JP5596277B2 - 膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、膜電極接合体およびそれを用いた燃料電池に関する。
燃料電池の一形態として固体高分子型燃料電池が知られている。固体高分子型燃料電池は他の形態の燃料電池と比較して作動温度が低く(−30℃〜100℃程度)、低コスト、コンパクト化が可能なことから、自動車の動力源等として期待されている。
図4に示すように、固体高分子型燃料電池は、膜電極接合体(MEA)4を主要な構成要素とし、それをガス流路5を備えたセパレータ6,6で挟持することにより、単セルと呼ばれる1つの燃料電池Aを形成している。膜電極接合体4は、イオン交換膜である固体高分子電解質膜1の両面にアノード側およびカソード側の触媒層2,2およびガス拡散層3,3を積層した構造を持つ。触媒層2は、触媒粒子を担持した導電性担体と電解質を少なくとも含む触媒混合物で形成される。触媒には主に白金系の金属が用いられ、該触媒を担持する導電性担体にはカーボン粒子が主に用いられる。ガス拡散層3には、主にカーボンペーパーまたはカーボンクロスが用いられる。
固体高分子型燃料電池において発電は次のようにして進行する。まず、アノード側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード側触媒層に含まれる電解質、さらに該触媒層と接触している電解質膜を通り、カソード側触媒層に達する。また、アノード側触媒層で生成した電子は、該触媒層を構成している導電性担体、さらに該触媒層に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側触媒層に達する。そして、カソード側触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガス(例えば空気)に含まれる酸素と反応し水を生成する。
高い発電性能を長期にわたって維持できる燃料電池を得るために、従来から多くの技術改良が提案がなされており、その中の1つに、膜電極接合体を構成する触媒層に関する技術改良がある。例えば、導電性担体が担持する触媒粒子を合金化する、あるいは触媒粒子を微粒子化して触媒の電極反応面積を大きくして、高い触媒活性を得ることが行われるが、このようにすると、触媒層の耐久性が低下する問題がある。触媒粒子の粒径を大きくする、あるいは高結晶化した触媒担持カーボンを用いることで触媒層の耐久性を向上させることができるが、いずれも性能に対しての背反がある。このように、触媒層の性能と耐久性は相反する関係にあることから、触媒層を単層構造ではなく、2層構造とすることが提案されている。
例えば、特許文献1には、触媒層を、導電性担体に白金粒子が担持されてなる触媒層と、導電性担体に白金合金粒子が担持されてなる触媒層との2層構造とし、白金粒子が担持されてなる触媒層を電解質膜側として積層することが提案されている。また、特許文献2には、カソード側触媒層を、電解質膜側の触媒層(I)とガス拡散層側の触媒層(II)の2層構造とし、電解質膜側触媒層(I)に含まれる触媒粒子の平均粒子径(D1)を、ガス拡散層側触媒層(II)に含まれる触媒粒子の平均粒子径(D2)よりも大きくすることが提案されている。触媒層をこのような2層構造とするすることにより、長期にわたって所望の発電性能を維持することのできる、耐久性に優れる膜電極接合体用の触媒層が得られると記載されている。
特開2006−79840号公報 特開2006−79917号公報
本発明者らは、燃料電池および膜電極接合体等について、多くの実験と研究を継続して行ってきているが、触媒層を上記のように2層構造とすることにより、それぞれに適した触媒層をエリアを限定して配置することが可能となり、耐久性と高性能を両立した触媒層が得られるものの、例えば、そのような2層構造の触媒層を用いた膜電極接合体において、厚さが10μm以下の場合には、高加湿条件では排水能力が不足し、フラッティングによる性能低下が発生することを経験した。それを解消すべく触媒層全体の厚さを厚くすると、低加湿条件でドライアップが発生することも経験した。また、触媒層の厚さを厚くすると、触媒量の増大によって高コストとなる問題も生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池用の膜電極接合体において、耐久性と高性能とともに、排水性も向上させることでフラッティングが発生するのも回避することができ、それにより幅広い運転条件で動作を可能とした触媒層構造を備えた膜電極接合体、およびそれを用いた燃料電池を開示することを課題とする。
本発明による膜電極接合体は、触媒粒子を担持した導電性担体と電解質を少なくとも含むカソード側触媒層およびアノード側触媒層が電解質膜の両面に対向して配置され、各触媒層にはガス拡散層が積層されてなる燃料電池用の膜電極接合体において、少なくとも前記カソード側触媒層は3層構造をなしかつ全体の厚さが10〜30μmであり、前記電解質膜に接する第1の層は厚さが1〜3μmであって他の2層と比較して高耐久性の層であり、中間層である第2の層は厚さが3〜9μmであって他の2層と比較して触媒活性に優れた層であり、前記ガス拡散層に接する第3の層は他の2層と比較して触媒密度が低いまたは触媒を有しない層であることを特徴とする。
本発明者らの実験によれば、燃料電池の発電反応時において、触媒層における電解質膜から1〜3μmの厚さ内のエリアにおいて、触媒粒子に係る負荷はそれよりも外側のエリアと比較して高く、そのエリアにおいて触媒の劣化が進行しやすい。また、触媒粒子が触媒として機能を果たしているのは、触媒層における電解質膜から1〜12μmの厚さ内がほとんどであり、それよりも外側のエリアに存在する触媒粒子によって発電性能が左右されることはほとんどない。一方、触媒層の厚さが12μm程度より薄い場合には、高加湿条件では排水能力が不足し、フラッティングによる性能低下が発生する。
本発明による少なくともカソード側触媒層は3層構造であり、電解質膜に接する第1の層は厚さが1〜3μmであって他の2層と比較して高耐久性の層である。そのために、触媒層全体としての高耐久性を確保できる。第2の層は3〜9μmであり、第1の層と第2の層の厚さの和は、4〜12μmである。そして、第2の層は他の2層と比較して触媒活性に優れた層とされており、膜電極接合体としての高い発電性能を確保できる。第3の層は他の2層と比較して触媒密度が低いまたは触媒を有しない層である。それにより、触媒層としての所望の排水性を確保することができ、高加湿条件でフラッティングによる性能低下が発生するのも回避できる。また、第3の層には発電性能そのものは期待しなくてもよく、そのために第3の層は他の2層と比較して触媒密度が低いまたは触媒を有しない層とされる。そのために、高価な触媒の使用量が大きくなることはなく、触媒層の製造コストが高騰することもない。
以上のように、本発明によれば、触媒層を3層構造としたことにより、耐久性と高発電効率に加え、フラッティング現象を回避して幅広い運転条件での動作を可能とした膜電極接合体およびそれを用いた燃料電池が得られる。
図1は、本発明による膜電極接合体の一部を示す模式的図である。図1において、10は電解質膜であり、20はカソード側の触媒層である。
電解質膜10は、特に限定されず、例えば、デュポン社製の各種のNafion(デュポン社登録商標)やフレミオン(旭硝子社登録商標)に代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベースポリマーとする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜など、一般的に市販されている固体高分子型電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などが挙げられる。電解質膜10の厚みは、通常、15〜150μm程度である。
触媒層20は、全体として10〜30μmの厚さであり、触媒粒子31と、導電性担体32と、電解質樹脂(図1では省略している)を少なくとも含む。触媒層20は3層構造であり、電解質膜10に接する第1の層21と、中間層である第2の層22と、その外側の層であり、図示しないガス拡散層に接する第3の層23とで構成される。第1の層21の厚さは1〜3μm、第2の層22の厚さは3〜9μmである。
前記第1の層21は、触媒粒子31を担持した導電性担体32と電解質とで構成され、かつ第2の層22および第3の層23と比較して高耐久性の層である。高耐久性とするための手段は制限されないが、例えば、第1の手段として、図示の例では、第1の層21は、触媒粒子31として、第2の層22および第3の層23における触媒粒子よりも平均粒径が大きい、平均粒径4nm以上のものを用いている。
触媒粒子31の具体例としては、Pt、またはPtとその他の金属との合金触媒が挙げられる。前記合金触媒として、具体的には、Ptと、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、および金などから選択される少なくとも1種以上の金属との合金などが挙げられる。
導電性担体32は、触媒粒子31を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであるのが好ましい。具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。
電解質としては、特に限定されず、上記電解質膜10に用いたものと同様の固体高分子電解質が挙げられる。
第1の層21において、第2の層22および第3の層23と比較して高耐久性の層とするための第2の手段として、触媒粒子31として、活性種として電位変動に対して溶出し難いPt、もしくはPtとの合金触媒を用いるようにしてもよい。具体的な合金として、PtIr、PtAuが挙げられる。さらに、第3の手段として、導電性担体32として結晶性の高いカーボン粒子を用いることも挙げられる。前記第1〜第3の手段は、それぞれ個々に用いてもよく、2つ以上を適宜組み合わせて第1の層21を形成してもよい。
前記第2の層22は、触媒粒子31を担持した導電性担体32と電解質とで構成され、かつ第1の層21と第3の層23と比較して触媒活性に優れた層である。触媒活性に優れた層とするための手段は制限されないが、例えば、第1の手段として、図示の例では、第2の層22は、触媒粒子31として、第1の層21における触媒粒子よりも平均粒径が小さい、平均粒径4nm以下のものを用いている。触媒活性に優れた層とするための第2の手段として、第1の層21における触媒粒子よりも耐久性は低いが、触媒活性が高い合金触媒、例えばPtFe,PtMnを用いるようにしてもよい。前記第1の手段と第2の手段の双方を満たす触媒を用いて第2の層22を形成してもよい。
第2の層22において、導電性担体32は第1の層21で使用した導電性担体と同様の導電性担体であってよく、電解質も上記電解質膜10に用いたものと同様の固体高分子電解質であってよい。
前記第3の層23は、前記第1の層21と第2の層22と比較して触媒密度が低いまたは触媒を有しない層である。好ましくは第1の層21と第2の層22と比較して気孔率が高くされる。この第3の層23の存在により、触媒層20内部の総気孔容積が増大し、発電時に発生した生成水による触媒層20内部の気孔閉鎖によりガス供給不良が発生し難くなると同時に、触媒層20内部の表面積増大により水蒸気による生成水の持ち出し量が増加する。そのために、触媒層全体として、高耐久性と高性能の双方を満足しながら、さらに高加湿条件で安定的な発電が可能となる。一方、低加湿環境では、触媒層の外側、すなわち第3の層23から乾燥するために、第3の層23は機能を停止し、過剰な排水を抑制する。
好ましくは、前記第3の層23の触媒密度は、前記導電性担体重量比で40%以下(0%を含む)であり、それにより、第1の層21と第2の層22と比較して触媒密度が低いまたは触媒を有しない層とされる。前記したように、発電性能は第1の層21と第2の層22で確保されるので、第3の層23には発電性能そのものは期待しなくてもよく、そのために第3の層23の触媒密度を低くすることで、触媒層の製造コストを低くできる効果もある。
好ましくは、前記第3の層23は、導電性担体が撥水性を備える。撥水性の高い導電性担体の一例としてはアセチレンブラックを挙げることができる。通常の導電性担体にPTFEのような撥水剤を含ませることによって高い撥水性を付与するようにしてもよい。それにより、前記した生成水のコントロールは一層確実となる。また、好ましくは前記第3の層23は、そこに混合した電解質が第1の層21および第2の層22と比較して少ない量とされる。それにより、前記した低湿度環境での自発的な発電機能停止を一層効果的にすることができる。
なお、第3の層23において、触媒粒子31は、使用する場合には第1の層21または第2の層22で使用した触媒粒子と同じであってよく、より好ましくは第2の層22で使用した触媒粒子である。また、導電性担体32は第1の層21または第2の層22で使用した導電性担体と同様の導電性担体であってよく、電解質も上記電解質膜10に用いたものと同様の固体高分子電解質であってよい。
図1には示されないが、本発明による膜電極接合体において、アノード側の触媒層は、上記したカソード側の触媒層20と同じであってもよいが、アノード側では排水性の良否が発電性能に大きな影響を与えることはないので、従来の1層構造または2層構造の触媒層を用いることもできる。また、図4の従来例に基づき説明したと同様に、カソード側触媒層およびアノード側の触媒層の外側にはガス拡散層が積層されて、本発明による燃料電池用の膜電極接合体とされる。さらに、、膜電極接合体をガス流路を備えたセパレータで挟持することにより、単セルと呼ばれる1つの燃料電池が形成される。
本発明の膜電極接合体で用いるガス拡散層としては、特に限定されないが、カーボンクロスやカーボンペーパーを基材とする層が好ましい。撥水性を高めるために、基材にはPTFEのような撥水剤が含まれていてもよい。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されることはない。
[実施例1]
電解質膜として、厚さ約30μmのパーフルオロカーボンスルフォン酸膜を準備した。この電解質膜のカソード側に、触媒粒径6nmのPtを70重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.2mgPt/cmの第1の触媒層を形成した。このときの第1の触媒層の厚さは約2.5μmであった。
次に、この第1の触媒層の上に、触媒粒径4nmのPtCo合金(原子比5:1)を50重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.2mgPt/cmの第2の触媒層を形成した。このときの第2の触媒層の厚さは約5.5μmであった。
次に、この第2の触媒層の上に、触媒粒径2nmのPtを30重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.1mgPt/cmの第3の触媒層を形成した。このときの担持カーボンとしては、撥水性の高いアセチレンブラックを使用した。触媒層の厚さはトータルで約15μmとなった。
アノード側の触媒層として、触媒粒径3nmのPtを60重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.2mgPt/cmの触媒層を形成した。このときのアノード側触媒層の厚さは約4.0μmであった。
上記の触媒層付き電解質膜を、PTFEで撥水処理した厚さ約200μmのカーボンペーパーで挟持し、120℃で熱プレスすることで、膜電極接合体とした。
[実施例2]
電解質膜として、厚さ約30μmのパーフルオロカーボンスルフォン酸膜を準備した。この電解質膜のカソード側に、触媒粒径6nmのPtIrの合金触媒(原子比3:1)を60重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.1mgPt/cmの第1の触媒層を形成した。このときの第1の触媒層の厚さは約2.5μmであった。
次に、この第1の触媒層の上に、触媒粒径4nmのPtCo合金(原子比5:1)を50重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.3mgPt/cmの第2の触媒層を形成した。このときの第2の触媒層の厚さは約8.0μmであった。
次に、この第2の触媒層の上に、触媒粒径2nmのPtを30重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.1mgPt/cmの第3の触媒層を形成した。このときの担持カーボンとしては、撥水性の高いアセチレンブラックを使用した。触媒層の厚さはトータルで約17μmとなった。
アノード側の触媒層として、触媒粒径3nmのPtを60重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.2mgPt/cmの触媒層を形成した。このときのアノード側触媒層の厚さは約4.0μmであった。
上記の触媒層付き電解質膜を、PTFEで撥水処理した厚さ約200μmのカーボンペーパーで挟持し、120℃で熱プレスすることで、膜電極接合体とした。
[比較例1]
第3の触媒層を設けないことを除き実施例1と同じカソード側触媒層をカソード側触媒層とした以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作成した。
[比較例2]
電解質膜として、厚さ約30μmのパーフルオロカーボンスルフォン酸膜を準備した。この電解質膜のカソード側に、触媒粒径6nmのPtを70重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.4mgPt/cmの触媒層を形成した。このときの触媒層の厚さは約5.0μmであった。
アノード側の触媒層として、実施例1と同一のものを形成した。
上記の触媒層付き電解質膜を、PTFEで撥水処理した厚さ約200μmのカーボンペーパーで挟持し、120℃で熱プレスすることで、膜電極接合体とした。
[比較例3]
電解質膜として、厚さ約30μmのパーフルオロカーボンスルフォン酸膜を準備した。この電解質膜のカソード側に、触媒粒径4nmのPtCoの合金触媒(原子比5:1)を50重量%担持した触媒担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルフォン酸のエタノール溶液とを混合したインク状の混合物をスクリーン印刷し乾燥することで、触媒目付け0.4mgPt/cmの触媒層を形成した。このときの触媒層の厚さは約11μmであった。
アノード側の触媒層として、実施例1と同一のものを形成した。
上記の触媒層付き電解質膜を、PTFEで撥水処理した厚さ約200μmのカーボンペーパーで挟持し、120℃で熱プレスすることで、膜電極接合体とした。
[評価試験]
実施例1と2、および比較例1、2,3の各膜電極接合体をセパレータで挟持して燃料電池とし、電位変動サイクル数と出力電圧との関係から耐久性を評価した。その結果を図2に示した。また、実施例1と2、および比較例1について、カソード側での加湿露点と出力電圧との関係から加湿条件依存性を評価した。その結果を図3に示した。
図2の結果から、比較例1,2,3では比較例1のものが最もよい初期性能と耐久性を示しており、実施例1と2は、その比較例1とほぼ同等の初期性能と耐久性を示していることがわかる。なお、実施例1と2が比較例1と比較して多少性能が良好なのは、触媒の総量がやや多いためである。そして、図3の結果から、実施例1と2のものは共に、比較例1と比較して、幅の広い条件範囲(カソード加湿露点の幅)で安定作動が可能であることがわかる。
このことから、本発明による3層構造の触媒層を備えた膜電極接合体を持つ燃料電池は、従来のものと比較して、耐久性と発電性能の双方を同時に満足できることがわかる。
本発明による膜電極接合体の一部を示す模式的図。 実施例と比較例での電位変動サイクル数と出力電圧との関係を示すグラフ。 実施例と比較例でのカソード側での加湿露点と出力電圧との関係を示すグラフ。 固体高分子型燃料電池を説明するための模式図。
符号の説明
10…電解質膜、20…カソード側の触媒層、21…第1の層、22…第2の層、23…第3の層、31…触媒粒子、32…導電性担体

Claims (7)

  1. 触媒粒子を担持した導電性担体と電解質を少なくとも含むカソード側触媒層およびアノード側触媒層が電解質膜の両面に対向して配置され、各触媒層にはガス拡散層が積層されてなる燃料電池用の膜電極接合体において、
    前記カソード側触媒層は3層構造をなしかつ全体の厚さが10〜30μmであり、前記電解質膜に接する第1の層は厚さが1〜3μmであって他の2層と比較して触媒性能の低下が起こりにくい層であり、中間層である第2の層は厚さが3〜9μmであって他の2層と比較して触媒活性に優れた層であり、前記ガス拡散層に接する第3の層は他の2層と比較して触媒密度が低い層であることを特徴とする膜電極接合体。
  2. 前記第1の層は、触媒粒子が平均粒径が4nm以上であるか、導電性担体が結晶性の高いカーボンであるか、または活性種として電位変動に対して溶出し難い触媒もしくは合金触媒を用いるか、のいずれかまたはその2以上の組み合わせによって、前記他の2層と比較して触媒性能の低下が起こりにくい層とされていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記第2の層は、触媒粒子が平均粒径が4nm以下であるか、または、触媒活性の高い合金触媒を用いるか、のいずれかまたはその双方によって、前記他の2層と比較して触媒活性に優れた層とされていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体。
  4. 前記第3の層は、触媒密度が前記導電性担体重量比で40%以下であることにより、他の2層と比較して触媒密度が低い層とされていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体。
  5. 前記第3の層は、導電性担体が撥水性を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  6. 前記第3の層は、混合した前記電解質が前記第1の層および第2の層と比較して少ない量であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の膜電極接合体を用いたことを特徴とする燃料電池。
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