JP5654757B2 - 炭化水素吸着用フィルタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素吸着用フィルタ装置、特に空気フィルタ装置に関する。
従来より、空気フィルタ装置、特に燃料タンクのベント通路に設けられるフィルタ装置は良く知られており、このフィルタ装置は、炭化水素を大気中に漏出しないように吸着する役割を果たす。特に活性炭を含むフィルタエレメントは、ここでは炭化水素を吸着するために用いられる。そして、上記フィルタエレメントは、逆洗プロセスによって再生することが可能である。この逆洗プロセスは、フィルタ装置に接続され且つ連通する内燃機関によって実現される。この逆洗プロセスにおいて除去された炭化水素成分は、内燃機関に供給されて燃焼される。
しかしながら、この種の確立された空気フィルタ装置は、内燃機関へと繋がるラインと、燃料タンクへと繋がるラインとで圧力が異なること、及び、内燃機関に入る炭化水素の比率が異なることに起因して、内燃機関の正確な制御が困難になるという問題がある。同時に、公知のフィルタ装置では、吸着及び放出は軸方向において起こるため、ある程度の装置高さが必要になるという問題がある。
本発明は、フィルタ装置の構成に工夫を凝らすことで、エンジン制御の簡略化を図りながら、フィルタ装置のコンパクト化を図ろうとすることにある。
上記の課題は、請求項1の発明特定事項によって解決される。より好ましい実施形態は、従属請求項の発明特定事項によって示される。
本発明は、炭化水素吸着用フィルタ装置の一般的概念に基づくものであり、このフィルタ装置は、活性炭を保持した少なくとも一つのフィルタエレメントを内部に有するフィルタハウジングと、上記フィルタエレメントに対して付勢された端板とを備え、上記端板は、上記フィルタエレメントの一側に配設され、上記フィルタエレメント及び端板間に、フィルタ部材が配設され、更に上記端板は、上記フィルタ部材及び上記フィルタハウジングと共に、流路構造に形成されており、上記流路構造は、上記フィルタエレメントと上記端板とが対向する方向に垂直な方向に開口した一つの流入口に接続された流入通路を有し、上記端板と上記フィルタ部材との間における上記流入通路とは分離された位置に、上記対向方向に開口した一つの放出口に接続されかつ上記端板及び上記フィルタ部材により構成された放出通路が設けられ、上記流入通路と上記放出通路とは、上記フィルタエレメント及び上記フィルタ部材を介してのみ接続されている。本発明では、上記端板が、従来の公知の端板よりも高く形成され、これにより、従来は放出口が流入口と同様に軸方向の一側(つまり端板の前側)に配設される必要があったものを、端板の流路構造により、側方からの流入又は放出を実現することができる。通常運転及び逆洗運転の間、放出が端板の側方(横方向)に位置するように、流入及び放出の概念を変更することができる。炭化水素と共に供給された空気は、側方の流入口を通過して、端板内の流入通路に流入し、そこから、その形状にしたがって分散される。炭化水素と共に供給された空気は、流入通路を介してフィルタエレメント及びフィルタ部材を通過した後に放出通路へ向かい、そこから端板において軸方向へと流れる。したがって、流入通路及び放出通路同士を直接連結する接続通路は存在しない。すなわち、バイパス管は必要とせず、フィルタエレメント及び該エレメントに含まれる活性炭並びにフィルタ部材のみによって流入通路と放出通路とが互いに接続されることとなる。炭化水素蒸気の内部バッファを設けることによって、フィルタ装置から放出されて内燃機関へと向かう炭化水素蒸気が一定の混合率を示すこととなるので、エンジン制御を簡略することができる。
また、本発明では、上記フィルタエレメント及び上記端板間に、フィルタ部材(特にフリース)が配設されている。このフィルタ部材は、ガス漏れしない方法で、フィルタエレメントと対向する領域で、端板における軸方向前側の面に接着又は溶着によって接続される。それによって、正確に規定された、実質的に径方向に延びるバッファ空間を、端板における流入通路と放出通路との間に形成することができる。炭化水素と共に供給される燃料蒸気は、バッファ空間の長さ方向に沿ってフィルタエレメント内を流れる、つまり活性炭内を流れることを強いられる。これによって、フィルタエレメント内に最小拡散経路を設定することができる。
本発明における更に有利な実施形態では、上記端板は、プラスチック(特にプラスチックの射出成形品)によって構成されている。この射出成形品は、最小の部品コストでもって柔軟な製造が可能であり、これにより、射出成形機の簡単な調整によって設計変更に対応することができる
本発明の更なる重要な特徴及び有利な効果は、従属請求項、図面、及び、図面の簡単な説明において示されている。
上述した特徴及び以下で述べる特徴は、本発明の範囲から逸脱しない限り、前述の組合せだけでなく、他の組合せ、又は、独立した構成を採用することができる。
本発明の好ましい実施形態は、図面に示されるとともに、以下の説明において、更に詳細に記載されている。以下の説明において、同じ構成要素、又は、機能的に同じ若しくは類似の構成要素に対しては同一の符号を付するものとする。
本発明に係るフィルタ装置の断面図である。 端板を示すA−A線断面図である。 端板を示すB−B線断面図である。
図1に示すように、本発明に係るフィルタ装置1は、活性炭を有する少なくとも一つのフィルタエレメント3を内部に有するフィルタハウジング2を備えている。図1の下部に示すように、少なくとも一端部において、端板4がフィルタハウジング2内に設けられおり、端板4は、フィルタエレメント3に対してバネ機構5を介して付勢されている。特に図2を参照すると、端板4は、フィルタエレメント3(実際には、後述のフィルタ部材12)及びフィルタハウジング2と共に、一つの半径方向流入口6及び少なくとも一つの軸方向放出口7を有する流路構造に形成されており、これら流入口6及び放出口7は、互いに離れていてフィルタエレメント3及び後述のフィルタ部材12を介してのみ接続されている。流入口6には、流入通路8が接続されている(図2参照)。同様に放出口7には、放出通路9が連通接続されている。図1によれば、炭化水素と共に供給される空気流の流れの方向が、該流れの矢印10によって示されている。原理的には、流れの方向を逆転できることは明らかであり、このことは、流入口6が放出口7になり得るし、またその逆も成立することを意味している。
図2を参照すると、端板4は、特にシールリップの形態をしたシール輪郭11を有しており、このシール輪郭11は、フィルタハウジング2と協働して、流入口6及び放出口7を流体的に互いに隔てるように構成されている。シール輪郭11は、フィルタハウジング2と協働して、燃料を集積し且つ該集積した燃料を逆洗プロセス中に放出することができる燃料トラップ17を形成している。シール輪郭11は、端板4に一体形成することが好ましく、端板4上に射出成形されるか、又は端板4と一体成形される。シール輪郭11は、端板4と同じ材料(例えばプラスチック)により製造されることが好ましい。フィルタエレメント3及び端板4の間には、フィルタ部材12が、特にフリースの形態で配設されている。フィルタ部材12は、特に領域15にて、端板4における軸方向前側の面に接着又は溶着により接続されている。好ましい溶着方法、すなわち振動溶着によって、フリース又はフィルタ部材12が端板4に固定され、これにより、端板4の高さを所定高さにすることができる。端板4のほぼあらゆる形状を実現することは技術的に可能であるが、実際には、全ての形状が振動溶着プロセスに適しているというわけではない。図1乃至図3では、そうして最適化された端板4が示されている。
本発明に係るフィルタ装置1は、例えば燃料タンクのベント通路に配置することができて、エンジン接続口13及びタンク接続口14を有する。燃料と共に供給される空気は、流入通路8及び放出通路9間ばかりでなく、フィルタエレメント3及びフィルタ部材12内を、少なくとも、バッファ空間lとして設計された長さlに沿って流れなくてはならない。このバッファ空間lは少なくとも12mmであり、好ましくは15mm以上とされる。このような端板4の構造によって、燃料空気の、側部からの流入及び軸方向からの放出を実現することができるとともに、流入通路8及び放出通路9を、概ね自由に選択して配置することができる。
このような構成により、活性炭粒状体を粉砕しないように圧縮するバネ機構5はもはや、フィルタ装置1の新鮮な空気の側に配置する必要がなくなり、このことで水分による腐食の影響をもはや受けなくなるので、バネ機構5をより費用対効果が大きい金属材によって製造することができる。本発明によれば、端板4の側壁(横方向の壁)から炭化水素蒸気を供給するようになっているので、バネ機構5は大気中の水分から保護されている。理想的には、フィルタ装置1は、装置1内の炭化水素を重力によって封止することができるように、鉛直に立てて装着することが好ましい。さらに、フィルタ装置1を鉛直に立てて装着する際には、フィルタエレメント3の上端部に新鮮な空気の接続口を設けるようにすれば、フィルタ部材及び新鮮な空気の接続口を水しぶきから保護することができる。必要であれば、フィルタ装置1を、僅かに傾斜して装着するようにしてもよい。しかしながら、径方向の流入口6は、そこにおいて液滴となり得る燃料が流れるように配置する必要がある。
フィルタエレメント3の洗浄中に空気が燃料タンクから漏出するのを防止するために、泡容器16の上側にバルブが配置されている。
図3を参照すると、燃料蒸気は、流入口6を経由して端板4内に流入するとともに、そこから、該端板4の上側に配置されたエレメント3に分散される。フィルタ装置1は、流入通路8とは分離された放出口7及び放出通路9を介して、例えば内燃機関に接続される。図3において明らかなように、フィルタ部材12は、流入通路8及び放出通路9間の領域15において、端板4に例えば接着により接続される。
図1に示すように、フィルタ装置1は、その右側に、燃料縮合物を集積させて随時放出することが可能ないわゆる泡容器16を更に備えることが可能である。泡容器16と流入口6との間には、付加的な燃料トラップ17′が設けられており、該燃料トラップに、少なくとも逆洗プロセスに至るまでの間、燃料を集めることが可能になっている。
図1に示すフィルタ装置1の接続口13,14及びその他の空間は、泡容器16内の泡立っている燃料が、重力にしたがって下方に流出するように又は下部領域において集合するように配置されており、これにより、燃料をタンク内に戻すことができる。新鮮な空気の入口は水しぶきから保護されることが好ましく、また、泡容器16は鉛直に配置されることが好ましいので、泡容器16からフィルタエレメント3への接続部としての接続通路が必要である。この構成では、上記接続通路は、同時に付加的な燃料トラップ17′として機能する。そこに集積された燃焼は、徐々に気化されるので、これによって、放出タンクが必要ではなくなる。
本発明によるフィルタ装置1では、流入口6及び放出口7間のバイパス管がもはや必要ではなくなるために、予め決めることが可能な正確な混合形成が可能となり、このことで、エンジン制御が単純化される。より詳しくは、炭化水素は、供給される混合気を内燃機関の運転中に均質化することが可能なフィルタエレメント3において、ある一定の割合で連続的に貯留される、つまり緩衝される。同時に、端板4の側方の流入口6は、従来では比較にならない実施形態及び設計構造を可能として、フィルタ装置1をより一層コンパクトな構成とすることができる。

Claims (6)

  1. 炭化水素吸着用フィルタ装置(1)であって、
    活性炭を含む少なくとも一つのフィルタエレメント(3)を内部に有するフィルタハウジング(2)と、
    上記フィルタエレメント(3)に対して付勢された端板(4)とを備え、
    上記端板(4)は、上記フィルタエレメント()の一側に配設され
    上記フィルタエレメント(3)及び端板(4)間に、フィルタ部材(12)が配設され、
    更に上記端板(4)は、上記フィルタ部材(12)及び上記フィルタハウジング(2)と共に、流路構造に形成されており、
    上記流路構造は、上記フィルタエレメントと上記端板とが対向する方向に垂直な方向に開口した一つの流入口(6)に接続された流入通路(8)を有し、
    上記端板(4)と上記フィルタ部材(12)との間における上記流入通路(8)とは分離された位置に、上記対向方向に開口した一つの放出口(7)に接続されかつ上記端板(4)及び上記フィルタ部材(12)により構成された放出通路(9)が設けられ、
    上記流入通路(8)と上記放出通路(9)とは、上記フィルタエレメント(3)及び上記フィルタ部材(12)を介してのみ接続されていることを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
  2. 請求項1記載の炭化水素吸着用フィルタ装置において、
    上記端板(4)は、上記端板(4)の側方に位置する上記フィルタハウジング(2)と協働して、上記端板(4)の側壁に配設された上記流入口(6)と、上記端板(4)における上記フィルタエレメントと対向する部分に配設された上記放出口(7)とを互いに流体的に隔てるシール輪郭(11)を有していることを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
  3. 請求項1又は2記載の炭化水素吸着用フィルタ装置において、
    上記フィルタ部材(12)は、上記端板(4)に接続されていることを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の炭化水素吸着用フィルタ装置において、
    上記フィルタ装置(1)は、タンクのベント通路に配設されることを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
  5. 請求項2記載の炭化水素吸着用フィルタ装置において、
    上記フィルタ装置(1)は、燃料タンクのベント通路に配設され、
    上記シール輪郭(11)は、上記端板の側方に位置する上記フィルタハウジング(2)と共に、燃料を集積する燃料トラップ(17)を形成することを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の炭化水素吸着用フィルタ装置において、
    上記流入通路(8)と上記放出通路(9)との間には、炭化水素蒸気がフィルタエレメント(3)及び上記フィルタ部材(12)内を流れるようにするバッファ空間(l)が設けられており、
    上記バッファ空間(l)の上記対向方向に垂直な方向の長さは、少なくとも12mmであることを特徴とする炭化水素吸着用フィルタ装置。
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