以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、「上流側」、「下流側」或いはこれらに類する文言は、特段の記載がない限り、シートの搬送方向における「上流側」又は「下流側」を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る原理を説明する概念図である。図1(a)は、複数のシートが積層してなるシート束の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示されるシート束中のシート間の分離を促すとともにシート束からシートを1枚ずつ分離して搬送するシート搬送機構の概念図である。尚、図1に示されるシートは、主に、塗工紙、トレーシングペーパ、OHPフィルムシートとすることができるが、本発明はこれに限られるものではなく、積層して所定時間保管された状態から搬送される任意のシート状物が搬送対象とされてもよい。
図1に示されるシート束Tは、積層された複数のシートSを含む。シート束Tを構成するシートSそれぞれは、矩形状の処理面PSと、処理面PSを取り囲む縁部とを含む。縁部は、シートSの搬送方向(図1(a)中、矢印で示される)に対して先頭側に位置する下流縁DEと、下流縁DEに対向する位置に存するとともにシートSの搬送方向に対して後側に位置する上流縁UEと、上流縁UEの両端部それぞれと下流縁DEの両端部それぞれとの間で延びるとともにシートSの搬送方向に沿って延びる一対の側縁SEとを含む。以下の説明において、側縁SEが積み重ねられてなるシート束Tの面(処理面PSに対して直角方向に延びる面)を積層面SSと称する。また、下流縁DEが積み重ねられてなるシート束Tの面(処理面PSに対して直角方向に延びる面)を下流積層面DSと称する。上流縁UEが積み重ねられてなるシート束Tの面(処理面PSに対して直角方向に延びる面)を上流積層面USと称する。積層面SSは、シート束Tの最下位置及び最上位置に存する一対のシートSの側縁SEと、上流縁UEの端部を積層してなる上流端縁UTと、下流縁DEの端部を積層してなる下流端縁DTとで取り囲まれる。上流積層面USは、シート束Tの最下位置及び最上位置に存する一対のシートSの上流縁UEと一対の上流端縁UTとで取り囲まれる。下流積層面DSは、シート束Tの最下位置及び最上位置に存する一対のシートSの下流縁DEと一対の下流端縁DTとで取り囲まれる。以下の説明において、処理面PSには、印刷処理(画像形成処理)が施されるが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、穿孔処理や折り曲げ処理など所望の処理が施されてもよい。
シート搬送機構600は、シート束Tを収容するシート収容部610を含む。シート収容部610は、例えば、上部が開口した略直方体形状の箱体であり、底部611及び底部611の周縁から上方に向けて延出する周壁部612を含む。シート収容部610内には、例えば、薄板状の支持板620が配設される。支持板620の上面は、シート束Tの下面と当接し、シート収容部610内で、シート束Tを支持する支持面となる。シート搬送機構600は更に、シート束TからシートSを1枚ずつ取り出すとともに搬送する搬送要素630を含む。図1には、搬送要素630として、シート束Tの上面(処理面PS)に回転可能に当接するピックアップローラが示されている。図1に示されるピックアップローラ630は、シートSの下流縁DE近傍でシートSに当接し、シートSの幅方向(搬送方向と直交する方向)に延びている。尚、本発明において、搬送要素630は、図示されるピックアップローラに限られるものではなく、シート束Tからシートを取り出すとともに搬送可能な他の構造とすることもできる。支持板620とシート収容部610の底部611との間には、例えば、バネ体(図示せず)が配設され、支持板620が上方に向けて付勢されることにより、シート束Tの最上位置に存するシートSがピックアップローラ630に押し付けられる。この結果、ピックアップローラ630が回転すると、シート束Tの最上位置に存するシートSがシート束Tから取り出されるとともに搬送されることとなる。
シート搬送機構600は更に、送気機構640を含む。送気機構640は、モータ(図示せず)等の駆動源と接続されたファンやモータ(図示せず)等の駆動源を内包するブロアなどの送気源641と、送気源641から送り出される気体を案内する管路642とを含む。管路642の先端部は、積層面SSに向けて開口し、送気源641から送り出される気体を積層面SSに向けて放出する送気口643となる。尚、図1には、背面側に位置する周壁部612に形成された送気口643が点線で示されているが、正面側に位置する周壁部612にも同様の送気口643が形成されてもよい。送気口643は、シート束Tの一部を分離させるとともに浮揚させるのに十分な程度にシート束Tの積層面に近接している。送気源641が送り出す気体は、本実施形態では、例えば、シートSが吸った水成分を蒸発可能な程度に暖気された空気であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、十分に乾燥処理を施された空気や窒素等の特定の成分からなる気体などが所望に応じて使用可能である。
シート搬送機構600は更に規制機構650を含む。図1には、規制機構650として、板状の接触部材651と、接触部材651に偏心して接続される回転シャフト652とが示されている。図1に示される接触部材651はカムとして機能する。
図2は、図1に示される送気機構640の送気口543におけるシート収容部610の断面図である。図2と併せて図1を参照しつつ、シート搬送機構600の規制機構650について更に説明する。
図2に示される如く、一対の接触部材651がシート束Tの一対の積層面SSそれぞれの近傍に配される。回転シャフト652は一対の接触部材間で延びる。回転シャフト652は、右方に位置する接触部材651を貫通して更に延びる。回転シャフト652の右端にはギア653が形成される。規制機構650は更に、駆動源として用いられるモータ654を含む。モータ654の回転シャフトの先端部に取り付けられたギア655は、回転シャフト652の右端に配設されるギア653と噛み合う。図2中、右方に示される周壁部612は、背面壁612aであり、左方に示される周壁部612は、正面壁612bである。背面壁612a及び正面壁612bには送気口643が形成され、一対の送気口643は互いに対向する。回転シャフト652は、一対の送気口643を結ぶ線に沿って延びる。接触部材651は、送気口643からの気体が放出される方向上に位置し、シート束Tの外面に現れる最上位置のシートSの面であって、送気口643に対応する面領域に接触する。モータ654が、接触部材651に偏心して取り付けられた回転シャフト652を回転させると、接触部材651は、回転シャフト652とともに一体的に回転し、支持板642の上面に向かう力を間欠的にシート束Tに与えることとなる。
図3は、図1に示される規制機構650による分離したシート束の浮揚を規制する規制原理を説明する図である。図3(a)は、図1に示される送気機構640によりシート束T中に形成された空気層を示し、図3(b)は、接触部材651の外周輪郭が最も上方に位置する第1位置に存するときのシート束Tを示し、図3(c)は、接触部材651の外周輪郭が最も下方に位置する第2位置に存するときのシート束Tを示す。図3と併せて図1を参照しつつ、分離したシート束の浮揚を規制する規制原理を説明する。
送気源641の作動により、送気口643から気体が放出される。送気口643から送り出された気体は、シート束Tの積層面SSに衝突する。シート束Tを構成するシートS間の密着力は不均一であり、積層面SSに衝突した気体は、密着力の弱いシートS間に侵入する傾向がある。この結果、送気口643から放出された気体は、シート束を形成するシートSを浮揚させ、シート束T中に気体層(気体の流路)を形成する。
一旦、気体層が形成されると、送気口643からの気体は、気体層中を通過し続けることとなり、浮揚したシートS間の分離が促進されないこととなる。このため、本実施形態では、規制機構650を用いて、気体層を圧縮することによりシート束Tの浮揚を規制し、シート束Tの他の部分へのシートS間の分離を促している。図3(b)に示される如く、第1位置に接触部材651が存するとき、シート束T中に気体層が形成され、シートS間の分離が促される。その後、回転シャフト652が回転されると、接触部材651は第2位置に達し、気体層を圧縮する。この結果、送気口643から送り出される気体は再度シート束Tの積層面SSに衝突し、新たな気体層をシート束中に形成する。図3(a)及び図3(b)に示される動作を接触部材651が繰り返すことにより、シート束Tの浮揚が間欠式に規制され、シート束T全体において、シートS間の分離が促されることとなる。
図4は、図1乃至図3に関連して説明された規制機構650の接触部材651を示す。図4と併せて図1及び図3を参照しつつ、接触部材651について説明する。尚、図4に示される接触部材651は、接触部材651の外周輪郭が最も下方に位置する第2位置に存する。
接触部材651が第2位置に存するとき、接触部材651の下端は、ピックアップローラ630の下端よりも僅かに上方(図4中、符号「X」で示される)に配設されてもよい。これにより、シートSの処理面PSに対して平行な方向に働く力を低減させつつ、接触部材651は気体層を圧縮することができる。これにより、シートSの搬送に与える影響を低減しつつ、気体層の圧縮し、シート束の浮揚に対する規制を行なうことが可能となる。
接触部材651は、環状の外輪部511と、外輪部511に取り囲まれる円形の内部空間に外輪部511に対して同心に配設される環状の内輪部512とを有するベアリング513と、内輪部512に嵌め込まれる円形プレート514とを含んでもよい。円形プレート514は、回転シャフト652に接続される。外輪部511は、内輪部512に対して、相対的に回転することが可能である。回転シャフト652の回転と一体的に円形プレート514及び内輪部512は回転する。外輪部511がシートSと接触するとき、外輪部511は内輪部512に対して相対的に回転するので、シートSの処理面PSに対して平行な方向に働く力を低減することが可能である。これにより、シートSの搬送に与える影響を低減しつつ、気体層の圧縮し、シート束の浮揚に対する規制を行なうことが可能となる。
図5は、規制機構650の他の実施形態を示す。図1乃至図4に関連して説明された回転動作する接触部材651を備える規制機構650と異なり、図5に示される規制機構650は、上下に往復移動する接触部材651を備える。
図5に示される規制機構650は、薄板棒状の接触部材651を備える。接触部材651は、背面壁612a及び正面壁612bに形成された送気口643からの空気の放出方向に沿って延びる。接触部材651の上方に一対のシリンダ656が配設され、一対のシリンダ656のロッド657の先端部それぞれは、接触部材651の両端部の上面に接続される。一対のシリンダ656それぞれは、管路659を用いて、作動流体源658に接続される。管路659の途中部にはソレノイドバルブ660が配設される。ソレノイドバルブ660は、制御部348に電気的に接続される(図5中、点線部参照)。ソレノイドバルブ660は、制御部348の制御下で、作動流体源658からシリンダ656へ送られる作動流体の流動経路を切り換える。これにより、シリンダ656のロッド657を伸縮させる。この結果、接触部材651は上下動し、図3に関連して説明された如く、気体層の圧縮がなされ、シート束の浮揚に対する規制がなされることとなる。
図6は、図1及び図2に関連して説明されたシート搬送機構600の原理を適用したストッカが組み込まれた画像形成装置の内部構造を示す。図6と併せて、図1及び図2を参照しつつ、画像形成装置について説明する。尚、図6に示される画像形成装置は、デジタル複写機であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリンタ、ファクシミリ、画像形成機能を含む複数の機能を有する複合機等或いはシートSの処理面PSに任意の処理を施すための装置とすることができる。
デジタル複写機1は、略直方体に形成された筐体2と、筐体2の内部空間下部に配設されるとともにシートSが蓄えられる貯留部3と、貯留部3からシートSを取り出すとともに搬送する搬送部4と、搬送途中のシートSの面にトナー画像を形成する画像形成部5と、シート上に形成されたトナー画像をシートSの処理面PS上に定着させる定着部6と、トナー画像が定着されたシートSを筐体2外に排出する排出部7とを備える。筐体2の上部には、原稿の画像を読み取るための原稿読取部8が配設される。原稿読取部8は、原稿の画像を読み取り、電子データ化する。
貯留部3は、少量のシートSを含むシート束Tを収容する第1カートリッジ31及び第2カートリッジ32を含む。第2カートリッジ32は、第1カートリッジ31の上方に配設される。貯留部3は、第1カートリッジ31及び第2カートリッジ32が収容可能な枚数以上のシートSを含むシート束Tを収容可能に形成されるストッカ33を更に含む。ストッカ33は、第2カートリッジ32の上方に配設される。尚、ストッカ33は、図1及び図2に関連して説明されたシート搬送機構600のシート収容部610に相当する。
ストッカ33は、略矩形板状の底部331と、底部331の周縁から上方に向かって延出する周壁部332とを含む。尚、図1及び図2に関連して説明されたシート搬送機構600が備えるシート収容部610の底部611及び周壁部612それぞれは、ストッカ33の底部331及び周壁部332に相当する。周壁部332の上縁は、ストッカ33の開口部を形成する。底部331と周壁部332とで定められるストッカ33の内部空間に収容されたシートSは、ストッカ33の上部に形成される開口部を通じて、搬送部4により取り出され、画像形成部5に向けて搬送される。第1カートリッジ31、第2カートリッジ32及びストッカ33は、筐体2内部から引き出し可能であることが好ましい。
ストッカ33は、ストッカ33の内部空間を上下方向に横切って配設される仕切板333を更に含む。仕切板333は、底部331から上方に延出し、図6中において、ストッカ33の内部空間を左右に互いに隣接する小空間に仕切る。左方に形成される小空間を第1収容部と便宜的に称し、右方に形成される小空間を第2収容部と便宜的に称する。第1収容部には、第1トレイ334が配設され、第2収容部には第2トレイ335が配設される。図1に示されるシート搬送機構600の支持板620は、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335に相当する。
第1収容部に配設されるシート束Tを第1のシート束T1と便宜的に称し、第2収容部に配設されるシート束Tを第2シート束T2と便宜的に称する。第1トレイ334は、第1のシート束T1を支持する支持面を備える。第2トレイ335は、第2のシート束T2を支持する支持面を備える。仕切板333は、第1のシート束T1と第2のシート束T2との間で立設され、第1のシート束T1及び/又は第2のシート束T2が崩れそうになったときにおいて、第1のシート束T1及び/又は第2のシート束T2を側方から支持することができる。仕切板333は、ストッカ33の底部332に対して着脱自在である。
第1のシート束T1が収容される第1収容部を形成する背面側の周壁部332に、図1及び図2に関連して説明された送気口643が形成されている。第2のシート束T2が収容される第2収容部を形成する背面側の周壁部332にも、第1収容部と同様に、送気口643が形成されている(尚、図6において、第2収容部の送気口643は、第2のシート束T2によって、隠されている)。送気口643の上方において、図1及び図2に関連して説明された規制機構650が概略的に示されている。
図7は、図6に示される第1収容部又は第2収容部の背面側の周壁部332の外面に取り付けられる送気機構640の概略断面図である。図7と併せて図1、図2及び図6を参照しつつ、送気機構640について説明する。
図1及び図2において、送気機構640は、非常に概略的に示されたが、送気機構640は、例えば、図7に示される構造を備えることができる。図7に示される送気機構640は、例えば、第1収容部又は第2収容部の背面側の周壁部332の外面に取り付けられるブラケット(図示せず)により支持されることができる。
図7に示される送気機構640は、図1及び図3に関連して説明されたように送気源641と管路642とを含む。管路642の基端部は、送気源641の外面を形成する筐体141に一体的に接続される。管路642は、筐体141から延設するエルボ管243を用いて形成される。エルボ管243の先端部は開口し、送気口643となる。
筐体141内には、吸引ファン142及びヒータ143が配設される。吸引ファン142は、筐体141外に配設されるモータ144の回転シャフトにより、筐体141内で回転自在に支持される。モータ144が取り付けられる面と反対側の筐体141の面には、開口部145が形成される。モータ144が作動すると、吸引ファン142が回転し、開口部145を介して、送気源641の周囲の空気が筐体141内に引き込まれる。
ヒータ143は、管路642と筐体141との接続部と吸引ファン142との間に配設される。吸引ファン142により筐体141内に引き込まれた空気は、ヒータ143及び管路を通過し、送気口643からストッカ33内のシート束Tの積層面SSに向けて放出される。ヒータ143は、ヒータ143を通過する空気を暖める。したがって、送気口643から放出された空気は、ストッカ33内のシート束Tが含む水成分の除去を促し、この結果、シート束TのシートS間の分離が促進されることとなる。
尚、図7に関連して説明された送気機構640は、単に説明のために図示されたものであり、本発明を何ら限定するものではなく、シート束Tの積層面SSに向けて空気を放出可能な任意の機構を送気機構640として用いることができる。
図8は、第1トレイ334及び第2トレイ335を上下動させるための昇降機構の一例を示す。図8と併せて、図6を参照しつつ、昇降機構について説明する。尚、図8に示される昇降機構は、単に、一例に過ぎず、第1トレイ334及び第2トレイ335を上下動させることが可能な任意の機構を昇降機構として用いてもよい。
昇降機構34は、第1トレイ334及び第2トレイ335に一端部が接続される複数本のワイヤ341と、第1トレイ334に接続されるワイヤ341の他端部が巻回される第1ドラム342と、第2トレイ335に接続されるワイヤ341の他端部が巻回される第2ドラム343と、第1トレイ334と第1ドラム342とを結ぶワイヤ341の経路及び第2トレイ335と第2ドラム343とを結ぶワイヤ341の経路途中に配設される複数のプーリ345とを含む。
第1ドラム342は、第1の駆動源346に接続される。第2ドラム343は、第2の駆動源347に接続される。第1の駆動源346及び第2の駆動源347は、制御回路等の制御部348に電気的に接続される。第1の駆動源346及び第2の駆動源347は、制御部348の制御下で、第1ドラム342及び第2ドラム343をそれぞれ駆動する。尚、制御部348は、デジタル複写機1全体の制御を司ることができる。尚、本実施形態において、第1の駆動源346及び第2の駆動源347として、パルスモータやエンコーダ付のモータ等を用いることができるが、第1ドラム342及び第2ドラム343を回転駆動することができる他の装置を用いることも可能である。更に、本実施形態において、第1ドラム342及び第2ドラム343を回転させることにより、ワイヤ341を第1ドラム342及び第2ドラム343に巻きつけて第1トレイ334及び第2トレイ335を上昇させる構造が採用されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、回転ドラム342,343並びにこれらに接続する駆動源346,347に代えて、ピストンシリンダを用いることも可能である。ピストンシリンダのロッド先端にワイヤ341の端部を接続し、ロッドをシリンダ本体内に出没させることにより、本実施形態と同様に、第1トレイ334及び第2トレイ335を移動させることができる。
仕切板333が、ストッカ33の底部331に取り付けられている間、制御部348は、第1の駆動源346と第2の駆動源347とを独立に制御することができ、例えば、第1の駆動源346及び第2の駆動源347のうち一方のみを動作させることにより、第1トレイ334及び第2トレイ335のうち一方のみを上昇させ、搬送部4へ向けて移動させることができる。したがって、仕切板333が底部331に取り付けられているか否かを検出することができるセンサ装置が用いられてもよい。例えば、このようなセンサ装置として、ストッカ33の底部331に仕切板333が取り付けられたときに仕切板333によって遮られる光路を形成する光センサ等を用いることができる。
第1ドラム342及び/又は第2ドラム343が、図8中、矢印で示される方向に回転すると、ワイヤ341が第1ドラム342及び/又は第2ドラム343に巻き付けられ、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335が上昇する。第1トレイ334及び/又は第2トレイ335上にシート束Tが配設されると、シート束Tの自重により、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335は下降することができる。尚、昇降機構34は、必要に応じて、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335の高さ位置を制御するためのセンサを含むことができる。
搬送部4は、ストッカ33の上部に形成される開口部近傍に配設される給送装置41を含む。昇降機構34は、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335を上昇させ、第1トレイ334及び/又は第2トレイ335上のシート束Tを給送装置41まで運ぶ。
図9は、給送装置41の概略図である。図9と併せて、図6を参照しつつ、給送装置41について説明する。尚、図9は、ストッカ33の第2収容部周囲の構造を併せて示している。図9に示される給送装置41は、図1及び図2に関連して説明された搬送要素630に相当する。
上述の如く、ストッカ33の第2収容部内には、第2トレイ335が配設され、第2トレイ335の上面には、第2のシート束T2が載置される。給送装置41は、ベルト装置412と第2ローラ装置414とを備える。ベルト装置412は、第2のシート束T2の下流積層面DSの上方に配設される。図6に示されるように、給送装置41は、更に、ストッカ33の第1収容部内の第1シート束T1を取り出すための第1ローラ装置413を含む。第1ローラ装置413は、第1シート束の右上面の上方に配設される。第1ローラ装置413及び第2ローラ装置414は互いに略同様の構造をなすことができる。図9には、第2ローラ装置414を駆動するためのモータ415が示されている。
ベルト装置412は、ストッカ33の周壁部332よりも下流側に配設されるとともにベルト装置412の一端部を形成する駆動ローラ416と、ベルト装置412の他端部を形成するとともに駆動ローラ416の駆動力により従動回転する従動ローラ417と、駆動ローラ416と従動ローラ417とに巻回されるベルト418と、駆動ローラ416と従動ローラ417との間に配設される吸引ダクト419とを含む。尚、図9には、駆動ローラ416を駆動するためのモータ421が示されている。吸引ダクト419は、ブロア等の真空源(図示せず)と、真空源に接続される断面矩形状の管路426とを含む。管路426の底壁には、複数の貫通穴427が形成される。貫通穴427並びにベルト418に形成された複数の孔部(図示せず)を通じて、吸引力が第2のシート束T2の最上位置に存するシートSに伝達される。
第2ローラ装置414は、第2シート束T2の最上位置に存するシートS上で転動する送りローラ422と、送りローラ422を回転可能に支持する支持部423とを含む。送りローラ422は、送りローラ422の中央に位置する回転シャフト424周りに回転する。支持部423は、支持シャフト425により軸支され、支持シャフト425周りに回動可能である。第2ローラ装置414は更に、支持部423に取り付けられたフォトインタラプタセンサ426を備える。フォトインタラプタセンサ426は、支持部423の姿勢を検知する。図7に関連して説明された昇降機構34が第2トレイ335を上昇させると、第2トレイ335上の第2のシート束T2の上面が送りローラ422に当接し、支持部423が支持シャフト425周りに回転する。フォトインタラプタセンサ426は、支持部423が所定の姿勢(傾斜角度)となったことを検知すると、制御部348(図8参照)に検知信号を送信する。制御部348は、この検知信号に基づき、第2トレイ335の上昇動作を停止させる。モータ415と送りローラ422との間には、ギア機構(図示せず)が構築される。ギア機構は、支持部423の回動を許容しつつ、送りローラ422に駆動力を伝達する。尚、送りローラ422を回転させるためのモータ415は、図2に示される規制機構650を動作させるためのモータ654として用いることもできる。この場合、送りローラ422に駆動力を伝達するためのギア機構は、同時に、接触部材651に接続される回転シャフト652に駆動力を伝達するように構成される。これにより、接触部材651は送りローラ422と同期して回転運動し、図3に関連して説明されたシート束Tの浮揚に対する規制作用をもたらすこととなる。
フォトインタラプタセンサ426の検知信号に基づき、第2シート束T2を搬送部4へ搬送するための第2トレイ335の上昇が停止されると、制御部348の制御下で、図7に関連して説明された送気機構640が作動し、送気口643から第2のシート束T2の積層面SSに向けて、温風が放出される。これにより、第2のシート束T2を構成するシートS間に空気が導入されることとなり、シートS間の分離が促される。制御部348はモータ415の制御信号を送信し、モータ415は、制御部348の制御下で、送りローラ422を回転させ、第2のシート束T2の最上位置に存するシートSを左方へ所定距離だけ移動させるとともに接触部材651を動作させ、第2のシート束T2の浮揚に対する規制並びに規制解除を間欠式に繰り返す。この結果、第2のシート束T2のシートS間の分離が促されるとともに第2のシート束T2の最上位置に存するシートSの右縁は、ベルト装置412の吸引ダクト419の下方に位置することとなる。吸引ダクト419からの吸引力は、ベルト418を介して、左方に移動されたシートSの右縁に伝達される。これにより、左方に移動されたシートSの右縁は、ベルト418に吸着され、シートSがストッカ33から取り出されることとなる。その後、制御部348の制御下で、モータ421及び/又はモータ415は、ベルト418及び/又は送りローラ422を反時計回りに回転させ、ベルト418に吸着されたシートSを下流へ送り出す。
第2収容部内の第2シート束T2を用いて、ストッカ33からのシートSの取り出しについて説明してきたが、上記されたシートSの取り出しの原理及びシートSを取り出すための構造は、第1収容部内の第1のシート束T1に対しても、適用することが可能である。
図6を再度参照する。搬送部4は、貯留部3の右側で上下方向に延びる搬送路43を含む。ベルト装置412によりストッカ33から取り出されたシートSは、搬送路43に沿って下流へ搬送される。搬送部4は更に、第1カートリッジ31及び第2カートリッジ32の右上部角隅部近傍に配設されるピックアップローラ44及びピックアップローラ44の近傍下流に配設される分離・給紙ローラ45を含む。ピックアップローラ44及び分離・給紙ローラ45は、第1カートリッジ31及び/又は第2カートリッジ32から1枚ずつシートSを取り出し、搬送路43へ搬送する。搬送部4は更に、搬送路43に沿って配設される複数の搬送ローラ46を含む。搬送ローラ46は、ストッカ33、第1カートリッジ31又は第2カートリッジ32から送り出されたシートSを、搬送路43に沿って、画像形成部5へ搬送する。
画像形成部5は、筐体2に回転可能に支持される略円筒形状の感光体ドラム51と、感光体ドラム51の上方に配設される帯電器52とを含む。感光体ドラム51は、図6中、時計回りに回転する。帯電器52は、感光体ドラム51に電荷を付与し、感光体ドラム51周面を一様に帯電させる。画像形成部5は更に、露光装置53を備える。露光装置53は、原稿読取部8が原稿の画像を読み取ることにより得られた画像データに基づき、レーザ光を感光体ドラム51の帯電された周面に照射する。この結果、レーザ光は感光体ドラム51上の電荷を消失させるため、感光体ドラム51上には画像データに一致する静電潜像が形成されることとなる。画像形成部5は更に、現像装置54を備える。現像装置54は、トナーを収容するトナーコンテナ55を備え、トナーコンテナ55から静電潜像が形成された感光体ドラム51の周面にトナーを供給する。この結果、感光体ドラム51の周面に、静電潜像に一致するトナー像が形成されることになる。
画像形成部5は更に、感光体ドラム51の下方に配設される転写ベルト56を含む。搬送路43を通じて、シートSは、感光体ドラム51と転写ベルト56との間に送り込まれる。感光体ドラム51と転写ベルト56との間をシートSが通過するとき、感光体ドラム51の周面に形成されたトナー像は、トナーの帯電と逆の極性の逆バイアスの印加によりシートSに転写されることとなる。
画像形成部5は更に、シートSへトナー像を転写した後の感光体ドラム51の周面上に残留するトナーを除去するクリーニング装置57と、残留トナーの除去がなされた感光体ドラム51の周面から残留電荷を除去する除電装置58とを含む。
画像形成部5にて、トナー像の転写がなされたシートSは、定着部6へ送られる。定着部6は、定着ローラ61と、定着ローラ61に圧接される加圧ローラ62とを含む。定着ローラ61の内部には熱源63が配設され、定着ローラ61と加圧ローラ62との間を通過するシートS上のトナーが溶融されるとともに、加圧ローラ62からの圧力によりシートS上にトナーが定着される。これにより、シートS上へのトナー像の定着がなされることとなる。
排出機構7は、定着部6の下流に配設されるとともに筐体2の内壁面近傍に取り付けられる排出ローラ71と、排出ローラ71から筐体2外に排出されたシートSを受け止める排出トレイ72とを含む。
図6に示されるデジタル複写機1は、ストッカ33と画像形成部5/定着部6との間に両面印刷用の搬送路47を備える。排出ローラ71は、スイッチバック方式で搬送路47へシートSを送り出すことも可能である。搬送路47は、搬送路43途中部に配設されたレジストローラ48の直前で合流する。搬送路47を通過したシートSは、レジストローラ48により画像形成部5へ送り出され、画像形成部5内でトナー像が定着されていない面にトナー像の転写がなされる。その後、定着ユニット6により新たに転写されたトナー像のシートSへの定着がなされる。最後に、シートSは排出ローラ71により排紙トレイ72上に排紙されることとなる。
図6に関連して説明されたデジタル複写機1に対して、図1に示された規制機構650が適用されたが、図5に示される規制機構650が適用されてもよい。また、間欠式にシート束Tの浮揚を規制することが可能な他の構造を備える規制機構が適用されてもよい。