JP5736722B2 - サスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブ Download PDF

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Description

本発明は、配線層の下に存在するシード層が過度にエッチングされることを防止したサスペンション用基板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。そのため、HDDに用いられるサスペンション用基板(フレキシャー)にも高機能化が求められている。
サスペンション用基板の製造方法の一例として、いわゆるセミアディティブ法が知られている。セミアディティブ法は、基本的には、金属支持基板上に、絶縁層、配線層を順次積み上げていく方法である。セミアディティブ法における配線層の形成方法としては、典型的には、図15に示すように、シード層5の表面上に、所定のレジストパターン7を形成し(図15(a))、そのレジストパターン7から露出するシード層5上に、電解めっき法により配線層3を析出させ(図15(b))、レジストパターン7を除去後に(図15(c))、不要なシード層5を除去する方法を挙げることができる。
しかしながら、このようなセミアディティブ法には、いわゆるアンダーカットが生じやすいという問題があった。具体的には、レジストパターン7の裾引き部7aに起因して(図15(a))、配線層3の底部幅が局所的に小さくなる(図15(c))という問題があった。さらに、図15(d)に示すように、シード層5を除去する際に、配線層3と他の部材との絶縁性を担保することを優先する必要があるため、シード層5を過度にエッチングしてしまい、シード層5の幅が極端に小さくなるという問題があった。アンダーカットが生じると、配線層3と絶縁層2との接触面積が低下し、配線層3の密着性を低下させてしまうという問題があった。さらに、アンダーカットによる生じる空間には、その後の工程で使用する薬液や水分が残留しやすく、経時での配線腐食(断線)や絶縁不良(マイグレーション)等が生じ、信頼性低下の大きな原因となっていた。
このような問題に対して、特許文献1の図1には、配線層を形成した後に全面に金属層形成を行って、アンダーカット部を埋める方法が開示されている。しかしながら、この方法では、配線層のアンダーカットは防止できるものの、シード層のアンダーカットを防止することは困難である。また、特許文献2の図2には、熱プレス等により配線層を絶縁層中に埋設させることが開示されている。しかしながら、この方法では、熱プレス等により配線層を埋設するため、配線層の変形を引き起こしやすいという問題がある。また、特許文献3の図3には、配線層底部の側面をカバー層で保護する構造が記載されている。しかしながら、この構造では、カバー層の形成時に、配線層底部の側面に気泡が生じやすく、薬液や水分の残留を十分に防止することは困難である。
特開2005−158848号公報 特開2006−73761号公報 特開2006−66451号公報
上記のように、セミアディティブ法に生じるアンダーカットは、厳密には、配線層のアンダーカットと、シード層のアンダーカットとに大別される。配線層のアンダーカットについては、レジストパターンの形状を制御することで、ある程度防止することができる。これに対して、シード層のアンダーカットについては、シード層自体の厚さが薄いため、エッチング量を正確に制御することが困難である。さらに、配線層と他の部材との絶縁性を担保することを優先する必要があることから、シード層が過度にエッチングされやすい。また、セミアディティブ法に限らず、いわゆるサブトラクティブ法においても、同様の理由により、シード層が過度にエッチングされやすい。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、配線層の下に存在するシード層が過度にエッチングされることを防止したサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記絶縁層および上記配線層の間に、上記絶縁層上に形成された第一金属部と、上記第一金属部上に形成された第二金属部との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、上記第二金属部は、上記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることにより、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止したサスペンション用基板とすることができる。
また、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記絶縁層および上記配線層の間に、上記絶縁層上に形成された第一金属部と、上記配線層との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、上記配線層は、上記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、配線層の下に存在するシード層(第一金属部)を拡散部に変質させることにより、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止したサスペンション用基板とすることができる。
上記発明においては、上記拡散部がアンダーカット部を有しないことが好ましい。薬液や水分による劣化を防止でき、かつ、絶縁層および配線層の密着性を高く維持できるからである。
上記発明においては、上記第一金属部の材料が、Cr、Ti、または、これらの金属元素の少なくとも一種を含有する合金であることが好ましい。
上記発明においては、上記第二金属部の材料が、CuまたはCu合金であることが好ましい。
上記発明においては、上記配線層の材料が、CuまたはCu合金であることが好ましい。
また、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、上記第一金属部上に形成され、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部と、上記第二金属部上に形成された配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、上記中間部材に対して熱処理を行い、上記第一金属部および上記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、上記拡散部形成工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。配線層下部において変質したシード層(拡散部)は、変質していないシード層(拡散部以外の第一金属層)とは、エッチング特性が異なるため、第一金属層のエッチング時に、適切なエッチング液を選択することにより、配線層下部のシード層(拡散部)を殆どエッチングすることなく、第一金属層をエッチングすることができる。即ち、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。
また、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、上記第一金属部上に形成され、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、上記中間部材に対して熱処理を行い、上記第一金属部および上記配線層の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、上記拡散部形成工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。
また、本発明においては、金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、上記第一金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記第一金属部上に、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、上記第二金属部上に、配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、上記レジストパターン除去工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有し、上記第二金属部形成工程、上記配線層形成工程、または、上記レジストパターン除去工程の後であり、かつ、第一金属層エッチング工程の前に、熱処理により、上記第一金属部および上記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。
また、本発明においては、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、耐久性および長期(経時)信頼性の高いサスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、耐久性および長期(経時)信頼性の高い素子付サスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より動作信頼性の高いハードディスクドライブとすることができる。
本発明のサスペンション用基板は、配線層の下に存在するシード層が過度にエッチングされることを防止できるという効果を奏する。
一般的なサスペンション用基板の一例を示す模式図である。 従来のサスペンション用基板と、第一実施態様のサスペンション用基板との違いを説明する概略断面図である。 第一実施態様のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。 第一実施態様のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。 第二実施態様のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。 第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 セミアディティブ法による、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 セミアディティブ法による、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。 セミアディティブ法による、従来のサスペンション用基板の製造方法を示す概略断面図である。 サブトラクティブ法による、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 第二実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。 セミアディティブ法による、従来の配線層の形成方法を説明する概略断面図である。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
本発明のサスペンション用基板は、絶縁層および配線層の間に、拡散部を有することを大きな特徴とする。本発明のサスペンション用基板は、拡散部の態様により、2つの実施態様に大別することができる。
1.第一実施態様
第一実施態様のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記絶縁層および上記配線層の間に、上記絶縁層上に形成された第一金属部と、上記第一金属部上に形成された第二金属部との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、上記第二金属部は、上記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするものである。
図1は、一般的なサスペンション用基板の一例を示す模式図である。図1(a)はサスペンション用基板の概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X断面図である。なお、図1(a)では、便宜上、カバー層の記載は省略している。図1(a)に示されるサスペンション用基板20は、一方の先端部分に形成された素子実装領域11と、他方の先端部分に形成された外部回路基板接続領域12と、素子実装領域11および外部回路基板接続領域12を電気的に接続する複数の配線層13a〜13dとを有するものである。配線層13aおよび配線層13bは一対の配線層であり、同様に、配線層13cおよび配線層13dも一対の配線層である。これらの2つの配線層は、一方がライト用配線層であり、他方がリード用配線層である。一方、図1(b)に示されるように、サスペンション用基板は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された配線層3と、配線層3を覆うカバー層4と、絶縁層2および配線層3の間に形成されたシード層5とを有するものである。
図2は、従来のサスペンション用基板と、第一実施態様のサスペンション用基板との違いを説明する概略断面図である。図2(a)に示すように、従来のサスペンション用基板は、絶縁層2および配線層3の間に形成されたシード層5に、アンダーカット部5aが形成されている。このアンダーカット部5aの空間に、薬液や水分が残留しやすく、経時での配線腐食(断線)や絶縁不良(マイグレーション)等が生じ、信頼性低下の大きな原因となっていた。これに対して、図2(b)に示すように、第一実施態様のサスペンション用基板は、絶縁層2および配線層3の間に拡散部6が形成されているため上記の不具合が生じないという利点がある。
図3は、第一実施態様のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。図3(a)においては、絶縁層2上に第一金属部6a(第一金属層6Aの一部分)が形成され、第一金属部6a上に、第一金属部6aとは異なる金属成分を有する第二金属部6bが形成されている。この状態で、第一金属部6aおよび第二金属部6bの金属成分を相互拡散させることにより、第二金属部6bの上記金属成分が第一金属部6aに拡散し、第一金属部6aのエッチング特性が変化した拡散部6が得られる(図3(b))。その後、不要な第一金属層6Aをエッチングすることにより、拡散部6のみが残る(図3(c))。
第一実施態様によれば、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることにより、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止したサスペンション用基板とすることができる。また、通常、拡散部がアンダーカット部を有しないため、薬液や水分の残留が生じなくなり、経時での配線腐食(断線)や絶縁不良(マイグレーション)等を防止できる。さらに、拡散部がアンダーカット部を有しないため、配線層と絶縁層との接触面積を十分に維持することができ、両者の密着性が低くなることを防止できる。
以下、第一実施態様のサスペンション用基板について、サスペンション用基板の部材と、サスペンション用基板の構成とに分けて説明する。
(1)サスペンション用基板の部材
まず、第一実施態様のサスペンション用基板の部材について説明する。第一実施態様のサスペンション用基板は、金属支持基板、絶縁層、配線層および拡散部を有するものである。なお、拡散部については、後述する「(2)サスペンション用基板の構成」で詳細に説明する。
第一実施態様における金属支持基板は、サスペンション用基板の支持体として機能するものである。金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはSUS等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
第一実施態様における絶縁層は、金属支持基板上に形成されるものである。絶縁層の材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば樹脂を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
第一実施態様における配線層は、絶縁層上に形成されるものである。配線層の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、および、これらの金属元素の少なくとも一種を含有する合金が好ましく、CuおよびCu合金(特にCuを主成分とする合金)がより好ましい。また、配線層は、電解めっき法により形成されたものであることが好ましい。配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、8μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。また、配線層の一部、特に配線層上にカバー層が無く、配線層が露出している部分の表面には、めっきが形成されていても良い。配線層上にめっきを設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。また、素子または外部回路基板との接続を行う端子部には、接続に使用する半田、金等の導電性材料との接合部を形成するために端子めっきが形成されていることが好ましい。これらのめっきを、配線めっき部と称した場合、配線めっき部の種類は特に限定されるものではないが、例えばNiめっき、Auめっき等を挙げることができる。また、配線めっき部は単層のめっきから構成されるものであっても良く、2層以上のめっきから構成されるものであっても良い。中でも、本発明においては、配線層の表面側から、順次NiめっきおよびAuめっきが形成されていることが好ましい。配線めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4μmの範囲内である。
第一実施態様における配線層としては、例えば、ライト用配線層、リード用配線層、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、グランド用配線層、熱アシスト用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層、アクチュエータ用配線層等を挙げることができる。
また、第一実施態様においては、配線層を覆うようにカバー層が形成されていることが好ましい。カバー層を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。カバー層の材料としては、例えば、上述した絶縁層の材料として記載した樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
(2)サスペンション用基板の構成
次に、第一実施態様のサスペンション用基板の構成について説明する。第一実施態様のサスペンション用基板は、絶縁層および配線層の間に、絶縁層上に形成された第一金属部と、第一金属部上に形成された第二金属部との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、第二金属部は、第一金属部とは異なる金属成分を有することを大きな特徴とする。
第一実施態様における第一金属部は、第二金属部とは異なる金属成分を有するものであることが好ましい。また、第一金属部は、配線層とは異なる金属成分を有するものであることが好ましい。さらに、第一金属部は、絶縁層との密着性が良好なものであることが好ましい。絶縁層との密着性が良好な配線層を得ることができ、電気的信頼性および機械的信頼性の確保に有効だからである。
第一金属部の材料は、特に限定されるものではないが、緻密な膜形成が可能であること、配線層と絶縁層との反応に対するバリア効果を有すること、絶縁層との密着性に優れること、電気抵抗が低いことが好ましい。また更に、第一金属層エッチング工程での選択エッチング性を考慮すると、第一金属部の材料として、例えば、Cr、Ti、Ni等の遷移金属、および、これらの金属元素を少なくとも一種を含有する合金を挙げることができる。なお、上記合金は、上記遷移金属を主成分として含有するものであることが好ましい。
また、第一金属部の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.001μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.005μm〜2μmの範囲内であることがより好ましい。第一金属部の厚さが薄すぎると、所望の密着性、あるいは、配線層と絶縁層との反応に対する所望のバリア効果を得ることができない可能性があり、第一金属部の厚さが厚すぎると、第一金属部自体の内部応力等により、第一金属部が絶縁層から剥離する可能性があるからである。また、第一金属部(厳密には第一金属層)の形成方法としては、例えばPVD法および無電解めっき法を挙げることができ、中でもPVD法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。
第一実施態様における第二金属部は、第一金属部とは異なる金属成分を有するものであれば特に限定されるものではない。第二金属部の上記金属成分が第一金属部に拡散することにより、第一金属部のエッチング特性を変化させることができる。また、第二金属部は、配線層と同じ金属成分を有するものであっても良く、配線層と異なる金属成分を有するものであっても良い。また、第二金属部は、配線層を析出しやすくするものであることが好ましい。
第二金属部の材料としては、特に限定されるものではないが、電気抵抗が低く、第一金属部との密着の良いものが好ましい。また、第二金属部の上に形成する配線層は典型的にはCuであることから、第二金属部の材料は、CuまたはCu合金が好ましい。なお、Cu合金は、Cuを主成分として含有するものであることが好ましい。
また、第二金属部の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.05μm〜2μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜1μmの範囲内であることがより好ましい。第二金属部の厚さが薄すぎると、典型的には電気めっきにて形成する配線層を効率良く析出させることができない可能性があり、第二金属部の厚さが厚すぎると、生産性の低下や品質不良を招く可能性があるからである。また、第二金属部の形成方法としては、例えばPVD法、無電解めっき法、電解めっき法等を挙げることができる。さらに、電解めっき法は、第一金属部との密着性を考慮するとストライクめっき法であることが好ましい。
第一実施態様における拡散部は、第一金属部および第二金属部の金属成分が相互拡散してなるものである。第二金属部の上記金属成分が第一金属部に拡散することにより、第一金属部のエッチング特性を変化させることができる。即ち、他の金属に比べ第一金属層を選択的にエッチングできる薬液を用いて、第一金属層をエッチングした場合、拡散部の形成されている部分は、第一金属層とはエッチング特性が異なるため、エッチングされない、若しくは、著しくエッチングレートが遅くなる。よって、第一実施態様における拡散部は、第一金属部および第二金属部がほぼ全面的に相互拡散してなるものであることが好ましい。
拡散部が形成されているか否かは、例えばXPS(X線光電子分光)により、拡散部の厚さ方向の金属元素の割合を分析することにより確認することができる。第一実施態様においては、相互拡散していない金属層(第一金属層および/または第二金属層)のエッチングが終了するまでに、拡散部がエッチングされないように、金属元素が相互拡散していることが好ましい。すなわち、拡散部と、相互拡散していない金属層とは、十分なエッチングレート差を有することが好ましい。また、拡散部の厚さは特に限定されるものではないが、例えば0.001μm〜5μmの範囲内であり、中でも0.005μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
また、第一実施態様における拡散部は、アンダーカット部を有しないことが好ましい。薬液や水分による劣化を防止でき、かつ、絶縁層および配線層の密着性を高く維持できるからである。「拡散部がアンダーカット部を有しないこと」は、以下のように定義することができる。具体的には、図4に示すように、配線層3の下端部と、拡散部6の上端部との距離Lが1μm以下であることをいい、中でも0.5μm以下であることが好ましい。また、拡散部6の底部幅Lは、配線層の密着性の観点から、5μm〜40μmの範囲内であることがより好ましい。
また、第一実施態様のサスペンション用基板は、配線層が絶縁層に埋設されていないものであることが好ましい。熱プレス等による配線層の変形を防止できるからである。
2.第二実施態様
次に、本発明のサスペンション用基板の第二実施態様について説明する。第二実施態様のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記絶縁層および上記配線層の間に、上記絶縁層上に形成された第一金属部と、上記配線層との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、上記配線層は、上記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするものである。
図5は、第二実施態様のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。図5(a)においては、絶縁層2上に第一金属部6a(第一金属層6Aの一部分)が形成され、第一金属部6a上に、第一金属部6aとは異なる金属成分を有する配線層3が形成されている。この状態で、第一金属部6aおよび配線層3の金属成分を相互拡散させることにより、配線層3の上記金属成分が第一金属部6aに拡散し、第一金属部6aのエッチング特性が変化した拡散部6が得られる(図5(b))。その後、不要な第一金属層6Aをエッチングすることにより、拡散部6のみが残る(図5(c))。
第二実施態様によれば、配線層の下に存在するシード層(第一金属部)を拡散部に変質させることにより、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止したサスペンション用基板とすることができる。また、第二実施態様のサスペンション用基板は、上述した第一実施態様のサスペンション用基板と同様の効果を有する。
なお、第二実施態様においては、第一金属部および配線層の金属成分が相互拡散してなる拡散部が形成されていること以外は、上述した第一実施態様に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。特に、第二実施態様における拡散部は、配線層から第一金属部に、Cu成分が拡散してなるものであることが好ましい。
B.サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明のサスペンション用基板の製造方法は、三つの実施態様に大別することができる。
1.第一実施態様
第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、上記第一金属部上に形成され、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部と、上記第二金属部上に形成された配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、上記中間部材に対して熱処理を行い、上記第一金属部および上記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、上記拡散部形成工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有することを特徴とするものである。
図6は、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。図6においては、まず、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成され、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され、第一金属部6aとなる部分を有する第一金属層6Aと、第一金属部6a上に形成され、第一金属部6aとは異なる金属成分を有する第二金属部6bと、第二金属部6b上に形成された配線層3とを備える中間部材15を準備する(図6(a))。次に、中間部材15に対して、発熱体16を用いて熱処理を行い、第一金属部6aおよび第二金属部6bの金属成分が相互拡散してなる拡散部6を形成する(図6(b))。この際、不要な酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)で熱処理を行うことが好ましい。次に、不要な第一金属層6Aをウェットエッチングにより除去する(図6(c))。これにより、サスペンション用基板20を得る(図6(d))。
第一実施態様によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。また、特許文献1のように、配線層を形成した後に全面に金属層形成を行って、アンダーカット部を埋める方法に比べて、配線層に新たな金属層を形成する必要がないため、配線パターンの微細化が容易であるという利点がある。また、特許文献2のように、熱プレス等により配線層を絶縁層中に埋設させる方法に比べて、熱プレス等を行う必要がないため、配線層の変形を防止できるという利点がある。また、特許文献3のように、配線層底部の側面をカバー層で保護する方法に比べて、カバー層で保護する必要がないため、配線パターンの微細化が容易であるという利点、および、上述した気泡が生じないという利点がある。
以下、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)中間部材準備工程
第一実施態様における中間部材準備工程は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、上記第一金属部上に形成され、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部と、上記第二金属部上に形成された配線層とを備える中間部材を準備する工程である。
中間部材の準備方法は、上記の中間部材を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、セミアディティブ法であっても良く、サブトラクティブ法であっても良い。
(i)セミアディティブ法
セミアディティブ法による中間部材準備工程は、例えば、以下の2つの形態を挙げることができる。第一の形態は、中間部材準備工程が、金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、上記第一金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記第一金属部上に、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、上記第二金属部上に、配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を有する形態である。
この第一の形態について、図7を用いて説明する。図7においては、まず、金属支持基板1を用意し(図7(a))、その上に金属支持基板1に絶縁層2を形成する(図7(b))。絶縁層2の形成方法は、絶縁層2の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば絶縁層2の材料が感光性材料である場合には、その感光性材料を金属支持基板上に塗工した後に、所定の露光現像を行うことにより、パターン状の絶縁層2を得ることができる。一方、絶縁層2の材料が非感光性材料である場合には、その非感光性材料を金属支持基板上に塗工した後に、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いて所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する部分をエッチングすることにより、パターン状の絶縁層2を得ることができる。
次に、絶縁層2上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層6Aを形成する(図7(c))。第一金属層6Aの形成方法としては、例えばPVD法および無電解めっき法を挙げることができ、中でもPVD法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。次に、第一金属層6A上に、配線層を形成するためのレジストパターン7を形成する(図7(d))。レジストパターン7の形成方法としては、例えばDFRを貼付し、所定の露光現像を行う方法を挙げることができる。次に、レジストパターン7から露出する第一金属部6a上に、第一金属部6aとは異なる金属成分を有する第二金属部6bを形成する(図7(e))。第二金属部6bの形成方法としては、例えば、電解めっき法、無電解めっき法、PVD法等を挙げることができ、中でも電解めっき法が好ましく、ストライクめっき法がより好ましい。次に、第二金属部6b上に、配線層3を形成する(図7(f))。配線層3を形成する方法としては、例えば電解めっき法を挙げることができる。次に、レジストパターン7を除去することにより、中間部材15を得る(図7(g))。
その後は、上述した図6(b)〜(d)と同様に、熱処理により拡散部6を形成し(図7(h)、不要な第一金属層6Aをウェットエッチングする(図7(i))。さらに、配線層3を覆うカバー層4を形成することにより、サスペンション用基板を得ることができる(図7(j))。
第一の形態においては、電解めっき法(特にストライクめっき法)を用いることにより、レジストパターン7の開口部、即ち、拡散部の形成が必要となる配線層下部のみに第二金属部を効率良く形成することができるという利点がある。そのため、アンダーカット部の発生をより効果的に防止することができる。
一方、上記第二の形態は、中間部材準備工程が、金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、上記第一金属層上に、上記第一金属部とは異なる金属成分を有し、第二金属部となる部分を有する第二金属層を形成する第二金属層形成工程と、上記第二金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記第二金属部上に、配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、上記第二金属層をエッチングし、上記第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、を有する形態である。
この第二の形態について、図8を用いて説明する。図8においては、まず、金属支持基板1を用意し(図8(a))、その上に金属支持基板1に絶縁層2を形成する(図8(b))。絶縁層2の形成方法は、上記第一の形態と同様である。以下、第一の形態と重複する形成方法については、記載を省略する。次に、絶縁層2上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層6Aを形成し、その第一金属層6A上に、第一金属部とは異なる金属成分を有し、第二金属部となる部分を有する第二金属層6Bを形成する(図8(c))。第二金属層6Bの形成方法は、上述した第一金属層6Aの形成方法と同様である。
次に、第二金属層6B上に、配線層を形成するためのレジストパターン7を形成する(図8(d))。次に、第二金属部6b上に、配線層3を形成する(図8(e))。次に、レジストパターン7を除去し(図8(f))、第二金属層6Bをエッチングし、第二金属部6bを形成することにより、中間部材15を得る(図8(g))。第二金属層6Bをエッチングする方法としては、例えば、ウェットエッチングおよびドライエッチング等を挙げることができる。また、第二金属層6Bをウェットエッチングする場合は、第二金属層6Bの材料と、配線層3の材料とが同一であることが好ましい。第二金属層6Bおよび配線層3の側面が同時にエッチングされることにより、アンダーカット部の発生を効果的に防止できるからである。なお、第二金属層6Bのエッチングに用いられるエッチング液は、第二金属層はエッチングするが、第一金属層はエッチングしないエッチング液(選択性の高いエッチング液)であることが好ましい。
その後は、上述した図6(b)〜(d)と同様に、熱処理により拡散部6を形成し(図8(h))、不要な第一金属層6Aをウェットエッチングする(図8(i))。さらに、配線層3を覆うカバー層4を形成することにより、サスペンション用基板を得ることができる(図8(j))。
第二の形態においては、通常、第一金属層および第二金属層が共に全面形成されるため、第一金属層および第二金属層を連続的に形成することが可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるという利点がある。
ここで、図9は、従来のサスペンション用基板の製造方法を説明する概略断面図である。図9(a)〜(g)は、図8(a)〜(g)と同様である。従来は、中間部材15に対して、熱処理を加えることなく、不要な第一金属層6Aをエッチングするため、第一金属部6aにアンダーカット部が生じてしまう(図9(h))。これに対して、第一実施態様においては、第一金属層6Aをエッチングする前に、拡散部を形成するため、第一金属部6aにアンダーカット部が生じることを防止できる。
(ii)サブトラクティブ法
サブトラクティブ法による中間部材準備工程は、例えば、金属支持基板と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された第一金属層と、上記第一金属層上に形成され、上記第一金属層とは異なる金属成分を有する第二金属層と、上記第二金属層上に形成された導体層とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記積層部材の上記導体層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記導体層をエッチングし、配線層を形成する配線層形成工程と、上記第二金属層をエッチングし、第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、上記第二金属部形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を有するものを挙げることができる。
この中間部材準備工程について、図10を用いて説明する。図10においては、まず、金属支持基板1と、金属支持部材1上に形成された絶縁部材2Xと、絶縁部材2X上に形成された第一金属層6Aと、第一金属層6A上に形成された第二金属層6Bと、第二金属層6B上に形成された導体層3Xとを有する積層部材を準備する(図10(a))。この積層部材は、市販のものを用いても良く、金属支持基板上に、各層を順次形成したものであっても良い。次に、積層部材の導体層3X上に、配線層を形成するためのレジストパターン7を形成する(図10(b))。レジストパターン7の形成方法は、上記第一の形態と同様である。以下、第一の形態と重複する形成方法については、記載を省略する。
次に、レジストパターン7から露出する導体層3Xをエッチングし、配線層3を形成する(図10(c))。この際、導体層3Xの材料と、第二金属層6Bの材料とが同一である場合には、第二金属層6Bを同時にエッチングし、第二金属部6bを形成することが好ましい。導体層3Xをエッチングする方法としては、例えば、ウェットエッチングを挙げることができる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、導体層3Xの材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば導体層3Xの材料が銅である場合には、例えば、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。次に、レジストパターン7を除去することにより、中間部材15を得る(図10(d))。
その後は、上述した図6(b)〜(d)と同様に、熱処理により拡散部6を形成し(図10(e))、不要な第一金属層6Aをウェットエッチングする(図10(f))。さらに、配線層3を覆うカバー層4を形成し、絶縁部材2Xをエッチングし絶縁層2を形成することにより、サスペンション用基板を得ることができる(図10(g))。なお、絶縁部材2Xをエッチングする方法としては、例えば、ウェットエッチングを挙げることができる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、絶縁部材2Xの材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば絶縁部材2Xの材料がポリイミド樹脂である場合には、例えば、アルカリ系エッチング液等を用いることができる。
サブトラクティブ法においては、セミアディティブ法に比べて工程が簡素なため、低コストでの配線層形成が可能となる。また、配線層の厚さが均一な中間部材を得ることができ、インピーダンス設計が容易になるという利点を有する。
(2)拡散部形成工程
第一実施態様における拡散部形成工程は、上記中間部材に対して熱処理を行い、上記第一金属部および上記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する工程である。
熱処理の加熱温度は、第一金属部および第二金属部の金属成分が相互拡散できる温度であれば特に限定されるものではないが、例えば200℃〜400℃の範囲内であることが好ましく、250℃〜350℃の範囲内であることがより好ましい。加熱温度が低すぎると、相互拡散が生じるまでに多くの時間が必要となる可能性があり、加熱温度が高すぎると、例えば絶縁層の劣化が生じる可能性があるからである。また、熱処理の時間は、所望の拡散部が形成されるように適宜調整することが好ましい。熱処理の方法は、拡散部が形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、発熱体を用いる方法、熱風オーブンを用いる方法、赤外線ランプを照射する方法等を挙げることができる。
また、熱処理の雰囲気は、特に限定されるものではないが、非酸化性雰囲気であることが好ましく、不活性ガス雰囲気であることがより好ましい。配線層の酸化を防止できるからである。不活性ガス雰囲気としては、例えばArガス雰囲気等を挙げることができる。なお、不活性ガスではないが、非酸化性雰囲気としては、例えばNガス雰囲気を使用することもできる。また、例えば図7(f)〜(h)では、レジストパターン7を除去した後に、熱処理を行っているが、レジストパターン7が所定の耐熱性を有しているのであれば、レジストパターン7を除去する前に、熱処理を行っても良い。この場合、中間部材15は、レジストパターン7をさらに有することになる。
(3)第一金属層エッチング工程
第一実施態様における第一金属層エッチング工程は、上記拡散部形成工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする工程である。
第一金属層のウェットエッチングに用いられるエッチング液は、第一金属層をエッチングするが、拡散部はエッチングしないエッチング液(選択性の高いエッチング液)であることが好ましい。例えば、第二金属部の材料がCuまたはCu合金(特にCuを主成分とする合金)であって、第一金属層の材料がCrまたはCr合金(特にCrを主成分とする合金)である場合、エッチング液としては、例えばフェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸カリウムを主成分とするアルカリ性エッチング液を用いることができる。また、第二金属部の材料がCuまたはCu合金(特にCuを主成分とする合金)であって、第一金属層の材料がTiまたはTi合金(特にTiを主成分とする合金)である場合、エッチング液としては、例えばフッ化アンモン/フッ酸混合液または珪フッ化水素酸を含有するエッチング液を用いることができる。また、ウェットエッチングの方法としては、例えば、エッチング液をスプレーにより噴射する方法、エッチング液に拡散部を有する中間部材を浸漬させる方法等を挙げることができる。また、ウェットエッチングの時間は特に限定されるものではなく、所望の絶縁性が確保できる程度の時間に調整することが好ましい。
(4)その他の工程
また、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、第一金属層エッチング工程の後に、配線層を覆うカバー層を形成するカバー層形成工程を有していても良い。カバー層の形成方法は、カバー層の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えばカバー層の材料が感光性材料である場合には、その感光性材料を配線層を覆うように塗工した後に、所定の露光現像を行うことにより、パターン状のカバー層を得ることができる。一方、カバー層の材料が非感光性材料である場合には、その非感光性材料を配線層を覆うように塗工した後に、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いて、所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する部分をエッチングすることにより、パターン状のカバー層を得ることができる。
また、第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板を所定の形状に加工する工程、配線層に配線めっき部を形成する工程、絶縁層を貫通し、金属支持基板および配線層を電気的に接続するビアを形成する工程等を有していることが好ましい。
2.第二実施態様
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法の第二実施態様について説明する。第二実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、上記第一金属部上に形成され、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、上記中間部材に対して熱処理を行い、上記第一金属部および上記配線層の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、上記拡散部形成工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有することを特徴とするものである。
図11は、第二実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。図11においては、まず、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成され、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され、第一金属部6aとなる部分を有する第一金属層6Aと、第一金属部6a上に形成され、第一金属部6aとは異なる金属成分を有する配線層3とを備える中間部材15を準備する(図11(a))。次に、中間部材15に対して熱処理を行い、第一金属部6aおよび配線層3の金属成分が相互拡散してなる拡散部6を形成する(図11(b))。この際、不要な酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)で熱処理を行うことが好ましい。次に、不要な第一金属層6Aをウェットエッチングにより除去する(図11(c))。これにより、サスペンション用基板20を得る(図11(d))。
第二実施態様によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。また、第二実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、上述した第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法と同様の効果を有する。
なお、第二実施態様においては、第一金属部および配線層の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成すること以外は、上述した第一実施態様に記載した内容と同様である。
セミアディティブ法による中間部材準備工程は、例えば、金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、上記第一金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記第一金属部上に、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を有するものを挙げることができる。
一方、サブトラクティブ法による中間部材準備工程は、例えば、金属支持基板と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された第一金属層と、上記第一金属層上に形成され、上記第一金属層とは異なる金属成分を有する導体層とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記積層部材の上記導体層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記導体層をエッチングし、配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を有するものを挙げることができる。
3.第三実施態様
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法の第三実施態様について説明する。第三実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、上記第一金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記第一金属部上に、上記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、上記第二金属部上に、配線層を形成する配線層形成工程と、上記配線層形成工程後に、上記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、上記レジストパターン除去工程後に、上記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有し、上記第二金属部形成工程、上記配線層形成工程、または、上記レジストパターン除去工程の後であり、かつ、第一金属層エッチング工程の前に、熱処理により、上記第一金属部および上記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程を有することを特徴とするものである。
第三実施態様のサスペンション用基板の製造方法の一例は、基本的には、上記図7と同様である。上記「B.サスペンション用基板の製造方法 1.第一実施態様 (1)中間部材準備工程 (i)セミアディティブ法」に記載した第一の形態では、第一金属層上に、パターン状の第二金属部を形成する。そのため、第二金属部形成工程の後(図7(e))、配線層形成工程の後(図7(f))、または、レジストパターン除去工程の後(図7(g))であり、かつ、第一金属層エッチング工程の前(図7(i))の前に、拡散部6を形成すれば、第一実施態様と同様の効果が得られる。
第三実施態様によれば、拡散部形成工程を行うことにより、配線層の下に存在するシード層(第一金属部および第二金属部)を拡散部に変質させることができ、第一金属層エッチング工程において、配線層下部の拡散部がエッチングされることを防止できる。また、第三実施態様のサスペンション用基板の製造方法は、上述した第一実施態様のサスペンション用基板の製造方法と同様の効果を有する。
C.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、耐久性および長期(経時)信頼性の高いサスペンションとすることができる。
図12は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。図12に示されるサスペンション40は、上述したサスペンション用基板20と、素子実装領域11が形成されている表面とは反対側のサスペンション用基板20の表面に備え付けられたロードビーム30とを有するものである。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板を有し、通常は、さらにロードビームを有する。サスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビームと同様のものを用いることができる。
D.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、耐久性および長期(経時)信頼性の高い素子付サスペンションとすることができる。
図13は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図13に示される素子付サスペンション50は、上述したサスペンション40と、サスペンション40の素子実装領域11に実装された素子41とを有するものである。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび素子を有するものである。サスペンションについては、上記「C.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、素子実装領域に実装される素子としては、例えば、磁気ヘッドスライダ、アクチュエータ、半導体等を挙げることができる。また、上記アクチュエータは、磁気ヘッドを有するものであっても良く、磁気ヘッドを有しないものであっても良い。
E.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より動作信頼性の高いハードディスクドライブとすることができる。
図14は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図14に示されるハードディスクドライブ60は、上述した素子付サスペンション50と、素子付サスペンション50がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク51と、ディスク51を回転させるスピンドルモータ52と、素子付サスペンション50の素子を移動させるアーム53およびボイスコイルモータ54と、上記の部材を密閉するケース55とを有するものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「D.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、厚さ20μmのSUS304(金属支持基板1)を用意した(図7(a))。次に、SUS上に感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ10μmの絶縁層2を形成した(図7(b))。次に、絶縁層2の全面に、スパッタリング法により、厚さ0.05μmのCr膜(第一金属層6A)を形成した(図7(c))。次に、第一金属層6Aの表面に、DFRをラミネートし、露光、現像を行い、レジストパターン7を形成した(図7(d))。次に、レジストパターン7から露出する第一金属部6a上に、ストライクめっきにより、厚さ0.2μmのCu層(第二金属部6b)を形成した(図7(e))。次に、第二金属部6b上に、電解めっきにより、厚さ10μmのCu層(配線層3)を形成した(図7(f))。次に、アルカリ溶液により、レジストパターン7を剥離した(図7(g))。
その後、窒素雰囲気のオーブンにて、300℃、60分の条件で熱処理を行い、拡散部6を形成した(図7(h))。次に、Cr選択エッチング液(フェリシアン化カリウム系アルカリ性エッチング液)により、不要な第一金属層6Aを除去した(図7(i))。次に、配線層3を覆うように、感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ5μmのカバー層4を形成した(図7(j))。さらに、配線層の端子部に、Niめっき(0.5μm)およびAuめっき(1μm)を行い、配線めっき部を形成した。これにより、サスペンション用基板を得た。
得られたサスペンション用基板の断面を観察したところ、図4におけるLは0.1μmであり、拡散部は殆どエッチングされていないことが確認された。
[実施例2]
まず、厚さ20μmのSUS304(金属支持基板1)を用意した(図8(a))。次に、SUS上に感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ10μmの絶縁層2を形成した(図8(b))。次に、絶縁層2の全面に、スパッタリング法により、厚さ0.05μmのCr膜(第一金属層6A)および厚さ0.2μmのCu膜(第二金属層6B)を形成した(図8(c))。次に、第二金属層6Bの表面に、DFRをラミネートし、露光、現像を行い、レジストパターン7を形成した(図8(d))。次に、レジストパターン7から露出する第二金属部6b上に、電解めっきにより、厚さ10μmのCu層(配線層3)を形成した(図8(e))。次に、アルカリ溶液により、レジストパターン7を剥離した(図8(f))。
その後、Cu選択エッチング液(一般的な酸化剤および稀酸の混合溶液)により、不要な第二金属層6Bを除去した(図8(g))。次に、窒素雰囲気のオーブンにて、300℃、60分の条件で熱処理を行い、拡散部6を形成した(図8(h))。次に、Cr選択エッチング液(フェリシアン化カリウム系アルカリ性エッチング液)により、不要な第一金属層6Aを除去した(図8(i))。次に、配線層3を覆うように、感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ5μmのカバー層4を形成した(図8(j))。さらに、配線層の端子部に、Niめっき(0.5μm)およびAuめっき(1μm)を行い、配線めっき部を形成した。これにより、サスペンション用基板を得た。
得られたサスペンション用基板の断面を観察したところ、図4におけるLは0.15μmであり、拡散部は殆どエッチングされていないことが確認された。
[比較例1]
熱処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にしてサスペンション用基板を得た(図9)。得られたサスペンション用基板の断面を観察したところ、図9(i)におけるLは2.0μmであり、第一金属部6aはアンダーカット部を有することが確認された。なお、Lは、第二金属部6bの下端部と、第一金属部6aの上端部との距離である。
[実施例3]
本実施例は、実施例1と基本的には同様であるが、第一金属部の上に第二金属部を介さずに配線層を形成した。まず、厚さ20μmのSUS304(金属支持基板)を用意した。次に、SUS上に感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ10μmの絶縁層を形成した。次に、絶縁層の全面に、スパッタリング法により、厚さ0.01μmのCr膜(第一金属層)を形成した。次に、第一金属層の表面に、DFRをラミネートし、露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。次に、レジストパターンから露出する第一金属部上に、電解めっきにより、厚さ10μmのCu層(配線層)を形成した。次に、アルカリ溶液により、レジストパターンを剥離した。
その後、窒素雰囲気のオーブンにて、300℃、60分の条件で熱処理を行い、拡散部を形成した。次に、Cr選択エッチング液(フェリシアン化カリウム系アルカリ性エッチング液)により、不要な第一金属層を除去した。次に、配線層を覆うように、感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ5μmのカバー層を形成した。さらに、配線層の端子部に、Niめっき(0.5μm)およびAuめっき(1μm)を行い、配線めっき部を形成した。これにより、サスペンション用基板を得た。
得られたサスペンション用基板の断面を観察したところ、図4におけるLは0.1μmであり、拡散部は殆どエッチングされていないことが確認された。
[実施例4]
まず、厚さ20μmのSUS304(金属支持基板1)上に非感光性ポリイミド樹脂を塗工、硬化を行って、厚さ10μmの絶縁部材2Xを形成し、次に、絶縁部材2Xの全面に、スパッタリング法により、厚さ0.05μmのCr膜(第一金属層6A)および厚さ0.2μmのCu膜(第二金属層6B)を形成し、更に、全面に電解めっきにより、厚さ10μmのCu層(導体層3X)を形成し、積層部材を得た(図10(a))。次に、積層部材の導体層3Xの表面に、DFRをラミネートし、露光、現像を行い、レジストパターン7を形成した(図10(b))。
次に、レジストパターン7から露出する導体層3Xを塩化鉄系エッチング液にてエッチングし、配線層3を形成した(図10(c))。この際、導体層3Xの材料と、第二金属層6Bの材料とが同一であるため、第二金属層6Bも同時にエッチングし、第二金属部6bを形成した。次に、レジストパターン7を除去することにより、中間部材15を作製した(図10(d))。
その後、窒素雰囲気のオーブンにて、300℃、60分の条件で熱処理を行い、拡散部を形成した。次に、Cr選択エッチング液(フェリシアン化カリウム系アルカリ性エッチング液)により、不要な第一金属層を除去した。次に、配線層を覆うように、感光性ポリイミド樹脂を塗工し、マスク露光、現像、硬化を行い、厚さ5μmのカバー層を形成した。さらに、配線層の端子部に、Niめっき(0.5μm)およびAuめっき(1μm)を行い、配線めっき部を形成した。これにより、サスペンション用基板を得た。
得られたサスペンション用基板の断面を観察したところ、図4におけるLは0.12μmであり、拡散部は殆どエッチングされていないことが確認された。
1…金属支持基板、 2…絶縁層、 3…配線層、 4…カバー層、 5…シード層、 5a…アンダーカット部、 6…拡散部、 6a…第一金属部、 6b…第二金属部、 6A…第一金属層、 6B…第二金属層、 7…レジストパターン、 7a…裾引き部、 11…素子実装領域、 12…外部回路基板接続領域、 13…配線層、 15…中間部材、 16…発熱体、 20…サスペンション用基板、

Claims (12)

  1. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、
    前記絶縁層および前記配線層の間に、前記絶縁層上に形成された第一金属部と、前記第一金属部上に形成された第二金属部との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、
    前記第二金属部は、前記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、
    前記絶縁層および前記配線層の間に、前記絶縁層上に形成された第一金属部と、前記配線層との金属成分が相互拡散してなる拡散部を有し、
    前記配線層は、前記第一金属部とは異なる金属成分を有することを特徴とするサスペンション用基板。
  3. 前記拡散部がアンダーカット部を有しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記第一金属部の材料が、Cr、Ti、または、これらの金属元素の少なくとも一種を含有する合金であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記第二金属部の材料が、CuまたはCu合金であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記配線層の材料が、CuまたはCu合金であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  7. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、前記第一金属部上に形成され、前記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部と、前記第二金属部上に形成された配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、
    前記中間部材に対して熱処理を行い、前記第一金属部および前記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、
    前記拡散部形成工程後に、前記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、
    を有するサスペンション用基板の製造方法であって、
    前記中間部材準備工程は、前記配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を有し、
    前記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程が、前記拡散部形成工程よりも前に、もしくは、後に行われることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  8. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、第一金属部となる部分を有する第一金属層と、前記第一金属部上に形成され、前記第一金属部とは異なる金属成分を有する配線層とを備える中間部材を準備する中間部材準備工程と、
    前記中間部材に対して熱処理を行い、前記第一金属部および前記配線層の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程と、
    前記拡散部形成工程後に、前記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、
    を有するサスペンション用基板の製造方法であって、
    前記中間部材準備工程は、前記配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を有し、
    前記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程が、前記拡散部形成工程よりも前に、もしくは、後に行われることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  9. 金属支持基板上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上に、第一金属部となる部分を有する第一金属層を形成する第一金属層形成工程と、
    前記第一金属層上に、配線層を形成するためのレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンから露出する前記第一金属部上に、前記第一金属部とは異なる金属成分を有する第二金属部を形成する第二金属部形成工程と、
    前記第二金属部上に、配線層を形成する配線層形成工程と、
    前記配線層形成工程後に、前記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、
    前記レジストパターン除去工程後に、前記第一金属層をウェットエッチングする第一金属層エッチング工程と、を有し、
    前記第二金属部形成工程、前記配線層形成工程、または、前記レジストパターン除去工程の後であり、かつ、第一金属層エッチング工程の前に、熱処理により、前記第一金属部および前記第二金属部の金属成分が相互拡散してなる拡散部を形成する拡散部形成工程を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  10. 請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンション。
  11. 請求項10に記載のサスペンションと、前記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  12. 請求項11に記載の素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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