JP5583976B2 - 選択的プロゲステロン受容体モジュレーターとしてのステロイド誘導体 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、新規ステロイド誘導体,それらを含有する製薬学的組成物およびプロゲステロンまたはグルココルチコイド受容体の少なくとも1つによりモジュレートされる障害または状態の処置にそれらを使用することを対象とする。より詳細には、本発明の化合物は、限定するわけではいが続発性無月経;機能不全性出血;子宮平滑筋腫;子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群;子宮内膜、卵巣、乳、結腸および/または前立腺の癌および腺癌、II型糖尿病、経口的耐糖能異常、高血糖値およびX症候群を包含する障害の処置に有用である。本発明の化合物は、更に、避妊薬として、および周期的月経出血の副作用を最小限とし(例えば月経前症候群を治療する目的)、および避妊の目的で用いるにも有用である。
発明の背景
細胞内受容体は、遺伝子蛋白質の調節に関与する種類の構造的に関連した蛋白質である。ステロイド受容体はそのような受容体のサブセットであり、それにはプロゲステロン受容体(PR)、アンドロゲン受容体(AR)、エステロゲン受容体(ER)、グルココルチコイド受容体(GR)およびミネラルコルチコイド受容体(MR)がある。そのような因子による遺伝子の調節には細胞内受容体および対応するリガンドが必要であり、このリガンドは、遺伝子転写に影響を与える様式で受容体と選択的に結合する能力を有する。
プロゲステロン受容体モジュレーター(プロゲスターゲン:progestagen)は哺乳動物の発生および恒常性で重要な役割を果たすことが知られている。プロゲステロンは乳腺発達、排卵および妊娠維持に必要であることが知られている。現在、ステロイド系プロゲスチン作動薬および拮抗薬は避妊、ホルモン補充療法(HRT)および治療的流産用として臨床的に認可されている。その上、子宮内膜症、子宮平滑筋腫(類線維腫)、機能不全性子宮出血および乳癌の処置にプロゲスチン拮抗薬が有用であることを示す良好な前臨床および臨床的証拠も存在する。
現在のステロイド系プロゲスターゲンは極めて安全であることが示されており、しかも良好な耐容性を示す。しかしそのようなステロイド系プロゲスターゲンを単独またはエステロゲン様化合物と組み合わせて用いた時にそれらに起因する副作用(例えば乳房の圧痛、頭痛、鬱および体重上昇)が時々報告されている。
ある種の受容体のステロイド系リガンドは、しばしば他のステロイド系受容体と交差反応を起こすことが示されている。一例として、多くのプロゲスターゲンはグルココルチコイド受容体とも結合する。非ステロイド系プロゲスターゲンはステロイドとは分子的類似性がなく、従って、また物理化学的特性、薬物動態(PK)パラメーター、組織分布(例えばCNSに対して末梢)の点でも異なると予測することができ、より重要な点は、非ステロイド系プロゲスターゲンは他のステロイド受容体との交差反応を示さないか、または示す度合が低い可能性がある点である。従って、非ステロイド系プロゲスターゲンは近い将来に生殖薬理学で主要な役割を果たす薬として出現する可能性がある。
プロゲステロン受容体は2種類のアイソフォーム、即ち全長プロゲステロン受容体アイソフォーム(PR−B)およびより短い対応物(PR−A)として存在することが分かった。最近、プロゲステロン受容体ノックアウトマウス(PRKO、A型およびB型両方の受容体が欠如している)を用いた広範な研究が実施されており、このマウスは特にPR−
Aアイソフォーム(PRAKO)およびPR−Bアイソフォーム(PRBKO)がノックアウトされている。PRKO、PRAKOおよびPRBKOに関して、メスマウスにおける生殖能力、排卵、子宮受容力、子宮増殖、乳腺増殖、性的受容力、オスマウスにおける性的活動およびオスマウスにおける幼児殺害傾向の点で異なる表現型が生理学的研究で見つけ出された。これらの知見により合成化学者は選択的プロゲステロン受容体モジュレーター(SPRM)ばかりでなくまたPR−AもしくはPR−Bの選択的プロゲステロン受容体モジュレーターを構築する見識を得ることができた。
プロゲステロンは性と生殖に関する健康および機能で重要な役割を果たす。プロゲステロンが例えば子宮、乳、頸部および視床下部−下垂体単位などに対して示す影響は充分に確立されている。プロゲステロンならびにプロゲステロン拮抗薬の作用をプロゲステロン受容体(PR)が媒介する。標的細胞において、プロゲステロンはPRをDNAと結合しない形態からDNAと結合する形態に変換させることに関連してPRの認識を劇的に変化させる。この変換に伴って、関連する熱ショック蛋白質の損失および二量化が起こる。次に、その活性化したPR二量体がプロゲステロン反応性遺伝子のプロモーター領域内の特定DNA配列と結合する。その作動薬と結合したPRはコアクチベーター(これは受容体と一般的転写機構の間を橋渡しする因子として働く)と結合することにより転写を活性化すると考えている。それに続いて転写速度が速くなることで、細胞および組織のレベルで作動効果がもたらされる。そのようなプロゲステロン受容体リガンドは純粋な拮抗薬から混合型作動薬/拮抗薬に至る範囲の活性スペクトルを示す。
プロゲステロン受容体と結合し、プロゲステロン受容体の効果に対して拮抗作用を及ぼし、しかもプロゲステロンの効果にも拮抗作用を及ぼす化合物が見つけ出されたことが1982年に発表された。エステロゲンおよび特定の酵素阻害剤のような化合物は内因性プロゲステロンの生理学的効果を防止できるが、用語“抗黄体ホルモン”はプロゲスチン受容体と結合する化合物に限定される。抗黄体ホルモンの効果に関連した数多くの医学的状態が非特許文献1の報告書に数多く要約されている。プロゲステロンが生殖で極めて重要な役割を果たすことを考慮すると、抗黄体ホルモンが避妊、月経誘発および医学的妊娠停止を包含する生殖制御の役割を果たす可能性があることは驚くべきことではないが、小さな臨床または前臨床試験で裏付された他の数多くの潜在的用途、例えば陣痛および分娩、子宮平滑筋腫(類線維腫)の処置、子宮内膜症;HRT;乳癌の処置;男性避妊などの用途が存在する。
プロゲステロン作動薬の効果および使用は充分に確立されている。加えて、公知の抗黄体ホルモンと構造的に関連している特定の化合物が特定の生物学的系で作動作用(例えば古典的なプロゲスチン効果I エステロゲンで感作された未発達のウサギ子宮)を示すことも最近示された(非特許文献2を参照)。そのような化合物はヒト細胞由来受容体系において部分作動薬であり、それらは前記系の中で黄体ホルモン部位および抗黄体ホルモン部位の両方とは異なる部位と結合する(非特許文献3)。このように、抗黄体ホルモンの一般的種類には臨床的プロファイルの点で異なり得るサブクラスが存在する可能性がある。
プロゲステロンの効果の中のいくつかを模する(作動薬)か、またはそのような効果に拮抗作用を及ぼす(拮抗薬、抗黄体ホルモン)か、または混合型効果を示す(部分作動薬または混合型作動薬/拮抗薬)[これはプロゲステロン受容体モジュレーター(PRM)として知られる]化合物はいろいろな疾患状況および状態の処置に有用となり得る。PR作動薬は女性避妊薬および閉経後ホルモン療法で用いられてきた。女性およびヒト以外の霊長類における最近の研究により、PR拮抗薬はまた避妊薬としても効力を示す可能性があり、しかも類線維腫、子宮内膜症および恐らくはホルモン依存性癌を含む様々な婦人科および産科の疾患の処置にも効力を示す可能性があることが分った。臨床的に利用可能な
PR作動薬および拮抗薬はステロイド系化合物であり、しばしば、それらは他のステロイド受容体との機能的な相互作用により様々な副作用を引き起こす。最近、多くの受容体に選択的な非ステロイド系PR作動薬および拮抗薬が出現した。非ステロイド系PR拮抗薬はステロイドの種類とは構造的に異なることから他のステロイド受容体に対する選択性に関してより大きな可能性を持ち得る。
Institute of Medicine(Donaldson,Molly S.;Dorflinger,L.;Brown,Sarah S.;Benet,Leslie Z.,Editors,Clinical Applications of Mifepristone(RU 486)and Other antiprogestins,Committee on antiprogestins:Assessing the science,Institute of medicine,National Academy Press,1993) C.E.Cook et al.,Life Sciences,52,155−162(1993) Wagner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,93,8739−8744(1996)
発明の要約
本発明は、式(I)
Figure 0005583976
[式中、
は、水素、−NR、−O−R、−S−Rおよび−SO−Rから成る群より選択され;ここでRおよびRは、各々独立して、水素およびC1−4アルキルから成る群より選択され;
は−OHであり;
は、−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、ハロゲン化C1−4アルキル、C2−4アルケニル、−C2−4アルケニル−OH、−C2−4アルケニル−CF、−C2−4アルキニル、−C2−4アルキニル−CFおよび−C2−4アルキニル−フェニルから成る群より選択され;ここでフェニルは、単独または置換基の一部としてであるかに拘わらず、場合によりハロゲン、C1−4アルキル、フッ素化C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、フッ素化C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから成る群より独立して選択され
る1から2個の置換基で置換されていてもよく;
あるいは、RおよびRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成する]
の化合物およびその製薬学的に許容され得る塩、エステルおよびプロドラッグを対象とする。
本発明の具体的説明は、製薬学的に許容され得る担体および本明細書に記載する方法に従い調製された生成物を含んでなる製薬学的組成物である。本発明の具体的説明は、本明細書に記載する方法に従い調製された生成物と製薬学的に許容され得る担体を混合することにより作成される製薬学的組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記載する方法に従い調製された生成物と製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物の作成方法である。
本発明を具体例は、少なくとも1種のプロゲステロン受容体により媒介されるる障害を処置する方法であり、この方法は、処置を必要としている個体に上記化合物または製薬学的組成物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
別の態様では、本発明の化合物は、少なくとも1種のグルココルチコイド受容体により媒介される障害の処置に有用であり、この処置はそれを必要としている個体に上記化合物または製薬学的組成物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
別の態様では、本発明の化合物は、続発性無月経;機能不全性出血;子宮平滑筋腫;子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群;子宮内膜癌、卵巣癌、乳癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣腺癌、乳腺癌、結腸腺癌、前立腺腺癌。周期的月経出血の副作用から成る群より選択される障害の処置または避妊に有用であり、これは処置を必要としている個体に上記化合物または製薬学的組成物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
別の態様として、本発明の化合物は、II型糖尿病、経口的耐糖能異常、高血糖値およびX症候群から成る群より選択される障害の処置に有用であり、これは処置を必要としている個体に上記化合物または製薬学的組成物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
本発明の別の例は、プロゲステロンまたはグルココルチコイド受容体により媒介される障害の処置[(a)続発性無月経;(b)機能不全性出血;(c)子宮平滑筋腫;(d)子宮内膜症;(e)多嚢胞性卵巣症候群;(f)子宮内膜癌、(g)卵巣癌、(h)乳癌、(i)結腸癌、(j)前立腺癌、(k)卵巣腺癌、(l)乳腺癌、(m)結腸腺癌、(n)前立腺腺癌、(o)周期的月経出血の副作用、(p)2型糖尿病、(q)経口的耐糖能異常、(r)高血糖値、(s)X症候群から選択される障害の処置または(t)避妊を必要としている個体を処置する]を必要としている個体を処置するための薬剤の調製における本明細書に記載する化合物のいずれかの使用である。
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)
Figure 0005583976
の化合物(式中、R、RおよびRは、本明細書で定義する通りである)、およびその製薬学的に許容され得る塩、エステルおよびプロドラッグを対象とする。本発明の式(I)の化合物は、プロゲステロン受容体モジュレーターおよび/またはグルココルチコイド受容体モジュレーターとして有用であり、限定するわけではないが、続発性無月経;機能不全性出血;子宮平滑筋腫;子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群;子宮内膜癌,卵巣癌,乳癌,結腸癌、前立腺癌、卵巣腺癌、乳腺癌、結腸腺癌、前立腺腺癌、周期的月経出血の副作用,II型糖尿病、経口的耐糖能異常、高血糖値およびX症候群を包含する障害の処置または避妊に有用である。
本発明の一態様では、Rが水素である。本発明の別の態様では、RがNR、−OR、−SRおよび−SO−Rから成る群より選択される。本発明の別の態様では、RがNR、−OR、−SRおよび−SO−Rから成る群より選択され;ここでRおよびRが各々独立して水素およびC1−2アルキルから成る群より選択される。
本発明の一態様では、Rが−NRからなる群から選択され;ここでRおよびRが各々独立して水素およびC1−4アルキルから成る群より選択される。本発明の別の態様では、Rが−NRからなる群から選択され;ここでRおよびRが各々独立して水素およびC1−2アルキルから成る群より選択される。
本発明の一態様では、Rがジメチルアミノ、メトキシ、メチルチオおよびメチルスルホニルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rがジメチルアミノ、メトキシおよびメチルチオからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rがジメチルアミノである。
本発明の一態様では、RおよびRが各々独立して水素およびメチルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、RおよびRが同じであり、そして水素およびメチルからなる群から選択される。
本発明の一態様では、RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって−C(O)を形成する。
本発明の一態様では、Rがヒドロキシである。
本発明の一態様では、RがC1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、フッ素化C1−4アルキル、C2−4アルケニル、−C2−4アルケニル−OH、−C2−4アルケニル−CF、C2−4アルキニル、−C2−4アルキニル−CFおよび−C2−4
アルキニル−フェニルから成る群より選択され;ここでフェニルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル、フッ素化C1−4アルキル、C1−4アルコキシおよびフッ素化C1−4アルコキシから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換される。
本発明の別の態様では、Rがフッ素化C1−3アルキル、C2−4アルケニル、−C2−4アルケニル−OH、C2−4アルキニル;−C2−4アルキニル−CFおよび−C2−4アルキニル−フェニルから成る群より選択され;ここでフェニルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル、フッ素化C1−3アルキルから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換される。
本発明の別の態様では、Rが−CF−CF、−CCH、−CCCHおよび−CC−フェニルからなる群から選択され;ここでフェニルは場合によりフルオロまたはC1−4アルキルから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換される。本発明の別の態様では、Rが−CC−フェニルからなる群から選択され;ここでフェニルは場合によりハロゲン、C1−4アルキルおよびフッ素化C1−3アルキルから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換される。
本発明の別の態様では、Rが−CF−CF、−CH(=CH)−CH、−CH−CH=CH、−CCH、−CCCH、−CC−CF、−CC−フェニル,−CC−(4−トリフルオロメチル−フェニル)、−CC−(4−t−ブチル−フェニル)、−CC−(2−フルオロ−フェニル)、−CC−(3−フルオロ−フェニル)、−CC−(4−フルオロ−フェニル)、−CC−(3,5−ジフルオロ−フェニル)、−CH(=CH)−CH−CH−OHおよび−C(O)−CH=CHからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rが−CF−CF、−CH(=CH)−CH、−CCH、−CC−フェニル、−CC−(2−フルオロ−フェニル)、−CC−(4−フルオロ−フェニル)および−CC−(4−トリフルオロメチル−フェニル)からなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rが−CF−CF、−CH(=CH)−CH、−CCHおよび−CC−CHからなる群から選択される。
本発明の別の態様では、RがC3−4アルキニルからなる群から選択される。好ましくはRが−CCCH(例えば1−プロピン−1−イル)である。
本発明の別の態様では、Rがヒドロキシであり、そしてRが本明細書に定義する通りであり、そして
Figure 0005583976
位での立体中心が(R)の立体配置である。本発明の別の態様では、Rがヒドロキシであり、そしてRが本明細書で定義する通りであり、そして
Figure 0005583976
炭素での立体中心が(S)の立体配置である。
本発明の一態様では、式(I)の化合物は、以下の表1に掲げる代表的化合物およびその製薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される。
本発明のさらなる態様には、本明細書で定義する1もしく複数の変更について選択される置換基(すなわちR、R、RおよびR)が、本明細書で定義するような完全なリストから選択される個々の置換基または置換基の任意のサブセットとなるように独立して選択されるものを含む。
本発明の代表的化合物は表1に掲げる通りである。
Figure 0005583976
本明細書で用いるような“ハロゲン”は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
本明細書で用いる用語“アルキル”は、単独または置換基の一部として用いるかに拘わらず、直鎖および分枝鎖を包含する。例えばアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。特に明記しない限り、“C1−4アルキル”は1−4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
本明細書で用いる用語“ハロゲン化C1−4アルキル”は、特に明記しない限り、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された、好適には少なくとも1個のフルオロ原子で置換された上記定義のC1−4アルキル基のいずれかを意味する。適切な例には、限定するわけではないが、−CF、−CH−CF、−CF−CF−CF−CFなどが含まれる。
本明細書で用いる用語“フッ素化C1−4アルキル”は、特に明記しない限り、少なくとも1個のフッ素原子で置換された、好適には少なくとも1個のフルオロ原子で置換された上記定義のC1−4アルキル基のいずれかを意味する。適切な例には、限定するわけではないが、−CF、−CH−CF、−CF−CF−CF−CFなどが含まれる。
本明細書で用いる用語“アルケニル”は、単独または置換基の一部として用いるかに拘わらず、少なくとも1個の(好適には不飽和二重結合を1から2個、より好適には1個)不飽和二重結合を含有する直鎖および分枝鎖を包含する。例えばアルケニル基には−CH=CH、2−プロペニル、3−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニルなどが含まれる。特に明記しない限り、“C1−4アルケニル”は1−4個の炭素原子のアルケニル炭素鎖組成を意味する。
本明細書で用いる用語“アルキニル”は、単独または置換基の一部として用いるかに拘わらず、直鎖および分枝鎖を包含する。例えばアルケニル基には−CCH、2−プロピニル、3−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニルなどが含まれる。特に明記しない限り、“C1−4アルキニル”は1−4個の炭素原子のアルキニル炭素鎖組成を意味する。
本明細書で用いる“アルコキシ”は、特に明記しない限り、上記直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等。特に明記しない限り、C1−4アルコキシ”は、1−4個の炭素原子の酸素エーテル基組成を意味する。
本明細書で用いる用語“フッ素化C1−4アルコキシ”は、特に明記しない限り、少なくとも1個のフッ素原子で置換された、好適には少なくとも1個のフルオロ原子で置換された上記定義のC1−4アルコキシ基のいずれかを意味する。適切な例には、限定するわけでないが、−OCF、−OCH−CF、−OCF−CF−CF−CFなどが含まれる。
本明細書で用い記号“”は立体中心の存在を表す。
特定の基(例えばフェニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール)が「置換されている」場合、そのような基は置換基のリストから独立して選択される1もしくは複数の置換基、好適には1から5個の置換基、より一層好適には1から3個の置換基、最も好適には1から2個の置換基を有することができる。
置換基に関して、用語「独立して」とは、そのような置換基が2個以上可能な場合にそのような置換基が互いに同じか、または異なってもよいことを意味する。
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を設けていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが実際の所定値を指すことを意味し、そしてまた本分野の通常の技術を基にして妥当であると推測される前記所定値の近似値(前記所定値の実験および/または測定条件による近似値を包含)も指すことを意味すると理解される。
本明細書、特に本スキームおよび本実施例で用いる略号は下記の通りである:
DMF = N,N’−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキサイド
EtO = ジエチルエーテル
FBS = ウシ胎仔血清
LDA = リチウムジイソプロピルアミド
LHMDSまたはLiHMDS = リチウムヘキサメチルジシラジンアミド
mCPBA = 2−(4−クロロ−2−メトキシフェノキシ)−酪

NaHMDS ナトリウムヘキサメチルジシラジンアミド
Pb(OAc) = 四酢酸鉛
PR = プロゲステロン受容体
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
TMS = トリメチルシリル
TMS−ClまたはTMSCL = トリメチルシリルクロライド
本明細書で用いる用語“少なくとも1種のプロゲステロン受容体により媒介される障害”には、症状および/または根本の原因が少なくとも1種のプロゲステロン受容体に作動もしくは拮抗作用を及ぼすことによって媒介、処置または防止され得る任意の障害を含む。適切な例には、限定するわけではないが、続発性無月経;機能不全性出血;子宮平滑筋腫;子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群;子宮内膜癌、卵巣癌、乳癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣腺癌、乳腺癌、結腸腺癌、前立腺腺癌、周期的月経出血の副作用などが含まれる。少なくとも1種のプロゲステロン受容体をモジュレートする本発明の化合物は更に避妊薬としても有用である。
本明細書で用いる用語“少なくとも1種のグルココルチコイド受容体により媒介される障害”には、特に明記しない限り、症状および/または根本の原因が少なくとも1種のプロゲステロン受容体に作動もしくは拮抗作用を及ぼすことによって媒介、処置または予防され得る任意の障害を含む。適切な例には、限定するわけでないが、II型糖尿病,経口的耐糖能異常、高血糖値、X症候群などが含まれる。
本明細書で用いる用語「個体」は、処置、観察または実験の対象である動物、好適には哺乳動物、最も好適には人を指す。好ましくは個体は処置すべき疾患または障害の少なくとも1つの症状または発現を現しているか、または経験している個体である。
本明細書で用いる用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医者または他の臨床医が求めている組織系、動物または人での生物学的もしくは医学的反応(これには処置すべき疾患または障害の症状の軽減を含む)を引き出す活性化合物または薬剤の量を意味する。
本明細書で使用する用語「組成物」は、特定材料を特定量で含んで成る製品ならびに特定材料を特定量で組み合わせた結果として直接または間接的に生じる任意の生成物を包含
することを意図する。
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらはしかるべき鏡像異性体として存在し得る。化合物がキラル中心を2つ以上有する場合、それらは追加的にジアステレオマーとしても存在し得る。そのような異性体およびこれらの混合物の全部が本発明の範囲に含まれると理解するべきである。好ましくは化合物が鏡像異性体として存在する場合、鏡像異性体は約80%以上の鏡像異性体過剰度、より好適には約90%以上の鏡像異性体過剰度、さらにより好適には約95%以上の鏡像異性体過剰度、さらにより一層好適には約98%以上の鏡像異性体過剰度、最も好適には約99%以上の鏡像異性体過剰度で存在する。同様に、本化合物がジアステレオマーとして存在する場合、ジアステレオマーは約80%以上のジアステレオマー過剰度、より好適には約90%以上のジアステレオマー過剰度、さらにより好適には約95%以上のジアステレオマー過剰度、さらにより一層好適には約98%以上のジアステレオマー過剰度、最も好適には約99%以上のジアステレオマー過剰度で存在する。
さらに本発明の化合物が示す結晶形態のいくつかは多形として存在する可能性があり、そのままそれらも本発明に包含することを意図する。加えて、本発明の化合物の数種は水(即ち水和物)または一般的有機溶媒との溶媒和物を形成する可能性があり、そのような溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含することを意図する。
およびRがそれらに結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成する式(I)の化合物は、以下のスキーム1に概略する方法に従い調製することができる。
Figure 0005583976
したがって適切に置換された式(V)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製された化合物)は、TMSCl等のような適切に選択されたトリアルキルシリルハラ
イドと、LDA、LiHMDS、NaHMDS等のような強塩基の存在下、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のような有機溶媒中で、約−78℃から約10℃の範囲の温度、好ましくは約−78℃で反応させて、対応する式(VI)の化合物を得る。
式(VI)の化合物は、m−CPBA、オキシラン、過酸化水素等のような適切に選択された酸化剤と、KCO、NaCO、NaHCO等のような無機塩基の存在下、そしてヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン等のような有機溶媒中で、約−10℃からおよそ室温の範囲の温度、好ましくは約0℃で反応させて、対応する式(VII)の化合物を得る。
式(VII)の化合物を、適切に選択された酸化剤、四酢酸鉛(Pb(OAc))、過ヨウ素酸ナトリウム等と、有機溶媒または有機溶媒の混合物中、例えばメタノールとベンゼン、THF、ジエチルエーテル等との混合物中で、好ましくは約0℃から室温の範囲の温度、好ましくはおよそ室温で反応させて、対応する式(VIII)の化合物を得る。
式(VIII)の化合物は、Zn(BH、ホウ水素化ナトリウム、ボラン等のような適切に選択された還元剤と、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のような有機溶媒中で、約−78℃から約10℃の範囲の温度、好ましくは約−78℃で反応させて、対応する式(IX)の化合物を得る。
式(IX)の化合物を、NaH、KH、ナトリウムアミド(NaNH)、LDA等のような適切に選択された強塩基と、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DMF、DMSO等のような有機溶媒中で、約−20℃からおよそ室温の範囲の温度、好ましくは約0℃で反応させて、対応する式(X)の化合物を得る。
式(X)の化合物を、m−CPBA、オキシラン、過酸化水素等のような適切に選択された酸化剤と、KCO、NaCO、NaHCO等のような無機塩基の存在下、ヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン等のような有機溶媒中で、約−78℃からおよそ室温の範囲の温度、好ましくは約−30℃で反応させて、対応する式(XI)の化合物を得る。
式(XI)の化合物を、既知の化合物または既知の方法により調製される化合物である適切に選択された式(XII)の化合物(式中、XはBr、Cl、I等のような適切に選択されたハライドである)と、CuCN・2LiCl、臭化銅、塩化銅等のようなクペレート試薬(cuperate reagent)の存在下、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のような有機溶媒中、約−30℃からおよそ室温の範囲の温度、好ましくは約0℃で反応させて、対応する式(XIII)の化合物を得る。
式(XIII)の化合物を、水性のHCl、トス酸、酢酸等のような希釈した酸と、アセトン、アセトニトリル、THF等のような有機溶媒中、約−30℃から約50℃の範囲の温度、好ましくはおよそ室温で反応させて、対応する式(Ia)の化合物を得る。
がヒドロキシであり、そしてRが本明細書で定義するような式(I)の化合物は、以下のスキーム2に概略する方法に従い調製できる。
Figure 0005583976
したがって、例えば上記スキーム1に記載するように調製された式(XIII)の適切に置換された化合物を、式(XIV)の適切に置換された化合物(式中、YはBr、Cl、I等のような適切に選択されたハライドであり、これは既知の化合物または既知の方法により調製された化合物である)と、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のような有機溶媒中、約−78℃から約50℃の範囲の温度、好ましくは約−78℃で反応させて、対応する式(XV)の化合物を得る。
式(XV)の化合物を、水性のHCl、トス酸、酢酸等のような希釈した酸と、アセトン、アセトニトリル、THF等のような有機溶媒中、約−30℃から約50℃の範囲の温度、好ましくはおよそ室温で反応させて、対応する式(Ib)の化合物を得る。
当業者は、本発明の反応段階を種々の溶媒もしくは溶媒系中で行うことができ、該反応段階はまた適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中でも行うことができると認識するであろう。本発明による化合物の調製法が立体異性体の混合物を生じる場合には、これらの異性体は通常の技術、例えば調製用クロマトグラフィーなどを用いて分離することができる。化合物はラセミ形で調製することができ、または個々の鏡像異性体を鏡像特異的合成もしくは分割のいずれかを用いて生成することも可能である。標準的技術、例えば光活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などを用いて塩を形成させた後に分別結晶化を行い、そして遊離塩基を再生させることによるジアステレオマー対の形成などで、そのような化合物を例えばそれらの成分である鏡像異性体に分割することも可能である。また化合物はジアステレオマーであるエステルまたはアミドの形成後にクロマトグラフィーによる分離を行い、そしてキラル補助剤を除去することにより分割をすることも可能である。別法として、キラルHPLCカラムを用いて化合物の分割を行うことも可能である。
本発明の化合物を調製する工程で、任意の関係する分子上の感受性基もしくは反応性基を保護する必要があり、かつ/またはその方が望ましい可能性がある。これは例えば有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)、J.F.W.McOmie編集、プレナム出版(Plenum Press)、1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、1991などに記載されているような通常の保護基を用いて達成可能である。そのような保護基は当該技術分野で公知の方法を用いて後の段階で都合よく除去することができる。
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグを本発明の範囲内に包含する。一般にそのようなプロドラッグは、生体内で必要な化合物に容易に変化し得る前記化合物の機能的誘導体である。このように、本発明の処置方法では、用語「投与する」に、具体的に開示した化合物を用いるか、または具体的には開示しないかもしれないが患者に投与した後に生体内で特定化合物に変化する化合物を用いて、記載した様々な障害を処置することを包含する。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製する通常の手順は、例えば“プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)”,H.Bundgaard編集、Elsevier、1985に記載されている。
薬剤で用いる場合、本発明の化合物の塩は無毒の「製薬学的に許容され得る塩」を指す。しかし本発明による化合物またはこれらの製薬学的に許容され得る塩の調製に他の塩を用いることも有用である。化合物の適切な製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、これらは例えば化合物の溶液を製薬学的に許容され得る酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することにより調製可能である。さらに本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、これらの適切な製薬学的に許容され得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩など、そして適切な有機配位子と一緒にした時に生じる塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に許容され得る塩には下記のものがある:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
製薬学的に許容され得る塩の調製に使用可能な代表的酸および塩基には下記のものがある:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、蓚酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
本発明はさらに、1もしくは複数の式(I)の化合物を製薬学的に許容され得る担体と一緒に含有する製薬学的組成物も含んでなる。本明細書に記載する1もしくは複数の本発明の化合物を有効成分として含有する製薬学的組成物は、化合物(1もしくは複数)を製薬学的担体と薬剤配合技術に従って一緒に密に混合することにより調製することができる。担体は所望の投与経路(例えば経口、非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセルおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。また固体状の経口用製剤には糖などのような物質による被覆または腸溶性被膜による被覆を施して主要な吸収部位を調節することも可能である。非経口投与の場合、担体は一般に無菌水からなるが、溶解性または保存性を向上させる他の材料を添加することも可能である。また水性担体を適切な添加剤と一緒に用いて、注射可能な懸濁液または溶液を調製することも可能でる。
本発明の製薬学的組成物を調製するために、有効成分として1もしくは複数の本発明の化合物を製薬学的担体と通常の薬剤配合技術に従って密に混合するが、そのような担体は投与で望まれる製剤の形態、例えば経口または非経口、例えば筋肉内投与などに応じて幅広く多様な形態を取り得る。組成物を経口投薬形態に調製する時、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能である。このように液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液に適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ;固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセル、カプレット、ゲルカップおよび錠剤に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与の容易さから錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位剤形を表し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。所望により、錠剤に糖による被覆または腸溶性被膜による被覆を標準的な技術で施してもよい。非経口投与の場合の担体は一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助するか、または保存の目的で他の材料を含有させることもできる。また、注射可能懸濁液を調製することもでき、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。本明細書に示す製薬学的組成物は、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、茶サジ1杯等当たりの有効成分含有量を、上記のように有効量で送達するにために必要な量で含む。本明細
書に示す製薬学的組成物は、単位投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、座薬、茶サジ1杯等当たり約50−100mgの含有量で含み、そしてそれを約0.1−5.0mg/kg/日、好適には約0.5から2.5mg/kg/日の投薬量で投与することができる。しかし、このような投薬量は患者の要求、処置すべき状態の重篤度および用いる化合物に応じて変動し得る。毎日の投与または周期的投与後(post−periodic dosing)のいずれの使用も利用可能である。
好ましくはこれら組成物は経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは吹送による投与のための錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、無菌の非経口用溶液もしくは懸濁液、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、液滴、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などの単位剤形である。あるいは組成物を週に1回または月に1回投与するために適した形態で提供することも可能であり、例えば活性化合物の不溶塩、例えばデカン酸塩を適合させて筋肉内注射用のデポー(depot)薬剤製剤を提供することができる。固体状組成物、例えば錠剤の調製には、主要な有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはガム等、および他の製薬学的希釈剤、例えば水等と混合して本発明の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩の均一な混合物を含有する固体状の前調合組成物を形成する。このような前調合組成物が均一であると述べる場合、これは、この組成物が等しく有効な剤形、例えば錠剤、ピルおよびカプセルに容易に再分割可能となるように有効成分が組成物全体に渡って均一に分散していることを意味する。次に、このような固体状の前調合組成物を再分割して本発明の有効成分を0.1から約500mg含有する前記種類の単位剤形にする。新規組成物の錠剤またはピルは、長期作用の利点を与える剤形を提供するために被覆を施すことができ、または他の様式で配合してもよい。例えば錠剤またはピルは内部の投薬成分および外側の投薬成分を含んでなることができ、後者が前者の上を覆う形態である。この二成分を腸溶性層(これは胃の中で起こる崩壊に抵抗し、そして内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるか、または放出が遅れるよう作用する)で分離しておくことができる。そのような腸溶性層または被膜には種々の材料を使用でき、そのような材料には多くの高分子量酸に加えてシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような材料が含まれる。
本発明の新規組成物を経口または注射で投与する目的で包含することができる液体形態には、水溶液、適切な風味のシロップ、水性または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味を付けた乳液、ならびにエリキシルおよび同様な製薬学的賦形剤が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、合成および天然のゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンがある。
また本発明の処置方法は、本明細書で定義した任意の化合物および製薬学的に許容され得る担体を含んで成る製薬学的組成物を用いることでも実施可能である。製薬学的組成物は約0.1mgから500mg、好適には約50から100mgの間の範囲の化合物を含むことができ、そしてこれを選択した投与様式に適した任意の形態に構成することができる。担体には、必要かつ不活性な製薬学的補形剤が含まれ、これには限定するわけでないが、結合剤、懸濁剤、滑剤、風味剤、甘味剤、防腐剤、染料およびコーティングが含まれる。経口投与に適した組成物には、固体形態、例えばピル、錠剤、カプレット、カプセル(各々に即時放出、時限放出および徐放性製剤が含まれる)、顆粒および粉末、および液状形態物例えば溶液、シロップ、エリキシル、乳液および懸濁液がある。非経口投与に有用な形態には無菌溶液、乳液および懸濁液が含まれる。
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、または1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。さらに本発明の化合物は適切な鼻内賦形剤を局所的に用いることによる鼻内形態で投与するか、または当業者に周知の経皮皮膚パッチを介して投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行うためには勿論、そのような投与は投薬療法全体に渡り断続的ではなくむしろ連続的となるであろう。
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与には、活性薬剤成分を無毒で製薬学的に許容され得る不活性な経口用担体、例えばエタノール、グリセロール、水等と一緒にしてもよい。その上、所望により、または必要な場合には、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤をそのような混合物に包含することも可能である。適切な結合剤には、限定するわけでないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味剤、天然および合成ガム、例えばアカシア、トラガカント、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定するわけでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどがある。
液状形態は、合成および天然ガムのような適切な風味の懸濁もしくは分散剤、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどを含有させてもよい。非経口投与には無菌懸濁液および溶液が望まれる。静脈内投与が望まれる場合には、一般に適切な防腐剤を含む等浸透圧性製剤を用いる。
本発明の製薬学的組成物を調製するために、有効成分として式(I)の化合物を製薬学的担体と一緒に通常の製薬学的配合技術に従って密に混合するが、この担体は投与に望ましい製剤の形態(例えば経口または非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。適切な製薬学的に許容され得る担体は本技術分野で周知である。そのような製薬学的に許容され得る担体のいくつかの説明をアメリカンファーマシューティカルアソシエーション(American Pharmaceutical Association)およびファーマシューティカルソサエティーオブグレイトブリテン(Pharmaceutical
Society of Great Britain)が出版した製薬学的賦形剤のハンドブック(The Handbook of Pharmaceutical Excipients)に見い出すことができる。
製薬学的組成物を調製する方法は数多くの出版物、例えば製薬学的剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets)、第2版、改定拡張版、1−3巻、Lieberman et al.編集;製薬学的剤形:非経口薬剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications)、1−2巻,Avis et al.編集;および製薬学的剤形:分散系(Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems)、1−2巻,Lieberman et al.編集;マルセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc)などに記載されている。
本発明の化合物は上記組成物のいずれかの状態で、本明細書に記載する障害の処置が必要とされている時にはいつでも当該技術分野で確立された投薬療法に従って投与可能である。
本製品の1日当たりの投薬量は成人1人当たり0.01から1,000mg/日の幅広い範囲に渡り変動し得る。経口投与には、好ましくは本組成物は処置される患者の症状に応じて投薬量を調整するために、有効成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、20
0、250および500ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約300mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.5から約5.0mg/日、最も好適には体重1kg当たり約1.0から約3.0mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
投与すべき最適な投薬量は当業者により容易に決定することができ、これは使用する特定の化合物、投薬様式、調製物の濃度、投与様式および疾患の状態の進行に伴って変動するであろう。加えて、患者の年齢、体重、食事および投与時期を含め、処置される特定の患者に関連した要因により投薬量を調整する必要もある。
当業者は、一般に受け入れられる適切な周知の細胞および/または動物モデルを用いたインビボおよびインビトロ両方の試験で、試験化合物が所定疾患を処置または予防する能力の予測になることを認識するであろう。
当業者は、さらに健康な患者および/または所定疾患に罹患している患者におけるヒト臨床試験(ヒトに関する用量範囲および効力を初めて示す試験を包含)を、臨床および医学分野で周知な方法に従って達成することができることも認識するであろう。
以下に示す実施例は本発明の理解を補助するためのものあり、以下に続く請求の範囲で説明する発明を限定することを意図するものでなく、そのように解釈されるべきでない。
以下の実施例では、いくつかの合成生成物が残留物として単離されたことを示す。当業者は、用語“残留物”が当該生成物を単離した物理的状態に限定されるものでなく、そしてそれには例えば固体、油、泡沫、ガム、シロップ等が含まれ得ることを理解するであろう。
実施例1
Figure 0005583976
アルゴン下で、式(EX1)
Figure 0005583976
の化合物(1.57g、5.0ミリモル)の透明溶液(15mLの乾燥THF中)に、LDA(2.0M THF溶液、1.1当量、5.5ミリモル、2.8mL)を、−78℃で(ドライアイス/アセトン浴)シリンジを介して滴下した。添加が完了した後、反応混合物を1時間、−78℃で撹拌し、続いてTMSCl(再蒸留、1.5当量、5.5ミリモル、0.81g)を加えた。反応混合物をさらに1時間、−78℃で撹拌し、次いで1時間にわたり室温に暖めた。反応混合物は飽和NaHCOで室温にてクエンチし、次いで酢酸エチル(25mL、3回)で抽出した。合わせた有機溶媒は、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮し、そしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を無色の液体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 5.39−5.33(1H,m),4.32−4.28(1H,m),3.78(4H,s),2.39−2.28(1H,m),2.06−1.83(5H,m),1.83−1.68(2H,m),1.68−1.53(4H,m),1.41−1.32(2H,m),1.12−0.99(2H,m),0.59(3H,s),0.00(9H,s)
MS(387,M+1).
実施例2
Figure 0005583976
アルゴン下で、上記実施例1のように調製した化合物(13.0ミリモル、5.20g)、NaHCO(130.0ミリモル、10.90g)の懸濁液(300mLのヘキサン中)に、m−CPBA(13.0ミリモル、3.00g)を数部で加えた。粗反応混合物をCelite(商標)を通して濾過し、次いで真空下で濃縮して粗生成物を白色泡沫として得た。粗材料をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した(R0.4、1:1の酢酸エチル/ヘキサン)。出発材料以下の画分を集め、そしてヘキサン(300mL)に溶解した。次いで生じた混合物にKCO(10.0g)を1回で加え
た。生じた混合物を室温で2時間撹拌した。表題化合物はカラムクロマトグラフィー後に残渣として単離した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 5.59−5.53(1H,m),4.43−4.38(1H,m),3.97(4H,s),2.58−2.48(1H,m),2.39−2.33(1H,m),2.32−2.28(1H,m),2.28−2.08(4H,m),2.08−1.99(3H,m),1.98−1.86(1H,m),1.84−1.74(3H,m),1.55(1H,brs),1.38−1.22(1H,m),0.97(3H,s)
MS(331,M+H).
実施例3
Figure 0005583976
上記実施例2のように調製した化合物(4.8ミリモル、1.58g)の溶液(1:1の40mLメタノールおよび40mLベンゼンの混合物)に、0℃でPb(OAc)(7.5ミリモル、3.34g)を1回で加えた。生じた混合物を30分間撹拌し、そしてTLCにより出発材料が消失するまで監視した。反応が完了したと測定された後、Celite(商標)を反応混合物に加え、次いでこれをさらに20%の酢酸エチルおよびヘキサンの溶液で希釈した。生じた混合物はシリカゲルの薄層を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を残渣として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 9.71(1H,t,J=2.0Hz),5.59−5.54(1H,m),3.99(4H,s),3.65(3H,s),2.69−2.62(1H,m),2.58−2.41(2H,m),2.36−2.31(2H,m),2.29−2.25(2H,m),2.24−2.08(3H,m),2.02−1.94(1H,m),1.90−1.75(4H,m),1.35−1.23(1H,m),1.11(3H,s). MS(361,M+H).
実施例4
Figure 0005583976
アルゴン下で、上記実施例3のように調製した化合物(4.4ミリモル、1.51g)、の溶液(50mLの乾燥THF中)に、Zn(BH(10.0mL、0.35−0.40M)を−78℃で滴下した。添加が完了した後、反応混合物を2時間、−78℃で撹拌し、次いで30分間にわたり−30℃まで暖めた。反応混合物は飽和NaHCOで−30℃にてクエンチした。生じた2相反応混合物は酢酸エチル(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機溶媒は、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して残渣を得、これをシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を残渣として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 5.61−5.51(1H,m),3.99(4H,s),3.71(3H,s),3.68−3.58(2H,m),2.62−2.47(2H,m),2.30−2.25(2H,m),2.24−2.09(3H,m),2.08−2.05(3H,m),1.85−1.76(2H,m),1.75−1.68(2H,m),1.62−1.51(3H,m),1.10(3H,s)
MS(363,M+H).
実施例5
Figure 0005583976
上記実施例4のように調製した化合物(2.3ミリモル、0.80g)の溶液(1:1の20mLのTHFおよび20mLの水)に、NaHCOを室温で1回で加えた。生じた混合物を20時間、出発材料が消失するまで撹拌した。次いで反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和ブライン(10mL)で洗浄し、続いて酢酸エチル(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機層は無水MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して粗生成物を残渣として得た。粗材料をさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 5.63−5.57(m,1H),
4.56−4.48(1H,m),4.34−4.24(1H,m),3.99(4H,s),2.59−2.39(3H,m),2.30−2.13(4H,m),2.06−1.92(4H,m),1.88−1.68(5H,m),1.21(3H,s)
MS(331,M+H).
実施例6
Figure 0005583976
上記実施例5のように調製した化合物(0.330g、1.0ミリモル)および重炭酸ナトリウム(0.113g、2.0ミリモル)の懸濁液(25mLのジクロロメタン中)に、メタ−過安息香酸(m−CPBA、70%、0.493g、2.0ミリモル)の透明溶液(10mLのジクロロメタン中)を、−30℃(ドライアイス/アセトン浴)で滴下した。添加完了後、反応混合物を−30℃で12時間撹拌した。次いで反応はチオ硫酸ナトリウムの飽和溶液によりクエンチした。次いで生じた混合物はジクロロメタンで3回抽出した(20mL)。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)で処理し、そしてジクロロメタン(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して粗生成物を無色の液体として得、これをさらにシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して(R0.3、1:1酢酸エチルおよびヘキサン)、表題化合物を残渣として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.08−6.07(1H,m),4.52−4.42(1H,m),4.29−4.18(1H,m),4.02−3.86(4H,m),2.52−1.59(14H,m),1.21(3H,s)
[M+H]347.
実施例7
Figure 0005583976
4−N,N−ジメチルアミノフェニルマグネシウムブロミド(THF中の0.5M、1.0ミリモル、2.0mL)の溶液(THF中)に、THF可溶性CuCN・2LiCl(シアン化銅45mg、0.5ミリモル、リチウムクロライド44mg、1.0ミリモル,THF3mL)の透明溶液を0℃で加えた。生じた混合物を5分間、0℃で撹拌し、続いて実施例6のように調製した化合物の溶液(3mLのTHF中)を0℃で即座に添加した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで0.5時間にわたり室温に暖めた。反応は飽和の塩化アンモニウム溶液(10mL)でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した(20mL、3回)。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して、粗生成物をわずかに黄色い液体として得た。このわずかに黄色い粗液体はシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより、1:1:1のベンゼン/EtO/ジクロロメタンにより精製して(R0.2)、表題化合物を無色の液体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.07(2H,d,J=8.6Hz),6.65(2H,d,J=8.6Hz),4.49−4.41(1H,s),4.36(1H,s),4.29−4.21(2H,m),2.91(6H,s),2.58−2.49(1H,m),2.38−2.18(2H,m),2.09−1.92(4H,m),1.86−1.52(6H,m),1.44−1.32(2H,m),1.28−1.23(1H,m),0.84(3H,s)
[M+H]466.
実施例8
Figure 0005583976
上記実施例7のように調製した化合物(0.1ミリモル、46mg)の溶液(5mLの乾燥THF中)に、0.5Mの1−プロピニルマグネシウムブロミド溶液(THF中の1.0M溶液、0.2mL、0.1ミリモル)を−78℃で加えた。次いで反応混合物を−78℃で0.5時間撹拌した。次いで反応を飽和の塩化アンモニウム溶液(5mL)でクエンチした。生じた混合物を酢酸エチルで抽出した(10mL、3回)。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して、粗生成物を黄色い液体として得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
実施例9
11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−1−ヒドロキシ−12a−メチル−1−プロプ−1−イニル−1,3,4,4a,4b,5,6,9,10,11,12,12a−ドデカヒドロ−2−オキサ−クリセン−8−オン
Figure 0005583976
上記実施例8のように調製した生成物の溶液(5mLのアセトン中)に、3N塩酸(0.1mL)を室温で加え、そして反応混合物を室温で2時間、撹拌した。次いで反応は飽和の重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。アセトンを減圧下で除去し、そして水性層を酢酸エチルで抽出した(10mL、3回)。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して表題化合物を白色固体として得た。
H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.00(2H,d,J=8.8Hz),6.65(2H,d,J=8.8Hz),5.78(1H,s),5.20−5.29(1H,m),4.38−4.33(1H,m),4.24−4.20(1H,m),2.92(6H,s),2.83−2.77(2H,m),2.65−2.32(6H,m),2.19−1.98(3H,m),1.91−1.85(2H,m),1.80−1.68(1H,m),1.58(3H,s),1.29−1.14(m,2H),0.74(3H,s)
[M+H]446.
実施例10
11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−12a−メチル−3,4,4a,5,6,9,10,11,12,12a−デカヒドロ−4bH−2−オキサ−クリセン−1,8−ジオン
Figure 0005583976
上記実施例7のように調製した化合物(41mg、0.1ミリモル)の溶液(5mLのアセトン中)に、3N塩酸(0.1mL)を室温で加え、そして反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応は飽和の重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。アセトンを減圧下で除去し、そして水性層を酢酸エチルで抽出した(10mL、3回)。合わせた有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して表題化合物を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.04(2H,d,J=8.6Hz),6.66(2H,d,J=8.6Hz),5.79(1H,s),4.52−4.44(1H,m),4.40−4.35(1H,m),4.34−4.24(1H,m),2.92(6H,s),2.86−2.78(1H,m),2.66−2.52(3H,m),2.48−2.32(3H,m),2.19−2.08(2H,m),1.98−1.91(1H,m),1.85−1.75(2H,m),1.69−1.30(2H,m),1.26(3H,s)
[M+H]406.
実施例11
Zn(BH の調製
アルゴン下で、NaBH(200ミリモル、7.56g)をTHF(100mLのTHF)に懸濁し、そして0℃に冷却した。ZnCl(200mL、THF中の0.5M)を、添加漏斗を介して滴下した。添加完了後、反応物を室温で12時間撹拌し、次いで一晩、静置し、そしてデカントした。生じた混合物をイソブチルアルデヒドで最終濃度0.40Mに滴定した。
実施例12
THF可溶性CuCN・LiCl溶液の調製
塩化リチウム(CuCNあたり2.0当量)を、高真空下でヒートガンにより2分間乾燥させ、そして正の乾燥窒素雰囲気下で室温に冷却した。シアン化銅(1.0当量)を空気中で重さを測り、そして素早くフラスコに移した。乾燥THFを加え、そして生じた混合物はわずかに緑色の均一な溶液に達するまで室温で10分間、撹拌した。
実施例13
T47Dヒト乳癌細胞アッセイ
T47Dヒト乳癌細胞は、フェノールレッドを含有しないRPMI培地(インビトロジェン:Invitrogen)(10(容量/容量)%の熱不活化ウシ胎仔血清(FBS;ハイクローン(Hyclone))、1%(容量/容量)ペニシリン−ストレプトマイ
シン(インビトロジェン)、1(重量/容量)%グルタミン(インビトロジェン)および10mg/mLインスリン(シグマ:Sigma)を含む)中で増殖させた。インキュベーション条件は37℃で5(容量/容量)%の二酸化炭素の加湿環境にした。
細胞は96ウェル組織培養プレートに、アッセイ培地(フェノールレッドを含有しないRPMI培地(インビトロジェン)に活性炭で処理したFBS(ハイクローン)を5(容量/容量)%およびペニシリン−ストレプトマイシン(インビトロジェン)を1(容量/容量)%入れておいた)中、ウェルあたり10,000個の細胞でまいた。2日後に培地をデカントし、そして試験化合物または対照を新鮮なアッセイ培地に0.1(容量/容量)%の最終濃度のジメチルスルホキサイドで加えた。24時間後にアルカリホスファターゼアッセイをSEAPキット(BD バイオサイエンスクローンテック(Biosciences Clontech)、パロアルト、カリフォルニア州)を用いて行った。簡単に述べると、培地をデカントし、そして細胞を室温で5(容量/容量)%のホルマリン(シグマ)を用いて30分間固定した。この細胞を室温のハンクス緩衝化塩溶液(インビトロジェン)で一度洗浄した。次いで等容積(0.05mL)の1Xの希釈緩衝液、アッセイ用緩衝液および1:20の基質/エンハンサー混合物を加えた。インキュベーションを室温の暗所で1時間実施した後、溶解産物を白色の96穴プレート(ダイネックス:Dynex)に移し、そしてLuminoSkan Ascent(Thermo Electron、ウォーバン、マサチューセッツ州)を用いて発光を読み取った。
本発明の代表的化合物を、記載した手順に従い試験し、結果を以下の表2に掲げた、
Figure 0005583976
実施例14
経口組成物の具体的態様として、実施例1のように調製した100mgの化合物#8を、十分に細分したラクトースと配合して、580〜590mgの最終的量を提供してサイズOの硬質ゲルカプセルを充填した。
前記明細書では本発明の原理を、具体的説明の目的で提供する実施例を用いて具体的に説明したが、本発明の実施は添付する特許請求の範囲およびそれらの等価の中にあるすべての通常の変更、適合および/または修飾を包含するものと理解される。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 0005583976
    [式中、
    1は、水素、−NRAB、−O−RA、−S−RAおよび−SO2−RAから成る群より選択され;ここでRAおよびRBは、各々独立して、水素およびC1-4アルキルから成る群より選択され;
    3は−OHであり;
    4は、−C1-4アルキル、−C1-4アルキル−OH、ハロゲン化C1-4アルキル、C2-4アルケニル、−C2-4アルケニル−OH、−C2-4アルケニル−CF3、−C2-4アルキニル、−C2-4アルキニル−CF3および−C2-4アルキニル−フェニルから成る群より選択され;ここでフェニルは、単独または置換基の一部としてであるかに拘わらず、場合によりハロゲン、C1-4アルキル、フッ素化C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、フッ素化C1-4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノおよびジ(C1-4アルキル)アミノから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換されてもよく;
    あるいは、R3およびR4がこれらに結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成する]
    の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
  2. 1が、−NRAB、−O−RA、−S−RAおよび−SO2−RAから成る群より選択され;ここでRAおよびRBが各々独立して水素およびC1-4アルキルから成る群より選択され;
    3が−OHであり;
    4が、C1-4アルキル、−C1-4アルキル−OH、フッ素化C1-4アルキル、C2-4アルケニル、−C2-4アルケニル−OH、−C2-4アルケニル−CF3、C2-4アルキニル、−C2-4アルキニル−CF3および−C2-4アルキニル−フェニルから成る群より選択され;ここでフェニルは場合によりハロゲン、C1-4アルキル、フッ素化C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびフッ素化C1-4アルコキシから成る群より独立して選択される1から2個の置換基で置換されていてもよく;
    あるいはR3およびR4がこれらに結合している炭素原子と一緒になってC(O)を形成する;
    請求項1に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩。
  3. 1が−NRABであり;
    AおよびRBが各々独立して水素、メチルおよびエチルから成る群より選択され;
    3がヒドロキシであり;そしてR4がC2-4アルキニルから成る群より選択され;
    あるいはR3およびR4がこれらに結合している炭素原子と一緒になって−C(O)を形成する;
    請求項2に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩。
  4. 1が−NRABであり;
    AおよびRBが同じであり、そして水素、メチルおよびエチルから成る群より選択され;
    3がヒドロキシであり;そしてR4がC2-4アルキニルから成る群より選択される;
    請求項3に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
  5. 1が−NRABであり;
    AおよびRBが同じであり、そして水素およびメチルから成る群より選択され;
    3およびR4がこれらに結合している炭素原子と一緒になって−C(O)を形成する;
    請求項3に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
  6. 11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−12a−メチル−3,4,4a,5,6,9,10,11,12,12a−デカヒドロ−4bH−2−オキサ−クリセン−1,8−ジオン;
    11−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−1−ヒドロキシ−12a−メチル−1−プロプ−1−イニル−1,3,4,4a,4b,5,6,9,10,11,12,12a−ドデカヒドロ−2−オキサ−クリセン−8−オン;
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物およびその製薬学的に許容され得る塩。
  7. 製薬学的に許容され得る担体および請求項1に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
  8. 請求項1に記載の化合物および製薬学的に許容され得る担体を混合することにより作られる製薬学的組成物。
  9. 請求項1に記載の化合物および製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物の作成方法。
  10. 治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を含んで成るプロゲステロン受容体により媒介される障害を処置するための製薬学的組成物であって、該プロゲステロン受容体により媒介される障害が乳癌および乳腺癌から成る群より選択される、上記組成物。
  11. 治療に有効な量の請求項7に記載の組成物を含んで成るプロゲステロン受容体により媒介される障害を処置するための製薬学的組成物であって、該障害が乳癌および乳腺癌から成る群より選択される、上記組成物
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