JP5646873B2 - 感光性樹脂組成物及びその積層体 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びその積層体 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物、および該感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を支持層上に積層した感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いて基板上にレジストパターンを形成する方法、及び該レジストパターンの用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、プリント配線板の製造、フレキシブルプリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレームという)の製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、BGA(ボールグリッドアレイ)若しくはCSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ製造、TAB(Tape Automated Bonding)若しくはCOF(Chip On Film:半導体ICをフィルム状の微細配線板上に搭載したもの)に代表されるテープ基板の製造、半導体バンプの製造、フラットパネルディスプレイ分野におけるITO電極、アドレス電極、または電磁波シールドといった部材の製造に好適なレジストパターンを提供する感光性樹脂組成物に関する。
従来、プリント配線板はフォトリソグラフィー法によって製造されている。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化させ、未露光部を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法を言う。
上記のフォトリソグラフィー法においては、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するにあたって、フォトレジスト溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、または支持層、感光性樹脂組成物から成る層(以下、「感光性樹脂層」ともいう。)、及び必要によっては保護層を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」ともいう。)を基板に積層する方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
上記のドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を製造する方法について、以下に簡単に述べる。
まずドライフィルムレジストが保護層、例えば、ポリエチレンフィルムを有する場合には、感光性樹脂層からこれを剥離する。次いでラミネーターを用いて基板、例えば、銅張積層板の上に、該基板、感光性樹脂層、支持層の順序になるように感光性樹脂層及び支持層を積層する。次いで配線パターンを有するフォトマスクを介して、該感光性樹脂層を超高圧水銀灯が発するh線(405nm)を含む紫外線で露光することによって、露光部分を重合硬化させる。次いで支持層、例えばポリエチレンテレフタレートを剥離する。次いで現像液、例えば、弱アルカリ性を有する水溶液により感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去して、基板上にレジストパターンを形成させる。
このようにして形成した基板上のレジストパターンを用いて、金属導体パターンを作成する方法としては、大別して2つの方法が挙げられ、レジストに被覆されていない金属部分をエッチングにより除去する方法とめっきにより金属を付ける方法がある。特に、最近は工程の簡便さから前者の方法が多用される。
エッチングにより金属部分を除去する方法では、基板の貫通孔(スルーホール)及び/又は層間接続のためのビアホールに対して、硬化レジスト膜で覆うことにより孔内の金属がエッチングされないようにする。この工法はテンティング工法と呼ばれる。テンティング工法では、該硬化レジスト膜が、エッチングにより破れないという性質、すなわち、テント性に優れることが求められる。エッチング工程には、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液が用いられる。
近年のプリント配線板における配線間隔の微細化に伴い、狭ピッチのパターンを歩留り良く製造するため、ドライフィルムレジストには高解像性と高いテント性が要求されている。
解像性を高めるためには、ドライフィルムレジストを薄くすることで、簡略的に高めることが出来る反面、現像工程及びエッチング工程のスプレーによるフィルムの物理的外力に対する抗力が弱くなることで、現像工程及びエッチング工程で硬化レジスト膜が、スルーホール、ビアホールを保護することが出来なくなる(テント性に優れない)という問題があった。
特許文献1には、感光性樹脂組成物中の不飽和化合物として、プロピレンオキサイド基を特定数有する4つの(メタ)アクリレートを有する感光性樹脂組成物についての開示がなされている。しかしながら、実施例に例示されている化合物を用いた場合にはテント性が優れないという問題があった。
特許文献2には、4つの(メタ)アクリレート基を有する光重合性不飽和化合物を含有する感光性樹脂組成物の開示がなされている。しかしながら、その感光性樹脂組成物を用いた場合でさえも、テント性については、さらなる改善が求められていた。
また、感光性樹脂組成物が、これらの多くの(メタ)アクリレート基を有する光重合性不飽和化合物を多量に含む場合には、感光性樹脂層の厚みが薄くなるにつれて支持層が意図せずに容易に剥がれ易くなるという問題が発生することがあった。
よって、感光層の厚みが薄い積層体においても、テント性が良好であり、また、支持層が意図せずに剥がれないことが求められていた。
特開2000−347400号公報 国際公開第2008/015983号パンフレット
テント性が良好であり、また、解像性が良好である感光性樹脂積層体を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明の次の構成によって達成することができる。
即ち、本発明は以下の通りのものである。
[1] 感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、
(a)酸当量が100〜600であるアルカリ可溶性樹脂、20〜90質量%;
(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、5〜75質量%;及び
(c)光重合開始剤、0.1〜20質量%
を含む感光性樹脂組成物であって、前記(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物が、下記一般式(I):
Figure 0005646873
{式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、Rは、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、8〜20の整数であり、n+n+n+nは、8〜20の整数であり、m+m+m+mは、0〜12の整数であり、-(C-O)-及び-(R-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
で表される化合物を含むことを特徴とする、感光性樹脂組成物。
[2] 前記(a)アルカリ可溶性樹脂として、70,000〜220,000の重量平均分子量を有するアルカリ可溶性樹脂を含む、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを共重合成分として含有する、上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 前記(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物が、下記一般式(II):
Figure 0005646873
{式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、R10は、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、1〜7の整数であり、n+n+n+nは、1〜7の整数であり、m+m+m+mは、0〜6の整数であり、-(C-O)-及び-(R10-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R10-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
で表される化合物をさらに含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5] 支持層上に上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を有する、感光性樹脂積層体。
[6] 上記[5]に記載の感光性樹脂積層体を基板上にラミネートするラミネート工程、活性光を露光する露光工程、未露光部を除去する現像工程を含む、レジストパターンの形成方法。
[7] 前記露光が、直接描画露光である、上記[6]に記載のレジストパターンの形成方法。
[8] 基板として銅張積層板を用い、かつ上記[6]又は[7]に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板をエッチングまたはめっきする工程を含む、導体パターンの製造方法。
[9] 基板として金属被覆絶縁板を用い、かつ上記[6]又は[7]に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングまたはめっきし、さらにレジストパターンを剥離することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
[10] 基板として金属板を用い、かつ上記[6]又は[7]に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングし、レジストパターンを剥離することを特徴とするリードフレームの製造方法。
[11] LSIとしての回路形成が終了したウェハを基板として用い、かつ上記[6]又は[7]に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、めっきし、さらにレジストパターンを剥離することを特徴とする、半導体パッケージの製造方法。
本発明の感光性樹脂積層体は、テント性が良好であり、かつ、解像性が良いという効果を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、該感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、(a)酸当量が100〜600であるアルカリ可溶性樹脂、20〜90質量%;(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、5〜75質量%;及び(c)光重合開始剤、0.1〜20質量%を含み、前記(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物は、下記一般式(I):
Figure 0005646873
{式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、Rは、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、8〜20の整数であり、n+n+n+nは、8〜20の整数であり、m+m+m+mは、0〜12の整数であり、-(C-O)-及び-(R-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
で表される化合物を少なくとも一種含むことを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物における各成分の配合量は、感光性樹脂組成物中の全固形分を基準とした質量%で記載される。
(a)アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を含有したビニル系樹脂であり、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、及び(メタ)アクリルアミド等の共重合体である。
(a)アルカリ可溶性樹脂はカルボキシル基を含有しており、その酸当量は100〜600である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂の質量を言う。本発明の(a)アルカリ可溶性樹脂の酸当量は、好ましくは250以上450以下である。現像耐性が向上し、かつ解像度及び密着性が向上する点から100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
(a)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、70,000以上220,000以下であることが好ましい。現像性が向上する点から220,000以下が好ましい。また、テント性及び凝集物の性状の観点から重量平均分子量は70,000以上であることが好ましい。さらに好ましくは、重量平均分子量は70,000以上200,000以下であり、より好ましくは、70,000以上120,000以下である。重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型;カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列;及び移動層溶媒:テトラヒドロフラン;ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
(a)アルカリ可溶性樹脂は、後述する第一の単量体の少なくとも一種以上と後述する第二の単量体の少なくとも一種以上から成る共重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールのエステル類(例えば、酢酸ビニル)、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及びスチレン誘導体が挙げられる。中でも、解像性の観点から、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
第一の単量体と第二の単量体の共重合割合については、第一の単量体が10〜60質量%であり、かつ第二の単量体が40〜90質量%であることが好ましく、第一の単量体が15〜35質量%であり、かつ第二の単量体が65〜85質量%であることがより好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、テント性の観点から、カルボキシル基を含有し、100〜600の酸当量を有し、かつ70,000〜220,000の重量平均分子量を有する(a)アルカリ可溶性樹脂が、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる。なお、2種類以上のアルカリ可溶性樹脂を併用することもできる。
(a)アルカリ可溶性樹脂の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは40〜60質量%である。露光及び現像によって形成されるレジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種めっき工程において十分な耐性を有するという観点から、(a)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、20質量%以上90質量%以下である。
(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物
光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物とは、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。
そして、本発明の感光性樹脂組成物は、(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(I):
Figure 0005646873
{式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、Rは、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基(好ましくは、−C−又は−C−である)であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、8〜20の整数であり、n+n+n+nは、8〜20の整数であり、m+m+m+mは、0〜12の整数であり、-(C-O)-及び-(R-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
で表される少なくとも一種の化合物を含む。
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、R、R、R及びRがHであり、n、n、n及びnが正の整数であり、n+n+n+nが15であり、m+m+m+mが0である市販の化合物(サートマージャパン(株)社製MCD−15E)が挙げられる。また、上記一般式(I)で表される化合物は、適当な合成方法によって得ることもできる。例えば、R、R、R及びRがHであり、n+n+n+nが18であり、m+m+m+mが8である化合物は、ペンタエリスリトール原料に、エチレンオキサイドを18モル反応させたものに、プロピレンオキサイドを8モル反応させて得られた生成物を適当な酸触媒の存在下でアクリル酸によりエステル化することにより、得ることができる。
上記一般式(I)で表される化合物の中でも、解像性の観点より、m+m+m+mが0である化合物が好ましい。
(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物は、下記一般式(II):
Figure 0005646873
{式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、R10は、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基(好ましくは、−C−又は−C−である)であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、1〜7の整数であり、n+n+n+nは、1〜7の整数であり、m+m+m+mは、0〜6の整数であり、-(C-O)-及び-(R10-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R10-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
で表される少なくとも一種の化合物をさらに含むことが、解像性の点から好ましい。
さらに、(b)光重合可能な不飽和化合物として、上記一般式(I)及び(II)で表される化合物以外に、下記に示される光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を用いることが出来る。例えば、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス{(4−(メタ)アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル}プロパングリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレートが挙げられる。解像性の観点から、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、及びビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレートが(b)光重合可能な不飽和化合物に含まれることが好ましい。
また、(b)光重合可能な不飽和化合物として、ウレタン化合物も挙げられる。ウレタン化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、またはジイソシアネート化合物(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート)と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物(例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレート)とのウレタン化合物が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応物である。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物全体の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、5〜75質量%である。露光により形成されるレジストパターンがレジストとしての性能を充分に発現するという観点から、5質量%以上であり、コールドフローの観点から75質量%以下である。上記一般式(I)で表される少なくとも一種の化合物の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、5〜25質量%が好ましい。テント性の観点から、5質量%以上が好ましく、解像性の観点から25質量%以下が好ましい。より好ましくは、上記一般式(I)で表される少なくとも一種の化合物の含有量は、10〜20質量%である。
上記一般式(II)で表される少なくとも一種の化合物の、感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、10〜40質量%が好ましい。テント性の観点から、10質量%以上が好ましく、タック性の観点から40質量%以下が好ましい。
(c)光重合開始剤
感光性樹脂組成物は、(c)光重合開始剤として、本技術分野において一般に知られているものを含む。感光性樹脂組成物の全固形分に対する(c)光重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量%の範囲であり、より好ましい範囲は0.5〜10質量%である。十分な感度を得るという観点から0.1質量%以上であり、また、レジスト底面にまで光を充分に透過させ、良好な高解像性を得るという観点から20質量%以下である。
このような(c)光重合開始剤としては、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類、芳香族ケトン類{例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン}、ベンゾイン又はベンゾインエーテル類{例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン}、ジアルキルケタール類{例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール}、
チオキサントン類{例えば、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン}、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類{例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル}、オキシムエステル類{例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム}、ロフィン二量体{例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体}、アクリジン化合物{例えば、9−フェニルアクリジン}、ピラゾリン類{例えば、1−フェニル−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン}がある。これら化合物は単独で使用するか、又は2種類以上併用してもよい。
上記(c)光重合開始剤の中でも、直接描画して露光する場合には、感度観点から、アクリジン化合物及びピラゾリン化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。これらの化合物を(c)光重合開始剤として含有する場合には、感光性樹脂組成物の全固形分に対する(c)光重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量%の範囲であり、より好ましい範囲は0.5〜10質量%である。十分な感度を得るという観点から0.1質量%以上であり、また、レジスト底面(レジストの基板との接触面)にまで光を充分に透過させ、良好な高解像性を得るという観点から10質量%以下である。
(d)その他の成分
感光性樹脂組成物の取扱い性を向上させるために、ロイコ染料、フルオラン染料、及び/又は着色物質を入れることも可能である。
ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フェニルメタン[ロイコマラカイトグリ−ン]などが挙げられる。中でも、ロイコクリスタルバイオレットを用いた場合、コントラストが良好であり好ましい。ロイコ染料を含有する場合、感光性樹脂組成物の全固形分に対するロイコ染料の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましい。コントラストの発現という観点から、0.1質量%以上が好ましく、また、保存安定性の維持という観点から、10質量%以下が好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、密着性及びコントラストの観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、上記ロイコ染料又は下記の着色物質、下記のN−アリ−ル−α−アミノ酸化合物、及び/又は下記のハロゲン化合物を含む。
着色物質としては、例えばフクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、パラマジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)が挙げられる。着色物質を含有する場合、感光性樹脂組成物の全固形分に対する着色物質の含有量は、0.001〜1質量%であることが好ましい。0.001質量%以上の含有量では、取扱い性向上という効果があり、1質量%以下の含有量では、保存安定性を維持するという効果がある。
上述の通り、感光性樹脂組成物は、感度の観点から、N−アリ−ル−α−アミノ酸化合物を含有してもよい。N−アリ−ル−α−アミノ酸化合物としては、N−フェニルグリシンが好ましい。N−アリ−ル−α−アミノ酸化合物を含有する場合、感光性樹脂組成物の全固形分に対するN−アリ−ル−α−アミノ酸化合物の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
上述の通り、感光性樹脂組成物は、ハロゲン化合物を含有してもよい。ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンジル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、クロル化トリアジン化合物が挙げられ、中でもトリブロモメチルフェニルスルフォンが好ましく用いられる。ハロゲン化合物を含有する場合、感光性樹脂組成物の全固形分に対するハロゲン化合物の含有量は、0.01〜3質量%であることが好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類から成る群から選ばれる1種以上の化合物を加えることも可能である。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、及びジフェニルニトロソアミンが挙げられる。
また、ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、及びビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
また、カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、及びN−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類の合計添加量は、好ましくは感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。この合計添加量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.01質量%以上が好ましく、また、感度を維持するという観点から3質量%以下が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤を含有させてもよい。このような可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、及びアセチルクエン酸トリ−n−ブチルが挙げられる。
感光性樹脂組成物の全固形分に対する可塑剤の含有量は、5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与するという観点から5質量%以上が好ましく、また、硬化不足及びコールドフローを抑えるという観点から50質量%以下が好ましい。
<感光性樹脂積層体>
感光性樹脂積層体は、支持層上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を有する。必要により、感光性樹脂層の支持層側とは反対側の表面に保護層を有してよい。本発明に用いられる支持層としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが好ましい。このような支持層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムが挙げられる。これらのフィルムとして、必要に応じて、延伸されたフィルムも使用可能である。フィルムのヘーズは、5以下であることが好ましい。フィルムの厚みは、薄くなるほど画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために10〜30μmのものが好ましい。
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について支持層よりも保護層の方が充分小さいため、保護層を容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、好ましくは5〜100μm、より好ましくは7〜60μmであり、薄いほど解像度は向上し、また厚いほど膜強度が向上する。
支持層、感光性樹脂層、及び必要により保護層を順次積層して、感光性樹脂積層体を作成する方法は、従来知られている方法を採用することができる。例えば感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解できる溶剤と混ぜ合わせて均一な溶液にし、まず支持層上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持層上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層する。
乾燥後の感光性樹脂層の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは、2〜50μm、更に好ましくは、3〜15μmである。テント性の観点から3μm以上が好ましく、解像性の観点から15μm以下が好ましい。
次いで必要により、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作成することができる。
上記の通り、感光性樹脂組成物を溶解できる溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール及びイソプロパノールに代表されるアルコール類が挙げられる。支持層上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が、25℃で500〜4000mPa・sとなるように感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<レジストパターン形成方法>
感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、感光性樹脂積層体をラミネートするラミネート工程、活性光を露光する露光工程、及び未露光部を除去する現像工程を含む方法によって形成することができる。下記に具体的な方法の一例を示す。
基板としては、プリント配線板を製造する場合には銅張積層板が挙げられ、また凹凸基材を製造する場合にはガラス基材、例えば、プラズマディスプレイパネル用基材、表面電解ディスプレイ基材、有機EL封止キャップ用基材、貫通孔を形成したシリコンウエハー及びセラミック基材が挙げられる。プラズマディスプレイ用基材とは、ガラス上に電極を形成後、誘電体層を塗布し、次いで隔壁用ガラスペーストを塗布し、隔壁用ガラスペースト部分にサンドブラスト加工を施して隔壁を形成した基材をいう。これらガラス基材についてサンドブラスト工程を経たものが、凹凸基材となる。
本発明のレジストパターン形成方法では、まずラミネーターを用いてラミネート工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着し積層する。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけに積層してもよいし、両面に積層してもよい。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また該加熱圧着は二回以上行うことにより密着性及び耐薬品性が向上する。この時、圧着には二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、何回か繰り返してロールに通すことにより圧着してもよい。
次に露光機を用いて露光工程を行う。必要ならば支持層を剥離し、フォトマスクを通して活性光により露光する。露光量は、光源照度及び露光時間により決定される。光量計を用いて測定してもよい。
また露光工程において、直接描画露光方法を用いてもよい。直接描画露光はフォトマスクを使用せず、基板上に直接描画して露光する方式である。光源としては例えば、波長350〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は光源照度および基板の移動速度によって決定される。
次に現像装置を用いて現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持層がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、NaCO又はKCOの水溶液を用いる。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度であって、かつ20〜40℃であるNaCO水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、及び/又は現像を促進させるための少量の有機溶剤を混入させてもよい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、耐薬品性をさらに向上させることができる。加熱には熱風、赤外線、遠赤外線の方式の加熱炉を用いる。
<導体パターンの製造方法・プリント配線板の製造方法>
プリント配線板の製造方法は、基板として銅張積層板又はフレキシブル基板を用いた上述のレジストパターン形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず現像により露出した基板の銅面に、エッチング法またはめっき法などの既知の方法を用いて導体パターンを製造する。
その後、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液によりレジストパターンを基板から剥離して所望のプリント配線板を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)は、特に制限はないが、濃度2〜5質量%及び温度40〜70℃のNaOH及び/又はKOHの水溶液が一般的に用いられる。この剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加えてよい。
<リードフレームの製造方法>
リードフレームの製造方法は、基板として金属板、例えば、銅、銅合金、又は鉄系合金を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離して、所望のリードフレームを得る。
<半導体パッケージの製造方法>
半導体パッケージの製造方法は、LSIとしての回路形成が終了したウェハを基板として用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した開口部に、銅又ははんだによる柱状のめっきを施して、導体パターンを形成する。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離し、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することで所望の半導体パッケージを得る。
<凹凸パターンを有する基材の製造方法>
サンドブラスト加工が可能な基材、例えば、ガラス基材、ガラスリブペーストを塗布したガラス基材、セラミック基材、ステンレスなどの金属基材、シリコンウエハー、サファイアなどの鉱石、又は合成樹脂層などの有機基材上に、上述の<レジストパターン形成方法>と同様な方法で、感光性樹脂積層体をラミネートし、露光、現像を施す。更に形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付けて目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、基材上に残存した樹脂部分をアルカリ剥離液等で基材から除去する剥離工程を経て、基材上に微細なパターンを形成できる。上前記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材は公知のものが用いられ、例えばSiC、SiO、Al、CaCO、ZrO、ガラス、及びステンレス等が挙げられる。これらのブラスト材としては、粒径が約2〜100μmである微粒子が用いられる。
実施例に基づいて説明する。
以下に、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
1)評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1に示す感光性樹脂組成物の溶液を、固形分量が50質量%になるように調製し、よく撹拌、混合した。次に支持フィルムとして16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学社製R340−G16)上に、表1に示す感光性樹脂組成物をブレードコーターを用いて均一に塗布し、95℃で1分間乾燥した。乾燥後の感光性樹脂層の膜厚は10μmであった。次いで、感光性樹脂層上の表面上に、保護層として35μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ社製GF−858)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
<基板>
絶縁樹脂に35μm銅箔を積層した0.4mm厚の銅張積層板を用いて評価した。尚、以下の項目でその他の基板を用いる場合はその旨を記載した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成エンジニアリング(株)社製、AL−700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/min.とした。
<露光>
直接描画露光機(日立ビアメカニクス製、DE−1AH)により25mWで50mJ/cmの露光量で感光性樹脂層を露光した。
<現像>
30℃の1.0質量%NaCO水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。実際には、最小現像時間の2倍の時間で現像し、硬化レジストパターンを得た。
2)評価方法
上記評価サンプルの作成にて説明した方法に加え、それぞれの性能については以下の方法により評価した。
<テント性>
1.0mm径のスルーホール穴が2500個作製された500mm×500mmの0.2mm厚みの銅張積層板に上記方法により両面にラミネートを施した基板を、上記露光方法により全面に直描露光し硬化膜を得て、上記現像方法により現像した。現像後に硬化レジスト膜の破れている個数をカウントし、下記のようにランク分けした。
◎:破れている個数が25個以下。
○:破れている個数が25個を超え、75個以下。
△:破れている個数が75個を超え、150個以下。
×:破れている個数が150個を超える。
<解像度>
ラミネート後15分経過した基板を、直接描画露光機(日立ビアメカニクス製、DE−1AH)により25mWで50mJ/cmの露光量で、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンを用いて感光性樹脂層を露光し、現像した。硬化レジストパターンが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。
◎:解像度の値が10μm以下
○:解像度の値が10μmを超え15μm以下
△:解像度の値が15μmを超え17μm以下
×:解像度の値が17μmを超える。
3)評価結果
実施例および比較例の評価結果を表1に示す。表1におけるB−1〜B−6の質量部は固形分の質量部であり、溶剤を含まない。感光性樹脂組成物を調整するには、B−1〜B−3の固形分濃度が50質量%であるメチルエチルケトン溶液を予め作成し、表1の固形分となるように各B−1〜B−6の溶液を配合した。
Figure 0005646873
<記号説明>
B−1:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸ベンジル50質量%、スチレン25質量%の三元共重合体(重量平均分子量100,000、酸当量344)
B−2: メタクリル酸25質量%、メタクリル酸ベンジル50質量%、スチレン25質量%の三元共重合体(重量平均分子量50,000、酸当量344)
B−3:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸ベンジル65質量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル質量10%の三元共重合体(重量平均分子量50,000、酸当量344)
B−4:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸ベンジル65質量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル質量10%の三元共重合体(重量平均分子量100,000、酸当量344)
B−5:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル65質量%、ブチルアクリレート10質量%の三元共重合体(重量平均分子量100,000、酸当量344)
B−6:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル50質量%、スチレン25質量%の三元共重合体(重量平均分子量50,000、酸当量344)
M−1:ペンタエリスリトールの4つの末端に合計で15モルのエチレンオキシドを付加したテトラアクリレート
M−2:ペンタエリスリトールの4つの末端にそれぞれ1モルのエチレンオキシドを付加したテトラアクリレート(サートマージャパン(株)社製SR−494)
M−3:ペンタエリスリトールの4つの末端に合計で20モルのエチレンオキシドと4モルのプロピレンオキシドを付加したテトラアクリレート
M−4:ペンタエリスリトールの4つの末端に合計で35モルのエチレンオキシドを付加したテトラアクリレート(新中村化学製ATM−35E)
M−5:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート
M−6:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(日立化成工業(株)製FA−321M)
I−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
I−2:1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン
I−3:9−フェニルアクリジン
I−4:N−フェニルグリシン
D−1:ダイアモンドグリーン
D−2:ロイコクリスタルバイオレット
F−1:メチルエチルケトン
比較例1においては、上記一般式(I)で表される化合物に該当する光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を用いなかったため、テント性が悪化する不具合が生じた。
比較例2においては、上記一般式(I)で表される化合物に該当する光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を用いなかったため、解像性が悪化する不具合が生じた。
本発明は、プリント配線板の製造、フレキシブルプリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレームという)の製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、BGA(ボールグリッドアレイ)若しくはCSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ製造、TAB(Tape Automated Bonding)若しくはCOF(Chip On Film:半導体ICをフィルム状の微細配線板上に搭載したもの)に代表されるテープ基板の製造、半導体バンプの製造、フラットパネルディスプレイ分野におけるITO電極、アドレス電極、または電磁波シールドといった部材の製造に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、
    (a)酸当量が100〜600であるアルカリ可溶性樹脂、20〜90質量%;
    (b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、5〜75質量%;及び
    (c)光重合開始剤、0.1〜20質量%
    を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物が、下記一般式(I):
    Figure 0005646873
    {式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、Rは、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基であり、n、n、n 及び は、それぞれ独立に0又は正の整数であり、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、8〜20の整数であり、n+n+n+nは、8〜20の整数であり、m+m+m+mは、0であり、-(C-O)-及び-(R-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
    で表される化合物を含むことを特徴とする、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(a)アルカリ可溶性樹脂として、70,000〜220,000の重量平均分子量を有するアルカリ可溶性樹脂を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを共重合成分として含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(b)光重合可能な不飽和二重結合を有する化合物が、下記一般式(II):
    Figure 0005646873
    {式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHであり、R10は、それぞれ独立に、炭素数が3又は4であるアルキレン基であり、n、n、n、n、m、m、m及びmは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、n+n+n+n+m+m+m+mは、1〜7の整数であり、n+n+n+nは、1〜7の整数であり、m+m+m+mは、0〜6の整数であり、-(C-O)-及び-(R10-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、そして-(C-O)-及び-(R10-O)-の順序は、いずれが四級炭素側であってもよい。}
    で表される化合物をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 支持層上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を有する、感光性樹脂積層体。
  6. 請求項5に記載の感光性樹脂積層体を基板上にラミネートするラミネート工程、活性光を露光する露光工程、未露光部を除去する現像工程を含む、レジストパターンの形成方法。
  7. 前記露光が、直接描画露光である、請求項6に記載のレジストパターンの形成方法。
  8. 基板として銅張積層板を用い、かつ請求項6又は7に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板をエッチングまたはめっきする工程を含む、導体パターンの製造方法。
  9. 基板として金属被覆絶縁板を用い、かつ請求項6又は7に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングまたはめっきし、さらにレジストパターンを剥離することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
  10. 基板として金属板を用い、かつ請求項6又は7に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板をエッチングし、レジストパターンを剥離することを特徴とするリードフレームの製造方法。
  11. LSIとしての回路形成が終了したウェハを基板として用い、かつ請求項6又は7に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板をめっきし、さらにレジストパターンを剥離することを特徴とする、半導体パッケージの製造方法。
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