JP5581130B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ方式によって冷却と加温の同時運転が可能な冷凍装置に関するものである。
例えば冷凍車には、コンテナ内に区画された2つの室の一方を低温に保ち、他方を高温に保つことによって、保存温度が異なる商品を同時に配送することができるものがある。
ところで、2つの室の一方を低温に保ち、他方を高温に保つために、ラジエータ冷却水の熱を利用する温水加熱装置と従来型の冷凍装置とを組み合わせた冷加温システムを冷凍車に搭載することが従来から行われている。
しかしながら、上記冷加温システムに用いられる温水加熱装置は、専用の設置スペースを必要とする上、キャビン内を暖房するためのラジエータ冷却水を共用するためにキャビン内の暖房能力が不足する等の問題を有している。
そこで、従来型の冷凍装置をベースとして冷媒によって冷却と加温を行うようにしたシステムが特許文献1において提案されている。このシステムは、通常の冷凍サイクルにおける冷媒の蒸発に伴う蒸発潜熱を周囲から奪うことによって一方の室を冷却し、圧縮機から吐出される高温高圧のガス冷媒(ホットガス)をコンデンサと膨張弁をバイパスして室内のエバポレータに導き、該エバポレータでの冷媒の放熱によって他方の室を加温する方式(ホットガス方式)を採用するものである。この場合、冷媒が高圧のまま(凝縮温度が高いまま)エバポレータで放熱すると、該冷媒が凝縮によって液化し、液冷媒が圧縮機に吸い込まれるという不具合が発生するため、冷媒をエバポレータに導く前に減圧手段によって該冷媒を室内温度飽和圧力以下に減圧して凝縮温度を下げ、冷媒の凝縮を防ぐことが行われている。
特開2004−162998号公報
ところが、特許文献1において提案されたシステムにおいては、一方の室を冷却する際には冷媒をコンデンサで凝縮(液化)させ、他方の室を加温する際には冷媒をコンデンサと膨張弁をバイパスして流す方式を採用しているため、冷却と加温を同時に行うことができず、冷却運転と加温運転を交互に行う必要があるために効率が悪いという問題がある。
又、加温時には冷媒の相変化を伴わず、熱源として凝縮潜熱を有効利用することができないために加温能力が低いという問題もある。
更に、加温時に冷媒回路の低圧圧力が設定値以下になるとレシーバから冷媒を冷媒回路へと補給する方式が採用されているが、圧縮機の回転数が大きく変化するとフィードバック制御が遅れ、冷媒が冷媒回路に速やかに補給されない可能性があるという問題もある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、冷却と加温の同時運転が可能であるとともに、冷媒の相変化による潜熱を有効に利用して冷却と加温能力を高めることができる冷凍装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の冷凍装置は、それぞれエバポレータを備えた2つの室と、前記エバポレータに対応して設けられた2つの膨張弁と、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒を凝縮させるコンデンサと、前記コンデンサと前記膨張弁の間に配設されたレシーバと、前記少なくとも一方のエバポレータを通過した冷媒を前記レシーバに戻す冷媒戻しラインと、前記冷媒を前記レシーバから前記圧縮機の低圧側回路に補給する冷媒補給ラインと、を備え、両室の少なくとも一方を冷却する冷却運転と、両室の少なくとも一方を加温する加温運転と、一方の室を冷却し、他方の室を加温する冷加温運転と、の3通りの運転を切り替え可能な冷凍装置であって、前記冷却運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサ、前記レシーバ、少なくとも一方の前記膨張弁、少なくとも一方の前記エバポレータの順に流して両室の少なくとも一方を冷却する冷却回路を構成し、前記加温運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記レシーバと前記膨張弁とをバイパスして2つのエバポレータの少なくとも一方に流すことによって両室の少なくとも一方を加温する加温回路を構成し、前記冷加温運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記レシーバと前記一方の膨張弁とをバイパスして一方のエバポレータに流して液化させることによって一方の室を加温し、前記一方のエバポレータで液化した冷媒を前記冷媒戻しライン及び前記レシーバを経由して他方の膨張弁と他方のエバポレータに流して蒸発させることによって他方の室を冷却する冷加温回路を構成することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記冷媒戻しラインは、前記エバポレータから前記レシーバに向かう冷媒の流れを許容する逆止弁を備え、前記加温回路は、前記少なくとも一方のエバポレータを通過した冷媒を前記圧縮機の低圧側回路に向かう冷媒と前記レシーバに向かう冷媒とに分岐することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記圧縮機の前記低圧側回路に圧力調整弁とアキュムレータとを備え、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記膨張弁をバイパスして各エバポレータに流すバイパスラインに流量調整手段を備え、前記冷却運転、前記加温運転、前記冷加温運転の何れかから他の何れかへ前記圧縮機の運転を停止することなく切り替えることが可能となることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記冷却回路と前記加温回路及び前記冷加温回路を構成する冷媒ラインに複数の開閉弁を設けるとともに、各開閉弁の開閉を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記各室に温度検出手段を設け、各室の設定温度に対して前記温度検出手段によって測定された各室の測定温度に応じて前記制御手段が前記開閉弁を開閉制御することによって、前記冷却運転と、前記加温運転と、前記冷加温運転と、を選択的に行うことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記冷媒補給ラインに開閉弁を設けるとともに、冷媒ラインに前記圧縮機の吸入圧力と吐出圧力を検出する圧力検出手段を設け、前記制御手段は、前記加温運転によって両室を加温する際は一定周期又は前記圧力検出手段によって検出される圧縮機の吸入圧力が設定値以下となったときに前記開閉弁を開いて冷媒を前記レシーバから前記圧縮機の低圧側回路に補給することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記圧縮機から吐出される冷媒の前記コンデンサに向かう流れを断接する開閉弁を設け、前記開閉弁が閉状態にある加温運転又は冷加温運転時に前記圧力検出手段によって検出される圧縮機の吐出圧力が設定値以上となると前記開閉弁を開き、圧縮機の吐出圧力が許容限度値以上となると圧縮機の運転を停止することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、室の冷却は、通常の冷凍装置と同様に冷媒をエバポレータで蒸発させることによってなされ、室の加温は、圧縮機から吐出される高温高圧のガス冷媒(ホットガス)をコンデンサとレシーバと膨張弁をバイパスしてエバポレータへと導き、該エバポレータにおいて冷媒を放熱させることによってなされる(ホットガス方式)。
又、一方の室を冷却し、他方の室を加温する場合には、圧縮機から吐出される冷媒をコンデンサとレシーバと一方の膨張弁をバイパスして一方のエバポレータに流して液化させることによって一方の室を加温し、液化した冷媒を他方の膨張弁と他方のエバポレータに流して蒸発させることによって他方の室を冷却することができる。
この方式は所謂ヒートポンプ方式であって、一方の室ではエバポレータがコンデンサとして機能してガス冷媒を凝縮させる相変化を伴うため、加熱源として大きな凝縮潜熱を有効に利用することができ、室の加温効率を高めることができる。
そして、一方の室のエバポレータで液化した冷媒は冷媒戻しライン及びレシーバを経由して他方の膨張弁によって減圧された後に他方の室のエバポレータに導かれて蒸発するため、周囲から蒸発潜熱を奪って他方の室を効率良く冷却することができる。
このように、本発明では両室間での熱移動と冷媒の相変化に伴う潜熱を利用して冷却と加温を行うヒートポンプ方式を採用するため、熱エネルギを有効利用して冷加温能力を高めることができ、装置の立ち上がり時間を短縮することができる。
そして、冷加温時にはコンデンサを使用せず、コンデンサをバイパスして冷媒を循環させるため、冷却運転と加温運転を同時に行うことができ、冷却と加温を効率良く行うことができる。
また、請求項1記載の発明によれば、冷加温運転時に一方の室のエバポレータで凝縮によって液化した冷媒を冷媒戻しラインを経由してレシーバに貯留し、レシーバから送られる液冷媒を他方の膨張弁によって減圧させた後に他方の室のエバポレータへと流して蒸発させ、他方の室の冷却に供することができ、冷加温運転を安定的に行うことができる。
又、例えば加温運転によって冷媒回路での冷媒の循環量が不足する場合には、レシーバから冷媒を圧縮機の低圧側回路に補給することによって冷媒の循環量の不足を補うことができる。
請求項2記載の発明によれば、冷媒戻しラインに、エバポレータからレシーバに向かう冷媒の流れを許容する逆止弁を備え、加温回路は、少なくとも一方のエバポレータを通過した冷媒を圧縮機の低圧側回路に向かう冷媒とレシーバに向かう冷媒とに分岐するようにしている。このため、加温運転時に少なくとも一方のエバポレータで液化した冷媒の一部がレシーバに向かいレシーバ内に液冷媒を貯留するとともに、レシーバ内の圧力を高圧に保つことにより、圧縮機の低圧側回路の圧力が低下したときに、レシーバ内の冷媒を低圧側回路に安定して供給することができる。
請求項3記載の発明によれば、加温運転時に圧縮機から吐出される冷媒をコンデンサと膨張弁をバイパスしてエバポレータへと流す前に該冷媒の流量を流量調整手段によって制限しつつ減圧することによって、該冷媒の凝縮温度を下げ、エバポレータでの冷媒の凝縮を或る程度抑えることができる。
また、冷却運転、加温運転、冷加温運転の何れかから他の何れかへ圧縮機の運転を停止することなく切り替えることが可能となるので、各室の温度を速やかにそれぞれの設定温度へ近づけることができる。
請求項4及び5記載の発明によれば、各室の設定温度に対して温度検出手段によって測定された各室の測定温度に応じて制御手段が開閉弁を開閉制御することによって、冷却運転と加温運転及び冷加温運転を選択的に行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、加温運転によって両室を加温する際は一定周期又は圧力検出手段によって検出される圧縮機の吸入圧力が設定値以下となったときに冷媒をレシーバから圧縮機の低圧側回路に補給するようにしたため、冷凍機の回転数が大きく変化しても冷媒回路の冷媒循環量が不足するという不具合の発生が防がれる。
請求項7記載の発明によれば、圧縮機から吐出される冷媒のコンデンサに向かう流れを断接する開閉弁を設け、該開閉弁が閉状態にある加温運転又は冷加温運転時に圧縮機の吐出圧力が設定値以上となると開閉弁を開いて冷媒の一部を逃がし、圧縮機の吐出圧力が許容限度値以上となると圧縮機の運転を停止するようにしたため、冷媒回路の異常な圧力上昇が防がれて高い安全性が確保される。
本発明に係る冷凍装置の冷媒回路図(冷却―冷却運転時)である。 本発明に係る冷凍装置の冷媒回路図(加温―加温運転時)である。 本発明に係る冷凍装置の冷媒回路図(冷却―加温運転時)である。 本発明に係る冷凍装置の制御全体の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の前室温調モード判断の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の後室温調モード判断の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の圧力制御の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の加温冷媒チャージ制御の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の電磁弁制御の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る冷凍装置の各運転時の電磁弁の開閉動作を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明に係る冷凍装置の冷媒回路図であり、以下、冷凍装置の基本構成を図1に基づいて説明する。
本実施の形態に係る冷凍装置は冷凍車に搭載されるものであって、主要な機器として圧縮機1、コンデンサ2、レシーバ3、2つの膨張弁4A,4B、2つのエバポレータ5A,5B及びアキュームレータ6を備えている。
上記圧縮機1は不図示のエンジンによって回転駆動されるものであって、その吐出側から延びる冷媒ラインL1は前記コンデンサ2の入口側に接続され、この冷媒ラインL1には圧縮機1の吐出圧力を検出する圧力センサ7と開閉弁である電磁弁V1が設けられている。そして、コンデンサ2の出口側から延びる冷媒ラインL2は前記レシーバ3に接続されており、該冷媒ラインL2にはレシーバ3からコンデンサ2に向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁8が設けられている。
ところで、冷凍車の不図示のコンテナ内には前後に区画された前室Aと後室Bが形成されており、これらの前室Aと後室Bには前記エバポレータ5A,5Bと温度センサ9,10がそれぞれ設置されており、両エバポレータ5A,5Bは並列に接続されている。
而して、前記レシーバ3から延びる冷媒ラインL3は途中から2つの冷媒ラインL4A,L4Bに分岐しており、各冷媒ラインL4A,L4Bは前室Aと後室Bにそれぞれ設置されたエバポレータ5A,5Bの各入口側に接続されている。そして、これらの冷媒ラインL4A,L4Bの各々には開閉弁である電磁弁V4A,V4Bと前記膨張弁4A,4Bがそれぞれ1つずつ設けられている。
又、各エバポレータ5A,5Bの出口側から延びる冷媒ラインL5A,L5Bは1つの冷媒ラインL6に合流しており、冷媒ラインL6は前記アキュームレータ6の入口側に接続されている。そして、冷媒ラインL5A,L5Bには開閉弁である電磁弁V3A,V3Bとアキュームレータ6からエバポレータ5A,5Bに向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁11A,11Bがそれぞれ1つずつ設けられ、冷媒ラインL6には圧力調整弁12が設けられている。又、アキュームレータ6の出口側から延びる冷媒ラインL7は圧縮機の吸入側に接続されており、この冷媒ラインL7には圧縮機1の吸入圧力を検出するための圧力センサ13が設けられている。
他方、前記冷媒ラインL1の圧力センサ7と電磁弁V1との間からは前記コンデンサ2と前記レシーバ3及び前記膨張弁4A,4BをバイパスするバイパスラインL8が分岐しており、このバイパスラインL8は途中から2つのバイパスラインL9A,L9Bに分岐し、これらのバイパスラインL9A,L9Bは前記冷媒ラインL4A,L4Bの各膨張弁4A,4Bと各エバポレータ5A,5Bとの間に接続されている。そして、各バイパスラインL9A,L9Bには開閉弁である電磁弁V2A,V2Bとキャピラリチューブや絞り弁等の流量調節器14A,14Bがそれぞれ各1つずつ設けられている。
又、前記冷媒ラインL5A,L5Bの各エバポレータ5A,5Bと各電磁弁V3A,V3Bとの間からは冷媒戻しラインL10A,L10Bがそれぞれ分岐しており、これらの冷媒戻しラインL10A,L10Bは1つの冷媒戻しラインL11として合流している。そして、冷媒戻しラインL11は前記冷媒ラインL2の前記逆止弁8と前記レシーバ3との間に接続されており、冷媒戻しラインL10A,L10Bには各エバポレータ5A,5Bからレシーバ3に向かう冷媒の流れを許容する逆止弁15A,15Bがそれぞれ設けられている。
更に、レシーバ3の下部からは冷媒補給ラインL12が延びており、この冷媒補給ラインL12は冷媒ラインL6の前記圧力調整弁12と前記アキュームレータ6との間に接続されている。そして、冷媒補給ラインL12には開閉弁である電磁弁V5と流量調節器16が設けられている。
ところで、本実施の形態に係る冷凍装置には制御手段であるコントローラ17が設けられており、このコントローラ17には前記温度センサ9,10と圧力センサ7,13及び電磁弁V1,V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4B,V5がそれぞれ電気的に接続されている。又、コントローラ17には、温度設定値や圧力設定値等の各種運転条件等を入力するための設定部18が接続されている。
而して、本実施の形態に係る冷凍装置においては、
・図1に太線にて示すように、冷媒を圧縮機1、コンデンサ2、レシーバ3、2つの膨張弁4A,4Bの少なくとも一方及び並列に接続された2つのエバポレータ5A,5Bの少なくとも一方及びアキュームレータ6の順に流して前室Aと後室Bの少なくとも一方を冷却する冷却回路(図1は前室Aと後室Bを共に冷却する場合の冷却回路を図示している)と、
・図2に太線にて示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒(ホットガス)をコンデンサ2と膨張弁4A,4Bをバイパスして2つの流量調節器14A,14Bの少なくとも一方、2つのエバポレータ5A,5Bの少なくとも一方及びアキュームレータ6に流すことによって前室Aと後室Bの少なくとも一方を加温する加温回路(図2には前室Aと後室Bを共に加温する場合の加温回路を図示している)と、
・図3に太線にて示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒(ホットガス)をコンデンサ2と一方の膨張弁4A(又は4B)をバイパスして一方のエバポレータ5B(又は5A)に流して液化させることによって後室B(又は前室A)を加温し、液化した冷媒を他方の膨張弁4B(又は4A)と他方のエバポレータ5A(又は5B)に流して蒸発させることによって前室A(又は後室B)を冷却する冷加温回路(図3は前室Aを冷却し、後室Bを加温する場合の冷加温回路を図示している)と、
を選択して冷却運転、加温運転、冷加温運転の何れかを行うことができる。
ここで、コントローラ17によって実行される制御の流れを図4〜図9に示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
先ず、コントローラ17は、前室Aと後室Bの各設定温度と温度センサ9,10によって検出される前室Aと後室Bの各測定温度とを比較して前室Aと後室Bの各温調モードを判断する。
即ち、冷凍装置の運転が開始されると、図4に示すように、コントローラ17は前室Aと後室Bの各設定温度TsF,TsRを読み込み(ステップS1)、温度センサ9,10によってそれぞれ検出された前室Aと後室Bの各測定温度TmF,TmRを読み込む(ステップS2)。そして、前室Aでの測定温度TmFが温度制御幅Tdを加味した設定温度幅(TsF−Td)〜(TsF+Td)の範囲に入っているか否かが判断される(ステップS3)。そして、前室Aでの測定温度TmFが設定温度幅(TsF−Td)〜(TsF+Td)の範囲に入っていない場合(ステップS3での判断結果がNOである場合)には、図5に示す処理(前室温調モード判断)がなされる。
図5に示す前室温調モード判断においては、前室Aが停止(冷却又は加温の停止)であるか否かが判断され(ステップS11)、前室Aが停止でない場合(ステップS11での判断結果がNOである場合)には、前室Aでの測定温度TmFが設定温度の上限値(TsF+Td)を超えているか否かが判断される(ステップS12)。前室Aでの測定温度TmFが設定温度の上限値(TsF+Td)を超えている場合(ステップS12での判断結果がYESである場合)には、前室Aは冷却モードであると判断し(ステップS13)、超えていない場合(ステップS12での判断結果がNOである場合)には、前室Aでの測定温度TmFが設定温度の下限値(TsF−Td)よりも低いために前室Aは加温モードであると判断し(ステップS14)、処理は図4に示すメインルーチンへと移る(ステップS15)。又、前室Aが停止している場合(ステップS11での判断結果がYESで或る場合)には、処理はそのまま図4に示すメインルーチンへと移る(ステップS15)。
以上の処理を経て前室Aでの温調モードの判断がなされると、後室Bについても同様の温調モードの判断がなされる。
即ち、図4に示すように、後室Bでの測定温度TmRが温度制御幅Tdを加味した設定温度幅(TsR−Td)〜(TsR+Td)の範囲に入っているか否かが判断される(ステップS4)。そして、後室Bでの測定温度TmRが設定温度幅(TsR−Td)〜(TsR+Td)の範囲に入っていない場合(ステップS4での判断結果がNOである場合)には、図6に示す処理(後室温調モード判断)がなされる。
図6に示す後室温調モード判断においては、後室Bが停止(冷却又は加温の停止)であるか否かが判断され(ステップS21)、後室Bが停止でない場合(ステップS21での判断結果がNOである場合)には、後室Bでの測定温度TmRが設定温度の上限値(TsR+Td)を超えているか否かが判断される(ステップS22)。後室Bでの測定温度TmRが設定温度の上限値(TsR+Td)を超えている場合(ステップS22での判断結果がYESである場合)には、後室Bは冷却モードであると判断し(ステップS23)、超えていない場合(ステップS22での判断結果がNOである場合)には、後室Bでの測定温度TmRが設定温度の下限値(TsR−Td)よりも低いために後室Bは加温モードであると判断し(ステップS24)、処理は図4に示すメインルーチンへと移る(ステップS25)。又、後室Bが停止している場合(ステップS21での判断結果がYESである場合)には、処理はそのまま図4に示すメインルーチンへと移る(ステップS25)。
次に、コントローラ17は、圧力センサ7,13によって検出される圧縮機1の吸入圧力の測定値Pmlと吐出圧力の測定値Pmhを吸入圧力の設定値Pslと吐出圧力の設定値Pshと比較し、冷媒回路内の冷媒圧力を制御する。
即ち、吐出圧力の測定値Pmhが設定値Pshよりも小さく(Pmh<Psh)、且つ、吸入圧力の測定値Pmlが設定値Pslよりも大きいか否か(Pml>Psl)を判断し(図4のステップS5)、その判断結果がNOである場合には図7に示す圧力制御がなされる。
図7に示す圧力制御においては、吐出圧力の測定値Pmhが設定値Psh以上(Psh≦Pmh)であるか否かが判断され(ステップS31)、判断結果がYESである場合には電磁弁V1が開かれてガス冷媒の一部がコンデンサ2へと流されて圧縮機1の吐出圧力が下げられる(ステップS32)。次に、吐出圧力の測定値Pmhが許容限度値以上であるか否かが判断され(ステップS33)、判断結果がYESである場合には、圧縮機(comp)1が停止されて処理は図4に示すメインルーチンに移る(ステップS35)。又、ステップS33での判断結果がNOである場合には、処理はそのまま図4に示すメインルーチンに移る(ステップS35)。
他方、ステップS31での判断結果がNOである場合(吐出圧力の測定値Pmhが設定値Psh未満である場合)には、吸入圧力の測定値Pmlが設定値Psl以下であることに他ならないため、冷媒回路に冷媒が不足しているものと判断して電磁弁V5を開く(ステップS36)。すると、レシーバ3に貯留されている冷媒が冷媒供給ラインL12からアキュームレータ6の上流の冷媒ラインL6に補給され、その後、処理は図4に示すメインルーチンに移る(ステップS35)。
次に、図4に示すように、冷却運転ユニットが有るか否か(前室A又は後室Bの少なくとも一方が冷却モードと判断されたか否か)が判断され(ステップS6)、その判断結果がNOである場合には、図8に示す加温冷媒チャージ制御がなされる。
図8に示す加温冷媒チャージ制御においては、前室Aと後室Bが共に冷却されておらず、両室A,Bの少なくとも一方が加温されている場合(前室A又は後室Bの少なくとも一方が加温モードと判断された場合)には、一定周期Tm1で電磁弁V5が時間(Tm2−Tm1)だけ開かれ、レシーバ3に貯留されている冷媒が冷媒補給ラインL12から冷媒回路へと補給(チャージ)される。尚、レシーバ3から冷媒供給ラインL12を経て供給される液冷媒は、冷媒供給ラインL12を流れる過程で流量調節器16によって減圧されるため、その一部は蒸発してガス化する。
即ち、先ず、加温運転ユニットが有るか否か(前室A又は後室Bの少なくとも一方が加温モードと判断されたか否か)が判断され(ステップS41)、その判断結果がYESであれば、所定時間Tmlが経過したか否かが判断され(ステップS42)、所定時間Tmlが経過すると(ステップS42での判断結果がYESである場合)、電磁弁V5が閉じているか否かが判断され(ステップS43)、電磁弁V5が閉じている場合(ステップS43での判断結果がYESである場合)には電磁弁V5が開かれる(ステップS44)。尚、ステップS41での判断結果がNOである場合(加温運転ユニットが無い場合)には、処理は図4に示すメインルーチンに移る(ステップS48)。
上述のように電磁弁V5が開かれると(ステップS44)、所定時間Tm2が経過したか否かが判断され(ステップS45)、所定時間Tm2が経過すると(ステップS45での判断結果がYESである場合)、電磁弁V5が閉じられ(ステップS46)、その後、時間Tm1とTm2が共にリセット(Tm1=0、Tm2=0)され(ステップS47)、処理は図4に示すメインルーチンに移る(ステップS48)。
上記加温冷媒チャージ制御がなされると、或いは冷却運転ユニットが有る場合(図4のステップS6での判断結果がYESである場合)には、図4に示すように、運転停止か否かが判断され(ステップS7)、運転停止である場合(ステップS7での判断結果がYESである場合)には、圧縮機(comp)1と不図示のファン及び電磁弁V1以外の全ての電磁弁V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4BがOFFされる(ステップS8)。尚、電磁弁V1は常開弁であって、これへの通電が遮断されると開く。
他方、運転を停止していない場合(ステップS7での判断結果がNOである場合)には、図9に示す電磁弁制御がなされる。
即ち、図5に示す処理フローによって前室Aに対する温調モード判断がなされ、図6に示す処理フローによって後室Bに対する温調モード判断がなされると(ステップS51)、判断された温調モードに従って電磁弁V1,V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4Bが図10に示すように各種運転に対してそれぞれ開閉操作され(ステップS52)、圧縮機(comp)1及び不図示のファンがそれぞれ駆動制御され(ステップS53)、処理は図4に示すメインルーチンに移る(ステップS54)。
ここで、1)冷却運転、2)加温運転、3)冷加温運転、4)運転停止及び5)除霜運転について図1〜図3に示す冷媒回路図と図10に示す電磁弁の開閉動作を参照しながら以下に説明する。
1)冷却運転:
1−1)前室Aと後室Bを共に冷却する冷却−冷却運転:
前室Aと後室Bを共に冷却する場合には、図10に示すように、電磁弁V2A,V2Bを閉じ、他の電磁弁V1,V3A,V3B,V4A,V4Bは全て開く。すると、冷媒は図1に太線にて示す冷却回路を循環する。
即ち、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒ラインL1を通ってコンデンサ2に導入され、コンデンサ2において冷却されて凝縮し、凝縮によって液化した液冷媒は、冷媒ラインL2を通ってレシーバ3へと送られ、レシーバ3から冷媒ラインL3及び冷媒ラインL4A,L4Bを通って流れ、その過程で膨張弁4A,4Bによって減圧される。そして、膨張弁4A,4Bによって減圧された液冷媒は、前室Aと後室Bにそれぞれ設けられたエバポレータ5A,5Bに導入され、各エバポレータ5A,5Bにおいて周囲から蒸発潜熱を奪って蒸発するため、前室Aと後室Bが共に冷却される。そして、蒸発によって前室Aと後室Bの冷却に供された冷媒は、冷媒ラインL5A,L5Bから冷媒ラインL6へと流れてアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引され、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様の冷凍サイクルが繰り返されて前室Aと後室Bが共に冷却される。
1−2)前室Aのみを冷却され、後室Bは停止する冷却−停止運転:
前室Aのみが冷却され、後室Bは停止される場合には、図10に示すように、前記冷却−冷却運転の状態から電磁弁V4Bが閉じられ、コンデンサ2において液化した高圧の液冷媒は、一方の冷媒ラインL4Aを流れる過程で膨張弁4Aによって減圧され、前室Aのエバポレータ5Aにのみに供給される。このため、一方のエバポレータ5Aにおいて冷媒が蒸発して前室Aのみが冷却される。そして、前室Aの冷却に供された冷媒は、冷媒ラインL5Aから冷媒ラインL6へと流れてアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引され、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮される。そして、以後は同様の冷凍サイクルが繰り返されて前室Aのみが冷却される。
1−3)後室Bのみを冷却し、前室Aは停止する停止−冷却運転:
後室Bのみが冷却され、前室Aは停止される場合には、図10に示すように、前記冷却−冷却運転の状態から電磁弁V4Aが閉じられ、コンデンサ2において液化した高圧の液冷媒は、一方の冷媒ラインL4Bを流れる過程で膨張弁4Bによって減圧され、後室Bのエバポレータ5Bにのみに供給される。このため、一方のエバポレータ5Bにおいて冷媒が蒸発して後室Bのみが冷却される。そして、後室Bの冷却に供された冷媒は、冷媒ラインL5Bから冷媒ラインL6へと流れてアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引され、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮される。そして、以後は同様の冷凍サイクルが繰り返されて後室Bのみが冷却される。
2)加温運転:
2−1)前室Aと後室Bを共に加温する加温−加温運転:
前室Aと後室Bを共に加温する場合には、図10に示すように、電磁弁V1とV4A,V4Bを閉じ、他の電磁弁V2A,V2B,V3A,V3Bを開く。すると、冷媒は図2に太線にて示す加温回路を循環し、ホットガス方式によって前室Aと後室Bが共に加温される。
即ち、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、コンデンサ2とレシーバ3及び膨張弁4A,4Bをバイパスして冷媒ラインL1からバイパスラインL8及びL9A,L9Bと冷媒ラインL4A,L4Bを通って前室Aと後室Bの各エバポレータ5A,5Bへと導入されるが、ガス冷媒はバイパスラインL9A,L9Bを通過する際に流量調節器14A,14Bによって流量を制限されつつ減圧され、その凝縮温度が幾分下げられる。
而して、前室Aと後室Bの各エバポレータ5A,5Bに導入されたガス冷媒は、主に放熱によって前室Aと後室Bをそれぞれ加温し、その一部は凝縮によって液化する。このようにエバポレータ5A,5Bでの凝縮によって一部が液化した冷媒は、その一部が冷媒ラインL5A,L5Bと冷媒戻しラインL10A,L10B及びL11を通ってレシーバ3へと導かれ、レシーバ3に液冷媒が貯留される。又、他の冷媒は冷媒ラインL5A,L5Bから冷媒ラインL6を通ってアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引される。そして、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様のサイクルが繰り返されて前室Aと後室Bが共に加温される。
2−2)前室Aのみを加温し、後室Bは停止する加温−停止運転:
前室Aのみが加温され、後室Bは停止される場合には、図10に示すように、前記加温−加温運転の状態から電磁弁V2Bが閉じられ、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、冷媒ラインL1からバイパスラインL8及びL9Aと冷媒ラインL4Aを通って前室Aのエバポレータ5Aへと導入されるが、ガス冷媒はバイパスラインL9Aを通過する際に流量調節器14Aによって流量を制限されつつ減圧され、その凝縮温度が幾分下げられる。
而して、前室Aのエバポレータ5Aに導入されたガス冷媒は、放熱によって前室Aのみを加温し、その一部は凝縮して液化する。このようにエバポレータ5Aでの放熱によって一部が液化した冷媒は、その一部が冷媒ラインL5Aと冷媒戻しラインL10A及びL11を通ってレシーバ3へと導かれ、レシーバ3に液冷媒が貯留される。又、他の冷媒は冷媒ラインL5Aから冷媒ラインL6を通ってアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引される。そして、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様のサイクルが繰り返されて前室Aのみが加温される。
2−3)前室Aを停止し、後室Bのみを加温する停止−加温運転:
前室Aが停止され、後室Bのみが加温される場合には、図10に示すように、前記加温−加温運転の状態から電磁弁V2Aが閉じられ、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒ラインL1からバイパスラインL8及びL9Bと冷媒ラインL4Bを通って後室Bのエバポレータ5Bへと導入されるが、ガス冷媒はバイパスラインL9Bを通過する際に流量調節器14Bによって流量を制限されつつ減圧され、その凝縮温度が幾分下げられる。
而して、後室Bのエバポレータ5Bに導入されたガス冷媒は、放熱によって後室Bのみを加温し、その一部は凝縮して液化する。このようにエバポレータ5Bでの放熱によって一部が液化した冷媒は、その一部が冷媒ラインL5Bと冷媒戻しラインL10B及びL11を通ってレシーバ3へと導かれ、レシーバ3に液冷媒が貯留される。又、他の冷媒は冷媒ラインL5Bから冷媒ラインL6を通ってアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引される。そして、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様のサイクルが繰り返されて後室Bのみが加温される。
3)冷加温運転:
3−1)前室Aを冷却し、後室Bを加温する冷却−加温運転:
前室Aを冷却し、後室Bを加温する場合には、図10に示すように、電磁弁V1,V2A,V3B,V4Bを閉じ、他の電磁弁V2B,V3A,V4Aを開く。すると、冷媒は図3に太線にて示す冷加温回路(直列回路)を循環し、ヒートポンプ方式によって後室Bを加温し、前室Aを冷却する。
即ち、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、コンデンサ2とレシーバ3及び膨張弁4Bをバイパスして冷媒ラインL1からバイパスラインL8及びL9Bと冷媒ラインL4Bを通って後室Bのエバポレータ5Bへと導入されるが、ガス冷媒はバイパスラインL9Bを通過する際に減圧器14Bによって減圧され、その凝縮温度が幾分下げられる。
而して、後室Bのエバポレータ5Bに導入されたガス冷媒は、コンデンサとして機能するエバポレータ5Bにおいて凝縮と放熱によって後室Bを加温し、その大部分は凝縮によって液化する。
上述のようにエバポレータ5Bでの凝縮によって液化した冷媒は、冷媒ラインL5Bと冷媒戻しラインL10B及びL11を通ってレシーバ3へと導かれ、レシーバ3に液冷媒が貯留される。そして、レシーバ3からは高圧の液冷媒が冷媒ラインL3から冷媒ラインL4Aを通って前室Aのエバポレータ5Aに導入されるが、液冷媒は冷媒ラインL4Aを通過する際に膨張弁4Aによって絞られて減圧される。
上述のように膨張弁4Aによって減圧された液冷媒は、エバポレータ5Aにおいて周囲から蒸発潜熱を奪って蒸発するために前室Aが冷却される。そして、蒸発によって前室Aの冷却に供された冷媒は、冷媒ラインL5Aから冷媒ラインL6へと流れてアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引される。そして、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様のヒートポンプサイクルが繰り返されて前室Aが冷却され、後室Bが加温される。
3−2)前室Aを加温し、後室Bを冷却する加温−冷却運転:
前室Aを加温し、後室Bを冷却する場合には、図10に示すように、電磁弁V1,V2B,V3A,V4Aを閉じ、他の電磁弁V2A,V3B,V4Bを開く。すると、冷媒は冷加温回路(直列回路)を循環し、ヒートポンプ方式によって前室Aを加温し、後室Bを冷却する。
即ち、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、コンデンサ2とレシーバ3及び膨張弁4Aをバイパスして冷媒ラインL1からバイパスラインL8及びL9Aと冷媒ラインL4Aを通って前室Aのエバポレータ5Aへと導入されるが、ガス冷媒はバイパスラインL9Aを通過する際に流量調節器14Aによって流量を制限されつつ減圧され、その凝縮温度が幾分下げられる。
而して、前室Aのエバポレータ5Aに導入されたガス冷媒は、コンデンサとして機能するエバポレータ5Aにおいて凝縮と放熱によって前室Aを加温し、その大部分は凝縮によって液化する。このようにエバポレータ5Aでの凝縮によって液化した冷媒は、冷媒ラインL5Aと冷媒戻しラインL10A及びL11を通ってレシーバ3へと導かれ、レシーバ3に液冷媒が貯留される。そして、レシーバ3からは高圧の液冷媒が冷媒ラインL3から冷媒ラインL4Bを通って後室Bのエバポレータ5Bに導入されるが、液冷媒は冷媒ラインL4Bを通過する際に膨張弁4Bによって減圧される。
上述のように膨張弁4Bによって減圧された液冷媒は、エバポレータ5Bにおいて周囲から蒸発潜熱を奪って蒸発するために後室Bが冷却される。そして、蒸発によって後室Bの冷却に供された冷媒は、冷媒ラインL5Bから冷媒ラインL6へと流れてアキュームレータ6に至り、該アキュームレータ6において気液が分離され、ガス冷媒のみが冷媒ラインL7を流れて圧縮機1に吸引される。そして、ガス冷媒が圧縮機1によって再び圧縮され、以後は同様のヒートポンプサイクルが繰り返されて前室Aが加温され、後室Bが冷却される。
4)運転停止:
運転停止には、前室Aと後室Bにそれぞれ設けられた不図示のサーモスタットによって温調が停止する場合と、冷凍装置の運転終了による停止とがあり、前者の場合には、図10に示すように電磁弁V1とV3A,V3Bが開けられ(電磁弁V1は常開弁であるため、通電OFFにより開く)、他の電磁弁V2A,V2B,V4A,V4Bが閉じられ、後者の場合には電磁弁V1のみが開けられ、他の全ての電磁弁V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4Bが閉じられる。
5)除霜運転:
5−1)前室Aの除霜運転:
前室Aに設置されたエバポレータ5Aに付着した霜を融解させて取り除く場合には、前記加温―停止運転と同じ運転がなされ、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)がエバポレータ5Aに導入され、該ガス冷媒の放熱によって霜が取り除かれる。
5−2)後室Bの除霜運転:
後室Bに設置されたエバポレータ5Bに付着した霜を融解させて取り除く場合には、前記停止−加温運転と同じ運転がなされ、圧縮機1によって圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)がエバポレータ5Bに導入され、該ガス冷媒の放熱によって霜が取り除かれる。
以上において、本実施の形態に係る冷凍装置においては、前室Aと後室Bの一方又は双方の冷却は、通常の冷凍装置と同様に冷媒をエバポレータ5A,5Bの一方又は双方で蒸発させることによってなされ、前室Aと後室Bの一方又は双方の加温は、圧縮機1から吐出される高温高圧のガス冷媒(ホットガス)をコンデンサ2とレシーバ3及び膨張弁4A,4Bをバイパスしてエバポレータ5A,5Bの一方又は双方へと導き、該エバポレータ5A,5Bの一方又は双方において冷媒を放熱させることによってなされる(ホットガス方式)。
又、前室A(又は後室B)を冷却し、後室B(又は前室A)を加温する場合には、圧縮機1から吐出される冷媒をコンデンサ2と一方の膨張弁4B(又は4A)をバイパスして一方のエバポレータ5B(又は5A)に流して液化させることによって後室B(又は前室A)を加温し、液化した冷媒を膨張弁4A(又は4B)とエバポレータ5A(又は5B)に流して蒸発させることによって前室A(又は後室B)を冷却することができる。この方式は所謂ヒートポンプ方式であって、一方の後室B(又は前室A)ではエバポレータ5B(又は5A)がコンデンサとして機能してガス冷媒を凝縮させる相変化を伴うため、加熱源として大きな凝縮潜熱を有効に利用することができ、後室B(又は前室A)の加温効率を高めることができる。
そして、液化した冷媒は膨張弁4A(又は4B)によって減圧された後に他方の前室A(又は後室B)のエバポレータ5A(又は5B)に導かれて蒸発するため、周囲から蒸発潜熱を奪って他方の前室A(又は後室B)を効率良く冷却することができる。このように、本実施の形態に係る冷凍装置では前室Aと後室B間での熱移動と冷媒の相変化に伴う潜熱を利用して冷却と加温を行うヒートポンプ方式を採用するため、熱エネルギを有効利用して冷加温能力を高めることができ、装置の立ち上がり時間を短縮することができる。
又、冷加温時にはコンデンサ2を使用せず、コンデンサ2をバイパスして冷媒を循環させるため、冷却運転と加温運転を同時に行うことができ、冷却と加温を効率良く行うことができる。
更に、本実施の形態に係る冷凍装置では、冷加温運転時に前室A(又は後室B)のエバポレータ5A(又は5B)で凝縮によって液化した冷媒をレシーバ3に貯留し、レシーバ3から送られる液冷媒を膨張弁4B(又は4A)によって減圧させた後に後室B(又は前室A)のエバポレータ5B(又は5A)へと流して蒸発させ、後室B(又は前室A)の冷却に供することができ、冷加温運転を安定的に行うことができる。又、例えば加温運転によって冷媒回路での冷媒の循環量が不足する場合には、電磁弁V5を開いてレシーバ3から冷媒を冷媒補給ラインL12を経て圧縮機1の低圧側回路に補給することによって冷媒の循環量の不足を補うことができる。
又、本実施の形態に係る冷凍装置においては、加温運転時に圧縮機1から吐出される冷媒がコンデンサ2と膨張弁4A,4Bをバイパスしてエバポレータ5A,5Bへと流す前に該冷媒を流量調節器14A,14Bによって流量を制限されつつ減圧するようにしたため、該冷媒の凝縮温度を下げ、エバポレータ5A,5Bでの冷媒の凝縮を或る程度抑えることができる。
更に、本実施の形態に係る冷凍装置によれば、前室Aと後室Bの設定温度に対して温度センサ9,10によって測定された前室Aと後室Bの測定温度に応じてコントローラ17が電磁弁V1,V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4Bを開閉制御することによって、冷却運転と加温運転及び冷加温運転を選択的に行うことができる。
又、本実施の形態に係る冷凍装置においては、加温運転によって前室Aと後室Bを加温する際は一定周期又は圧力センサ13によって検出される圧縮機1の吸入圧力が設定値以下となったときに電磁弁V5を開いて冷媒をレシーバ3から圧縮機1の低圧側回路に補給するようにしたため、冷凍機の回転数が大きく変化しても冷媒回路の冷媒循環量が不足するという不具合の発生が防がれる。
その他、本実施の形態に係る冷凍装置によれば、圧縮機1から吐出される冷媒のコンデンサ2に向かう流れを断接する電磁弁V1を設け、該電磁弁V1が閉状態にある加温運転又は冷加温運転時に圧縮機1の吐出圧力が設定値以上となると電磁弁V1を開いて冷媒の一部を逃がし、圧縮機1の吐出圧力が許容限度値以上となると圧縮機1の運転を停止するようにしたため、冷媒回路の異常な圧力上昇が防がれて高い安全性が確保される。
又、本実施の形態に係る冷凍装置によれば、コンデンサ2とエバポレータ5A,5Bの内部の冷媒を、冷却運転、加温運転、冷加温運転の何れの場合においても、それぞれの内部を通過するときに常に同じ方向に流すようにしたため、温調モードを変更する際に圧縮機1を停止させる必要がなく、且つ、前室A(又は後室B)の温調モードを後室B(又は前室A)の温調モードに関わりなく変更することができ、短時間に走行と停車を繰り返してエンジンを頻繁に停止させる冷凍車の配送等において、エンジンの回転を冷凍装置の運転に有効に利用することができるという効果が得られる。
尚、以上は本発明を冷凍車に搭載される冷凍装置に対して適用した形態について説明したが、本発明は、冷凍車以外に設置される他の任意の冷凍装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
1 圧縮機
2 コンデンサ
3 レシーバ
4A,4B 膨張弁
5A,5B エバポレータ
6 アキュームレータ
7 圧力センサ(圧力検出手段)
8 逆止弁
9,10 温度センサ(温度検出手段)
11A,11B 逆止弁
12 圧力調整弁
13 圧力センサ(圧力検出手段)
14A,14B 流量調節器(流量調整手段)
15A,15B 逆止弁
16 流量調整器
17 コントローラ(制御手段)
18 設定部
L1〜L3 冷媒ライン
L4A,L4B 冷媒ライン
L5A,L5B 冷媒ライン
L6,L7 冷媒ライン
L8 バイパスライン
L9A,L9B バイパスライン
L10A,L10B 冷媒戻りライン
L11 冷媒戻りライン
L12 冷媒補給ライン
V1 電磁弁(開閉弁)
V2A,V2B 電磁弁(開閉弁)
V3A,V3B 電磁弁(開閉弁)
V4A,V4B 電磁弁(開閉弁)
V5 電磁弁(開閉弁)

Claims (7)

  1. それぞれエバポレータを備えた2つの室と、
    前記エバポレータに対応して設けられた2つの膨張弁と、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記冷媒を凝縮させるコンデンサと、
    前記コンデンサと前記膨張弁の間に配設されたレシーバと、
    前記少なくとも一方のエバポレータを通過した冷媒を前記レシーバに戻す冷媒戻しラインと、
    前記冷媒を前記レシーバから前記圧縮機の低圧側回路に補給する冷媒補給ラインと、
    を備え、
    両室の少なくとも一方を冷却する冷却運転と、
    両室の少なくとも一方を加温する加温運転と、
    一方の室を冷却し、他方の室を加温する冷加温運転と、の3通りの運転を切り替え可能な冷凍装置であって、
    前記冷却運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサ、前記レシーバ、少なくとも一方の前記膨張弁、少なくとも一方の前記エバポレータの順に流して両室の少なくとも一方を冷却する冷却回路を構成し、
    前記加温運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記レシーバと前記膨張弁とをバイパスして2つのエバポレータの少なくとも一方に流すことによって両室の少なくとも一方を加温する加温回路を構成し、
    前記冷加温運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記レシーバと前記一方の膨張弁とをバイパスして一方のエバポレータに流して液化させることによって一方の室を加温し、前記一方のエバポレータで液化した冷媒を前記冷媒戻しライン及び前記レシーバを経由して他方の膨張弁と他方のエバポレータに流して蒸発させることによって他方の室を冷却する冷加温回路を構成する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記冷媒戻しラインは、前記エバポレータから前記レシーバに向かう冷媒の流れを許容する逆止弁を備え、
    前記加温回路は、前記少なくとも一方のエバポレータを通過した冷媒を前記圧縮機の前記低圧側回路に向かう冷媒と前記レシーバに向かう冷媒とに分岐することを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記圧縮機の前記低圧側回路に圧力調整弁とアキュムレータとを備え、
    前記圧縮機から吐出される冷媒を前記コンデンサと前記膨張弁をバイパスして各エバポレータに流すバイパスラインに流量調整手段を備え、
    前記冷却運転、前記加温運転、前記冷加温運転の何れかから他の何れかへ前記圧縮機の運転を停止することなく切り替えることが可能なことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
  4. 前記冷却回路と前記加温回路及び前記冷加温回路を構成する冷媒ラインに複数の開閉弁を設けるとともに、各開閉弁の開閉を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷凍装置。
  5. 前記各室に温度検出手段を設け、各室の設定温度に対して前記温度検出手段によって測定された各室の測定温度に応じて前記制御手段が前記開閉弁を開閉制御することによって、
    前記冷却運転と、前記加温運転と、前記冷加温運転と、を選択的に行うことを特徴とする請求項4記載の冷凍装置。
  6. 前記冷媒補給ラインに開閉弁を設けるとともに、冷媒ラインに前記圧縮機の吸入圧力と吐出圧力を検出する圧力検出手段を設け、前記制御手段は、前記加温運転によって両室を加温する際は一定周期又は前記圧力検出手段によって検出される圧縮機の吸入圧力が設定値以下となったときに前記開閉弁を開いて冷媒を前記レシーバから圧縮機の低圧側回路に補給することを特徴とする請求項5記載の冷凍装置。
  7. 前記圧縮機から吐出される冷媒の前記コンデンサに向かう流れを断接する開閉弁を設け、前記開閉弁が閉状態にある加温運転又は冷加温運転時に前記圧力検出手段によって検出される圧縮機の吐出圧力が設定値以上となると前記開閉弁を開き、圧縮機の吐出圧力が許容限度値以上となると圧縮機の運転を停止することを特徴とする請求項6記載の冷凍装置。
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