以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る異方性導電材料は、バインダー樹脂と、少なくとも外表面がはんだである第1の導電性粒子と、第2の粒子とを含有する。上記第2の粒子の平均粒子径は、上記第1の導電性粒子の平均粒子径よりも小さい。上記第1の導電性粒子の全個数100%中、上記第2の粒子の平均粒子径よりも粒子径が小さい上記第1の導電性粒子の個数の割合は20%以下である。
本発明に係る異方性導電材料における上述した構成の採用により、本発明に係る異方性導電材料を用いて電極間を電気的に接続して接続構造体を得た場合に、得られた接続構造体が高温高湿下に晒されても、絶縁性を十分に確保できる。すなわち、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性が高くなる。これは、接続構造体において、第1の導電性粒子が上下の電極を接続するように作用し、第2の粒子が上下の電極間のギャップを確保するように作用するため、上下の電極間からはんだのはみ出しが抑制されるためであると考えられる。
接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性を高めるために、上記第1の導電性粒子の全個数100%中、上記第2の粒子よりも粒子径が小さい上記第1の導電性粒子の個数の割合は20%以下である。従って、比較的小さな上記第1の導電性粒子が少ないことによって、導電性粒子により接続された上下電極と隣接する導電性粒子により接続された上下電極との間の絶縁性が必要な領域に存在する導電性粒子の個数を少なくすることができる。この結果、絶縁信頼性が高くなる。接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高める観点からは、上記第1の導電性粒子の全個数100%中、上記第2の粒子の平均粒子径よりも粒子径が小さい上記第1の導電性粒子の個数の割合は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下である。
上記第1の導電性粒子、上記第2の粒子及び後述する基材粒子(樹脂粒子など)における粒子径はそれぞれ、第1の導電性粒子、第2の粒子及び基材粒子がそれぞれ真球状である場合には直径を意味し、第1の導電性粒子、第2の粒子及び基材粒子がそれぞれ真球状以外の形状である場合には最大径を示す。
上記第1の導電性粒子、上記第2の粒子及び上記第1の導電性粒子における後述する基材粒子(樹脂粒子など)の「平均粒子径」は、メディアン径を示す。該メディアン径は、レーザー回折式粒度分測定装置を用いて求めることができる。レーザー回折式粒度分測定装置としては、島津製作所社製「SALD−2100」等が挙げられる。異方導電材料中の第1の導電性粒子、第2の粒子等に関しては、硬化前であれば、粒子を溶剤に分散し、レーザー回折式粒度分測定装置を用いて粒度分布を求める方法や、各100個の粒子の粒子径を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、粒度分布を求める方法により「平均粒子径」を算出することができる。
上記第2の粒子の平均粒子径は、上記第1の導電性粒子の平均粒子径の1倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることがより好ましく、1.8倍以下であることが好ましく、1.6倍以下であることがより好ましい。上記第1の導線性粒子及び第2の粒子の平均粒子径が上記関係を満足すると、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。
本発明に係る異方性導電材料は、加熱により硬化可能な異方性導電材料であることが好ましい。この場合には、異方性導電材料を加熱により硬化させる際の熱によって、上記導電性粒子におけるはんだを溶融させることが可能である。本発明に係る異方性導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な異方性導電材料であってもよい。この場合には、光の照射により異方性導電材料を半硬化(Bステージ化)させ、異方性導電材料の流動性を低下させた後、加熱により異方性導電材料を硬化させることが可能である。
また、反応温度が異なる2種類の硬化剤を用いると、加熱により異方性導電材料を半硬化させ、更に加熱により半硬化した異方性導電材料を硬化させることが可能である。
以下、先ず、本発明に係る異方性導電材料に含まれている各成分、及び含まれることが好ましい各成分を詳細に説明する。
[第1の導電性粒子及び第2の粒子]
上記第1の導電性粒子は、少なくとも外表面がはんだである導電性粒子である。上記第1の導電性粒子は、はんだ粒子であってもよく、基材粒子と該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であってもよい。上記第1の導電性粒子における上記基材粒子は、融点が400℃以上である金属粒子又は軟化点が260℃以上である樹脂粒子であることが好ましい。上記第1の導電性粒子における上記基材粒子は、融点が400℃以上である金属粒子であってもよく、軟化点が260℃以上である樹脂粒子であってもよい。接続構造体における耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、上記第1の導電性粒子における上記基材粒子は樹脂粒子であることが好ましい。上記第1の導電性粒子における上記樹脂粒子の軟化点は、はんだ層の軟化点よりも高いことが好ましく、はんだ層の軟化点よりも10℃以上高いことが好ましい。上記第1の導電性粒子及び後述する第2の粒子における融点が400℃以上である金属粒子としては特に限定されず、金、銀、銅及びニッケル等が挙げられる。
上記第2の粒子は特に限定されない。第2の粒子は、絶縁性粒子であるか、又は少なくとも外表面がはんだである導電性粒子であることが好ましい。上記第2の粒子は、絶縁性粒子であってもよく、少なくとも外表面がはんだである導電性粒子であってもよい。
上記第1の導電性粒子及び上記第2の粒子はそれぞれ、はんだ粒子であるか、又は基材粒子と該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であることが好ましい。上記第2の粒子は、はんだ粒子であってもよく、基材粒子と該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であってもよい。上記第2の粒子がはんだ粒子である場合、上記第1の導電性粒子は、基材粒子と該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であることが好ましい。
なお、上記はんだ粒子は、基材粒子をコアに有さず、コア−シェル粒子ではない。上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもはんだにより形成されている。
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、樹脂粒子、金属を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましく、樹脂により形成された樹脂粒子であることがより好ましい。上記第2の粒子における上記基材粒子は、融点が400℃未満である金属粒子であってもよく、融点が400℃以上である金属粒子であってもよく、軟化点が260℃未満である樹脂粒子であってもよく、軟化点が260℃以上である樹脂粒子であってもよい。
上記第1の導電性粒子は、はんだ粒子であるか、又は樹脂粒子と該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であることが好ましい。接続構造体における耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、上記第1の導電性粒子は、樹脂粒子と該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であることが好ましい。
上記第2の粒子は、はんだ粒子であるか、又は樹脂粒子と該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であることが好ましい。上下電極間を金属接合により接続する粒子の個数を増やすことにより高温高湿下での接続信頼性をより一層高める観点からは、上記第2の粒子は、はんだ粒子であることが好ましい。
上記第1の導電性粒子が、樹脂粒子と該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外表面がはんだ層である導電性粒子であり、かつ、上記第2の粒子が、はんだ粒子であることがより好ましい。この場合には、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。
また、上記第2の粒子の平均粒子径は、上記基材粒子(樹脂粒子など)の平均粒子径の1倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることがより好ましく、1.8倍以下であることが好ましく、1.6倍以下であることがより好ましい。この場合には、第1の導電性粒子のはんだによる金属接合の形成を妨げず、かつ上下電極間のギャップを保持できるので、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。
図1に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料に使用可能な導電性粒子を断面図で示す。該導電性粒子は、上記第1の導電性粒子又は上記第2の粒子として使用可能である。
図1に示す導電性粒子1は、樹脂粒子2と、樹脂粒子2の表面2a上に配置された導電層3とを有する。導電層3は、樹脂粒子2の表面2aを被覆している。導電性粒子1は、樹脂粒子2の表面2aが導電層3により被覆された被覆粒子である。従って、導電性粒子1は導電層3を表面1aに有する。樹脂粒子2にかえて、金属粒子などを用いてもよい。
導電層3は、樹脂粒子2の表面2a上に配置された第1の導電層4と、該第1の導電層4の表面4a上に配置されたはんだ層5(第2の導電層)とを有する。導電層3の外側の表面層が、はんだ層5である。従って、導電性粒子1は、導電層3の一部としてはんだ層5を有し、更に樹脂粒子2とはんだ層5との間に、導電層3の一部としてはんだ層5とは別に第1の導電層4を有する。このように、導電層3は、多層構造を有していてもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。
上記のように、導電層3は2層構造を有する。図2に示す変形例のように、導電性粒子11は、単層の導電層として、はんだ層12を有していてもよい。導電性粒子における導電層の少なくとも外側の表面層が、はんだ層であればよい。ただし、導電性粒子の作製が容易であるので、導電性粒子1と導電性粒子11とのうち、導電性粒子1が好ましい。また、図3に示す変形例のように、基材粒子をコアに有さず、コア−シェル粒子ではないはんだ粒子16を用いてもよい。
導電性粒子1,11及びはんだ粒子16はそれぞれ、第1の導電性粒子として使用可能であり、第2の粒子としても使用可能である。但し、第1の導電性粒子及び第2の粒子として用いられる導電性粒子1,11及びはんだ粒子16の粒子径は、上述したように設定される。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジビニルベンゼン重合体、並びにジビニルベンゼン−スチレン共重合体やジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系共重合体等が挙げられる。上記樹脂粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子の表面上に導電層を形成する方法、並びに上記樹脂粒子の表面上、上記金属粒子の表面上又は第1の導電層の表面上にはんだ層を形成する方法は特に限定されない。上記導電層及び上記はんだ層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的な衝突による方法、メカノケミカル反応による方法、物理的蒸着又は物理的吸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを樹脂粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、無電解めっき、電気めっき又は物理的な衝突による方法が好適である。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。また、上記物理的な衝突による方法では、例えば、シーターコンポーザ(徳寿工作所社製)等が用いられる。
上記第1の導電層の表面上に上記はんだ層を形成する方法は、物理的な衝突による方法であることが好ましい。上記はんだ層は、物理的な衝撃により、上記第1の導電層の表面上に配置されていることが好ましい。
上記はんだ(はんだ層)を構成する材料は、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだの組成としては、例えば亜鉛、金、銀、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。なかでも低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、上記はんだは、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むはんだ、又は錫とビスマスとを含むはんだであることが好ましい。
従来、導電層の外側の表面層としてはんだ層を有する導電性粒子の粒子径は、数百μm程度であった。これは、粒子径が数十μmであり、かつ表面層がはんだ層である導電性粒子を得ようとしても、はんだ層を均一に形成できなかったためである。これに対して、無電解めっき時に分散条件を最適化することによりはんだ層を形成した場合には、導電性粒子の粒子径が数十μm、特に粒子径が0.1μm以上、50μm以下の導電性粒子を得る場合であっても、第1の導電層の表面上にはんだ層を均一に形成できる。また、シータコンポーザを用いることによっても、粒子径が50μm以下である導電性粒子を得る場合であっても、第1の導電層の表面上にはんだ層を均一に形成できる。
上記はんだ(はんだ層)100重量%中、錫の含有量は、好ましくは90重量%未満、より好ましくは85重量%以下である。また、はんだ100重量%中の錫の含有量は、はんだの融点などを考慮して適宜決定される。はんだ(はんだ層)100重量%中の錫の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上である。
上記第1の導電性粒子に関しては、上記第1の導電層及び上記はんだ層の厚みはそれぞれ、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましく6μm以下である。第1の導電層及びはんだ層の厚みが上記下限以上であると、導電性が十分に高くなる。第1の導電層及びはんだ層の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と第1の導電層及びはんだ層との熱膨張率の差が小さくなり、第1の導電層及びはんだ層の剥離が生じ難くなる。
上記第1の導電層は2層以上の積層構造を有していてもよい。上記第1の導電層が2層以上の積層構造を有する場合には、上記第1の導電性粒子に関しては、第1の導電層の最外層の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましく6μm以下である。第1の導電層の最外層の厚みが上記下限以上であると、導電性が十分に高くなる。第1の導電層の最外層の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と第1の導電層の最外層との熱膨張率の差が小さくなり、第1の導電層の最外層の剥離が生じ難くなる。
上記第1の導電性粒子の平均粒子径及び上記第1の導電性粒子における基材粒子(樹脂粒子)の平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましく5μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。導電性粒子及び基材粒子の平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子と電極との接触面積が充分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、異方性導電材料における導電性粒子に適した大きさとなり、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記第1の導電性粒子における上記樹脂粒子は、実装する基板の電極サイズ又はランド径によって使い分けることができる。以下の樹脂粒子の粒子径の説明は、第1の導電性粒子における樹脂粒子の粒子径に関する。
上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制する観点からは、導電性粒子の平均粒子径Cの樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(C/A)は、1.0を超え、好ましくは3.0以下である。また、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bの樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(B/A)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。さらに、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を含む導電性粒子の平均粒子径Cのはんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する比(C/B)は、1.0を超え、好ましくは2.5以下である。上記比(B/A)が上記範囲内であったり、上記比(C/B)が上記範囲内であったりすると、上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡がより一層抑えられる。
FOB及びFOF用途向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))との接続、又はフレキシブルプリント基板とフレキシブルプリント基板との接続(FOF(Film on Film))に好適に用いられる。
FOB及びFOF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に100〜500μmである。第1の導電性粒子が、基材粒子にはんだを被覆した粒子である場合、FOB及びFOF用途で用いるはんだ層を除く粒子の平均粒子径は3〜100μmであることが好ましい。はんだ層を除く粒子の平均粒子径が3μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。粒子の平均粒子径が100μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。第1の導電性粒子が、はんだ粒子である場合、はんだ粒子の平均粒子径は、3〜100μmであることが好ましい。はんだ粒子の平均粒子径が3μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。
フリップチップ用途向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、フリップチップ用途に好適に用いられる。
フリップチップ用途では、一般にランド径が15〜80μmである。第1の導電性粒子が、基材粒子にはんだ層を被覆した粒子である場合、フリップチップ用途で用いるはんだ層を除く粒子の平均粒子径は1〜15μmであることが好ましい。はんだ層を除く粒子の平均粒子径が1μm以上であると、はんだ層を除く粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。該粒子の平均粒子径が15μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。第1の導電性粒子が、はんだ粒子である場合、はんだ粒子の平均粒子径は、1〜15μmであることが好ましい。はんだ粒子の平均粒子径が1μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。
COF向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))に好適に用いられる。
COF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に10〜50μmである。第1の導電性粒子が、基材粒子にはんだを被覆した粒子を用いる場合、COF用途で用いるはんだ層を除く粒子の平均粒子径は1〜10μmであることが好ましい。はんだ層を除く粒子の平均粒子径が1μm以上であると、はんだ層を除く粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。はんだ層を除く粒子の平均粒子径が10μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。第1の導電性粒子が、はんだ粒子である場合、はんだ粒子の平均粒子径は、1〜10μmであることが好ましい。はんだ粒子の平均粒子径が1μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。
上記導電性粒子の表面は、絶縁性材料、絶縁性粒子、フラックス等により絶縁処理されていてもよい。絶縁性材料、絶縁性粒子、フラックス等は、接続時の熱により軟化、流動することで接続部から排除されることが好ましい。これにより、電極間での短絡が抑えられる。
また、上記第2の粒子は、絶縁性粒子であってもよい。該絶縁性粒子としては、樹脂粒子、金属を除く無機粒子及び有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記第2の粒子が樹脂粒子である場合に、該樹脂粒子を形成するための樹脂としては、上記導電性粒子における樹脂粒子を形成するための樹脂と同じ樹脂が挙げられる。
上記第2の粒子が無機粒子である場合に、上記無機粒子を形成するための無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記第1の導電性粒子の粒子径のCV値は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。第1の導電性粒子のCV値が上記上限以下であると、第1の導電性粒子により接続された電極間の距離のばらつきが小さくなり、更に接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。
上記第2の粒子の粒子径のCV値は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。第2の粒子のCV値が上記上限以下であると、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。なお、粒子径のCV値は、下記式で表される。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
上記第1,第2の導電性粒子における基材粒子が樹脂粒子である場合に、該樹脂粒子を10%圧縮変形したときの23℃での圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは1GPa以上、より好ましくは2GPa以上、好ましくは7GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。上記10%K値が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなり、更に接続構造体における耐熱衝撃特性がより一層良好になる。
上記樹脂粒子の23℃での圧縮弾性率(10%K値)は、以下のようにして測定される。
微小圧縮試験機を用いて、直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gの条件下で樹脂粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
10%K値(N/mm2)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:樹脂粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、樹脂粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記異方性導電材料100重量%中、上記第1の導電性粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは45重量%以下である。上記第1の導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
上記異方性導電材料100重量%中、上記第2の粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。上記第2の粒子の含有量が上記下限以上及び上限以下であると、接続構造体における高温高湿下での絶縁信頼性がより一層高くなる。
異方性導電材料中で上記第2の粒子の含有量(重量%)の上記第1の導電性粒子の含有量(重量%)に対する比(第2の粒子の含有量/第1の導電性粒子の含有量)は好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.12以上、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.8以下である。上記第1の導電性粒子及び上記第2の粒子の含有量が上記関係を満足すると、高温高湿下に晒された場合に、接続構造体におけるはんだ部分のクラックの発生及び電極間の接続抵抗の上昇がより一層抑えられる。
[バインダー樹脂]
上記バインダー樹脂は、熱可塑性化合物を含むか、又は硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記バインダー樹脂は、熱可塑性化合物を含んでいてもよく、硬化性化合物を含んでいてもよい。
上記熱可塑性化合物としては、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記硬化性化合物は、加熱により硬化可能な硬化性化合物を含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、加熱により硬化可能な異方性導電材料であり、上記バインダー樹脂として、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物を含むことが特に好ましい。該加熱により硬化可能な硬化性化合物は、光の照射により硬化しない硬化性化合物(熱硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。
また、上記異方性導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な異方性導電材料であり、上記バインダー樹脂として、光の照射により硬化可能な硬化性化合物(光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)をさらに含むことが好ましい。上記光の照射により硬化可能な硬化性化合物は、加熱により硬化しない硬化性化合物(光硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。本発明に係る異方性導電材料は、光硬化開始剤を含むことが好ましい。本発明に係る異方性導電材料は、上記光硬化開始剤として、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物を含み、光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物をさらに含むことが好ましい。上記異方性導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
また、上記異方性導電材料は、反応開始温度が異なる2種以上の熱硬化剤を含むことが好ましい。また、反応開始温度が低温側の熱硬化剤が、熱ラジカル発生剤であることが好ましい。
上記硬化性化合物としては特に限定されず、不飽和二重結合を有する硬化性化合物及びエポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物等が挙げられる。
また、上記異方性導電材料の硬化性を高め、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記硬化性化合物は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。上記不飽和二重結合は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物としては、エポキシ基又はチイラン基を有さず、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも使用可能である。
上記異方性導電材料の硬化性を高め、電極間の導通信頼性をより一層高め、更に硬化物の接着力をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、不飽和二重結合と熱硬化性官能基との双方を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。上記熱硬化性官能基としては、エポキシ基、チイラン基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記不飽和二重結合と熱硬化性官能基との双方を有する硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ不飽和二重結合を有する硬化性化合物であることが好ましく、熱硬化性官能基と(メタ)アクリロイル基との双方を有する硬化性化合物であることが好ましく、エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する硬化性化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られる硬化性化合物であることが好ましい。このような硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
上記硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒等の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
上記「フェノキシ樹脂」は、一般的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
また、上記硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、上記硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物を含むことが好ましい。エポキシ基を有する硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。異方性導電材料の硬化性を高める観点からは、上記硬化性化合物100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物であってもよい。取り扱い性を良好にし、かつ接続構造体における導通信頼性をより一層高める観点からは、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物は、エポキシ化合物であることが好ましい。
また、本発明に係る異方性導電材料は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物と、不飽和二重結合を有する硬化性化合物とを含むことが好ましい。
上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化可能であることから好ましい。
熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜40:60で含むことが更に好ましい。
上記異方性導電材料は、熱硬化剤を含むことが好ましい。該熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を硬化させる。該熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を使用可能である。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤、熱カチオン発生剤、酸無水物及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。なかでも、異方性導電材料を低温でより一層速やかに硬化可能であるので、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、加熱により硬化可能な硬化性化合物と上記熱硬化剤とを混合したときに保存安定性が高くなるので、潜在性の硬化剤が好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。これらの熱硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱カチオン発生剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
はんだ表面又は電極表面に形成された酸化膜を除去し、上下電極との金属接合を形成しやすくし、接続信頼性をより一層高める観点からは、上記熱硬化剤は、熱カチオン発生剤を含むことが好ましい。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下である。熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、異方性導電材料を充分に硬化させることが容易である。熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
上記熱硬化剤が、熱カチオン発生剤を含む場合に、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱カチオン発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記熱カチオン発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性組成物が充分に熱硬化する。
上記異方性導電材料は、光硬化開始剤を含むことが好ましい。該光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を使用可能である。電極間の導通信頼性及び接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤(アセトフェノン光ラジカル発生剤)、ベンゾフェノン光硬化開始剤(ベンゾフェノン光ラジカル発生剤)、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤(ケタール光ラジカル発生剤)、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。光の照射により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量(光硬化開始剤が光ラジカル発生剤である場合には光ラジカル発生剤の含有量)は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を適度に光硬化させることができる。異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制できる。
上記異方性導電材料は、熱ラジカル発生剤を含むことが好ましい。該熱ラジカル発生剤は特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤として、従来公知の熱ラジカル発生剤を使用可能である。熱ラジカル発生剤の使用により、電極間の導通信頼性及び接続構造体の接続信頼性がより一層高くなる。上記熱ラジカル発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイゾブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱ラジカル発生剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記熱ラジカル発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を適度に熱硬化させることができる。異方性導電材料を、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制でき、更に接合時のボイド発生を抑制できる。
本発明に係る異方性導電材料は、フラックスを含むことが好ましい。該フラックスの使用により、はんだ表面に酸化膜が形成され難くなり、さらに、はんだ表面又は電極表面に形成された酸化膜を効果的に除去できる。この結果、接続構造体における導通信頼性がより一層高くなる。なお、上記異方性導電材料は、フラックスを必ずしも含んでいなくてもよい。
上記フラックスは特に限定されない。該フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを使用可能である。上記フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸及びグルタミン酸等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、松脂であることが好ましい。松脂の使用により、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。上記フラックスは、ロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記フラックスは、カルボキシル基を有する有機酸であることが好ましい。カルボキシル基を有する化合物としては、アルキル鎖にカルボキシル基が結合した化合物、芳香環にカルボキシル基が結合した化合物等が挙げられる。これらのカルボキシル基を有する化合物では、アルキル鎖又は芳香環に水酸基がさらに結合していてもよい。アルキル鎖又は芳香環に結合しているカルボキシル基の数は1〜3個であることが好ましく、1又は2個であることがより好ましい。アルキル鎖にカルボキシル基が結合した化合物におけるアルキル鎖の炭素数は、好ましくは3以上、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。アルキル鎖にカルボキシル基が結合した化合物の具体例としては、ヘキサン酸(炭素数5、カルボキシル基1個)、及びグルタル酸(炭素数4、カルボキシル基2個)等が挙げられる。カルボキシル基と水酸基とを有する化合物の具体例としては、リンゴ酸及びクエン酸等が挙げられる。芳香環にカルボキシル基が結合した化合物の具体例としては、安息香酸、フタル酸、無水安息香酸及び無水フタル酸等が挙げられる。
上記フラックスは、バインダー樹脂中に分散されていてもよく、上記導電性粒子の表面上に付着していてもよい。
上記異方性導電材料100重量%中、上記フラックスの含有量は好ましくは0.5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記フラックスの含有量が上記下限以上及び上限以下であると、はんだ表面に酸化膜がより一層形成され難くなり、さらに、はんだ表面又は電極表面に形成された酸化膜をより一層効果的に除去できる。また、上記フラックスの含有量が上記下限以上であると、フラックスの添加効果がより一層効果的に発現する。上記フラックスの含有量が上記上限以下であると、硬化物の吸湿性がより一層低くなり、接続構造体の信頼性がより一層高くなる。
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の熱線膨張率が低くなる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラス、窒化ボロン、窒化ケイ素、シリコーン、カーボン、グラファイト、グラフェン及びタルク等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱伝導率が高いフィラーを用いると、本硬化時間が短くなる。
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
(異方性導電材料の詳細及び用途)
本発明に係る異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。
本発明に係る異方性導電材料は、異方性導電ペーストであって、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗布される異方性導電ペーストであることが好ましい。
上記異方性導電ペーストの25℃での粘度は、好ましくは3Pa・s以上、より好ましくは5Pa・s以上、好ましくは500Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、異方性導電ペースト中での導電性粒子の沈降を抑制できる。上記粘度が上記上限以下であると、導電性粒子の分散性がより一層高くなる。塗布前の上記異方性導電ペーストの上記粘度が上記範囲内であれば、第1の接続対象部材上に異方性導電ペーストを塗布した後に、硬化前の異方性導電ペーストの流動をより一層抑制でき、さらにボイドがより一層生じ難くなる。
上記異方導電材料が硬化した硬化物の弾性率は、25℃で好ましくは100MPa以上、好ましくは5GPa以下であり、更に85℃で好ましくは10MPa以上、好ましくは3GPa以下である。上記弾性率が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続信頼性が高くなる。
上記異方導電ペーストが硬化した硬化物のガラス転移温度Tgは、好ましくは60℃以上、より好ましくは85℃以上、好ましくは180℃以下である。上記ガラス転移温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性が高くなる。
本発明に係る異方性導電材料は、銅電極を有する接続対象部材を接続するために用いられる異方性導電材料であることが好ましい。銅電極の表面には酸化膜がかなり形成されやすい。これに対して、本発明に係る異方性導電材料が熱カチオン発生剤やフラックスを含む場合には、銅電極の表面の酸化膜を効果的に除去でき、接続構造体における導通信頼性を高めることができる。
本発明に係る異方性導電材料は、様々な接続対象部材を接着するために使用できる。上記異方性導電材料は、第1,第2の接続対象部材が電気的に接続されている接続構造体を得るために好適に用いられる。
図4に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
図4に示す接続構造体21は、第1の接続対象部材22と、第2の接続対象部材23と、第1,第2の接続対象部材22,23を電気的に接続している接続部24とを備える。接続部24は、導電性粒子1と樹脂粒子31を含む異方性導電材料により形成されている。ここでは、第1の導電性粒子として導電性粒子1が用いられており、第2の粒子として、樹脂粒子31が用いられている。
第1の接続対象部材22は上面22a(表面)に、複数の第1の電極22bを有する。第2の接続対象部材23は下面23a(表面)に、複数の第2の電極23bを有する。第1の電極22bと第2の電極23bとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材22,23が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。該接続構造体の製造方法の一例としては、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。加熱及び加圧により、導電性粒子1のはんだ層が溶融して、該導電性粒子1により電極間が電気的に接続される。さらに、バインダー樹脂が熱硬化性化合物を含む場合には、バインダー樹脂が硬化して、硬化したバインダー樹脂により第1,第2の接続対象部材22,23が接続される。上記加圧の圧力は9.8×104〜4.9×106Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
図5に、図4に示す接続構造体21における導電性粒子1と第1,第2の電極22b,23bとの接続部分を拡大して正面断面図で示す。図4に示すように、接続構造体21では、上記積層体を加熱及び加圧することにより、導電性粒子1のはんだ層5が溶融した後、溶融したはんだ層部分5aが第1,第2の電極22b,23bと十分に接触する。すなわち、表面層がはんだ層5である導電性粒子1を用いることにより、導電層の表面層がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、導電性粒子1と電極22b,23bとの接触面積を大きくすることができる。このため、接続構造体21の導通信頼性を高めることができる。なお、加熱により、一般にフラックスは次第に失活する。また、第1の導電層4を第1の電極22bと第2の電極23bとに接触させることができる。
上記第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記異方性導電材料は、電子部品の接続に用いられる異方性導電材料であることが好ましい。上記異方性導電材料は、液状であって、かつ液状の状態で接続対象部材の上面に塗工される異方性導電材料であることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方を構成する金属は、はんだと合金形成可能であることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極の双方を構成する金属が、はんだと合金形成可能であることが好ましい。はんだと合金形成可能な金属は、銅、アルミニウム又は銀であることが好ましい。この場合には、接続構造体における耐熱衝撃特性がより一層良好になる。
得られた接続構造体において、電極とはんだとの接触部分におけるはんだと電極とが形成している合金層の最大厚みは、電極と基材粒子との間に配置されているはんだ層の厚みの1/2以上であることが好ましい。この場合には、接続構造体における耐熱衝撃特性がより一層良好になる。
上記第1の導電性粒子における基材粒子が樹脂粒子である場合に、得られた接続構造体において、上記第1の導電性粒子における樹脂粒子の圧縮方向における粒子径は、圧縮前の樹脂粒子の4/5以上であることが好ましい。この場合には、接続構造体における耐熱衝撃特性がより一層良好になる。
上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方が、銅電極であることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極の双方が、銅電極であることが好ましい。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
実施例及び比較例では、以下の材料を用いた。
(バインダー樹脂)
熱可塑性化合物1:
3Lのセパラブルフラスコに、プリポール1009(HOOC−(CH2)34−COOH、クローダジャパン社製、分子量567)219gと、エチレンジアミン(NH2CH2CH2NH2、分子量60)5gと、ピペラジン(C4H10N2、分子量86)27gと、5%亜リン酸水溶液0.8gとを入れた。
水分離管を取り付け、窒素フロー下にて、攪拌しながら190℃まで昇温し、反応物の数平均分子量が1400になるまで重縮合反応を行った。その後、ドデカン二酸(東京化成工業社製)83gを添加し、内容物が透明になるまで190℃で攪拌した。その後、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製「PTMG1000」、数平均分子量1000)358gと、イルガノックス1098(BASFジャパン社製)1gとを添加し、均一にまるまで攪拌した。その後、三酸化アンチモン0.1gとモノブチルヒドロキシスズオキシド0.1gとを添加し、250℃まで昇温し、30分間攪拌した。1mmHgまで減圧し、更に250℃で4時間反応を行った。その結果、数平均分子量28000、融点120℃のポリアミド・ポリエステルブロックポリマーを得た。このポリアミド・ポリエステルブロックポリマーを熱可塑性化合物1と呼ぶ。
熱硬化性化合物1(エポキシ基含有アクリル樹脂、三菱化学社製「ブレンマーCP−30」)
熱硬化性化合物2(ビスフェノールA型エポキシ化合物、三菱化学社製「YL980」)
熱硬化性化合物3(レゾルシノール型エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製「EX−201」)
熱硬化性化合物4(CTBN変性エポキシ樹脂、ADEKA社製「EPR−4023」)
熱硬化剤A(イミダゾール化合物、四国化成工業社製「2P−4MZ」)
熱カチオン発生剤1(下記式(11)で表される化合物、加熱によりリン原子を含む無機酸イオンを放出する化合物)
熱カチオン発生剤2(下記式(12)で表される化合物、加熱によりアンチモン原子を含む無機酸イオンを放出する化合物)
熱カチオン発生剤3(下記式(13)で表される化合物、加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する化合物)
接着付与剤:信越化学工業社製「KBE−403」
フラックス:和光純薬社製「グルタル酸」
(粒子)
粒子の平均粒子径は、メディアン径を示す。
導電性粒子1:SnBiはんだ粒子(三井金属社製「DS−10」、平均粒子径12μm)
導電性粒子2:SnBiはんだ粒子(三井金属社製「ST−5」、平均粒子径5μm)
導電性粒子3:SnBiはんだ粒子(福田金属社製「Sn58Bi−20」、平均粒子径4.5μm)
導電性粒子4:SnBiはんだ粒子(福田金属社製「Sn58Bi−20」、平均粒子径4.5μm)を、開口4μmの精密ふるいで分球し、3μm未満の粒子の個数の割合を19%とした導電性粒子
導電性粒子5:
(樹脂コアはんだ被覆粒子、下記手順で作製)
ジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−210」、平均粒子径10μm、軟化点330℃、10%K値(23℃)3.8GPa)を無電解ニッケルめっきし、樹脂粒子の表面上に厚さ0.1μmの下地ニッケルめっき層を形成した。次いで、下地ニッケルめっき層が形成された樹脂粒子を電解銅めっきし、厚さ1μmの銅層を形成した。更に、錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、厚さ1μmのはんだ層を形成した。このようにして、樹脂粒子の表面上に厚み1μmの銅層が形成されており、該銅層の表面に厚み1μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子(平均粒子径14μm、CV値22%、樹脂コアはんだ被覆粒子)を作製した。
また、基材粒子の種類、基材粒子の平均粒子径、銅層の厚み及びはんだ層の厚みを変更したこと以外は導電性粒子5と同様にして、下記の導電性粒子6〜8を得た。
導電性粒子6(ジビニルベンゼン樹脂粒子、樹脂粒子の平均粒子径10μm、樹脂粒子の10%K値(23℃)3.8GPa、樹脂粒子の軟化点330℃、銅層の厚み1μm、はんだ層の厚み2μm、導電性粒子の平均粒子径16μm、CV値26%)
導電性粒子7(ジビニルベンゼン樹脂粒子、樹脂粒子の平均粒子径16μm、樹脂粒子の10%K値(23℃)3.6GPa、樹脂粒子の軟化点330℃、銅層の厚み1μm、はんだ層の厚み2μm、導電性粒子の平均粒子径22μm、CV値25%)
導電性粒子8:SnBiはんだ粒子(三井金属社製「10−25」、平均粒子径21μ
m)
導電性粒子9:
(銅コアはんだ被覆粒子、下記手順で作製)
銅粒子(エプソンアトミックス社製「PF−7F」、平均粒子径4μm)を用い、かつ錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、銅粒子の表面を電解めっきし、厚さ2μmのはんだ層を形成した。銅粒子の表面上に厚み2μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子(平均粒子径8μm、CV値30%、銅コアはんだ被覆粒子)を作製した。
絶縁性粒子1:ジビニルベンゼン粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−210」、平均粒子径10μm、軟化点330℃、10%K値(23℃)3.8GPa、CV値5%)
絶縁性粒子2:ジビニルベンゼン粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」、平均粒子径3μm、軟化点330℃、10%K値(23℃)5.2GPa、CV値7%)
絶縁性粒子X:シリカ粒子(宇部日東化成社製、平均粒子径10μm、CV値3%)
絶縁性粒子Y:シリカ粒子(宇部日東化成社製、平均粒子径3μm、CV値3%)
(実施例1〜26及び比較例1〜6)
下記の表1〜3に示す成分を下記の表1〜3に示す配合量で配合して、異方性導電ペーストを得た。実施例1に関しては、固形分にて配合量を表記した。
(評価)
(1)第1の導電性粒子の全個数100%中、第2の粒子の平均粒子径よりも粒子径が小さい第1の導電性粒子の個数の割合(%)
レーザー回折式粒度分測定装置(島津製作所社製「SALD−2100」)を用いて、第1の導電性粒子の粒度分布を測定した。得られた粒度分布から、第1の導電性粒子の全個数100%中、第2の粒子の平均粒子径よりも粒子径が小さい第1の導電性粒子の個数の割合(%)を求めた。
(2)接続構造体の作製
L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板)を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの銅電極パターンを下面に有するフレキシブルプリント基板を用意した。
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の異方性導電材料を厚さ50μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。このとき、溶剤を含む異方性導電ペーストに関しては溶剤乾燥を行った。次に、異方性導電材料層の上面に上記フレキシブルプリント基板を、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、フレキシブルプリント基板の上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、はんだを溶融させ、かつ異方性導電材料層を185℃で硬化させ、接続構造体を得た。
(3)上下の電極間の導通試験
上記(2)接続構造体の作製で得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通試験を下記の基準で判定した。
[導通試験の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が8.0Ω以下
○:接続抵抗の平均値が8.0Ωを超え、10.0Ω以下
△:接続抵抗の平均値が10.0Ωを超え、15.0Ω以下
×接続抵抗の平均値が15.0Ωを超える
(4)耐湿熱性
バイアス試験により、耐湿熱性を評価した。具体的には、L/Sが100μm/100μmの櫛形銅電極パターンを上面に有するガラスエポキシ基板(FR−4基板)を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの櫛形銅電極パターンを下面に有するフレキシブルプリント基板を用意した。上記(2)と同条件にて、接続構造体を得た。
85℃及び相対湿度85%の条件で、得られた接続構造体の隣接する電極間に15Vを500時間掛けた。500時間後、85℃85%の雰囲気下で隣接する電極間の抵抗値を測定した。耐湿熱性を下記の基準で判定した。
[耐湿熱性の判定基準]
○○:抵抗値が108Ω以上
○:抵抗値が107Ω以上、108Ω未満
×:抵抗値が107Ω未満
(5)耐熱衝撃性試験
得られた接続構造体をそれぞれ20個用意し、−30℃で5分間保持し、次に80℃まで昇温させて5分間保持した後、−30℃まで降温する過程を1サイクルとし、1サイクル当たり1時間とする冷熱サイクル試験を実施した。500サイクル及び1000サイクル後に、それぞれ10個の接続構造体を取り出した。
500サイクルの冷熱サイクル試験後の10個の接続構造体、並びに1000サイクルの冷熱サイクル試験後の10個の接続構造体について、上下の電極間の導通不良が生じているか否かを評価した。耐熱衝撃性試験を下記の基準で判定した。
[耐熱衝撃性試験の判定基準]
○○:10個の接続構造体全てにおいて、冷熱サイクル試験前の接続抵抗からの接続抵抗の上昇率が5%以下である
○:10個の接続構造体全てにおいて、冷熱サイクル試験前の接続抵抗からの接続抵抗の上昇率が5%を超え、10%以下である
×:10個の接続構造体のうち、冷熱サイクル試験前の接続抵抗からの接続抵抗の上昇
率が10%を超える接続構造体が1個以上ある
(6)異方性導電材料が硬化した硬化物層の25℃での弾性率及びガラス転移温度Tg
接続構造体における異方性導電材料層が硬化した硬化物層及び硬化した絶縁層の25℃での弾性率及びガラス転移温度Tgは、幅3mm×長さ15mm×厚み0.1mmのサン
プルを作成し、粘弾性測定機(アイティー計測制御社製「DVA−200」)を用い、昇温速度5℃/分、変形率0.1%及び10Hzの条件で測定した。tanδのピーク時の温度をTg(ガラス転移温度)とした。
結果を下記の表1〜3に示す。下記の表1〜3において「1>」は、「1未満」を示す。
なお、上記第1の導電性粒子における基材粒子が樹脂粒子である実施例1〜25の異方性導電材料を用いた接続構造体において、上記第1の導電性粒子における樹脂粒子の圧縮方向における粒子径は、圧縮前の樹脂粒子の4/5以上であった。
なお、実施例1〜26の異方性導電材料を用いた接続構造体において、電極とはんだとの接触部分におけるはんだと電極とが形成している合金層の最大厚みは、電極と基材粒子との間に配置されているはんだ層の最大厚みの1/2以上であった。