JP5585467B2 - ガラス、発光装置用のガラス被覆材および発光装置 - Google Patents

ガラス、発光装置用のガラス被覆材および発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスに関し、特に、発光ダイオード(LED)装置等の発光装置用の被覆材として使用されるガラスに関する。
従来より発光ダイオード(LED)装置において、LED素子および該LED素子を担持する基板(以下、これらをまとめて「LED組立体」と称する)を封止、被覆する被覆材として、樹脂等の有機材料が使用されている。しかしながら、樹脂製の被覆材は、LED装置稼働時に生じる熱、光および/または環境中の水分による劣化を受け易く、寿命が短いという問題が指摘されている。
そこで、LED組立体の被覆に、樹脂に比べてより安定な、ガラス製の被覆材を使用することが検討されている。しかしながら、従来の一般的なケイ酸塩系のガラスをLED組立体の被覆材として使用した場合、ガラスの軟化点の制約から、500℃程度またはそれ以上の被覆処理温度が必要となる。LED装置を構成する各種部品にとって、このような高温による被覆処理は、信頼性の観点からは好ましくない。ガラスを被覆材として適用するためには、500℃未満、特に400℃以下の被覆処理温度で、LED組立体の被覆処理を行うことが可能なガラスが必要となる。
なお、特許文献1には、電子・電気部品間の溶融シールを形成するための、RO(ただしRは、Li、Na、および/またはK)、B、Al、SiO、およびWOのうちの少なくとも一つを添加したリン酸スズ系ガラスが開示されている。
特開平7−69672号公報
しかしながら、前述の特許文献1に記載のガラスは、特に、LED組立体を封止、被覆する被覆材として使用されることを想定していないため、以下のような問題がある。
特許文献1に記載のガラスは、耐候性が悪く、被覆材自身およびそのような被覆材で封止されたLED組立体の長期安定性には問題がある。
また、特許文献1に記載のガラスは、一般的なLED素子の熱膨張係数に比べて、熱膨張係数が高い(例えば120〜140×10−7/℃程度)という問題がある。例えば、サファイア基板等に積層された、一般的なLED素子の熱膨張係数は、おおよそ70〜80×10−7/℃の範囲にあり、この値は、特許文献1に記載のガラスの半分程度である。
このため、仮に被覆処理の際には、ガラス被覆材とLED素子との間に、良好な密着性が得られたとしても、その後のLED装置の冷却過程または保管過程において、両者の熱膨張係数の違いによって、被覆材にクラックが入ったり、被覆材が割れたりするおそれがある。封止材にこのようなクラックが発生すると、封止材としての機能が著しく損なわれてしまう。
このように、LED組立体用の被覆材として使用できるガラスであって、熱膨張係数が低く、長期安定性を有するガラスに対しては、依然として強い要望がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、400℃以下の被覆処理温度での被覆が可能であるとともに、熱膨張係数が低く、さらに良好な耐候性を有するガラスの提供を目的とする。また、本発明では、そのようなガラスで構成された発光装置用の被覆材、さらにはそのような被覆材を有する発光装置の提供を目的とする。
本発明では、酸化物基準のmol%表示で、
29%〜33%のP
43%〜58%のSnO、
11%〜25%のZnO、
0.1%〜2%のGa
0.5%〜5%のCaO、ならびに
0〜1%のSrO
を含み、
酸化物基準のmol%表示で、ZnO、Ga、およびCaOの総和Xが13%〜27%の範囲である、ガラスが提供される。
ここで、本発明によるガラスは、酸化物基準のmol%表示で、
30%〜33%のP
44%〜53%のSnO、
13%〜24%のZnO、
0.1%〜2%のGa
0.5%〜3%のCaO、ならびに
0〜1%のSrO
を含み、
前記Xは、18%〜26%の範囲であっても良い。
また、本発明によるガラスは、熱膨張係数が120×10−7/℃以下であっても良い。
また、本発明では、前述のような特徴を有するガラスで構成された、発光装置用のガラス被覆材が提供される。
この場合、前記発光装置は、LED素子を用いた発光装置であっても良い。
また、本発明では、
ベース基板上に配置された光学素子と、該光学素子を被覆する被覆材とを有する発光装置であって、
前記被覆材は、前述の特徴を有するガラスで構成されていることを特徴とする発光装置が提供される。
ここで、本発明による発光装置において、前記光学素子は、LEDであっても良い。
本発明では、400℃以下の被覆処理温度での被覆が可能であるとともに、熱膨張係数が低く、さらに良好な耐候性を有するガラスを提供できる。また、本発明では、そのようなガラスで構成された発光装置用の被覆材、さらにはそのような被覆材を有する発光装置を提供できる。
本発明による発光装置の断面の一例を模式的に示した図である。 サンプルの伸びの温度変化から、ガラス転移温度(Tg)を求める際の操作を模式的に示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、下記の実施形態は、一例として示されたもので、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、種々の変形をして実施できる。
本発明では、
酸化物基準のmol%表示で、
29%〜33%のP
43%〜58%のSnO、
11%〜25%のZnO、
0.1%〜2%のGa
0.5%〜5%のCaO、ならびに
0〜1%のSrO
を含み、
酸化物基準のmol%表示で、ZnO、Ga、およびCaOの総和Xが13%〜27%の範囲である、ガラスが提供される。
このような本発明によるガラスでは、軟化点が400℃未満に抑制され、400℃以下での被覆処理が可能となる。また、本発明によるガラスは、良好な耐候性を有するという特徴を有する。さらに、本発明によるガラスは、熱膨張係数αが120×10−7/℃以下に抑制されている。このため、本発明によるガラスは、例えば、サファイア基板等に積層されたInGaN/GaN半導体層で構成されたLED素子を含む、一般的なLED組立体の被覆処理に使用した場合であっても、ガラス被覆材とLED素子との間の熱膨張係数の違いによって、被覆材にクラックが入ったり、被覆材が割れたりする問題を抑制できる。
このような特徴により、本発明によるガラスは、発光装置の400℃以下での被覆処理用の被覆材として十分に使用できる。また、本発明によるガラスを発光装置の被覆材として使用した場合、長期にわたって安定な特性を示す発光装置を提供できる。
(本発明によるガラスに含まれる成分について)
以下、本発明によるガラスに含まれる各種成分の概略的な特徴、および適当な含有量について説明する。ここで、以降に示す各成分の含有量は、特に記載のない限り、全て酸化物基準のmol%で表す。なお、以下に示す各成分の特徴は、一例を示したものであり、その成分が有する他の特性および効果を否定するものではない。
は、必須成分であって、ガラスを安定化させる成分であり、本発明によるガラスには、29%〜33%の範囲で含まれている。Pの含有量が29%未満であると、ガラス転移温度(Tg)が高くなる。また、ガラス転移温度(Tg)の上昇を抑制しようとすると、SnOの量を増加させる必要が生じ、これにより熱膨張係数(α)が大きくなってしまう。一方、Pの含有量が33%を超えると、耐候性が低下しやすくなる。Pの含有量は、特に、30%〜33%の範囲であることが好ましい。
SnOは、必須成分であって、ガラスの流動性を増す成分であり、本発明によるガラスには、43%〜58%の範囲で含まれている。SnOの含有量が43%未満であると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。一方、SnOの含有量が58%を超えると、耐候性が低下しやすくなる。SnOの含有量は、特に、44%〜53%の範囲であることが好ましい。
ZnOは、必須成分であって、ガラスの流動性を増す成分であり、本発明によるガラスには、11%〜25%の範囲で含まれている。ZnOの含有量が11%未満であると、熱膨張係数(α)が大きくなってしまう。またZnOの含有量が25%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。ZnOの含有量は、特に、13%〜24%の範囲であることが好ましい。
Gaは、必須成分であって、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、本発明によるガラスには、0.1%〜2%の範囲で含まれている。Gaの含有量が0.1%未満では、ガラスの耐候性が十分に向上しないおそれがある。一方、Gaの含有量が2%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。また、コストの点で、Gaの量は、できる限り抑制することが好ましい。
CaOは、必須成分であって、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、本発明によるガラスには、0.5%〜5%の範囲で含まれている。CaOの含有量が0.5%未満では、ガラスの耐候性が十分に向上しないおそれがある。一方、CaOの含有量が5%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。CaOの含有量は、特に、0.5%〜3%の範囲であることが好ましい。
SrOは、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、本発明によるガラスには、最大で1%含まれている。ただし、SrOの添加は、任意である。なお、SrOの含有量が1%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。
また、本発明によるガラスにおいて、ZnO+Ga+CaOの総和Xは、13%〜27%の範囲であり、18%〜26%の範囲であることが好ましい。Xが13%未満である場合、ガラスの熱膨張係数(α)が大きくなってしまう。一方、Xが27%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなってしまう。
本発明のガラスは、実質的に上記成分で構成されることが好ましい。ただし、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の成分、例えば、Bi、Y、Gd、Ce、CeO、TiO、GeO、TeO、Ta等を添加しても良い。
なお、本発明のガラスは、PbOを実質的に含有しないことが好ましい。また、本発明のガラスは、LiO、NaO、およびKO等を実質的に含有しないことが好ましい。これらの化合物は、ガラス中に有意な含有量で存在すると、半導体素子へのイオン拡散による劣化が生じるおそれがあるからである。また、本発明のガラスは、MnO、Fe、Co、WO等を実質的に含有しないことが好ましい。これらの化合物は、ガラス中に有意な含有量で存在すると、着色により、ガラスの透明性が損なわれる恐れがあるからである。
本発明のガラスのガラス転移温度(Tg)は、約325℃以下に抑えられている。これは、ガラス転移温度(Tg)が325℃より高くなると、封止温度が400℃以上になるおそれがあるからである。ガラス転移温度(Tg)は、320℃未満であることが好ましい。
本発明のガラスの熱膨張係数(α)は、120×10−7/℃以下であり、約115×10−7/℃以下であることが好ましい。熱膨張係数(α)が120×10−7/℃を超えると、ガラス被覆材でLED組立体を被覆した後、このLED装置を室温まで冷却する過程においてまたはその後の工程において、ガラス被覆材とLED素子の間の熱膨張係数の差に起因して、ガラス被覆材にクラックが発生するおそれがある。
(本発明によるガラスの適用例)
上記組成を有する本発明によるガラスは、ガラス被覆部を有する発光装置の被覆材として使用できる。そこで以下、LED装置を例に、本発明のガラスが被覆材として適用された、発光装置の構成を説明する。なお、本発明によるガラスは、他の発光装置の被覆材としても適用できる。
図1には、本発明によるLED装置1の断面図の一例を模式的に示す。LED装置1は、ベース基板120と、該ベース基板120上に置載された発光部100と、該発光部100を被覆する被覆部110と、を有する。
ベース基板120の発光部100が置載される側の表面には、複数の配線130(130a、および130b)が形成されている。
ベース基板120は、例えば、厚さ0.2mm〜1.2mmの矩形状のアルミナ等の無機材料からなる基板で構成される。ベース基板120の表面に形成された配線130a、および130bは、例えば金ペーストで形成された金配線であってもよい。
発光部100は、素子用基板101の上にLED素子102を設置することにより構成される。LED素子102は、素子用基板101とは反対の側に、正極103および負極104を有する。発光部100は、これらの電極103、および104が前述のベース基板120の配線130a、および130bのそれぞれと接するようにして、ベース基板120上に配置される。
LED素子102は、例えば、波長が360〜480nmの紫外光または青色光を放出するLEDで構成され、GaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造のLED(InGaN系LED)が代表的なものとして例示される。ただし、これ以外の仕様のLEDを使用しても良いことは、当然である。素子用基板101の熱膨張係数は、例えば、70×10−7〜90×10−7/℃である。通常の場合、素子用基板101の材料には、熱膨張係数が約80×10−7/℃であるサファイアが使用される。
被覆部110は、被覆材115で構成され、この被覆材115は、前述の組成を有する本発明によるガラスで構成される。
このようなLED装置1では、発光部100を覆う被覆材115を400℃以下の被覆処理温度で設置できる。従って、LED装置1を構成する各部品の熱損傷を抑制できる。また、この被覆材115は、低い熱膨張係数(α)を有する。このため、被覆材の冷却過程およびLED装置の保管期間等などにおいて、被覆材とその他の部材との間の熱膨脹係数の差に起因して生じ得る、被覆材の割れを回避できる。さらに、この被覆材115は、良好な耐候性を有する。従って、従来のガラスにおいて問題となり得る、長時間使用後の劣化が抑制される。これにより、本発明では、長期にわたって安定な光出力を示すLED装置を提供できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定して解釈されるものではない。
(例1)
以下の方法で、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、20.5%のZnO、0.5%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例1に係るガラス)を調製した。
まず、露点が−50℃以下の窒素雰囲気を保ったグローブボックス炉内で、ピロリン酸スズ(Sn:日本化学工業製)、酸化スズ(SnO:日本化学産業製)、メタリン酸亜鉛(Zn(PO:日本化学工業製)、メタリン酸カルシウム(Ca(PO:日本化学工業製)、および酸化ガリウム(GaO)を所定量秤量後、ビニール袋に密封して手で約1分間振り、粉が均質に混ざるように撹拌した。
次に、得られた固形物を、露点が−70℃以下の部屋に移し、石英製るつぼに入れ、るつぼの上部に石英製蓋を配置後、このるつぼを900℃で30分間保持し、固形物を溶解した。溶融処理が完了した後、このるつぼを炉から取り出した。さらに、溶融物を板状のガラスに成形するため、るつぼ内の溶融ガラスをカーボン型に注入した。その後、このカーボン型から取り出したガラスを315℃に保持された別の電気炉に入れ、この電気炉内で1時間保持した後、12時間かけて室温まで冷却した。以上の操作は、全て窒素雰囲気のグローブボックス内で行った。
このような工程を経て、例1に係るガラスを得た。
なお、上記工程では、全ての粉末原料に無水和物を使用し、露点が低く十分に乾燥された雰囲気中で操作を行うことにより、ガラス中への水分の含有を少なくすることができた。ガラス中の水分含有が多くてもよい場合、または後に水分を除去する工程を含む場合、液体の正リン酸原料等を使用することもできる。
また、上記工程では、価数が+2である原料中のスズが、溶解中に+4の価数に変化すること(酸化反応)を抑制するため、窒素雰囲気で溶解を行った。ただし、原料にサッカロース等を加えて過剰な酸素を燃焼させ、ガラス溶融物中での酸化反応を抑制することにより、大気中で溶解する方法もある。
(例2)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、44%のSnO、21%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例2に係るガラス)を調製した。
(例3)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、19%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例3に係るガラス)を調製した。
(例4)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、48%のSnO、17%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例4に係るガラス)を調製した。
(例5)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、50%のSnO、15%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例5に係るガラス)を調製した。
(例6)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、52%のSnO、13%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例6に係るガラス)を調製した。
(例7)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、20%のZnO、1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例7に係るガラス)を調製した。
(例8)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、20%のZnO、2%のGa、および2%のCaOを含むガラス(例8に係るガラス)を調製した。
(例9)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、21%のZnO、2%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例9に係るガラス)を調製した。
(例10)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、21.5%のZnO、2%のGa、および0.5%のCaOを含むガラス(例10に係るガラス)を調製した。
(例11)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、22%のZnO、1%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例11に係るガラス)を調製した。
(例12)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、23%のZnO、0.5%のGa、および0.5%のCaOを含むガラス(例12に係るガラス)を調製した。
(例13)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、20.7%のZnO、0.3%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例13に係るガラス)を調製した。
(例14)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、46%のSnO、20.9%のZnO、0.1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例14に係るガラス)を調製した。
(例15)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、21%のZnO、1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例15に係るガラス)を調製した。
(例16)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、21.5%のZnO、0.5%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例16に係るガラス)を調製した。
(例17)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、21.7%のZnO、0.3%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例17に係るガラス)を調製した。
(例18)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、21.9%のZnO、0.1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例18に係るガラス)を調製した。
(例19)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、22.9%のZnO、0.1%のGa、および2%のCaOを含むガラス(例19に係るガラス)を調製した。
(例20)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、45%のSnO、23.9%のZnO、0.1%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例20に係るガラス)を調製した。
(例21)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、18%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例21に係るガラス)を調製した。
(例22)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、19%のZnO、1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例22に係るガラス)を調製した。
(例23)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、19.5%のZnO、0.5%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例23に係るガラス)を調製した。
(例24)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、20%のZnO、1%のGa、および2%のCaOを含むガラス(例24に係るガラス)を調製した。
(例25)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、21%のZnO、1%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例25に係るガラス)を調製した。
(例26)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、22%のZnO、0.5%のGa、および0.5%のCaOを含むガラス(例26に係るガラス)を調製した。
(例27)
以下の方法で、酸化物基準のmol%で計算して、31%のP、46%のSnO、21.5%のZnO、0.5%のGa、0.5%のCaO、および0.5%のSrOを含むガラス(例27に係るガラス)を調製した。
まず、露点が−50℃以下の窒素雰囲気を保ったグローブボックス炉内で、ピロリン酸スズ(Sn:日本化学工業製)、酸化スズ(SnO:日本化学産業製)、メタリン酸亜鉛(Zn(PO:日本化学工業製)、メタリン酸カルシウム(Ca(PO:日本化学工業製)、酸化ガリウム(GaO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)を所定量秤量後、ビニール袋に密封して手で約1分間振り、粉が均質に混ざるように攪拌した。
次に、得られた固形物を、露点が−70℃以下の部屋に移し、石英製るつぼに入れ、るつぼの上部に石英製蓋を配置後、このるつぼを900℃で30分間保持し、固形物を溶解した。溶融処理が完了した後、このるつぼを炉から取り出した。さらに、溶融物を板状のガラスに成形するため、るつぼ内の溶融ガラスをカーボン型に注入した。その後、このカーボン型から取り出したガラスを315℃に保持された別の電気炉に入れ、この電気炉内で1時間保持した後、12時間かけて室温まで冷却した。以上の操作は、全て窒素雰囲気のグローブボックス内で行った。
このような工程を経て、例27に係るガラスを得た。
(例28)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、18%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例28に係るガラス)を調製した。
(例29)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、19%のZnO、1%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例29に係るガラス)を調製した。
(例30)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、19.5%のZnO、0.5%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例30に係るガラス)を調製した。
(例31)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、20%のZnO、1%のGa、および2%のCaOを含むガラス(例31に係るガラス)を調製した。
(例32)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、21%のZnO、1%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例32に係るガラス)を調製した。
(例33)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、22%のZnO、0.5%のGa、および0.5%のCaOを含むガラス(例33に係るガラス)を調製した。
(例34)
例27と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、32%のP、45%のSnO、21.5%のZnO、0.5%のGa、0.5%のCaO、および0.5%のSrOを含むガラス(例34に係るガラス)を調製した。
(例35)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、33%のP、45%のSnO、20.5%のZnO、0.5%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例35に係るガラス)を調製した。
(例36)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、29%のP、58%のSnO、11.5%のZnO、0.5%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例36に係るガラス)を調製した。
(例37)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、30%のP、54%のSnO、11%のZnO、2%のGa、および3%のCaOを含むガラス(例37に係るガラス)を調製した。
(例38)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、28%のP、60%のSnO、10.5%のZnO、0.5%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例38に係るガラス)を調製した。
(例39)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、28%のP、60%のSnO、11%のZnO、および1%のCaOを含むガラス(例39に係るガラス)を調製した。なお、この例39では、例1とは異なり、Gaは、添加されていない。
(例40)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、29%のP、58%のSnO、12%のZnO、および1%のCaOを含むガラス(例40に係るガラス)を調製した。なお、この例40では、例1とは異なり、Gaは、添加されていない。
(例41)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、33%のP、45%のSnO、21%のZnO、および1%のCaOを含むガラス(例41に係るガラス)を調製した。なお、この例41では、例1とは異なり、Gaは、添加されていない。
(例42)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、35%のP、41%のSnO、22.5%のZnO、0.5%のGa、および1%のCaOを含むガラス(例42に係るガラス)を調製した。
(例43)
例1と同様の方法により、酸化物基準のmol%で計算して、35%のP、41%のSnO、23%のZnO、および1%のCaOを含むガラス(例43に係るガラス)を調製した。なお、この例43では、例1とは異なり、Gaは、添加されていない。
以下の表1および表2には、各例に係るサンプルの組成をまとめて示す。表1において、例1〜例20は、実施例である。表2において、例21〜例37は、実施例であり、例38〜例43は比較例である。
Figure 0005585467
Figure 0005585467
表1および表2において、Xは、ZnO、Ga、およびCaOの総和(酸化物基準のmol%表示)である。
なお、例1〜例43に係るガラスには、いずれも着色や失透に伴う白濁は生じておらず、これらのガラスは、透明であった。
(耐候性試験)
以下の方法により、前述の各例に係るガラスのサンプルの耐候性を評価した。
まず、各サンプルを、厚さが2mmの平板に加工し、表面および裏面を、鏡面になるまで研磨した。研磨したサンプルを用いて、波長460nmにおける分光透過率を測定した。測定には、分光透過率測定装置(Perkin Elmer社製、商品名:LAMBDA950)を使用した。得られた透過率をVとする。
次に、各サンプルの耐候性を評価するため、80℃で80%の相対湿度環境とした恒温恒湿槽内に、各サンプルを入れ、所定の時間(例えば、時間tだけ)保持した。その後、各サンプルを取り出し、前述の方法により、分光透過率を測定した。得られた透過率をVとする。その後、各サンプルを再度、恒温恒湿槽内に戻した。
この操作を500時間まで繰り返した。500時間後に得られた各サンプルの分光透過率をV500とする。ここで、サンプルを恒温恒湿槽内に設置する前の透過率Vに対する、500時間後の分光透過率V500の比(すなわちV500/V)が、0.9以上になっていた場合、そのサンプルの耐候性は、良好であると判断した。一方、V500/Vが、0.9未満になっていた場合、そのサンプルの耐候性は、悪いと評価し、試験を完了した。
なお、比V500/Vが0.9以上であり、良好な耐光性を示したサンプルについては、さらに耐候性の評価を1000時間まで継続した。
1000時間の保持が完了後、各サンプルを取り出し、前述の方法により、分光透過率を測定した。得られたサンプルの透過率をV1000とする。この値を用いて、サンプルを恒温恒湿槽内に設置する前の透過率Vに対する、1000時間後の分光透過率V1000の比(すなわちV1000/V)を求めた。
比V1000/Vが0.9以上のサンプルを耐候性が極めて良好なサンプルであると判定した。
前述の表1および表2には、各サンプルについて得られた耐候性試験の結果をまとめて示す。
表1および表2において、耐候性(500時間)の欄の「○」マークは、そのサンプルのV500/Vが0.9以上のサンプルを表す。同様に、耐候性(1000時間)の欄の「○」マークは、そのサンプルのV1000/Vが0.9以上のサンプルを表す。また、表1および表2において、耐候性(500時間)の欄の「×」マークは、そのサンプルのV500/Vが0.9未満のサンプルを表し、耐候性(1000時間)の欄の「×」マークは、そのサンプルのV1000/Vが0.9未満のサンプルを表す。「−」マークは、サンプルの500時間後の耐候性(V500/V)が0.9を下回ったため、1000時間の試験を実施していないことを表す。
この表から、例41〜例43に係るサンプル(いずれも比較例に係るサンプル)は、良好な耐候性を示さないことがわかる。これに対して、例1〜例40に係るサンプルでは、500時間の試験において、良好な耐候性を示すことがわかる。特に、例1〜例36、および例38に係るサンプルは、1000時間の試験においても、良好な耐候性を示しており、極めて良好な耐候性を有することがわかる。
このように、本発明によるガラス(例1〜例37に係るサンプル)は、長時間安定した耐候性を示すことが確認された。特に、例1〜例36に係るサンプルでは、極めて良好な耐候性を示すことが確認された。
(熱膨張係数(α)の測定)
次に、各サンプルを直径5mm、長さ20mmの円柱状に加工して作製した試料を用いて、熱膨張係数(α)を測定した。熱膨張係数(α)の測定には、熱膨張計(ブルカーエイエックスエス社製、水平示差検出式熱膨張計TD5010)を使用した。この熱膨張計を使用して、各試料を10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、各温度での試料の伸びを測定した。具体的には、100〜300℃での試料の伸び値を25℃刻みで測定し、その平均値を熱膨張係数(α)とした。
図2には、熱膨張係数(α)の測定結果の一例を示す。この図は、例28に係るサンプルで得られた測定結果を示したものである。例28に係るサンプルの場合、熱膨張係数(α)は、約108×10−7/℃と見積もられた。
前述の表1および表2には、各サンプルについて得られた熱膨張係数の測定結果をまとめて示す。
前述の耐候性試験では、比較例に相当する例38〜例40に係るサンプル(特に例38に係るサンプル)も、良好な耐候性を示した。しかしながら、熱膨張係数(α)の測定結果から、例38〜例40に係るサンプルでは、熱膨張係数は、122×10−7/℃以上の高い値を示すことがわかった。このため、これらのサンプルと同じ組成を有するガラス被覆材でLED組立体を被覆した場合、このLED装置を室温まで冷却する過程においてまたはその後の工程において、ガラス被覆材とLED素子の間の熱膨張係数の差に起因して、ガラス被覆材にクラックが発生するおそれがある。
これに対して、例1〜例37に係るサンプルでは、熱膨張係数は、最大でも120×10−7/℃以下である。特に、例1〜例35のサンプルでは、熱膨張係数は、最大でも114×10−7/℃であり、これらのサンプルでは、熱膨張係数が低下している。
このように、本発明によるガラス(例1〜例37に係るサンプル)は、120×10−7/℃以下の、低い熱膨張係数を示すことが確認された。従って、これらのサンプルと同じ組成を有するガラス被覆材でLED組立体を被覆した場合、被覆材の冷却過程およびLED装置の保管期間等などにおいて、被覆材とその他の部材との間の熱膨脹係数の差に起因して生じ得る、被覆材の割れを回避できる。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)(参考)
次に、各サンプルのガラス転移温度(Tg)を測定した。ガラス転移温度(Tg)は、前述の(熱膨張係数(α)の測定)で得られた測定結果(生データ)を使用して、以下のように測定した。
図2には、各サンプルのガラス転移温度(Tg)を測定する際の操作を示す。
図2において、曲線Aは、(熱膨張係数(α)の測定)において得られた測定結果の一例である。横軸は、試料の温度(℃)を表し、縦軸は、試料の伸び(μm)を表している。
通常の場合、曲線Aは、直線領域RL(温度に対する伸びがほぼ直線で近似できる領域)、ピーク領域RP(伸びが最大となる温度Tを中心として±10℃程度の領域)、および両者の間の遷移領域RTの3つの領域を有する。
まず、この曲線Aにおいて、直線領域RLとフィッティングする直線L1を引く。次に、曲線Aの遷移領域RTにおいて、曲線の変曲点Cを求める。さらに、変曲点Cを通り曲線Aと接する直線L2を引く。
このようにして得られた2本の直線L1、L2の交点Gを、ガラス転移温度(Tg)とした。
前述の表1および表2には、各サンプルについて得られたガラス転移温度(Tg)の測定結果をまとめて示す。
この結果から、いずれのサンプルにおいても、ガラス転移温度(Tg)は、最大321℃以下の低い値となっていることがわかる。
この結果から、本発明によるガラスを用いた場合、400℃以下の低温での被覆処理が
十分に可能であることが確認された。
本発明のガラスは、液晶パネル用バックライト光源、一般照明ならびに自動車用ヘッドライドなどに用いられるLED素子の被覆および/または封止に利用できる。
1 LED装置
100 発光部
101 素子用基板
102 LED素子
103 正極
104 負極
110 被覆部
115 被覆材
120 ベース基板
130a、130b 配線。

Claims (7)

  1. 酸化物基準のmol%表示で、
    29%〜33%のP
    43%〜58%のSnO、
    11%〜25%のZnO、
    0.1%〜2%のGa
    0.5%〜5%のCaO、ならびに
    0〜1%のSrO
    を含み、
    酸化物基準のmol%表示で、ZnO、Ga、およびCaOの総和Xが13%〜27%の範囲である、ガラス。
  2. 酸化物基準のmol%表示で、
    30%〜33%のP
    44%〜53%のSnO、
    13%〜24%のZnO、
    0.1%〜2%のGa
    0.5%〜3%のCaO、ならびに
    0〜1%のSrO
    を含み、
    前記Xは、18%〜26%の範囲である、請求項1に記載のガラス。
  3. 熱膨張係数が120×10−7/℃以下である、請求項1または2に記載のガラス。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載のガラスで構成された発光装置用のガラス被覆材。
  5. 発光装置がLED素子を用いた発光装置である、請求項4に記載の発光装置用のガラス被覆材。
  6. ベース基板上に配置された光学素子と、該光学素子を被覆する被覆材とを有する発光装置であって、
    前記被覆材は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のガラスで構成されている発光装置。
  7. 前記光学素子が、LEDである請求項6に記載の発光装置。
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