JP5586372B2 - 発光ダイオード、発光ダイオードランプ及び照明装置 - Google Patents
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Description
それに応じて、赤色光又は赤外光を発光する発光ダイオードに対する要求は、主に高出力性を重視するもの、あるいは、主に高速応答性を重視するものから、それらの両方を重視するものへと変化している。特に、通信用の発光ダイオードでは、大容量の光空間伝送を行うため、高速応答性と高出力性とが必須である。
発光ダイオードは半導体レーザーと異なり、自然放出光を利用しているため、高速応答性と高出力性とはトレードオフの関係にある。従って、例えば、単に発光層の層厚を薄くしてキャリアの閉じ込め効果を増大して電子と正孔の発光再結合確率を高め、高速応答化を図っても、発光出力は低下してしまうという問題がある。
この際、本発明者は、まず、高いキャリアの閉じ込め効果を有し、高速応答に適した量子井戸構造を活性層に採用すると共に、高い注入キャリア密度を確保するために井戸層及びバリア層のペア数を5以下とした。この構成により、液相エピタキシャル法を用いて作製された発光ダイオードの上記の最も高速の応答速度と同程度か若しくはそれ以上の応答速度を実現した。
また、3元混晶の量子井戸構造又3元混晶の井戸層と4元混晶のバリア層とからなる量子井戸構造を挟むクラッド層に、バンドギャップが大きくて発光波長に対して透明であり、かつ、欠陥を作りやすいAsを含まないので結晶性の良い4元混晶のAlGaInPを採用した。
また、従来、AlGaAs系の活性層を用いる発光ダイオードにおいては、この活性層を含む化合物半導体層を透明基板に貼り付ける(接合する)タイプはなく、化合物半導体層を成長させたGaAs基板をそのまま用いていた。しかし、GaAs基板はAlGaAs系活性層に対し不透明であり光の吸収が避けられないため、化合物半導体層を成長後に成長基板であるGaAs基板を除去することにより、光の吸収を回避でき、高出力への寄与が期待できる透明基板に貼り付ける(接合する)タイプを採用した。
(1)組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、前記発光部上に形成された電流拡散層と、
前記電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、前記第1及び第2のクラッド層を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。
(2)組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、前記発光部上に形成された電流拡散層と、前記電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、前記第1及び第2のクラッド層を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。
(3)前記活性層と前記クラッド層との接合面積が20000〜90000μm2であることを特徴とする前項(1)または(2)のいずれかに記載の発光ダイオード。
なお、「前記活性層と前記クラッド層との接合面積」とは、ガイド層等の層を介して活性層とクラッド層とが接合されている場合には、それらの層と活性層若しくはクラッド層との間の接合面積を含む。
(4)前記井戸層のAl組成X1を0.20≦X1≦0.36とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が660〜720nmに設定されてなることを特徴とする前項(1)から(3)のいずれか一項に発光ダイオード。
(5)前記井戸層のAl組成X1を0≦X1≦0.2とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が720〜850nmに設定されてなることを特徴とする前項(1)から(3)のいずれか一項に発光ダイオード。
(6)前記機能性基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする前項(1)から(5)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(7)前記機能性基板はGaP、サファイア又はSiCからなることを特徴とする前項(1)から(6)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(8)組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、前記発光部上に形成された電流拡散層と、
前記発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層を含み、前記電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、前記第1及び第2のクラッド層を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。
(9)組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、前記発光部上に形成された電流拡散層と、前記発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層を含み、前記電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、前記第1及び第2のクラッド層を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。
(10)前記活性層と前記クラッド層との接合面積が20,000〜90,000μm2であることを特徴とする前項(8)または(9)のいずれかに記載の発光ダイオード。
(11)前記井戸層のAl組成X1を0.20≦X1≦0.36とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が660〜720nmに設定されてなることを特徴とする前項(8)から(10)のいずれか一項に発光ダイオード。
(12)前記井戸層のAl組成X1を0≦X1≦0.2とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が720〜850nmに設定されてなることを特徴とする前項(8)から(10)のいずれか一項に発光ダイオード。
(13)前記機能性基板はシリコンまたはゲルマニウムからなる層を含むことを特徴とする前項(8)から(12)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(14)前記機能性基板は金属基板を含むことを特徴とする前項(8)から(12)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(15)前記金属基板は複数の金属層からなることを特徴とする前項(15)に記載の発光ダイオード。
(16)前記電流拡散層はGaPからなることを特徴とする前項(1)から(15)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(17)前記電流拡散層の厚さは0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする前項(1)から(16)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(18)前記機能性基板の側面は、前記発光部に近い側においては主たる光取り出し面に対して略垂直である垂直面を有し、前記発光部に遠い側においては前記主たる光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面を有することを特徴とする前項(1)から(17)のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
(19)前記傾斜面は粗い面を含むことを特徴とする前項(18)に記載の発光ダイオード。
(20)第1の電極及び第2の電極が発光ダイオードの前記主たる光取り出し面側に設けられていることを特徴とする前項(18)または(19)のいずれかに記載の発光ダイオード。
(21)前記第1の電極及び前記第2の電極がオーミック電極であることを特徴とする前項(20)に記載の発光ダイオード。
(22)前記機能性基板の、前記主たる光取り出し面側の反対側の面に、第3の電極をさらに備えることを特徴とする前項(20)または(21)のいずれかに記載の発光ダイオード。
(23)前項(1)から(22)のいずれか一項に記載の発光ダイオードを備えることを特徴とする発光ダイオードランプ。
(24)前項(22)に記載の発光ダイオードを備え、前記第1の電極又は第2の電極と、前記第3の電極とが略同電位に接続されていることを特徴とする発光ダイオードランプ。(25)前項(1)から(22)のいずれか一項に記載の発光ダイオードを複数個搭載した照明装置。
また、量子井戸構造内に注入されたキャリアはその波動性のためにトンネル効果によって量子井戸構造内の井戸層間全体に広がることになるが、量子井戸構造の井戸層及びバリア層のペア数を5以下とする構成を採用したので、その広がりによる注入キャリアの閉じ込め効果の低下を極力回避し、高速応答性が担保されている。
さらにまた、量子井戸構造の活性層から発光する構成なので単色性が高い。
また、活性層を挟む第1のクラッド層及び第2のクラッド層として、発光波長に対して透明であると共に、欠陥を作りやすいAsを含まないために結晶性が高いAlGaInPからなる構成を採用したので、欠陥を介した電子と正孔の非発光再結合確率が低下し、発光出力が向上した。
さらに、活性層を挟む第1のクラッド層及び第2のクラッド層として、4元混晶のAlGaInPからなる構成を採用したので、クラッド層が3元混晶からなる発光ダイオードに比べてAl濃度が低く、耐湿性が向上した。
さらにまた、化合物半導体層の成長基板を除去して、電流拡散層に機能性基板を接合した構成を採用したので、成長基板による光の吸収が回避され、発光出力が向上した。すなわち、化合物半導体層の成長基板として通常用いられるGaAs基板はバンドギャップが活性層のバンドギャップよりも狭いために、活性層からの光がGaAs基板に吸収され、光取り出し効率が低下するが、このGaAs基板を除去することによって、発光出力が向上した。
図1及び図2は、本発明を適用した一実施形態である発光ダイオードを用いた発光ダイオードランプを説明するための図であり、図1は平面図、図2は図1中に示すA−A’線に沿った断面図である。
より具体的には、マウント基板42の表面には、n電極端子43とp電極端子44とが設けられている。また、発光ダイオード1の第1の電極であるn型オーミック電極4とマウント基板42のn電極端子43とが金線45を用いて接続されている(ワイヤボンディング)。一方、発光ダイオード1の第2の電極であるp型オーミック電極5とマウント基板42のp電極端子44とが金線46を用いて接続されている。さらに、図2に示すように、発光ダイオード1のn型及びp型オーミック電極4,5が設けられた面と反対側の面には、第3の電極6が設けられており、この第3の電極6によって発光ダイオード1がn電極端子43上に接続されてマウント基板42に固定されている。ここで、n型オーミック電極4と第3の電極6とは、n極電極端子43によって等電位又は略等電位となるように電気的に接続されている。第3の電極により、過大な逆電圧に対して、活性層には過電流が流れず、第3の電極とp型電極間に電流が流れ、活性層の破損を防止できる。第3の電極と基板界面側に、反射構造を付加し、高出力することもできる。また、第3の電極の表面側に、共晶金属、半田などを付加することにより、共晶ダイボンド等、より簡便な組み立て技術を利用可能とする。そして、マウント基板42の発光ダイオード1が実装された表面は、シリコン樹脂やエポキシ樹脂等の一般的な封止樹脂47によって封止されている。
図3及び図4は、本発明を適用した第1の実施形態に係る発光ダイオードを説明するための図であり、図3は平面図、図4は図3中に示すB−B’線に沿った断面図である。また、図5は積層構造の断面図である。
第1の実施形態に係る発光ダイオードは、組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層17及びバリア層18を交互に積層した量子井戸構造の活性層11と、該活性層11を挟む第1のクラッド層9と第2のクラッド層13とを有する発光部7と、発光部7上に形成された電流拡散層8と、電流拡散層8に接合された機能性基板3とを備え、第1及び第2のクラッド層9、13を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、井戸層17及びバリア層18のペア数が5以下であることを特徴とするものである。
なお、本実施形態における主たる光取り出し面とは、化合物半導体層2において、機能性基板3を貼り付けた面の反対側の面である。
Al組成X1は0≦X1≦0.36であるのが好ましい。Al組成X1をこの範囲とすることにより、660nm〜850nmの範囲で所望の発光波長を有するものとすることができる。
表1に、井戸層17の層厚が7nmのとき、Al組成X1と発光波長との関係を示す。Al組成X1が低くなるほど、発光波長が長くなっていることがわかる。また、その変化の傾向から、表に掲載されていない発光波長に対応する、Al組成を推定することができる。
表2に、井戸層17のAl組成X1=0.23のとき、井戸層17の層厚と発光波長との関係を示す。表3に、井戸層17のAl組成X1=0.17のとき、井戸層17の層厚と発光波長との関係を示す。表4に、井戸層17のAl組成X1=0.02のとき、井戸層17の層厚と発光波長との関係を示す。層厚が薄くなると量子効果により、波長が短くなる。厚い場合には、発光波長は組成で決まる。また、その変化の傾向から、表に掲載されていない発光波長に対応する、層厚を推定することができる。
例えば、井戸層17のAl組成X1を0.20≦X1≦0.36とし、井戸層17の厚さを3〜30nmとすることにより、発光波長が660〜760nmの発光ダイオードを作製することができる。
また、井戸層17のAl組成X1を0≦X1≦0.2とし、井戸層17の厚さを3〜30nmとすることにより、発光波長が760〜850nmの発光ダイオードを作製することができる。
この構成により、キャリアの閉じ込め効果を増大し、電子と正孔の発光再結合確率が大きくして、25nsec以下の高速の応答速度(立ち上がり時間)を確保した。
後述する実施例で示すように、井戸層17及びバリア層18のペア数を5対から1対に少なくするほど、応答速度は高速になった。実施例で示した条件ではペア数が1対のときに最高速の17nsecを実現した。
量子井戸層の数が少ないほど、電子と正孔が閉じ込められる領域が狭くなるために、発光再結合確率が高くなり、その結果、応答速度が高速化する。
一般に応答速度を早くするためにはキャパシタンスが小さい方が望ましいが、本発明の構造では、井戸層17とバリア層18の数を少なくすることにより、キャパシタンスが大きくなるにもかかわらず応答速度が早くなる効果が見出された。
これは、井戸層17とバリア層18の数を少なくすることによる注入キャリアの再結合速度が速くなる効果がより大きいためであると推定される。
例えば、後述する実施例で示すように、活性層11と下部クラッド層9又は上部クラッド層13との接合面積を123000μm2(350μm×350μm)とした場合とそれより狭く53000μm2(230μm×230μm)とした場合とでは、後者の方が、井戸層17及びバリア層18のペア数が5ペアのときで10%程度応答速度が向上し、また、ペア数が1ペアのときは、20%応答速度が向上した。
例えば、後述する実施例で示すように、活性層11と下部クラッド層9又は上部クラッド層13との接合面積を53000μm2とした場合に、井戸層17及びバリア層18のペア数が5ペアのときに発光出力9.6mW(応答速度22nsec)で、1ペアのときでも発光出力9mW(応答速度15nsec)という高い発光出力を維持できた。
また、電流拡散層8は、発光部7(活性層11)からの発光波長に対して透明である材料、例えば、GaPを適用することができる。電流拡散層8にGaPを適用する場合、機能性基板3をGaP基板とすることにより、接合を容易にし、高い接合強度を得ることができる。
また、電流拡散層8の厚さは0.5〜20μmの範囲であることが好ましい。0.5μm以下であると電流拡散が不十分であり、20μm以上であるとその厚さまで結晶成長させるためのコストが増大するであるからである。
機能性基板3はGaP、サファイア又はSiCからなるのが好ましい。また、機能性基板3は、発光部7を機械的に充分な強度で支持するために、例えば約50μm以上の厚みとすることが好ましい。また、化合物半導体層2へ接合した後に機能性基板3への機械的な加工を施し易くするため、約300μmの厚さを超えないものとすることが好ましい。すなわち、機能性基板3は、約50μm以上約300μm以下の厚さを有する透明度、コスト面からn型GaP基板から構成するのが最も好ましい。
また、垂直面3aの幅(厚さ方向)を、30μm〜100μmの範囲内とすることが好ましい。垂直面3aの幅を上記範囲内にすることで、機能性基板3の底部で反射された光を垂直面3aにおいて効率よく発光面に戻すことができ、さらには、主たる光取り出し面から放出させることが可能となる。このため、発光ダイオード1の発光効率を高めることができる。
ここで、n型オーミック電極4は、上部クラッド層11の上方に設けられており、例えば、AuGe、Ni合金/Auからなる合金を用いることができる。一方、p型オーミック電極5は、図4に示すように、露出させた電流拡散層8の表面にAuBe/Au、またはAuZn/Auからなる合金を用いることができる。
次に、本実施形態の発光ダイオード1の製造方法について説明する。図6は、本実施形態の発光ダイオード1に用いるエピウェーハの断面図である。また、図7は、本実施形態の発光ダイオード1に用いる接合ウェーハの断面図である。
先ず、図6に示すように、化合物半導体層2を作製する。化合物半導体層2は、GaAs基板14上に、GaAsからなる緩衝層15、選択エッチングに利用するために設けられたエッチングストップ層(図示略)、Siをドープしたn型のAlGaAsからなるコンタクト層16、n型の上部クラッド層13、上部ガイド層12、活性層11、下部ガイド層10、p型の下部クラッド層9、Mgドープしたp型GaPからなる電流拡散層8を順次積層して作製する。
次に、化合物半導体層2と機能性基板3とを接合する。化合物半導体層2と機能性基板3との接合は、先ず、化合物半導体層2を構成する電流拡散層8の表面を研磨して、鏡面加工する。次に、この電流拡散層8の鏡面研磨した表面に貼付する機能性基板3を用意する。なお、この機能性基板3の表面は、電流拡散層8に接合させる以前に鏡面に研磨する。次に、一般の半導体材料貼付装置に、化合物半導体層2と機能性基板3とを搬入し、真空中で鏡面研磨した双方の表面に電子を衝突させて中性(ニュートラル)化したArビームを照射する。その後、真空を維持した貼付装置内で双方の表面を重ね合わせて荷重をかけることで、室温で接合することができる(図7参照)。接合に関しては、接合条件の安定性から、接合面が同じ材質がより望ましい。
接合(貼り付け)はこのような真空下での常温接合が最適であるが、共晶金属、接着剤を用いて接合することもできる。
次に、第1の電極であるn型オーミック電極4及び第2の電極であるp型オーミック電極5を形成する。n型オーミック電極4及びp型オーミック電極5の形成は、先ず、機能性基板3と接合した化合物半導体層2から、GaAs基板14及び緩衝層15をアンモニア系エッチャントによって選択的に除去する。次に、露出したコンタクト層16の表面にn型オーミック電極4を形成する。具体的には、例えば、AuGe、Ni合金/Pt/Auを任意の厚さとなるように真空蒸着法により積層した後、一般的なフォトリソグラフィー手段を利用してパターニングを行ってn型オーミック電極4の形状を形成する。
次に、機能性基板3の形状を加工する。機能性基板3の加工は、先ず、第3の電極6を形成していない表面にV字状の溝入れを行う。この際、V字状の溝の第3の電極6側の内側面が発光面に平行な面とのなす角度αを有する傾斜面3bとなる。次に、化合物半導体層2側から所定の間隔でダイシングを行ってチップ化する。なお、チップ化の際のダイシングによって機能性基板3の垂直面3aが形成される。
次に、上記発光ダイオード1を用いた発光ダイオードランプ41の製造方法、すなわち、発光ダイオード1の実装方法について説明する。
図1及び図2に示すように、マウント基板42の表面に所定の数量の発光ダイオード1を実装する。発光ダイオード1の実装は、先ず、マウント基板42と発光ダイオード1との位置合わせを行い、マウント基板42の表面の所定の位置に発光ダイオード1を配置する。次に、Agペーストでダイボンドし、発光ダイオード1がマウント基板42の表面に固定される。次に、発光ダイオード1のn型オーミック電極4とマウント基板42のn電極端子43とを金線45を用いて接続する(ワイヤボンディング)。次に、発光ダイオード1のp型オーミック電極5とマウント基板42のp電極端子44とを金線46を用いて接続する。最後に、マウント基板42の発光ダイオード1が実装された表面を、シリコン樹脂やエポキシ樹脂等の一般的な封止樹脂47によって封止する。このようにして、発光ダイオード1を用いた発光ダイオードランプ41を製造する。
本発明を適用した第2の実施形態に係る発光ダイオードは、第1の実施形態に係る発光ダイオードにおけるAlGaAsバリア層18を、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とした点が異なる。
Al組成X3は、井戸層よりもバンドギャップが大きくなる組成とすることが好ましく、具体的には0〜0.2の範囲が好ましい。
また、Y2は、基板との格子不整によるひずみの発生を防止する為に0.4〜0.6とするのが好ましく、0.45〜0.55の範囲がより好ましい。
バリア層の層厚は、井戸層の層厚と等しいか又は井戸層の層厚より厚いのが好ましい。トンネル効果が生じる層厚範囲で十分に厚くすることにより、トンネル効果による井戸層間への広がりが抑制されてキャリアの閉じ込め効果が増大し、電子と正孔の発光再結合確率が大きくなり、発光出力の向上を図ることができる。
図8(a)及び(b)は、本発明を適用した第3の実施形態に係る発光ダイオードを説明するための図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)中に示すC−C’線に沿った断面図である。
第3の実施形態に係る発光ダイオード20は、組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層11と、該活性層11を挟む第1のクラッド層9と第2のクラッド層13とを有する発光部と、発光部上に形成された電流拡散層8と、発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層23を含み、電流拡散層8に接合された機能性基板31とを備え、第1及び第2のクラッド層を組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする。
図8に示した例では、機能性基板31は、電流拡散層8の下側の面8bに、第2の電極21を備え、さらにその第2の電極8を覆うように透明導電膜22と反射層23とが積層されてなる反射構造体と、シリコン又はゲルマニウムからなる層(基板)30を備えている。
機能性基板31は、この反射層23に、AuIn、AuGe、AuSn等の共晶金属で、シリコン、ゲルマニウム等の安価な基板(層)に接合する組み合わせを用いることができる。特にAuInは、接合温度が低く、熱膨張係数が発光部と差があるが、最も安価なシリコン基板(シリコン層)を接合するには最適な組み合わせである。
機能性基板31はさらに、電流拡散層、反射層金属および共晶金属が相互拡散しないよう、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、白金(Pt)などの高融点金属からなる層を挿入された構成とすることも品質の安定性から望ましい。
図11は、本発明を適用した第4の実施形態に係る発光ダイオードを説明するための図である。
本発明を適用した第4の実施形態に係る発光ダイオードは、組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層11と、該活性層を挟む第1のクラッド層9と第2のクラッド層13とを有する発光部と、発光部上に形成された電流拡散層8と、発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層53と金属基板50とを含み、電流拡散層8に接合された機能性基板51とを備え、第1及び第2のクラッド層9、13は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする
金属基板は放熱性が高く、発光ダイオードを高輝度で発光するのに寄与すると共に、発光ダイオードの寿命を長寿命とすることができる。
放熱性の観点からは、金属基板は熱伝導率が130W/m・K以上の金属からなるのが特に好ましい。熱伝導率が130W/m・K以上の金属としては、例えば、モリブデン(138W/m・K)やタングステン(174W/m・K)がある。
機能性基板51は、電流拡散層8の下側の面8bに、第2の電極57を備え、さらにその第2の電極57を覆うように透明導電膜52と反射層53とが積層されてなる反射構造体と、金属基板50とからなり、反射構造体を構成する反射層53の化合物半導体層2と反対側の面53bに、金属基板50の接合面50aが接合されている。
上記接続用金属は、電気抵抗が低く、低温で溶融する金属である。上記接続用金属を用いることにより、化合物半導体層2に熱ストレスを与えることなく、金属基板を接続することができる。
接続用金属としては、化学的に安定で、融点の低いAu系の共晶金属などを用いられる。上記Au系の共晶金属としては、例えば、AuSn、AuGe、AuSiなどの合金の共晶組成(Au系の共晶金属)を挙げることができる。
また、接続用金属には、チタン、クロム、タングステンなどの金属を添加することが好ましい。これにより、チタン、クロム、タングステンなどの金属がバリヤ金属として機能して、金属基板に含まれる不純物などが反射層53側に拡散して、反応することを抑制できる。
また、透明導電膜52の代わりに、または、透明導電膜52とともに、透明な材料の屈折率差を利用したいわゆるコールドミラー、例えば、酸化チタン膜、酸化ケイ素膜の多層膜や白色のアルミナ、AlNを用いて、反射層53に組み合わせてもよい。
金属基板は2種類の金属層が交互に積層されてなるのが好ましい。
特に、この2種類の金属層の層数は合わせて奇数とするのが好ましい。
以上の観点からは、2種類の金属層はいずれが第1の金属層でも第2の金属層でも構わない。
2種類の金属層としては、例えば、銀(熱膨張係数=18.9ppm/K)、銅(熱膨張係数=16.5ppm/K)、金(熱膨張係数=14.2ppm/K)、アルミニウム(熱膨張係数=23.1ppm/K)、ニッケル(熱膨張係数=13.4ppm/K)およびこれらの合金のいずれかからなる金属層と、モリブデン(熱膨張係数=5.1ppm/K)、タングステン(熱膨張係数=4.3ppm/K)、クロム(熱膨張係数=4.9ppm/K)およびこれらの合金のいずれかからなる金属層との組み合わせを用いることができる。
好適な例としては、Cu/Mo/Cuの3層からなる金属基板があげられる。上記の観点ではMo/Cu/Moの3層からなる金属基板でも同様な効果が得られるが、Cu/Mo/Cuの3層からなる金属基板は、機械的強度が高いMoを加工しやすいCuで挟んだ構成なので、Mo/Cu/Moの3層からなる金属基板よりも切断等の加工が容易であるという利点がある。
例えば、銀(熱伝導率=420W/m・K)、銅(熱伝導率=398W/m・K)、金(熱伝導率=320W/m・K)、アルミニウム(熱伝導率=236W/m・K)、モリブデン(熱伝導率=138W/m・K)、タングステン(熱伝導率=174W/m・K)およびこれらの合金などを用いることが好ましい。
それらの金属層の熱膨張係数が化合物半導体層の熱膨張係数と略等しい材料からなるのがさらに好ましい。特に、金属層の材料が、化合物半導体層の熱膨張係数の±1.5ppm/K以内である熱膨張係数を有する材料であるのが好ましい。これにより、金属基板と化合物半導体層との接合時の発光部への熱によるストレスを小さくすることができ、金属基板を化合物半導体層と接続させたときの熱による金属基板の割れを抑制することができ、発光ダイオードの製造歩留まりを向上させることができる。
金属基板全体としての熱伝導率は例えば、Cu(30μm)/Mo(25μm)/Cu(30μm)の3層からなる金属基板では250W/m・Kとなり、Mo(25μm)/Cu(70μm)/Mo(25μm)の3層からなる金属基板では220W/m・Kとなる。
本発明を適用した第5の実施形態に係る発光ダイオードは、組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、発光部上に形成された電流拡散層と、発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層を含み、電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする。
第5の実施形態に係る発光ダイオードは、第3の実施形態に係る発光ダイオードにおいてAlGaAsバリア層を、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とした構成である。
Al組成X3は、井戸層よりもバンドギャップが大きくなる組成とすることが好ましく、具体的には0〜0.2の範囲が好ましい。
また、Y2は、基板との格子不整によるひずみの発生を防止する為に0.4〜0.6とするのが好ましく、0.45〜0.55の範囲がより好ましい。
バリア層の層厚は、井戸層の層厚と等しいか又は井戸層の層厚より厚いのが好ましい。トンネル効果が生じる層厚範囲で十分に厚くすることにより、トンネル効果による井戸層間への広がりが抑制されてキャリアの閉じ込め効果が増大し、電子と正孔の発光再結合確率が大きくなり、発光出力の向上を図ることができる。
また、本実施形態においても、機能性基板として、第3の実施形態で例示したものを用いることができる。
本発明を適用した第6の実施形態に係る発光ダイオードは、組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、発光部上に形成された電流拡散層と、発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層と金属基板とを含み、電流拡散層に接合された機能性基板とを備え、第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする。
第6の実施形態に係る発光ダイオードは、第4の実施形態に係る発光ダイオードにおいてAlGaAsバリア層を、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とした構成である。
また、本実施形態においても、機能性基板として、第4の実施形態で例示したものを用いることができる。
実施例1の発光ダイオードは第1の実施形態の実施例であり、活性層とクラッド層との接合面積は123000μm2(350μm×350μm)であった。
先ず、Siをドープしたn型のGaAs単結晶からなるGaAs基板上に、化合物半導体層を順次積層して発光波長730nmのエピタキシャルウェーハを作製した。GaAs基板は、(100)面から(0−1−1)方向に15°傾けた面を成長面とし、キャリア濃度を2×1018cm−3とした。また、GaAs基板の層厚は、約0.5μmとした。化合物半導体層としては、SiをドープしたGaAsからなるn型の緩衝層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型のコンタクト層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型の上部クラッド層、Al0.4Ga0.6Asからなる上部ガイド層、Al0.17Ga0.83As/Al0.3Ga0.7Asの対からなる井戸層/バリア層、Al0.4Ga0.6Asからなる下部ガイド層、Mgをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるp型の下部クラッド層、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる薄膜の中間層、Mgドープしたp型GaPからなる電流拡散層である。
次に、厚さ0.2μmのAuからなる230μm□の第3の電極を機能性基板に形成した。
表6に示すように、第1の実施例では、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク発光波長730nmとする赤色光が出射された。順方向に20ミリアンペア(mA)の電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、化合物半導体層を構成する電流拡散層と機能性基板との接合界面での抵抗の低さ及び各オーミック電極の良好なオーミック特性を反映し、2.0ボルトとなった。順方向電流を20mAとした際の応答速度(立ち上がり時間)tr及び発光出力(P0)はそれぞれ、18nsec、8.8mWであった。
実施例2の発光ダイオードは第1の実施形態の実施例であり、井戸層及びバリア層のペア数を3対とした以外は、実施例1と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、20nsec、9.1mW、2.0Vであった。
実施例3の発光ダイオードは第1の実施形態の実施例であり、井戸層及びバリア層のペア数を5対とした以外は、実施例1と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、24nsec、9.3mW、2.0Vであった。
実施例6の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積以外の条件は、実施例1と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、15nsec、9.0mW、2.0Vであった。
実施例7の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を3対とした以外は、実施例6と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、18nsec、9.3mW、2.0Vであった。
実施例8の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を5対とした以外は、実施例6と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、22nsec、9.6mW、2.0Vであった。
実施例7の発光ダイオードも第1の実施形態の実施例であるが、活性層とクラッド層との接合面積を20000μm2(200μm×100μm)とした実施例である。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、17nsec、9.6mW、2.1Vであった。
実施例8の発光ダイオードも第1の実施形態の実施例であるが、活性層とクラッド層との接合面積を90000μm2(300μm×300μm)とした実施例である。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、23nsec、9.4mW、2.0Vであった。
実施例9の発光ダイオードは、活性層とクラッド層との接合面積を123000μm2(350μm×350μm)とした実施例である。
実施例9の発光ダイオードの層構成は以下の通りである。
Siをドープしたn型のGaAs単結晶からなるGaAs基板上は、(100)面から(0−1−1)方向に15°傾けた面を成長面とし、キャリア濃度を2×1018cm−3とした。化合物半導体層としては、SiをドープしたGaAsからなるn型の緩衝層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型のコンタクト層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型の上部クラッド層、(Al0.3 Ga0.7 )0.5 In0.5 Pからなる上部ガイド層、Al0.17Ga0.83As/(Al0.1Ga0.9 )0.5 In0.5Pの対からなる井戸層/バリア層、(Al0.3 Ga0.7)0.5 In0.5Pからなる下部ガイド層、Mgをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるp型の下部クラッド層、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる薄膜の中間層、Mgドープしたp型GaPからなる電流拡散層を用いた。
GaAsからなる緩衝層は、キャリア濃度を約2×1018cm−3、層厚を約0.5μmとした。コンタクト層は、キャリア濃度を約2×1018cm−3、層厚を約3.5μmとした。上部クラッド層は、キャリア濃度を約1×1018cm−3、層厚を約0.5μmとした。上部ガイド層は、アンドープで層厚を約50nmとした。井戸層は、アンドープで層厚が約7nmのAl0.17Ga0.83Asとし、バリア層はアンドープで層厚が約19nmの(Al0.1Ga0.9 )0.5 In0.5Pとした。また、井戸層及びバリア層のペア数を5対とした。下部ガイド層は、アンドープで層厚を約50nmとした。下部クラッド層は、キャリア濃度を約8×1017cm−3、層厚を約0.5μmとした。中間層は、キャリア濃度を約8×1017cm−3、層厚を約0.05μmとした。GaPからなる電流拡散層は、キャリア濃度を約3×1018cm−3、層厚を約9μmとした。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、24nsec、9.0mW、2.1Vであった。
実施例10の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積を53000μm2(230μm×230μm)とし、井戸層及びバリア層のペア数を3対とした以外は、実施例9と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、19nsec、9.0mW、2.1Vであった。
実施例11の発光ダイオードは、活性層とクラッド層との接合面積を123000μm2(350μm×350μm)とした実施例である。井戸層及びバリア層のペア数は5対とした。
電流拡散層8の表面に、AuBe/Au合金を厚さ0.2μmで20μmφのドットでなる電極21を、光取り出し面の端から50μmになるように等間隔で8個配置した。
次に、透明導電膜であるITO膜22を0.4μmの厚さでスパッタ法により形成した。更に、銀合金/Ti/Auでなる層23を0.2μm/0.1μm/1μmの厚さで形成し、反射層23とした。
チップに分離する為の切断予定部分の半導体層と反射層、共晶金属を除去し、シリコン基板をダイシングソーで、350μmピッチで正方形に切断した。
実施例12の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積を53000μm2(230μm×230μm)とし、井戸層及びバリア層のペア数を3対とした以外は、実施例11と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、18nsec、8.5mW、2.0Vであった。
実施例13の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積を123000μm2(350μm×350μm)とし、井戸層及びバリア層のペア数は5対とした。実施例9と同様の手順で化合物半導体層を作製した後、実施例11と同様の手順で、電流拡散層に反射層を備えた機能性基板を接合した構成である。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、25nsec、8.0mW、2.1Vであった。
実施例14の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積を53000μm2(230μm×230μm)とし、井戸層及びバリア層のペア数を3対とした以外は、実施例13と同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、19nsec、8.0mW、2.1Vであった。
実施例15の発光ダイオードは活性層とクラッド層との接合面積を123000μm2(350μm×350μm)とし、井戸層及びバリア層のペア数は5対とした。
電流拡散層8の表面に、AuBe/Au合金を厚さ0.2μmで20μmφのドットでなる電極21を、光取り出し面の端から50μmになるように等間隔で8個配置した。
次に、透明導電膜であるITO膜22を0.4μmの厚さでスパッタ法により形成した。更に、銀合金/Ti/Auでなる層23を0.2μm/0.1μm/1μmの厚さで形成し、反射層23とした。
チップに分離する為の切断予定部分の半導体層と反射層、共晶金属を除去し、シリコン基板をダイシングソーで、350μmピッチで正方形に切断した。
実施例16の発光ダイオードは実施例15の発光ダイオードにおけるAlGaAsバリア層を、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とした点が異なる。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、25nsec、8.0mW、2.1Vであった。
参考例1の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を10対とした以外は実施例1の発光ダイオードと同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、30nsec、9.8mW、2.0Vであった。
参考例2の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を20対とした以外は実施例1の発光ダイオードと同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、42nsec、10mW、2.0Vであった。
参考例3の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を10対とした以外は実施例4の発光ダイオードと同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、28nsec、10mW、2.0Vであった。
参考例4の発光ダイオードは、井戸層及びバリア層のペア数を20対とした以外は実施例1の発光ダイオードと同じ条件で作製し、同様の評価を行った。
この発光ダイオード(発光ダイオードランプ)の特性を評価した結果は表4に示した通り、応答速度(tr)、発光出力(P0)及び順方向電圧(VF)はそれぞれ、38nsec、10.5mW、2.0Vであった。
液相エピタキシャル法で、厚膜成長し、基板除去した構造の発光波長730nmの発光ダイオードの例を示す。
GaAs基板に、スライドボート型成長装置を用いてAlGaAs層を成長した。
スライドボート型成長装置の基板収納溝にp型GaAs基板をセットし、各層の成長用に用意したルツボにGaメタル、GaAs多結晶、金属Al、及びドーパントを入れた。成長する層は、透明厚膜層(第1のp型層)、下部クラッド層(p型クラッド層)、活性層、上部クラッド層(n型クラッド層)の4層構造とし、この順序で積層した。
これらの原料をセットしたスライドボート型成長装置を、石英反応管内にセットし、水素気流中で950℃まで加温し、原料を溶解した後、雰囲気温度を910℃まで降温し、スライダーを右側に押して原料溶液(メルト)に接触させたあと0.5℃/分の速度で降温し、所定温度に達した後、またスライダーを押して順次各原料溶液に接触させたあと高温させる動作を繰り返し、最終的にはメルトと接触させた後、雰囲気温度を703℃まで降温してnクラッド層を成長させた後、スライダーを押して原料溶液とウェーハを切り離してエピタキシャル成長を終了させた。
表4に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を760nmとする赤外光が出射された。また、順方向に20ミリアンペア(mA)の電流を通流した際の順方向電圧(VF)は、1.9ボルト(V)となった。
順方向電流を20mAとした際の応答速度(tr)及び発光出力(P0)はそれぞれ、25nsec、3.0mWであった。
比較例1のいずれのサンプルについても、本発明の実施例1〜16に比べて応答速度は等しいか遅く、且つ発光出力は低かった。
2・・・化合物半導体層
3・・・機能性基板
3a・・・垂直面
3b・・・傾斜面
4・・・n型オーミック電極(第1の電極)
5・・・p型オーミック電極(第2の電極)
6・・・第3の電極
7・・・発光部
8・・・電流拡散層
9・・・下部クラッド層
10・・・下部ガイド層
11・・・発光(活性)層
12・・・上部ガイド層
13・・・上部クラッド層
14・・・GaAs基板
15・・・緩衝層
16・・・コンタクト層
17・・・井戸層
18・・・バリア層
20・・・発光ダイオード
21・・・電極
22・・・透明導電膜
23・・・反射層
25・・・ボンディング電極
30 シリコン基板
31 機能性基板
41・・・発光ダイオードランプ
42・・・マウント基板
43・・・n電極端子
44・・・p電極端子
45,46・・・金線
47・・・エポキシ樹脂
α・・・傾斜面と発光面に平行な面とのなす角度
50・・・金属基板
51・・・機能性基板
52・・・透明導電膜
53・・・反射層
55・・・第1の電極
56・・・コンタクト層
57・・・第2の電極
Claims (24)
- 組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、
前記発光部上に形成された電流拡散層と、
発光波長に対して透明であって、前記電流拡散層に接合された機能性基板と、
前記電流拡散層に形成されたオーミック電極とを備え、
前記第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、
前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。 - 組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、
前記発光部上に形成された電流拡散層と、
発光波長に対して透明であって、前記電流拡散層に接合された機能性基板と、
前記電流拡散層に形成されたオーミック電極とを備え、
前記第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、
前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。 - 前記活性層と前記クラッド層との接合面積が20000〜90000μm2であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発光ダイオード。
- 前記井戸層のAl組成X1を0.20≦X1≦0.36とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が660〜720nmに設定されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記井戸層のAl組成X1を0≦X1≦0.2とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が720〜850nmに設定されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記機能性基板はGaP、サファイア又はSiCからなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層及びバリア層を交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、
前記発光部上に形成された電流拡散層と、
前記発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層を含み、前記電流拡散層に接合された機能性基板と、
前記電流拡散層に形成されたオーミック電極とを備え、
前記第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、
前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。 - 組成式(AlX1Ga1−X1)As(0≦X1≦1)の化合物半導体からなる井戸層と、組成式(AlX3Ga1−X3)Y2In1−Y2P(0≦X3≦1,0<Y2≦1)の化合物半導体からなるバリア層とを交互に積層した量子井戸構造の活性層と、該活性層を挟む第1のクラッド層と第2のクラッド層とを有する発光部と、
前記発光部上に形成された電流拡散層と、
前記発光部に対向して配置して発光波長に対して90%以上の反射率を有する反射層を含み、前記電流拡散層に接合された機能性基板と、
前記電流拡散層に形成されたオーミック電極とを備え、
前記第1及び第2のクラッド層は組成式(AlX2Ga1−X2)Y1In1−Y1P(0≦X2≦1,0<Y1≦1)の化合物半導体からなり、
前記井戸層及びバリア層のペア数が5以下であることを特徴とする発光ダイオード。 - 前記活性層と前記クラッド層との接合面積が20000〜90000μm2であることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の発光ダイオード。
- 前記井戸層のAl組成X1を0.20≦X1≦0.36とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が660〜720nmに設定されてなることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記井戸層のAl組成X1を0≦X1≦0.2とし、前記井戸層の厚さを3〜30nmとし、発光波長が720〜850nmに設定されてなることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記機能性基板はシリコンまたはゲルマニウムからなる層を含むことを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記機能性基板は金属基板を含むことを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記金属基板は複数の金属層からなることを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
- 前記電流拡散層はGaPからなることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記電流拡散層の厚さは0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記機能性基板の側面は、前記発光部に近い側においては主たる光取り出し面に対して略垂直である垂直面を有し、前記発光部に遠い側においては前記主たる光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
- 前記傾斜面は粗い面を含むことを特徴とする請求項17に記載の発光ダイオード。
- 第1の電極及び第2の電極が発光ダイオードの前記主たる光取り出し面側に設けられていることを特徴とする請求項17または18のいずれかに記載の発光ダイオード。
- 前記第1の電極及び前記第2の電極がオーミック電極であることを特徴とする請求項19に記載の発光ダイオード。
- 前記機能性基板の、前記主たる光取り出し面側の反対側の面に、第3の電極をさらに備えることを特徴とする請求項19または20のいずれかに記載の発光ダイオード。
- 請求項1から21のいずれか一項に記載の発光ダイオードを備えることを特徴とする発光ダイオードランプ。
- 請求項21に記載の発光ダイオードを備え、前記第1の電極又は第2の電極と、前記第3の電極とが略同電位に接続されていることを特徴とする発光ダイオードランプ。
- 請求項1から21のいずれか一項に記載の発光ダイオードを複数個搭載した照明装置。
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