JP5652985B2 - 反応容器およびそれを用いる真空断熱装置 - Google Patents

反応容器およびそれを用いる真空断熱装置 Download PDF

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Description

本発明は、流体を化学反応させるための反応容器およびその反応容器を収容してなる真空断熱装置に関するものである。
近年、精密加工技術の進歩発展により、マイクロテクノロジーとよばれる新しい概念が登場してきた。特に、微小空間を活用して、液体や気体を高速、高精度で制御し反応させるマイクロ化学システムは、反応・分析の効率化・高速化のための革新的な技術としてだけでなく、新反応系の場としても注目を集めている。
このマイクロ化学システム(プラント)は、マイクロ加工技術によってつくられた幅数μmから数百μmのマイクロ流路を基本に、各種のマイクロ反応器(マイクロリアクター等)の機能デバイスから構成されるシステムである。そして、このマイクロ化学プラントは熱移動や物質移動速度が格段に大きく、化学反応の効率を飛躍的に増大させる可能性が指摘されているとともに、化学反応を効率良く維持させるためには、各種マイクロ反応器を周囲から断熱した状態で保持することが重要となる。
一方、このマイクロ化学システムを、例えば携帯機器用のシステムとして採用するにあたっては、反応容器内部は原料反応に必要な高い温度を安定維持しつつ、反応容器収容用容器パッケージの外部は、携帯性に問題がない程度の低い温度に保つことが要求されると同時に、小型化、低背化および安全性に優れることが求められる。
それゆえ、例えば、反応容器収納用容器内部を真空状態にすることにより、反応容器内で発生する熱の外部への伝導を遮断し、発電損失の少ないマイクロ反応器システムおよびそれに用いる断熱容器が提案されるとともに、該断熱容器で用いる反応容器が提案されている。
特開2005−259354号公報
しかしながら、例えば、反応容器収納用容器内部を真空状態(大気圧よりも減圧された状態)にした断熱容器において、反応容器内は大気圧の状態で保持されるため、反応容器内と反応容器収納容器内部に気圧の差が生じる。
そして、反応容器内と反応容器収納容器内部、言い換えれば反応容器の内部と外部の間で発生する差圧により、反応容器の材料の変形、破壊が発生し、そのために、真空断熱パッケージ内の断熱性低下が発生するという問題点があった。
特に、反応容器が、蓋体と基体から構成されている場合において、例えば蓋体と基体がそれぞれ反応容器収納用容器に直接接合されている場合や、支持体等を介して接合されている場合に、蓋体と基体の接合部に破壊が生じ、そのため、真空断熱パッケージ内の断熱性低下が発生するという問題点があった。
本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、反応容器の内部と外部で気圧の差が生じた場合においても、変形や破壊が生じることの少ない反応容器を提供することにある。より詳しくは、反応容器の内部と外部で気圧の差が生じた場合においても、蓋体に変形が生じることを防止できるとともに、蓋体と基体の接合が剥離することがない反応容器を提供することにある。さらには、そのような反応容器を収容した真空断熱装置を提供することにある。
本発明の反応容器は、反応前の流体が導入される供給口と反応後の流体が排出される排出口とを有する基体と、該基体上に設けられており、前記基体に接合された接合部と該接合部上に位置する側部と該側部を覆っている天部とからなる蓋体とを備え、マイクロ化学システムを収容するためのもので、真空断熱装置の反応容器収納部に収納されるものであり、該反応容器収納部を真空としており、前記蓋体と前記基体との材料の熱膨張率の差が10ppm/℃以内であり、前記基体に接合された前記接合部の厚みが、前記側部および
前記天部の厚みよりも薄いことを特徴とするものである。
また、本発明の反応容器は好ましくは、前記蓋体が、外端部で前記基体と接合されることを特徴とするものである。
また、本発明の反応容器は好ましくは、前記接合部が、前記側部より外側へ突出した部位を有しており、該突出した部位の外端部で前記基体と接合されることを特徴とするものである。
また、本発明の真空断熱装置は、上記のいずれかに記載の反応容器が収納されてなることを特徴とするものである。
本発明の反応容器は、反応前の流体が導入される供給口と反応後の流体が排出される排出口とを有する基体と、基体上に設けられており、基体に接合された接合部と接合部上に位置する側部と側部を覆っている天部とからなる蓋体とを備え、マイクロ化学システムを収容するためのもので、真空断熱装置の反応容器収納部に収納されるものであり、反応容器収納部を真空としており、蓋体と基体との材料の熱膨張率の差が10ppm/℃以内で
あり、基体に接合された接合部の厚みが、側部および天部の厚みよりも薄いことを特徴としたことから、反応容器の内部と外部に気圧の差が生じる場合においても、蓋体に変形が生じることを防止できるとともに、蓋体と基体の接合が剥離することが抑制される。
すなわち、本発明の反応容器において、蓋体の厚みが、基体と接合される接合部よりも厚い構成としたことから、反応容器の内部と外部で生じる気圧の差を起因として、蓋体の非接合部で変形が生じることを、効果的に防止することができる。
なお、この蓋体の厚みについては、反応容器の内部と外部の気圧の差や、反応容器収納用容器の大きさ等を勘案して、適宜決定すればよい。
またあわせて、本発明の反応容器において、蓋体の基体と接合される接合部は、非接合部に比べて厚みが薄い構成としたことから、蓋体と基体を溶接した際の応力を緩和することができる。
それゆえ、応力が緩和されたことから、蓋体と基体が強固に接合することができ、反応容器の内部と外部で生じる気圧の差を起因として、蓋体の接合部が剥離することを、効果的に防止することができる。
また、本発明の反応容器は好ましくは、蓋体が、外端部で基体と接合されることから、反応容器の内部に配置される反応空間を効果的に確保することができる。
さらに、蓋体が、外端部で基体と接合されることから、蓋体と基体の接合部を大型化する必要がなく、小型化が可能な反応容器とすることができる。
また、本発明の反応容器は好ましくは、接合部が、側部より外側へ突出した部位を有しており、突出した部位の外端部で基体と接合されることから、蓋体と基体をより強固に接
合できる。さらに、蓋体と基体の接合部位を、蓋体の外端部としたことから、蓋体と基体の溶接の応力緩和に余裕が生じることとなる。従って、蓋体と基体が、より確実に接合(溶接)することができる。
また、本発明の真空断熱装置は、上記のいずれかに記載の反応容器が収納されてなることから、変形や破壊が生じることの少ない反応容器を収納することにより、断熱性に優れた真空断熱装置を提供することができる。
本発明の反応容器および真空断熱装置の実施形態の一例を以下に詳細に説明する。
図1(a)は本発明の真空断熱装置Xの実施の形態の一例を示す断面図、図1(b)は図1(a)で収納した反応容器の部分拡大図である。
これらの図において、1は反応容器Yの蓋体、2は反応容器Yの基体、3は反応容器収納部、4aは反応容器Yに反応物質を供給するための供給管、4bは反応容器Y内で反応した生成物を排出するための排出管、5は反応容器Yの接合部、6は真空断熱装置Xの蓋体、7は真空断熱装置Xの基体であり、真空断熱装置Xは、蓋体6と基体7を接合し、反応容器収納部3に反応容器Yを収納して形成される。
反応容器Yの蓋体1および基体2は、反応容器の内部に配置されるマイクロ流路等(図示せず)を収容するための空間を効果的に確保する役割を有する。
反応容器Yの蓋体1および基体2は、例えば、SUS、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等のFe系合金や、無酸素銅等の金属材料、酸化アルミニウム(Al2O3)質焼結体、ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,窒化珪素(Si3N4)質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミック材料、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料等で形成されている。そして、蓋体1と基体2を接合した際に、接合した容器が充分な気密が確保できる組み合わせの材料が望ましい。
例えば、反応容器Yの蓋体1および基体2が、相対密度が95%以上の緻密質の酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合は、例えば、まず酸化アルミニウム粉末に希土類酸化物粉末や酸化アルミニウム粉末等の焼結助剤を添加、混合して、酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末を調製する。次いで、この原料粉末に有機バインダおよび分散媒を添加,混合してペースト化し、このペーストをドクターブレード法によって、あるいは原料粉末に有機バインダを加え、プレス成形,圧延成形等によって、所定の厚みのグリーンシートを作製する。その後、所定枚数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を、例えば非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が1200〜1500℃の温度で焼成して、目的とするセラミック製の蓋体1および基体2を得る。なお、蓋体1および基体2の成形は粉末成形プレス法であっても良い。
また、反応容器Yの蓋体1および基体2が金属材料から成る場合は、好ましくは、蓋体1と基体2とをプロジェクション法、シームウェルダー法、電子ビーム法、レーザービーム法等により接合(溶接)される。
また、反応容器Yの蓋体1および基体2が金属材料から成る場合には、腐食を防止するためにその表面は、例えばAu、Niのめっき処理や、ポリイミド等の樹脂コーティング等の被覆コーティング処理が行なわれることが望ましい。例えばAuめっき処理の場合であれば、その厚さは0.1〜5μm程度であることが望ましい。
また反応容器Yに接合される供給管4aおよび排出管4bは、それぞれ原料の供給路および生成物の排出路である。これらは、例えば、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、SUS等の金属材料、Al2O3質焼結体、3Al2O3・2SiO2質焼結体、SiC質焼結体、AlN質焼結体、Si3N4質焼結体,ガラスセラミック焼結体等のセラミック材料、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料、または、ガラスで形成される。
そして、これら蓋体1、基体2から構成される反応容器Yは、真空断熱装置Xの蓋体6、真空断熱装置Xの基体7を接合し、反応容器収納部3に収納され、真空断熱装置Xとなる。
なお真空断熱装置Xの蓋体6および基体7は、上記反応容器Yの蓋体1および基体2と同様の成分により作製され、金属材料から成る場合は、切削法、プレス法、MIM(Metal Injection Mold)法等により所定の形状に形成される。
そして、真空断熱装置Xは、断熱性に優れた真空断熱装置とするため、反応容器収納部3を真空とする。
この時、真空断熱装置Xの内部に収納する反応容器Yとの間、すなわち反応容器収納部3が大気圧よりも低く、かつ反応容器Yの内部が大気圧に保持された状態になった場合、反応容器Yを構成する蓋体1と基体2の内側と外側で圧力差が発生する。そして、この圧力差が起因となって、反応容器Yの蓋体1に変形や破壊が生じることがある。
それゆえ、この圧力差による応力により、反応容器Yの蓋体1および基体2に変形、破壊が発生するのを防止するために、反応容器Yの蓋体1は、その厚みを、基体2との接合部の厚みが、非接合部の厚みよりも薄い構成とする。すなわち、蓋体1の基体2との非接合部の厚みを、接合部の厚みより厚く作製し、前記圧力差での発生する応力による変形、破壊の発生防止をはかる。
そして、接合部の厚みと非接合部の厚みは、好ましくはその比率が1:1〜1:2の範囲となるようにして作製することが好ましい。接合部の厚みと非接合部の厚みの比率が、1:2の厚み差より大きくなった場合、すなわち、接合部の厚みが薄すぎる際には、反応容器Yの蓋体1と基体2を接合した部位の応力に対し、蓋体1の接合が強度不十分となり、変形、破壊が発生してしまうおそれがある。
また、反応容器Yの蓋体1と基体2は、好ましくは蓋体1の外端部で基体2と接合されることから、反応容器の内部に配置される反応空間を効果的に確保することができる。
また、反応容器Yの蓋体1と基体2の接合を、蓋体1の外端部で接続するため、蓋体1と基体2の溶接の応力緩和に余裕が生じることとなる。従って、蓋体1と基体2が、より確実に接合(溶接)することができる。
さらに、反応容器Yの蓋体1と基体2は、反応容器の内部に配置されるマイクロ流路等を、収納するための空間を効果的に確保するとともに、反応容器Yの蓋体1と基体2をより強固に接合するため、蓋体1に接合部5を設けている。すなわち、接合部5において、蓋体1と基体2が断面視にて平行な状態で接合されるため、蓋体1と基体2を強固に接合することができる。
また、蓋体1に接合部5を設けるにあたっては、蓋体の接合部分をL字に加工することで作製できる。そして、この接合部5の厚みを薄くすると、接合部5をL字に加工する際のR値を小さくすることができる。このR値を小さくしたことにより、蓋体1と基体2の接点部分の隙間を小さくすることができ、それにより反応容器のいわゆるデットスペースを小さくすることができ、反応率の低下を防止することができる。
なお、蓋体1および基体2は、反応容器Yの小型化、低背化を可能とするために、厚さを薄くするのが好ましいが、蓋体1および基体2の強度を維持すべく、機械的強度である曲げ強度は200MPa以上とするのが好ましい。
また、反応容器Yの蓋体1と基体2は、上記にあげた材料を適宜選択して用いることにより作製されるが、蓋体1と基体2の接合部の、変形、破壊を防止すべく、蓋体1と基体2の材料の熱膨張率の差が10ppm/℃以内となるように、適宜選択することが好ましい。なお、この場合においては、蓋体1と基体2の材料の熱膨張率の差が10ppm/℃以内とするにあたって、材料を1種類としても、2種以上としてもよい。蓋体1と基体2の材料の熱膨張率の差が、10ppm/℃より大きい場合には、反応容器での反応時の発熱により発生する、蓋体1と基体2の熱膨張率差により応力が発生し、その応力により、反応容器の接合部が、変形、破壊される可能性が高まる。それゆえ、蓋体1と基体2は、同一材料にて作製されることが好ましい。
さらに、反応容器Yを構成する蓋体1および基体2は、熱伝導率120W/mK以下の金属材料あるいは非金属材料から作製されることが好ましい。反応容器Yを構成する蓋体1および基体2が熱伝導率120W/mK以下から構成されることから、反応容器Yの内側の熱を外側に伝わるのを抑制して、反応容器表面の温度が上昇するのを有効に防止することが可能となる。
そして、上記に従って作製される反応容器Yは、真空断熱装置Xの蓋体6、真空断熱装置Xの基体7を接合し、反応容器収納部3に収納され、真空断熱装置Xとなる。
なお、真空断熱装置Xの蓋体6および基体7は、それぞれ、反応容器Yの蓋体1および基体2と同様にして作製される。
また、反応容器収納部3が、大気圧より低い圧力、好ましくは真空に保持されていることで、真空断熱装置Xの外側への伝熱が抑制される。それゆえ、真空断熱装置Xの表面温度の上昇を抑制できることから、真空断熱装置Xは長期に安定かつ安全に使用することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、図1(a)に示した例においては、反応容器Y内の反応を促進する熱源供給のための電極や、電極をつなぐためのリード端子を有してもよい。
(a)本発明の真空断熱パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)はその部分拡大図である。
符号の説明
1・・・反応容器Yの蓋体
2・・・反応容器Yの基体
3・・・反応容器収納部
4a・・供給管
4b・・排出管
5・・・接合部
X・・・真空断熱装置
Y・・・反応容器

Claims (4)

  1. 反応前の流体が導入される供給口と反応後の流体が排出される排出口とを有する基体と、該基体上に設けられており、前記基体に接合された接合部と該接合部上に位置する側部と該側部を覆っている天部とからなる蓋体とを備え、
    マイクロ化学システムを収容するためのもので、真空断熱装置の反応容器収納部に収納されるものであり、該反応容器収納部を真空としており、
    前記蓋体と前記基体との材料の熱膨張率の差が10ppm/℃以内であり、
    前記基体に接合された前記接合部の厚みが、前記側部および前記天部の厚みよりも薄いことを特徴とする反応容器。
  2. 前記蓋体が、外端部で前記基体と接合されることを特徴とする請求項1に記載の反応容器。
  3. 前記接合部が、前記側部より外側へ突出した部位を有しており、該突出した部位の外端部で前記基体と接合されることを特徴とする請求項2に記載の反応容器。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の反応容器が収納されてなることを特徴とする真空断熱装置。
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