JP5597763B2 - 突合せ溶接部の整形方法及び整形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、突合せ溶接部の整形方法、突合せ溶接部の整形装置、および、テーラードブランク材の製造方法に関する。詳しくは、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの溶接部を整形する整形方法及び整形装置に関する。
従来より、自動車部品の軽量化を図るために、テーラードブランク材が用いられている。このテーラードブランク材は、板厚や材質が異なる板材同士を接合した後、プレス成形することで形成される。板材の接合は、例えば、レーザ等の熱源を利用した突合せ溶接により行われている。
通常、突合せ溶接では、板材同士を突合せした後、その突合せ部の裏面を裏当て部材で裏当てした状態で、突合せ部の表面にレーザ等を照射する。これにより、板材同士が溶接によって接合されたワークピースが得られる。
ところが、上記のようにして突合せ溶接を行った場合、板材の熱膨張や熱収縮や蒸発等によって、溶接部の裏面側に局所的な落ち込み溝や凹み(以下、「ヒケ(dent)」という)が生じることがある。また、板材の熱膨張や熱収縮や位置決め誤差等によって、溶接部を境として裏面側に段差(以下、「ミスマッチ」という)が生じることがある。
上記のようなヒケやミスマッチが生じたワークピースに対して、直接、プレス成形を行った場合には、また、外観が低下する。そこで、例えば、板材同士を突合せ溶接したワークピースの表面において、押圧ローラを溶接部に沿って転動させることで、溶接部を押圧して整形する技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、板厚が異なる厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースに対して特許文献1の技術を適用した場合には、厚板と薄板との段差間に形成された溶接部を押圧ローラで押圧するのが困難であり、ヒケやミスマッチを十分に矯正できない、という問題があった。具体的には、溶接部を直接、円筒状の押圧ローラで押圧した場合には、溶接部と母材との間を十分に加圧できず、薄板側のミスマッチを十分に矯正できなかった。また、テーパ状の押圧ローラで押圧した場合には、押圧ローラの角が板材に点当りして折れや歪みが生じ、また、溶接部と母材との間を十分に加圧できず、ヒケやミスマッチを十分に矯正できなかった。
また、溶接部のみを押圧ローラで押圧しようとすると、その押圧量の制御が困難であった。押圧量が過多となった場合には、溶接部と板材との間に、圧痕による形状不具合や急激な硬度(強度)勾配が生じ、成形性低下の要因となっていた。特に、剛性が比較的低い薄板を押圧ローラで過度に押圧した場合には、折れや圧痕が生じるおそれがあった。
厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの裏面(段差が無い面)を製品の外面とした場合、裏面側において優れた外観が要求される。従って、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの裏面の溶接部近傍に生じたヒケやミスマッチを矯正できる整形技術の開発が求められている。
日本国特開昭58−70978号公報
本発明の実施形態は、圧痕、折れ、歪み等の不具合の発生を抑制しつつ、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの溶接部に発生したヒケやミスマッチを矯正できる整形方法及び整形装置に関する。更に、この整形方法を利用したテーラードブランク材の製造方法に関する。
本発明の一実施形態に係る整形装置の概略構成を示す斜視図である。 整形前のワークピースを溶接方向に垂直な方向に切断した断面図である。 上記実施形態に係る整形装置の押圧ローラを説明するための図である。 上記実施形態に係る整形装置による整形方法を説明するための図である。 整形後のワークピースを溶接方向に垂直な方向に切断した断面図である。 整形前のワークピースの表面形状測定結果を示す図である。 整形後のワークピースの表面形状測定結果を示す図である。 上記実施形態の変形例に係る整形装置による整形方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、実施形態やその変形例は発明の例示であって、発明を限定するものではなく、実施形態や変形例に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る整形装置1の概略構成を示す斜視図である。本実施形態に係る整形装置1は、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースWの溶接部を整形する。
整形装置1は、押圧部材としての押圧ローラ11と、裏当て部材としての裏当てプレート13と、押圧整形部としての駆動装置及びこれを制御する制御装置(いずれも図示せず)と、を備える。
ワークピースWは、板厚の異なる厚板31と薄板33とを突合せ溶接して形成されたテーラードブランク材である。
ワークピースWは、具体的には次のようにして得られる。
先ず、厚板31の突合せ端面と、薄板33の突合せ端面とを突合せし、所定のクランプ装置で固定する。次いで、その突合せ部の裏面を後述の裏当てプレート13で裏当てした状態で、突合せ部の表面にレーザを照射する。これにより、厚板31と薄板33が突合せ溶接されたワークピースWが得られる。
図2は、整形前のワークピースWの間を、溶接方向に垂直な方向に切断した断面図である。図2に示すように、厚板31と薄板33は、溶接部を構成する溶接ビード35が形成されている。溶接ビード35の表面は、厚板31の表面端部から薄板33の表面端部に向かって下方に傾斜して形成されている。
図2に示すように、溶接ビード35と厚板31の境界部の裏面側と、溶接ビード35と薄板33の境界部の裏面側には、ヒケHが生じている。このヒケHは、特に、溶接の際に用いるレーザの出力が高く、溶接速度(レーザ移動速度)が速い場合に、板材の熱膨張や熱収縮や蒸発によって生じる。
また、溶接ビード35を境として、厚板31の裏面と薄板33の裏面との間に、ミスマッチMが生じている。このミスマッチMは、厚板31及び薄板33の突合せ端面のカット精度や突合せ精度の低さ、クランプ圧不足、治具精度不足、熱収縮等に起因する板材の位置決め誤差等によって生じる。
ここで、ワークピースWでは、その裏面が製品の外面とされる。このため、ワークピースWの裏面側を優れた外観とすべく、プレス成形前に当該裏面を平滑な面に整形しておく必要がある。そこで、本実施形態に係る整形装置1は、ワークピースWの裏面に生じたヒケHやミスマッチMを矯正し、当該裏面を平滑な面に整形するものである。
図1に戻って、押圧ローラ11は、小径部111と、大径部113と、テーパ部115と、を備える段差ローラである。押圧ローラ11は、後述の駆動装置によって、水平移動するとともに、所定の位置で上昇または下降する。ワークピースWの表面を押圧した状態で水平移動させることで、押圧ローラ11は回転軸Xで回転し、ワークピースWの表面上を転動する。
小径部111は、後述の大径部113よりも径が小さい円筒形状であり、厚板31に対向して配置されている。
大径部113は、上述の小径部111よりも径が大きい円筒形状であり、薄板33に対向して配置されている。
テーパ部115は、小径部111から大径部113に向かって漸次拡径し、溶接ビード35に対向して配置されている。
図3は、押圧ローラ11を説明するための図であり、具体的には、小径部111が厚板31に当接し、小径部111とテーパ部115の境界部が厚板31と溶接ビード35の境界部に当接する位置に配置したときの押圧ローラ11を示す図である。
また、図3に示すように、押圧ローラ11の小径部111の外周面と、大径部113の外周面との間の段差RHは、厚板31の表面と薄板33の表面との間の段差WHよりも小さく設定されている。これにより、押圧ローラ11でワークピースWの表面を押圧したときに、大径部113が薄板33に当接するよりも先に、小径部111が厚板31に当接し、大径部113が薄板33を過度に押圧することがない。
また、図3に示すように、押圧ローラ11のテーパ部115の傾斜角度は、厚板31側における溶接ビード35の表面の傾斜角度よりも小さく設定されている。これにより、テーパ部115の小径部111側で、厚板31と溶接ビード35との境界部を押圧することが可能となっている。ただし、傾斜角度はこれに限らず、テーパ部115の小径部111側で、厚板31と溶接ビード35との境界部を押圧できればよい。
図1に戻って、裏当てプレート13は、ワークピースWの裏面側に配置され、ワークピースWの裏面を裏当てする。ワークピースWが載置される裏当てプレート13の表面は、平滑な水平面となっている。
なお、ワークピースWは、突合せ溶接時と同様に、その裏面が裏当てプレート13で裏当てされた状態で、図示しないクランプ装置により固定されている。
図示しない駆動装置は、押圧ローラ11を、水平方向に所定の速度で移動させるとともに、所定の位置で上昇または下降させる。
図示しない制御装置は、上記の駆動装置を制御する。
以上のような構成を備える整形装置1は、以下のように動作する。
先ず、厚板31と薄板33とを突合せ溶接したワークピースWの裏面を裏当てプレート13に置いて固定した後、当該ワークピースWに形成された溶接ビード35の基端に、押圧ローラ11を移動させる。このとき、押圧ローラ11の回転軸Xが溶接方向に直交する向きで、押圧ローラ11を配置する。また、押圧ローラ11を下降させたときに、テーパ部115の小径部111側が厚板31と溶接ビード35との境界部に当接するとともに、テーパ部115と大径部113との境界部が溶接ビード35の薄板33側に当接する位置に、押圧ローラ11を配置する。
次いで、押圧ローラ11を下降させ、所定のローラ荷重でワークピースWの表面を押圧する。ローラ荷重は、溶接ビード35の強度よりも十分に高い荷重に設定する。これにより、厚板31と溶接ビード35との境界部が、テーパ部115の小径部111側で押圧されるとともに、溶接ビード35の薄板33側が、テーパ部115と大径部113との境界部で押圧される。また、図4に示すように、押圧された厚板31と溶接ビード35との境界部が押し潰されて、小径部111が厚板31に当接する。押圧ローラ11の下降は、小径部111が厚板31に当接したときに停止するように設定する。このとき、小径部111の外周面と大径部113の外周面との間の段差RHは、厚板31の表面と薄板33の表面との間の段差WHよりも小さく設定されていることから、薄板33は大径部113で押圧されることはない。
次いで、上記のように押圧ローラ11でワークピースWの表面を押圧した状態で、押圧ローラ11を、溶接ビード35に沿って移動させる。このとき、押圧ローラ11は、回転軸Xで回転し、溶接ビード35に沿ってワークピースWの表面上を転動する。これにより、押圧ローラ11の移動範囲において、厚板31と溶接ビード35との境界部と、溶接ビード35の薄板33側とが、押圧ローラ11によって押圧される。
これによって、整形されたワークピース(W)すなわちテーラードブランク材が製造される。
以上のようにして、押圧ローラ11を溶接ビード35の先端まで移動させた後、押圧ローラ11を上昇させる。これにより、押圧ローラ11によるワークピースWの表面の押圧が解除される。
なお、溶接の際に生じたヒケが大きい場合や、板材の強度が高い場合には、押圧ローラ11による押圧の前に、リメルト処理を行うことが好ましい。リメルト処理は、溶接ビード35の裏面側から、レーザを照射することで行われる。リメルト処理を行うことにより、溶接ビード35が溶融してヒケが低減し、より低いローラ荷重でその裏面をより平滑化できる。
以上のように動作する整形装置1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る整形装置1では、厚板31と薄板33を突合せ溶接したワークピースWの裏面を裏当てプレート13で裏当てした状態で、厚板31に対向する小径部111と、薄板33に対向する大径部113と、小径部111から大径部113に向かって漸次拡径して溶接ビード35に対向するテーパ部115と、を備える押圧ローラ11を、溶接ビード35に沿ってワークピースWの表面上で転動させる。このとき、テーパ部115の小径部111側で厚板31と溶接ビード35との境界部を押圧することで、かかる境界部が裏当てプレート13に押し付けられる結果、溶接の際に厚板31と溶接ビード35との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。同時に、テーパ部115と大径部113との境界部で溶接ビード35の薄板33側を押圧することで、かかる溶接ビード35の薄板33側が裏当てプレート13に押し付けられる結果、溶接の際に薄板33と溶接ビード35との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。また、これらの押圧により、薄板33の浮き上がりが押さえ込まれる結果、ミスマッチを矯正できる。従って、本実施形態によれば、図5に示すように、厚板31と薄板33を突合せ溶接したワークピースWの裏面に生じたヒケやミスマッチを矯正でき、当該裏面を平滑化できる。
さらには、テーパ部115の小径部111側で厚板31と溶接ビード35との境界部を押圧すると、かかる境界部が押し潰されて、小径部111が厚板31に当接することにより、押圧方向における押圧ローラ11の位置決めが容易となる(図4参照)。従って、溶接ビード35や薄板33を過度に押圧してしまうのを回避でき、圧痕、折れ、歪み等の不具合の発生を抑制できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
例えば上記実施形態では、押圧部材として押圧ローラ11を用いたが、これに限定されない。図8に示す実施形態の変形例のように、押圧部材として押圧ローラ11の代わりに、厚板31に対向する略水平な第1の面211と、第1の面211よりもワークピースW側で薄板33に対向する略水平な第2の面213と、これら第1の面211と第2の面213とを傾斜連結して溶接ビード35に対向する第3の面215と、を備える押圧プレート21を用いてもよい。
この場合には、第3の面215の第1の面211側で厚板31と溶接ビード35との境界部近傍を押圧するとともに、第3の面215と第2の面213との境界部近傍で溶接ビード35の薄板33側を押圧するように、押圧部材を移動させる。これにより、上記実施形態と同様の効果が奏される。
また、上記実施形態では、裏当て部材として裏当てプレート13を用いたが、これに限定されない。例えば、裏当てプレート13の代わりに、フラットローラを用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
上記実施形態に係る整形装置1を用い、以下に示す押圧条件に従って、ワークピースWを押圧整形した。また、整形前後のワークピースWについて、市販の輪郭形状測定器を用いて表面の輪郭形状の測定を実施した。測定結果を図6及び図7に示す。
[押圧条件]
ローラ荷重:20kN
移動速度:10m/分
リメルト処理:有り
図6は、整形前のワークピースの表面形状測定結果を示す図であり、図7は、整形後のワークピースの表面形状測定結果を示す図である。
図6に示すように、整形前のワークピースWの裏面側には、ヒケやミスマッチが認められた。これに対して、図7に示すように、整形後のワークピースWの裏面側には、ヒケやミスマッチは認められず、裏面が平滑化されていることが確認された。
上記の実施形態および変形例によれば、厚板31と薄板33とを突合せ溶接したワークピースWの溶接部35を整形する整形方法は、ワークピースWの一方の面を裏当て部材13で裏当てするステップと、ワークピースWの他方の面の側に押圧部材11,21を配置するステップと、押圧部材11,21に、厚板31に対向する第1の部分111,211と、薄板33に対向する第2の部分113,213と、溶接部35に対向し第1の部分111,211と第2の部分113,213とを連結する第3の部分115,215と、を設けるステップと、第3の部分115,215の第1の部分111,211側の部位で厚板31と溶接部35との境界部を押圧し、第3の部分115,215と第2の部分113,213との境界部で溶接部35の薄板33側の部位を押圧し、溶接部35を整形するステップと、を有してもよい。
なお、押圧部材は、押圧ローラ11でもよい。押圧ローラ11は、第1の部分としての小径部111と、第2の部分としての大径部113と、小径部111から大径部113に向かって漸次拡径して溶接部に対向する第3の部分としてのテーパ部115と、を備えてもよい。上記の方法は、ワークピースWの他方の面上で押圧ローラ11を溶接部35に沿って転動させることで、溶接部35を整形するステップ、を有してもよい。
上記の実施形態において、厚板31と薄板33とを突合せ溶接したワークピースWの溶接部35を整形する整形装置は、ワークピースWの一方の面を裏当てする裏当て部材13と、ワークピースWの他方の面を押圧する押圧ローラ11と、押圧ローラ11を駆動させるワークピース押圧整形部と、を備えてもよい。押圧ローラ11は、厚板31に対向する小径部111と、薄板33に対向する大径部113と、小径部111から大径部113に向かって漸次拡径して溶接部35に対向するテーパ部115と、を備えてもよい。押圧整形部は、テーパ部115の小径部111側の部位が厚板31と溶接部35との境界部を押圧するとともに、テーパ部115と大径部113との境界部が溶接部35の薄板33側の部位を押圧するように、ワークピースWの他方の面上で押圧ローラ11を溶接部35に沿って転動させるように構成されてもよい。
また、上記の実施形態において、テーラードブランク材の製造方法は、厚板31と薄板33とを突合せ溶接してワークピースWを作成するステップと、ワークピースWの一方の面を裏当て部材13で裏当てするステップと、ワークピースWの他方の面の側に押圧部材11,21を配置するステップと、押圧部材11,21に、厚板31に対向する第1の部分111,211と、薄板33に対向する第2の部分113,213と、厚板31と薄板33との間の溶接部35に対向し第1の部分111,211と第2の部分113,213とを連結する第3の部分115,215と、を設けるステップと、第3の部分115,215の第1の部分111,211側の部位で厚板31と溶接部35との境界部を押圧し、第3の部分115,215と第2の部分113,213との境界部で溶接部35の薄板33側の部位を押圧し、溶接部35を整形するステップと、を有してもよい。
上記の方法および装置によれば、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの一方の面を裏当て部材で裏当てした状態で、厚板に対向する小径部と、薄板に対向する大径部と、小径部から大径部に向かって漸次拡径して溶接部に対向するテーパ部と、を備える押圧ローラを、溶接部に沿ってワークピースの他方の面上で転動させる。このとき、例えば一方の面をワークピースの裏面とし、他方の面をワークピースの表面とした場合には、テーパ部の小径部側で厚板と溶接部との境界部を押圧することで、かかる境界部が裏当て部材に押し付けられる結果、溶接の際に厚板と溶接部との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。同時に、テーパ部と大径部との境界部で溶接部の薄板側を押圧することで、かかる溶接部の薄板側が裏当て部材に押し付けられる結果、溶接の際に薄板と溶接部との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。また、これらの押圧により、薄板の浮き上がりが押さえ込まれる結果、ミスマッチを矯正できる。従って、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの一方の面、例えば裏面を平滑化できる。
さらには、テーパ部の小径部側で厚板と溶接部との境界部を押圧すると、かかる境界部が押し潰されて、小径部が厚板に当接することにより、押圧方向における押圧ローラの位置決めが容易となる。従って、溶接部や薄板を過度に押圧してしまうのを回避でき、圧痕、折れ、歪み等の不具合の発生を抑制できる。
また、上記の装置および方法において、押圧部材は、押圧プレート21であり、押圧プレート21は、第1の部分としての第1の面211と、ワークピース第2の部分としての第2の面213と、第3の部分としての第3の面215と、を備え、押圧プレート21をワークピースW側に移動させることで、溶接部35を整形してもよい。
この装置および方法によれば、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの一方の面を裏当て部材で裏当てした状態で、厚板に対向する略水平な第1の面と、第1の面よりもワークピース側で薄板に対向する略水平な第2の面と、これら第1の面と第2の面とを傾斜連結して溶接部に対向する第3の面と、を備える押圧部材を用いて、ワークピースの他方の面を押圧する。このとき、例えば一方の面をワークピースの裏面とし、他方の面をワークピースの表面とした場合には、第3の面の第1の面側で厚板と溶接部との境界部を押圧することで、かかる境界部が裏当て部材に押し付けられる結果、溶接の際に厚板と溶接部との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。同時に、第3の面と第2の面との境界部で溶接部の薄板側を押圧することで、かかる溶接部の薄板側が裏当て部材に押し付けられる結果、溶接の際に薄板と溶接部との境界部の裏面側に生じたヒケを矯正できる。また、これらの押圧により、薄板の浮き上がりが押さえ込まれる結果、ミスマッチを矯正できる。従って、第2の発明によれば、厚板と薄板を突合せ溶接したワークピースの一方の面、例えば裏面を平滑化できる。
さらには、第3の面の第1の面側で厚板と溶接部との境界部を押圧すると、かかる境界部が押し潰されて、第1の面が厚板に当接することにより、押圧方向における押圧部材の位置決めが容易となる。従って、溶接部や薄板を過度に押圧してしまうのを回避でき、圧痕、折れ、歪み等の不具合の発生を抑制できる。
本発明の実施形態および変形例によれば、圧痕、折れ、歪み等の不具合の発生を抑制しつつ、厚板と薄板を突合せ溶接して形成されたワークピースの溶接部に発生したヒケやミスマッチを矯正できる整形方法及び整形装置が、提供できる。
1…整形装置
11…押圧ローラ(押圧部材)
13…裏当てプレート(裏当て部材)
21…押圧プレート(押圧部材)
31…厚板
33…薄板
35…溶接ビード(溶接部)
W…ワークピース

Claims (7)

  1. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接したワークピース(W)の溶接部(35)を整形する整形方法であって、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当て部材(13)で裏当てし、
    前記ワークピース(W)の他方の面の側に押圧ローラ(11)を配置し、
    前記押圧ローラ(11)に、前記厚板(31)に対向する小径部(111)と、前記薄板(33)に対向する大径部(113)と、前記小径部(111)と前記大径部(113 )とを連結し、前記小径部(111)から前記大径部(113)に向かって漸次拡径して前記溶接部(35)に対向すテーパ部(115)と、を設け、
    前記小径部(111)の外周面と前記大径部(113)の外周面との間の段差(RH) は、前記厚板(31)の表面と前記薄板(33)の表面との間の段差(WH)よりも小さ く設定され、
    前記テーパ部(115)の前記小径部(111)側の部位で前記厚板(31)と前記溶接部(35)との境界部を押圧し、前記テーパ部(115)と前記大径部(113)との境界部で前記溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧して、前記ワークピース (W)の前記他方の面上で前記押圧ローラ(11)を前記溶接部(35)に沿って転動さ せることで、前記溶接部(35)を整形する、
    整形方法。
  2. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接したワークピース(W)の溶接部(35) を整形する整形方法であって、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当て部材(13)で裏当てし、
    前記ワークピース(W)の他方の面の側に押圧プレート(21)を配置し、
    前記押圧プレート(21)に、前記厚板(31)に対向する第1の面(211)と、前 記薄板(33)に対向する第2の面(213)と、前記溶接部(35)に対向し前記第1 の面(211)と前記第2の面(213)とを連結する第3の面(215)と、を設け、
    前記押圧プレート(21)を前記ワークピース(W)側に移動させて、前記第3の面( 215)の前記第1の面(211)側の部位で前記厚板(31)と前記溶接部(35)と の境界部を押圧し、前記第3の面(215)と前記第2の面(213)との境界部で前記 溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧することで、前記溶接部(35)を整形する、
    形方法。
  3. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接し、
    請求項1又は2に記載の整形方法によって、前記厚板(31)と前記薄板(33)との間の溶接部(35)を整形する、
    テーラードブランク材の製造方法。
  4. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接してワークピース(W)を作成し、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当て部材(13)で裏当てし、
    前記ワークピース(W)の他方の面の側に押圧ローラ(11)を配置し、
    前記押圧ローラ(11)に、前記厚板(31)に対向する小径部(111)と、前記薄板(33)に対向する大径部(113)と、前記小径部(111)と前記大径部(113 )とを連結し、前記小径部(111)から前記大径部(113)に向かって漸次拡径して前記厚板(31)と前記薄板(33)との間の溶接部(35)に対向すテーパ部(11 5)と、を設け、
    前記小径部(111)の外周面と前記大径部(113)の外周面との間の段差(RH) は、前記厚板(31)の表面と前記薄板(33)の表面との間の段差(WH)よりも小さ く設定され、
    前記テーパ部(115)の前記小径部(111)側の部位で前記厚板(31)と前記溶接部(35)との境界部を押圧し、前記テーパ部(115)と前記大径部(113)との境界部で前記溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧して、前記ワークピース (W)の前記他方の面上で前記押圧ローラ(11)を前記溶接部(35)に沿って転動さ せることで、前記溶接部(35)を整形する、
    テーラードブランク材の製造方法。
  5. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接してワークピース(W)を作成し、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当て部材(13)で裏当てし、
    前記ワークピース(W)の他方の面の側に押圧プレート(21)を配置し、
    前記押圧プレート(21)に、前記厚板(31)に対向する第1の面(211)と、前 記薄板(33)に対向する第2の面(213)と、前記厚板(31)と前記薄板(33) との間の溶接部(35)に対向し前記第1の面(211)と前記第2の面(213)とを 連結する第3の面(215)と、を設け、
    前記押圧プレート(21)を前記ワークピース(W)側に移動させて、前記第3の面( 215)の前記第1の面(211)側の部位で前記厚板(31)と前記溶接部(35)と の境界部を押圧し、前記第3の面(215)と前記第2の面(213)との境界部で前記 溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧することで、前記溶接部(35)を整 形する、
    テーラードブランク材の製造方法。
  6. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接したワークピース(W)の溶接部(35)を整形する、整形装置であって、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当てする裏当て部材(13)と、
    前記ワークピース(W)の他方の面を押圧する押圧ローラ(11)と、
    前記押圧ローラ(11)を駆動させる押圧整形部と、
    を備え、
    前記押圧ローラ(11)は、前記厚板(31)に対向する小径部(111)と、前記薄板(33)に対向する大径部(113)と、前記小径部(111)と前記大径部(113 )とを連結し、前記小径部(111)から前記大径部(113)に向かって漸次拡径して前記溶接部(35)に対向するテーパ部(115)と、を備え、
    前記小径部(111)の外周面と前記大径部(113)の外周面との間の段差(RH) は、前記厚板(31)の表面と前記薄板(33)の表面との間の段差(WH)よりも小さ く設定され、
    前記押圧整形部は、前記テーパ部(115)の前記小径部(111)側の部位が前記厚板(31)と前記溶接部(35)との境界部を押圧するとともに、前記テーパ部(115)と前記大径部(113)との境界部が前記溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧するように、前記ワークピース(W)の前記他方の面上で前記押圧ローラ(11)を前記溶接部(35)に沿って転動させるように構成されている、
    整形装置。
  7. 厚板(31)と薄板(33)とを突合せ溶接したワークピース(W)の溶接部(35) を整形する、整形装置であって、
    前記ワークピース(W)の一方の面を裏当てする裏当て部材(13)と、
    前記ワークピース(W)の他方の面を押圧する押圧プレート(21)と、
    前記押圧プレート(21)を駆動させる押圧整形部と、
    を備え、
    前記押圧プレート(21)は、前記厚板(31)に対向する第1の面(211)と、前 記薄板(33)に対向する第2の面(213)と、前記溶接部(35)に対向し前記第1 の面(211)と前記第2の面(213)とを連結する第3の面(215)と、を備え、
    前記押圧整形部は、前記押圧プレート(21)を前記ワークピース(W)側に移動させ て、前記第3の面(215)の前記第1の面(211)側の部位が前記厚板(31)と前 記溶接部(35)との境界部を押圧するとともに、前記第3の面(215)と前記第2の 面(213)との境界部が前記溶接部(35)の前記薄板(33)側の部位を押圧するよ うに構成されている、
    整形装置。
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