本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)として塩(C1)及び溶剤(D)を含有する。以下、各成分を順に説明する。
〈樹脂(A)〉
樹脂(A)は、好ましくは、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂である。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸の作用により親水性が向上するモノマー(以下「酸可溶化モノマー(a1)」と略称することがある)を重合することによって製造できる。酸可溶化モノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
〈酸可溶化モノマー(a1)〉
酸可溶化モノマー(a1)としては、酸に不安定な基を有するモノマーが挙げられる。ここで「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えばヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、酸素原子(−O−)が3級炭素原子(但し橋かけ環状炭化水素基の橋頭炭素原子を除く)と結合した式(1)で表されるアルコキシカルボニル基(即ち3級アルコール残基を有するエステル結合)が挙げられる。なお以下では、式(1)で表される基を「酸に不安定な基(1)」と略称する。
基(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基を表すか;或いはRa1及びRa2は互いに結合して環を形成していてもよい。なお式(1)中の「*」マークは、基(1)の結合位置を表す。他の化学式でも同様である。
酸に不安定な基(1)としては、例えば1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(基(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基であるもの、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(基(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基であるもの)、及び1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(基(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基であるもの)などが挙げられる。
酸可溶化モノマー(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基(1)とオレフィン性二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。なお本明細書において「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、環式のC5-20脂肪族炭化水素基を有するものが好ましい。環式の脂肪族炭化水素基のような嵩高い構造を有する酸可溶化モノマー(a1)を重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。環式の脂肪族炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基)やシクロアルケニル基(例えばシクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基)などが挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、縮合芳香族炭化水素基を水素化して得られる基(例えばヒドロナフチル基)、橋かけ環状炭化水素基(例えばアダマンチル基、ノルボルニル基)などが挙げられる。橋かけ環状炭化水素基は、その内部に不飽和結合を有していてもよい(例えばノルボルネンイル基など)。さらに下記のような、橋かけ環(例えばノルボルナン環)と単環(例えばシクロヘプタン環やシクロヘキサン環)又は多環(例えばデカヒドロナフタレン環)とが縮合した形状の基、或いは橋かけ環同士が縮合した形状の基も、環式の脂肪族炭化水素基に含まれる。
酸に不安定な基(1)と環式の脂肪族炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、式(a1−1)又は式(a1−2)で表される酸可溶化モノマーが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
式(a1−1)及び式(a1−2)中、La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−、−O−(CH2)k1−CO−O−、−N(Ra8)−(CH2)k1−CO−O−を表し;k1は1〜7の整数を表し;Ra8は、水素原子、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-6脂肪族炭化水素基を表す。但しLa1及びLa2で列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a1−1)及び式(a1−2)のカルボニル基と結合し、右側でアダマンチル基又はシクロへキシル基と結合することを意味する。Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、直鎖状又は分枝鎖状のC1-8脂肪族炭化水素基、或いは環式のC3-10脂肪族炭化水素基を表し;m1は0〜14の整数を表し;n1は0〜10の整数を表す。但しm1又はn1が0であるとは、それぞれ、メチル基が存在しないことを意味する。なお本明細書における化学式は立体異性体も包含する。
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。Ra6及びRa7の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6以下であり、環式の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。Ra6及びRa7の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。Ra6及びRa7の環式の脂肪族炭化水素基としては、例えばシクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基などが挙げられる。Ra8は、好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。
アダマンチル基を有する酸可溶化モノマー(a1−1)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、及び2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
シクロへキシル基を有する酸可溶化モノマー(a1−2)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。
酸に不安定な基(1)とオレフィン性二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有する酸可溶化モノマーであってもよい。酸可溶化モノマー(a1−3)に由来する構造単位を有する樹脂は、嵩高い構造を有するので、レジストの解像度を向上させることができる。さらに酸可溶化モノマー(a1−3)は、樹脂の主鎖に剛直なノルボルナン環を導入してレジストのドライエッチング耐性を向上させることができる。
式(a1−3)中、Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよいC1-3脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基(−COORa13)を表し;Ra13は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-8脂肪族炭化水素基を表し;前記脂肪族炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基で置換されていてもよく;前記脂肪族炭化水素基のメチレン基(−CH2−)は酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換されていてもよい。Ra10〜Ra12は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-12脂肪族炭化水素基を表すか;或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成していてもよく;前記脂肪族炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく;前記脂肪族炭化水素基のメチレン基(−CH2−)は酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換されていてもよい。
Ra9の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。Ra13としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、又は2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
Ra10〜Ra12としては、例えば、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ヒドロキシシクロへキシル基、オキソシクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。Ra10、Ra11及びこれらが結合する炭素が形成する環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
ノルボルネン環を有する酸可溶化モノマー(a1−3)としては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
樹脂(A)は、好ましくは、酸可溶化モノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」と略称することがある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂(A)が酸可溶化モノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸可溶化モノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。またアダマンチル基を有する酸可溶化モノマー(特に酸可溶化モノマー(a1−1))に由来する構造単位を、酸可溶化モノマー(a1)100モル%に対して15モル%以上とすることが好ましい。アダマンチル基を有する酸可溶化モノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という)に由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
〈ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)〉
レジスト組成物をKrFエキシマレーザー露光(248nm)に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、ヒドロキシスチレン類を使用しても、充分な透過率を得ることができる。しかしより短波長のArFエキシマレーザー露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが望ましい。ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
式(a2−1)中、La3は、酸素原子(−O−)、カルボニル基(−CO−)、−N(Ra17)−、直鎖状又は分枝鎖状のC1-17アルカンジイル基、又はこれらの組合せを表し;Ra17は、水素原子、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-6脂肪族炭化水素基を表す。Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。o1は、0〜10の整数を表す。但しo1が0であるとは、メチル基が存在しないことを意味する。
酸素原子(−O−)やC1-17アルカンジイル基等が組み合わさった形状のLa3は、その主鎖を構成する原子数が17個以内であることが好ましい。組合せ形状のLa3としては、例えば
−O−C1-16アルカンジイル−、−C1-16アルカンジイル−O−、−Cj1アルカンジイル−O−Ci1アルカンジイル−(式中、1≦j1、1≦i1、j1+i1≦16、以下同じ);
−CO−C1-16アルカンジイル−、−C1-16アルカンジイル−CO−、−Cj1アルカンジイル−CO−Ci1アルカンジイル−;
−N(Ra17)−C1-16アルカンジイル−、−C1-16アルカンジイル−N(Ra17)−、−Cj1アルカンジイル−N(Ra17)−Ci1アルカンジイル−;
−CO−O−、−CO−O−C1-15アルカンジイル−、−C1-15アルカンジイル−CO−O−、−Ch1アルカンジイル−CO−O−Cg1アルカンジイル−(式中、1≦h1、1≦g1、h1+g1≦15、以下同じ);
−O−CO−、−O−CO−C1-15アルカンジイル−、−C1-15アルカンジイル−O−CO−、−Ch1アルカンジイル−O−CO−Cg1アルカンジイル−;
−O−C1-14アルカンジイル−CO−O−、−CO−O−C1-14アルカンジイル−O−、−CO−O−C1-13アルカンジイル−CO−O−;
などが挙げられる。なおLa3で列挙した−O−C1-16アルカンジイル−等は、左側で式(a2−1)のカルボニル基と結合し、右側でヒドロキシアダマンチル基と結合することを意味する。
La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2)f1−CO−O−、−N(Ra17)−又は−N(Ra17)−(CH2) e1−CO−O−であり(前記式中、Ra17は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、f1及びe1は、それぞれ独立に、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。Ra4は、好ましくはメチル基である。Ra15は、好ましくは水素原子である。Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルが好ましく;3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートがより好ましく;3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートがさらに好ましい。
〈ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)〉
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えばβ−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、或いは単環状のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環、及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、好ましくは式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
式(a3−1)〜式(a3−3)中、La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子(−O−)、カルボニル基(−CO−)、−N(Ra24)−、直鎖状又は分枝鎖状のC1-17アルカンジイル基、又はこれらの組合せを表し;Ra24は、水素原子、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-6脂肪族炭化水素基を表す。Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。Ra21は、C1-4脂肪族炭化水素基を表し、p1は0〜5の整数を表す。Ra22及びRa23は、それぞれ独立にカルボキシ基、シアノ基又はC1-4脂肪族炭化水素基を表し、q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。但しp1、q1又はr1が0であるとは、それぞれ、Ra21、Ra22又はRa23が存在しないことを意味し、p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、互いに同一でも異なってもよい。
La4〜La6としては、La3で説明したものが挙げられる。La4〜La6は、それぞれ独立に、好ましくは−O−、−O−(CH2)d1−CO−O−、−N(Ra24)−、又は−N(Ra24)−(CH2) c1−CO−O−であり(前記式中、Ra24は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、d1及びc1は、それぞれ独立に、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。但しLa4〜La6で列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a3−1)〜式(a3−3)のカルボニル基と結合し、右側でラクトン環と結合することを意味する。Ra18〜Ra20は、好ましくはメチル基である。Ra21は、好ましくはメチル基である。Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−3)としては、例えば以下のものが挙げられる。
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)の中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
〈その他の酸安定モノマー(a4)〉
その他の酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸、又は式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマーなどが挙げられる。
式(a4−3)中、Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよいC1-3脂肪族炭化水素基、シアノ基、カルボキシ基、又はアルコキシカルボニル基(−COORa27)を表すか;或いはRa25及びRa26は互いに結合してカルボニルオキシカルボニル基:−CO−O−CO−を形成し;Ra27は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-36脂肪族炭化水素基を表し;環式の脂肪族炭化水素基のメチレン基(−CH2−)は、酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換されていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(即ちRa27は、3級炭素原子が酸素原子(−O−)と結合するものを含まない)。
Ra25及びRa26の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、などが挙げられる。Ra27の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜8より好ましくは1〜6であり、環式の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜36、より好ましくは4〜12である。Ra27としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(a4−3)としては、例えば2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
好ましい樹脂(A)は、少なくとも、酸可溶化モノマー(a1)、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及びラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)を重合させた共重合体である。この好ましい共重合体において、酸可溶化モノマー(a1)は、より好ましくはアダマンチル基を有する酸可溶化モノマー(a1−1)及びシクロへキシル基を有する酸可溶化モノマー(a1−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有する酸可溶化モノマー(a1−1))であり、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、好ましくはヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)であり、ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種である。樹脂(A)は、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。
樹脂(A)の含有量は、組成物の固形分中80質量%以上であることが好ましい。なお本明細書において「組成物中の固形分」とは、溶剤(D)を除いた組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分、及びこれに対する樹脂(A)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
〈酸発生剤(B)〉
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、DNQ 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
酸発生剤(B)としては、レジスト分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜、使用できる。例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号や、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表されるスルホン酸塩である。
式(B1)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。ペルフルオロアルキル基としては、例えばペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
式(B1)中、Yは、環式のC3-36脂肪族炭化水素基を表す。Yは、見掛け上、メチレン基(−CH2−)が酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換された環式の脂肪族炭化水素基でもよい。即ちYは、例えば環状エーテルの基{メチレン基(−CH2−)が酸素原子(−O−)で置換}、オキソ基を有する環式の脂肪族炭化水素基{メチレン基(−CH2−)がカルボニル基(−CO−)で置換}又はラクトン環の基{隣り合う2つのメチレン基(−CH2−)が、それぞれ、酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換}であってもよい。
Yの環式の脂肪族炭化水素基としては、例えば式(Y1)〜式(Y24)で表される基が挙げられる。
環式の脂肪族炭化水素基は、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
Yは、置換基を有していてもよい。Yの置換基としては、例えばハロゲン原子(但しフッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、オキソ基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基含有C1-12脂肪族炭化水素基、C1-12アルコキシ基、C6-18芳香族炭化水素基、C7-21アラルキル基、C2-4アシル基、グリシジルオキシ基、或いは−(CH2)j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-16脂肪族炭化水素基、或いはC6-18芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。但しj2が0であるとはメチレン基が存在しないことを意味する。)などが挙げられる。Yの置換基である脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基としては、樹脂(A)で説明したものなどが例示できる。ヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、例えばヒドロキシメチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。アシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられる。複数の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
以下、置換基を有するYを例示する。まず脂肪族炭化水素基を有するYとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基を有するYとしては、例えば以下のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基を有するYとしては、例えば以下のものが挙げられる。
−(CH2)j2−O−CO−Rb1基を有するYとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Yは、好ましくは置換基(例えばオキソ基等)を有していてもよいアダマンチル基であり、より好ましくはアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
式(B1)中、Lb1は、単結合、或いは置換基を有していてもよい直鎖状、分枝鎖状又は環式の2価のC1-17飽和脂肪族炭化水素基を表す。2価の飽和脂肪族炭化水素基として、まず直鎖状アルカンジイル基、例えばメチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基が挙げられる。Lb1は、分枝鎖状アルカンジイル基でもよい。分枝鎖状アルカンジイル基としては、例えば、前記直鎖状アルカンジイル基に、見掛け上、直鎖状又は分枝鎖状のC1-4アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を付け加えたものが挙げられる。環式の2価の飽和脂肪族炭化水素基としては、シクロアルカンジイル基(例えばシクロヘキサンジイル基)、2価の橋かけ環状炭化水素基(例えばアダマンタンジイル基)が挙げられる。Lb1の飽和脂肪族炭化水素基の形状は、直鎖状、分枝鎖状及び環式の少なくとも2種を組み合わせたものでもよい。
Lb1の2価の飽和脂肪族炭化水素基は、置換基として、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、C6-18芳香族炭化水素基、C7-21アラルキル基、C2-4アシル基、又はグリシジルオキシ基などを有していてもよい。
Lb1のメチレン基(−CH2−)は、酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換されていてもよい。Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−6)のいずれか、より好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)で表される。なお式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
式(b1−1)、Lb2は、単結合、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-15アルカンジイル基を表す。
式(b1−2)中、Lb3は、単結合、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルカンジイル基を表し;Lb4は、直鎖状又は分枝鎖状のC1-13アルカンジイル基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13以下である。
式(b1−3)中、Lb5は、直鎖状又は分枝鎖状のC1-15アルカンジイル基を表す。
式(b1−4)中、Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、直鎖状又は分枝鎖状のC1-15アルカンジイル基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16以下である。
式(b1−5)中、Lb8は、直鎖状又は分枝鎖状のC1-14アルカンジイル基を表す。
式(b1−6)中、Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-11アルカンジイル基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は12以下である。
これらの中でも連結部(b1−1)が好ましく、Lb2が単結合又はメチレン基(−CH2−)である連結部(b1−1)がより好ましい。
連結部(b1−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
連結部(b1−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
連結部(b1−3)としては、例えば以下のものが挙げられる。
連結部(b1−4)としては、例えば以下のものが挙げられる。
連結部(b1−5)としては、例えば以下のものが挙げられる。
連結部(b1−6)としては、例えば以下のものが挙げられる。
スルホン酸アニオンは、連結部(b1−1)を有するものが好ましく、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)で表されるものがより好ましい。
式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)中、Q1、Q2及びLb2は、前記と同じである。Rb2及びRb3は、それぞれ独立にC1-4脂肪族炭化水素基(好ましくはメチル基)を表す。
次に具体的なスルホン酸アニオンを例示する。まず、無置換のYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオン;又は脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオン;としては、例えば以下のものが挙げられる。
−(CH2)j2−O−CO−Rb1基を有するYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基又はアラルキル基を有するYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
環状エーテルであるYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ラクトン環であるYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
オキソ基を有するYと連結部(b1−1)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
無置換のYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオン;又は脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオン;としては、例えば以下のものが挙げられる。
−(CH2)j2−O−CO−Rb1基を有するYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
環状エーテルであるYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ラクトン環であるYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
オキソ基を有するYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基を有するYと連結部(b1−2)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
無置換のYと連結部(b1−3)とを含むスルホン酸アニオン;又は脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−3)とを含むスルホン酸アニオン;としては、例えば以下のものが挙げられる。
アルコキシ基を有するYと連結部(b1−3)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−3)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
オキソ基を有するYと連結部(b1−3)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−4)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
アルコキシ基を有するYと連結部(b1−4)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基を有するYと連結部(b1−4)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
オキソ基を有するYと連結部(b1−4)とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
上述のもののなかでも、連結部(b1−1)を有する以下のスルホン酸アニオンが好ましい。
次に酸発生剤(B)に含まれるカチオンについて説明する。酸発生剤のカチオンとしては、オニウムカチオン、例えばスルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
式(B1)中のZ+は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される。
式(b2−1)中、Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-30脂肪族炭化水素基、或いはC6-18芳香族炭化水素基を表す。前記直鎖状、分枝鎖状又は環式の脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、及び直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基及びC6-18芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよく;前記環式の脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、C2-4アシル基、及びグリシジルオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよく;前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-36脂肪族炭化水素基、及びC1-12アルコキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
式(b2−2)中、Rb7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12脂肪族炭化水素基、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基を表し、m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。但しm2又はn2が0であるとは、それぞれの置換基が存在しないことを意味し、m2又はn2が2以上のとき、それぞれ、複数のRb7及びRb8は、互いに同一でも異なってもよい。
式(b2−3)中、Rb9及びRb10は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-36脂肪族炭化水素基を表す。Rb11は、水素原子、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-36脂肪族炭化水素基、或いはC6-18芳香族炭化水素基を表す。Rb9〜Rb11の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜12であり、環式の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜36、より好ましくは4〜12である。Rb12は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-12脂肪族炭化水素基、或いはC6-18芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-12脂肪族炭化水素基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基、及びアルキルカルボニルオキシ基(このアルキル基には、環式の飽和脂肪族炭化水素基を含む)よりなり群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Rb9とRb10と、及びRb11とRb12とは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく;これらの環は、環を形成する原子として、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、及びオキソ基と結合した炭素原子(CO)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
式(b2−4)中、Rb13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12脂肪族炭化水素基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基を表す。Lb11は、硫黄原子又は酸素原子を表す。o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0〜2の整数)を表し、q2及びr2は、それぞれ独立に0〜4の整数(好ましくは0〜2の整数)を表し、u2は0又は1を表す。但しo2〜u2のいずれかが0であるとは、それぞれの置換基が存在しないことを意味し、o2〜t2のいずれかが2であるとき、それぞれ、複数のRb13〜Rb18のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
次に式(b2−1)〜式(b2−4)に含まれる置換基を説明する。脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基としては、上述したものを例示できる。好ましい直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基である。好ましい環式の脂肪族炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、及びイソボルニル基である。好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基である。置換基が芳香族炭化水素基である脂肪族炭化水素基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブチトキシ基、tert−ブチトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げられる。Rb9及びRb10が形成する環としては、例えばチオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。Rb11及びRb12が形成する環としては、例えばオキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、式(b2−1−1)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)がさらに好ましい。
式(b2−1−1)中、Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-36脂肪族炭化水素基、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基を表す。前記直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜12であり、環式の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜36である。前記直鎖状、分枝鎖状又は環式の脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、及び直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルコキシ基及びC6-18芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよく;前記環式の脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、C2-4アシル基、及びグリシジルオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。v2〜x2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。但しv2〜x2のいずれかが0であるとは、それぞれ、Rb19〜Rb21が存在しないことを意味し、v2〜x2のいずれかが2以上のとき、それぞれ、複数のRb19〜Rb21のいずれかは、互いに同一でも異なってもよい。
式(b2−1−1)中のRb19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、直鎖状又は分枝鎖状のC1-12アルキル基、或いはC1-12アルコキシ基を表し;v2〜x2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。但しv2〜x2のいずれかが0であるとは、それぞれ、Rb19〜Rb21が存在しないことを意味する。
次に酸発生剤(B)に含まれる具体的なカチオンを例示する。まずカチオン(b2−1−1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
カチオン(b2−2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
カチオン(b2−3)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
カチオン(b2−4)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができるが、アニオン(b1−1−1)〜アニオン(b1−1−9)のいずれかとカチオン(b2−1−1)との組合せ、並びにアニオン(b1−1−3)〜(b1−1−5)のいずれかとカチオン(b2−3)との組合せが好ましい。
好ましい酸発生剤(B1)は、式(B1−1)〜式(B1−16)で表されるものであり、これらの中でもトリフェニルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤(B1−1)、(B1−2)、(B1−6)、(B1−11)、(B1−12)、(B1−13)及び(B1−14)がより好ましい。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは20質量部以下(より好ましくは15質量部以下)である。
〈塩(C1)〉
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物(C)(クエンチャー)として、塩(C1)を含有することを特徴の1つとする。塩(C1)を使用することによって、レジストのパターン形状及びラインエッジラフネスを向上させることができる。
式(C1)中、Rc1〜Rc4は、それぞれ独立に、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C7-18アラルキル基、或いはC6-18芳香族炭化水素基を表し、これらは置換基を有していてもよい。前記直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(即ちアルキル基)の炭素数は、好ましくは1〜7、より好ましくは2〜6である。前記環式の飽和脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜10である。前記アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜10である。前記芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜10である。前記の飽和脂肪族炭化水素基、アラルキル基及び芳香族炭化水素基の水素原子は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基及びC1-6アルコキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよく;前記アミノ基の水素原子は、直鎖状又は分枝鎖状のC1-4アルキル基で置換されていてもよい。前記のアラルキル基及び芳香族炭化水素基の芳香環上の水素原子は、直鎖状、分枝鎖状又は環式のC1-30飽和脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
Rc1等の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などが挙げられる。Rc1等の環式の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、イソボルニル基などが挙げられる。Rc1等のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などが挙げられる。Rc1等の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニルなどが挙げられる。
塩(C1)としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称:コリン)、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。これらの中でも、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド及び(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
塩(C1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。塩(C1)の含有量は、組成物の固形分中0.05質量%以上(好ましくは0.1質量%以上)、2質量%以下(好ましくは1質量%以下)である。
〈その他の塩基性化合物(C)〉
本発明のレジスト組成物は、塩(C1)とは異なる他の塩基性化合物(C)を含有していてもよい。但し本発明の効果を損なわないようにするため、他の塩基性化合物(C)の含有量は、塩(C1)の含有量100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下に制限することが望ましい。また他の塩基性化合物(C)を使用する場合、それと塩(C1)の合計量は、組成物の固形分中、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
他の塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物(例えばアミン)である。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香族環にアミノ基が結合したものや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい他の塩基性化合物(C)として、式(C2)で表される芳香族アミン、特に式(C2−1)で表されるアニリンが挙げられる。
式(C2)中、Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。Rc5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基(好ましくは直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、或いはシクロアルキル基)、或いは芳香族炭化水素基を表す。但し前記脂肪族炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、或いは直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルコキシ基で置換されていてもよく;前記アミノ基は、直鎖状又は分枝鎖状のC1-4アルキル基で置換されていてもよい。前記直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜6程度であり、前記環式の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは5〜10程度であり、前記芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜10程度である。
式(C2−1)中、Rc5及びRc6は、前記と同じである。Rc7は、直鎖状、分枝鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基(好ましくは直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、或いはシクロアルキル基)、直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基、或いは芳香族炭化水素基を表す。但し脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基の水素原子は、式(C2)で説明した置換基を有していてもよい。m3は0〜3の整数を表す。但しm3が0であるとは、Rc7が存在しないことを意味し、m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。Rc7の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は、式(C2)のものと同じであり、Rc7のアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜6程度である。
芳香族アミン(C2)としては、例えば1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンなどが挙げられる。アニリン(C2−1)としては、例えばアニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの中でもジイソプロピルアニリン(特に2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
またその他の塩基性化合物(C)としては、式(C3)〜式(C11)で表される化合物が挙げられる。
式(C3)中のRc8は、式(C2)のRc7で説明したいずれかの基を表す。式(C3)〜式(C8)中の窒素原子と結合するRc9、Rc10、Rc11〜Rc14、Rc16〜Rc19及びRc22は、それぞれ独立に、式(C2)のRc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。式(C7)〜式(C11)中の芳香族炭素と結合するRc20、Rc21、Rc23〜Rc28は、それぞれ独立に、式(C2−1)のRc7で説明したいずれかの基を表す。式(C7)、式(C9)〜式(C11)中のo3〜u3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。但しo3〜u3のいずれかが0であるとは、それぞれの置換基が存在しないことを意味し、o3〜u3のいずれかが2以上であるとき、それぞれ、複数のRc20〜Rc28のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
式(C6)中のRc15は、直鎖状、分枝鎖状又は環式の脂肪族炭化水素基、或いはアルカノイル基を表し、n3は0〜8の整数を表す。但しn3が0であるとは、Rc15が存在しないことを意味し、n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。Rc15の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜6程度であり、Rc15のアルカノイル基の炭素数は、好ましくは2〜6程度である。
式(C7)及び式(C10)のLc1及びLc2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、カルボニル基(−CO−)、イミノ基、チオ基(−S−)、ジチオ基(−S−S−)、又はこれらの組合せを表す。前記2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは2〜6程度である。
化合物(C3)としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
化合物(C4)としては、例えばピペラジンなどが挙げられる。化合物(C5)としては、例えばモルホリンなどが挙げられる。化合物(C6)としては、例えばピペリジン、及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。化合物(C7)としては、例えば2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。化合物(C11)としては、例えばビピリジンなどが挙げられる。
〈溶剤(D)〉
本発明のレジスト組成物は、溶剤(D)を、組成物中90質量%以上の量で含有することを特徴の1つとする。多量の溶剤(D)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(D)の含有量は、組成物中90質量%以上(好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上)、99.9質量%以下(好ましくは99質量%以下)である。溶剤(D)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
溶剤(D)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などを挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
〈その他の任意成分(E)〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の任意成分(E)を含有していてもよい。任意成分(E)に特に限定は無く、レジスト分野で公知の添加剤、例えば増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料などを利用できる。
〈レジストパターンの製造方法〉
レジストパターンの製造方法は、通常、
(1)レジスト組成物を基体上に塗布してレジスト膜を得る工程(以下「塗布工程1」と略称する)と、
(2)レジスト膜をプリベークする工程(以下「プリベーク工程2」と略称する)と、
(3)プリベークしたレジスト膜を露光する工程(以下「露光工程3」と略称する)と、
(4)露光したレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程(以下「ポストエクスポージャーベーク工程4」と略称する)と、
(5)ポストエクスポージャーベークしたレジスト膜をアルカリ現像液で現像してレジストパターンを得る工程(以下「現像工程5」と略称する)と
を含む。以下、各工程を順に説明する。
〈塗布工程1〉
レジスト組成物を塗布するにあたっては、予め、レジスト組成物の各成分を溶剤中で混合した後、ポアサイズが0.2μm以下程度のフィルタでろ過しておくことが望ましい。ろ過することで、レジスト組成物を塗布する際の均一性が向上する。
レジスト組成物が塗布される基体は、用途に応じて適宜選択できる。基体としては、例えばセンサ、回路、トランジスタなどが形成されたシリコンウエハ、石英ウエハなどが挙げられる。
基体上にレジスト組成物の塗膜を形成する方法は、レジスト分野で公知の塗布方法を採用できる。公知の塗布方法の中でも、スピンコート法が好ましい。本発明のレジスト組成物は薄膜レジストの製造に好適であり、プリベーク後のレジスト膜の膜厚が80nm以下(より好ましくは75nm以下、さらに好ましくは70nm以下)になるようにスピンコート法で塗布することがより好ましい。
〈プリベーク工程2〉
プリベークは、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて行われる。プリベークによって、溶剤が除去された組成物層(プリベーク後のレジスト膜)が形成される。プリベーク温度は、例えば、50〜200℃である。プリベーク後のレジスト膜の膜厚は、好ましくは10nm以上(より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは50nm以上)、好ましくは80nm以下(より好ましくは75nm以下、さらに好ましくは70nm以下)である。プリベーク後のレジスト膜の膜厚は、市販の膜厚測定機(例えば大日本スクリーン製「ラムダエース」など)を用いて測定できる。膜厚の測定値のバラツキを抑えるために、下記実施例のようなサンプリング及び平均法を採用することが好ましい。
〈露光工程3〉
プリベーク後のレジスト膜は、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光は、ドライ露光又は液浸露光のいずれでもよい。露光光源は、好ましくはArFエキシマレーザーである。露光機としては、例えば、縮小投影型露光機が用いられる。
〈ポストエクスポージャーベーク工程4〉
露光後のレジスト膜は、露光部の酸による脱保護基反応を促進するために、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク)が行われる。ポストエクスポージャーベーク温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
〈現像工程5〉
ポストエクスポージャーベーク後のレジスト膜は、現像装置でアルカリ現像液を用いて現像される。アルカリ現像液は、レジスト分野で公知のアルカリ性水溶液、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等を使用できる。現像後、超純水でリンスし、基体及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、ArFエキシマレーザー露光用のレジスト組成物、特に、プリベーク後のレジスト膜の膜厚が80nm以下(より好ましくは75nm以下、さらに好ましくは70nm以下)である薄膜ArFエキシマレーザー露光用レジスト組成物として好適である。薄膜レジストの製造に本発明のレジスト組成物を用いれば、レジストのパターン形状やラインエッジラフネスをより一層向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下において、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記がないかぎり質量基準である。
樹脂の重量平均分子量(以下「Mw」と略称する)は、以下の条件のゲル浸透クロマトグラフィーによって求めた値である。
装置;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:「TSKgel Multipore HXL−M」3本+「guardcolumn」(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
化合物の構造は、NMR(GX−270型又はEX−270型;日本電子(株)製)、質量分析(LC:Agilent製1100型、MASS:Agilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)を用いて確認した。
1.樹脂(A)の合成
下記モノマーを用いて樹脂(A1)〜樹脂(A4)を合成した。樹脂(A1)〜樹脂(A4)のモノマーのモル比及びMwを、表1にまとめて示す。
(1)樹脂(A1)の合成
モノマー(a1−1−1)、モノマー(a1−2−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−1)を、モル比30:14:6:20:30の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をモノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1モル%及び3モル%の割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量のメタノール及び水の混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことによって精製し、Mwが約8.1×103である共重合体を収率65%で得た。得られた共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A1)とした。
(2)樹脂(A2)の合成
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−1)を、モル比40:10:20:30の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をモノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1モル%及び3モル%の割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量のメタノール及び水の混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことによって精製し、Mwが約7.8×103である共重合体を収率64%で得た。得られた共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A2)とした。
(3)樹脂(A3)の合成
モノマー(a1−1−3)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して2.06質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルをモノマーの合計モル数に対して4モル%の割合で添加し、これを87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量のメタノール及び水の混合溶媒(3:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことによって精製し、Mwが約1.46×104である共重合体を収率52%で得た。この共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A3)とした。
(4)樹脂(A4)の合成
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をモノマーの合計モル数に対して、それぞれ1モル%及び3モル%の割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノール及び水の混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行なうことによって精製し、Mwが約8.0×103の共重合体を収率60%で得た。得られた共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A4)とした。
2.実施例および比較例
(1)組成物の調製
以下に示す各成分を混合・溶解し、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することによって、化学増幅型フォトレジスト組成物(以下「レジスト組成物」と略称する)を調製した。なお下記比較例2のレジスト組成物は、特許文献1の実施例9のレジスト組成物に対応する。
表2に示す成分は、以下の通りである。
(i)樹脂
上記樹脂(A1)〜(A4)
(ii)酸発生剤
(B1−2):トリフェニルスルホニウム (3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート
(B2):(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム パーフルオロブタンスルホナート
(B3):1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム パーフルオロブタンスルホナート
(iii)塩基性化合物
(C1−1):テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(C1−2):テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド
(C1−3):(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド
(C2−1−1):2,6−ジイソプロピルアニリン
(iv)溶剤
表3に示す組成の溶剤(D1)〜(D6)
(2)特性評価
レジスト組成物から以下のようにしてレジストパターンを製造し、パターン形状及びラインエッジラフネス(LER)を評価した。評価結果を表4に示す。
(i)レジストパターンの製造
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃及び60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで東京エレクトロン(株)製:「クリーントラックACT−12」を用いて、レジスト組成物を有機反射防止膜上にスピンコートした。この際、プリベーク(PB)後のレジスト膜の膜厚が表4に示す膜厚となるように、スピンコート時の回転数を調整した。
スピンコート後に、得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表4のPB欄に記載の温度で60秒間プリベークした。プリベーク後、得られたシリコンウェハを室温まで空冷してから、プリベーク後のレジスト膜の膜厚を10点測定し、その平均値をプリベーク後のレジスト膜の膜厚とした。膜厚の測定箇所は、(1)シリコンウェハと同じ中心を持ち、シリコンウェハの直径の3割の長さを直径とする同心円上で5点;及び(2)シリコンウェハの直径を6分割し、その両端を除く5点;である。膜厚の測定装置は、大日本スクリーン製の「ラムダエース」を用いた。尚、10点の測定箇所の膜厚の振れが0.5nm以内であれば、正常に塗布できたとみなした。
プリベーク後のレジスト膜が形成されたシリコンウェハに、ArFエキシマレーザーステッパー〔FPA5000−AS3;キヤノン(株)製、NA=0.75、2/3Annular〕用い、露光量を段階的に変化させて、ラインアンドスペースパターンに露光した。
露光後、ホットプレート上にて、表4のPEB欄に記載の温度で60秒間ポストエクスポージャーベークを行い、さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
シリコンウェハに形成された現像後のラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、パターン形状及びラインエッジラフネスを評価した。なお現像後のレジスト膜において、線幅100nmのマスクで形成したパターンの線幅が100nmとなる露光量を実効感度とした。
(ii)パターン形状の評価
実効感度で露光した85nmのパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、比較例1を基準(△)とし、比較例1よりもパターン形状が矩形に近いものを○(良好)と、パターン形状が比較例1と同等のものを△と、比較例1よりもパターン形状のトップが丸いもの、トップが張りすぎてT字に近いもの、又は解像性が低下しているものを×(不良)と評価した。
(iii)ラインエッジラフネス(LER)の評価
実効感度で露光した85nmのパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、比較例1を基準(△)とし、比較例1よりも滑らかなものを○(良好)と、比較例1と同等のものを△と、比較例1よりも滑らかでないものを×(不良)と評価した。
実施例1〜13と比較例1及び2との対比から、塩基性化合物として塩(C1)(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、又は(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド)を含有し、溶剤含有量が90質量%以上であるレジスト組成物を用いれば、良好なパターン形状及びラインエッジラフネスを達成できることが分かる。また実施例1〜12と実施例13との対比から、プリベーク後のレジスト膜の膜厚が80nm以下となるようにレジスト組成物を塗布すれば、得られるレジスト膜のパターン形状がより一層良好となる(矩形に近づく)ことが分かる。