JP5678376B2 - 車両用ドアラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ストライカと係合可能なラッチを備える車両用ドアラッチ装置に関する。
車両のバックドアに適用されるドアラッチ装置においては、図8に示すように、車両のバックドアに固定されるベースプレートAに、バックドアの閉鎖時に車体側のストライカBが進入する進入溝A1を形成すると共に、ストライカBと係合可能なラッチC及び当該ラッチCに係合することによりラッチCの回動を阻止するラチェットDがそれぞれ枢支される(例えば、特許文献1参照)。
ラッチCは、ベースプレートAの進入溝A1に進入したストライカBが係合する係合溝C1を有している。車両の衝突等によりラッチCとストライカB間に大きな力が作用した際のストライカBが当接するラッチCのアーム部C2の変形を最小限に止めるため、図9に示すように、ストライカBが当接するアーム部C2の後縁、すなわち係合溝C1の内縁C3は、係合溝C1の開口側(図9において左側)から奥側(図9において右側)に向かってストライカ進入溝A1の開口側(図9において下側)へ傾斜している。
特開2010−37781号公報
上述のようなドアラッチ装置においては、車両の衝突等によりラッチCに係合しているストライカBに矢印方向へ力F(図9参照)が作用すると、ストライカBは、ラッチCの係合溝C1の傾斜した内縁C3に沿って係合溝Cの奥側(図9において右側)に変位しつつ進入溝A1の開口側(図9において下側)に変位する。このように、ストライカBが進入溝A1の開口側へ変位すると、バックドアにボルトにより締結固定されるベースプレートAの固定部A2と力の作用点(ストライカBがラッチCに当接する点)との間の距離Lが長くなる。この結果、固定部A2に作用する力のモーメントが大きくなり、固定部A2及びその周辺の変形を助長させることとなる。
本発明は、上記課題に鑑み、ラッチとストライカ間に大きな力が作用した場合のベースプレートの変形を最小限に止めて強度の向上を図った車両用ドアラッチ装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、第1の発明は、車体またはドアのいずれか一方に固定され、他方のストライカが進入可能なストライカ進入溝を有するベースプレートと、前記ベースプレートに枢支され、前記ストライカ進入溝に進入した前記ストライカが係合可能な係合溝を有するラッチと、前記ラッチに係合して前記ラッチの回動を阻止するラチェットとを備え、前記ベースプレートは、前記ラッチの前記係合溝に係合している前記ストライカよりも前記ストライカの進入方向側へ所定距離離れた固定部分のみが前記車体またはドアに固定されるようにした車両用ドアラッチ装置において、前記ラッチの前記係合溝にあって、かつ前記ラッチに係合している前記ストライカが当接可能な部分を、前記係合溝の開口側から奥側に向かって前記ストライカ進入溝の開口側へ向けて傾斜する傾斜部と、当該傾斜部における前記傾斜する方向の端に連続し、前記ストライカ進入溝の開口側へ向けて傾斜しないで、前記ストライカの前記ストライカ進入溝への進入方向に対して直角をなし、かつ前記ストライカ進入溝の幅方向へ所定の長さを有する隆起部と、当該隆起部に連続する奥部とにより形成し、前記係合溝に係合している前記ストライカが、前記傾斜部から前記隆起部側へ移動して当該隆起部に当接すると共に、前記奥部にも当接することにより、前記所定距離が長くなるような前記ストライカの前記ストライカ進入溝の開口側への変位を阻止するようにする。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記ラッチは、金属板の表面を合成樹脂で被覆することにより形成され、前記隆起部は、前記合成樹脂で被覆しないで金属を露出する。
本発明は、ラッチの係合溝にあって、ストライカが当接可能な部分にストライカ進入溝の開口側へ向けて傾斜しないで、ストライカのストライカ進入溝への進入方向に対して直角又は傾斜部と反対側へ傾斜し、かつストライカ進入溝の幅方向へ所定の長さを有する隆起部を形成したことによって、ラッチとストライカ間に力が作用した場合、力の作用点とベースプレートにおけるドアに固定される固定部分との間の距離が離れるような、ストライカの変位を阻止することで、ベースプレートの固定部分を支点とするベースプレートの変形を抑止して、強度の向上を図ることができる。
本発明に係わるドアラッチ装置の側面図である。 同じく係合状態のときのドアラッチ装置の平面図である。 同じく離脱状態のときのドアラッチ装置の平面図である。 図2における矢印IV部の拡大図である。 ラッチの横断面図である。 図4と同様な部位の拡大図であって、ラッチとストライカ間に力が作用した場合のストライカの変位を示す説明図である。 図4と同様な部位の拡大図であって、本発明と従来技術とのストライカの変位を比較するための説明図である。 従来技術を説明するためのドアラッチ装置の平面図である。 図8における矢印IX部の拡大図である。 本発明に係わる第2実施例の要部(図4と同一部分)の拡大図である。 本発明に係わる第3実施例の要部(図4と同一部分)の拡大図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1における左方及び図2、3における下方を「前方」とし、図1における右方及び図2、3における上方を「後方」とする。
本実施形態のドアラッチ装置1は、車体後部に上下方向へ開閉可能に枢支されたバックドア(以下、ドアと記す)11に適用され、ドア11の下部パネルに固定される金属製のベースプレート2と、ベースプレート2に枢支され、車体12側に固定されたストライカ3と係脱可能なラッチ4と、ベースプレート2に枢支され、ラッチ4に係脱可能な金属製のラチェット5とを有する。
なお、本実施形態においては、ドアラッチ装置1をドア11、ストライカ3を車体12にそれぞれ設けた構成について説明するが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、ドアラッチ装置1を車体12、ストライカ3をドア11にそれぞれ設けても良い。さらには、ドアはバックドア11に限定されるものでなく、サイドドア、スライドドア、またはトランクリッドであっても良い。
ベースプレート2は、バックドア11の下部パネルから車体12側へ向けて突出する凹状のベース部21と、ベース部21の後上部にほぼ水平方向に折曲形成されドア11の下部パネルにボルト6により固定される左右1対のフランジ部22、22とを有する。ベースプレート2のベース部21の左右方向の中央には、ドア11が閉じられるとき、ストライカ3が前方から進入可能に前方が開口し後方(奥側)が閉塞したストライカ進入溝23が設けられる。左右のフランジ部に22、22には、ボルト6が螺合する雌ねじ孔24、24が設けられる。
ラッチ4は、図5に示すように、金属板4Aの表面を若干弾性変形可能な合成樹脂4Bで被覆することで形成され、図2、3に示すように、上下方向を向くラッチ軸7をもって、ベース部21の平坦な支持面上におけるストライカ進入溝23の右側に枢支されると共に、ラチェット5の先端に設けられた爪部51が係合可能な係合部41と、係合部41の前側(ストライカ進入溝23の開口する側)に設けられるアーム部42と、係合部41とアーム部42間にあって、ストライカ進入溝23に進入したストライカ3が係合可能な係合溝43とを有し、ドア11の閉動作に伴って、図3に示す離脱状態から時計方向へ所定角度回動した図2に示す係合状態へ回動して停止する。
図2に示すように、ラッチ4が係合状態にある場合には、係合部41は、ストライカ進入溝23の奥端(後端)の後方に位置し、また、アーム部42は、ストライカ進入溝23を跨いでその先端部がベース部21におけるストライカ進入溝23の左縁上に重なる。
図2、4に示すように、ストライカ3がラッチ4の係合溝43に係合した状態において、ラッチ4の係合溝43の前縁、すなわちアーム部42の後縁にあって、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3が当接可能な部分には、図4、5に示すように、係合溝43の開口側(図4、5において左側)から奥側(図4、5において右側)に向かってストライカ進入溝23の開口側(図4、5において下側)へ向けて傾斜する傾斜部421と、特に、図4に明示されるように、傾斜部421における傾斜する方向(図2、4において、右斜め下方の)の端421aに連続し、かつ端421aと係合溝43の奥部43aとの間にあって、ストライカ進入溝23の開口側へ向けて傾斜しないで、ストライカ3のストライカ進入溝23への進入方向に対して直角で、かつストライカ進入溝23の幅方向(図4において左右方向)へ所定の長さを有する隆起部422とが形成される。ここで、奥部43aは、奥部43aの前端と端421aとが前後方向(ストライカ3の進入方向)で同位置となるように形成されている。すなわち、ストライカSは、傾斜部421の端421aから奥部43aへ変位する際、隆起部422及び奥部43aに当接することによって、それ以上ストライカ進入溝23の開口側へ向けて変位しないようになっている。
ラッチ4における金属の傾斜部421は、全体が合成樹脂4Bで被覆され、金属の隆起部422は、傾斜部421寄り側、すなわち左半分が合成樹脂4Bで被覆され、右半分が金属が露出する。
ラチェット5は、上下方向を向くラチェット軸8によりベース部21におけるストライカ進入溝23の左側に枢支されると共に、後部には、図2に示すようにラッチ4が係合状態にあるとき、ラッチ4の係合部41に係合してラッチ4の係合状態から離脱状態への回動を阻止する爪部51が設けられる。
ベースプレート2のフランジ部22、22に設けられる雌ねじ孔24、24は、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3よりも後方、すなわちストライカ3の進入方向側へ距離L離れた位置に設けられる。
ドア11が閉じられると、ストライカ3がベースプレート2のストライカ進入溝23に図3に示す矢印方向から進入してラッチ4の係合溝43に係合する。これにより、ラッチ4は、ラッチ軸7に巻装されたバネ9の付勢力に抗して、図3に示す離脱状態から時計方向へ回動して図2に示す係合状態に回動する。ラチェット5は、ラチェット軸8に巻装されたバネ10の付勢力により回動して爪部51がラッチ4の係合部41に係合することで、ラッチ4の係合状態から離脱状態への回動を阻止してドア11を閉鎖状態に拘束する。
車両の衝突等によりラッチ4に噛合しているストライカ3に例えば右斜め前方への力Fが作用すると、図4に示すように、力Fが作用する以前、ストライカ進入溝23の左右方向のほぼ中央にあって、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3は、ラッチ4における係合溝43の内周縁を被覆している合成樹脂4Bを変形させながら傾斜部431に沿って、右斜め前方へ僅かに変位して即座に図6に示すように金属の隆起部422に当接すると共に、係合溝43の奥部に当接する。これにより、ストライカ3の前方への変位は阻止される。このとき、ストライカ3が当接する隆起部422は金属であるため、ストライカ3の前方への変位を確実に阻止することができる。
本実施形態と従来技術のそれぞれのストライカ3の変位について、図1及び図7に基づいて比較すると、本実施形態においては、傾斜部421の右側に隆起部422が形成されているため、実線で示すストライカ3は隆起部422に当接した位置aに止まるのに対し、従来技術においては、傾斜部421が係合溝43の奥側までそのまま形成されているため、2点鎖線で示すストライカ3は、位置aよりもさらに前方に変位した位置bまで変位する。この結果、ドア11に対してボルト6により締結固定されるベースプレート2におけるフランジ部22の固定部分と力の作用点(ストライカ3がラッチ4の係合溝43に当接する点)との間の距離L(図2参照)は、本実施形態の方が従来技術よりも短くなり、固定部分に作用する力のモーメントが小さくなり、固定部分を支点とするベースプレート2のフランジ部22の変形を最小限に抑えて、強度の向上を図ることができる。
図10、11は、本発明の第2、3実施例をそれぞれ示す。第2、3実施例は、ラッチ4の係合溝43の前縁、すなわちアーム部42の後縁にあって、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3が当接可能な部分以外は前記実施形態と同一であるので、同一部分については前記実施形態と同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
第2実施例においては、図10に示すように、ラッチ4の係合溝43にあって、かつラッチ4に係合しているストライカ3が当接可能な部分には、前記実施形態と同様な傾斜部421と、当該傾斜部421の右側に連続しストライカ3の進入方向に直角な第1隆起部423と、当該第1隆起部423の右側に連続しストライカ進入溝23の奥側(図10において上側)、すなわち傾斜部421と反対側へ傾斜する第2隆起部424が形成される。これにより、車両の衝突等によりラッチ4に噛合しているストライカ3に対して右方への力が作用すると、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3は、2点鎖線で示す3A位置から実線で示す3B位置へ変位して即座に金属が露出する第2隆起部424に当接すると共に、係合溝43の奥部に当接する。これにより、ストライカ3の前方への変位は阻止されるため、前記実施形態と同様またはそれ以上の作用効果を奏することができる。
第3実施例においては、図11に示すように、ラッチ4の係合溝43にあって、かつラッチ4に係合しているストライカ3が当接可能な部分には、前記実施形態と同様な傾斜部421と、当該傾斜部421の右側に連続しストライカ進入溝23の奥側(図11において上側)、すなわち傾斜部421と反対側へ傾斜する第2隆起部425が形成される。これにより、車両の衝突等によりラッチ4に噛合しているストライカ3に対して右方への力が作用すると、ラッチ4の係合溝43に係合しているストライカ3は、2点鎖線で示す3A位置から実線で示す3B位置へ変位して即座に金属が露出する第2隆起部425に当接すると共に、係合溝43の奥部に当接する。これにより、ストライカ3の前方への変位は阻止されるため、前記実施形態と同様またはそれ以上の作用効果を奏することができる。
1 ドアラッチ装置
2 ベースプレート
3 ストライカ
4 ラッチ
4A 金属板
4B 合成樹脂
5 ラチェット
6 ボルト
7 ラッチ軸
8 ラチェット軸
9 バネ
10 バネ
11 バックドア
12 車体
21 ベース部
22 フランジ部
23 ストライカ進入溝
24 雌ねじ孔
41 係合部
42 アーム部
43 係合溝
51 爪部
421 傾斜部
422 隆起部
423 第1隆起部
424、425 第2隆起部

Claims (2)

  1. 車体またはドアのいずれか一方に固定され、他方のストライカが進入可能なストライカ進入溝を有するベースプレートと、前記ベースプレートに枢支され、前記ストライカ進入溝に進入した前記ストライカが係合可能な係合溝を有するラッチと、前記ラッチに係合して前記ラッチの回動を阻止するラチェットとを備え、前記ベースプレートは、前記ラッチの前記係合溝に係合している前記ストライカよりも前記ストライカの進入方向側へ所定距離離れた固定部分のみが前記車体またはドアに固定されるようにした車両用ドアラッチ装置において、
    前記ラッチの前記係合溝にあって、かつ前記ラッチに係合している前記ストライカが当接可能な部分を、前記係合溝の開口側から奥側に向かって前記ストライカ進入溝の開口側へ向けて傾斜する傾斜部と、当該傾斜部における前記傾斜する方向の端に連続し、前記ストライカ進入溝の開口側へ向けて傾斜しないで、前記ストライカの前記ストライカ進入溝への進入方向に対して直角をなし、かつ前記ストライカ進入溝の幅方向へ所定の長さを有する隆起部と、当該隆起部に連続する奥部とにより形成し、
    前記係合溝に係合している前記ストライカが、前記傾斜部から前記隆起部側へ移動して当該隆起部に当接すると共に、前記奥部にも当接することにより、前記所定距離が長くなるような前記ストライカの前記ストライカ進入溝の開口側への変位を阻止するようにしたことを特徴とする車両用ドアラッチ装置。
  2. 前記ラッチは、金属板の表面を合成樹脂で被覆することにより形成され、前記傾斜部は、前記合成樹脂で被覆され、前記隆起部は、前記合成樹脂で被覆しないで金属を露出することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアラッチ装置。
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