JP5620085B2 - 可変ダクト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可変ダクト装置、特に、車両のバンパ及び上部開口部とラジエータとの間に設けられた可変ダクト装置に関する。
一般に、車両前面部に配置されるバンパやフロントグリルには、エンジンルーム内に設置されたラジエータや、クーラコンデンサの前面に外気を導入する開口部が設けられ、これら開口部から導入された外気によってラジエータ内のエンジン冷却水を冷却させるとともに、クーラコンデンサを冷却させている。しかし、高速走行時等においては、バンパやフロントグリルの開口部からエンジンルーム内に導入される外気の増大に伴って走行抵抗が大きくなり、燃費の効率が低下することが懸念される。また、冬季や寒冷地においては、エンジンを過冷却するおそれがある。更に、冬季や寒冷地においては、エンジンの暖機性能や排気ガス浄化装置の触媒活性に影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、これらの開口部に可変ダクト装置を設けて、車速やエンジン冷却水の温度やエンジンの負荷状態に応じてダクトを開閉させて外気の導入量を調整し、エンジンの過冷却、及びバンパやフロントグリルの開口部からエンジンルーム内に導入される外気量の増大による走行抵抗の増大に伴う燃費効率の悪化を防止する技術が知られている。
特許文献1として、バンパ及びフロントグリルに形成された開口部とラジエータとの間に設けられた可変ダクトの制御装置が提案されている。この可変ダクトの制御装置は、フロントグリルに形成された開口部に設けられた第1可変ルーバ、及びバンパに形成された開口部に設けられた第2可変ルーバを備え、エンジンの負荷状態に応じて、第1可変ルーバと第2可変ルーバの開閉制御が別個のアクチュエータで独立して実行される。
特許文献2として、バンパに形成された開口部とラジエータとの間に設けられた可変ルーバ及びフロントグリルに形成された開口部とラジエータとの間に設けられた可動シャッタを制御する可変ダクト装置が提案されている。この特許文献2で開示される可変ダクト装置を、図12に基づいて説明する。
図示のように、車両110はエア導入口104が形成されたバンパ103を備え、このバンパ103の上部に、バンパ103に沿ってグリル開口部101aが形成されたフロントグリル101が配設される。そして、このグリル開口部101a及びエア導入口104と対向してラジエータ106が配置される。
可変ダクト装置100は、グリル開口部101aとラジエータ106との間に平板状の複数枚のシャッタ板102aで形成されたシャッタ機構102を備える。また、エア導入口104に、矢線FRで示す車両前後方向における断面視で車両後方向Rに移行するに従って漸次肉厚が減少しつつ湾曲する翼状に形成されて車幅方向に延在する導風板105が設けられている。これらのシャッタ板102a及び導風板105は、外気温やバッテリの水温に応じて、別個のモータによって可動制御されて、ラジエータ106への外気の導入及び遮断が実行される。
特開平5−58172号公報 特開2007−32057号公報
上記特許文献1によると、第1可変ルーバと第2可変ルーバの揺動制御が別個のアクチュエータで独立して実行されるので、製造コストの増大及び重量の増大が懸念される。また、かかる可変ダクトの制御装置を搭載した車両が、冠水路を走行する場合に、バンパの開口部が第2可変ルーバで遮蔽されていると、車両走行時に第2可変ルーバに過大な水圧が付与されて、第2可変ルーバが損傷することが懸念される。更に、寒冷地等において第2可変ルーバが凍結すると、冷却不良等によりエンジン性能に影響を及ぼすことが懸念される。
上記特許文献2によると、シャッタ機構102と導風板105の作動制御が別個のアクチュエータで独立して実行されるので、特許文献1と同様に、製造コストの増大及び重量の増大が懸念される。同様に、冠水路を走行する場合に、エア導入口104が導風板105で遮蔽されていると、車両走行時に導風板105に過大な水圧が付与されて、導風板105が損傷することが懸念される。更に、寒冷地等において導風板105が凍結した場合も、冷却不良等によりエンジン性能に影響を及ぼすことが懸念される。
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、フロントグリルの開口部に設けられた可変ルーバとバンパの開口部に設けられた下部ルーバとを連動させるとともに、下部ルーバに外力が付与された場合に可変ルーバと下部ルーバとの連動を遮断して、下部ルーバの破損を防止することのできる可変ダクト装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明による可変ダクト装置は、下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、該リンク機構は、前記可変ルーバに連結される上部リンクと、前記下部ルーバに連結される下部リンクと、前記上部リンクが一端に連結されるとともに前記下部リンクが他端に連結されるリンクベース部と、を有し、前記下部リンクは、前記リンクベース部の他端に取り付けられて前記車両の後方向に延在する一般面を有するとともに、該一般面の端部から前記車両の前方向側に凹状に形成された嵌合部、該嵌合部の上部から連続して上方に傾斜して延在する第1傾斜部が形成された第1ガイド片、前記嵌合部の下部から連続して前記第1ガイド片から離間する下方向に傾斜して延在する第2傾斜部が形成された第2ガイド片、を具備するガイド部を有する下部リンクブラケットと、該下部リンクブラケットの前記ガイド部に係合されて前記嵌合部に嵌合される上部及び前記下部ルーバに連結される下部を有して前記車両の前方向に付勢される下部リンクアームと、を有し、前記下部ルーバによって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で前記下部ルーバに外力が付与された際、該外力によって前記下部リンクブラケットの嵌合部と前記下部リンクアームとの嵌合が解除されて前記下部リンクアームを前記第1ガイド片に沿って前記車両の後方向に移行させて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動遮断させることを特徴とする。
この発明によると、可変ルーバに連結される上部リンク、下部ルーバに連結される下部リンク、及び上部リンクが一端に連結され他端に下部リンクが連結されたリンクベース部を有するリンク機構によって可変ルーバと下部ルーバとを簡易に連動させることができるので、部材点数を削減して製造コストの低減及び軽量化が図られた上で、車両の走行状態に応じて、可変ルーバと下部ルーバの揺動動作を連動させて同期させることができる。
一方、下部ルーバの揺動によって下部開口部とラジエータとの間が遮蔽された状態で、下部ルーバに外力が付与されて下部ルーバが揺動して下部リンクアームが押されて下部リンクアームの上部が下部リンクブラケットの嵌合部から押し出されて下部リンクブラケットの嵌合部と下部リンクアームとの嵌合が解除されると、可変ルーバと下部ルーバとの連動性が遮断されるとともに下部リンクの上部が第1ガイド片に沿って車両後方向に移行する。従って、下部ルーバによって下部開口部とラジエータとの間が遮断された状態で、下部ルーバに外力が付与されると下部ルーバの揺動が許容されるので、簡易な構造によって、下部ルーバに付与される外力によって下部ルーバ及び下部リンクが破損されることが回避される。
請求項2に記載の発明による可変ダクト装置は、下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、該リンク機構は、前記可変ルーバに連結される上部リンクと、前記下部ルーバに連結される下部リンクと、前記上部リンクが一端に連結されるとともに前記下部リンク他端に連結されるリンクベース部と、を有し、前記下部リンクは、前記リンクベース部の他端に取り付けられて前記車両の後方向に延在する一般面を有するとともに、該一般面の端部から前記車両の前方向側に凹状に形成された嵌合部、該嵌合部の上部から連続して上方に傾斜して延在する第1傾斜部が形成された第1ガイド片、前記嵌合部の下部から連続して前記第1ガイド片から離間する下方向に傾斜して延在する第2傾斜部が形成された第2ガイド片、を具備するガイド部を有する下部リンクブラケットと、該下部リンクブラケットの前記ガイド部に係合されて前記嵌合部に嵌合される上部及び前記下部ルーバに連結される下部を有して前記車両の前方向に付勢される下部リンクアームと、を有し、前記下部ルーバによって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で、前記下部ルーバが外力によって不作動状態となった場合に、前記リンクベース部の駆動によって前記下部リンクブラケットの嵌合部と前記下部リンクアームとの嵌合を解除して前記下部リンクアームを前記第2ガイド片に沿って前記車両の後方向に移行させて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動を遮断させることを特徴とする。
この発明によると、可変ルーバに連結される上部リンク、下部ルーバに連結される下部リンク、及び上部リンクが一端に連結され他端に下部リンクが連結されたリンクベース部を有するリンク機構によって可変ルーバと下部ルーバとを簡易に連動させることができるので、部材点数を削減して製造コストの低減及び軽量化が図られた上で、車両の走行状態に応じて、可変ルーバと下部ルーバの揺動動作を連動させて同期させることができる。
一方、下部ルーバの揺動によって下部開口部とラジエータとの間が遮蔽された状態で、下部ルーバが外力によって不作動状態となった場合、リンクベース部を駆動すると、リンクベースの駆動によって下部リンクアームの上部が下部リンクブラケットの嵌合部から押し出されて下部リンクブラケットの嵌合部と下部リンクアームとの嵌合が解除され、可変ルーバと下部ルーバとの連動が遮断されて可変ルーバの独立作動性が確保される。
請求項に記載の発明による可変ダクト装置は,下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、該リンク機構は、前記下部ルーバの前記車両の後方向側において上端に凹状の嵌合部が形成された係合部と、前記車両の前後方向に延在するとともに前記車両に回動自在に軸支された下部回動リンク本体部、該下部回動リンク本体部における前記車両の前方向側の下部に形成されて前記係合部の前記嵌合部に嵌合する嵌合軸部、前記下部回動リンク本体部における前記車両の後方向側に穿孔されたロッド係合孔、前記下部回動リンク本体部から立設された水受部、を有する下部回動リンク部材と、該下部回動リンク部材を前記車両の下方向に付勢する付勢手段と、前記ロッド係合孔に挿入される先端及び前記可変ルーバに連結される基端を有するロッドと、を有し、前記下部ルーバの揺動によって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で、前記水受部に外力が付与されて、前記下部回動リンク部材の嵌合軸部と前記下部ルーバの嵌合部との嵌合が解除されて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動が遮断されて前記下部ルーバの揺動が許容されることを特徴とする。
この発明によると、リンクベース部が車両の上下方向に回動されて上部リンクと下部リンクに回動による駆動力が伝達されて、可変ルーバ及び下部ルーバの開閉が実現される。従って、簡易な動作によって動作の安定性を確保した可変ダクト装置を得ることができるので、部材点数及び製造コストを抑制することができる。
請求項に記載の発明による可変ダクト装置は、下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、該リンク機構は、前記下部ルーバの前記車両の後方向側において上端に凹状の嵌合部が形成された係合部と、前記車両の前後方向に延在するとともに前記車両に回動自在に軸支された下部回動リンク本体部、該下部回動リンク本体部における前記車両の前方向側の下部に形成されて前記係合部の前記嵌合部に嵌合する嵌合軸部、前記下部回動リンク本体部における前記車両の後方向側に穿孔されたロッド係合孔、前記下部回動リンク本体部から立設された水受部、を有する下部回動リンク部材と、該下部回動リンク部材を前記車両の下方向に付勢する付勢手段と、前記ロッド係合孔に挿入される先端及び前記可変ルーバに連結される基端を有するロッドと、を有し、前記下部ルーバの揺動によって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で、前記水受部に外力が付与されて、前記下部回動リンク部材の嵌合軸部と前記下部ルーバの嵌合部との嵌合が解除されて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動が遮断されて前記下部ルーバの揺動が許容されることを特徴とする。
この発明によると、リンク機構によって可変ルーバと下部ルーバとを簡易に連動させることができるので、部材点数を削減して製造コストの低減及び軽量化が図られた上で、車両の走行状態に応じて、可変ルーバと下部ルーバの揺動動作を連動させて同期させることができる。
一方、下部ルーバの揺動によって下部開口部とラジエータとの間が遮蔽された状態で、下部ルーバに外力が付与されると、可変ルーバと下部ルーバの連動がリンク機構によって遮断されて下部ルーバの揺動が許容されるので、下部ルーバに付与される外力によって下部ルーバ及び下部リンクが破損されることが回避される。
本発明の第1実施の形態における可変ダクト装置が搭載された車両の前部斜視図である。 図1のA矢視図である。 図2のIII−III線断面図である。 同じく、本実施の形態の可変ダクト装置における下部リンクの構成の概略を説明する分解斜視図である。 同じく、本実施の形態の可変ダクト装置における下部リンクブラケットの概略を説明する図である。 外気の導入を要求する場合における本実施の形態の可変ダクト装置の動作状態の概略を説明する図である。 車両の冠水路走行時等における本実施の形態の可変ダクト装置の動作状態の概略を説明する図である。 本発明の第2実施の形態における可変ダクト装置の下部の概略を説明する図である。 同じく、本実施の形態の可変ダクト装置における下部リンクの構成の概略を説明する分解斜視図である。 外気の導入を要求する場合における本実施の形態の可変ダクト装置の動作状態の概略を説明する図である。 車両の冠水路走行時等における本実施の形態の可変ダクト装置の動作状態の概略を説明する図である。 従来の可変ダクト装置の概略を説明する図である。
(第1実施の形態)
次に、本発明の第1実施の形態について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態における可変ダクト装置が搭載された車両の前部斜視図であり、図2は、図1のA矢視図であり、図3は、図2のIII−III線断面図であり、図4は、可変ダクト装置における下部リンクの構成の概略を説明する分解斜視図であり、図5は、下部リンクブラケットの概略を説明する図である。なお、各図において矢線Fは車両前方向、矢線Rは車両後方向を示す。
図示のように、車両1の前部にはエンジンルーム2が形成され、エンジンルーム2は上方がフード3によって開閉可能に閉蓋される。エンジンルーム2の内部には、車幅方向に延在する図示しないラジエータアッパパネル及びラジエータロアパネルにブラケット等を介してクーラコンデンサ4及びラジエータ5が取り付けられる。
車両1の前部の下方において、車幅方向に延在するバンパ10が配置され、車両1の前部の上方において、車幅方向に延在するフロントグリル18が形成される。
バンパ10は、バンパ上部11及びバンパ上部11の下方に配置されるバンパ下部14を備える。バンパ上部11は、車幅方向に延在して図示しない車体フレームに支持されたバンパビーム12を備え、バンパビーム12の前面に図示しない衝撃吸収材を介して、樹脂製のバンパフェイス13が取り付けられている。バンパ下部14は、ラジエータロアパネルとバンパフェイス13との間に介装される図示しない衝撃吸収部材によって形成される。バンパ下部14は、その上下方向の高さ寸法が、バンパ上部11の上下方向寸法より小さく、かつ前端がバンパ上部11の前端より車体後方に位置し、軽衝突時においてはバンパ下部14より前方に突出するバンパ上部11によって衝撃荷重が吸収される。バンパ上部11とバンパ下部14との間には、下部開口部となるエア導入口15が開口形成される。
フロントグリル18は、バンパ上部11とフード3の前端との間に形成され、装飾的機能を備えるとともに外気を導入する上部開口部となるグリル開口部19が形成される。
バンパ上部11及びフロントグリル18とラジエータ5との間には、ラジエータ5に流入する外気を制御する可変ダクト装置20が配設される。
次に、この可変ダクト装置20について説明する。
可変ダクト装置20は、フロントグリル18のグリル開口部19とラジエータ5との間に固定ルーバ22及び可変ルーバ23が設けられるとともに、バンパ10のエア導入口15とラジエータ5との間に下部ルーバ25が設けられている。そして、これらの可変ルーバ23と下部ルーバ25とが、リンク機構30によって連結されている。
固定ルーバ22は、平板状で車幅方向に延在して略矩形に形成され、グリル開口部19の上端及び下端において固定支持される。そして、グリル開口部19とラジエータ5との間の上端に配置された固定ルーバ22と下端に配置された固定ルーバ22との間には、可変ルーバ23が複数枚、本実施の形態では3枚が配設されている。
可変ルーバ23は、遮蔽面23bを備える。遮蔽面23bは、固定ルーバ22と同様に平板状で車幅方向に延在して略矩形に形成されるとともに、遮蔽面23bの短尺方向の略中央部分から車幅方向に貫通して形成された挿入孔に回転軸23aが挿入され、この回転軸23aにおいて可変ルーバ23が固定ルーバ22に回転可能に支持されている。遮蔽面23bの一方の面には板状の駆動受部23cが突出形成されており、本実施の形態では、遮蔽面23bと駆動受部23cとが一体に形成されて可変ルーバ23が構成される。かかる可変ルーバ23がグリル開口部19とラジエータ5との間で揺動して、グリル開口部19とラジエータ5との間を遮蔽または連通させて、グリル開口部19からラジエータ5への外気の導入量が調節される。
下部ルーバ25は、遮蔽面25aを備える。遮蔽面25aは、車両1の上部側に配置される基端25bと車両1の下部側に配置される先端25cとを有し、基端25bから先端25cに移行するに従って漸次肉厚が減少しつつ湾曲する断面翼状であって、かかる断面形状が車幅方向に延在して形成される。基端25bには、車幅方向に貫通して形成された挿入孔を有するヒンジ25dが形成され、ヒンジ25dの挿入孔に回転軸25eが挿入されて、この回転軸25eによって、下部ルーバ25が図示しない車体部材に回転自在に軸支される。
遮蔽面25aの湾曲する内面の先端25c側には、断面略山型の柱状に形成された下部リンクアーム係合部25fが突出形成され、両側面に後述する下部リンクアーム35が係合する係合孔25gが穿孔されている。そして、本実施の形態では、遮蔽面25aと下部リンクアーム係合部25fとが一体に形成されて下部ルーバ25が構成される。かかる下部ルーバ25がエア導入口15とラジエータ5との間で開閉して、エア導入口15とラジエータ5との間を遮蔽または連通させてラジエータ5への外気の導入量が調節される。
リンク機構30は、上部リンク31及び下部リンク32を備えるとともに、これらのリンクを連結して駆動させるリンクベース部33を備える。リンクベース部33は、一端33a及び他端33bを有する平板状で略矩形に形成される。リンクベース部33の略中央部分には、嵌合孔33cが形成され、アクチュエータ41の回動軸41aが嵌合される。そして、このリンクベース部33は、アクチュエータ41が取り付けられた断面ハット状の取付ブラケット40を介して、図示しない車体部材に取り付けられる。
上部リンク31は、棒状に形成されて各可変ルーバ23に対して車両前方向F側において上下方向に延在する上部第1ロッド31a及び上部第2ロッド31bにより構成され、上部第1ロッド31aには各可変ルーバ23の駆動受部23cと連結される駆動軸31cが形成されている。そして、上部第1ロッド31aの下方には上部第2ロッド31bの上方が軸支され、上部第2ロッド31bの下方は、リンクベース部33の一端33aに回動自在に取り付けられる。
下部リンク32は、下部リンクブラケット34及び下部リンクアーム35、スプリング36によって構成される。下部リンクブラケット34は、リンクベース部33と対向してリンクベース部33の他端33bに取り付けられる取付部34A、取付部34Aから車両後方向Rに折曲して延在する一般面34B、一般面34Bの端部34Cから上下方向に分岐して車両後方向Rにそれぞれ延在して側面視略Y字状に形成されたガイド部34Dを有して形成される。
ガイド部34Dは、一般面34Bの端部34Cにおける上下方向の略中央部分から車両前方向F側に凹状に形成された嵌合部34E、嵌合部34Eの上部から連続して上方に傾斜して車両後方向R側に延在する第1傾斜部34Db、第1傾斜部34Dbから車両後方向R側に折曲して延在する第1平坦部34Dcを有する第1ガイド片34Daを備え、かつ、嵌合部34Eの下部から連続して第1ガイド片34Daから漸次離間する下方向に傾斜して延在する第2傾斜部34De、第2傾斜部34Deから車両後方向R側に折曲して延在する第2平坦部34Dfを有する第2ガイド片34Ddを備える。
下部リンクアーム35は、棒状部材で形成され、下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに係合可能な車幅方向に延在する直線状の上部35eを有するとともに、この上部35eの両端から下方に折曲して互いに対向して延在する側部35c、35dを有し、この側部35c、35dから端部35a、35bが互いに近接する方向に折曲して端部35a、35bが所定間隔を隔てて対向して下部が開放された平面視略矩形に形成される。
そして、下部リンクアーム35の上部35eが下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに嵌合し、下部リンクアーム35の端部35a、35bが、下部ルーバ25の下部リンクアーム係合部25fの両側面に穿孔された係合孔25gに係合される。更に、スプリング36の一端36aが下部リンクアーム35の上部35eに係合し、スプリング36の他端36bが取付ブラケット40のスプリング係合部40aに係合して、下部リンクアーム35の上部35eを嵌合部34Eに係合保持すべく、下部リンクアーム35が車両前方向F側に付勢されて下部リンク32が構成される。
次に、本実施の形態に係る可変ダクト装置20の動作状態について、図3、図6及び図7を用いて説明する。
図3で示すように、車両1において、例えば高速走行時や低負荷走行時等において外気の導入を要しない場合は、ラジエータ5への外気の導入を遮断すべく、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間がともに遮断状態とされる。すなわち、本実施の形態では、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が連通された状態においては、アクチュエータ41が可動されて、リンク機構30のリンクベース部33の一端33a側が上方に回動して、他端33b側が下方に回動する。そして、この回動による駆動力が、一端33a側に連結された上部リンク31の上部第2ロッド31b及び上部第1ロッド31aに順次伝達されて、これらのロッドが上方に移動され、上部第1ロッド31aに形成された可変ルーバ23の駆動受部23cと連結される駆動軸31bによって、可変ルーバ23が回転軸23aを揺動中心として揺動せしめられて、グリル開口部19とラジエータ5との間が遮断状態とされる。
また、リンクベース部33の回動による駆動力が、他端33b側に連結された下部リンク32の下部リンクブラケット34に伝達される。これにより、下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに嵌合する下部リンクアーム35を介して連結される下部ルーバ25が、先端25c側から下方に押し下げられてヒンジ25dを揺動中心として揺動せしめられて、エア導入口15とラジエータ5との間が遮断状態とされる。
一方、エンジンの高温燃焼時等において外気の導入を要する場合は、図6で示すように、バンパ10に形成されたエア導入口15及びフロントグリル18に形成されたグリル開口部19からラジエータ5に外気を導入させるべく、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間がともに一致して連通状態とされる。すなわち、本実施の形態では、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が遮蔽された状態において、アクチュエータ41が可動されて、リンク機構30のリンクベース部33の一端33a側が下方に回動して、他端33b側が上方に回動する。そして、この回動による駆動力が、一端33a側に連結された上部リンク31の上部第2ロッド31b及び上部第1ロッド31aに順次伝達されて、これらのロッドが下方に移動され、上部第1ロッド31aに形成された可変ルーバ23の駆動受部23cと連結される駆動軸31bによって、可変ルーバ23が回転軸23aを揺動中心として揺動せしめられて、グリル開口部19とラジエータ5との間が連通状態とされる。
また、リンクベース部33の回動による駆動力が、他端33b側に連結された下部リンク32の下部リンクブラケット34に伝達される。これにより、下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに嵌合する下部リンクアーム35を介して連結される下部ルーバ25が、先端25c側から上方に引っ張られてヒンジ25dを揺動中心として揺動せしめられて、エア導入口15とラジエータ5との間が連通状態とされる。
次に、車両1が冠水路走行に移行した際の可変ダクト装置20の動作状態について説明する。
下部ルーバ25が揺動してエア導入口15とラジエータ5との間が遮断状態とされている場合に、車両1が冠水路走行に移行すると、図7で示すように、バンパ10のエア導入口15から外力が付与され、すなわち飛散した水が浸入して下部ルーバ25に水圧Pが入力される。これにより、下部ルーバ25が先端25c側から上方に押し上げられるとともに下部リンクアーム35が上方に押し上げられて、下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに嵌合されていた下部リンクアーム35の上部35eが、嵌合部34Eから押し出されて嵌合が解除されて、下部リンクアーム35の上部35eが下部リンクブラケット34の第1ガイド片34Daに沿って、スプリング36による車両前方向Fへの付勢力に抗して、車両後方向R側に移行する。これにより、下部ルーバ25がヒンジ25dを揺動中心として揺動せしめられてエア導入口15とラジエータ5との間が連通状態とされ、飛散した水がエンジンルーム2内に浸入する。
このとき、水圧Pによって下部ルーバ25に付与される駆動力は、下部リンクアーム35が下部リンクブラケット34との嵌合を解除されることによって遮断されるので、水圧Pによる駆動力がリンクベース部33に伝達されることはない。従って、可変ルーバ23に駆動力が付与されることもないので、グリル開口部19とラジエータ5との間は遮断状態が維持される。
一方、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が連通された状態で、車両1が冠水路走行に移行すると、エア導入口15とラジエータ5との間は連通状態とされているので、飛散した水がエンジンルーム2内に浸入する。
次に、下部ルーバ25が凍結した際の可変ダクト装置20の動作状態について説明する。
例えば、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間がともに一致して遮断された状態において、車両1の下部ルーバ25が外力によって不作動状態となった場合、すなわち、下部ルーバ25が凍結した場合にエンジンが高温燃焼状態等となってアクチュエータ41が可動されると、リンク機構30のリンクベース部33の一端33a側が下方に回動して、他端33b側が上方に回動する。これによって、グリル開口部19とラジエータ5との間が連通状態とされる。
また、リンクベース部33の回動が下部リンクブラケット34に伝達されて、下部リンクブラケット34の嵌合部34Eに嵌合されていた下部リンクアーム35の上部35eが嵌合が解除されて、下部リンクアーム35が下部リンクブラケット34の第2ガイド片34Ddに沿って、スプリング36による車両前方向Fへの付勢力に抗して、下部リンクアーム35が車両後方向R側に移行する。このとき、下部ルーバ25は凍結されているので、エア導入口15とラジエータ5との間は遮断状態が維持されたままとなる。
以上のような構成とすることにより、単独のアクチュエータ41によってリンク機構30のリンクベース部33が回動されて、上部リンク31及び下部リンク32に回動による駆動力が伝達されるので、可変ルーバ23と下部ルーバ25とが連動して動作する。すなわち、エンジンの高温燃焼時等において外気の導入を要求する場合には、可変ルーバ23及び下部ルーバ25がともに揺動して、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が連通状態とされ、車両1において外気の導入を要求しない場合は、可変ルーバ23及び下部ルーバ25がともに揺動して、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が遮断状態とされる。従って、リンクベース部33に上部リンク31及び下部リンク32を連結させる簡易な構成によって、部材点数を削減して製造コストの低減及び軽量化が図られた上で、外気の導入を要求する場合においては、グリル開口部19及びエア導入口15から効率的に外気を導入してクーラコンデンサ4及びラジエータ5内のエンジン冷却水を冷却させることができる。また、外気の導入を要しない場合においては、グリル開口部19及びエア導入口15からの外気の導入を着実に遮断してエンジンの過冷却を防止するとともに、走行抵抗の増大による燃費効率の低下を防止することができる。
一方、車両1が冠水路走行に移行すると、飛散した水等の水圧Pによって下部ルーバ25が揺動状態とされるとともに、水圧Pによって下部ルーバ25に付与される駆動力は、下部リンクアーム35が下部リンクブラケット34との嵌合を解除されることによって遮断される、すなわち、可変ルーバ23と下部ルーバ25との連動性が遮断されるので、グリル開口部19とラジエータ5との間は遮断状態が維持される。従って、可変ルーバ23から独立して下部ルーバ25が揺動状態とされるので、水圧Pの入力によって、下部ルーバ25及び下部リンク32が破損されることが回避される。
また、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が遮断された状態において下部ルーバ25部分が凍結した場合に、エンジンが高温燃焼すると、グリル開口部19とラジエータ5との間が連通状態とされる。一方、下部ルーバ25が凍結により不作動状態が維持されていても、リンクベース部33の回動によって下部リンクブラケット34と下部リンクアーム35の嵌合が解除されて、下部リンクアーム35が下部リンクブラケット34の第2ガイド片34Ddに沿って、下部リンクアーム35が車両後方向R側に移行する。従って、下部ルーバ25が作動不能状態である場合は、可変ルーバ23と下部ルーバ25との連動が遮断されるので、可変ルーバ23の独立作動性が確保される。
更に、簡易な機械構造によって可変ルーバ23と下部ルーバ25との連動及び遮断が実現されるとともに、単独のアクチュエータ41でリンク機構30を可動させることができるので、製造コストを抑制することができるとともに、車両1の重量を低減させ、かつ故障の可能性を低減させることができる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について、図8〜図11に基づいて詳細に説明する。図8は、第2実施の形態に係る可変ダクト装置50の下部の概略を説明する図であり、図9は、可変ダクト装置50における下部の分解構成図である。なお、各図において矢線Fは車両前方向、矢線Rは車両後方向を示す。また、図8及び図9において、図1〜7と同様の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8で示すように、可変ダクト装置50の下部には、バンパ10のエア導入口15とラジエータ5との間に遮蔽面25aを有する下部ルーバ61が設けられている。この下部ルーバ61の遮蔽面25aは、第1実施の形態における下部ルーバ25の遮蔽面25aと同じ構成であり、下部ルーバ61は下部ルーバ25と同じ配置で車体部材に配設されて、リンク機構70によって連結されている。かかる下部ルーバ61がエア導入口15とラジエータ5との間で揺動して、エア導入口15とラジエータ5との間を遮蔽または連通させて、エア導入口15からラジエータ5への外気の導入量が調節される。
リンク機構70は、ロッド71、下部ルーバ61に形成された係合部72及び下部回動リンク部材73によって構成される。
ロッド71は、棒状に形成されたロッド本体部71a及びロッド本体部71aの端部71bからロッド本体部71aに対して小径でかつ棒状に形成された先端部71cを有して形成される。ロッド71の基端となる上部には、図8においては図示しない可変ルーバ23の駆動受部23cと連結される駆動軸(図示しない)が形成されている。
係合部72は、図9に示すように、下部ルーバ61の車両後方向R側に、上端縁72a及び側端縁72bを有する側面視略帯状に形成された2枚の板状部材が対向して配置されて形成される。この係合部72を構成する2枚の板状部材の上端縁72aの略中央部分には、側面視略凹状の嵌合部72cが形成される。なお、本実施の形態においては、係合部72は下部ルーバ61と一体形成されている。
図9で示すように、下部回動リンク部材73は、車体幅方向Wに延在する中空円柱状の回転軸73a、回転軸73aから車両前方向F側に延在する平板状に形成された下部回動リンク本体第1面73b、下部回動リンク本体第1面73bの先端において車体幅方向Wに延在して略立方体状に形成された付勢手段となる重錘73c、下部回動リンク本体第1面73bの下面において車体幅方向Wに延在するとともにこの下面から下方に突出する延設部の先端に形成された円柱状の嵌合軸部73d、回転軸73aから車両後方向R側に延在して平板状に形成される下部回動リンク本体第2面73e、下部回動リンク本体第2面73eの面上に穿孔されて端縁が面取られて長孔に形成された下部ロッド係合孔73f、下部回動リンク本体第1面73b及び下部回動リンク本体第2面73eと直交して回転軸73aから上方に立設されるとともに上端縁における車体幅方向Wの略中央部分において矩形に切り欠いて形成されたロッドガイド73hを有する水受部73gを有して、側面視略T字状に形成される。すなわち、これら回転軸73a、下部回動リンク本体第1面73b及び下部回動リンク本体第2面73eによって車両の前後方向に延在するとともに車両に回動自在に軸支された下部回動リンク本体部を構成する。
そして、ロッド71の上部に形成された駆動軸が、可変ルーバ23の駆動受部23cに連結されるとともに、下部回動リンク部材73が、その回転軸73aに挿入される図示しない回転軸によって、同じく図示しない車体部材に回転自在に軸支される。一方、ロッド71の上部に形成された図示しない駆動軸が可変ルーバ23の駆動受部23cと連結されるとともに、ロッド71の先端部71cが、下部回動リンク部材73の下部回動リンク本体第2面73eに穿孔された下部ロッド係合孔73fに挿入されて、ロッド本体部71aの端部71bが下部リンク本体第2面73eに当接される。この状態において、下部回動リンク部材73の嵌合軸部73dが係合部72に形成された嵌合部72cに嵌合して、下部回動リンク部材73の先端に形成された重錘73aによって下部回動リンク部材73が下方に付勢されて、リンク機構70が構成される。
次に、本実施の形態に係る可変ダクト装置50の動作状態について、図8、図10及び図11を用いて説明する。
図10で示すように、エンジンの高温燃焼時等において外気の導入を要する場合は、バンパ10に形成されたエア導入口15及びフロントグリル18に形成されたグリル開口部19からラジエータ5に外気を導入させるべく、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間がともに一致して連通状態とされる。すなわち、本実施の形態では、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が遮蔽された状態において、図示しないアクチュエータの可動により、ロッド71が下降する。これにより、グリル開口部19とラジエータ5との間が連通状態とされる。
また、ロッド71の下降により、ロッド本体部71aの端部71bが下部リンク本体第2面73eに当接した状態で、ロッド71を下方に押し下げて、下部回動リンク部材73が回転軸73aを回転中心として重錘73c側から上方に回転する。これにより、嵌合軸部73dと嵌合部72cとの嵌合が解除されて、下部ルーバ61は揺動自在となり、車両1の走行による走行風によって揺動し、エア導入口15とラジエータ5との間が連通状態とされる。
一方、外気の導入を要しない場合は、図8で示すように、ラジエータ5への外気の導入を遮断すべく、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間がともに一致して遮断状態とされる。すなわち、本実施の形態では、アクチュエータの可動によりロッド71が上昇して、ロッド71に形成された可変ルーバ23の駆動受部23cと連結される駆動軸31bによって、可変ルーバ23が回転軸23aを揺動中心として揺動せしめられて、グリル開口部19とラジエータ5との間が遮蔽状態とされる。
また、ロッド71の上昇に追従して、下部回動リンク部材73の重錘73cの自重により、下部回動リンク部材73が回転軸73aを回転中心として重錘73c側から下方に回転する。これにより、嵌合軸部73dと嵌合部72cとが嵌合して、下部ルーバ61は閉位置において閉止し、エア導入口15とラジエータ5との間が遮断状態とされる。
次に、車両1が冠水路走行に移行した際の可変ダクト装置50の動作状態について説明する。
下部ルーバ61が閉位置において閉止してエア導入口15とラジエータ5との間が遮断状態とされている場合に、車両1が冠水路走行に移行すると、図11で示すように、バンパ10のエア導入口15から外力が付与され、すなわち飛散した水が浸入して下部回動リンク部材73の水受部73gに水圧Pが入力される。これにより、下部回動リンク部材73が回転軸73aを回転中心として重錘73c側から上方に回転する。これにより、嵌合軸部73dと嵌合部72cとの嵌合が解除されて、下部ルーバ61は揺動自在となる。従って、水がエア導入口15から浸入すると下部ルーバ61が車両後方向R側へ揺動されて、エンジンルーム2内への水の浸入が許容される。
一方、グリル開口部19とラジエータ5との間及びエア導入口15とラジエータ5との間が連通された状態で、車両1が冠水路走行に移行すると、エア導入口15とラジエータ5との間は連通状態とされているので、エンジンルーム2内への水の浸入が許容される。
以上のような構成とすることにより、エンジンの高温燃焼時等において外気の導入を要求する場合には、下部回動リンク部材73の嵌合軸部73cと係合部72との嵌合が解除されて、下部ルーバ61が揺動自在となり、車両1の走行による走行風によって揺動し、エア導入口15とラジエータ5との間が連通状態とされて、エア導入口15からの外気の進入が許容される。従って、外気の導入を要する場合には、グリル開口部19及びエア導入口15から効率的に外気を導入してクーラコンデンサ4及びラジエータ5内のエンジン冷却水を冷却させることができる。また、外気の導入を要求しない場合は、グリル開口部19とラジエータ5との間が遮断状態とされるとともに、下部回動リンク部材73の嵌合軸部73dが係合部72における嵌合部72cに嵌合して、下部ルーバ61がエア導入口15の閉位置において閉止されるので、グリル開口部19及びエア導入口15からの外気の導入が着実に遮断されてエンジンの過冷却が防止され、かつ走行抵抗の増大による燃費効率の低下が防止される。
一方、車両1が冠水路走行に移行すると、水受部73gに付与される水圧Pによって、下部回動リンク部材73の嵌合軸部73dと係合部72との嵌合が解除され、可変ルーバ23から独立して下部ルーバ61が揺動自在となる。従って、車両1の内部への水の浸入が許容されて、水圧Pの入力によって、下部ルーバ61及び下部リンク71が破損されることが回避される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記第2実施の形態では、下部回動リンク部材73の下方への付勢手段が、下部回動リンク部材73の先端に形成された重錘73cによって構成された場合を例として説明したが、下部回動リンク部材73と車体部材との間にスプリングを張設して付勢させてもよい。
1 車両
2 エンジンルーム
3 フード
4 クーラコンデンサ
5 ラジエータ
10 バンパ
11 バンパ上部
14 バンパ下部
15 エア導入口
18 フロントグリル
19 グリル開口部
20、50 可変ダクト装置
23 可変ルーバ
25 下部ルーバ
25b 基端
25c 先端
30、70 リンク機構
31 上部リンク
31a 上部第1ロッド
31b 上部第2ロッド
32、71 下部リンク
33 リンクベース部
34 下部リンクブラケット
34A 取付部
34B 一般面
34C 端部
34D ガイド部
34Da 第1ガイド片
34Dd 第2ガイド片
34E 嵌合部
40 取付ブラケット
41 アクチュエータ
61 下部ルーバ部
71 下部ロッド
72 係合部
72c 嵌合部
73 下部回動リンク部材
73c 重錘
73g 水受部
F 車両前方向
R 車両後方向
P 水圧

Claims (3)

  1. 下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、
    前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、
    前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、
    前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え
    該リンク機構は、
    前記可変ルーバに連結される上部リンクと、
    前記下部ルーバに連結される下部リンクと、
    前記上部リンクが一端に連結されるとともに前記下部リンクが他端に連結されるリンクベース部と、を有し、
    前記下部リンクは、
    前記リンクベース部の他端に取り付けられて前記車両の後方向に延在する一般面を有するとともに、該一般面の端部から前記車両の前方向側に凹状に形成された嵌合部、該嵌合部の上部から連続して上方に傾斜して延在する第1傾斜部が形成された第1ガイド片、前記嵌合部の下部から連続して前記第1ガイド片から離間する下方向に傾斜して延在する第2傾斜部が形成された第2ガイド片、を具備するガイド部を有する下部リンクブラケットと、
    該下部リンクブラケットの前記ガイド部に係合されて前記嵌合部に嵌合される上部及び前記下部ルーバに連結される下部を有して前記車両の前方向に付勢される下部リンクアームと、を有し、
    前記下部ルーバによって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で前記下部ルーバに外力が付与された際、該外力によって前記下部リンクブラケットの嵌合部と前記下部リンクアームとの嵌合が解除されて前記下部リンクアームを前記第1ガイド片に沿って前記車両の後方向に移行させて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動遮断させることを特徴とする可変ダクト装置。
  2. 下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、
    前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、
    前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、
    前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、
    該リンク機構は、
    前記可変ルーバに連結される上部リンクと、
    前記下部ルーバに連結される下部リンクと、
    前記上部リンクが一端に連結されるとともに前記下部リンク他端に連結されるリンクベース部と、を有し、
    前記下部リンクは、
    前記リンクベース部の他端に取り付けられて前記車両の後方向に延在する一般面を有するとともに、該一般面の端部から前記車両の前方向側に凹状に形成された嵌合部、該嵌合部の上部から連続して上方に傾斜して延在する第1傾斜部が形成された第1ガイド片、前記嵌合部の下部から連続して前記第1ガイド片から離間する下方向に傾斜して延在する第2傾斜部が形成された第2ガイド片、を具備するガイド部を有する下部リンクブラケットと、
    該下部リンクブラケットの前記ガイド部に係合されて前記嵌合部に嵌合される上部及び前記下部ルーバに連結される下部を有して前記車両の前方向に付勢される下部リンクアームと、を有し、
    前記下部ルーバによって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で、前記下部ルーバが外力によって不作動状態となった場合に、前記リンクベース部の駆動によって前記下部リンクブラケットの嵌合部と前記下部リンクアームとの嵌合を解除して前記下部リンクアームを前記第2ガイド片に沿って前記車両の後方向に移行させて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動を遮断させることを特徴とする可変ダクト装置。
  3. 下部開口部を介して車幅方向に延在するバンパ上部及び該バンパ上部の下方に沿って車幅方向に延在するバンパ下部に区分されたバンパを備え、該バンパの上方に配置されて前記バンパ上部の上方に沿って開口する上部開口部とラジエータとが対向配置され、前記バンパ及び前記上部開口部と前記ラジエータとの間に配置されて該ラジエータに流入する外気を制御する可変ダクト装置において、
    前記上部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記上部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記上部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する可変ルーバと、
    前記下部開口部と前記ラジエータとの間で車幅方向に延在して設けられて、前記下部開口部と前記ラジエータとの間で揺動して前記下部開口部と前記ラジエータとの間を遮蔽または連通させて前記ラジエータへの前記外気の導入量を制御する下部ルーバと、
    前記可変ルーバ及び前記下部ルーバによる前記上部開口部と前記ラジエータとの間及び前記下部開口部と前記ラジエータとの間の遮断または連通を一致させて連動させるリンク機構と、を備え、
    該リンク機構は、
    前記下部ルーバの前記車両の後方向側において上端に凹状の嵌合部が形成された係合部と、
    前記車両の前後方向に延在するとともに前記車両に回動自在に軸支された下部回動リンク本体部、該下部回動リンク本体部における前記車両の前方向側の下部に形成されて前記係合部の前記嵌合部に嵌合する嵌合軸部、前記下部回動リンク本体部における前記車両の後方向側に穿孔されたロッド係合孔、前記下部回動リンク本体部から立設された水受部、を有する下部回動リンク部材と、
    該下部回動リンク部材を前記車両の下方向に付勢する付勢手段と、
    前記ロッド係合孔に挿入される先端及び前記可変ルーバに連結される基端を有するロッドと、を有し、
    前記下部ルーバの揺動によって前記下部開口部と前記ラジエータとの間が遮蔽された状態で、前記水受部に外力が付与されて、前記下部回動リンク部材の嵌合軸部と前記下部ルーバの嵌合部との嵌合が解除されて前記可変ルーバと前記下部ルーバの連動が遮断されて前記下部ルーバの揺動が許容されることを特徴とする可変ダクト装置。
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