以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図2乃至図8と図12乃至図20においては、セパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
(実施の形態1)
[燃料電池の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図1においては、一部を省略している。
図1に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池100は、単電池(セル)であり、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)5と、ガスケット6と、アノードセパレータ10と、カソードセパレータ11と、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(電解質層;例えば、米国デュポン(株)製のNafion(商品名))1と、アノード4aと、カソード4bと、を有している。
高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有している。高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するように、アノード4a及びカソード4b(これらをガス拡散電極という)が、それぞれ配設されている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、後述する反応ガス供給用マニホールド孔等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている(図示せず)。
アノード4aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金等の貴金属)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるアノード触媒層2aと、アノード触媒層2aの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3aと、を有している。同様に、カソード4bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金等の貴金属)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるカソード触媒層2bと、カソード触媒層2bの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3bと、を有している。
なお、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質と、分散媒と、を含む触媒層形成用インクを用いて、当該分野で公知の方法により形成することができる。また、アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3bを構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。また、この導電性多孔質基材には、従来公知の方法で撥水処理を施しても構わない。
また、MEA5のアノード4a及びカソード4bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対の環状で略矩形のフッ素ゴム製のガスケット6が配設されている。これにより、燃料ガス、空気や酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット6の周縁部には、後述する反応ガス供給用マニホールド孔等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている。
また、MEA5とガスケット6を挟むように、導電性を有する板状のアノードセパレータ(燃料電池用セパレータ)10とカソードセパレータ(燃料電池用セパレータ)11が配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池100をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ10、11は、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ10のアノード4aと接触する一方の主面には、燃料ガスが通流するための溝状の第1燃料ガス流路(第1反応ガス流路)141と、第1燃料ガス流路に並走するように溝状の第2燃料ガス流路(第2反応ガス流路)142、143が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路9が設けられている。同様に、カソードセパレータ11のカソード4bと接触する一方の主面には、酸化剤ガスが通流するための溝状の第1酸化剤ガス流路(第1反応ガス流路)131と、第1酸化剤ガス流路131と並走するように第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)132、133が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路9が設けられている。
これにより、アノード4a及びカソード4bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路9に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
なお、このように構成された燃料電池100を単電池(セル)として使用してもよく、燃料電池100を複数積層してセルスタックとして使用してもよい。また、燃料電池100を積層する場合には、冷却媒体流路9を単電池2〜3個ごとに設ける構成としてもよい。さらに、単電池間に冷却媒体流路9を設けない場合には、2つのMEA5に挟まれたセパレータを、一方の主面に第1燃料ガス流路141及び第2燃料ガス流路142、143を設け、他方の主面に第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を設けた、アノードセパレータ10とカソードセパレータ11を兼ねるセパレータを使用してもよい。
次に、カソードセパレータ11について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。なお、アノードセパレータ10については、カソードセパレータ11と基本的構成が同じであるため、その詳細な説明は省略する。
[燃料電池用セパレータの構成]
図2は、図1に示す燃料電池100のカソードセパレータ(本発明の実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ)11の概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態1に係るカソードセパレータ11は、板状で、かつ、略矩形に構成されている。カソードセパレータ11の主面の周縁部には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔は、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)21、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)22、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)23、燃料ガスを排出するための燃料ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)24、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給用マニホールド孔25、及び冷却媒体を排出するための冷却媒体排出用マニホールド孔26を構成する。
酸化剤ガス供給用マニホールド孔21は、カソードセパレータ11の一方の側部(図面左側の側部:以下、第一の側部という)の上部に設けられ、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、燃料電池用セパレータの他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部)の下部に設けられている。また、燃料ガス供給用マニホールド孔23は、第2の側部の上部に設けられ、燃料ガス排出用マニホールド孔24は、第1の側部の下部に設けられている。さらに、冷却媒体供給用マニホールド孔25は、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21の上部の第2の側部側に設けられ、冷却媒体排出用マニホールド孔26は、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の下部の第1の側部側に設けられている。
なお、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド22、及び燃料ガス供給用マニホールド孔23と燃料ガス排出用マニホールド24は、それぞれ、カソードセパレータ11の中央部を挟んで互いに対向するように設けられている。ここで、カソードセパレータ11の中央部とは、カソードセパレータ11の外周に対する中央部分をいう。
そして、カソードセパレータ11の一方の主面には、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22を連通するように、溝状の第1酸化剤ガス流路131と、複数(ここでは、2)の溝状の第2酸化剤ガス流路132、133が、カソード4bの主面の全域に酸化剤ガスが供給されるように配設されている。第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132、133は、互いに並走するように形成されている。ここで、並走するとは、複数の酸化剤ガス流路が、互いに並んで設けられていることをいう。すなわち、複数の酸化剤ガス流路のうち1の酸化剤ガス流路を特定し、該特定した酸化剤ガス流路に沿って、他の酸化剤ガス流路が設けられていることをいう。換言すると、複数の酸化剤ガス流路が、その上流端から下流端に向かって、全体として、それぞれの流路を通流する酸化剤ガスの流れる方向が一致するように、複数の酸化剤ガス流路が設けられていることをいう。従って、複数の酸化剤ガス流路が、その上流端から下流端まで完全に並んで設けられている必要がなく、複数の酸化剤ガス流路が、互いに並んで設けられていない部分を有していてもよい。
なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、流路を構成する溝の酸化剤ガスの流れに対して垂直方向の断面積(以下、単に流路の断面積という)が、同じになるように形成されており、第2酸化剤ガス流路132、133のそれぞれが、特定第2反応ガス流路を構成する(以下、単に第2反応ガス流路132、133という)。また、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているため、以下の説明では、第1酸化剤ガス流路131について説明する。
第1酸化剤ガス流路131は、その上流端が酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と連通する略U字状の上流部131a(図2に示す一点鎖線内の流路)と、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通する略U字状の下流部131c(図2に示す二点鎖線内の流路)と、上流部131aの下流端とその上流端が接続され、下流部131cの上流端とその下流端が接続される渦巻状の中流部131bと、から構成され、上流部131aと下流部131cで中流部131bを囲むように形成されている。
ここで、上流部131aは、第1酸化剤ガス流路131のうち、一端を第1酸化剤ガス流路131の上流端である酸化剤ガス供給用マニホールド孔21の接続端とし、他端を式:L1≦L2を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L1は、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aの流路長を示し、L2は、第1酸化剤ガス流路131の全流路長を示す。また、上流部131aの他端は、式:L1≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがより好ましい。
また、下流部131cは、第1酸化剤ガス流路131のうち、一端を第1酸化剤ガス流路131の下流端である酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の接続端とし、他端を式:L3≦L2を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L3は、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cの流路長を示す。また、下流部131cの他端は、式:L3≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがより好ましい。
上流部131aは、第1上流直線部31a、第1上流ターン部31b、第2上流直線部31c、第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31fから構成されている。
第1上流直線部31aは、その上流端が酸化剤ガス供給用マニホールド孔21に連通するように形成されていて、カソードセパレータ11の第1の側部から第2の側部に向かって延びるように(水平方向に延びるように)形成されている。第1上流ターン部31bは、その上流端が第1上流直線部31aの下流端に接続されていて、流路を水平方向からカソードセパレータ11の上下方向に折れ曲げるように形成されている。第2上流直線部31cは、その上流端が第1上流ターン部31bの下流端に接続され、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって延びるように(垂直方向に延びるように)形成されている。第2上流ターン部31dは、その上流端が第2上流直線部31cの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折れ曲げるように形成されている。第3上流直線部31eは、その上流端が第2上流ターン部31dの下流端に接続されていて、第2の側部から第1の側部に向かって水平方向に延びるように形成されている。また、第3上流ターン部31fは、その上流端が第3上流直線部31eの下流端に接続されていて、流路を水平方向からカソードセパレータ11の上下方向に折れ曲げるように形成されている。
中流部131bは、渦巻状に形成されており、具体的には、カソードセパレータ11の周縁部から中央部に向かって収束するように、時計回りに流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに流路が形成されている。
より詳しく説明すると、中流部131bは、上流部131aの第3上流ターン部31fの下流端から、カソードセパレータ11の下部から上部に向かって(以下、上方向という)垂直にある距離延び、そこから、第1の側部から第2の側部に向かって(以下、第2の側部方向)水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって(以下、下方向)垂直にある距離延び、そこから、第2の側部から第1の側部に向かって(以下、第1の側部方向)に水平にある距離延び、そこから、上方向に垂直にある距離延び、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延びて、カソードセパレータ11の中央部に到る。そして、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の下方向に垂直にある距離延び、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延び、そこから、上方向に垂直にある距離延びて、下流部131cの上流端に到る。
下流部131cは、第1下流ターン部31g、第1下流直線部31h、第2下流ターン部31i、第2下流直線部31j、第3下流ターン部31k、及び第3下流直線部31mから構成されている。
第1下流ターン部31gは、その上流端が中流部131bの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折り曲げるように形成されている。第1下流直線部31hは、その上流端が第1下流ターン部31gの下流端に接続されていて、第1の側部方向に水平方向に延びように形成されている。第2下流ターン部31iは、その上流端が第1下流直線部31hの下流端に接続されていて、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げるように形成されている。第2下流直線部31jは、その上流端が第2下流ターン部31iの下流端に接続されていて、下方向に垂直に延びるように形成されている。第3下流ターン部31kは、その上流端が第2下流直線部31jの下流端に接続されていて、流路を垂直方向から水平方向に折り曲げるように形成されている。第3下流直線部31mは、その上流端が第3下流ターン部31kの下流端に接続されていて、第2の側部方向に水平に延びるように形成され、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通するように形成されている。
このように、第1酸化剤ガス流路131は、垂直方向、又は水平方向に延びる直線部と、流路を垂直方向から水平方向、又は水平方向から垂直方向に折り曲げるターン部と、から全体として屈曲するように形成されており、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131に並ぶようにして設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131における後述する第1の部分41と第1酸化剤ガス流路131の下流端の間には、カソードセパレータ11の主面と平行な方向において、第2酸化剤ガス流路132、133が介在しておらず(設けられておらず)、また、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第1酸化剤ガス流路131における後述する第2の部分51との間には、カソードセパレータ11の主面と平行な方向において、第2酸化剤ガス流路132、133が介在している(設けられている)。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aは、第1の部分41を有しており、下流部131cは、第2の部分51を有している。第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第2の部分51との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である。換言すると、第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aのうち、下流部131cとの間の圧力勾配が最も大きい部分(第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから短絡する反応ガスの量が最も多い部分)である。具体的には、本実施の形態においては、上流部131aの第2上流ターン部31dのうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端と近接する部分が、第1の部分41を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131は、第1の部分41を含む連続する部分である第1特定部分81(ここでは、第1酸化剤ガス流路131の上流端から第1の部分41までの部分)の流路の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さくなるように形成されている。具体的には、第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31a、第1上流ターン部31b、第2上流直線部31c、及び第2上流ターン部31dの第1の部分41までの流路の幅が、第2酸化剤ガス流路132、133の流路の幅よりも小さくなるように形成されている。なお、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41を含む連続する部分とは、流路が第1の部分41の上流側及び/又は下流側に連続して形成されている(流路を反応ガスが通流することができる)ことをいう。
これにより、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21から第2酸化剤ガス流路132、133の上流端に供給される酸化剤ガスの流量に比べて少ない流量の酸化剤ガスが、第1酸化剤ガス流路131の上流端に供給される。これは、複数本の反応ガス流路が並走する場合において、反応ガス流路の流路の長さが同じであれば、ガス圧力を一定に保つために、流路の断面積に応じた割合で反応ガスが分配されるため、流路の断面積を小さくすれば、それに応じて、そのガス流路に分配されるガス流量を低下させることができるためである。
そして、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81(上流端から第1の部分41までの部分)を通流する酸化剤ガスの流量が少ないので、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131c(特に、下流端近傍の第3下流直線部31m)に流れ込む(短絡する)酸化剤ガスを低減することができ、燃料ガスとの反応に寄与せずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができる。
さらに、第1酸化剤ガス流路131は、第1特定部分81の断面積(ここでは、流路の幅)が、該第1特定部分81以外の部分の流路の断面積(ここでは、流路の幅)よりも小さくなるように形成されていて、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分の断面積は、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積と実質的に同じになるように形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分を通流する酸化剤ガスの流量を、第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの流量と実質的に同じにすることができ、カソード4bに充分な量の酸化剤ガスを供給することができる。
一方、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における第1の部分41と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分である。換言すると、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における第1の部分41と下流端との間の部分のうち、第1酸化剤ガス流路131における上流端から下流端に向かう方向において、下流端から最も遠い部分であり、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cの中で上流部131aとの圧力勾配が最も大きい部分である。具体的には、本実施の形態においては、下流部131cの第2下流ターン部31iが、第2の部分51を構成する。
[燃料電池の作用効果]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池100の作用効果について、図1及び図2を参照しながら説明する。
上述したように、第1酸化剤ガス流路131における上流部131aの第1特定部分81(特に第1の部分41)を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第1特定部分81と最も近接する第3下流直線部31mを通流する酸化剤ガスとの圧力差により、上流部131aを通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131c(特に、第3下流直線部31m)に流れ込む。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスが短絡するため、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aに流れ込む。そして、第2酸化剤ガス流路132、133から第1酸化剤ガス流路131に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81(特に、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41)に流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の下流部131c(特に、第3下流直線部31m)に流れ込む。
このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の下流部131c(特に、第3下流直線部31m)に短絡することによって、反応に使われないまま酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池100では、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の流路の断面積が、第1酸化剤ガス流路131の該第1特定部分81以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133よりも小さく形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81を流通する酸化剤ガス流量が少ないため、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131c(特に、第3下流直線部31m)に流れ込む(短絡する)酸化剤ガスを低減することができる。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから下流部131cへ短絡する酸化剤ガスを低減することができるため、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、生じる圧力差を低減することができ、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部から第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを介して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cへ短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
このため、第1及び第2酸化剤ガス流路131〜133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
さらに、本実施の形態1に係る燃料電池100では、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積と実質的に同じになるように形成されている。このため、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分を通流する酸化剤ガスの流量は、第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの流量と実質的に同じとなり、カソード4bに充分な酸化剤ガスを供給することができ、燃料電池100は、充分に発電を行うことができる。
このように、本実施の形態1に係る燃料電池100では、反応ガスの短絡を低減し、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の構成が異なる。具体的には、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、その上流端が、第1酸化剤ガス流路131の上流端である点は実施の形態1と同じであるが、その下流端が、第3上流ターン部31fの第1の側部方向に水平に延びて到達した部分である点が異なる。すなわち、本実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ11における第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、第1上流直線部31a、第1上流ターン部31b、第2上流直線部31c、第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31fの水平に延びる流路で構成されている。
このように構成された本実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池であっても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。また、本実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、第1特定部分81が、第1の部分41から下流側の流路(ここでは、第2上流ターン部31dの水平に延びる流路、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31fの水平に延びる流路)の断面積も、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さく形成されている。このため、第1の部分41から下流側の流路を通流する酸化剤ガスが、該第1の部分41から下流側の流路と並走する下流部131cの第3下流直線部31mに短絡するのを低減することができ、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図4に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の上流端が、第1上流ターン部31bの水平方向に延びて到達した部分である点が異なる。すなわち、本実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ11の第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、第1上流ターン部31bの上下方向に延びる流路、第2上流直線部31c、第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31fの水平に延びる流路で構成される。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池であっても、実施の形態2に係る燃料電池と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の下流(ここでは、中流部131b)に、所定の間隔で、第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132と、第2酸化剤ガス流路133と、を互いに連通するように、複数(ここでは、3)の連通用流路61が配設されている点が異なる。
このように構成された本実施の形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、実施の形態2に係る燃料電池の作用効果と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、第2酸化剤ガス流路132、133における第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分と並走する部分を通流した酸化剤ガスが、連通用流路61を通流する。これにより、酸化剤ガスが、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133にほぼ均一に分流される。このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流端で供給された酸化剤ガスの供給量のバラツキを連通用流路61によって、低減することができる。そして、第1及び第2酸化剤ガス流路131〜133を通流する酸化剤ガスのバラツキを低減することにより、酸化剤ガスの利用効率をより改善することができる。
なお、本実施の形態4においては、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通するために、連通用流路61を設ける構成としたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通する窪み部を設け、該窪み部の底面から立設された複数の突起を形成するような構成としてもよい。このような構成とすると、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分と第2酸化剤ガス流路132、133における第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分と並走する部分を流通した酸化剤ガスが、窪み部で合流される。そして、窪み部で合流した酸化剤ガスは、窪み部に縞状に配置された複数の突起により、その流れが乱され、合流した酸化剤ガスの混合が促進され、混合された酸化剤ガスは、窪み部下流端から第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133にほぼ均一に分流される。このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流端で供給された酸化剤ガスの供給量のバラツキを窪み部で低減することができる。
また、本実施の形態4においては、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通するように、連通用流路61を設ける構成としたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132のみを連通するように、連通用流路61や窪み部を設ける構成としてもよい。
さらに、第2酸化剤ガス流路が3本以上設けられている場合、第1酸化剤ガス流路131と、複数の第2酸化剤ガス流路のうち少なくとも第1酸化剤ガス流路131と最も近くに設けられている第2酸化剤ガス流路と、を連通するように、連通用流路61が設けられていれば、連通用流路61の態様は任意である。例えば、連通用流路61は、第1酸化剤ガス流路131と、複数の第2酸化剤ガス流路のうち最も第1酸化剤ガス流路131と離れた位置に設けられた第2酸化剤ガス流路以外の第2酸化剤ガス流路と、を連通するように設けられていてもよい。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図6においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図6に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22が設けられている位置、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成、及び第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第2の側部の上部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第1下流ターン部31g、第1下流直線部31h、第2下流ターン部31i、第2下流直線部31j、第3下流ターン部31k、第3下流直線部31m、第4下流ターン部31n、及び第4下流直線部31pから構成されていて、その上流端から第3下流直線部31mまでは、実施の形態1に係るカソードセパレータ11の第1酸化剤ガス流路131の下流部131cと同じように形成されている。そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第3下流直線部31mの下流端に、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第4下流ターン部31nの上流端が接続され、その下流端には、上方向に垂直に延びる第4下流直線部31pの上流端が接続され、その下流端が、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に連通するように形成されている。なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第1の部分41は、上流部131aにおける第1上流ターン部31bの水平方向に延びて到達した部分となる。また、本実施の形態5に係る燃料電池用セパレータ11における第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、第1上流直線部31aと第1上流ターン部31bの水平方向に延びる流路で構成される。
このように構成された本実施の形態5に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図7においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図7に示すように、本発明の実施の形態6に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の配置される位置、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成、及び第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第1の側部の下部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、略L字状に形成されていて、第1下流ターン部31g、第1下流直線部31h、第2下流ターン部31i及び第2下流直線部31jで構成されている。なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第1の部分41は、上流部131aにおける第3上流ターン部31fの水平方向に延びて到達した部分となる。また、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、第1上流直線部31a、第1上流ターン部31b、第2上流直線部31c、第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31fの水平方向に延びる流路で構成される。
このように構成された本実施の形態6に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図8に示すように、本発明の実施の形態7に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131全体の流路の断面積(ここでは、流路の幅)が、第2酸化剤ガス流路132、133の流路の断面積よりも小さくなるように構成されている。
このように構成された本実施の形態7に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、第1の部分41を含む第1酸化剤ガス流路131全体の流路の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の流路の断面積よりも小さいため、第1酸化剤ガス流路131を通流する酸化剤ガスの流量が第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの流量よりも小さくなる。このため、第1酸化剤ガス流路131の上流部131a(特に、第1の部分41)を通流する酸化剤ガスが、下流部131c(特に、第3下流直線部31m)に短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから下流部131cへ短絡する酸化剤ガスを低減することができるため、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、生じる圧力差を低減することができ、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部から第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを介して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cに短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
このため、第1及び第2酸化剤ガス流路131〜133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
(参考形態1)
図9は、本発明の参考形態1に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図9に示すように、本発明の参考形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の中流部がサーペンタイン状に形成されている点が異なる。以下に、第1酸化剤ガス流路131の中流部131bの構成について説明する。
第1酸化剤ガス流路131の中流部131bは、その上流部131aの下流端から、流路が上方向に延び、そこから、第2の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、上方向にある距離延びつつ、流路を180度ターンさせ、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延びる。そして、この延在パターンを1回繰り返し、そこから、流路が上方向に延び、そこから、第2の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、上方向にある距離延びつつ、流路を180度ターンさせて、下流部131cの上流端に到る。
このように構成された本参考形態1に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態9)
図10は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図10においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図10に示すように、本実施の形態9に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、円板状に形成されており、また、その主面には、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133が2本並走して形成されている。酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、カソードセパレータ11の中心部(中心軸101)を挟んで対向するように設けられている。なお、ここでは、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22をカソードセパレータ11の中心軸を挟んで対向するように設けたが、これに限定されず、これらのマニホールド孔は、カソードセパレータ11の周縁部に配置されていれば、どの位置に設けられてもよい。
第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133は、全体として、渦巻状に形成されており、具体的には、その上流端からカソードセパレータ11の中心部に向かって収束するように、時計回りに弧を描くように流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに弧を描くように流路が形成されている。
また、第1酸化剤ガス流路131は、第1の部分41と第2の部分51を有している。上述したように、第1の部分は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第2の部分51との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の下流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第1の部分41を構成する。また、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における第1の部分41と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の上流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第2の部分51を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81は、第1酸化剤ガス流路131の上流端から1周して到達した部分までで構成されている。
このように構成された本実施の形態9に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図12に示すように、本発明の実施の形態10に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、その下流端から連続する部分である第2特定部分82(ここでは、第3下流直線部31m)の流路の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さくなるように形成されている点が異なる。
具体的には、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82である第3下流直線部31mの流路の幅が、第2酸化剤ガス流路132、133の流路の幅よりも小さくなるように形成されている。
これにより、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aにおける第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)から下流部131cに、酸化剤ガスが短絡しても、第2特定部分82の流路の断面積が小さいために、該第2特定部分82の圧力損失が瞬時に増加する。このため、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aにおける第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)を通流する酸化剤ガスと、第2特定部分82を通流する酸化剤ガスとの圧力差が小さくなり、第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)から短絡する酸化剤ガスを低減することができ、燃料ガスとの反応に寄与せずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができる。
また、第1酸化剤ガス流路131は、第2特定部分82である第3下流直線部31mの断面積(ここでは、流路の幅)が、該第2特定部分82(第3下流直線部31m)以外の部分の断面積(ここでは、流路の幅)よりも小さくなるように形成されていて、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82(第3下流直線部31m)以外の部分の断面積は、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積と実質的に同じになるように形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82(第3下流直線部31m)以外の部分を通流する酸化剤ガスの流量を、第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの流量と実質的に同じにすることができ、カソード4bに充分な量の酸化剤ガスを供給することができる。
[燃料電池の作用効果]
次に、本実施の形態10に係る燃料電池用セパレータ11を有する燃料電池100(本発明の実施の形態10に係る燃料電池)の作用効果について、図12を参照しながら説明する。
上述したように、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aにおける第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第3下流直線部31mを通流する酸化剤ガスとの圧力差により、上流部131aを通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第3下流直線部31mに流れ込む。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスが短絡するため、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aに流れ込む。そして、第2酸化剤ガス流路132、133から第1酸化剤ガス流路131に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aにおける第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)に流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第3下流直線部31mに流れ込む。
このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第3下流直線部31mに短絡することによって、反応に使われないまま酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、本実施の形態10に係る燃料電池100では、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82(第3下流直線部31m)の流路の断面積(ここでは、流路の幅)が、第2酸化剤ガス流路132、133の流路の断面積(ここでは、流路の幅)よりも小さくなるように形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aにおける第2上流ターン部31d、第3上流直線部31e、及び第3上流ターン部31f(特に、第1の部分41)を流通する酸化剤ガスが、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第2特定部分82(第3下流直線部31m)に短絡しても、第2特定部分82の流路の断面積が小さいために、該第2特定部分82の圧力損失が瞬時に増加する。また、第2特定部分82の圧力損失が増加するために、第2特定部分82の上流側の流路(ここでは、第3下流ターン部31k)の圧力損失も増加する。
このため、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスと、第2特定部分82を通流する酸化剤ガスとの圧力差が小さくなり、上流部131a(特に、第1の部分41)から下流部131c(特に、第2特定部分82)に短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131a(特に、第1の部分41)から下流部131c(特に、第2特定部分82)へ短絡する酸化剤ガスを低減することができるため、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、生じる圧力差を低減することができ、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部から第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを介して、下流部131cへ短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
したがって、第1及び第2酸化剤ガス流路131〜133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
また、本実施の形態10に係る燃料電池100では、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積と実質的に同じになるように形成されている。このため、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分を通流する酸化剤ガスの流量は、第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの流量と実質的に同じとなり、カソード4bに充分な酸化剤ガスを供給することができ、燃料電池100は、充分に発電を行うことができる。
このように、本実施の形態10に係る燃料電池100では、反応ガスの短絡を低減し、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図13に示すように、本実施の形態11に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態10に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の構成が異なる。具体的には、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82は、その下流端が、第1酸化剤ガス流路131の下流端である点は実施の形態1と同じであるが、その上流端が、第1酸化剤ガス流路131の第2の部分である点が異なる。すなわち、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82は、第2下流ターン部31i、第2下流直線部31j、第3下流ターン部31k、及び第3下流直線部31mから構成されている。
このように構成された本実施の形態11に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池であっても、実施の形態10に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態12)
図14は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図14に示すように、本実施の形態12に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態11に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の上流(ここでは、第2下流ターン部31i)に、所定の間隔で、第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132と、第2酸化剤ガス流路133と、を互いに連通するように、複数(ここでは、3)の連通用流路61が配設されている点が異なる。
このように構成された本実施の形態12に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、実施の形態11に係る燃料電池の作用効果と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態12に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池では、第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスが、連通用流路61を通流する。これにより、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流端で供給される酸化剤ガスが、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133にほぼ均一に分流される。このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133への酸化剤ガスの供給量のバラツキを低減することができ、酸化剤ガスの利用効率をより改善することができる。
なお、本実施の形態12においては、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通するために、連通用流路61を設ける構成としたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通する窪み部を設け、該窪み部の底面から立設された複数の突起を形成するような構成としてもよい。このような構成とすると、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を流通する酸化剤ガスが、窪み部で合流される。このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流端で供給された酸化剤ガスの供給量のバラツキを低減することができ、酸化剤ガスの利用効率をより改善することができる。
また、窪み部で合流した酸化剤ガスは、窪み部に縞状に配置された複数の突起により、その流れが乱され、合流した酸化剤ガスの混合が促進され、混合された酸化剤ガスは、窪み部の下流端から第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133のそれぞれに分流される。
また、本実施の形態12においては、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133を互いに連通するように、連通用流路61を設ける構成としたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132のみを連通するように、連通用流路61や窪み部を設ける構成としてもよい。
さらに、第2酸化剤ガス流路が3本以上設けられている場合、第1酸化剤ガス流路131と、複数の第2酸化剤ガス流路のうち少なくとも第1酸化剤ガス流路131と最も近くに設けられている第2酸化剤ガス流路と、を連通するように、連通用流路61が設けられていれば、連通用流路61の態様は任意である。例えば、連通用流路61は、第1酸化剤ガス流路131と、複数の第2酸化剤ガス流路のうち最も第1酸化剤ガス流路131と離れた位置に設けられた第2酸化剤ガス流路以外の第2酸化剤ガス流路と、を連通するように設けられていてもよい。
(実施の形態13)
図15は、本発明の実施の形態13に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図15においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図15に示すように、本発明の実施の形態13に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態11に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22が設けられている位置、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成、及び第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第2の側部の上部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第1下流ターン部31g、第1下流直線部31h、第2下流ターン部31i、第2下流直線部31j、第3下流ターン部31k、第3下流直線部31m、第4下流ターン部31n、及び第4下流直線部31pから構成されていて、その上流端から第3下流直線部31mまでは、実施の形態2に係るカソードセパレータ11の第1酸化剤ガス流路131の下流部131cと同じように形成されている。そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第3下流直線部31mの下流端に、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第4下流ターン部31nの上流端が接続され、その下流端には、上方向に垂直に延びる第4下流直線部31pの上流端が接続され、その下流端が、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に連通するように形成されている。なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第1の部分41は、上流部131aにおける第1上流ターン部31bの水平方向に延びて到達した部分となる。また、本実施の形態14に係る燃料電池用セパレータ11における第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82は、第2下流ターン部31i、第2下流直線部31j、第3下流ターン部31k、第3下流直線部31m、第4下流ターン部31n、及び第4下流直線部31pで構成されている。
このように構成された本実施の形態13に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態11係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態14)
図16は、本発明の実施の形態14に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図16においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図16に示すように、本実施の形態14に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態11に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の配置される位置、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成、及び第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第1の側部の下部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、略L字状に形成されていて、第1下流ターン部31g、第1下流直線部31h、第2下流ターン部31i及び第2下流直線部31jで構成されている。なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第1の部分41は、上流部131aにおける第3上流ターン部31fの水平方向に延びて到達した部分となる。また、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82は、第2下流ターン部31iと第2下流直線部31jで構成されている。
このように構成された本実施の形態14に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態11に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(参考形態2)
図17は、本発明の参考形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図17に示すように、本参考形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態10に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の中流部がサーペンタイン状に形成されている点が異なる。以下に、第1酸化剤ガス流路131の中流部131bの構成について説明する。
第1酸化剤ガス流路131の中流部131bは、その上流部131aの下流端から、流路が上方向に延び、そこから、第2の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、上方向にある距離延びつつ、流路を180度ターンさせ、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延びる。そして、この延在パターンを1回繰り返し、そこから、流路が上方向に延び、そこから、第2の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、上方向にある距離延びつつ、流路を180度ターンさせて、下流部131cの上流端に到る。
このように構成された本参考形態2に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態10に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態16)
図18は、本発明の実施の形態16に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図18においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図18に示すように、本実施の形態16に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、円板状に形成されており、また、その主面には、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路が2本並走して形成されている。酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、カソードセパレータ11の中心部(中心軸101)を挟んで対向するように設けられている。なお、ここでは、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22をカソードセパレータ11の中心軸を挟んで対向するように設けたが、これに限定されず、これらのマニホールド孔は、カソードセパレータ11の周縁部に配置されていれば、どの位置に設けられてもよい。
第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133は、全体として、渦巻状に形成されており、具体的には、その上流端からカソードセパレータ11の中心部に向かって収束するように、時計回りに弧を描くように流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに弧を描くように流路が形成されている。
また、第1酸化剤ガス流路131は、第1の部分41と第2の部分51を有している。上述したように、第1の部分は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第2の部分51との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の下流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第1の部分41を構成する。また、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における第1の部分41と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の上流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第2の部分51を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82は、第1酸化剤ガス流路131の第2の部分51から下流端までで構成されている。
このように構成された本実施の形態16に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、実施の形態10に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述した本発明の実施の形態1〜7、及び9においては、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の断面積を第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さくするために、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の流路の幅を第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の流路の幅より小さくするように形成したが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の流路の深さを第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の流路の深さより浅くするように形成してもよい。
また、上述した本実施の形態1〜7、及び9においては、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積を同じにする構成としたが、これに限定されず、流路の断面積をそれぞれ異なるように構成してもよい。また、本発明の作用効果が得られる範囲において、特定第2酸化剤ガス流路の一部の断面積が、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の断面積よりも小さくなるように形成されていてもよく、また、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81以外の部分のうちの一部の断面積が、第1特定部分81の断面積よりも小さくなるように形成されていてもよい。
さらに、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の一部が、特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも大きくなるように形成されていてもよい。例えば、第1酸化剤ガス流路131の第1特定部分81の上流端から、燃料電池用セパレータ11の厚み方向から見て第1特定部分81の触媒層(カソード触媒層2b及び/又はアノード触媒層2a)の端と重なる部分まで、の流路の断面積を特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも大きくして、第1特定部分81の該触媒層の端と重なる部分から、第1特定部分81の下流端までの流路の断面積を特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも小さくなるように形成されていてもよい。
また、例えば、上述した本発明の実施の形態10〜14、及び16においては、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の断面積を第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さくするために、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の流路の幅を第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の流路の幅より小さくするように形成したが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の流路の深さを第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分及び第2酸化剤ガス流路132、133の流路の深さより浅くするように形成してもよい。
また、上述した本実施の形態10〜14、及び16においては、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積を同じにする構成としたが、これに限定されず、流路の断面積をそれぞれ異なるように構成してもよい。また、本発明の作用効果が得られる範囲において、特定第2酸化剤ガス流路の一部の断面積が、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の断面積よりも小さくなるように形成されていてもよく、また、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82以外の部分のうちの一部の断面積が、第2特定部分82の断面積よりも小さくなるように形成されていてもよい。
さらに、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の一部が、特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも大きくなるように形成されていてもよい。例えば、第1酸化剤ガス流路131の第2特定部分82の上流端から、燃料電池用セパレータ11の厚み方向から見て第2特定部分82の触媒層(カソード触媒層2b及び/又はアノード触媒層2a)の端と重なる部分まで、の流路の断面積を特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも小さくして、第2特定部分82の該触媒層の端と重なる部分から、第2特定部分82の下流端までの流路の断面積を特定第2酸化剤ガス流路の断面積よりも大きくなるように形成されていてもよい。
[参考例]
次に、本発明の参考例について、図19を参照しながら説明する。
図19は、本発明の参考例の燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図19に示すように、本発明の参考例の燃料電池用セパレータ11は、本発明とは異なり、第2酸化剤ガス流路132、133のうち、最も第1酸化剤ガス流路131から離れた第2酸化剤ガス流路133(以下、第3酸化剤ガス流路133という)の一部の流路の断面積が、他の流路の断面積よりも小さくなるように構成されている。なお、以下の説明においては、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131に相当する部分は同一符号(例えば、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31aに相当する部分は、第3酸化剤ガス流路133における第1上流直線部31aとする。)を用いて説明する。
具体的には、第3酸化剤ガス流路133は、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に相当する第5の部分54を有している。また、第3酸化剤ガス流路133は、その上流端から連続する部分である第3特定部分83(ここでは、第1上流直線部31a)の流路の断面積が、第2酸化剤ガス流路132、133の断面積よりも小さくなるように形成されている。具体的には、第3酸化剤ガス流路133の第1上流直線部31aの流路の幅が、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の流路の幅よりも小さくなるように形成されている。
ところで、第3酸化剤ガス流路133における上流部131aの第1上流直線部31aを通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路133の該第1上流直線部31aと最も近接する流路を通流する酸化剤ガスとの圧力差により、上流部131aを通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、第3酸化剤ガス流路133の流路31z(特に、第3酸化剤ガス流路133の第5の部分54)に流れ込む。
また、第3酸化剤ガス流路133の上流部131aを通流する酸化剤ガスが短絡するため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部を通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路133の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の上流部131aに流れ込む。そして、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132から第3酸化剤ガス流路133に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の流路31z(特に、第3酸化剤ガス流路133の第5の部分54)に流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133を通流する酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の流路31z(特に、第1の部分41)に流れ込む。
このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の流路31z(特に、第5の部分54)に短絡することによって、反応に使われないまま酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、第3酸化剤ガス流路133の第3特定部分83の流路の断面積が、第3酸化剤ガス流路133の該第3特定部分83以外の部分、第1酸化剤ガス流路131、及び第2酸化剤ガス流路132よりも小さく形成されている。これにより、第3酸化剤ガス流路133の第3特定部分83を流通する酸化剤ガス流量が少ないため、カソードガス拡散層3bを経由して、第3酸化剤ガス流路133の流路31z(特に、第5の部分54)に流れ込む(短絡する)酸化剤ガスを低減することができる。
このため、第1乃至第3酸化剤ガス流路131〜133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス供給用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
次に、実施例について説明する。
(試験例1)
図20は、試験例1の実施例1で用いた燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図20に示すように、実施例1のカソードセパレータ11は、本発明の実施の形態3の第1酸化剤ガス流路131及び5本の第2酸化剤ガス流路132と、本発明の参考例の第3酸化剤ガス流路133と、を有するように構成した。なお、図20においては、5本の第2酸化剤ガス流路132を、1本の流路として表している。また、比較例のカソードセパレータ11は、図11に示す従来の燃料電池用セパレータの流体通路が7本になるように構成した。また、実施例1、2及び比較例のアノードセパレータ10は、燃料ガス流路を流路の本数が3本で、いわゆるサーペンタイン状に形成した。そして、これらのセパレータ10、11を用いて、単セルを作製して試験例1に用いた。
試験例1では、発電条件を、電流密度0.16A/cm2、燃料利用率75%、燃料ガスには水素75%、二酸化炭素25%の混合ガス、酸化剤ガスには空気とし、燃料ガスの露点を65℃、酸化剤ガスの露点を35℃、及び電池温度を90℃として、酸素利用率55〜90%に変動して、各セルの電池電圧を測定した。その結果を図21に示す。
図21は、試験例1の電池電圧測定結果を示すグラフである。
図21に示すように、実施例1のセルでは、比較例のセルに比べて電池電圧が高くなり、特に、酸素利用率が80%のとき、比較例のセルに比べて、実施例1のセルでは13mVも高くなった。
(試験例2)
試験例2では、本発明の燃料電池用セパレータ11及びそれを備える燃料電池(ここでは、単セル)100をシミュレーション解析によってその効果を検証した。なお、簡便に評価するために電極面のみを解析対象とした。
実施例2では、実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ11の第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を用い、実施例3では、実施の形態10に係る燃料電池用セパレータ11の第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を用いた。また、比較例では、図9に示す従来の燃料電池用セパレータの流体通路201〜203を用いた。
解析には、アンシス・ジャパン株式会社のFLUENT、PEMモジュールを使用した。発電条件は、電流密度0.16A/cm2、燃料利用率75%、酸素利用率55%、燃料ガスには水素75%、二酸化炭素25%の混合ガス、酸化剤ガスには空気とし、燃料ガスの露点を65℃、酸化剤ガスの露点を35℃、及び電池温度を90℃とした。この結果を示したのが、図22である。
図22は、試験例2のシミュレーション解析を行った結果を示す表である。
図22に示すように、膜抵抗が、実施例2では1.972mΩ、実施例3では1.940mΩ、比較例では1.984mΩとなった。
これらの結果から、本発明に係る燃料電池用セパレータ11及びこれを備える燃料電池100では、反応ガス流路を通流する反応ガスが反応に寄与せず排出されることを低減したことで、セル内の保水性が向上し、膜抵抗が低減したと考えられる。また、反応ガス流路を通流する反応ガスが反応に寄与せず排出されることを低減し、反応ガスの利用効率を改善することで、電池性能の向上を図ることができることが示唆された。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。