JP5591771B2 - インクセット及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、活性放射線の照射に対して硬化性に優れるインク組成物として、(A)N−ビニルラクタム類、(B)分子内にエチレンオキシド鎖を3以上有する(メタ)アクリル酸のエステル及び/又はアミド、及び、(C)重合開始剤、を含有するインク組成物であって、前記(A)N−ビニルラクタム類をインク組成物総重量の10重量%以上含有するインク組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、高速かつ高精彩な印字を行うことができるインクジェット記録方法として、少なくとも、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材との凝集反応を経た後に、UV(紫外線)を照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、色再現域が広い画像を形成できるインクセット及び画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
<1> 顔料、一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物、N−ビニルラクタム化合物、重合開始剤、及び水を含有するインク組成物と、前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、を含むインクセット。
<3> 前記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物の含有量が、前記インク組成物の全量に対し、5〜20質量%である<1>又は<2>に記載のインクセット。
<4> 前記N−ビニルラクタム化合物の含有量が、前記インク組成物の全量に対し、2〜10質量%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクセット。
<5> 前記N−ビニルラクタム化合物が、単官能のN−ビニルラクタム化合物である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクセット。
<6> 前記N−ビニルラクタム化合物が、下記一般式(A)で表される化合物である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクセット。
<8> 前記N−ビニルラクタム化合物が、N−ビニルピロリドン及びN−ビニル−ε−カプロラクタムの少なくとも一方である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクセット。
<9> 前記N−ビニルラクタム化合物が、N−ビニル−ε−カプロラクタムである<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクセット。
<10> 前記インク組成物全量に対する水の含有量が、50質量%以上である<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクセット。
<11> 前記一般式(1)におけるnが、3以上の整数である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクセット。
<13> 前記インク付与工程は、前記記録媒体に付与された前記処理液上に、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクセットに含まれる前記インク組成物である第1のインク組成物を付与し、付与された前記第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、重合開始剤、及び水を含む第2のインク組成物を付与する工程であり、前記活性エネルギー線照射工程は、前記記録媒体上に付与された、前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程である<12>に記載の画像形成方法。
<14> 前記記録媒体が、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である<12>又は<13>に記載の画像形成方法。
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう)は、顔料、後述の一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物、N−ビニルラクタム化合物、重合開始剤、及び、水を含有する。
そこで、水性の硬化型インクを上記本発明の構成とすること、即ち、水性の硬化型インクに後述の一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物とN−ビニルラクタム化合物とを含有させることにより、水性の硬化型インクに特有の現象である、画像の色再現域が狭くなる現象を抑制することができる。ここで、一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物及びN−ビニルラクタム化合物の少なくとも一方が欠けると、かかる現象を抑制できず、色再現域が狭くなる。
また、本発明のインク組成物によれば、画像の色再現域が拡大することに加え、画像の光沢度も向上する。
本発明のインク組成物は、下記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物(以下、「一般式(1)で表される重合性化合物」ともいう)を含有する。
本発明のインク組成物は、この一般式(1)で表される重合性化合物及び後述のN−ビニルラクタム化合物の両方を含むことにより、画像の色再現域が拡大する。
ここで、「水溶性」とは、水に一定濃度以上溶解できることをいい、水性のインク中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであればよい。また、後述する水溶性溶剤を添加することにより溶解度が上がってインク中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。具体的には、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上であることが好ましく、15質量以上であることがより好ましい。
前記R1は、水素原子、またはメチル基をあらわし、好ましくは水素原子である。
また、前記nは、画像の色再現域をより拡大する観点からは、3以上の整数であることが好ましい。前記nの上限には特に限定はないが、該上限は、好ましくは6であり、より好ましくは4である。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、または糖類などのポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミン、などのポリアミン類。
連結基Qの特に好ましい形態は、該連結基Qがオキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を(好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上)含むポリオール類の残基である形態である。
SP値は、ハンセン(Hansen)溶解度パラメータを用いる。ハンセン(Hansen)溶解度パラメータは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを、分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間に表したものであるが、本発明においてはSP値をδ[(cal/cm3)0.5]で表し、下記式を用いて算出される値を用いる。
δ[(cal/cm3)0.5]=(δd2+δp2+δh2)0.5
なお、この分散項δd,極性項δp,水素結合項δhは、ハンセンやその研究後継者らにより多く求められており、Polymer Handbook (fourth edition)、VII−698〜711に詳しく掲載されている。
また、多くの溶媒や樹脂についてのハンセン溶解度パラメータの値が調べられており、例えば、Wesley L.Archer著、Industrial Solvents Handbookに記載されている。
本発明のインク組成物中における前記一般式(1)で表される重合性化合物の含有量(2種以上の場合には総含有量。以下同じ。)には特に限定はないが、画像の色再現域をより拡大する観点より、該含有量は、インク組成物の全量に対し、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、N−ビニルラクタム化合物を含む。
本発明のインク組成物において、N−ビニルラクタム化合物は、重合性化合物として機能する。本発明では、このN−ビニルラクタム化合物及び前記一般式(1)で表される重合性化合物の両方を含むことにより、画像の色再現域が拡大する。
前記N−ビニルラクタム化合物の好ましい例として、一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、前記mは2〜4の整数であることが好ましく、前記mは2又は4であることがより好ましい。
すなわち、前記一般式(A)で表される化合物としては、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムの少なくとも一方であることが特に好ましい。
中でも、N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
本発明のインク組成物中における前記N−ビニルラクタム化合物の含有量(2種以上の場合には総含有量。以下同じ。)には特に限定はないが、画像の色再現域をより拡大する観点より、該含有量は、インク組成物の全量に対し、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%が更に好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
また、上記範囲において、他の重合性化合物(例えば前記一般式(1)で表される重合性化合物)とのより良好な共重合性を示し、より硬化性に優れるインク組成物が得られる。また、N−ビニルラクタム化合物は比較的融点が高い化合物である。N−ビニルラクタム化合物の含有量がインク組成物の全量に対し20質量%以下であるインク組成物は、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インク組成物の取り扱い可能温度範囲が広くなり、好ましい。
また、本発明のインク組成物において、前記N−ビニルラクタム化合物の総質量と前記一般式(1)で表される重合性化合物の総質量との合計に対する前記N−ビニルラクタム化合物の総質量の比率〔N−ビニルラクタム化合物の総質量/(前記N−ビニルラクタム化合物の総質量+前記一般式(1)で表される重合性化合物の総質量)〕には特に限定はないが、色再現域をより拡大する観点より、該比率は、0.05〜0.9が好ましく、0.05〜0.85がより好ましく、0.10〜0.70が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、顔料を含有する。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
前記顔料として、マゼンタ又はレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222、C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
前記顔料として、グリーン又はシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、及び米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン、等が挙げられる。
前記顔料として、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
顔料の含有量(2種以上の場合には総含有量)としては、インク組成物の全質量に対して、1〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。
前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
本発明におけるインク組成物は重合開始剤を含有する。
前記重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
一般式(B)において、mが0〜3であってnが0または1であることが好ましく、mが0または1であってnが0であることがより好ましい。
一般式(B)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明のインク組成物は水を含有する。
即ち、本発明のインク組成物は水性のインク組成物である。
本発明のインク組成物における水の含有量には特に制限はないが、インク組成物の全量に対し、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
従来の水性の硬化性インク組成物では、水の含有量が多い程、色再現域が狭くなる現象がより生じやすい。従って、本発明のインク組成物における水の含有量が10質量%以上(より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上)である場合には、本発明による色再現域拡大の効果がより効果的に奏される。
水の含有量の上限には特に限定はないが、90質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。
本発明のインク組成物は、必要に応じ樹脂粒子を含有することができる。
この樹脂粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定化して凝集しインクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水および有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
また樹脂粒子はラテックスの形態で用いることもできる。
また樹脂粒子の平均粒径は、1nm〜1μmの範囲が好ましく、1nm〜200nmの範囲がより好ましく、1nm〜100nmの範囲が更に好ましく、1nm〜50nmの範囲が特に好ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
ここで、自己分散性樹脂とは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーをいう。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
前記自己分散性樹脂粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121や、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167に記載されている自己分散性樹脂粒子を用いることができる。
また、前記水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
本発明のインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。
表面張力調整剤として、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物等を挙げることができ、これから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの化合物の市販品としては例えば、日信化学工業社のオルフィンE1010などのEシリーズを挙げることができる。
インク組成物の全質量に対する界面活性剤の具体的な量には特に制限はないが、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
本発明のインク組成物は、必要に応じ、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明のインクセットは、既述の本発明のインク組成物と、前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、を含む。
従来の水性の硬化型インクを用いた画像において色再現域が狭くなる現象は、従来の水性の硬化型インクと、該水性の硬化型インク中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、を含むインクセットを用いて画像を形成する系において特に顕著な現象である。従って、本発明のインクセットによれば、本発明のインク組成物による色再現域拡大の効果がより効果的に奏される。
本発明のインクセットは、既述の本発明のインク組成物を1種(1色)のみ含んでいてもよいし、2種以上(2色以上)含んでいてもよい。
本発明のインクセットは、前記処理液を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
また、本発明のインクセットは、本発明のインク組成物及び前記処理液に加え、本発明のインク組成物以外のインク組成物など、その他の構成要素を含んでいてもよい。
前記処理液は、既述のインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を少なくとも含むが、必要に応じて、さらに他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
インク組成物を凝集させる凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインクセットを用いたものであり、記録媒体上に前記処理液を付与する処理液付与工程と、前記記録媒体上に付与された前記処理液上に、前記インク組成物を付与するインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、を有する。本発明の画像形成方法は、必要に応じ、更に他の工程を設けて構成することができる。
従来の水性の硬化型インクを用いた画像において色再現域が狭くなる現象は、従来の水性の硬化型インクと、該水性の硬化型インク中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、を含むインクセットを用いて画像を形成する系において特に顕著な現象である。従って、本発明の画像形成方法によれば、本発明のインク組成物による色再現域拡大の効果がより効果的に奏される。
以下、本発明の画像形成方法を構成する各工程を説明する。
本発明における処理液付与工程は、記録媒体上に、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を付与する工程である。
なお、処理液は凝集剤を少なくとも含有してなり、各成分の詳細及び好ましい態様については、既述した通りである。
また、本発明においては、処理液付与工程とインク付与工程との間、即ち、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を乾燥する処理液乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
前記加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
本発明におけるインク付与工程は、前記記録媒体上に付与された前記処理液上に、本発明のインク組成物を付与する工程である。
インク付与工程では、前述の処理液付与工程で付与された処理液と、本工程で付与されるインク組成物と、が接触することにより、インク組成物中の顔料等の分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。これにより、画像記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
インク組成物の詳細及び好ましい態様などインク組成物の詳細については、既述のインク組成物に関する説明で述べた通りである。
インクジェット法を利用した画像の記録は、具体的には、エネルギーを供与することにより、所望の被記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に液体組成物を吐出することにより行なえる。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェット記録方法として、(1)静電吸引方式とよばれる方法がある。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又はインク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。また、(2)小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法がある。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。次に、(3)インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法(ピエゾ)、(4)印刷信号情報にしたがって微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射し、記録媒体上に画像を記録する方法(バブルジェット(登録商標))がある。
本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、本発明による色再現性拡大の効果が大きい。
本発明における活性エネルギー線照射工程は、前記インク付与工程において前記記録媒体上(詳しくは、記録媒体に付与された処理液上)に付与された前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する工程である。
本工程では、活性エネルギー線を照射することでインク組成物中の重合性化合物(即ち、一般式(1)で表される化合物及びN−ビニルラクタム化合物)が重合して、顔料を含む硬化膜が形成される。これにより形成される画像の耐擦性がより向上する。
本発明に用いられる活性エネルギー線としては、前記重合性化合物を重合可能なものであれば特に制限はない。例えば、紫外線、電子線等挙げることができ、中でも、汎用性の観点から、紫外線であることが好ましい。
紫外線を照射する手段としては、通常用いられる手段を用いることができ、特に紫外線照射ランプが好適に使用される。
紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1〜10Paであるような、いわゆる、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光体が塗布された水銀灯、UV−LED光源等が好ましい。これらの水銀ランプ、UV−LED光源の紫外線領域の発光スペクトルは、450nm以下、特には184nm〜450nmの範囲であり、黒色或いは、着色されたインク組成物中の重合性化合物を効率的に反応させるのに適している。また、電源をプリンタに搭載する上でも、小型の電源を使用できるので、適している。水銀ランプには、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、ディープUVランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、UVレーザー等が実用されており、発光波長領域としては上記範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる重合開始剤の感度にも合わせて選択する。
本発明のインクジェット画像形成方法においては、インク付与工程の後であって活性エネルギー線照射工程の前に、記録媒体上に付与されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥工程をさらに有することが好ましい。
インク乾燥工程では、インク組成物に含まれる液媒体(好ましくは、少なくとも水)が除去される。乾燥工程を有することにより、インク組成物に含まれる重合性化合物の重合効率が向上し、より高精細で耐擦性に優れた画像を形成することができる。
インク組成物に含まれる液媒体(好ましくは、少なくとも水)の除去方法としては、特に制限はなく通常用いられる媒体の除去方法を適用することができる。中でも、媒体の除去効率の観点から、加熱処理による媒体の除去であることが好ましい。
次に、前述の本発明の画像形成方法の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態に係る画像形成方法は、前述の本発明の画像形成方法において、前記インク付与工程が、前記記録媒体に付与された前記処理液上に、本発明のインク組成物である第1のインク組成物を付与し、付与された前記第1のインク組成物上に(前記第1のインク組成物の少なくとも1部と重なるようにして)、顔料、重合性化合物、重合開始剤、及び水を含む第2のインク組成物を付与する工程であり、前記活性エネルギー線照射工程が、前記記録媒体上に付与された、前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程である。
本実施形態は、記録媒体上に、第1のインク組成物及び第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物を重ねて付与することにより、多次色(好ましくは2〜4次色)の画像を形成する形態である。
従って、本実施形態によれば、本発明のインク組成物による色再現域拡大の効果が特に顕著に奏される。
前記第2のインク組成物は、顔料、重合性化合物、重合開始剤、及び水を含むインク組成物(即ち、水性の硬化型インク)であれば特に限定はなく、本発明のインク組成物であってもよいし、本発明のインク組成物以外のインク組成物であってもよい。
但し、前記第2のインク組成物として本発明のインク組成物を用いることは、(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインク組成物を用い)、各色のインク組成物の打滴順(付与順)を任意に選択しながら多次色画像を形成できる点で好ましい。
前記第2のインク組成物が本発明のインク組成物以外のインク組成物である場合、重合性化合物としては、単官能のアクリルアミド(例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド等)、単官能又は多官能のアクリルエステル等、硬化型インク組成物の技術分野において公知の重合性化合物を用いることができる。公知の重合性化合物としては、例えば、特開2007−262178号の段落0027〜段落0041に記載の重合性化合物を用いることができる。
本実施形態において前記第1のインク組成物は、既述の本発明のインク組成物であることが必要である。これにより、多次色の画像を形成する場合における画像の色再現域が効果的に拡大する。
即ち、第1のインク組成物が1種(1色)のインク組成物である場合には、本実施形態は2次色の画像を形成する形態となる。
また、第1のインク組成物が2種(2色)のインク組成物であり、かつ、該2種のインク組成物と第2のインク組成物とをあわせた3色のインク組成物を重ねて付与する場合には、本実施形態は3次色の画像を形成する形態となる。
また、第1のインク組成物が3種(3色)のインク組成物であり、かつ、該3種のインク組成物と第2のインク組成物とをあわせた4色のインク組成物を重ねて付与する場合には、本実施形態は4次色の画像を形成する形態となる。
次に、本発明の画像形成方法(既述の好ましい実施形態に係る画像形成方法を含む)を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。 図1は、前記一例に係るインクジェット記録装置100全体の構成例を示す概略構成図である。
ここで、搬送ステージは、搬送方向(図1中の一点鎖線の矢印方向)に対し反対向きにも搬送できるように構成され、また、搬送距離及び搬送速度を独立して制御できるように構成されている。インクジェット記録装置100では、これらの構成により、各ゾーンによる処理の順序、及び、各色のインクの打滴の順序を任意に設定できるようになっている。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
ここで、記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30M、30C、30Yの配置順は、図1に示す配置順に限定されることはなく、適宜変更することもできる。
また、図示しないが、インク吐出用ヘッド30K、30M、30C、及び30Yの搬送方向下流側には、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の他の記録ヘッドを1つ以上配設することもできる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
水性インクとして、シアンインクC1〜C12、マゼンタインクM1〜M12、イエローインクY1〜Y12、及びブラックインクK1〜K12をそれぞれ調製した。詳細を以下に説明する。
(ポリマー分散剤1溶液の調製)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
次に、上記のポリマー分散剤1溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g、及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10質量%、かつ、水の含有量が85質量%になるまで濃縮して、シアン分散液C1を調製した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、64,000であり、酸価は38.9mgKOH/gであった。ここで重量平均分子量及び酸価は、上記ポリマー分散剤1の重量平均分子量及び酸価と同様の方法により測定した。
下記組成の成分を混合し、得られた混合物を孔径5μmのフィルタでろ過して該混合物から粗大粒子を除去し、シアンインクC1を得た。
シアンインクC1の全量に対する水の含有量は、74.5質量%である。
−シアンインクC1の組成−
・上記で得られたシアン分散液C1 … 30質量%
・下記重合性化合物1(重合性化合物) … 10質量%
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(重合性化合物) … 5質量%
・上記で得られた自己分散性樹脂粒子1の水分散物 … 7.1質量%
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) … 1質量%
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製) … 3質量%
・イオン交換水 …43.9質量%
まず、攪拌機を備えた1Lの三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン300gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水層を酢酸エチル200mlで4回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより目的の重合性化合物1の固体を35.0g(107mmol、収率59%)得た。
なお、後述の重合性化合物2についても、重合性化合物1と同様の手法により合成できる。
上記シアンインクC1の調製において、重合性化合物として用いた重合性化合物1及びヒドロキシエチルアクリルアミドを、下記表1に示すように変更したこと以外はシアンインクC1の調製と同様にして、シアンインクC2〜C12を調製した。
表1に示すように、シアンインクC5及びC11では重合性化合物を1種のみ用い、シアンインクC1〜C4、C6〜C10、及びC12では重合性化合物を2種用いた。
ここで、重合性化合物2及び3は下記の化合物である。重合性化合物2は、一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物である。
上記シアンインクC1〜C12の調製において、それぞれ、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のマゼンタ顔料Pigment Red122(大日精化(株)製)に変更したこと以外はシアンインクC1〜C12の調製と同様にして、マゼンタインクM1〜M12をそれぞれ調製した。
上記シアンインクC1〜C12の調製において、それぞれ、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のイエロー顔料Pigment Yellow74(大日精化(株)製)に変更したこと以外はシアンインクC1〜C12の調製と同様にして、イエローインクY1〜Y12をそれぞれ調製した。
上記シアンインクC1〜C12の調製において、それぞれ、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のカーボンブラック(MA−1、三菱化成製)に変更したこと以外はシアンインクC1〜C12の調製と同様にして、ブラックインクK1〜K12をそれぞれ調製した。
(処理液1の調製)
下記組成の成分を混合して、処理液1を調製した。
処理液1の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。表面張力は協和界面科学(株)製 全自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定し、粘度はブルックフィールドエンジニアリング社製、DV-III Ultra CPを用いて測定した。pHは、東亜ディーケーケー(株)製PHメーター HM−30Rを用いて測定した。
−処理液1の組成−
・マロン酸(和光純薬(株)製) … 25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬(株)製)… 20.0質量%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 1.0質量%
・イオン交換水 … 54質量%
下記組成の成分を混合して、処理液2を調製した。処理液2の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。ここで、粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、処理液1の粘度、表面張力、及びpH(25℃)と同様の方法により測定した。
−処理液2の組成−
・硝酸マグネシウム(和光純薬(株)製) … 5.0質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬(株)製) … 10.0質量%
・メチルアルコール(和光純薬(株)製) … 5.0質量%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 0.6質量%
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製) … 2.0質量%
・イオン交換水 … 77.4質量%
≪画像記録及び評価≫
上記の水性インク及び処理液を用い、下記のようにして画像を記録し、記録された画像に対して、下記の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
まず、図1に示すインクジェット記録装置100と同様の構成のインクジェット記録装置を準備した。
ここで、処理液乾燥ゾーン13の構成は、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備え、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できる構成とした。
また、インク吐出部30には、搬送方向(図1中、一点鎖線の矢印方向)に沿って、ブラックインク吐出用ヘッド30K、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、シアンインク吐出用ヘッド30C、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yと、を順次配置した。各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の描画時の搬送速度530mm/sec)とし、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようにした。
UV照射ゾーン16の構成は、アイグラフィックス株式会社製 メタルハライドランプM008−L41により、画像面での積算照射量が1.0J/cm2になる条件で、画像に対しUV(紫外線)が照射される構成とした。
画像の記録に際し、処理液及び各色のインクは、解像度1200dpi×600dpi、インク滴量2.5plにて吐出した。このとき、ベタ画像は、記録媒体をA5サイズにカットしたサンプルの全面にインクを吐出してベタ画像とした。
また、記録媒体としては、日本製紙(株)製の「ユーライト」(坪量84.9g/m2)を用いた。
また、記録媒体への処理液の付与量は、5ml/m2となるように調整した。
まず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出した後(吐出量5ml/m2)、記録媒体上に吐出された処理液を処理液乾燥ゾーン13で乾燥させた。このとき、記録媒体が処理液乾燥ゾーンを、処理液の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、処理液着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により処理液着滴面に120℃の温風をあて、風量を変えて所定の乾燥量になるように調整し、処理液を乾燥させた。
続いて、上記で乾燥された処理液上に、1色目のインク(表1中の「インク1」)としてシアンインク吐出用ヘッド30Cによりシアンインクをシングルパスで網点率100%で吐出し、吐出されたシアンインク上に、2色目のインク(表1中の「インク2」)としてイエローインク吐出用ヘッド30Yによりイエローインクをシングルパスで網点率4%で吐出し、二次色画像(緑色のベタ画像)を記録した。このとき、シアンインクの吐出完了からイエローインク吐出開始までの時間が、140msecとなるように調整した。
その後、インク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あて、二次色画像を乾燥させた。
乾燥後の二次色画像に対し、UV照射部16において、UV光(アイグラフィックス(株)製メタルハライドランプM008−L41)を、積算照射量1.0J/cm2になるように照射して二次色画像を硬化した。
<色再現性>
上記硬化後の二次色画像(緑色ベタ画像)の色度(a*、b*)を、グレタグマクベス社製のスペクトロスキャンを用いて測定した。a*及びb*は、いずれも絶対値が大きいほど色再現域が広いことを示す。
評価結果を下記表1に示す。
上記硬化後の二次色画像(緑色ベタ画像)の60°光沢度(°)を、HORIBA GLOSS CHECKER IG−331(堀場製作所社製)を用いて測定した。評価結果を下記表1に示す。
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30・・・インク吐出部
30K,30C,30M,30Y・・・インク吐出用ヘッド
Claims (14)
- 顔料、一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物、N−ビニルラクタム化合物、重合開始剤、及び水を含有するインク組成物と、
前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、
を含むインクセット。
〔一般式(1)中、Qはn価の連結基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。また、nは2以上の整数を表す。〕 - 前記N−ビニルラクタム化合物の総質量と前記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物の総質量との合計に対する前記N−ビニルラクタム化合物の総質量の比率〔前記N−ビニルラクタム化合物の総質量/(前記N−ビニルラクタム化合物の総質量+前記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物の総質量)〕が、0.10〜0.70である請求項1に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物の含有量が、前記インク組成物の全量に対し、5〜20質量%である請求項1又は請求項2に記載のインクセット。
- 前記N−ビニルラクタム化合物の含有量が、前記インク組成物の全量に対し、2〜10質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記N−ビニルラクタム化合物が、単官能のN−ビニルラクタム化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記N−ビニルラクタム化合物が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
〔一般式(A)中、mは1〜5の整数を表す。〕 - 前記一般式(1)におけるQが、オキシアルキレン基を含む連結基である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記N−ビニルラクタム化合物が、N−ビニルピロリドン及びN−ビニル−ε−カプロラクタムの少なくとも一方である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記N−ビニルラクタム化合物が、N−ビニル−ε−カプロラクタムである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記インク組成物全量に対する水の含有量が、50質量%以上である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)におけるnが、3以上の整数である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクセット。
- 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインクセットが用いられ、
記録媒体上に前記処理液を付与する処理液付与工程と、
前記記録媒体上に付与された前記処理液上に、前記インク組成物を付与するインク付与工程と、
前記記録媒体上に付与された前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、
を有する画像形成方法。 - 前記インク付与工程は、前記記録媒体に付与された前記処理液上に、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインクセットに含まれる前記インク組成物である第1のインク組成物を付与し、付与された前記第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、重合開始剤、及び水を含む第2のインク組成物を付与する工程であり、
前記活性エネルギー線照射工程は、前記記録媒体上に付与された、前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程である請求項12に記載の画像形成方法。 - 前記記録媒体が、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である請求項12又は請求項13に記載の画像形成方法。
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