JP5647183B2 - 油圧弁および油圧式ダンパ - Google Patents

油圧弁および油圧式ダンパ Download PDF

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Description

本発明は、油圧弁、およびこれを用いた油圧式ダンパに関する。
地震や風などにより構造物が振動した際の制震性を高める為、ブレース等に油圧式ダンパが用いられる場合がある。油圧式ダンパは、ピストンの変位に伴い作動油が調圧弁を通過する際の流体抵抗を利用し、構造物の揺れを抑える効果を有する。ピストンの変位速度と発生する減衰力との関係である減衰特性は線形であることが望ましく、調圧弁としては、減衰特性の線形性に優れたものが使用される。
一方、構造物に大きな揺れが生じ、油圧式ダンパのピストンの変位速度が大きくなると、油圧式ダンパが過大な減衰力を発生し、構造物が破損する恐れがある。そこで、油圧式ダンパには、通常、調圧弁の他にリリーフ弁が設けられる。リリーフ弁は、ピストンの変位速度が大きくなり油圧式ダンパが過大な減衰力を発生するような場合に、作動油の圧力により開放され、過剰な減衰力を発生することを防いでいる。
本出願人は、特許文献1において、これら調圧弁とリリーフ弁の2段階の減衰特性を兼ね備えた油圧弁を提案した。この油圧弁を用いれば、油圧ダンパに調圧弁とリリーフ弁の双方を設けずとも、上記のような2段階の減衰特性を実現できるようになり、簡便な構造の油圧式ダンパが実現できる。
特開2010−209959号公報
特許文献1の油圧弁では、弁体の端面に設けられる弁部の側面に、調圧弁としての減衰特性を決定する溝が形成されている。特に、溝の形状を、先端に向かうにつれ深さや幅が増加するテーパ状の形状とすれば、より線形に近い減衰特性が得られるので望ましい(特許文献1の図7参照)。
このようなテーパ状の溝は切削加工により形成できるが、この際の問題として、加工精度を確保することが難しいという点があった。例えば、図12に示すように溝101の深さが弁部100の先端に向けてテーパ状に増加するような場合、エンドミル等による斜め方向の切削加工により溝101を形成できるが、この際、加工開始位置の深さの誤差ΔDにより、最終的に形成される溝の長さの誤差ΔLが大きくなる(溝101’)。また、油圧式ダンパのサイズを小さくする際には、油圧弁が小さくなり溝も小さくなるので、加工精度を確保することがより困難になる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、加工精度の確保が容易であり、かつ調圧弁としての減衰特性を好適に発揮させることが可能な油圧弁等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための第1の発明は、油圧式ダンパに用いられる油圧弁であって、弁体と、前記弁体と対向し、孔を有する弁体押さえ部材と、前記弁体を前記弁体押さえ部材に押し付けるばねと、を具備し、前記弁体の端面には、前記孔に挿入され、外面が前記孔の内面に接する第1の弁部が設けられ、前記第1の弁部には軸方向に沿って溝が形成され、前記溝は、前記第1の弁部の先端側で深さが大きくなるように、深さを多段に形成した形状であることを特徴とする油圧弁である。
第1の発明によれば、溝の深さを多段に形成するので、前記のような加工精度の確保の難しさもなく、溝の加工精度を容易に確保でき、加工時間短縮によるコストダウンにつながる。かつ、溝の深さ等の形状を適切に設計することにより、減衰特性の線形性を良好に保ち、減衰力を所望の範囲に収めることも可能である。
また、前記溝は、深さの異なる複数の溝部により構成され、前記第1の弁部の軸方向の断面において、各溝部の、前記第1の弁部の根本部側の開始位置にある外側に凸となる角部と、前記第1の弁部の先端側にある溝部の、前記第1の弁部の先端部との交点とが、同一直線上もしくは前記第1の弁部側に膨らむ同一円弧上にほぼ並ぶことが望ましい。
これにより、第1の発明の油圧弁において、減衰特性の線形性を良好に維持することができる。
また、第1の発明油圧弁において、前記第1の弁部の先端部に、当該先端部から縮径するテーパ部を有する第2の弁部が設けられ、前記弁体が前記ばねに対抗して移動した状態で、前記第1の弁部が前記孔に挿入されている間は、前記溝と前記孔との隙間を流体が流れ、前記第1の弁部が前記孔から抜けると、前記テーパ部と前記孔との隙間を流体が流れることが望ましい。
このように、油圧弁に調圧弁の機能とリリーフ弁の機能を持たせる場合、溝の長さがかわると、リリーフ弁が作用する際の減衰力が大きく変わる。従って、加工精度を確保することが特に重要となり、本発明のような溝を形成することが特に有効である。
の発明は、第1発明にかかる油圧弁を有する油圧式ダンパである。
本発明によれば、加工精度の確保が容易であり、かつ調圧弁としての減衰特性を好適に発揮させることが可能な油圧弁等を提供することができる。
油圧式ダンパ1を示す断面図 油圧弁11を示す断面図 弁部27について説明する図 溝41の形状について説明する図 弁体19の動作と作動油の流れを示す図 油圧式ダンパ1による減衰特性を示す図 溝41の形状の例を示す図 弁部27について説明する図 溝51について説明する図 溝51の形状の例を示す図 油圧弁11aについて説明する図 溝101について説明する図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本発明の第1の実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(油圧式ダンパ1の概略)
まず、本発明の第1の実施形態の油圧弁11を用いた油圧式ダンパ1の概略について、図1を参照して説明する。
油圧式ダンパ1は、主に、シリンダ3、ピストン5、ピストンロッド7a、7b、油圧弁11a、11b(11)等から構成される。
シリンダ3は円筒状の部材である。シリンダ3内にはピストン5が設けられる。ピストン5の外面はシリンダ3の内面に接し、ピストン5はシリンダ3内を軸方向に往復移動可能である。ピストン5の軸方向の両側には、それぞれピストンロッド7a、7bが設けられる。ピストンロッド7a、7bはシリンダ3を貫通する。ピストンロッド7a、7bとシリンダ3と間の摺動部は液密が保たれる。
一方の側のピストンロッド7aは、シリンダ3の外部に突出し、ピストンロッド7aの端部には、ブレース等と接合されるジョイント13aが設けられる。シリンダ3のピストンロッド7aが突出する側とは逆側には、ジョイント13bが設けられる。ジョイント13bは構造物等と固定される。
ピストン5には、油圧弁11a、11b(11)が設けられる。油圧弁11a、11bは、それぞれ同一の構造であるが、互いに逆向きにピストン5に設けられる。なお、油圧弁11の詳細については後述する。
シリンダ3内は、ピストン5によって2つの圧力室に区画される。油圧室9aは、ピストンロッド7a側の圧力室であり、油圧室9bはピストンロッド7b側の圧力室である。油圧室9a、9bには作動油が充填されている。作動油は、油圧弁11a、11b等を介して油圧室9a、9b間を移動可能である。なお、油圧弁11aは油圧室9aから油圧室9b側への作動油の移動のみを許容し、逆方向へは作動油は流れない(図中矢印C、D)。一方、油圧弁11bは、油圧室9bから油圧室9a側への作動油の移動のみを許容し、逆方向へは作動油は流れない(図中矢印E、F)。
なお、図示は省略するが、油圧式ダンパ1にはさらにアキュムレータが設けられることが望ましい。たとえば、ピストン5で区切られた油圧室9a、9bを連通する流路をピストン5内部等に設け、絞り弁等を介してアキュムレータを設置する。アキュムレータは作動油の熱膨張等の影響を吸収し、油圧式ダンパ1の動作を安定させるためのものである。
次に、油圧式ダンパ1の動作について説明する。
地震等により構造物の揺れが発生し、例えばピストンロッド7aがシリンダ3から出る方向(図中矢印A方向)に移動しようとする力が加わると、油圧室9a内の作動油が圧縮される。油圧室9a内が所定圧力以上になると油圧弁11aが開き、油圧室9a内の作動油は、油圧弁11aを通って(図中矢印C)油圧室9bへ流出する(図中矢印D)。こうして、ピストンロッド7aがシリンダ3から出る方向に移動する。
次に、揺れの方向が反転し、ピストンロッド7aがシリンダ3内に入る方向(図中矢印B方向)に移動しようとする力が加わると、油圧室9b内の作動油が圧縮される。油圧室9b内が所定圧力以上になると油圧弁11bが開き、油圧室9b内の作動油は、油圧弁11bを通って(図中矢印E)油圧室9aへ流出する(図中矢印F)。こうして、ピストンロッド7aがシリンダ3内に入る方向に移動する。
作動油が油圧室9a、9b間を油圧弁11a、11bを通り移動する際、その流路抵抗等によって振動が減衰する。油圧弁11a、11bの減衰特性を、構造物に応じたものとすることで、適切な減衰性能を油圧式ダンパ1に与えることができる。
(油圧弁11の構成)
次に、油圧弁11の構成について図2を参照して説明する。図2は油圧弁11を示す断面図である。
図に示すように、油圧弁11は、スリーブ14、弁体19、シート15、ばね21、ばね押さえ23等から構成される。
スリーブ14は筒状の部材であり、シート15、ばね押さえ23等を内部に保持する。
シート15は、スリーブ14の一方の端部の内面に固定される。シート15は、中心を貫通する孔17aが設けられた筒状の弁体押さえ部材である。
ばね押さえ23はスリーブ14の他方の端部の内面に固定される。ばね押さえ23は、ばね21を保持可能な凹形状を有しており、ばね21の端部が挿入されて保持される。また、ばね押さえ23には、中心を貫通する孔17bが設けられる。
なお、シート15の孔17aは、油圧室9a、9bの一方と連通し、ばね押さえ23の孔17bは、油圧室9a、9bの他方と連通する。
弁体19は作動油の流れを調整するための部材である。弁体19の内部には弁体流路25が設けられる。また、弁体19の端面29には弁部27が設けられる。弁部27はシート15の孔17aに挿入される。弁部27の詳細は後述する。
弁体19とばね押さえ23との間には、ばね21が設けられる。ばね21は、弁体19を付勢し、シート15に対して所定の力で押し付けるものである。これにより、通常時(振動がない場合)には、弁体19の端面29がシート15の端面31と接し、作動油の流れが遮断される。
一方、構造物の揺れ発生時など、孔17aの作動油の油圧が大きくなると、ばね21の付勢力に対抗して弁体19が押され、後方に移動する。すると、シート15の端面31と弁体19の端面29との間に隙間が生じ、作動油がこの隙間を通り、弁体流路25およびスリーブ14内を経由して孔17bから流出する。
(弁部27の構成)
次に、弁部27の構成について図3を用いて説明する。図3は、弁部27の形状を示す図である。図3(a)は図2のG部に相当する側面図であり、図3(b)はこれを上から見た平面図である。また、図3(c)は弁部27を先端側から見た正面図である。
図に示すように、弁部27は、大きく第1弁部33と第2弁部35とに分けられる。
第1弁部33は弁体19の端面29に続いて形成される部分であり、円柱状の形状を有する。この第1弁部33の外面形状は、孔17a(図2)の内面形状とほぼ同じとなっており、第1弁部33の外面が孔17aの内面に接するようになっている。
第2弁部35は、第1弁部33の先端部に続いて形成され、当該先端部から第2弁部35の先端へ向けて縮径するテーパ部37を有する。
第1弁部33の側面には、第1弁部33の軸方向に沿って断面凹字状の溝41が形成される。
この溝41は、第1弁部33の先端側で深さが大きくなるように、深さが多段に形成される。溝41において、これら深さが異なる各部分を、第1弁部33の根本部39側の浅いものから、先端側の深いものへと順に、第1溝部41a、第2溝部41b、第3溝部41cとする。第3溝部41cの先端は第2弁部35のテーパ部37に達する。
なお、第1弁部33の根本部39では溝41が設けられない。また、各溝部の平面の根本部39側の端部は、半円周状に形成されているが、これに限ることはない。
(溝41の形状)
図4は、溝41の形状について示す図である。図4(a)、図4(b)は、それぞれ、図3(a)のJ部、図3(b)のK部の拡大図である。
本実施形態では、第1弁部33の軸方向の断面において、
・各溝部41a〜41cの、第1弁部33の根本部39側(図の左側)の開始位置にある外側に凸となる角部43a〜43cと、
・第1弁部33の先端側(図の右側)にある第3溝部41cの、第1弁部33の先端部との交点43d
がほぼ同一直線上(図中鎖線で示す)に並ぶように、各溝部41a〜41cについて、第1弁部33の区間における長さLa〜Lcと深さDa〜Dcを定める。これにより、溝41の断面積の変化を、図中の鎖線で示すように溝の深さをテーパ状に変化させた場合の断面積の変化と近似させるようにする。
(弁部27の機能)
図5は、弁体19が動作した際の弁部27(第1弁部33、第2弁部35)の機能について示す図である。
図5(a)に示すように、通常時には、前述の通り弁体19の端面29とシート15の端面31が接触し、作動油の流路は断たれている。なお、第1弁部33の根本部39には溝41が設けられないので、わずかに弁体19が移動した場合などでも、第1弁部33の根本部39と孔17aとの間が塞がれ、作動油の漏れは抑制される。
一方、油圧式ダンパ1のピストン5(図1)が移動し始めると、移動速度に応じた力で弁体19が押し戻され、ばね21(図2)が縮んで後方に移動する。
これにより、図5(b)〜図5(d)に示すように、弁体19の端面29とシート15の端面31が離れ、溝41と孔17aの縁部との隙間を作動油が流れ(図中矢印H)、端面29と端面31との間に流入する。この作動油は、前記した通り、弁体流路25およびスリーブ14内を経由して孔17bから流出する。
図5(b)はピストン5の移動速度が比較的小さい場合であり、この時、孔17aの作動油は、第1溝部41aと孔17aの縁部との隙間から端面29と端面31との間に流入する。
移動速度がより大きくなると、弁体19はより大きな力で押し戻され、図5(c)に示すように、作動油が、第2溝部41bと孔17aの縁部との隙間を通る。
ピストン5の移動速度がさらに大きくなると、弁体19がさらに大きな力で押し戻され、図5(d)に示すように、作動油が、第3溝部41cと孔17aの縁部との隙間を通るようになる。
ピストン5がこれらの移動速度よりさらに大きな速度で移動した場合は、図5(e)に示すように、弁体19は作動油の圧力によりさらに大きな力で押し戻される。弁体19に所定値以上の圧力が加わると、第1弁部33が完全に孔17aから抜け、孔17a内には第2弁部35の一部のみが挿入された状態になる。この状態において、孔17aの作動油は、テーパ部37と孔17aの縁部との隙間を流れる(図中矢印I)。
次に、上記のような作動油の流れに伴う油圧式ダンパ1の減衰特性について図6を参照して説明する。図6は、油圧式ダンパ1の減衰特性を実線で模式的に示したグラフである。なお、ここで図中の鎖線は溝をテーパ状に形成した場合(図4(a)参照)の減衰特性を示す直線であり、目標とする減衰特性である。また、図中点線はこの目標とする減衰特性に対する許容範囲の上下限を示すものである
第1弁部33が孔17a内に挿入されている間、油圧弁11は調圧弁としての機能を発揮し、油圧式ダンパ1の減衰特性は、溝41と孔17aの縁部の隙間の流路断面積を決定する溝41(第1溝部41a〜第3溝部41c)の断面積により定まる。
流路断面積が変わらない場合、減衰力は一般的に移動速度の2乗に比例する。従って、ピストン5の移動速度について、作動油が第1溝部41aと孔17aの縁部の隙間を流れる区間a(図5(b))、作動油が第2溝部41bと孔17aの縁部の隙間を流れる区間b(図5(c))、作動油が第3溝部41cと孔17aの縁部の隙間を流れる区間c(図5(d))では、それぞれ、減衰力が移動速度の2乗にほぼ比例し、放物線のような減衰特性になる。
そして、第1弁部33による減衰特性は、図中鎖線で示す、溝をテーパ状に形成した場合の減衰特性を示す直線を、上記の各区間の減衰特性を示す3つの放物線で精度良く近似したものとなり、良好な線形性が得られることがわかる。また、図中点線で示す許容範囲に減衰特性を収めることも容易である。
なお、所定の速度以上でピストン5が移動し、前記のように第2弁部35が機能している状態(図5(e))では、作動油がテーパ部37と孔17aの縁部との隙間を流れ、流路断面積がさらに大きくなるので、油圧弁11がリリーフ弁としての機能を発揮し、過剰な減衰力の発生が抑制される。この状態における油圧式ダンパ1の減衰特性は、テーパ部37の角度等により決定される。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、第1弁部33において、深さを多段とした溝41を形成する。この溝41は、例えば、エンドミルを水平に移動させて切削加工を繰り返し行うことにより容易に形成でき、前記のような、溝の深さをテーパ状とした場合の加工精度の確保の難しさもない。
かつ、上記したように、溝41の断面積の変化が、溝の深さをテーパ状に変化させた場合の断面積の変化と近似するように各溝部41a〜41cの形状を定めることで、調圧弁としての減衰特性の線形性も良好に保つことができ、減衰力を許容範囲に収めることも容易である。
なお、本実施形態では前記の角部43a〜43cと交点43dがほぼ同一直線上に並ぶものとしているが、これらは、図7の鎖線に示すように、第1弁部33側に膨らむ同一円弧上にほぼ並ぶものであってもよく、これによっても上記と同様に線形性の良好な減衰特性が得られる。
また、本実施形態では溝41の深さを3段に形成しているが、多段に形成すればよく、2段でもよいし、4段以上でもよい。これらの場合でも、前記と同様に溝の深さ等の形状を定めることで、同様の効果が得られる。
この他、油圧弁11はピストン5内部に設けるものに限らず、例えば、シリンダ3の外部に設けることも可能である。また、油圧式ダンパ1には、その他の弁を設けてもよい。また、スリーブ14を用いずに直接ピストン5内部に油圧弁を設けることも可能である。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、第1の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については説明を省略する。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態について示す図である。図8(a)は弁部27の形状を示す側面図であり、図8(b)はこれを上から見た図である。また、図8(c)は弁部27を先端側から見た正面図である。
図に示すように、第2の実施形態は、前記の溝41に代えて、溝51を第1弁部33の側面に設けた点で第1の実施形態と異なる。
この溝51は、第1弁部33の軸方向に沿って形成される断面凹字状の溝であり、第1弁部33の先端側で幅が広がるように、幅を多段に形成したものである。溝51において、これら幅が異なる各部分を、第1弁部33の根本部39側の狭いものから、先端側の広いものへと順に、第1溝部51a、第2溝部51b、第3溝部51cとする。第1の実施形態と同じく、第3溝部51cの先端は第2弁部35のテーパ部37に達し、第1弁部33の根本部39では溝51が設けられない。
なお、各溝部51a〜51cの平面の根本部39側の端部は、円弧状の曲線で形成されるが、これに限ることはない。また、第2の実施形態では、溝51の深さが一定である。
図9は溝51の形状について示す図であり、図8(b)のM部の拡大図である。
本実施形態では、平面において、
・第1弁部33の根本部39側(図の左側)にある第1溝部51aの、幅方向の中央部の根本部39側の開始位置53aと、
・第2溝部51b、第3溝部51cの、根本部39側の開始位置にある、溝内部側に凸となる角部53b、53cと、
・第1弁部33の先端側(図の右側)にある第3溝部51cの、第1弁部33の先端部との交点53d
がほぼ同一直線上(図中鎖線で示す)に並ぶように、各溝部51a〜51cについて、第1弁部33の区間における長さLa〜Lcと幅Wa〜Wcを定める。これにより、溝51の断面積の変化を、溝の幅をテーパ状に変化させた場合の断面積の変化と近似させるようにする。
このように、第1弁部33に幅が多段に変化する溝51を設けた場合の減衰特性も、図6に示したものと同様である。
従って、第2の実施形態によっても、溝の加工精度の確保を容易としつつ、上記のように各溝部51a〜51cの形状を定めることで、調圧弁としての減衰特性の線形性も良好に保つことができ、減衰力を許容範囲に収めることも容易であるという、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態と同様、前記の位置53a、角部53b、53c、および交点53dは、図10の鎖線に示すように、溝外部側へ膨らむ同一円弧上にほぼ並ぶものであってもよい。この場合も線形性の良好な減衰特性が得られる。
さらに、本実施形態では溝51の幅を3段に形成しているが、第1の実施形態と同様これに限られることはなく、多段に形成するものであればよい。この場合でも、前記と同様に溝の幅等の形状を定めることで、同様の効果が得られる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について図11を用いて説明する。図11(a)は第3の実施形態の油圧弁11aを示す図である。図11(b)は弁部67の形状を示す図であり、図11(a)中N部に相当する側面図である。
この油圧弁11aは油圧式ダンパ(不図示)に設けられる調圧弁であり、その弁部67に第1の実施形態の溝41と同様の溝71を設けたものである。
図11(a)に示すように、第3の実施形態の油圧弁11aは、第1の実施形態と同様のスリーブ14、シート15、ばね21、ばね押さえ23等を有しているが、弁体61と弁部67の形状において異なっている。また、油圧弁11aは調圧弁であるので、第1の実施形態の油圧弁11と異なり、油圧式ダンパにおいて弁部67が完全に孔17aから抜けることがないように設計される。
次に、弁体61および弁部67について説明する。
弁体61はスリーブ14の内径より小さな外径を有する円板体であり、その端面63に円柱状の弁部67が設けられている。この弁部67の外面形状は、孔17aの内面形状とほぼ同じとなっており、弁部67の外面が孔17aの内面に接する。すなわち、この弁部67は第1の実施形態の第1弁部33に相当し、調圧機能を有するものである。
そして、弁部67の側面には、第1の実施形態の溝41と同様の溝71が、弁部67の軸方向に沿って設けられる。
すなわち、溝71は、弁部67の先端側で深さが大きくなるように、深さを多段に形成したものである。溝71において、これら深さの異なる各部分を、弁部67の根本部69側の浅いものから先端側の深いものへと順に、第1溝部71a、第2溝部71b、第3溝部71cとする。また、第3溝部71cの先端は弁部67の先端に達し、弁部67の根本部69では溝71は設けられない。
各溝部71a〜71cの深さや長さ等の形状も、第1の実施形態と同様に定める。すなわち、弁部67の軸方向の断面において、
・各溝部71a〜71cの、弁部67の根本部69側(図11(b)の左側)の開始位置にある外側に凸となる角部73a〜73cと、
・弁部67の先端側(図の右側)にある第3溝部71cの、弁部67の先端部との交点73d
がほぼ同一直線上(図中鎖線で示す)に並ぶように各溝部71a〜71cの形状を定める。
この油圧弁11aは、第1の実施形態と同様、通常時には、弁体61がばね21により付勢され、弁体61の端面63とシート15の端面31が接しており作動油の流れを遮断している。
一方、弁体61に作動油による油圧がかかると、前記と同様、弁体61が後方に移動して端面63と端面31の間が開き、作動油が溝71と孔17aの縁部の隙間から端面63と端面31の間へ流れ、弁体61の側方を通ってスリーブ14内を経由し、孔17bから流出する。
この際、前記と同様に、溝71(第1溝部71a〜第3溝部71c)の断面積により油圧弁11aの減衰特性が決定される。溝71は前記の溝41と同様の形状を有しているので、その減衰特性は図6の区間a〜cで示した範囲と同様になる。
従って、第3の実施形態でも、溝の加工精度の確保を容易としつつ、上記のように各溝部71a〜71cの形状を定めることで、調圧弁としての減衰特性の線形性を良好に保つことができ、減衰力を許容範囲に収めることも容易であるという、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………油圧式ダンパ
11、11a………油圧弁
14………スリーブ
15………シート
17a、17b………孔
19、61………弁体
21………ばね
23………ばね押さえ
27、67………弁部
33………第1弁部
35………第2弁部
37………テーパ部
41、51、71、101………溝部

Claims (4)

  1. 油圧式ダンパに用いられる油圧弁であって、
    弁体と、
    前記弁体と対向し、孔を有する弁体押さえ部材と、
    前記弁体を前記弁体押さえ部材に押し付けるばねと、
    を具備し、
    前記弁体の端面には、前記孔に挿入され、外面が前記孔の内面に接する第1の弁部が設けられ、
    前記第1の弁部には軸方向に沿って溝が形成され、
    前記溝は、前記第1の弁部の先端側で深さが大きくなるように、深さを多段に形成した形状であることを特徴とする油圧弁。
  2. 前記溝は、深さの異なる複数の溝部により構成され、
    前記第1の弁部の軸方向の断面において、
    各溝部の、前記第1の弁部の根本部側の開始位置にある外側に凸となる角部と、
    前記第1の弁部の先端側にある溝部の、前記第1の弁部の先端部との交点とが、
    同一直線上もしくは前記第1の弁部側に膨らむ同一円弧上にほぼ並ぶことを特徴とする請求項1記載の油圧弁。
  3. 前記第1の弁部の先端部に、当該先端部から縮径するテーパ部を有する第2の弁部が設けられ、
    前記弁体が前記ばねに対抗して移動した状態で、前記第1の弁部が前記孔に挿入されている間は、前記溝と前記孔との隙間を流体が流れ、
    前記第1の弁部が前記孔から抜けると、前記テーパ部と前記孔との隙間を流体が流れることを特徴とする請求項1または請求項に記載の油圧弁。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の油圧弁を有する油圧式ダンパ。
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