発明者らは、補修作業に要する時間をさらに短縮することができるシュラウドサポートの補修方法について検討を行った。この結果、発明者らは、以下に述べる新たなシュラウドサポートの補修方法を考え出した。
この新たなシュラウドサポートの補修方法を適用する沸騰水型原子炉の概略の構成を、図8および図9を用いて以下に説明する。
沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器1を有し、複数の燃料集合体(図示せず)を装荷している炉心(図示せず)を原子炉圧力容器1内に配置している。原子炉圧力容器1は原子炉建屋(図示せず)内に設置される。原子炉圧力容器1の内面にはステンレスまたはニッケル基合金の溶接によるバタリング部2が原子炉圧力容器1の内面に内張りされている。原子炉圧力容器1内に配置された円筒状の炉心シュラウド3が炉心を取り囲んでいる。炉心支持板4aおよび上部格子板4bが炉心シュラウド3に取り付けられ、炉心支持板4が炉心の下端に配置され、上部格子板4bが炉心の上端に配置される。炉心支持板4aが炉心に装荷されている各燃料集合体の下端部を支持し、上部格子板4bが各燃料集合体の上端部を保持している。原子炉圧力容器1内において、気水分離器(図示せず)が炉心の上方に配置され、蒸気乾燥器(図示せず)が気水分離器の上方に配置される。原子炉圧力容器1は、上蓋(図示せず)を原子炉圧力容器1の上端に取り付けることによって密封される。
炉心シュラウド3は、原子炉圧力容器1内においてシュラウドサポートによって支持される。シュラウドサポートは、シュラウドサポートシリンダ5、シュラウドサポートプレート6および複数のシュラウドサポートレグ7を含んでいる。シュラウドサポートシリンダ5、シュラウドサポートプレート6およびシュラウドサポートレグ7のそれぞれは、シュラウドサポートの構造部材である。シュラウドサポートシリンダ5は円筒であり、シュラウドサポートシリンダ5の上端がH7溶接部で炉心シュラウド3の下端部に接合されている。シュラウドサポートプレート6は、リング状の平板であり、原子炉圧力容器1とシュラウドサポートシリンダ5の間に水平に配置される。シュラウドサポートプレート6の外側端部がH9溶接部で原子炉圧力容器1の内面であるバタリング部2に接合され、シュラウドサポートプレート6の内側端部がH8溶接部でシュラウドサポートシリンダ5に接合される。複数のシュラウドサポートレグ7は、環状に配置され、原子炉圧力容器1の周方向において相互間に所定の間隔を持って配置されている。各シュラウドサポートレグ7の上端部がH10溶接部でシュラウドサポートシリンダ5の下端部に接合されている。また、各シュラウドサポートレグ7の下端部がH11溶接部で原子炉圧力容器1の内面であるバタリング部2に接合されている。シュラウドサポートの溶接部は、H7溶接部、H8溶接部、H9溶接部、H10溶接部およびH11溶接部を含む。
複数のジェットポンプ8が、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド3の間に形成されるアニュラス部(ダウンカマ)9内に配置される。各ジェットポンプの下端部がシュラウドサポートプレート6に取り付けられている。炉心支持板4aの下方に配置された複数の制御棒駆動機構ハウジング10が、原子炉圧力容器1の底部を貫通してこの底部に取り付けられている。各制御棒駆動機構ハウジング10の上端から炉心支持板4aに向かって伸びる制御棒案内管(図示せず)が、原子炉圧力容器1内で炉心支持板4aの下方に配置されている。
本発明のシュラウドサポートの補修方法では、シュラウドサポートの溶接部であるH7溶接部、H8溶接部、H9溶接部、H10溶接部およびH11溶接部のうちひびが生じている溶接部が補修の対象となる。
発明者らが創生した新たなシュラウドサポートの補修方法の概要を、図1〜図7を用いて以下に説明する。この補修方法の内容の理解を深めるために、一例として、H9溶接部の補修を対象に説明する。
H9溶接部の位置で原子炉圧力容器1の外面に超音波探傷装置26を設置し(図11参照)、H9溶接部を対象に超音波探傷を実施する。超音波探傷装置26からH9溶接部に向かって超音波を入射し、この超音波の反射波を超音波探傷装置26で受信し、受信した反射波を用いてH9溶接部にひびが生じているか否かを判定する。この超音波探傷によりH9溶接部にひびが存在する(例えば、図2(A)参照)ことを発見したとき、ひびの深さLを測定する(ステップS1)。超音波探傷によって得られる反射波に基づいてひびの深さLを求める。シュラウドサポートプレートの必要最小板厚Tminを算出する(ステップS2)。シュラウドサポートプレート6に加わる荷重(例えば、炉心シュラウド3、炉心支持板4a、上部格子板4bおよびジェットポンプ8等の荷重、および地震時にシュラウドサポートプレート6に加えられる荷重等)を考慮して、シュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminを算出する。シュラウドサポートプレート6の板厚は、実際には安全率を見込んでいるために、必要最小板厚Tminよりもかなり厚くなっている(例えば、必要最小板厚Tminの約2倍の板厚)。
シュラウドサポートプレートの残存板厚(T−L)が必要最小板厚Tmin以上であるかが判定される(ステップS3)。Tはシュラウドサポートプレート6の板厚である。ステップS3の判定が「No」であるとき、すなわち、残存板厚(T−L)が必要最小板厚Tmin未満((T−L)<Tmin)であるとき、さらに、ひびの深さLが必要最小板厚Tminよりも大きい(L>Tmin)かが判定される(ステップS4)。
L>TminでステップS4の判定が「Yes」であるとき、ステップS6の補修が行われる。ステップS6の補修では、H9溶接部の下部に補修溶接を行い、上部のひびの部分を削除する作業を行う。ステップS6の補修を、図2を用いて説明する。図2(A)はステップS6の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひびがH9溶接部に生じている。シュラウドサポートプレート6の上面からのひびの深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも大きく(L>Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)<Tminとなっている。このとき、ひびの下端は、シュラウドサポートプレート6の下面から、上方に向かって必要最小板厚Tminだけ離れた位置よりも下方に位置している。このようなひびが発生しているH9溶接部では、補修溶接用の開先を形成するために、シュラウドサポートプレート6の下方から、H9溶接部の下部を、シュラウドサポートプレート6の下方からひびが生じている部分を含めて削除する。このひびが生じている部分の削除は、炉心シュラウド3内およびシュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部の下面に向かって移動させた加工装置24(図11参照)を用いて行われる。ひびが生じている部分で削除される部分のシュラウドサポートプレート6の下面からの深さは、シュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも大きくなっている。この削除された部分にシュラウドサポートプレート6の下方から埋め戻し溶接による補修溶接が実施される(図2(B)参照)。この補修溶接は炉心シュラウド3内およびシュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部の下面に向かって移動させた溶接装置29(図12参照)を用いて行われる。その補修溶接により、H9溶接部の下部に補修溶接部が形成される。補修溶接部のシュラウドサポートプレート6の下面からの厚みは必要最小板厚Tminよりも大きくなっている。その後、H9溶接部の上部のひびが生じている部分を、シュラウドサポートプレート6の上方から削除する(図2(B)参照)。この上部のひびが生じている部分の削除は、アニュラス部9を通してH9溶接部の上面に向かって移動させた加工装置27(図11参照)を用いて行われる。このため、H9溶接部の上部に凹部である削除部が形成される。以上により、シュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひびがH9溶接部に生じている場合において、ステップS6によるH9溶接部の補修が終了する。
図2は(T−L)<TminおよびL>Tminを満足している状態でH9溶接部にシュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひびが生じている場合におけるH9溶接部の補修を示しているが、(T−L)<TminおよびL>Tminを満足している状態でH9溶接部にシュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひびが生じている場合においても、H9溶接部に対してステップS6の補修が行われる。この場合におけるH9溶接部の補修を、図3を用いて説明する。図3(A)はステップS6の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひびがH9溶接部に生じている。シュラウドサポートプレート6の下面からのひびの深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも大きく(L>Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)<Tminとなっている。このとき、ひびの上端は、シュラウドサポートプレート6の下面から、上方に向かって必要最小板厚Tminだけ離れた位置よりも上方に位置している。このようなひびが発生しているH9溶接部では、溶接用の開先を形成するために、シュラウドサポートプレート6の下方から、H9溶接部の下部を、加工装置24を用いてシュラウドサポートプレート6の下方からひびが生じている部分を含めて削除する。図3(B)に示す補修においても、ひびが生じている部分で削除される部分のシュラウドサポートプレート6の下面からの深さは、シュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも大きくなっている。溶接装置29を用いて、この削除された部分にシュラウドサポートプレート6の下方から埋め戻し溶接による補修溶接が実施される(図3(B)参照)。この補修溶接により、H9溶接部の下部に補修溶接部が形成される。この補修溶接部のシュラウドサポートプレート6の下面からの厚みも必要最小板厚Tminよりも大きくなっている。その後、H9溶接部の上部のひびが生じている部分を、アニュラス部9に挿入された加工装置27を用いてシュラウドサポートプレート6の上方から削除する(図3(B)参照)。このため、H9溶接部の上部に凹部である削除部が形成される。以上により、シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひびがH9溶接部に生じている場合において、ステップS6によるH9溶接部の補修が終了する。
図2(A)および図3(A)の状態では(T−L)<TminでL>Tminであり、生じているひびのためにシュラウドサポートプレート6、具体的には、H9溶接部で必要最小板厚Tminが確保されていないために、必要最小板厚Tminを確保する補修溶接部をH9溶接部の下部に形成する上記したステップS6の補修が行われる。複数のジェットポンプ8が配置されて狭隘部が形成されるアニュラス部9を通してシュラウドサポートプレート6の上面にアクセスするよりも、シュラウドサポートレグ7の相互間を通してシュラウドサポートプレート6の下方よりシュラウドサポートプレート6の下面にアクセスするほうが容易であるため、ステップS6の補修では、H9溶接部の下部におけるひびが生じていた部分に対する補修溶接は、比較的作業性の良いシュラウドサポートプレート6の下方から行われる。アニュラス部9を通してのH9溶接部に対する作業は、H9溶接部の上部におけるひびが生じていた部分を削除する加工である。
図2(B)および図3(B)のそれぞれの補修では、H9溶接部の下部における補修溶接範囲は、シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かって必要最小板厚Tminを確保する範囲に抑えて、アニュラス部9を通してシュラウドサポートプレート6の上面からH9溶接部の上部のひびを削除する加工を実施する。このとき、ひび加工幅は、研削の場合は砥石幅、放電加工の場合は電極幅を考慮した加工幅となり、埋め戻し溶接による補修溶接に必要な開先幅よりも小さい幅で対応が可能となる。
H9溶接部の上部におけるひびが生じていた部分を削除する加工を行わないで、シュラウドサポートプレート6の下方から、H9溶接部の上部に生じているひびまでを全て削除する開先加工、およびこの開先における補修溶接を実施した場合には、補修溶接する深さがさらに大きくなって埋め戻し溶接による補修溶接の範囲が拡大し、H9溶接部の補修に要する時間が非常に長くなる。さらに、H9溶接部の上部に生じているひびまでを全て削除して形成された開先はシュラウドサポートプレート6を貫通しているため、シュラウドサポートプレート6の下方よりその開先に対して埋め戻し溶接を行うとき、シュラウドサポートプレート6の上面に当て板を設置して開先の上端を塞いで、この当て板を起点に埋め戻し溶接を行う必要がある。複数のジェットポンプ8が林立している狭隘部であるアニュラス部9を通して当て板を下降させ、この当て板をシュラウドサポートプレート6の上面に設置する作業は非常に面倒であり、長時間を要する。
図2(B)および図3(B)のように、H9溶接部の下部に補修溶接を実施し、補修溶接が終了後にH9溶接部の上部におけるひびが生じていた部分を削除することによって、H9溶接部の補修に要する時間を短縮することができる。特に、H9溶接部の下部への補修溶接に際しては、H9溶接部の上部の部分を残してH9溶接部の下部に切削にて凹部である開先を形成するため、当て板をシュラウドサポートプレート6の上面に設置しないで、H9溶接部の下部に形成した開先内で埋め戻し溶接による補修溶接を容易に行うことができる。当て板の設置が不要になるため、H9溶接部の補修に要する時間をさらに短縮することができる。
ステップS4の判定が「No」であるとき、ひびの位置が判定される(ステップS5)。超音波探傷装置26で受信した反射波を用いてH9溶接部に生じているひびの位置が判定される。すなわち、そのひびの位置が、「H9溶接部の上部」、「H9溶接部の下部」および「H9溶接部の上部及び下部の両方」のいずれであるかを判定する。H9溶接部に生じているひびの位置が、「H9溶接部の上部」および「H9溶接部の上部及び下部の両方」である場合には、H9溶接部に対して前述のステップS6の補修が行われる。ステップS5において、ひびが生じている位置が「H9溶接部の下部」であると判定された場合には、ステップS7の補修がH9溶接部に対して行われる。ステップS7の補修では、H9溶接部の下部に補修溶接を行い、H9溶接部の上部はそのままで補修溶接が実施されない。
ステップS7の補修を、図4を用いて説明する。図4(A)はステップS7の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひびがH9溶接部に生じている。シュラウドサポートプレート6の下面からのひびの深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも小さく(L<Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)<Tminとなっている。このようなひびが発生しているH9溶接部では、補修溶接用の開先である下方に向かって開放される凹部38を形成するために、H9溶接部の下部を、加工装置24を用いて、シュラウドサポートプレート6の下方からひびが生じている部分を含めて削除する。そして、溶接装置29を用いて、形成された凹部38の一部に対してこの削除された部分にシュラウドサポートプレート6の下方から埋め戻し溶接による補修溶接を実施する(図4(B)参照)。この補修溶接により、H9溶接部の下部に補修溶接部が形成されて凹部38の一部が残っている。図4(B)に示す補修においては、シュラウドサポートプレート6の上面からの厚みが補修溶接部の厚みを含めて必要最小板厚Tminよりも大きくなる最小限の補修溶接を凹部38内で実施すればよい。ステップS7の補修では、ステップS6の補修のように、H9溶接部の上部に対する削除等の作業が行われない(図4(B)参照)。
ステップS3の判定が「Yes」であるとき、すなわち、残存板厚(T−L)が必要最小板厚Tmin以上((T−L)≧Tmin)であるとき、ひびの位置が判定される(ステップS8)。超音波探傷装置26で受信した反射波を用いてH9溶接部に生じているひびの位置が判定され、「H9溶接部の上部」の場合にはステップS9の補修が、「H9溶接部の下部」の場合にはステップS10の補修が、および「H9溶接部の上部及び下部の両方」の場合にはステップS11の補修がそれぞれ行われる。
ひびの位置が「H9溶接部の上部」であると、ステップS8で判定されたとき、ステップS9の補修がH9溶接部に対して行われる。ステップS9の補修を、図5を用いて説明する。図5(A)はステップS9の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひびがH9溶接部の上部に生じている。シュラウドサポートプレート6の上面からのひびの深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも小さく(L<Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)≧Tminとなっている。このとき、ひびの下端は、シュラウドサポートプレート6の下面から、上方に向かって必要最小板厚Tminだけ離れた位置よりも上方に位置している。このようなひびが発生しているH9溶接部では、下部に対する補修溶接は行われない。H9溶接部の上部のひびが生じている部分を、アニュラス部9に挿入された加工装置27を用いてシュラウドサポートプレート6の上方から削除する(図5(B)参照)。このため、H9溶接部の上部に凹部である削除部が形成される。以上により、シュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひび(L<Tmin)がH9溶接部に生じている場合において、ステップS9によるH9溶接部の補修が終了する。
ひびの位置が「H9溶接部の下部」であると、ステップS8で判定されたとき、ステップS10の補修がH9溶接部に対して行われる。ステップS10の補修を、図6を用いて説明する。図6(A)はステップS10の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひびがH9溶接部の下部に生じている。シュラウドサポートプレート6の下面からのひびの深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも小さく(L<Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)≧Tminとなっている。このとき、ひびの上端は、シュラウドサポートプレート6の上面から、下方に向かって必要最小板厚Tminだけ離れた位置よりも下方に位置している。このようなひびが発生しているH9溶接部では、H9溶接部の下部において、加工装置24を用いてシュラウドサポートプレート6の下方からひびが生じている部分を削除する(図6(B)参照)。このため、H9溶接部の下部に凹部である削除部が形成される。ステップS10の補修では、H9溶接部の下部に対する補修溶接、およびH9溶接部の上部に対する削除等の作業は行われない。以上により、シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひび(L<Tmin)がH9溶接部に生じている場合において、ステップS10によるH9溶接部の補修が終了する。
ひびの位置が「H9溶接部の上部及び下部の両方」であると、ステップS8で判定されたとき、ステップS11の補修がH9溶接部に対して行われる。ステップS11の補修を、図7を用いて説明する。図7(A)はステップS11の補修を行う前のH9溶接部の状態を示している。シュラウドサポートプレート6の下面からその上面に向かうひび、およびシュラウドサポートプレート6の上面からその下面に向かうひびが、H9溶接部に生じている。両方のひびの合計深さLはシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも小さく(L<Tmin)、(T−L)とTminの関係は(T−L)≧Tminとなっている。このようなひびが発生しているH9溶接部では、H9溶接部の下部において、加工装置24を用いてシュラウドサポートプレート6の下方からひびが生じている部分を削除する(図6(B)参照)。このため、H9溶接部の下部に凹部である削除部が形成される。ステップS11の補修では、H9溶接部の下部に対する補修溶接が行われない。さらに、H9溶接部の上部のひびが生じている部分を、アニュラス部9に挿入された加工装置27を用いてシュラウドサポートプレート6の上方から削除する(図7(B)参照)。このため、H9溶接部の上部にも凹部である削除部が形成される。以上により、H9溶接部の上部および下部の両方にひびが生じており、両方のひびの合計深さLがL<Tminを満足している場合において、ステップS11によるH9溶接部の補修が終了する。
H9溶接部にひびが生じている場合におけるH9溶接部の補修について述べたが、シュラウドサポートプレート6の内側端部とシュラウドサポートシリンダ5の溶接部であるH8溶接部にひびが生じている場合には、H8溶接部の補修をH9溶接部の補修と同様に行うことができる。
図1〜図7に示すシュラウドサポートの補修方法は、シュラウドサポートシリンダ5の上端と炉心シュラウド3の下端部の溶接部であるH7溶接部にひびが生じている場合にも適用することができる。ひびが生じているH7溶接部の補修においては、H9溶接部の上部がH7溶接部の外部に該当し、H9溶接部の下部がH7溶接部の内部に該当する。このため、H7溶接部の外部に存在するひびの部分の削除は、アニュラス部9を通してH7溶接部の外面に向かって加工装置を移動させることにより行われる。H7溶接部の内部に存在するひびの部分の削除、およびこの削除した部分への補修溶接は、炉心シュラウド3内を通してH7溶接部の内面に向かって加工装置および溶接装置を移動させることにより行われる。
また、図1〜図7に示すシュラウドサポートの補修方法は、シュラウドサポートレグ7の上端部とシュラウドサポートシリンダ5の下端部の溶接部であるH10溶接部にひびが生じている場合、およびシュラウドサポートレグ7の下端部と原子炉圧力容器1の内面であるバタリング部2の溶接部であるH11溶接部にひびが生じている場合にも適用することができる。ひびが生じているH10溶接部およびH11溶接部のそれぞれの補修においては、H9溶接部の上部がH10溶接部およびH11溶接部のそれぞれの外側部分に該当し、H9溶接部の下部がH10溶接部およびH11溶接部のそれぞれの内側部分に該当する。このため、H10溶接部(またはH11溶接部)の外側部分に存在するひびの部分の削除は、炉心シュラウド3内を下降させ、シュラウドサポートレグ7の内側からシュラウドサポートレグ7相互間およびシュラウドサポートレグ7の外側へと移動させ、さらに、H10溶接部(またはH11溶接部)の外面に向かって移動させた加工装置を用いることにより行われる。H10溶接部(またはH11溶接部)の内側部分に存在するひびの部分の削除、およびこの削除した部分への補修溶接は、炉心シュラウド3内を通してH10溶接部(またはH11溶接部)の内面に向かって移動させた加工装置および溶接装置を用いることにより行われる。
以上の説明を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1のシュラウドサポートの補修方法を、図10〜図17を用いて説明する。本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、沸騰水型原子炉に適用され、H9溶接部を対象に実施される場合を例に挙げて説明する。H9溶接部には、L>Tminを満足するひび、例えば、実施例1と同様に、H9溶接部を貫通するひびが形成されていると想定する。
沸騰水型原子炉の運転が停止された後に、沸騰水型原子炉の定期検査が実施される。本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、この定期検査の期間中に行われる。
沸騰水型原子炉の運転が停止された後、原子炉圧力容器1の上蓋が取り外される。そして、原子炉圧力容器1内に設置されている蒸気乾燥器及び気水分離器が、順次取り外されて原子炉圧力容器1の外部に搬出される。さらに、炉心に装荷されている複数の燃料集合体が、原子炉圧力容器1外に搬出され、燃料プール(図示せず)に移送される。
実施例1のシュラウドサポートの補修方法では、まず、図16に示すように、超音波探傷装置を探傷対象物の表面に設置する(ステップS21)。超音波探傷装置26を、図11に示すように、H9溶接部の位置で原子炉圧力容器1の外面に設置する。超音波探傷装置26から超音波をH9溶接部に向けて原子炉圧力容器1に入射する。この超音波の反射波を超音波探傷装置26で受信し、受信した反射波を用いてH9溶接部にひびが生じているかを判定する。H9溶接部にひびが生じている場合には、ステップS1におけるひびの深さLの測定が行われる。
上記したH9溶接部を対象とした超音波探傷により、図10(A)に示すように、上下方向に貫通しているひび13がH9溶接部に生じていることが判明したとする。ひび13は、H9溶接部の上部の溶接部12Aの上面からその下部の溶接部12Bの下面まで達している。このひび13の深さLはシュラウドサポートプレート6の板厚Tと同じである。そして、ステップS2におけるシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminの算出が行われる。
ひび13の深さLがシュラウドサポートプレート6の板厚Tと同じであるため、ステップS3において残存板厚(T−L)が必要最小板厚Tmin未満((T−L)<Tmin)であると判定される。さらに、ステップS4においてL>Tminであると判定される。このため、貫通するひび13が生じているH9溶接部に対して、ステップS6の補修が選定され、選定されたステップS6の補修が行われる。ステップS6の補修が終了したとき、図10(B)に示すように、H9溶接部の下部に補修溶接部14が形成され、上下方向における補修溶接部14の厚みは、必要最小板厚Tminよりも厚くなっている。H9溶接部の上部に、ひび13が生じている部分を削除した削除部15が形成される。ステップS6の補修によるH9溶接部での補修溶接部14および削除部15の形成を、詳細に説明する。
ステップS6の補修には、図11に示す加工装置24を有する作業装置20および加工装置27、および図12に示す溶接装置29が用いられる。作業装置20は、本体21、多軸アーム22、支持部材23および加工装置24を有する。多軸アーム22は、関節で折れ曲がる複数のアームを有し、本体21に取り付けられる。支持部材23が多軸アーム22の先端部に取り付けられ、切削工具25を有する加工装置24が支持部材23に取り付けられる。溶接装置29は、加工装置24の替りに、作業装置20の支持部材23に取り付けられる。加工装置27は本体の先端部に切削工具(例えば、グラインダー)28を取り付けている。切削工具28として放電加工装置を用いても良い。
図16および図17に示す手順に沿って本実施例のシュラウドサポートの補修方法を説明する。加工装置を原子炉圧力容器内の炉底部に設置する(ステップS22)。原子炉圧力容器1の上方に存在する、原子炉建屋内の運転床上を移動する燃料交換機(図示せず)(または作業台車(図示せず))に吊り下げられた作業装置20が、上方より原子炉圧力容器1内に下降され、予め上部格子板4bおよび炉心支持板4aに形成された開口部を通過して取り付けたガイド管37内を通過して炉心支持板4aの下方でシュラウドサポートレグ5まで下降される。ガイド管37は、後述する放射線遮へい体に取り付けたガイド管と区別するために、第1ガイド管37と称する。なお、放射線遮へい体に取り付けたガイド管は第2ガイド管と称する。
第1ガイド管37は、円筒形状の案内管で、上部格子板4bから炉心支持板4aの下方位置までの長さを有し、管中間部の外面から外側に張り出したストッパ部材(図示せず)により炉心支持板4aに保持されるとともに、管上端部の外面に取り付けられた他のストッパ部材(図示せず)の両端部を、第1ガイド管37が挿入された、上部格子板4bの1つの矩形の升目の1つの対角線方向に存在する2つのコーナ部にそれぞれ配置することにより、第1ガイド管37の軸心周りの回転が阻止される。また、これら2箇所に設けられたストッパ部材により、第1ガイド管37の上端部および中間部を上部格子板4bおよび炉心支持板4aで保持するので、第1ガイド管37の傾きが抑制される。第1ガイド管37の内面にガイドレール(図示せず)が設けられている。
作業装置20の本体21の上部側面に車輪(図示せず)が設けられている。作業装置20が第1ガイド管37内を下降するとき、その車輪が第1ガイド管37内のガイドレールにそって回転するので、作業装置20の第1ガイド管37内での下降がスムーズに行われる。作業装置20の本体21の下端部が第1ガイド管37の下端よりも下方まで下降したとき、作業装置20の下降が停止される。本体21に設けられた多軸アーム22も、第1ガイド管37の外部に存在する。このとき、作業装置20の本体21は、上記の車輪により第1ガイド管37内のガイドレールに支持された状態にあり、第1ガイド管37を介して上部格子板4bおよび炉心支持板4aに支持される。
その後、多軸アーム22が折り曲げられて、多軸アーム22の先端部の支持部材23に取り付けられた加工装置24が、シュラウドサポートレグ7の相互間に形成された開口部を通ってシュラウドサポートレグ7の外側に移動される。支持部材23に取り付けられたカメラ(図示せず)によって加工装置24が撮影され、カメラから出力された映像情報が表示装置(図示せず)に映し出されて加工装置24の動きが監視される。この表示装置は、運転床上に置かれている。さらに、加工装置24がシュラウドサポートプレート6の下方からシュラウドサポートプレート6の下面に接近され、加工装置24の切削工具25がH9溶接部の溶接部12Bの下面に対向される。
シュラウドサポートプレートの溶接部の下部を加工する(ステップS23)。シュラウドサポートプレート6のH9溶接部の下部である、ひび13が生じている溶接部12Bを、切削工具25を用いて下方より切削し、溶接部12Bに開先30(図13参照)を形成する。開先30の形成は、水中で行われる。切削工具25による溶接部12Bの加工は、後述のステップS27の水抜き後における気中雰囲気で行うことも可能であるが、開先30の形成のためのその加工を水中で行うことによって、溶接部12Bのその加工時に生じる発熱によって温度が上昇する切削工具25および溶接部12Bを、原子炉圧力容器1内の冷却水で冷却することができる。このため、上記の発熱による切削工具25への負担が軽減される。また、原子炉圧力容器1内での作業は、放射線の遮へいを考慮すると、できるだけ水中で行うことが望ましい。
開先の深さおよび開先の形状を測定する(ステップS24)。切削工具25による切削により形成される開先30の深さα0および開先30の形状が測定される。開先形状は、レプリカ剤で型取りし、その形状を計測することで把握することが可能である。開先の深さα0が目標開先深さα1になったかが判定される(ステップS24)。目標開先深さα1はシュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tmin以上に設定される。α0<α1であるとき、切削工具25による溶接部12Bの切削が継続され、溶接部12Bに形成される開先30の深さα0が深くなる。
ステップS25においてα0≧α1であると判定されたとき、切削工具25による溶接部12Bの加工が停止される。このとき、深さα0が目標開先深さα1になっている開先30が、H9溶接部の下部に形成される。開先30の上方には、ひび13が生じている、H9溶接部の上部の溶接部12Aが存在する。加工装置が取り外される(ステップS26)。多軸アーム22を駆動して加工装置24をシュラウドサポートレグ7の内側へ移動させ、作業装置20を運転床まで引き上げる。運転床上で、支持部材23から加工装置24を取り外す。
原子炉圧力容器内の水抜きを行う(ステップS27)。炉心シュラウド3および原子炉圧力容器1のそれぞれの上端に、天井クレーンを用いて、放射線遮へい体をそれぞれ設置する。これらの放射線遮へい体は、作業装置20が通過できる第2ガイド管により連結されている。なお、この第2ガイド管は水中雰囲気での作業に使用した第1ガイド管37と異なり、運転床から放射線遮へい体を貫通して、炉心支持板4aの下方まで位置するもので、第2ガイド管の上端は、放射線遮へい材で構成された蓋により封鎖されている。放射線遮へい体設置後に、原子炉圧力容器1内の冷却水が、原子炉圧力容器1の底部に接続されたドレン配管から排出され、原子炉圧力容器1内が気中雰囲気になる。
原子炉圧力容器内の炉底部に磨き装置を設置する(ステップS28)。加工装置24の替りに磨き装置を、支持部材23に取り付けた作業装置20を、上端の蓋が取り外された第2ガイド管内を下降させ、さらに前述のように第1ガイド管37内を下降させる。この磨き装置は炉心支持板4よりも下方で炉底部のシュラウドサポートレグ7付近まで下降する。このとき、作業装置20の本体21は、水中雰囲気での作業と同様に、ガイド管37によって支持される。多軸アーム22を駆動して、支持部材23に取り付けた磨き装置を、シュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部に形成された開先30付近まで移動させる。磨き作業を実施する(ステップS29)。磨き装置を開先30内に挿入し、開先の内面を磨き装置を用いて磨く。開先内面の磨き作業が終了した後、磨き装置を取り外す(ステップS30)。磨き作業の終了後、多軸アーム22を駆動して磨き装置をシュラウドサポートレグ7の内側へ移動させ、作業装置20をガイド管を通して運転床まで引き上げる。運転床上で、磨き装置を支持部材23から取り外す。
炉底部に溶接装置を設置する(ステップS31)。運転床上で、溶接装置29を支持部材23に取り付ける。溶接装置29が取り付けられた作業装置20を、ガイド管を通して炉底部のシュラウドサポートレグ7付近まで下降させる。多軸アーム22の駆動により、溶接装置29を、シュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部に形成された開先30付近まで移動させる。補修溶接を実施する(ステップS32)。溶接装置29を用いて、シュラウドサポートプレート6の下方より開先30内で溶接ビードを繰返し盛る埋め戻し溶接を実施する。開先30内での埋め戻し溶接が終了したとき、H9溶接部の下部に、厚みが必要最小板厚Tmin以上になっている補修溶接部14が形成される(図14参照)。補修溶接部14の形成により、H9溶接部において、必要最小板厚Tmin以上のひびの無い板厚を確保することができる。
補修溶接が終了した後、溶接装置を取り外す(ステップS33)。補修溶接の終了後、多軸アーム22を駆動して溶接装置29をシュラウドサポートレグ7の内側へ移動させ、作業装置20をガイド管を通して運転床まで引き上げる。運転床上で、溶接装置29を支持部材23から取り外す。炉底部に加工装置を設置する(ステップS34)。運転床上で、加工装置24を支持部材23に取り付ける。加工装置24が取り付けられた作業装置20を、第2ガイド管および第1ガイド管37のそれぞれを通して炉底部のシュラウドサポートレグ7付近まで下降させる。多軸アーム22の駆動により、加工装置29を、シュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部に形成された補修溶接部14の下面まで移動させる。補修溶接部表面の仕上げを実施する(ステップS35)。加工装置29の切削工具25を用いて、補修溶接部14の表面(下面)を切削する。加工装置を取り外す(ステップS36)。ステップS26と同様に、運転床上で、支持部材23から加工装置2を取り外す。
炉底部にPT装置を設置する(ステップS37)。運転床上で、浸透探傷検査装置を支持部材23に取り付ける。浸透探傷検査装置が取り付けられた作業装置20を、第2ガイド管および第1ガイド管37のそれぞれを通して炉底部のシュラウドサポートレグ7付近まで下降させる。多軸アーム22の駆動により、浸透探傷検査装置を、シュラウドサポートレグ7の相互間を通してH9溶接部に形成された補修溶接部14の下面付近まで移動させる。
補修溶接部の検査を実施する(ステップS38)。支持部材23に取り付けられた浸透探傷検査装置を用いて補修溶接部14の浸透探傷検査を行い、H9溶接部付近で原子炉圧力容器1の外面に設置された超音波探傷装置26を用いて補修溶接部14の超音波探傷を行う。補修溶接部での欠陥の有無を判定する(ステップS39)。浸透探傷検査で得られた情報および超音波探傷で得られた情報を用いて、補修溶接部14に欠陥が存在するか否かを判定する。
ステップS39において補修溶接部14に欠陥が存在すると判定された場合には、ステップS48〜S51の各工程は実施される。ステップS48〜S51について説明する。
補修溶接部を加工する(ステップS48)。ステップS34と同様に、加工装置24を取り付けた作業装置20を、第2ガイド管および第1ガイド管37のそれぞれを通して原子炉圧力容器1内の炉底部まで下降させる。第1ガイド管37の下端よりも下方に本体21の下端部が到達したときに、作業装置20の下降が停止される。作業装置20は第1ガイド管37を介して上部格子板4bおよび炉心支持板4aに支持される。加工装置24を補修溶接部14の下面付近まで移動させる。切削工具25を用いて補修溶接部14を切削し、開先30を形成する。加工面の検査を実施する(ステップS49)。形成された開先30の内面をPT装置および超音波探傷装置26を用いて形成された開先30の内面を検査する。開先での欠陥の有無を判定する(ステップS50)。浸透探傷検査で得られた情報および超音波探傷で得られた情報を用いて、開先30に欠陥が存在するか否かを判定する。欠陥が存在する場合には、ステップS48〜S50の各工程を再度実施する。
ステップ50において開先30に欠陥が存在しないと判定されたとき、補修溶接を再度実施する(ステップS50)支持部材23に取り付けられた溶接装置19を用いて、ステップS32と同様に、新たに形成された開先30内で埋め戻し溶接を実施する。開先30内での埋め戻し溶接が終了したとき、ステップS37〜S39の各工程が実施される。ステップS39おいて補修溶接部14に欠陥が存在しないと判定されたとき、H9溶接部の下部に対する補修溶接が終了する(ステップS40)。補修溶接の終了後、作業装置20がガイド管を通して運転床まで引き上げられる。
H9溶接部の下部に対する補修溶接が終了した後、H9溶接部の上部である溶接部12Aのひびが生じている部分を削除する作業が行われる。この作業は、図17に示すステップS41〜S46の各工程を実施する。
原子炉圧力容器内への水張りを実施する(ステップS41)。ガイド管で連結されて炉心シュラウド3の上端に設置された放射線遮へい体および原子炉圧力容器1の上端に設置された放射線遮へい体が、天井クレーンを用いて取り除かれる。その後、原子炉圧力容器1内に冷却水を充填する。冷却水は、原子炉圧力容器1内で上部格子板5の上方まで充填される。
アニュラス部に加工装置を設置する(ステップS42)。燃料交換機(または作業台車)に吊り下げられた加工装置27を、原子炉圧力容器1内に吊り降ろし、複数のジェットポンプ8が林立しているアニュラス部9内を下降させる。加工装置27の切削工具28を、ひび13が存在する溶接部12Aの上面に対向させる。この状態で、加工装置27は、例えば、ジェットポンプ8に設けられた張り出し部材に保持される。シュラウドサポートプレート溶接部(H9溶接部)の上部を加工する(ステップS43)。加工装置27の切削工具28を用いて、シュラウドサポートプレート6の上方から、溶接部12Aのひび13が存在している部分を切削して除去する。この切削により、溶接部12Aに凹部である削除部15が形成される(図10(B)および図15参照)。H9溶接部の上部に残存するひびが存在しないかが判定される(ステップS44)。切削工具28を用いて溶接部12Aを切削している間、原子炉圧力容器1の外面に設置した超音波探傷装置26から溶接部12Aに向けて超音波を入射し、この超音波の反射波を超音波探傷装置26で受信する。受信した反射を用いて、溶接部12Aの、切削工具28で切削されていない部分にひび13が存在しないかが判定される。溶接部12Aにまだひび13が存在する場合には、ステップS43において、溶接部12Aのひび13が存在する部分の切削が継続される。超音波探傷装置26から溶接部12Aへの超音波の送信および反射波の受信は、溶接部12Aのひび13が存在する部分の切削が行われている間、継続して行われる。ステップS43において、残存溶接部12Aにひび13が存在しないと判定されたとき、シュラウドサポートプレート6の溶接部(H9溶接部)の上部に対する加工が終了する(ステップS45)。
シュラウドサポートプレート6の上方からのひびの除去が終了した後、形成された削除部の深さβを測定する(ステップS46)。溶接部12Aに存在したひび13の除去が終了した後、溶接部12Aに形成された削除部15の深さβが測定される。形成された削除部15の形状は、レプリカ剤で型取りし、型取りした形状を計測することで把握することができ、深さβも型取りした形状を用いて測定される。そして、シュラウドサポートプレート6の板厚Tから深さβを引いて得られる値が、シュラウドサポートプレート6の必要最小板厚Tminよりも大きい、すなわち、削除部15の形成によっても必要最小板厚Tminが確保できていることを確認する。
その後、補修溶接部に対して残留応力改善の処理が行われる(ステップS47)。この残留応力改善の処理は、例えば、ウォータジェットピーニングである。補修溶接部14に対してウォータジェットピーニングを行う場合には、高圧水を供給するホースに接続された噴射ノズルを、加工装置24と同様に、炉心シュラウド3内およびシュラウドサポートレグ7の相互間を通して補修溶接部14の下面付近まで移動させる。ホースに接続された高圧ポンプで昇圧された高圧水を、ホースを通して噴射ノズルに供給し、噴射ノズルから補修溶接部14の下面に向かって噴射される。噴射ノズルから噴射された水流に含まれるキャビテーション気泡が潰れるときに発生する衝撃波が補修溶接部14の下面に作用し、補修溶接部14の下面に圧縮残留応力が付与される。
また、削除部15を溶接部12Aに形成しても、ひびが存在しない溶接部12Aが残留している。この残留している溶接部12Aに対しても、シュラウドサポートプレート6の上方より、補修溶接部14に対する場合と同様に、残留応力改善の処理が行われる。高圧水を供給する高圧ホースに接続された噴射ノズルを、加工装置27に取り付けて、原子炉圧力容器1内に吊り降ろし、複数のジェットポンプ8が林立しているアニュラス部9内をさらに下降させる。加工装置27に取り付けた噴射ノズルを、削除部15の内面、すなわち、残留している溶接部12Aの上面に対向させる。この状態で、加工装置27は、例えば、ジェットポンプ8に設けられた張り出し部材に保持される。高圧ホースに接続された高圧ポンプで昇圧された高圧水を、高圧ホースを通して噴射ノズルに供給し、噴射ノズルから溶接部12Aの上面に向かって噴射させる。噴射ノズルから噴射された水流に含まれるキャビテーション気泡が潰れるときに発生する衝撃波が溶接部12Aの上面に作用し、溶接部12Aの上面に圧縮残留応力が付与される。
以上により、本実施例のシュラウドサポートの補修方法が終了する。
本実施例では、ひび13が生じているH9溶接部を補修する際に、シュラウドサポートプレート6の下方からH9溶接部の下部である溶接部12Bのひび13が存在する部分を削除して開先30を形成し、その後、シュラウドサポートプレート6の下方から、この開先30に埋め戻し溶接による補修溶接を行って、H9溶接部の下部に補修溶接部14を形成する。そして、その後、H9溶接部の上部である溶接部12Aのひび13が存在する部分を削除して凹部である削除部15を形成する。この削除部15には、補修溶接は行わない。このような本実施例によれば、H9溶接部の上部にひび13の部分を削除した削除部15を形成し、H9溶接部の下部のひび13が存在した部分であって削除部15の下方に補修溶接部14を形成することにより、補修溶接部14を形成する領域が狭くなり、また、溶接装置29のアクセスが容易なシュラウドサポートプレート6の下方から補修溶接を行うことができる。このため、H9溶接部の補修に要する時間を著しく短縮することができる。H9溶接部の上部に形成される削除部15に対しては、補修溶接が行われない。これは、アクセスが困難なアニュラス部9を通してシュラウドサポートプレート6の上面への溶接装置の下降を避けることができ、H9溶接部の補修に要する時間を長引かせることを避けることができる。
H9溶接部の上部に存在するひび13の部分を削除する前にH9溶接部の下部に開先30を形成するので、H9溶接部の上部に存在するひび13の部分、すなわち、溶接部12Aの下面を起点に開先30内で補修溶接を行うことができる。溶接部12Aを当て板として利用することができ、開先30内で補修溶接を行うために、シュラウドサポートプレート6の上面に当て板を設置する必要がない。
削除部15の形成により溶接部12Aに存在するひび13が残らないので、このひび13の進展に伴う補修溶接部14におけるひびの発生を抑えることができる。
H9溶接部の超音波検査のために、超音波探傷装置26を原子炉圧力容器1の外面に設置するので、超音波探傷装置26の設置が容易である。また、開先30および削除部15の形成におけるひび13の残存状況の確認、および補修溶接部14における欠陥の有無の確認を、原子炉圧力容器1の外面に設置された超音波探傷装置26を用いて行うことができるため、これらの確認作業と原子炉圧力容器1内で行われる作業(開先30の形成作業、補修溶接の作業および削除部15の形成作業)の干渉を避けることができる。これは、開先30の形成作業、補修溶接の作業および削除部15の形成作業を行いながら、開先30および削除部15のそれぞれの形成に伴う残存ひび13の確認、および補修溶接の作業に伴う補修溶接部14における欠陥生成の監視を可能にする。
開先30における補修溶接を気中雰囲気中で行うことができるので、補修溶接部14に欠陥が生じる可能性を低減することができる。すなわち、図17に示すステップS48〜S51までの再補修溶接を実施する可能性を低減することで、再補修溶接に要する時間の短縮が見込める。
原子炉圧力容器1内を気中雰囲気にしたとき、ガイド管で連結された放射線遮へい体で原子炉圧力容器の上端および炉心シュラウドの上端をそれぞれ覆っているので、原子炉圧力容器1内から上方に漏洩する放射線を遮へいすることができ、ガイド管を通して原子炉圧力容器1内の炉心支持板4より下方に溶接装置29を搬入することができる。このため、開先30への補修溶接をシュラウドサポートプレート6の下方から容易に行うことができる。
本実施例によれば、補修溶接部14の下面に対してシュラウドサポートプレート6の下方から容易にウォータジェットピーニングを施工することができる。
H9溶接部にひびが生じている場合で、ステップS3の判定が(T−L)<TminでL>Tminである場合には、このひびがシュラウドサポートプレート6の上面から下面に向かって伸びているとき、およびこのひびがシュラウドサポートプレート6の下面から上面に向かって伸びているときの何れにおいても、ステップS6の補修が適用されため、本実施例を適用することができる。
また、H9溶接部にひびが生じている場合で、ステップS3の判定が(T−L)<TminでL<Tminである場合には、このひびがシュラウドサポートプレート6の上面から下面に向かって伸びているとき、およびH9溶接部の上部および下部の両方にひびが存在するときの何れにおいても、ステップS6の補修を適用されるため、本実施例を適用することができる。すなわち、図16及び図17に記載されたステップS21〜S51の各工程を適用することができる。
H9溶接部にひびが生じている場合で、ステップS3の判定が(T−L)<TminでL<Tminである場合において、このひびがシュラウドサポートプレート6の下面から上面に向かって伸びているときには、ステップS7の補修が適用されるため、図16および図17に示す手順のうちステップS42〜S46の各工程を除いた残りの各工程が実施される。
本実施例は、シュラウドサポートプレート6の内側端部とシュラウドサポートシリンダ5の溶接部であるH8溶接部にひびが生じている場合においても適用することができる。この場合には、H8溶接部の超音波探傷は、超音波探傷装置26をシュラウドサポートシリンダ5の内面に設置する。
本発明の他の実施例である実施例2のシュラウドサポートの補修方法を、図18および図19を用いて説明する。本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、沸騰水型原子炉に適用され、H9溶接部を対象に実施される場合を例に挙げて説明する。H9溶接部には、L>Tminを満足するひび、例えば、実施例1と同様に、H9溶接部を貫通するひび13が形成されていると想定する。
本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、実施例1のシュラウドサポートの補修方法においてH9溶接部の下部における開先30の形成および補修溶接部14の形成を実施しないで、H9溶接部の下部に生じているひびの周囲を溶融してそのひびを消滅させる方法である。具体的には、実施例1で実施されるステップS21〜S51の各工程のうち、ステップS22〜S27およびS28〜S30を削除し、ステップS32を補修溶接(溶け込み溶接)の実施に替える方法である。本実施例のシュラウドサポートの補修方法の他の工程は、実施例1のシュラウドサポートの補修方法の工程と同じである。本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、沸騰水型原子炉の定期検査の期間中に行われる。
ステップS21において、超音波探傷装置26をH9溶接部の位置で原子炉圧力容器1の外面に設置し、H9溶接部の超音波探傷を実施する。この超音波探傷により、H9溶接部におけるひびの有無の判定、およびひびが生じている場合にはひびの深さLの測定を行う。超音波探傷により、H9溶接部に、図19に示す貫通したひび13が生じていることが判明した。さらに、図1に示すステップS2およびS3が実施される。ステップS3において(T−L)<Tminであると判定され、ステップS4においてL>Tminであると判定される。このため、貫通するひび13が生じているH9溶接部に対して、ステップS6の補修が選定され、選定されたステップS6の補修が行われる。
本実施例における、ひび13が生じているH9溶接部に対するステップS6の補修について、説明する。
ステップ27における原子炉圧力容器内の水抜きが行われる。この水抜きの前に、作業装置20が通過できるガイド管により連結されている2つの放射線遮へい体が、炉心シュラウド3および原子炉圧力容器1のそれぞれの上端に設置される。そして、実施例1と同様に、炉底部に溶接装置29を設置する(ステップS31)。本実施例で用いる溶接装置29は、A−TIG溶接(または高出力レーザ溶接)に用いられる溶接装置である。この溶接装置29は、ステップS31において、シュラウドサポートプレート6の下方に配置され、H9溶接部の下面に対向している。その後、H9溶接部の下部に対して補修溶接を実施する(ステップS32)。活性フラックスを使用したA−TIG溶接による溶け込み溶接を、溶接装置29を用いて、ひび13が存在する、H9溶接部の下部の溶接部12Bに対して実施する。この溶け込み溶接により、ひび13の周囲に存在する溶接部12Bの金属が溶融され、H9溶接部の下部に存在したひび13が消滅する。H9溶接部の下部で実施する溶け込み溶接の範囲の、H9溶接部の下面(シュラウドサポートプレート6の下面)からの深さγは、必要最小板厚Tmin以上とする。活性フラックスを使用したA−TIG溶接の替りに、高出力レーザ溶接、または高出力レーザにTIGまたはMIGなどの溶接と組合せたハイブリット溶接を使用しても良い。溶け込み溶接により溶融した部分が再凝固することによって、H9溶接部の下部に補修溶接部16が形成される(図19参照)。この補修溶接部16にはひび13が存在していない。H9溶接部の下部に対して溶け込み溶接を行っているとき、H9溶接部付近で原子炉圧力容器1の外面に設置した超音波探傷装置26からH9溶接部に向かって超音波を送信し、この超音波の反射波を用いてひび13の溶融の範囲を確認する。また、その溶け込み溶接の終了の判断も、超音波の反射波を用いて行われる。
その後、ステップS33〜S51の各工程が実施される。ステップS43における加工装置27を用いた加工により、H9溶接部の上部のひび13が存在する部分が削除され、削除部15が形成される(図20参照)。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例ではH9溶接部の下部における開先30を形成する加工を実施しないので、本実施例は実施例1よりもH9溶接部の補修に要する時間をさらに短縮することができる。
本実施例も、実施例1と同様に、H9溶接部およびH8溶接部のそれぞれに対してステップS6の補修を行う他のケースに対しても適用することができる。また、H9溶接部およびH8溶接部のそれぞれに対してステップS7の補修を行う場合には、本実施例におけるステップS27,S31〜S41およびS47〜S51の各工程を適用することができる。
本発明の他の実施例である実施例3のシュラウドサポートの補修方法を、図20〜図22を用いて説明する。本実施例のシュラウドサポートの補修方法は、沸騰水型原子炉に適用され、シュラウドサポートレグ7の下端部と原子炉圧力容器1の内面であるバタリング部2の溶接部であるH11溶接部を対象に実施される。H11溶接部には、L>Tminを満足するひび、例えば、H11溶接部を貫通するひびが形成されていると想定する。H11溶接部の補修では、Tがシュラウドサポートレグ7の板厚であり、Tminがシュラウドサポートレグ7の必要最小板厚である。
本実施例においても、図16および図17に示されたステップS21〜S51の各工程が実施される。H11溶接部を対象にした補修では、H9溶接部を対象にした補修とは異なり、H11溶接部の内側部分に補修溶接部14が形成され、H11溶接部の外側部分に削除部15が形成される。
H11溶接部の補修に使用される加工装置34を有する作業装置30、溶接装置35および加工装置36を有する作業装置30Aを説明する。
作業装置30は、本体31、複数のリンク部材33、支持部材32および加工装置34を有する(図20参照)。上下方向に伸びる支持部材32が複数のリンク部材33により本体31に取り付けられる。これらのリンク部材33は支持部材32および本体31のそれぞれに回転可能に取り付けられる。切削工具を有する加工装置34が支持部材の下端部に取り付けられる。溶接装置35は、加工装置34の替りに、作業装置30の支持部材32に取り付けられる(図21参照)。作業装置30Aは、本体31、複数のリンク部材33、支持部材32および加工装置36を有する(図22参照)。上下方向に伸びる支持部材32が複数のリンク部材33により本体31に取り付けられる。これらのリンク部材33は支持部材32および本体31のそれぞれに回転可能に取り付けられる。切削工具を有する加工装置36が支持部材の下端部に取り付けられる。
ステップS21において、超音波探傷装置26は、H11溶接部付近で原子炉圧力容器1の外面に設置される。超音波探傷装置26は、超音波をH11溶接部に向かって送信し、H11溶接部の超音波探傷及び後述のH11溶接部での開先30の形成、補修溶接部14の形成および削除部15の形成の監視も行う。
加工装置34の原子炉圧力容器内の炉底部への設置(ステップS22)では、作業装置30を、実施例1における作業装置20と同様に、炉心シュラウド3内を下降させ、作業装置30の本体31の下端部を制御棒駆動機構ハウジング10の上端部で支持する。リンク部材33を動かして加工装置34の切削工具をH11溶接部の内面に対向させる。ステップS23では、この切削工具を用いて、シュラウドサポートレグ7の内面側から、ひびが生じているH11溶接部の内側部分を切削し(図20参照)、この内側部分にシュラウドサポートレグ7の内側に向かって開放される開先30を形成する。ステップS24およびS25の各工程が実施される。ステップS25においてα0≧α1であると判定されたとき、切削工具によるH11溶接部の内側部分の加工が停止される。
その後、実施例1と同様に、ステップS26〜S28の各工程が実施される。ステップS29では、作業装置30の支持部材32に取り付けられた磨き装置を用いて、H11溶接部の内側部分に形成された開先30の内面を磨く。そして、ステップS30およびS31の各工程が実施される。
ステップS31では、支持部材32に溶接装置35を取り付けた作業装置30を、炉心シュラウド3内を下降させ、作業装置30の本体31の下端部を制御棒駆動機構ハウジング10の上端部で支持する。リンク部材33を動かして溶接装置35をH11溶接部の内側部分に形成された開先30の内面に対向させる。ステップS32では、この溶接装置35を用いて、気中において、開先30の底面から、補修溶接を実施する。この補修溶接は、シュラウドサポートレグ7の内面側から行われる。
補修溶接が終了した後、前述のステップS33〜S39の各工程を実施する。ステップS39の判定が、欠陥有りの場合には、ステップS48〜S51の各工程が実施され、さらに、ステップS37〜S39の各工程が再度実施される。ステップS39の判定が欠陥なしの場合には、H11溶接部の内側部分に対する補修溶接が終了する(ステップS40)。
次に、H11溶接部の外側部分における削除部15を形成する作業が実施される。本実施例におけるステップS42は、実施例1と異なり、加工装置をアニュラス部ではなくシュラウドサポートレグ7の内側に設置する。すなわち、加工装置36を有する作業装置30Aは、作業装置30と同様に、炉心シュラウド3内を下降させ、作業装置30Aの本体31の下端部を制御棒駆動機構ハウジング10の上端部で支持する。リンク部材33を駆動して、支持部材32に取り付けられた加工装置36を、シュラウドサポートレグ7の外面よりも外側に移動させる。シュラウドサポートレグ7の外面よりも外側において、加工装置36を、支持部材32に設けられた水平方向に伸びるガイド部材に沿って水平方向に移動させ、シュラウドサポートレグ7の外面、すなわち、H11溶接部の外面に対向させる。ステップS43では、加工装置36の切削工具を用いて、H11溶接部の外側部分の、ひびが存在する部分を切削して除去する。この切削により、H11溶接部の外側部分に、シュラウドサポートレグ7の外側に向かって開放される削除部15が形成される。ステップS44においてH11溶接部の外側部分の残存部にひびが存在しないと判定されたとき、シュラウドサポートレグ7の溶接部(H9溶接部)の上部に対する加工が終了する(ステップS45)。その後、ステップS46およびS47の各工程が実施され、本実施例のシュラウドサポートの補修方法が終了する。
H11溶接部に対する補修を行う本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
本実施例は、H11溶接部でステップS6の補修を実施する他のケースに対しても適用することができる。また、本実施例は、シュラウドサポートシリンダ5の下端部とシュラウドサポートレグ7の上端部の溶接部であるH10溶接部の補修に対しても適用することができる。この場合には、H10溶接部の外側部分を切削する作業装置として、図23に示す作業装置30Aにおいて、加工装置36を支持部材32の上端部に水平方向に移動可能に取り付けた作業装置を用いる。このとき、加工装置36の切削工具は、上を向いている。
また、実施例1で実施されるステップS21〜S51の各工程を、炉心シュラウド3の下端部とシュラウドサポートシリンダ5の上端部の溶接部であるH7溶接部の補修に適用する場合には、作業装置20の替りに作業装置30を用いて、実施例3と同様に、H7溶接部の内側部分への開先30の形成および補修溶接部14の形成が行われる。ステップS43では、実施例1と同様にアニュウラス部9内に挿入された加工装置27を用いて、H7溶接部の外側部分のひびが生じている部分の切削を、H7溶接部の外面側から実施する。このようなH7溶接部の補修においても、実施例1で生じる各効果を得ることができる。