JP5677925B2 - 屋根棟 - Google Patents

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本発明は、強い風雨、地震、屋根裏の湿気、高温から建物を省エネ的に守る構造を有し、しかも震災などで損壊した場合にも迅速に修復できる屋根棟に関する。
図8は従来の屋根棟の構造の説明図である。図8に示されるように、従来の屋根棟100は、例えば、屋根葺き材103に棟板102が固定され、この棟板102に棟板102を覆うようにして棟カバー101が釘等で固定されているものである。なお、屋根葺き材103は、野地板104に固定され、この野地板104は、たる木105に固定され、このたる木105は、棟木106に固定されているものである。
上記従来の屋根棟は、棟カバー101を、棟板102に釘等で固定したものなので、強度不足であり、強風や地震で損壊することも少なくない。さらに、棟は一番傷みやすい部分でもある。特に棟板102は木製なので、結露等により劣化し、やせたり腐ったりして釘が浮いて効かなくなることがある。特に、今次の東北関東大震災において、その弱点が目立ち、損壊した家屋も少なくなかった。さらには、雨の浸入を防ぐ目的のため、棟カバー101を密閉してしまうので換気が出来ず、屋根裏に湿気や熱気がこもり易くなってしまうものでもあった。
本発明の目的は、屋根棟の強度が得られ、雨水の浸入を防ぎ、換気ができ、かつ、簡単・迅速に施工ができ、台風や地震にも十分な耐久性を有し、さらには、東北関東大震災で損壊した屋根棟も非常に迅速な修復を可能にする屋根棟を提供することである。
上述の課題を解決するための手段は以下の通りである。
(1)屋根の棟部に設けられる棟板2と、
この棟板2を棟木6に固定するためのボルト7と、
前記棟板2の少なくとも上面部を覆うようにして該棟板2に取り付けられる棟カバー1とを有し、
前記棟板2は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される折り曲げ線を境に屋根形状に合わせて左右に折り曲げられ、かつ、前記折り曲げ線上もしくはその近傍に、前記ボルト7を通すボルト穴21と、排気穴22とが1又は2以上形成されたものであり、
前記棟カバー1は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される基準線に沿って断面が上方に向けて膨らむ形状に形成された頂部11と、この頂部11の左右を下方に向けて延長して形成された側面部12と、この側面部12の下部を内側上方に向けて折り返して形成された折り返し部13と、前記頂部11の内側に下方に向けて取り付けられるとともに前記ボルト7の上部を挿入できるように筒状に形成されたヘッドキャップ14とを備えたものであり、
前記ボルト7は、棒状をなしたもので、その先端部にネジ部72が形成され、中間部にフランジ部71が設けられたものであって、
前記棟板2を屋根の棟部に配置し、前記ボルト7を棟板2のボルト穴21を通じて棟木6にそのネジ部72をねじ込むことにより固定し、前記ボルト7の上部からスプリング73を嵌め込み、前記棟カバー1のヘッドキャップ14を前記ボルト7の上部に差し込み、前記スプリング73が前記ヘッドキャップ14の下端部と前記フランジ部71とによって圧縮される状態で前記棟板2の端部24が前記棟カバー1の折り返し部13の上面に重なるように配置することによって、前記棟板2及び棟カバー1を固定するようにしたことを特徴とする屋根棟。
(2)前記棟カバー1の長手方向の端部には排気部15が設けられ、この排気部15に対応する位置における前記棟カバー1の内部には可動板16が前記棟カバー1の内部に近接して設けられており、
前記排気部15は複数の固定排気穴15aが形成されたものであり、
前記可動板16は、前記棟カバー1の排気部15の内側に固定された回転軸16bに回転可能に取り付けられたものであり、かつ、前記排気部15の複数の固定排気穴15aに対応する複数の可動板排気穴16aが形成されたものであり、かつ、その下部には、一端が屋根棟100の固定部に固定されたバイメタル17の可動端が固定されたものであり、
前記バイメタル17は、前記棟カバー1内の温度に依存して、前記可動板16の回転方向の位置を制御することによって、前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとの重なり度合いを制御し、前記棟カバー1内の温度に依存して前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとを通じての排気度合いを自動的に制御するものであることを特徴とする(1)に記載の屋根棟。
上述の手段(1)によれば、棟板2及び棟カバー1を金属板で構成し、これらをボルト7によって棟木6に直接固定することを可能にしたので、極めて強固な固定が可能になり、しかも、棟板2及び棟カバー1を金属板で構成することによって強度や耐久性が高くかつ雨水の浸入防止を容易にし、台風や地震にも十分な耐久性を有するものにしている。しかも、棟板2に換気穴を設けたことにより、従来は不可能であった換気ができるようになった。さらには、ボルト7を棟木6にねじ込んで、棟板2の端部24を棟カバー1の折り返し部13の上面に重なるように配置するだけであるから、非常に簡単・迅速に施工ができる。したがって、修復が急務であるにもかかわらず、いまだ修復ができていない東北関東大震災で損壊した屋根棟の修復に利用すれば、非常に迅速な修復ができるので、きわめて有用である。また、上述の手段(2)によれば、電気等を全く消費することなく適切な換気ができるので、極めて省エネ的であり、地球温暖化阻止のエコ運動にも貢献可能となる。
本発明の実施例にかかる屋根棟の構造を示す断面図である。 本発明の実施例にかかる屋根棟の外観図である。 棟板2の平面図である。 棟板2の断面図(図3のIV−IV線断面図)である。 本発明の実施例2にかかる屋根棟の外観図である。 本発明の実施例2にかかる屋根棟の構造を示す断面図(図5のVI−VI線断面図)である。 可動板16の説明図である。 従来の屋根棟の構造説明図である。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1にかかる屋根棟の構造を示す断面図(図2のI−I線断面図)であり、図2は、本発明の実施例1にかかる屋根棟の外観図であり、図3は棟板2の平面図であり、図4は棟板2の断面図(IV−IV線断面図)である。以下、これらの図面を参照にしながら本発明の実施例1にかかる屋根棟を説明する。
本実施例にかかる屋根棟100は、屋根の頂上部である棟部に設けられる棟板2と、この棟板2を棟木6に固定するためのボルト7と、前記棟板2の少なくとも上面部を覆うようにして該棟板2に取り付けられる棟カバー1とを有する。
前記棟板2は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される折り曲げ線を境に屋根形状に合わせて左右に折り曲げられ、かつ、前記折り曲げ線上もしくはその近傍に、前記ボルト7を通すボルト穴21と、排気穴22とが複数個形成されたものである。そして、なお、瓦屋根の場合には、瓦30に用いられる雨押さえ31を抑えるために、棟板2の端部24の近傍に、突起状の押出し受け爪23が設けられている。
金属板としては、例えば、厚さ1.2〜2.0mm(例えば1.6mm)程度の防錆鋼板であるボンデ鋼板などを用いることができる。また、ボルト穴21は、後述するボルト7の径に合わせた径とするが、7〜12mm(例えば9mmφ)程度の径の穴を形成しておく。また、排気穴22としては、20〜40mm(例えば30mmφ)程度の径とし、これらを設ける間隔は、200〜600mm(例えば450mm)程度にする。
前記棟カバー1は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される基準線に沿って断面が上方に向けて膨らむ形状に形成された頂部11と、この頂部11の左右を下方に向けて延長して形成された側面部12と、この側面部12の下部を内側上方に向けて折り返して形成された折り返し部13と、前頂部11の内側に下方に向けて取り付けられるとともに後述するボルト7の上部を挿入できるように筒状に形成されたヘッドキャップ14とを備えたものである。
このヘッドキャップ14は、筒状体を前記頂部11の内側形状にあわせた形状の鋼板に溶接し、この鋼板を前記頂部11の内側に溶接して形成したものである。したがって、この棟カバー1内を棟に平行して流れる空気の空気抵抗が小さい構造となっている。なお、金属板としては、例えば、厚さ0.3〜0.6mm(例えば0.4mm)程度のガルバリウム鋼板などを用いることができる。また、この実施例1においては、棟カバー1の長手方向の端部には排気筒8が取り付けられており、棟板2の排気穴21を通じて排気された熱気等がこの排気筒8を通じて外に排気されるようになっている。この排気筒8内には、防虫網81や遮水板82等が設けられている。
ボルト7は、鋼や鉄、銅等の金属の軸棒状のもので、その先端部にネジ部72が形成され、中間部にはフランジ部71が形成され、上端部には、ねじ込む際のインパクトレンチ等を係合させるための角部74が形成されたものである。フランジ部71は、例えば、ボルト71にワッシャーを嵌め込んで溶接して固定することによって形成してもよい。ボルト7の太さ及び長さは、屋根棟100の構造、あるいは、棟板2や棟カバー1の厚さや大きさに応じて決められるが、通常は、太さ7〜9mm(例えば9mm)程度、長さ150〜200mm程度であればよい。
ボルト7の上部には、後述するように、スプリング73がはめ込まれる。スプリング73は、ボルト7の太さ・長さ、棟板2や棟カバー1の大きさ、あるいは、屋根棟100の構造・大きさなどに応じて選定される。用いる材質も通常のスプリングに用いられる材質でよい。
前記棟板2及び棟カバー1は、以下のようにして固定される。すなわち、前記棟板2を屋根の棟部に配置し、前記ボルト7を棟板2のボルト穴21を通じて棟木6にそのネジ部72をねじ込むことにより固定する。次に、その上からスプリング73を嵌め込む。次に、前記棟カバー1のヘッドキャップ14を前記ボルト7の上部に差し込み、前記スプリング73が前記ヘッドキャップ14の下端部と前記フランジ部71とによって圧縮される状態で前記棟板2の端部24が前記棟カバー1の折り返し部13の上面に重なるように配置するようにする。
これにより、前記棟板2及び棟カバー1が棟木6に固定されることになる。なお、瓦屋根の場合には、瓦30に用いられる雨押さえ31が押出し受け爪23によって押さえられつつ、前記棟板2及び棟カバー1が棟木6にしっかりと固定されることになる。このとき、雨押さえ31がコーキング材32によって防水処理が施されるなどの通常の施工が行われることは勿論である。
上述の実施例1によれば、棟板2をボンデ鋼板で構成し、棟カバー1をガルバリウム鋼板で構成し、これらをボルト7によって棟木6に直接固定することを可能にしたので、極めて強固な固定が可能になり、しかも、棟板2及び棟カバー1をこれらの鋼板で構成することによって強度や耐久性が高くかつ雨水の浸入防止を容易にし、台風や地震にも十分な耐久性を有するものにしている。しかも、棟板2に換気穴を設けたことにより、従来は不可能であった換気ができるようになった。これにより、換気扇を設けることなく換気ができるので省エネに貢献し、エコの視点から極めて有用である。さらには、ボルト7を棟木6にねじ込んで、棟板2の端部24を棟カバー1の折り返し部13の上面に重なるように配置するだけであるから、非常に簡単・迅速に施工ができる。したがって、修復が急務であるにもかかわらず、いまだ修復ができていない東北関東大震災で損壊した屋根棟の修復に利用すれば、非常に迅速な修復ができるので、きわめて有用である。
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2にかかる屋根棟の外観図であり、図6は、本発明の実施例2にかかる屋根棟の構造を示す断面図(図5のVI−VI線断面図)であり、図7は、可動板16の説明図である。以下、これらの図面を参照にしながら本発明の実施例2にかかる屋根棟を説明する。
実施例2にかかる屋根棟100は、実施例1における屋根棟100の排気筒8を設ける代わりに、棟カバー1の端部を塞ぎ、そこに複数の固定排気穴15aを形成した排気部15を設け、この排気部15に対応する位置における前記棟カバー1の内部に、該棟カバー1に近接して可動板16を設けたものである。
前記排気部15は複数(数十個)の固定排気穴15aが形成されたものである。また、前記可動板16は、前記棟カバー1の排気部15の内側に固定された回転軸16bに回転可能に取り付けられたものである。また、前記可動板16には、前記排気部15の複数の固定排気穴15aに対応する複数の可動板排気穴16aが形成されており、さらに、その下部には、一端が屋根棟100の固定部に固定されたバイメタル17の可動端が固定されたものである。
前記バイメタル17は、前記棟カバー1内の温度に依存して、前記可動板16の回転方向の位置を制御することによって、前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとの重なり度合いを制御し、前記棟カバー1内の温度に依存して前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとを通じての排気度合いを自動的に制御するものである。前記バイメタル17としては、温度に依存して一方の端部が所定の距離動く周知のバイメタルを用いることができる。例えば、数十度の温度変化によって、一方の端部が数十mm程度移動するものであれば十分である。この実施例2によれば、電気等を全く消費することなく適切な換気ができるので、極めて省エネ的であり、地球温暖化阻止のエコ運動にも貢献可能となる。
本発明は、強い風雨、地震、屋根裏の湿気、高温から建物を省エネ的に守る構造を有し、しかも震災などで損壊した場合にも迅速に修復できる屋根棟を施工するときに利用できる。
1 棟カバー
2 棟板
3 コロニアル
4 下地ベニヤ
5 たる木
6 棟木
7 ボルト

Claims (2)

  1. 屋根の棟部に設けられる棟板2と、
    前記棟板2を棟木6に固定するためのボルト7と、
    前記棟板2の少なくとも上面部を覆うようにして該棟板2に取り付けられる棟カバー1とを有し、
    前記棟板2は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される折り曲げ線を境に屋根形状に合わせて左右に折り曲げられ、かつ、前記折り曲げ線上もしくはその近傍に、前記ボルト7を通すボルト穴21と、排気穴22とが1又は2以上形成されたものであり、
    前記棟カバー1は、長方形の金属板を、その長手方向の中心線又はこの中心線の近傍にこの中心線と平行な線として想定される基準線に沿って断面が上方に向けて膨らむ形状に形成された頂部11と、この頂部11の左右を下方に向けて延長して形成された側面部12と、この側面部12の下部を内側上方に向けて折り返して形成された折り返し部13と、前記頂部11の内側に下方に向けて取り付けられるとともに前記ボルト7の上部を挿入できるように筒状に形成されたヘッドキャップ14とを備えたものであり、
    前記ボルト7は、棒状をなしたもので、その先端部にネジ部72が形成され、中間部にフランジ部71が設けられたものであって、
    前記棟板2を屋根の棟部に配置し、前記ボルト7を棟板2のボルト穴21を通じて棟木6にそのネジ部72をねじ込むことにより固定し、前記ボルト7の上部からスプリング73を嵌め込み、前記棟カバー1のヘッドキャップを前記ボルト7の上部に差し込み、前記スプリング73が前記ヘッドキャップ14の下端部と前記フランジ部71とによって圧縮される状態で前記棟板2の端部24が前記棟カバー1の折り返し部13の上面に重なるように配置することによって、前記棟板2及び棟カバー1を固定するようにしたことを特徴とする屋根棟。
  2. 前記棟カバー1の長手方向の端部には排気部15が設けられ、この排気部15に対応する位置における前記棟カバー1の内部には可動板16が前記棟カバー1の内部に近接して設けられており、
    前記排気部15は複数の固定排気穴15aが形成されたものであり、
    前記可動板16は、前記棟カバー1の排気部15の内側に固定された回転軸16bに回転可能に取り付けられたものであり、かつ、前記排気部15の複数の固定排気穴15aに対応する複数の可動板排気穴16aが形成されたものであり、かつ、その下部には、一端が屋根棟100の固定部に固定されたバイメタル17の可動端が固定されたものであり、
    前記バイメタル17は、前記棟カバー1内の温度に依存して、前記可動板16の回転方向の位置を制御することによって、前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとの重なり度合いを制御し、前記棟カバー1内の温度に依存して前記排気部15の固定排気穴15aと前記可動板排気穴16aとを通じての排気度合いを自動的に制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の屋根棟。
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