JP5702323B2 - 水田作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、水田作業車に関し、より詳細には、機体の前部に備えられた前伝動ケースと、機体の後部に備えられた後伝動ケースと、前伝動ケースと後伝動ケースとの間で潤滑油を循環させる潤滑油通路と、を備える水田作業車に関する。
例えば、特許文献1に記載の乗用型田植機(水田作業車)において、走行機体における機体フレームの前部には、左右の前車輪を操向可能に装備した伝動ケース(前伝動ケース)が連結固定されるとともに、機体フレームの後部には、後車輪を左右に装備した後部伝動ケース(後伝動ケース)が支持されている。そして、伝動ケースと後部伝動ケースとが、伝動軸を覆うハウジングで連通接続されて、前方の伝動ケースと後部伝動ケースとの間で潤滑油の流動が可能に構成され、伝動系全体が多量の潤滑油で潤滑されるようになっている。
特開2009−92169号公報
しかしながら、特許文献1に記載の乗用型田植機では、前方の伝動ケースと後部伝動ケースとの間で、単一のハウジングによって潤滑油が流動されている。このため、単一のハウジング内には、前方の伝動ケース側から後部伝動ケース側に流れる潤滑油と、後部伝動ケース側から前方の伝動ケース側に流れる潤滑油とが混在している。つまり、単一のハウジング内に、互いに反対方向に流れる潤滑油が混在している。これにより、潤滑油が円滑に循環し難いため、潤滑油の温度にムラが生じ易い。また、潤滑油が単一のハウジングによって前方の伝動ケースと後部伝動ケースとの間で流動されているだけであるため、潤滑油の循環経路を長く確保する点で改善の余地があった。したがって、潤滑油を効率良く冷却することができなかった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、潤滑油を効率良く冷却することができる水田作業車を提供することを目的とする。
本発明に係る水田作業車の特徴構成は、機体の前部に備えられた前伝動ケースと、機体の後部に備えられた後伝動ケースと、前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとの間で潤滑油を循環させる潤滑油通路と、を備え、前記前伝動ケースは、前輪を支持する前車軸ケースを備え、前記後伝動ケースは、後輪を支持する後車軸ケースを備え、前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの一方は、無段変速装置を収容する無段変速ケースと、ミッションケースと、を備え、前記潤滑油通路は、前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの一方側から他方側に潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの他方側から一方側に潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、前記無段変速ケースは、潤滑油が給油される給油口と、潤滑油を排油する排油口と、を備え、前記第一潤滑油通路は、前記無段変速ケースの排油口と前記前車軸ケース及び前記後車軸ケースの他方とに接続され、前記第二潤滑油通路は、前記前車軸ケースと前記後車軸ケースとに接続され、前記給油口は、前記無段変速ケースの一側面に配置され、前記排油口は、前記無段変速ケースにおける前記給油口とは異なる面に配置されている、ことにある。
本特徴構成によると、潤滑油通路が第一潤滑油通路と第二潤滑油通路とにより、往路と復路とに分かれている。これにより、潤滑油の循環が円滑になるため、潤滑油の温度にムラが生じ難い。また、潤滑油が潤滑油通路によって、前伝動ケースと後伝動ケースとの間、つまり、前車軸ケース、無段変速ケース及びミッションケースと、後車軸ケースとの間で循環される。これにより、潤滑油の循環経路が長くなる。さらに、無段変速ケースについて、給油口と排油口とが同じ面に配置されていない。これにより、潤滑油の循環経路のうち、特に、無段変速ケースにおける潤滑油の循環経路が長くなる。したがって、潤滑油を効率良く冷却することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記無段変速ケースは、前記給油口を介して前記ミッションケースに連結されている、ことにある。
本特徴構成によると、無段変速ケースがミッションケースの近傍に配置されている。これにより、ミッションケースから無段変速ケースの給油口に、潤滑油が勢いよく給油される。このため、潤滑油の循環経路を長くしつつも、循環経路全体における潤滑油の循環が円滑になる。したがって、潤滑油を効率良く冷却することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記後伝動ケースは、前記前伝動ケースに対して相対移動可能に構成され、前記潤滑油通路は、前記前伝動ケースに対する前記後伝動ケースの相対移動を許容する移動許容部を備える、ことにある。
本特徴構成によると、前伝動ケースに対する後伝動ケースの相対移動が、移動許容部によって許容される。例えば、後伝動ケースが前伝動ケースに対して前後方向の軸心周りにローリング可能に構成されている場合に、前伝動ケースに対する後伝動ケースの相対移動が、移動許容部によって許容される。これにより、前伝動ケースに対する後伝動ケースの相対移動が、潤滑油通路によって阻害されることがない。したがって、後伝動ケースが前伝動ケースに対して円滑に相対移動することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記移動許容部は、可撓性を有する管状部材である、ことにある。
本特徴構成によると、可撓性を有する管状部材とするだけで、移動許容部を構成することができる。したがって、移動許容部について、構造の簡素化を図ることができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記移動許容部は、前記潤滑油通路の一部である、ことにある。
本特徴構成によると、移動許容部が潤滑油通路の全部を占めない。したがって、移動許容部は、それ自体で支持が困難な部材(つまり、他の部材による支持が必要になり易い部材)であるところ、このような部材を設けることを必要最小限に抑えることができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、機体フレームの前部に前記前伝動ケースを備え、前記機体フレームの後部に前記後伝動ケースを備えて、前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、走行機体の上側から下側の走行機体を見た平面視において、前記機体フレームに対して機体左右方向における一方の機体外側と他方の機体外側とに振り分けて配置されている、ことにある。
本特徴構成によると、第一潤滑油通路と第二潤滑油通路との間隔が広がる。これにより、潤滑油の循環経路が長くなる。したがって、潤滑油を効率良く冷却することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記前車軸ケースの少なくとも一部又は前記後車軸ケースの少なくとも一部は、前記潤滑油通路よりも低く配置されている、ことにある。
本特徴構成によると、潤滑油通路の潤滑油が、低い位置にある前車軸ケース又は後車軸ケースに向かって自然に流れる。これにより、潤滑油通路の潤滑油が前車軸ケース又は後車軸ケースに確実に流入する。したがって、潤滑油通路における潤滑油漏れを防止することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記後車軸ケースの前壁には、前記第一潤滑油通路又は前記第二潤滑油通路と接続される後継ぎ手部が設けられ、前記後継ぎ手部の少なくとも一部は、走行機体の上側から下側の走行機体を見た平面視において、前記後車軸ケースと重複する、ことにある。
本特徴構成によると、後継ぎ手部について、後車軸ケースから突出する部分が少なくなる。したがって、無段変速ケースを型で製作する場合に、型の大型化を抑制することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記後継ぎ手部は、前記後車軸ケースの上部に配置されている、ことにある。
本特徴構成によると、後継ぎ手部が後車軸ケースの下部に位置しない。これにより、走行の際に後継ぎ手部が地面に衝突し難い。したがって、後継ぎ手部の損傷を防止することができる。
本発明に係る水田作業車の更なる特徴構成は、前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路について、機体前後方向における中間部は、前端部及び後端部よりも機体内側に偏位している、ことにある。
本特徴構成によると、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路について、中間部が機体内側に退避した位置にある。したがって、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路について、前輪及び後輪との干渉を防止することができる。
乗用型田植機を示す側面図。 前伝動ケースを示す背面一部断面図。 前車軸ケースを示す背面断面図。 円筒部材を示す断面図。 後車軸ケースを示す平面断面図。 ローリング支持部を示す側面断面図。 潤滑油通路を模式的に示す平面図。 潤滑油通路を示す平面図。 第一潤滑油通路を示す側面図。 第二潤滑油通路を示す側面図。 第二実施形態に係る潤滑油通路を示す平面図。 第二実施形態に係る第一潤滑油通路を示す側面図。 第二実施形態に係る第二潤滑油通路を示す側面図。 別実施形態に係る前車軸ケースを示す背面断面図。
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
先ず、乗用型田植機の全体構成について、図1により説明する。
図1に示すように、乗用型田植機は、走行機体1と、運転部7と、施肥装置10と、苗植付装置11と、エンジンEと、右及び左の予備苗載せ台16と、備えている。
走行機体1は、四輪駆動型に構成されている。走行機体1は、機体フレーム2と、前伝動ケース3と、後伝動ケース4と、を備えている。
前伝動ケース3は、機体フレーム2の前部に備えられている。前伝動ケース3には、右及び左の前輪5が備えられている。前伝動ケース3内は、潤滑油によってオイルバス化されている。
後伝動ケース4は、機体フレーム2の後部に備えられている。後伝動ケース4には、右及び左の後輪6が備えられている。後伝動ケース4内は、潤滑油によってオイルバス化されている。
なお、詳しくは後述するが、前伝動ケース3と後伝動ケース4との間で、潤滑油が潤滑油通路14によって循環される(図7参照)。
運転部7は、走行機体1上に備えられている。運転部7には、ステアリングハンドル8及び運転席9が備えられている。
施肥装置10は、走行機体1の後部に備えられている。施肥装置10は、ブロワ12を備えている。ブロワ12は、肥料を搬送するための搬送風を供給する。
苗植付装置11は、走行機体1の後方に備えられている。苗植付装置11は、リンク機構11aを介して走行機体1の後部に昇降自在に連結されている。リンク機構11aは、油圧シリンダ13によって駆動される。
エンジンEは、走行機体1の前部に備えられている。エンジンEは、ボンネット15によって覆われている。
予備苗載せ台16は、走行機体1の前部に備えられている。
次に、前伝動ケース3について、図2から図4により説明する。
図2及び図3に示すように、前伝動ケース3は、無段変速ケース17と、ミッションケース18と、右及び左の前車軸ケース19と、を備えている。なお、右及び左の前車軸ケース19は、左右対称な構成である。したがって、以下では、左の前車軸ケース19について主に説明し、右の前車軸ケース19については、必要に応じて説明する。
無段変速ケース17は、「無段変速装置」としての油圧式無段変速装置20を収容している。油圧式無段変速装置20には、チャージポンプ21(図7参照)によって作動油が供給される。油圧式無段変速装置20は、図示しない油圧ポンプ及び油圧モータを備えている。
前記油圧ポンプは、入力軸(ポンプ軸)20aを備えている。入力軸20aには、エンジンEの動力が図示しないベルトによって伝達される。入力軸20aには、前記ベルトが巻き付けられる入力プーリ20bが設けられている。
無段変速ケース17は、給油口17aと、排油口17bと、を備えている。
給油口17aは、ミッションケース18内の潤滑油が給油される。つまり、無段変速ケース17は、給油口17aを介してミッションケース18に連結されている。給油口17aは、無段変速ケース17の右側面に配置されている。
排油口17bは、無段変速ケース17内の潤滑油を排油する。排油口17bは、無段変速ケース17の後面に配置されている。つまり、排油口17bは、無段変速ケース17における給油口17aとは異なる面に配置されている。
ミッションケース18は、図示しない副変速機構、株間変速機構及びデフ装置等を収容している。ミッションケース18(前記副変速機構、株間変速機構及びデフ装置等)には、油圧式無段変速装置20の動力が伝達される。そして、ミッションケース18の動力は、右及び左の前車軸ケース19を経て、右及び左の前輪5に伝達される。また、ミッションケース18の動力は、図示しないPTO軸を経て、苗植付装置11に伝達される。さらに、ミッションケース18の動力は、伝達軸22(図1参照)、後車軸ケース23を経て、右及び左の後輪6に伝達される。
前車軸ケース19は、固定ケース24と、操向ケース25と、伝達軸26と、を備えている。
固定ケース24は、ミッションケース18に固定されている。具体的には、例えば、左の固定ケース24については、固定ケース24の右端面が、ミッションケース18の左側面に固定されている。また、右の固定ケース24の後面には、詳しくは後述する前継ぎ手部19aが設けられている。そして、左の固定ケース24の前面にも、前継ぎ手部19aが設けられている。また、固定ケース24の内部には、機体左右方向の伝達軸27が軸受28を介して回転自在に支持されている。伝達軸27には、ミッションケース18の動力が伝達される。
また、固定ケース24の上部には、給油口24bが設けられている。給油口24bは、ボルト42で栓をされている。ボルト42を給油口24bから外すことで、給油口24bから給油や検油をすることができる。
操向ケース25は、前輪5の前車軸5aを回転自在に支持している。操向ケース25は、固定ケース24の下部に上下方向の軸心Y周りに揺動自在に支持されている。そして、操向ケース25は、ブッシュ44を介して固定ケース24に揺動自在に支持されている。また、操向ケース25は、タイロッド29を介してステアリングハンドル8と接続されている。ステアリングハンドル8が操作されると、タイロッド29を介して操向ケース25が軸心Y周りに揺動される。また、操向ケース25の上部と固定ケース24との間は、シール部材64によってシールされている。
また、操向ケース25の下部には、排油口25aが設けられている。排油口25aは、ボルト43で栓をされている。ボルト43を排油口25aから外すことで、排油口25aから潤滑油を排油することができる。
伝達軸26は、固定ケース24及び操向ケース25の内部に亘って上下方向に備えられている。伝達軸26は、固定ケース24側からの動力(伝達軸27の動力)を前輪5に伝達する。具体的には、伝達軸26には、伝達軸27の動力がベベルギヤ30及びベベルギヤ31によって伝達される。そして、伝達軸26の動力は、ベベルギヤ32及びベベルギヤ33並びに前車軸5aによって、前輪5に伝達される。
また、伝達軸26は、軸受36、軸受37及び軸受38を介して操向ケース25に回転自在に支持されている。軸受36と軸受37との間には、スペーサ58が設けられている。また、伝達軸26は、軸受34及び軸受35を介して固定ケース24に回転自在に支持されている。
軸受34は、伝達軸26の上端部を回転自在に支持している。軸受34は、ボルト39及び座金40によって、上方に抜けるのを防止されている。そして、固定ケース24の上部には、挿入口24aが形成されている。挿入口24aは、ボルト39及び座金40に上方から臨むように配置されている。挿入口24aは、キャップ41で蓋をされている。キャップ41を挿入口24aから外すことで、挿入口24aから工具を挿入して、この工具でボルト39を締緩することができる。
また、伝達軸26には、詳しくは後述する円筒部材45が外嵌されている。そして、固定ケース24の下部と伝達軸26(円筒部材45)との間は、第一シール部材46によってシールされている。そして、操向ケース25の上部と伝達軸26(円筒部材45)との間は、第二シール部材47によってシールされている。
円筒部材45は、第一シール部材46及び第二シール部材47と伝達軸26との間に介設されている。円筒部材45は、軸受35と軸受36との間に配置されている。そして、円筒部材45の上端面は、軸受35に当接している。そして、円筒部材45の下端面は、軸受36に当接している。つまり、円筒部材45は、軸受35と軸受36との間のスペーサを兼ねている。
また、円筒部材45には、嵌入孔45aが形成されている。嵌入孔45aは、円筒部材45を軸方向に貫通している。嵌入孔45aには、伝達軸26が嵌入されている。
また、円筒部材45には、油路45bが形成されている。油路45bは、固定ケース24と操向ケース25とを連通させている。油路45bは、本実施形態では、四つ形成されている(図4参照)。そして、四つの油路45bは、円筒部材45の軸方向(軸心Y方向)視において、円筒部材45の中心Oを基準に等角度(90度)間隔で配置されている。なお、「油路」の数は、本実施形態に限定されるものではない。また、油路45bは、縦油路45cと、第一横油路45dと、第二横油路45eと、を備えている。
縦油路45cは、円筒部材45を軸方向に貫通するように形成されている。縦油路45cは、嵌入孔45aの外周に沿って形成されている。
第一横油路45dは、円筒部材45の軸直交方向に形成されている。第一横油路45dは、縦油路45cの上端部と固定ケース24(第一シール部材46よりも上方側の空間)とを連通させている。
第二横油路45eは、円筒部材45の軸直交方向に形成されている。第二横油路45eは、縦油路45cの下端部と操向ケース25(第二シール部材47よりも下方側の空間)とを連通させている。
このような構成により、固定ケース24と操向ケース25との間で、潤滑油が円筒部材45の油路45bを介して、次のように流通する。
すなわち、図3に示すように、固定ケース24(具体的には、第一シール部材46よりも上方側の空間)内の潤滑油は、軸受35を通過して流れ、第一横油路45dから油路45bに流入する。油路45bにおいて、潤滑油は、第一横油路45dから縦油路45c及び第二横油路45eを流れて、第二横油路45eから操向ケース25(具体的には、第二シール部材47よりも下方側の空間)に流出する。その後、この流出した潤滑油は、軸受36、軸受37及び軸受38を通過して流れる。なお、上記とは逆の経路を辿って、操向ケース25側から固定ケース24側に潤滑油が流通する。
次に、後伝動ケース4について、図5及び図6により説明する。
図5及び図6に示すように、後伝動ケース4は、後車軸ケース23を備えている。後車軸ケース23は、前伝動ケース3に対して相対移動可能に構成されている。つまり、後車軸ケース23は、前伝動ケース3に対して前後方向の軸心X周りにローリング可能に構成されている。
また、後車軸ケース23の前壁には、詳しくは後述する右及び左の後継ぎ手部23aが設けられている。後継ぎ手部23aは、機体左右方向においてサイドクラッチ52よりも機体内側(機体中心側)に配置されている。後継ぎ手部23aは、後車軸ケース23の上部に配置されている。(図9及び図10参照)
また、後車軸ケース23の下部には、排油口23bが設けられている。排油口23bは、ボルト67で栓をされている。ボルト67を排油口23bから外すことで、排油口23bから潤滑油を排油することができる。
また、後車軸ケース23は、右及び左の後輪6の後車軸6aを回転自在に支持している。また、後車軸ケース23の内部には、機体左右方向の伝達軸48が、回転自在に支持されている。伝達軸48には、機体前後方向の伝達軸49の動力が、ベベルギヤ50及びベベルギヤ51によって伝達される。なお、伝達軸49には、伝達軸22(図1参照)の動力が伝達される。
そして、伝達軸48の動力は、サイドクラッチ52を介してギヤ53に伝達される。ギヤ53の動力は、ギヤ54によって、中継軸55に伝達される。中継軸55の動力は、ギヤ56及びギヤ57並びに後車軸6aによって、後輪6に伝達される。ギヤ57は、回転することにより、後車軸ケース23内の潤滑油を撹拌する。
ここで、伝達軸49は、軸受60及び軸受61を介してローリング支持部59に回転自在に支持されている。ローリング支持部59は、ボス部62に前後方向の軸心X周りに揺動可能(ローリング可能)に支持されている。また、ローリング支持部59は、後車軸ケース23とは別体に構成されている。つまり、ローリング支持部59は、後車軸ケース23に着脱可能に取り付けられている。具体的には、ローリング支持部59は、後車軸ケース23の前面にボルト63で固定されている。また、ローリング支持部59には、位置決め部59a及び位置決め部59bが設けられている。位置決め部59aは、軸受60を位置決めする。そして、位置決め部59bは、軸受61を位置決めする。
これにより、ローリング支持部59を後車軸ケース23から取り外すことができるため、ローリング支持部59が磨耗した際に、ローリング支持部59を容易に交換することができる。また、ローリング支持部59によって軸受60及び軸受61を位置決めすることができるため、部品点数を削減することができる。つまり、軸受60及び軸受61を位置決めする専用の位置決め部材を設ける必要がない。
次に、潤滑油通路14について、図7から図10により説明する。
図7から図10に示すように、潤滑油通路14は、前伝動ケース3と後伝動ケース4との間で潤滑油を循環させる。潤滑油通路14で循環される潤滑油は、チャージポンプ21によって圧送される。また、前車軸ケース19の下部及び後車軸ケース23の下部は、潤滑油通路14よりも低く配置されている。
潤滑油通路14は、第一潤滑油通路65と、第二潤滑油通路66と、を備えている。第一潤滑油通路65及び第二潤滑油通路66は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、機体フレーム2に対して機体左右方向における左方の機体外側と右方の機体外側とに振り分けて配置されている。つまり、第一潤滑油通路65は、機体フレーム2の左方に配置されている。そして、第二潤滑油通路66は、機体フレーム2の右方に配置されている。
第一潤滑油通路65は、前伝動ケース3側から後伝動ケース4側に潤滑油が流れる。第一潤滑油通路65は、第一パイプ68と、「移動許容部」としての第一ゴムホース69と、を備えている。第一潤滑油通路65は、無段変速ケース17の排油口17bと後車軸ケース23とに接続されている。具体的には、第一パイプ68の前端部は、無段変速ケース17の排油口17bと接続されている。そして、第一ゴムホース69の後端部は、後車軸ケース23の左の後継ぎ手部23aと接続されている。そして、第一パイプ68の後端部と第一ゴムホース69の前端部とが接続されている。
第一パイプ68は、第一潤滑油通路65における前伝動ケース3側に配置されている。第一パイプ68は、例えば、金属製の管状部材である。第一パイプ68の後端部側は、左の支持具70によって機体フレーム2側に支持されている。
第一ゴムホース69は、第一潤滑油通路65における後伝動ケース4側に配置されている。第一ゴムホース69は、可撓性を有する管状部材(例えば、ゴム製の管状部材)である。第一ゴムホース69は、前伝動ケース3に対する後車軸ケース23の相対移動を許容する。また、第一ゴムホース69は、第一潤滑油通路65の一部を構成している。つまり、第一潤滑油通路65は、その全部が可撓性を有する管状部材(第一ゴムホース69)によって構成されていない。また、第一ゴムホース69は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において直線状に形成されている。
第二潤滑油通路66は、後伝動ケース4側から前伝動ケース3側に潤滑油が流れる。第二潤滑油通路66は、第二パイプ71と、「移動許容部」としての第二ゴムホース72と、を備えている。第二潤滑油通路66は、前車軸ケース19と後車軸ケース23とに接続されている。具体的には、第二パイプ71の前端部は、右の前車軸ケース19の前継ぎ手部19aと接続されている。そして、第二ゴムホース72の後端部は、後車軸ケース23の右の後継ぎ手部23aと接続されている。そして、第二パイプ71の後端部と第二ゴムホース72の前端部とが接続されている。
第二パイプ71は、第二潤滑油通路66における前伝動ケース3側に配置されている。第二パイプ71は、例えば、金属製の管状部材である。第二パイプ71の後端部側は、右の支持具70によって機体フレーム2側に支持されている。
第二ゴムホース72は、第二潤滑油通路66における後伝動ケース4側に配置されている。第二ゴムホース72は、可撓性を有する管状部材(例えば、ゴム製の管状部材)である。第二ゴムホース72は、前伝動ケース3に対する後車軸ケース23の相対移動を許容する。また、第二ゴムホース72は、第二潤滑油通路66の一部を構成している。つまり、第二潤滑油通路66は、その全部が可撓性を有する管状部材(第二ゴムホース72)によって構成されていない。また、第二ゴムホース72は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において直線状に形成されている。
このような構成により、前伝動ケース3と後伝動ケース4との間で、潤滑油が潤滑油通路14によって、次のようにして循環される。
すなわち、ミッションケース18内の潤滑油が、給油口17aから無段変速ケース17に給油される。そして、無段変速ケース17内の潤滑油は、排油口17bから第一潤滑油通路65に排油される。
そして、第一潤滑油通路65において、潤滑油は、第一パイプ68から第一ゴムホース69に流れる。そして、第一ゴムホース69内の潤滑油は、左の後継ぎ手部23aから後車軸ケース23に流入する。そして、後車軸ケース23内の潤滑油は、右の後継ぎ手部23aから、第二潤滑油通路66に流入する。
そして、第二潤滑油通路66において、潤滑油は、第二ゴムホース72から第二パイプ71に流れる。そして、第二パイプ71内の潤滑油は、右の前継ぎ手部19aから右の前車軸ケース19に流入する。そして、右の前車軸ケース19内の潤滑油は、ミッションケース18を経て、再び給油口17aから無段変速ケース17に給油される。
ここで、図3に示すように、前車軸ケース19には、遮断部73が備えられている。遮断部73は、例えば、シール部材で構成されている。遮断部73は、前車軸ケース19内に、遮断室19bを形成している。遮断室19bは、潤滑油通路14との連通が遮断されている。つまり、前車軸ケース19内は、遮断部73によって連通室19cと遮断室19bとの二室に仕切られている。連通室19cは、潤滑油通路14と連通している。
これにより、前述のように、前伝動ケース3と後伝動ケース4との間で、潤滑油が潤滑油通路14によって循環されるが、前車軸ケース19においては、連通室19c内の潤滑油が、潤滑油通路14によって潤滑されるだけで、遮断室19b内の潤滑油(特に、操向ケース25内の潤滑油)は、潤滑油通路14によって循環されない。
なお、遮断室19b内には、給油口24bから潤滑油を給油することができる。そして、遮断室19b内の潤滑油は、排油口25aから排油することができる。
また、図2に示すように、前述のように、右の固定ケース24の後面には、前継ぎ手部19aが設けられている。そして、左の固定ケース24の前面にも、前継ぎ手部19aが設けられている。
つまり、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、左右一方の前車軸ケース19を180度回転させると、左右他方の前車軸ケース19と形状が一致する。換言すると、右及び左の前車軸ケース19は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において点対称な構成である。これにより、右及び左の前車軸ケース19について、左右の共用化を図っている。なお、使用しない前継ぎ手部19a(本実施形態では、左の前車軸ケース19の前継ぎ手部19a)は、図示しないキャップで塞がれている。
以下、本発明に係る第二実施形態について説明する。
図11から図13に示すように、潤滑油通路114は、第一潤滑油通路165と、第二潤滑油通路166と、を備えている。第一潤滑油通路165及び第二潤滑油通路166について、機体前後方向における中間部は、前端部及び後端部よりも機体内側に偏位している。
第一潤滑油通路165は、第一パイプ168と、「移動許容部」としての第一ゴムホース169と、を備えている。
第一パイプ168は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において機体フレーム2と重複するように配置されている。第一パイプ168は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において略クランク状に形成されている。具体的には、第一パイプ168は、直線部168aを備えている。直線部168aは、機体フレーム2の下面に沿って機体前後方向に直線状に延出されている。また、第一ゴムホース169は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、その前端部が機体内側に近接するように湾曲している。
第二潤滑油通路166は、第二パイプ171と、「移動許容部」としての第二ゴムホース172と、を備えている。
第二パイプ171は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において機体フレーム2と重複するように配置されている。第二パイプ171は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において略クランク状に形成されている。具体的には、第二パイプ171は、直線部171aを備えている。直線部171aは、機体フレーム2の下面に沿って機体前後方向に直線状に延出されている。また、第二ゴムホース172は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、その前端部が機体内側に近接するように湾曲している。
ここで、後車軸ケース23の前壁には、右及び左の後継ぎ手部123aが設けられている。右の後継ぎ手部123aは、第二潤滑油通路166と接続されている。そして、左の後継ぎ手部123aは、第一潤滑油通路165と接続されている。
そして、後継ぎ手部123aの少なくとも一部は、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、後車軸ケース23と重複している。つまり、機体前後方向において、後継ぎ手部123aの前端面は、後車軸ケース23の前端面と略同じ位置に揃えられている(図12及び図13参照)。これにより、後継ぎ手部123aが後車軸ケース23から突出する部分が少なくなるようにしている。
以下、本発明に係る別実施形態について説明する。
図14に示すように、伝達軸26に油路26aが形成されていてもよい。これにより、円筒部材45の油路45bと伝達軸26の油路26aとで、油路の総断面積を増加させることができる。なお、円筒部材45(油路45b)を廃して、伝達軸26の油路26aのみとしてもよい。
また、前継ぎ手部19aの少なくとも一部が、走行機体1の上側から下側の走行機体1を見た平面視において、前車軸ケース19と重複するようにしてもよい。
また、「無段変速装置」は、油圧機械式無段変速装置(HMT)であってもよい。
また、無段変速ケース17及びミッションケース18が、後車軸ケース23に備えられていてもよい。この場合、第一潤滑油通路65(165)は、無段変速ケース17の排油口17bと前車軸ケース19の前継ぎ手部19aとに接続される。
また、前伝動ケース3が、後伝動ケース4に対して相対移動可能に構成されていてもよい。つまり、前伝動ケース3が、後伝動ケース4に対してローリング可能に構成されていてもよい。
また、ローリング式のサスペンションに代えて、ラテラルロッドを備えた5リンク式のサスペンションとしてもよい。
また、「潤滑油通路」を一本の管状部材で構成し、この管状部材内を仕切り部材で仕切って、「第一潤滑油通路」と「第二潤滑油通路」とを設けるようにしてもよい。
また、後伝動ケース4に、遮断部73が備えられていてもよい。
また、「潤滑油通路」について、前方から金属管、ゴム管及び金属管の順に連結して、泥のかかり易い車輪(前輪5及び後輪6)付近に、ゴム管を配置しないように構成してもよい。
また、後輪6がリジッド(リジッドアクスルサスペンション)の場合は、「潤滑油通路」を全て金属管で構成してもよい。
また、「潤滑油通路」について、「移動許容部」としてのゴムホースを前伝動ケース3側に配置してもよい。この場合、遮断部73を廃して前車軸ケース19内全体を連通室19cとし、操向ケース25を含む前車軸ケース19内全体に、潤滑油を循環させることができる。
また、機体フレーム2自体を「潤滑油通路」としてもよい。
また、ブロワ12の吸気口を潤滑油が循環する経路(潤滑油通路14(114)等)に臨ませて、潤滑油が循環する経路周囲の温風を施肥装置10に取り込むようにしてもよい。
本発明は、機体の前部に備えられた前伝動ケースと、機体の後部に備えられた後伝動ケースと、前伝動ケースと後伝動ケースとの間で潤滑油を循環させる潤滑油通路と、を備える水田作業車に利用可能である。
1 走行機体
2 機体フレーム
3 前伝動ケース
4 後伝動ケース
5 前輪
6 後輪
14 潤滑油通路
17 無段変速ケース
17a 給油口
17b 排油口
18 ミッションケース
19 前車軸ケース
20 油圧式無段変速装置(無段変速装置)
23 後車軸ケース
23a 後継ぎ手部
65 第一潤滑油通路
66 第二潤滑油通路
69 第一ゴムホース(移動許容部)
72 第二ゴムホース(移動許容部)
114 潤滑油通路
123a 後継ぎ手部
165 第一潤滑油通路
166 第二潤滑油通路
169 第一ゴムホース(移動許容部)
172 第二ゴムホース(移動許容部)

Claims (10)

  1. 機体の前部に備えられた前伝動ケースと、
    機体の後部に備えられた後伝動ケースと、
    前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとの間で潤滑油を循環させる潤滑油通路と、を備え、
    前記前伝動ケースは、前輪を支持する前車軸ケースを備え、
    前記後伝動ケースは、後輪を支持する後車軸ケースを備え、
    前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの一方は、
    無段変速装置を収容する無段変速ケースと、
    ミッションケースと、を備え、
    前記潤滑油通路は、
    前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの一方側から他方側に潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、
    前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースの他方側から一方側に潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、
    前記無段変速ケースは、
    潤滑油が給油される給油口と、
    潤滑油を排油する排油口と、を備え、
    前記第一潤滑油通路は、前記無段変速ケースの排油口と前記前車軸ケース及び前記後車軸ケースの他方とに接続され、
    前記第二潤滑油通路は、前記前車軸ケースと前記後車軸ケースとに接続され、
    前記給油口は、前記無段変速ケースの一側面に配置され、
    前記排油口は、前記無段変速ケースにおける前記給油口とは異なる面に配置されている水田作業車。
  2. 前記無段変速ケースは、前記給油口を介して前記ミッションケースに連結されている請求項1に記載の水田作業車。
  3. 前記後伝動ケースは、前記前伝動ケースに対して相対移動可能に構成され、
    前記潤滑油通路は、前記前伝動ケースに対する前記後伝動ケースの相対移動を許容する移動許容部を備える請求項1又は請求項2に記載の水田作業車。
  4. 前記移動許容部は、可撓性を有する管状部材である請求項3に記載の水田作業車。
  5. 前記移動許容部は、前記潤滑油通路の一部である請求項3又は請求項4に記載の水田作業車。
  6. 機体フレームの前部に前記前伝動ケースを備え、前記機体フレームの後部に前記後伝動ケースを備えて、
    前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、走行機体の上側から下側の走行機体を見た平面視において、前記機体フレームに対して機体左右方向における一方の機体外側と他方の機体外側とに振り分けて配置されている請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の水田作業車。
  7. 前記前車軸ケースの少なくとも一部又は前記後車軸ケースの少なくとも一部は、前記潤滑油通路よりも低く配置されている請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の水田作業車。
  8. 前記後車軸ケースの前壁には、前記第一潤滑油通路又は前記第二潤滑油通路と接続される後継ぎ手部が設けられ、
    前記後継ぎ手部の少なくとも一部は、走行機体の上側から下側の走行機体を見た平面視において、前記後車軸ケースと重複する請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の水田作業車。
  9. 前記後継ぎ手部は、前記後車軸ケースの上部に配置されている請求項8に記載の水田作業車。
  10. 前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路について、機体前後方向における中間部は、前端部及び後端部よりも機体内側に偏位している請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の水田作業車。
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