JP5589828B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、シートの立体的形状が容易に変更可能である車両用シートに関する。
例えば下記特許文献1に記載されるような車両用シートは、シートカバーに覆われるクッション材であるシートパッドを備える。このシートパッドの形状を変化させれば、車両用シート全体の立体的形状(意匠)が変化する。
特開2008−295690号公報
通常、異なる立体的形状の車両シートを得るためには、異なる立体的形状のシートパッドを用意する必要がある。すなわち、シートパッド全体を変更する必要がある。したがって、例えば車両用シートの一部分が異なるだけの類似形状の車両用シートを得る場合であっても、それぞれの車両用シートに用いる異なるシートパッド全体を作成しなければならず、製造コスト増大(金型コストやパッド管理コストの増大)の要因となっていた。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、新たにシートパッド全体を作成しなくともシートの立体的形状が変更可能な車両用シートを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明にかかる車両用シートは、シートパッドと、このシートパッドを覆うシートカバーと、を備える車両用シートであって、前記シートパッドは、本体パッドと、前記シートカバーの内側に取り付けられた収容部材に収容された、前記本体パッドに密接する部分パッドと、を有し、前記部分パッドは、その少なくとも一部が、車両用シートの上下方向、前後方向、および幅方向の全てにおいて前記本体パッドに重なるように設定されていることを要旨とする。なお、かかる構成における「密接」には、部分パッドと本体パッドの間に収容部材(収容部材を構成する部材)が介在された状態を含む。
本発明にかかる車両用シートでは、シートパッドは、「本体パッド」と「部分パッド」とを有し、これらの形状によってシート全体の形状が決まる。このうち、部分パッドは、シートカバーの内側に取り付けられた収容部材に収容される部分であるため、容易に形状を変更できる。すなわち、シートカバーを介して取り付けられるシートパッドの一部を構成する部分パッドを変更するだけで、シートパッド全体を変更しなくとも、異なる立体的形状(意匠)の車両用シートが得られる。つまり、容易に様々な立体的形状の車両用シートが得られ、金型コストの削減、パッド種類減少による管理コスト削減等のコストダウンにつながる。
また、部分パッドが本体パッドに対して三次元的に位置決めされるから、本体パッドに密接する部分パッドの位置ずれが防止される。すなわち、シートパッドが本体パッドと部分パッドに分割された構成ではあるが、従来と比較して座り心地等が低下することはない。
上記課題を解決するために別の本発明にかかる車両用シートは、シートパッドと、このシートパッドを覆うシートカバーと、を備える車両用シートであって、前記シートパッドは、本体パッドと、前記シートカバーの内側に取り付けられた収容部材に収容された、前記本体パッドに密接する部分パッドと、を有し、前記本体パッドには、前記部分パッド側に突出した突出部が形成され、前記部分パッドには、前記突出部を挟む挟持部が形成されていることを要旨とする
このように、部分パッドが本体部に形成された突出部を挟み込むような形状であれば、本体パッドに対する部分パッドの位置ずれが防止される(位置ずれ防止効果がさらに高まる)。
この場合、前記収容部材は、前記シートカバーよりも伸びにくい布で前記部分パッドを包む袋状に形成されているとよい。
このように、収容部材が伸びにくい布で形成されていれば、シートカバーの内側に設けられる部分パッドの位置ずれ(本体パッドに対する位置ずれ)が防止される。具体的には、収容部材が伸縮性のある布で形成されているとすると、収容部材が伸びてしまい収容部材とそれに収容された部分パッドの間に隙間が生じてしまうおそれがある。一方、上記構成のように収容部材が伸びにくい布で形成されていれば、収容部材とそれに収容された部分パッドの間に隙間が生じることを防止することができる。すなわち、収容部材の形状が安定するから、部分パッドをシートカバーにおける所定位置(正しい位置)に引き込んで収容することができる。
本発明によれば、シートカバーの内側に取り付けられる部分パッドを変更するだけで、異なる立体的形状(意匠)の車両用シートが得られる。つまり、シートパッド全体を変更しなくとも、車両用シートの立体的形状を変更することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両用シートの外観図である。 本発明の一実施形態にかかる車両用シートを分解して示した図である。 シートパッド(本体パッドおよび部分パッド)の外観図である。 本発明の一実施形態にかかる車両用シートを上下方向に沿った平面で切断した断面図である。 本発明の一実施形態にかかる車両用シートを幅方向に沿った平面で切断した断面図である。 本体パッドの形状および部分パッドの形状を設定する手法(本体パッドおよび部分パッドの構成)を説明するための概略図であり、二種類の類似する車両用シートを例として示した図である。
以下、本発明の実施形態にかかる車両用シート1について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向とは車両用シート1の上下方向(図中のZ方向)をいい、前後方向とは車両用シート1の前後方向であって上下方向及び幅方向に直交する方向(図中のY方向)をいい、幅方向とは車両用シート1の幅方向(図中のX方向)をいう。
(全体構成)
まず、本発明の一実施形態にかかる車両用シート1の全体構成について説明する。図1〜図5に示す車両用シート1は、着座する者の背もたれとなるシートバック部分であり、シートパッド10と、このシートパッド10を覆うシートカバー20と、を備える。シートパッド10は、シートのクッション材となる部分であり、シートカバー20は、シートクッションを覆う車両用シート1の外表面を構成する部材である。
シートパッド10は、本体パッド11および部分パッド12を有する。本体パッド11は、シートパッド10の大部分を構成するパッド本体部である。一方、部分パッド12は、本体パッド11の前面側上部(着座する者の肩近傍を支持する部分)に密接する取り替え可能な部分である。詳細は後述するが、シートパッド10から本体パッド11を除いた形状は、部分パッド12の形状と略一致する。
シートカバー20は、シートパッド10の少なくとも前面側を覆うカバー部材である(本実施形態ではシートカバー20はシートパッド10の全面を覆う)。かかるシートカバー20の内側には袋状の収容部材30が取り付けられている。収容部材30は、シートカバー20の前面側上部に取り付けられている。この収容部材30内部に上記部分パッド12が収められている。本体パッド11を覆うようにシートカバー20を取り付けることで、収容部材30に収容された部分パッド12が本体パッド11に密接(本実施形態では、厳密には本体パッド11と部分パッド12との間に収容部材30を構成する布が介在する。このような構成も「密接」に含まれるものとする)する。これにより、所定の立体的形状を有する車両用シート1が得られる。部分パッド12の形状を変更すれば、異なる立体的形状を有する車両用シート1が得られる。
(各構成部材の詳細)
シートパッド10の詳細について説明する。本体パッド11は、複数種の車両用シート1に共通して用いられるものである。かかる点を図6の概念図を参照して説明する。例えば、要求される立体的形状が図6(a)に示されるような形状である車両用シート1a(シートパッド10a)と車両用シート1b(シートパッド10b)があるとする。この二つの車両用シート1a、1bに本発明を適用する場合、車両用シート1aのシートパッド10aと車両用シート1bのシートパッド10bの共通部分(重なる部分)の少なくとも一部を構成する部分を両シート共通の本体パッド11として設定しなければならない。図6(b)において実線で示した部分で示した部分が共通部分Cであり、例えばこの共通部分Cの一部を構成する図6(b)において一点鎖線で示した部分Csが、図6(c)に示すように各車両用シート1a、1bの本体パッド11として設定される。
部分パッドは、シートパッド10a、10b全体の形状から、設定された本体パッド11の部分を除いた部分となる。車両用シート1aのシートパッド10aから本体パッド11を除いた部分が車両用シート1aの部分パッド12aとなり、車両用シート1bのシートパッド10bから本体パッド11を除いた部分が車両用シート1bの部分パッド12bとなる。つまり、本体パッド11は、両シート共通の部材であるが、部分パッド12a、12bは両シートで異なる部材となる。かかる説明では、例として二つの車両用シート1a、1bを挙げたが、シートパッド10の大部分が共通する三種以上の車両用シート1であっても、共通部分の少なくとも一部を構成する部分を本体パッド11に設定し、各車両用シート1のシートパッド10全体から本体パッド11を除いた部分を部分パッド12として設定すればよい。すなわち、本体パッド11は全ての車両用シート1に共通する部材となり、部分パッド12は各車両用シート1独自の部材となる。
本体パッド11は、各車両用シート1のシートパッド10全体の共通部分の「少なくとも一部」を構成すればよい(もちろん共通部分全体をそのまま本体パッド11と設定してもよい)のであるから、部分パッド12の形状の設定にはある程度の自由度がある。したがって、本体パッド11に密接する部分パッド12は、本体パッド11に対して位置ずれしにくい形状に設定することができる。例えば、図4に示すように、上下方向(Z方向)で本体パッド11の少なくとも一部と部分パッド12の少なくとも一部が重なるように(本体パッド11の上に部分パッド12が乗るように)設定すれば、上下方向に部分パッド12が位置ずれすることを防止できる。また、図4および図5に示すように、前後方向(Y方向)で幅方向で本体パッド11の少なくとも一部と部分パッド12の少なくとも一部が重なるように設定すれば、前後方向に部分パッド12が位置ずれすることを防止できる。また、図5に示すように、幅方向(X方向)で本体パッド11の少なくとも一部と部分パッド12の少なくとも一部が重なるように設定すれば、幅方向に部分パッド12が位置ずれすることを防止できる。そして、このように上下方向、前後方向、幅方向の全て(Z、Y、X方向の全て)において本体パッド11の少なくとも一部と部分パッド12の少なくとも一部が重なるように設定されていれば、部分パッド12が本体パッド11に対して三次元的に位置決めされるため、優れた位置ずれ防止効果を発揮する。
さらに、本実施形態では、本体パッド11にはその幅方向両側から前方に突出する突出部111が形成されている。本体パッド11にこのような突出部111が形成される場合、部分パッド12には突出部111を挟む挟持部121が形成されていればよい。図5に示すように、幅方向に沿った平面で切断した断面で見ると、挟持部121は二股状に突出した形状(略「V」字形状)に形成されている。この二股状に突出した部分の間に本体パッド11の突出部111が挟まれる。したがって、幅方向の一方(図5における左方向)および他方(図5における右方向)の両方向への本体パッド11に対する部分パッド12の位置ずれが防止される。なお、本体パッド11に形成された突出部111は、シートに着座する者の両側を支持するいわゆるサイドサポート部112がそのまま上方に延びた部分である。このように、サイドサポート部112などの車両用シート1特有の形状を利用しつつ本体パッド11に突出部111を形成すれば、突出部111を形成することによる本体パッド11形状の複雑化(本体パッド11を成形する金型の複雑化等)を招くことはない。
なお、部分パッド12は、本体パッド11と同一の硬度(クッション性)を有する発泡体で形成してもよいし、異なる硬度を有する発泡体で形成してもよい。部分パッド12が着座する者の特定の部位(肩や腰など)を支持する箇所に設けられる構成であれば、部分パッド12を当該特定の部位を効果的に支持することができる硬度に設定すればよい。
次に、収容部材30の詳細について説明する。収容部材30は、部分パッド12をシートカバー20に位置決めする(換言すれば、本体パッド11に対する部分パッド12の位置ずれを防止する)ための部材であるため、伸びにくい(伸縮性が低い)布で形成される。具体的には、少なくともシートカバー20よりも伸縮性が低い布であるとよい。好適な布としては、例えば、綿布や力布(補強布)などが挙げられる。
また、収容部材30は、シートカバー20の縫製を利用して取り付けられるとよい。シートカバー20は、通常、複数枚の布が縫製されて構成される。このシートカバー20の縫製とともに収容部材30が縫製される構成(シートカバー20の縫製と同時に、収容部材30がシートカバー20に取り付けられたり、収容部材30が袋状に形成されたりする構成)とすれば、シートカバー20の縫製作業と収容部材30の縫製作業を同時に行うことができ、作業の効率化に資する。また、シートカバー20と収容部材30とが複数箇所で一緒に縫製されていれば、シートカバー20によって収容部材30の立体的形状が保持される。例えば、図4および図5に示すようなシートカバー20のコーナー部A1やA2でシートカバー20と共に縫製するとよい。また、図4に示すような部分パッド12の下端近傍A3や図5に示すような二股状の挟持部121の先端近傍A4でシートカバー20と共に縫製するとよい。
また、収容部材30は、収容部材30と布との間に大きな隙間ができないように、複数の布が組み合わされて構成される。このような大きな隙間が生ずると、本体パッド11と部分パッド12が密接することができなくなってしまうおそれがあるからである。具体的には、部分パッド12の大きく屈曲する部分の近傍に縫製位置を設定することで、部分パッド12と収容部材30を構成する布との間に大きな隙間が生じないようにしている。例えば、本実施形態では、部分パッド12に二股状の挟持部121が形成されているため、図5に示すような挟持部121の先端近傍A4や、挟持部121の谷間近傍A5に縫製位置が設定される。これにより、布がテントを張るような状態となって挟持部121の内側に大きな隙間が生じることが防止される(挟持部121の内側の面と収容部材30を構成する布が密着する)。
さらに、収容部材30は、本体パッド11の上面に沿って延びる引掛部31を有する。かかる引掛部31には、貫通穴311が形成されている。この貫通穴311には、ヘッドレストのステー90が挿通される。つまり、収容部材30はヘッドレストのステー90に吊り下がるように支持されている。すなわち、収容部材30に収容された部分パッド12もヘッドレストのステー90に支持されている。このように、車両用シート1に設けられるヘッドレストのステー90を支持部材としても利用すれば、収容部材30の位置ずれ、および、収容部材30に収容された部分パッド12の位置ずれ防止効果が高められる。
(本実施形態の効果)
以上説明した本実施形態にかかる車両用シート1によれば、次のような作用効果が奏される。
本発明にかかる車両用シート1では、シートパッド10は、複数の車両用シート1に共通する本体パッド11と、各車両用シート1ごとに独自の形状に設定される部分パッド12とを有する。部分パッド12は、シートカバー20の内側に取り付けられた収容部材30に収容される構成であり、容易に形状を変更できる。すなわち、シートカバー20を介して取り付けられるシートパッド10の一部を構成する部分パッド12を変更するだけで、シートパッド10全体を変更しなくとも、異なる立体的形状(意匠)の車両用シート1が得られる。このように、部分パッド12を変更するだけで車両用シート1の立体的形状を変更することができるため、金型コストの削減、パッド種類減少による管理コスト削減等のコストダウンにつながる。
また、本体パッド11と部分パッド12は、車両用シート1の上下方向、前後方向、および幅方向の全てにおいて少なくとも一部が重なるように設定されているため、部分パッド12が本体パッド11に対して三次元的に位置決めされる。したがって、本体パッド11に密接する部分パッド12の位置ずれ防止効果が高い。そのため、シートパッド10が一体に形成された従来構成と比較して座り心地等が低下するなどといった不具合が発生することはない。
また、本体パッド11には、部分パッド12側に突出した突出部111が形成され、部分パッド12には、突出部111を挟む挟持部121が形成されているため、極めて優れた部分パッド12の位置ずれ防止性能を発揮する。
また、収容部材30は、シートカバー20よりも伸びにくい布で部分パッド12を包む袋状に形成されているため、シートカバー20の内側に設けられる部分パッド12の位置ずれ(本体パッド11に対する位置ずれ)が防止される。具体的には、収容部材30が伸縮性のある布で形成されているとすると、収容部材30が伸びてしまい収容部材30とそれに収容された部分パッド12の間に隙間が生じてしまうおそれがある。一方、本実施形態のように収容部材30が伸びにくい布で形成されていれば、収容部材30とそれに収容された部分パッド12の間に隙間が生じることを防止することができる。すなわち、収容部材30の形状が安定するから、部分パッド12をシートカバー20に対する所定位置(正しい位置)に引き込んで収容することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態は、車両用シート1のシートバックに適用された構成であることを説明したが、車両用シート1を構成するその他の部分(シートクッション(着座部)やヘッドレスト)に適用することも可能である。
また、上記実施形態は、一つの車両用シート1(一つのシートパッド10)に一つの部分パッド12が用いられる構成であることを説明したが、一つの車両用シート1に二以上の部分パッド12が用いられる構成(部分パッド12が分割された構成)としてもよい。すなわち、複数の車両用シート1に共通する部分の少なくとも一部を構成する部分を本体パッド11として設定し、それ以外の部分を部分パッド12として設定した構成であれば、部分パッド12が二以上であってもよい。
1 車両用シート
10 シートパッド
11 本体パッド
111 突出部
12 部分パッド
121 挟持部
20 シートカバー
30 収容部材

Claims (3)

  1. シートパッドと、このシートパッドを覆うシートカバーと、を備える車両用シートであって、
    前記シートパッドは、
    本体パッドと、
    前記シートカバーの内側に取り付けられた収容部材に収容された、前記本体パッドに密接する部分パッドと、を有し、
    前記部分パッドは、その少なくとも一部が、車両用シートの上下方向、前後方向、および幅方向の全てにおいて前記本体パッドに重なるように設定されていることを特徴とする車両用シート。
  2. シートパッドと、このシートパッドを覆うシートカバーと、を備える車両用シートであって、
    前記シートパッドは、
    本体パッドと、
    前記シートカバーの内側に取り付けられた収容部材に収容された、前記本体パッドに密接する部分パッドと、を有し、
    前記本体パッドには、前記部分パッド側に突出した突出部が形成され、
    前記部分パッドには、前記突出部を挟む挟持部が形成されていることを特徴とす車両用シート。
  3. 前記収容部材は、前記シートカバーよりも伸びにくい布で前記部分パッドを包む袋状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シート。
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