角柱などの四角柱以外の柱状体を積み重ねてもよい。
また、図9には、複数の凸部が正方格子状に配列している場合を描いているが、複数の凹部又は凸部の配列様式は、これには限られない。例えば、これら複数の凹部又は凸部は、矩形格子状又は三角格子状に配列していてもよい。
また、図2には、複数の画素PEが矩形格子状に配列している場合を描いているが、複数の画素PEの配列様式は、これに限られない。例えば、これら複数の画素PEは、三角格子状に配列していてもよい。
以上において説明した表示体100は、例えば、粘着ステッカ、転写箔、又はスレッドの一部として使用してもよい。或いは、この表示体100は、ティアテープの一部として使用してもよい。
図13は、本実施形態に係る転写箔を拡大して示す断面図である。図13に示す転写箔200は、先に説明した表示体100と、表示体100を剥離可能に支持した支持体層50とを備えている。図13には、一例として、表示体100の前面と支持体層50との間に剥離層52が設けられており、表示体100の背面上に接着層54が設けられている場合を描いている。
支持体層50は、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートである。支持体層50の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は塩化ビニル樹脂を使用する。
剥離層52は、転写箔200を被転写体に転写する際の支持体層50の剥離を容易にする役割を担っている。剥離層52の材料としては、例えば、樹脂を使用する。剥離層52は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス及びシリコーンなどの添加剤を更に含んでいてもよい。なお、剥離層52の厚みは、例えば0.5μm乃至5μmの範囲内とする。
接着層54の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤及び感熱接着剤などの接着剤を使用する。
反応硬化性接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン及びアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、又は、エポキシ樹脂を使用する。
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂及びウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス型接着剤を使用する。
ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂及びポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用する。
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基及びビニル基などのビニル系官能基を1個又は複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用する。例えば、電子線硬化型接着剤として、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレート又はポリエーテルメタクリレートと、接着付与剤との混合物を使用することができる。この接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレート若しくはその誘導体、又は、カルボキシ基を含んだアクリレート若しくはその誘導体を使用する。
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を使用する。
接着層54は、例えば、上述した樹脂を、グラビアコータ、マイクログラビアコータ及びロールコータなどのコータを用いて表示体100の背面上に塗付することにより得られる。
この転写箔200は、例えば、ロール転写機又はホットスタンプによって、被転写体に転写される。この際、剥離層52において剥離を生じると共に、表示体100が、被転写体に、接着層54を介して貼付される。
図14は、表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図14には、表示体付き物品の一例として印刷物300を描いている。この印刷物300は、磁気カードであって、基材301を含んでいる。基材301は、例えば、プラスチックからなる。
基材301上には、印刷層302が形成されている。基材301の印刷層302が形成された面には、上述した表示体100が、例えば粘着層を介して固定されている。表示体100は、例えば、粘着ステッカとして又は転写箔として準備しておき、これを印刷層302に貼り付けることにより、基材301に固定する。
この印刷物300は、上述した表示体100を含んでいる。それゆえ、この印刷物300は、偽造防止効果に優れている。この印刷物300は、表示体100に加えて、印刷層302を更に含んでいる。従って、表示体100の光学効果を印刷層302のそれと比較することにより、表示体100の光学効果を際立たせることができる。
図14には、表示体100を含んだ印刷物として磁気カードを例示しているが、表示体100を含んだ印刷物は、これに限られない。例えば、表示体100を含んだ印刷物は、IC(integrated circuit)カード、無線カード及びID(identification)カードなどの他のカードであってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、商品券及び株券などの有価証券であってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグであってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
また、図14に示す印刷物300では、表示体100を基材301に貼り付けているが、表示体100は、他の方法で基材に支持させることができる。例えば、基材として紙を使用した場合、表示体100を紙に漉き込み、表示体10に対応した位置で紙を開口させてもよい。
なお、上記したように本実施形態に係る表示体100によれば透過光によって観察する条件においてモノクロネガ画像が表示される構成であるため、基材として光透過性の材料を使用するのが好ましい。この場合、その内部に表示体100を埋め込んでもよく、基材の裏面、即ち表示面とは反対側の面に表示体100を固定してもよい。
また、ラベル付き物品は、印刷物でなくてもよい。即ち、印刷層を含んでいない物品に表示体100を支持させてもよい。例えば、表示体100は、美術品などの高級品に支持させてもよい。
表示体100は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、表示体100は、玩具、学習教材、及び装飾品などとしても利用することができる。
(実施例)
以下のようにして、図3、図10及び図11を参照しながら説明した画素PEを備えた転写箔200を製造した。そして、これを用いてこれら画素PEを備えた表示体100を支持した表示体付き物品を製造した。
まず、斜め方向から観察する条件及び透過光によって観察する条件の各々において所望の像を表示可能とする描画データを作成した。なお、RGBを表現する回折構造以外の部分(つまり、第2領域R2)については2000本/mmのクロスグレーティングで描画するデータを作成した。そして、電子線レジスト上に、上記データに対応した形状を、電子線を用いて描画した。このレジストを現像し、所望の凹部又は凸部を形成した。その後、気相堆積法により導電層を成膜し、ニッケルスパッタで各凹部又は凸部の表面に導通をとり、ニッケル電鋳により金型を作製した。このようにして、版を作製した。
次に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるレリーフ構造形成層110の上に、アクリル樹脂からなる剥離層52を塗付した。この剥離層52の厚みは、1μmであった。次いで、その上に、成形加工用の樹脂からなる層を塗付した。この層の厚みは、1μmであった。このようにして、原反を作製した。
続いて、上記原反の樹脂からなる層側の面に、例えば100℃の熱及び1MPaの圧力で加熱及び加圧しながら版を押し付けた。このようにして、一方の主面に複数の凹部又は凸部を備えたレリーフ構造形成層110を得た。
なお、第1サブ領域SR1に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を870nmとした。第2サブ領域SR2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を765nmとした。第3サブ領域SR3に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を745nmとした。そして、第2領域R2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を250nmとした。
次いで、レリーフ構造形成層110の上に、アルミニウムを蒸着させた。このようにして、反射材料層120を得た。この反射材料層120の厚みは、50nmであった。
続いて、反射材料層120の上に、MgF2を蒸着させた。このようにして、マスク層130を得た。このマスク層130の厚みは、20nmであった。
次に、NaOH(5%、50℃)溶液中に浸漬して、エッチングを行った。このようにして、第1層120´及び第2層130´を得た。
その後、アクリル系樹脂からなる接着剤を、グラビアコーティング法でアルミニウムの蒸着面に2μmの厚さで塗付した。このようにして、接着層54を形成した。以上のようにして、転写箔200を得た。
次いで、この転写箔200を用いて、表示体100の被転写体への転写を行った。この被転写体としては、光透過性のある被転写用紙を用いた。また、転写は、150℃の温度及び10MPaの圧力で行った。このようにして、表示体付き物品として、表示体100が貼付された紙を得た。
この紙について、斜め方向から観察を行った。その結果、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3からの回折光により、写真画質のフルカラーホログラム画像を観察することができた。続いて、この紙について、透過光による観察を行った。その結果、第2領域R2の分布に基づいたモノクロネガ画像を観察することができた。
即ち、この表示体100を用いると、斜め方向から観察する条件においてはフルカラーホログラム画像を観察することができると共に、透過光によって観察する条件においてモノクロネガ画像を観察することができるため、より高い偽造防止効果を実現することができた。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図15は、本実施形態に係る表示体の一例の一部を拡大して示す平面図である。図15では、表示体200の主面に平行であり且つ互いに直交する軸をX軸及びY軸とし、表示体200の主面に垂直な軸をZ軸としている。
本実施形態に係る表示体200は、図15に示す通り、複数の画素PEを含んでいる。図15に示す例では、これら画素PEは、X軸及びY軸に沿って矩形格子状に配列している。
図16及び図17は、本実施形態に係る表示体200を構成している画素の一例を示す平面図である。図18は、図16に示す画素のA−A線に沿った断面図である。
画素PEは、少なくとも表示体200の主面の法線と交差する斜め方向から観察する条件(以下、単に斜め方向から観察する条件と表記)において、1つの所定の色を表示する画素を含むサブ領域を有する。具体的には例えば図16、図17に示すように、画素PEは、サブ画素として赤色表示用画素PERと、緑色表示用画素PEGと、青色表示用画素PEBとを備えている。これら画素PER、PEG及びPEBは、典型的には、面積が互いに等しい。
赤色表示用画素PERは、第1サブ領域SR1と、第2領域R2とを備えている。なお、この第1サブ領域SR1は、斜め方向から観察する条件において、赤色を表示するように構成されている。即ち、第1サブ領域SR1は、斜め方向から観察する条件において、赤色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
緑色表示用画素PEGは、第2サブ領域SR2と、第2領域R2とを備えている。なお、この第2サブ領域SR2は、斜め方向から観察する条件において、緑色を表示するように構成されている。即ち、第2サブ領域SR2は、斜め方向から観察する条件において、緑色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
青色表示用画素PEBは、第3サブ領域SR3と、第2領域R2とを備えている。なお、この第3サブ領域SR3は、斜め方向から観察する条件において、青色を表示するように構成されている。即ち、第3サブ領域SR3は、斜め方向から観察する条件において、青色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。
なお、以下の説明においては、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3を含む領域を便宜的に第1領域と称する。また、光透過領域SRWを含む領域を便宜的に第3領域と称する。
図18に示すように、画素PEは、レリーフ構造形成層110と、第1層120´と、第2層130´とを備えている。
レリーフ構造形成層110の一方の主面には、レリーフ構造が設けられている。第1層120´は、レリーフ構造形成層110の先の主面を部分的に被覆している。第2層130´は、第1層120´を被覆している。なお、この画素PEの構造等については、後で詳しく説明する。
次に、図19乃至図22を参照しながら、表示体200(を構成している画素PE)の製造方法について説明する。
図19乃至図22は、表示体200の製造方法を概略的に示す断面図である。この方法では、まず、図19に示すように、互いに隣接した第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3)及び第2領域R2及び第3領域R3(SRW)を含んだ主面を有したレリーフ構造形成層110を準備する。
第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3は、凹構造及び/又は凸構造が設けられている。凹構造及び凸構造は、それぞれ、複数の凹部及び複数の凸部からなる。これら凹部又は凸部は、例えばストライプ状に配置されている。これら凹部又は凸部は、典型的には、白色光で照明したときに回折光を射出する回折格子又はホログラムを形成している。
これら複数の凹部又は凸部の長さ方向に垂直な断面の形状は、例えば、V字形状及びU字形状等の先細り計上とするか又は矩形状とする。図19には、一例として、上記の断面形状がV字形状である場合を描いている。
サブ領域の凹部又は凸部の中心間距離は、所望の回折光の色に応じて、500〜1000nmの範囲内で適宜設定できる。
具体的には例えば、第1サブ領域SR1に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、860nm乃至880nmの範囲内とする。第2サブ領域SR2に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、755nm乃至775nmの範囲内とする。第3サブ領域SR3に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離は、735nm乃至755nmの範囲内とする。
また、これら複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、例えば0.5以下とし、典型的には0.05乃至0.3の範囲内とする。
なお、ここで「中心間距離」とは、隣り合った凹部間の距離、又は、隣り合った凸部間の距離を意味している。
第2領域R2は、凹構造及び/又は凸構造がない、平坦な構造である。
第3領域R3は、凹構造及び/又は凸構造が設けられている。これら凹構造及び凸構造は、それぞれ、複数の凹部及び複数の凸部からなる。これら複数の凹部又は凸部は、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えている。
第3領域R3は、第1領域R1と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。なお、領域の「見かけ上の面積」とは、当該領域に平行な平面への当該領域の正射影の面積、即ち、凹構造及び凸構造を無視した当該領域の面積を意味することとする。また、領域の「表面積」とは、凹構造及び凸構造を考慮した当該領域の面積を意味することとする。
第3領域R3の複数の凹部又は凸部は、典型的には、第1領域の複数の凹部又は凸部と比較して、凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値がより大きい。図5に示す例では、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部と比較して、中心間距離に対する深さ又は高さの比がより大きい。
第3領域R3に設ける凹部又は凸部の中心間距離は、100乃至500nmの範囲内とする。
また、第3領域R3に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、第1領域に設けられる複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値と比較してより大きくする。第3領域R3に設ける複数の凹部又は凸部の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、例えば0.8乃至2.0の範囲内とし、典型的には0.8乃至1.2の範囲内とする。この値が過度に大きいと、レリーフ構造形成層110の生産性が低下する場合がある。
レリーフ構造形成層110は、例えば、微細な凸部を設けた金型を樹脂に押し付けることにより形成することができる。この際、これら凸部の形状は、第1領域及び第3領域R3の双方に設ける凹部の形状に対応した形状とする。
レリーフ構造形成層110は、例えば、基材上に熱可塑性樹脂を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を、熱を印加しながら押し当てる方法により形成する。この場合、上記の熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用する。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に熱硬化性樹脂層を塗布し、これに上記の凸部が設けられた原版を押し当てながら熱を印加し、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。この場合、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、これらの混合物、又は、これらの共重合物を使用する。なお、このウレタン樹脂は、例えば、反応性水酸基を有したアクリルポリオール及びポリエステルポリオール等に、架橋剤としてポリイソシアネートを添加して、これらを架橋させることにより得られる。
或いは、レリーフ構造形成層110は、基材上に放射線効果樹脂を塗布し、これに原版を押し当てながら紫外線等の放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。或いは、レリーフ構造形成層110は、基材と原版との間に上記組成物を流し込み、放射線を照射して上記材料を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成してもよい。
放射線硬化樹脂は、典型的には、重合性化合物と開始剤とを含んでいる。
重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合が可能な化合物を使用する。光ラジカル重合が可能な化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合又はエチレン性不飽和基を有したモノマー、オリゴマー又はポリマーを使用する。或いは、光ラジカル重合が可能な化合物として、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等のオリゴマー、又は、ウレタン変性アクリル樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂等のポリマーを使用してもよい。
重合性化合物として光ラジカル重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を使用する。この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノン及びメチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、又は、ミヒラーズケトンを使用する。
或いは、重合化合物として、光カチオン重合が可能な化合物を使用してもよい。光カチオン重合が可能な化合物としては、例えば、エポキシ基を備えたモノマー、オリゴマー若しくはポリマー、オキセタン骨格含有化合物、又は、ビニルエーテル類を使用する。
重合性化合物として光カチオン重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光カチオン重合開始剤を使用する。この光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩又は混合配位子金属塩を使用する。
或いは、重合性化合物として、光ラジカル重合が可能な化合物と光カチオン重合が可能な化合物との混合物を使用してもよい。この場合、開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤との混合物を使用する。或いは、この場合、光ラジカル重合及び光カチオン重合の双方の開始剤として機能し得る重合開始剤を使用してもよい。このような開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩を使用する。
なお、放射線硬化樹脂に占める開始剤の割合は、例えば、0.1乃至15質量%の範囲内とする。
放射線硬化樹脂は、増感色素、染料、顔料、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物、エポキシ樹脂等の架橋剤、離型剤又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。また、放射線硬化樹脂には、その成形性を向上させるべく、非反応性の樹脂を更に含有させてもよい。この非反応性の樹脂としては、例えば、上記の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を使用することができる。
レリーフ構造形成層110の形成に用いる上記の原版は、例えば、電子線描画装置又はナノインプリント装置を用いて製造する。こうすると、上述した複数の凹部又は凸部を高い精度で形成することができる。なお、通常は、原版の凹凸構造を転写して反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を製造する。そして、必要に応じ、複製版を原版として用いて反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を更に製造する。実際の製造では、通常、このようにして得られる複製版を使用する。
レリーフ構造形成層110は、典型的には、基材と、その上に形成された樹脂層とを含んでいる。この基材としては、典型的には、フィルム基材を使用する。このフィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム及びポリプロピレン(PP)フィルム等のプラスチックフィルムを使用する。或いは、基材として、紙、合成紙、プラスチック複層紙又は樹脂含浸紙を使用してもよい。なお、基材は、省略してもよい。
樹脂層は、例えば、上述した方法により形成される。樹脂層の厚みは、例えば0.1μm乃至10μmの範囲内とする。この厚みが過度に大きいと、加工時の加圧等による樹脂のはみ出し及び/又は皺の形成が生じ易くなる。この厚みが過度に小さいと、所望の凹構造及び/又は凸構造の形成が困難となる場合がある。また、樹脂層の厚みは、その主面に設けるべき凹部又は凸部の深さ又は高さと等しくするか又はそれより大きくする。この厚みは、例えば、凹部又は凸部の深さ又は高さの1乃至10倍の範囲内とし、典型的には、その3乃至5倍の範囲内とする。
なお、レリーフ構造形成層110の形成は、例えば、特許第4194073号公報に開示されている「プレス法」、実用新案登録第2524092号公報に開示されている「キャスティング法」、又は、特開2007−118563号公報に開示されている「フォトポリマー法」を用いて行ってもよい。
次に、図20に示すように、レリーフ構造形成層110の材料とは屈折率が異なる第1材料を、第1領域及び第2領域R2及び第3領域R3の全体に対して気相堆積させる。これにより、レリーフ構造形成層110の第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第2領域R2及び第3領域R3を含んだ主面上に、反射材料層120を形成する。
この第1材料としては、例えば、レリーフ構造形成層110の材料との屈折率が異なる材料を用いる。具体的にはレリーフ構造形成層110との界面において光を反射することができるものであればよく、金属材料を使用する。また屈折率の実数部分の差が0.2以上である材料を使用する。この差が小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120との界面における反射が生じ難くなる場合がある。
第1材料としては典型的には、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Ag及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1つの金属材料を使用する。
或いは、透明性が比較的高い第1材料として、以下に列挙するセラミック材料又は有機ポリマー材料を使用してもよい。なお、以下に示す化学式又は化合物名の後に記載した括弧内の数値は、各材料の代表的な屈折率の値を意味している。
即ち、セラミック材料としては、例えば、Sb2O3(3.0)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、WO3(2.2)、SiO2(1.45)、Si2O3(2.5)、In2O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.4)、MgO(1.72)、MgF2(1.37)、又はAl2O3(1.6〜1.8)等を使用することができる。
有機ポリマー材料としては、例えば、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)又はポリスチレン(1.60)を使用することができる。
第1材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又は化学蒸着法(CVD法)を用いて行う。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行う。具体的には、この気相堆積は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第1材料の量の比と、第3領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第1材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、典型的には、レリーフ構造形成層110の主面が平坦面のみからなると仮定した場合の膜厚(以下、設定膜厚という)を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、反射材料層120が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分が、第1領域の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図20に示す例では、この部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
第2に、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分が、平坦な第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。
第3に、反射材料層120のうち第3領域R3に対応した部分が、第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにする。図20には、一例として、前者の場合を描いている。即ち、図20に示す例では、この部分は、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
なお、上述したように、第3領域R3は、第1領域と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。従って、反射材料層120が第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、反射材料層120のうち第3領域R3に対応した部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さくなる。
なお、ここでは、層の「平均膜厚」とは、当該層の一方の面上の各点と当該層の他方の面に下ろした垂線の足との間の距離の平均値を意味することとする。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、第1領域に対応した部分では第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており且つ第3領域R3に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した反射材料層120を形成することができる。
反射材料層120の設定膜厚は、典型的には、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。また、この設定膜厚は、典型的には、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。
具体的には、反射材料層120の設定膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内とし、典型的には、30nm乃至300nmの範囲内とする。この設定膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120を上記の要件を満足するように形成することが困難となる場合がある。
反射材料層120のうち第1領域及び第1領域R2に対応した部分の平均膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内とし、典型的には30nm乃至300nmの範囲内とする。この平均膜厚が過度に小さいと、レリーフ構造形成層110と後述する第1層120との界面における反射が生じ難くなる場合がある。この平均膜厚が過度に大きいと、表示体100の生産性が低下する場合がある。
次いで、図21に示すように、反射材料層120の材料とは異なる第2材料を、反射材料層120に対して気相堆積させる。これにより、反射材料層120を間に挟んでレリーフ構造形成層110と向き合ったマスク層としての第2層130を形成する。
この第2材料としては、典型的には、無機物を使用する。この無機物としては、例えば、MgF2、Sn、Cr、ZnS、ZnO、Ni、Cu、Au、Ag、TiO2、MgO、SiO2及びAl2O3が挙げられる。特には、第2材料としてMgF2を使用した場合、基材の曲げや衝撃に対する第2層(マスク層)130の追従性及び耐擦傷性を更に向上させることができる。
或いは、この第2材料として、有機物を使用してもよい。この有機物としては、例えば、重量平均分子量が1500以下の有機物を使用する。このような有機物としては、例えば、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の重合性化合物と開始剤とを混合し、放射線硬化樹脂と気相堆積した後に、放射線照射によって重合させたものを使用してもよい。
或いは、第2材料として、金属アルコキシドを使用してもよい。或いは、第2材料として、金属アルコキシドを気相堆積した後、これを重合させたものを使用してもよい。この際、気相堆積の後、重合させる前に、乾燥処理を行ってもよい。
第2材料の気相堆積は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法又はCVD法を用いて行う。
この気相堆積は、レリーフ構造形成層110の主面に平行な面内方向について均一な密度で行う。具体的には、この気相堆積は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第2材料の量の比と、第3領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第2材料の量の比とが、互いに等しくなるようにして行う。
また、この気相堆積では、マスク層130の設定膜厚を、以下のように定める。即ち、この設定膜厚は、マスク層130が以下の要件を満足するようにして定める。
第1に、マスク層130のうち第1領域に対応した部分が、第1領域の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。図21に示す例では、この部分は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状を有した連続膜を形成している。
第2に、マスク層130のうち第2領域R2に対応した部分が、平坦な第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有するようにする。
第3に、マスク層130のうち第3領域R3に対応した部分が、第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有するか、又は、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口しているようにする。図21には、一例として、後者の場合を描いている。即ち、図21に示す例では、この部分は、反射材料層120の上で、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口した不連続膜を形成している。
なお、上述したように、第3領域R3は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)と比較して、見かけ上の面積に対する表面積の比がより大きい。従って、マスク層130が第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3及び第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有するように上記の設定膜厚を定めた場合、マスク層130のうち第3領域R3に対応した部分は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さくなる。
また、上記の設定膜厚を更に小さな値に定めることにより、第1領域に対応した部分では第1領域の表面形状に対応した表面形状を有しており且つ第3領域R3に対応した部分では複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口したマスク層130を形成することができる。
マスク層130の設定膜厚は、典型的には、第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。また、この設定膜厚は、典型的には、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に設けられた複数の凹部又は凸部の深さ又は高さと比較してより小さくする。そして、マスク層130の設定膜厚は、典型的には、反射材料層120の設定膜厚と比較してより小さくする。
具体的には、マスク層130の設定膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内とし、典型的には、3nm乃至80nmの範囲内とする。この設定膜厚が過度に小さいと、マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分の平均膜厚が過度に小さくなり、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分のマスク層130による保護が不十分となる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120のうち第3領域R3に対応した部分のマスク層130による保護が過剰となる場合がある。
マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)に対応した部分の平均膜厚は、典型的には、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚と比較してより小さくする。
マスク層130のうち第1領域及び第2領域R2に対応した部分の平均膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内とし、典型的には3nm乃至80nmの範囲内とする。この平均膜厚が過度に小さいと、反射材料層120のうち第1領域に対応した部分のマスク層130による保護が不十分となり、後述する第1層120のうち第1領域に対応した部分の平均膜厚が過度に小さくなる場合がある。この設定膜厚が過度に大きいと、反射材料層120のうち第2領域R2に対応した部分のマスク層130による保護が過剰となる場合がある。
続いて、マスク層130を、反射材料層120の材料との反応を生じ得る反応性ガス又は液に曝す。そして、少なくとも第3領域R3の位置で、反射材料層120の材料との上記反応を生じさせる。
ここでは、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を溶解可能なエッチング液を使用する場合について説明する。このエッチング液としては、典型的には、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液及び水酸化カリウム溶液等のアルカリ性溶液を使用する。或いは、エッチング液として、塩酸、硝酸、硫酸及び酢酸等の酸性溶液を使用してもよい。
図21に示すように、マスク層130のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第1領域R2に対応した部分は連続膜を形成しているのに対し、第3領域R3に対応した部分は、部分的に開口した不連続膜を形成している。反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分は、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆された部分と比較して、反応性ガス又は液と接触しやすい。従って、前者は、後者と比較してよりエッチングされ易い。
また、反射材料層120のうちマスク層130によって被覆されていない部分が除去されると、反射材料層120には、マスク層130の開口に対応した開口が生じる。エッチングを更に続けると、反射材料層120のエッチングは、各開口の位置で面内方向に進行する。その結果、第3領域R3上では、反射材料層120のうちマスク層130を支持している部分が、その上のマスク層130と共に除去される。
従って、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図22に示すように、反射材料層120のうち第3領域R3に対応した部分のみを除去することができる。これにより、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3及びR2のみを被覆した第1層120´が得られる。
以上のようにして、図16、図17及び図18に示す画素PEから構成される表示体200を得る。上述した方法によって得られる表示体200には、以下の特徴がある。
第1層120´は、反射層であり、典型的には、上述した第1材料からなる。第1層120´は、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2及び第3領域R3のうち、第1領域及び第2領域のみを被覆している。即ち、第1層120´は、第1領域及び第2領域に対応した位置にのみ設けられている。また、第3領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第1材料の量の比は、ゼロである。
第1層120´は、第1領域及び第2領域の表面形状に対応した表面形状を有している。図16、図17及び図18に示す例では、第1層120´は、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部に対応した表面形状及び平坦なR2に対応した表面形状を有している。これら第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3に設けられた複数の凹部又は凸部は、典型的には、白色光で照明したときに回折光を射出する回折格子又はホログラムを第1層120´の表面に形成している。この場合、表示体200においては、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3において射出される回折光に対応した色を表示し得る。
具体的には、上記した第1サブ領域SR1は斜め方向から観察する条件において赤色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。第2サブ領域SR2は斜め方向から観察する条件において緑色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。第3サブ領域SR3は斜め方向から観察する条件において青色に対応した波長の回折光を射出するように構成されている。即ち、本実施形態に係る表示体200は、当該表示体200を斜め方向から観察する条件では、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3(つまり、第1領域)の分布に基づいた画像(フルカラーポジ画像)を表示する。従って、この場合、より優れた偽造防止効果及び装飾効果を達成することができる。
第1層120´の輪郭レリーフ構造形成層110の主面への正射影は、その全体が第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の輪郭と重なり合っている。即ち、第1層120´は、第1領域の形状に対応してパターニングされている。従って、第1領域及び第2領域R2及び第3領域R3を高い位置精度で形成しておくことにより、優れた位置精度で形成された第1層120´を得ることができる。
なお、図19乃至図22を参照しながら説明した方法では、反射材料層120のうち第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域に対応した部分は、マスク層130によって被覆されている。それゆえ、上記のエッチング処理を行った場合でも、当該部分の膜厚は、殆ど又は全く減少しない。即ち、この平均膜厚は、例えば5nm乃至500nmの範囲内にあり、典型的には30nm乃至300nmの範囲内にある。
なお、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3と第2領域R2との境界と、第1層120´の輪郭との最短距離の最大値は、例えば20μm未満とし、好ましくは10μm未満とし、より好ましくは、3μm未満とする。
第2層130´は、例えば、気相堆積法により形成される層である。第2層130´は、第1層120´を被覆している。第2層130´は、第1層120´を間に挟んで、第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2及び第3領域R3のうち第1領域及び第2領域の全体のみと向き合っている。即ち、第1層120´の輪郭のレリーフ構造形成層110の主面への正射影は、その全体が第2層130´の輪郭の上記主面への正射影と重なり合っている。また、第3領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第2材料の量の比は、ゼロである。
第2層130´のうち第1領域及び第2領域に対応した部分の平均膜厚は、マスク層130のうち第1領域及び第2領域に対応した部分の平均膜厚と等しいか又はより小さい。この平均膜厚は、例えば0.3nm乃至200nmの範囲内にあり、典型的には3nm乃至80nmの範囲内にある。
第2層130´は、例えば、第1層120´を保護する役割を担っている。また、第2層130´を設けると、第2層130´が存在しない場合と比較して、表示体200の偽造をより困難とすることができる。
上記したように本実施形態に係る表示体200においては、第3領域R3に対してエッチングを行うことにより、反射層が除去されている。すなわち、表示体200を透過光によって観察する条件において、反射層を有する部分と反射層が除去された部分により、透かし画像(Watermark picture)が表示される。また、透かし画像を表示するための第3領域R3は、フルカラー画像を表示するための第1領域とはそれぞれ別の画像を表示するように形成することができるため、回折光によるフルカラー画像と透かしによる透過画像で、異なる画像を表示することができる表示体とすることができ、より高い偽造防止効果を実現することが可能となる。
より具体的な例として、図16、図17では画素PEに、サブ画素として赤色の回折光を表示するSR1を含む赤色表示用画素PER、緑色の回折光を表示するSR2を含む緑色表示用画素PEG、青色の回折光を表示するSR1を含む青色表示用画素PEB及び光透過領域SRW(R2)を有する透かし表示用画素PEWを有する。すなわち、1画素PE中のSR1、SR2、SR3の割合でその画素の回折光の色味が決まり、また、SRWの割合でその画素の透過光の量が決まる。
画素PEの各サブ画素のサブ領域SR1、SR2、SR3、SRWはそれぞれ任意の面積で形成することができ、一部又は全部省略してもよい。
例えばある画素において図23に示すように赤色表示用画素PERにSR1が形成され、緑色表示用画素PEG、青色表示用画素PEB、光透過領域SRWにはR2しかない場合、この画素は斜め方向から観察する条件において赤い回折光を表示すると共に光は透過しないものとなる。図24の例では、赤色表示用画素PER、緑色表示用画素PEG、青色表示用画素PEBに、それぞれSR1、SR2、SR3が略等しい面積で全面に形成され、透かし表示用画素PEWの全面に光透過領域SRWが形成されており、この画素では斜め方向から観察する条件において最大輝度の白色回折光を表示すると共に、比較的多くの光を透過するものとなる。
このようにすることで、例えば図25の表示においては、SR1、SR2、SR3とSRWを独立して制御できるため、図26に示す回折光による画像と図27に示す透かしによる画像で異なる画像を表示することができる。なお図26の画像が形成されている部分の画素PEには画像に対応したSR1、SR2、SR3による回折構造が形成されており、それ以外の部分の画素PEにはSR1、SR2、SR3は形成されていない。そして図27の画像が形成されている部分の画素PEにはSRWは形成されておらず、それ以外の部分の画素PEにはSRWを形成しているため、透かした時に光が遮蔽される画素による画像が確認できる。
なお、上では、反射材料層120が第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)及び第2領域R2及び第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有しており、マスク層130のうち第1領域に対応した部分がこの第1領域及び第2領域の表面形状に対応した表面形状を有しており、マスク層130のうち第3領域R3に対応した部分が第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口している構成について説明したが、これら層の構成はこれには限られない。
例えば、反射材料層120とマスク層130との双方が第1領域及び第2領域R2及び第3領域R3の表面形状に対応した表面形状を有した構成を採用してもよい。この場合、先に述べたように、反射材料層120及びマスク層130のうち第3領域R3に対応した部分は、それぞれ、これら層のうち第1領域に対応した部分と比較して、平均膜厚がより小さい。
一般に、マスク層130のうち平均膜厚がより小さい部分は、平均膜厚がより大きい部分と比較して、反応性ガス又は液を透過させ易い。また、反応性ガス又は液と第2材料とが反応し、この反応の生成物がマスク層130から直ちに除去される場合には、第3領域R2上でのみマスク層130を開口させることができる。
従って、この場合においても、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図16乃至図18に示す表示体200を製造することが可能である。
或いは、反射材料層120とマスク層130との双方が、第1領域及び第2領域R2に対応した部分では第1領域及び第2領域R2の表面形状に対応した表面形状を有しており、第3領域R3に対応した部分では第3領域R3に設けられた複数の凹部又は凸部の配置に対応して部分的に開口している構成を採用してもよい。この場合において、エッチング液の濃度及び温度並びにエッチングの処理時間等を調整することにより、図16乃至図18に示す表示体200を製造することが可能となる。
また、上では、反射材料層120及びマスク層130のうち第3領域R3に対応した部分を完全に除去する場合について説明したが、これら部分の一部が残存するようにしてもよい。例えば、エッチング処理に供する時間をより短くすることにより、第3領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第1材料の量の比が、ゼロより大きく且つ第1領域(第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3)の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第1材料の量の比と比較してより小さくなるようにしてもよい。或いは、同様にして、第3の領域R3の見かけ上の面積に対する第3領域R3の位置における第2材料の量の比が、ゼロより大きく且つ第1領域の見かけ上の面積に対する第1領域の位置における第2材料の量の比と比較してより小さくなるようにしてもよい。
また、上では、反応性ガス又は液としてエッチング液を使用する場合について説明したが、反応性ガス又は液はこれには限られない。例えば、反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を気化させ得るエッチングガスを使用してもよい。
或いは、反応性ガス又は液として、第1材料との反応により、反射材料層120の一部を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させ得るガス又は液を使用してもよい。この場合、例えば、反射材料層120のうち第3領域R3に対応した部分を除去する代わりに、当該部分を第1材料とは異なる材料からなる層に変化させることが可能となる。
このような反応性ガス又は液としては、例えば、第1材料を酸化させ得る酸化剤を使用することができる。この酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、若しくはハロゲン、又は、二酸化塩素、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、次ハロゲン酸、過ハロゲン酸、及びその塩などのハロゲン化物、過酸化水素、過硫酸塩類、ペルオキソ炭酸塩類、ペルオキソ硫酸塩類、及びペルオキソリン酸塩類などの無機過酸化物、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過蟻酸、過酢酸、及び過安息香酸などの有機過酸化物、セリウム塩、Mn(III)、Mn(IV)及びMn(VI)塩、銀塩、銅塩、クロム塩、コバルト塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、過フタル酸マグネシウム、塩化第二鉄、及び塩化第二銅などの金属又は金属化合物、又は、硝酸、硝酸塩、臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、及びヨウ素酸塩などの無機酸若しくは無機酸塩を使用する。
例えば、反射材料層120の材料としてCuを使用した場合、反射材料層120のうち少なくとも第3領域R3に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をCu酸化物からなる層に変化させることができる。或いは、反射材料層120の材料としてAlを使用した場合、反射材料層120のうち少なくとも第3領域R3に対応した部分を酸化剤と反応させることにより、当該部分をベーマイト等のAl酸化物からなる層に変化させることができる。
或いは、上記の反応性ガス又は液として、反射材料層120の材料を還元させ得る還元剤を使用してもよい。この還元剤としては、例えば、硫化水素、二酸化硫黄、フッ化水素、アルコール、カルボン酸、水素ガス、水素プラズマ、遠隔水素プラズマ、ジエチルシラン、エチルシラン、ジメチルシラン、フェニルシラン、シラン、ジシラン、アミノシラン、ボラン、ジボラン、アラン、ゲルマン、ヒドラジン、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、1−n−ブチル−1−フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−ナフチルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、アセチルヒドラジン又はベンゾイルヒドラジンを使用する。
なお、図19乃至図22を参照しながら説明した方法において、エッチング処理等によって第1層120´を形成した後、第2層130´を除去してもよい。この第2層130´の除去は、例えば、第1材料と第2材料とのイオン化傾向の差異に基づいた第1材料のイオン化が懸念される場合に有効である。
ここで、図16、図17及び図18に示す第3領域R3に設けられている複数の凹部又は凸部として採用可能な構造は、前述した第1の実施形態において説明した図9に示す構造と同様である。
即ち、第3領域R3には、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凸部が設けられている。
なお、第3領域R3に設けられている複数の凹部又は凸部の中心間距離は、上記したように100乃至500nmの範囲内である。つまり、本実施形態においては、第3領域R3の部分(つまり、エッチングされる部分)に表面積の大きいクロスグレーティングが形成され、上記したように当該クロスグレーティング部分の金属反射層のみが除去される。
表示体200には、種々の変形が可能である。
例えば、図9には、第3領域R3が各々が円錐形状からなる複数の凸部を備えている場合を描いているが、当該第3領域R3に設けられる複数の凹部又は凸部の構成は、これには限られない。
例えば、第3領域R3に設けられている複数の凹部又は凸部は、四角錐形状又は三角錐形状を有していてもよい。また、これら複数の凹部又は凸部は、切頭錐形状を有していてもよい。或いは、これら複数の凹部又は凸部は、底面積が異なる複数の四角柱をその底面積が大きなものから順に積み重ねた構造を有していてもよい。なお、四角柱の代わりに、円柱や三角柱などの四角柱以外の柱状体を積み重ねてもよい。
また、図9には、複数の凸部が正方格子状に配列している場合を描いているが、複数の凹部又は凸部の配列様式は、これには限られない。例えば、これら複数の凹部又は凸部は、矩形格子状又は三角格子状に配列していてもよい。
また、図15には、複数の画素PEが矩形格子状に配列している場合を描いているが、複数の画素PEの配列様式は、これに限られない。例えば、これら複数の画素PEは、三角格子状に配列していてもよい。
以上において説明した表示体200は、例えば、粘着ステッカ、転写箔、又はスレッドの一部として使用してもよい。或いは、この表示体200は、ティアテープの一部として使用してもよい。
転写箔としては、例えば表示体200を剥離可能に支持した支持体層とを備えている。一例として、表示体200の前面と支持体層との間に剥離層が設けられており、表示体200の背面上に接着層が設けられているものが挙げられる。
支持体層は、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートである。支持体層の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は塩化ビニル樹脂を使用する。
剥離層は、転写箔を被転写体に転写する際の支持体層の剥離を容易にする役割を担っている。剥離層の材料としては、例えば、樹脂を使用する。剥離層は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス及びシリコーンなどの添加剤を更に含んでいてもよい。なお、剥離層の厚みは、例えば0.5μm乃至5μmの範囲内とする。
接着層の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤及び感熱接着剤などの接着剤を使用する。
反応硬化性接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン及びアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、又は、エポキシ樹脂を使用する。
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂及びウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス型接着剤を使用する。
ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂及びポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用する。
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基及びビニル基などのビニル系官能基を1個又は複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用する。例えば、電子線硬化型接着剤として、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレート又はポリエーテルメタクリレートと、接着付与剤との混合物を使用することができる。この接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレート若しくはその誘導体、又は、カルボキシ基を含んだアクリレート若しくはその誘導体を使用する。
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を使用する。
接着層は、例えば、上述した樹脂を、グラビアコータ、マイクログラビアコータ及びロールコータなどのコータを用いて表示体200の背面上に塗付することにより得られる。
この転写箔は、例えば、ロール転写機又はホットスタンプによって、被転写体に転写される。この際、剥離層において剥離を生じると共に、表示体200が、被転写体に、接着層を介して貼付される。
また本実施形態に係る表示体200は、物品に組み込み、表示体付き物品として用いることができる。例えば、表示体付き物品の一例として、カード基材を含むカードがある。
基材は、例えば、プラスチックや紙基材からなるが、本実施形態では透過光によっても観察するため、少なくとも一部または全部が光透過性の基材を用いることが好ましい。
基材上には、印刷層が形成されている。基材の印刷層が形成された面には、上述した表示体200が、例えば粘着層を介して固定されている。表示体200は、例えば、粘着ステッカとして又は転写箔として準備しておき、これを印刷層に貼り付けることにより、基材に固定する。
このカードは、上述した表示体200を含んでいる。それゆえ、このカードは、偽造防止効果に優れている。このカードは、表示体200に加えて、印刷層を更に含んでいる。従って、表示体200の光学効果を印刷層のそれと比較することにより、表示体200の光学効果を際立たせることができる。
カードとしては磁気カードや、IC(integrated circuit)カード、無線カード及びID(identification)カードなどの他のカードであってもよい。
また或いは、カード以外の商品券及び株券などの有価証券からなる表示体付き物品であってもよい。或いは、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグ、ラベルであってもよい。或いは、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
また、表示体200は基材に貼り付けてもよいが、例えば、基材として紙を使用した場合、表示体200を紙に漉き込み、表示体200に対応した位置で紙を開口させてもよい。
なお、本実施形態では透過光によっても観察するため、基材として光透過性の材料を使用するのが好ましい。この場合、その内部に表示体200を埋め込んでもよく、基材の裏面、即ち表示面とは反対側の面に表示体200を固定してもよい。
表示体200は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、表示体200は、玩具、学習教材、及び装飾品などとしても利用することができる。
(実施例)
まず、斜め方向から観察する条件及び透過光によって観察する条件の各々において所望の像を表示可能とする描画データを作成した。なお、透かし部分(つまり、第3領域R3)については2000本/mmのクロスグレーティングで描画するデータを作成した。そして、電子線レジスト上に、上記データに対応した形状を、電子線を用いて描画した。このレジストを現像し、所望の凹部又は凸部を形成した。その後、気相堆積法により導電層を成膜し、ニッケルスパッタで各凹部又は凸部の表面に導通をとり、ニッケル電鋳により金型を作製した。このようにして、版を作製した。
次に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるレリーフ構造形成層110の上に、アクリル樹脂からなる剥離層を塗付した。この剥離層の厚みは、1μmであった。次いで、その上に、成形加工用の樹脂からなる層を塗付した。この層の厚みは、1μmであった。このようにして、原反を作製した。
続いて、上記原反の樹脂からなる層側の面に、例えば100℃の熱及び1MPaの圧力で加熱及び加圧しながら版を押し付けた。このようにして、一方の主面に複数の凹部又は凸部を備えたレリーフ構造形成層110を得た。
なお、第1サブ領域SR1に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を870nmとした。第2サブ領域SR2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を765nmとした。第3サブ領域SR3に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を745nmとした。また、第2領域R2に対応する部分では平坦な形状とした。そして、第3領域R3に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離を250nmとした。
次いで、レリーフ構造形成層110の上に、アルミニウムを蒸着させた。このようにして、反射材料層120を得た。この反射材料層120の厚みは、50nmであった。
続いて、反射材料層120の上に、MgF2を蒸着させた。このようにして、マスク層130を得た。このマスク層130の厚みは、20nmであった。
次に、NaOH(5%、50℃)溶液中に浸漬して、エッチングを行った。このようにして、第1層120´及び第2層130´を得た。
その後、アクリル系樹脂からなる接着剤を、グラビアコーティング法でアルミニウムの蒸着面に2μmの厚さで塗付した。このようにして、接着層54を形成した。以上のようにして、転写箔を得た。
次いで、この転写箔を用いて、表示体200の被転写体への転写を行った。この被転写体としては、光透過性のある被転写用紙を用いた。また、転写は、150℃の温度及び10MPaの圧力で行った。このようにして、表示体付き物品として、表示体200が貼付された紙を得た。
この紙について、斜め方向から観察を行った。その結果、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2及び第3サブ領域SR3からの回折光により、写真画質のフルカラーホログラム画像を観察することができた。続いて、この紙について、透過光による観察を行った。その結果、第3領域R3の分布に基づいた透かし画像を観察することができた。
即ち、この表示体200を用いると、斜め方向から観察する条件においてはフルカラーホログラム画像を観察することができると共に、透過光によって観察する条件において別の透かし画像を観察することができるため、より高い偽造防止効果を実現することができた。
なお、上述した第1及び第2の実施形態に係る表示体において、他のパターンが同一面に更に形成されるような構成とすることも可能である。具体的には、レリーフ型の回折格子からなる回折格子パターンを更に形成することができる。この回折格子パターンは、照明光を照射することにより回折波を生じる構造である。
また、光散乱により像を表示するパターン(以下、光散乱パターンと表記)を更に形成しても構わない。この光散乱パターンでは、レリーフ構造形成層110と反射材料層120との界面に、方向の揃った複数の直線状の凸部及び/又は凹部が各々に形成され、当該方向が互いに異なる複数の領域(以下、光散乱領域と表記)を含むパターンが形成される。この複数の領域を法線方向から照明した場合、この領域は、直線状の凸部及び/又は凹部の長手方向に垂直な面内には最も広い射出範囲で散乱光を射出し、直線状の凸部及び/又は凹部の長手方向に平行であり且つ先の領域の主面に垂直な面内には最も狭い射出各範囲で散乱光を射出する。
ここで、図28を参照して、複数の光散乱領域で得られる視覚効果について説明する。図28は、光散乱領域の一例を概略的に示す平面図である。図28に示す光散乱領域300は、複数の光散乱構造310を含んでいる。これら光散乱構造310は、各々が直線状であり、各光散乱領域300内で方向が揃った複数の凸部及び/又は凹部である。すなわち、各光散乱領域300において、光散乱構造310はほぼ平行に配列している。
なお、各光散乱領域30において、光散乱構造310は完全に平行に配列していなくてもよい。光散乱領域300が十分な光散乱能異方性を有している限り、その光散乱領域300において、例えば、一部の光散乱構造310の長手方向と他の一部の光散乱構造310の長手方向とが交差していても良い。以下、光散乱領域300の主面に平行な方向のうち、光散乱領域300が最小の光散乱能を示す方向を「配向方向」と呼び、光散乱領域300が最大の光散乱能を示す方向を「光散乱軸」と呼ぶ。
図28に示す光散乱領域300では、矢印320で示す方向は配向方向であり、矢印330で示す方向は光散乱軸である。例えば配向方向320に垂直な斜め方向から光散乱領域300を証明して、光散乱領域300を正面から観察すると、光散乱領域300は、その高い光散乱能に起因して、比較的明るく見える。一方、光散乱軸330に垂直な斜め方向から光散乱領域300を証明して、光散乱領域300を正面から観察すると、光散乱領域300は、その低い光散乱能に起因して、比較的暗く見える。
これから明らかなように、例えば、光散乱領域300を斜め方向から照明して、これを正面から観察した場合、光散乱領域300をその法線方向の周りで回転させると、その明るさが変化する。それゆえ、例えば、上記した複数の光散乱領域(例えば、2つの光散乱領域)に同一の構造を採用し、それらの領域間で光散乱軸330の方向のみを異ならしめた場合、一方の領域が最も明るく見えるときには他方の領域は比較的暗く見え、当該一方の領域が最も暗く見えるときには当該他方の領域は比較的明るく見える。
すなわち、2つの光散乱領域で光散乱軸330を異ならしめることにより、それらの間に明るさの差を生じさせることができる。したがって、これにより、像を表示することができる。特に、2つの光散乱領域の光散乱軸330の角度差を十分とする(例えば、30°以上)、あるいはそれぞれの光散乱異方性を十分大きくすることにより、それぞれの領域で表示された像をそれぞれ別の観察条件で観察することができる。
なお、ここでは簡単に説明したが、上記した光散乱パターンとしては特開2008−107472号公報に公開されているものを用いることができる。
更に、上面が基材面と略平行である複数の凸部、又は底面が基材面と略平行である複数の凹部と、基材面と略平行な平坦部が配置されて構成されたパターン(以下、構造色OVDパターンと表記)が更に形成されても構わない。このパターンによれば、照明光の入射に応じて複数の波長の光から構成される色を表示可能である。つまり、レリーフ型の回折格子パターンのように照明の位置や観察者の位置の変化に応じて虹色に色変化することがなく、当該回折格子を利用した偽造防止媒体とは異なる視覚効果を実現できる。
ここで、表示体の印刷層はインキやトナーにより形成されており、インキやトナーに固有の色相、明度、彩度の発色を成し、照明光の入射角度や観察角度によってその色合いが大きく変化することはない。一方で、構造色OVDパターンが形成された領域は、通常の照明条件下において固有の色を表示でき、条件が変化した際には色変化を呈することができる。機能が異なるこれら2つの層が表示体内に形成されていることで通常の印刷層だけでは実現不可能な特有の視覚効果を付与することができる。
なお、ここでは簡単に説明したが、上記した構造色OVDパターンとしては特開2011−218648号公報に公開されているものを用いることができる。
更に、上述したクロスグレーティングを更に形成することも可能である。このクロスグレーティングによれば、表示体をその法線方向から観察した場合は黒色に見えるが、深い角度では回折光が射出される。このため、通常は黒色に表示された画像が観察角度を変えていくことによって突然光って見えるような特有の視覚効果を付与することができる。なお、クロスグレーティングとしては特開2009−086648号公報に公開されているものを用いることができる。
このように上述した第1及び第2の実施形態に係る表示体に上記したような他のパターンを組み合わせることによってより高い偽造防止効果を実現することができる。