JP5768764B2 - 半導体単結晶棒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浮遊溶融帯域(FZ:Froating Zone)法による半導体単結晶棒の製造方法に関し、特には、CCDカメラなどを用いて溶融帯域のゾーン長やネック径、および晶出側半導体単結晶棒の結晶直径等を制御する半導体単結晶棒の製造方法に関する。
原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を作り、該誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の半導体単結晶棒を軸方向へ移動させることにより溶融帯域を軸方向に移動させる浮遊溶融帯域半導体製造方法において、該溶融帯域およびその付近をCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理して幾何学量を測定し(測定段階)、その測定値に応じて制御値を計算し(制御値計算段階)、誘導加熱コイルに供給する電力や、原料結晶棒や晶出側半導体単結晶棒の移動速度や回転速度を調節(制御段階)するようにして結晶成長している(特許文献1−3参照)。
近年、FZ結晶製造においても大口径ウェーハの要求が多くなり、シリコン結晶においては150mm幅あるいは200mm幅を超える大口径ウェーハを安定製造する必要が出てきた。大口径結晶においては、これまでに比較して溶融帯域のシリコンメルトの量が相対的に増大してきているため、制御が不安定になってしまう事があった。これは、メルト量が多いと、制御出力に対する時定数が大きくなるためであり、その都度、制御定数を調整して結晶成長を行ってきたが、満足な結果は得られなかった。
一方、結晶成長条件が一定である直胴成長中において、面内抵抗率改善のための半導体単結晶棒の回転方向や回転数を変化させるような結晶成長方法も知られている(特許文献4、5参照)。
特公平5−71552号公報 特公平6−51598号公報 特公平6−57630号公報 特開平7−315980号公報 特開2008−266102号公報
従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造方法について本発明者らは鋭意研究を行ったところ、従来法を用いて結晶成長を行った場合、所望の半導体単結晶棒を得ることができない場合があることがわかった。
制御値の計算の際、検出・測定された晶出側半導体単結晶棒の結晶直径、溶融帯域のネック径、溶融帯域のゾーン長等のパラメータについて、晶癖線の影響や操業条件により大きく変動することがあった。
例えば、結晶条件(設定ゾーン長や設定結晶直径等)は変化させないにも関わらず、抵抗率分布をコントロールするために結晶の回転方向や回転数を絶えず変化させることで、CCDカメラなどで検出される制御対象(溶融帯域のゾーン長等)の変動が大きくなってしまう。そしてそれに伴って意図せずに制御値も大きく変動してしまう。
このような場合、制御対象を晶出側半導体単結晶棒の1回転の測定値の平均値などを用いて測定することにより制御値の安定化を図ることが挙げられる。
しかしながら、逆に本来検出されるべき変化が平均化によりならされてしまい、その変化を見逃してしまっていた。そしてその変化を制御値に反映できず、適切な制御ができないという問題点もある。
このように、これまでの測定された結晶直径、ネック径、ゾーン長等のパラメータからの制御値の計算においては、制御値の大きな変動があったり、一方で、測定したパラメータの変化を平均化処理などによりならしてしまうという、相反する問題点がある。
そして、これらの問題は結晶成長の不安定化など、思い通りにならない結晶成長を招くことになる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、所望の結晶成長、特には安定した結晶成長を行うことが可能なFZ法による半導体単結晶棒の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側半導体単結晶棒を軸方向へ移動させることにより溶融帯域を軸方向に移動させて、半導体単結晶棒を成長させて製造するFZ法による半導体単結晶棒の製造方法であって、前記半導体単結晶棒の結晶直径、前記溶融帯域のネック径および前記溶融帯域のゾーン長のいずれか1つ以上のパラメータの値を測定し、該測定値から、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算し、該計算した制御値に基づいて、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上を制御する工程を、周期的に自動実施することにより、前記パラメータをフィードバック制御して半導体単結晶棒を成長させるにあたって、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算するとき、さらに前記測定したパラメータの値から周期的に算出したパラメータの変動量に基づいて制御値の計算を行うことを特徴とする半導体単結晶棒の製造方法を提供する。
このような本発明の製造方法であれば、半導体単結晶棒の結晶直径等のパラメータを周期的・自動的にフィードバック制御して簡便に半導体単結晶棒を成長させることができる。
しかも、上記パラメータの測定値だけでなく、それらに加えて周期的に算出したパラメータの変動量に基づいて誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を計算することができるので、より適切な制御値を得ることができる。その結果、より確実に所望の半導体単結晶棒を成長させることができる。
例えば、パラメータの変動量を小さくするように誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を計算し、制御することで、実際にパラメータの変動量を抑制して結晶成長をより安定化させることができる。それによって有転位化率を大幅に改善した半導体単結晶棒を製造することができる。
なお、ここでいう周期的に算出したパラメータの変動量としては、例えば、一定周期内におけるパラメータの最大値、最小値、最大値と最小値の差等、が挙げられる。少なくともこれらの中から1つ以上選択することができる。
また、前記半導体単結晶棒を回転させながら成長させるとき、該半導体単結晶棒の回転数および回転方向のいずれか1つ以上の変化に応じて、前記パラメータの変動量を算出する周期を変更することができる。
このようにすれば、パラメータの変動量が晶出側半導体単結晶棒あるいは晶出側融液の熱環境の変化を的確に示すことになり、そのような変化を捉えたパラメータの変動量を用いることで一層適切に制御値の計算を行うことが可能となる。
また、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を、前記測定したパラメータの値と予め設定されたパラメータの目標値とを比較して計算するとき、前記周期的に算出したパラメータの変動量に応じて、前記パラメータの目標値を補正することができる。
所望のように結晶を成長させるにあたり、より適切な制御を行うには、周期的にパラメータの変動量に対する制御値を変化させるだけでなく、このように、予め設定されたパラメータの目標値を補正することも有効である。
以上のように、本発明の半導体単結晶棒の製造方法によれば、簡便に、かつ従来よりも確実に所望の半導体単結晶棒を製造することができる。特には、結晶成長をより安定化させることができ、有転位化率を大幅に低減した半導体単結晶棒を得ることができる。
本発明のFZ法による半導体単結晶棒を製造するための装置の一例を示す概略図である。 (A)結晶成長時間とゾーン長Lの測定値の関係の一例を示すグラフである。(B)結晶成長時間とゾーン長Lの平均値の関係の一例、および結晶成長時間とゾーン長Lの変動量の関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の半導体単結晶棒の製造方法について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造においては、本来捉えるべきパラメータの変動を見逃すなどして適切な制御を行えておらず、それらの結果、所望の半導体単結晶棒が得られないことがあることを本発明者らは見出した。そして、パラメータの値のみならずそのパラメータの変動量を考慮して誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を周期的に計算することで、より適切な制御値を得ることができ、所望の半導体単結晶棒をより確実に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
以下では、まず、本発明の半導体単結晶棒の製造方法を実施可能な製造装置について図1を参照して説明する。
FZ法による半導体結晶棒の製造装置1は、原料結晶棒2を収容する成長炉3と、原料結晶棒2を溶融して溶融帯域4を形成する熱源となる誘導加熱コイル5とを有する。さらには、晶出側の半導体単結晶棒6の結晶直径等の1つ以上のパラメータを測定するとともに、該パラメータの変動量を算出し、それらをフィードバック制御する手段を有する。
晶出側の半導体単結晶棒6の結晶直径Ds、溶融帯域4におけるゾーン長Lやネック径Dn等のパラメータに基づいて誘導加熱コイル5に供給する電力等の制御値が計算され、該計算値に基づく制御が周期的に自動実施されて、フィードバック制御が可能な構成となっている。この他、さらにこの例では晶出側の融液肩部の直径Dmのフィードバック制御が可能な構成となっている。
なお、晶出側の融液肩部の直径は、融液部と単結晶の界面から一定距離離れた位置における融液直径とすることができる。また、溶融帯域4のゾーン長は、誘導加熱コイル5の下面と晶出界面との距離とすることができる。
上記製造装置1の構成についてさらに詳述する。
主に、各パラメータの測定のためのCCDカメラ7や画像処理装置8、得られた測定値から制御機器への制御値を計算するための制御コンピュータ9、制御値に基づき、誘導加熱コイル5に供給する電力を制御する高周波発振機10、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6の移動速度を制御する可変速モーター11、12が挙げられる。
CCDカメラ7は、各パラメータの値を検出するにあたって溶融帯域4及びその周辺部を撮影するためのものであるが、当然これに限定されず、適切な撮像手段を用いることができる。
画像処理装置8は、CCDカメラ7により撮影された映像信号の処理を行い、各パラメータの値を測定するためのものである。
制御コンピュータ9は、内部に、予め設定された、半導体単結晶棒2の結晶直径Ds、融液肩部の直径Dm、溶融帯域4のゾーン長Lとネック径Dnのパターン(パラメータの目標値)を格納しているパターン設定器13を有する。
なお、このパターン設定器13には、上記パラメータの目標値の他、パラメータの変動量(最大値、最小値、(最大値−最小値)等)のパターン(パラメータの変動量の目標値)も格納されている。以下では、パラメータの変動量として(最大値−最小値)を選択した場合を例に挙げて説明する。ただし、当然これに限定されず、パラメータ変動量として最大値のみ、最小値のみ、さらにはこれらのうち複数を選択することも可能である。
また、画像処理装置8で測定された半導体単結晶棒2の結晶直径Ds等のパラメータをデータ処理するデータ演算器14を有する。該データ演算器14ではパラメータの平均値を計算可能である。また、パラメータの変動量も周期的に算出可能である。これらの値を算出する周期は任意でありその都度設定することができる。もちろん、パラメータの平均値を計算する周期とパラメータの変動量を算出する周期は、同じに設定することもできるし、異なるように設定することもできる。
また、パターン設定器13に格納されている各種パターンと、測定・算出された各パラメータの値およびその変動量とを比較する比較器15を有する。なお、ここで比較されるパラメータの測定値としては、画像処理装置8等で測定された値そのものを用いることもできるし、あるいは、例えばデータ演算器14による平均値を用いることもできる。
さらには、該比較器15での比較演算結果を基にして、発振機10や可変速モーター11、12等の各制御機器へ送る制御値を計算する調節器16を有する。
そして、調節器16からの制御値に基づいて、発振機制御回路17で制御された高周波発振機10によって、誘導加熱コイル5へ電力を供給できるようになっている。
上記高周波発振機10から誘導加熱コイル5へ高周波電力が供給されて原料結晶棒2の一部が加熱溶融され、原料結晶棒2と半導体単結晶棒6との間に溶融帯域4が形成される。
また、調節器16からの制御値に基づいて、移動速度調整・駆動回路18、19で制御された可変速モーター11、12のそれぞれによって、原料結晶棒2、半導体単結晶棒6の移動速度を制御できるようになっている。
ここで、半導体単結晶棒6は、不図示の下軸によって鉛直に配置されており、昇降用可変速モーター12により下軸を移動させることで、下方へVsで移動可能である。また図示されない回転用可変速モーターにより回転可能である。
一方、原料結晶棒2は、不図示の上軸によって鉛直に配置されており、昇降用可変速モーター11により上軸を移動させることで、下方へVpで移動可能である。また図示されない回転用可変速モーターにより、回転可能である。
なお、制御コンピュータ9は、図示されていないが、製造装置1の可変速モーター11、12等の各駆動部の速度や回転数、高周波発振機10の出力データ等も合わせて入力され、各駆動部、高周波発振機10の出力状態も同時に監視できる。
そして、制御コンピュータ9は、内部のプログラムにより、以下に詳述する本発明でのフィードバック制御における各段階の周期のコントロールも兼ねており、それぞれの段階を同時平行的に処理可能になっている。
さらには、制御コンピュータ9によって、晶出側の半導体単結晶棒6の長さや結晶径が監視・算出され、それらがあらかじめ設定された値になると、コーン工程や直胴工程といった成長工程の切り替え、あるいは晶出側の半導体単結晶棒6の成長速度や結晶回転などの制御も合わせて行うことが可能である。
次に、上記のような半導体単結晶棒の製造装置1を用いた、本発明における半導体単結晶棒の製造方法について説明する。
ここで、まず、FZ法による半導体単結晶棒の製造方法の全体の工程について説明する。
上軸に取り付けた原料結晶棒2の先端を誘導加熱コイル5で溶融した後、下軸に取り付けた種結晶に融着させる。そして融着の際に結晶に生じた転位を抜くために絞りを行う(種付け・絞り工程)。
そして、上軸および下軸を回転させながら(すなわち原料結晶棒2および半導体単結晶棒6を回転させながら)下降させ、溶融帯域4を原料結晶棒2に対して相対的に移動させながら半導体単結晶棒6を成長させる。この時、絞り後、所望の直径まで半導体単結晶棒6の直径を徐々に拡大させてコーン部を形成する(コーン工程)。
所望直径まで達した後はその所望直径で一定に保ったまま結晶成長を行い、直胴部を形成する(直胴工程)。
そして所望の長さの直胴部を得た後は、原料の供給を止め、半導体単結晶棒6の直径を縮小させて、原料結晶棒2から切り離す(切り離し工程)。
このようにして半導体単結晶棒6が製造されるが、本発明の製造方法では、上記のような工程中(すなわち、半導体単結晶棒6の成長中)に、該半導体単結晶棒6等に関するパラメータおよびパラメータの変動量をフィードバック制御する。このフィードバック制御は成長中に繰り返して周期的に自動実施する。自動実施により簡便に行うことができる。
以下では、このフィードバック制御に関して詳しく述べる。
(測定段階)
まず、制御すべき半導体単結晶棒6等のパラメータを測定する。このパラメータとしては、半導体単結晶棒6の結晶直径Ds、溶融帯域4のネック径Dn、溶融帯域4のゾーン長Lが挙げられる。少なくとも、これらのうち1つ以上を測定する。所望の直径や結晶品質を有する半導体単結晶棒を得るにあたって、これらのパラメータを制御することは有効である。
なお、必要に応じて融液肩部の直径Dmなど他のパラメータも測定し、同様にフィードバック制御に用いることができる。フィードバック制御するパラメータを追加するにあたっては、その種類、数等は特に限定されず、所望とする結晶品質やコスト面等に応じて適宜決定することができる。
このとき、パラメータの検出・測定方法は特に限定されないが、例えば、まず、図1に示すように、CCDカメラ7を用いて溶融帯域4や、その周辺の半導体単結晶棒6等を撮影する。そして、撮影によって得られた映像信号を画像処理装置8によって処理し、結晶径Ds等のパラメータの値を測定する。
なお、必要に応じてパラメータの平均値をデータ演算器14により求め、その平均値を以降の段階でのパラメータの測定値として用いることもできる。
また、上記のようにパラメータの測定値を求めるとともに、データ演算器14によってパラメータの測定値からパラメータの変動量を算出して求める。
ここで、パラメータに関するこれらの値について、ゾーン長Lの場合を例に挙げて説明する。
図2(A)に結晶成長時間とゾーン長Lの測定値の関係の一例を示す。
また、図2(B)に結晶成長時間とゾーン長Lの平均値の関係の一例を示すとともに、結晶成長時間とゾーン長Lの変動量の関係の一例を示す。参考のため、ゾーン長Lの測定値も併せて示している。
図2(A)に示すようにゾーン長Lの測定値が上下に大きく変動していることが分かる。しかし図2(B)に示すようにその平均値(この場合、50点の移動平均)をとると、当然、図2(A)に比べてゾーン長Lの変動の上下幅がならされる。本発明者らは、このゾーン長L等の測定値の変動幅にも着目し、フィードバック制御に利用するため、例えば図2(B)に示すような任意の周期でゾーン長Lの変動量を算出している。
なお、上述したように、ゾーン長Lなどのパラメータの平均値の計算周期や、パラメータの変動量の算出周期は任意であり、その都度決定することができる。また、パラメータの変動量の算出周期は結晶成長中に適宜変更することもできる。
ここで、パラメータの変動量の算出周期の変更について説明する。
まず前述したように、パラメータの変動の原因の一つとして例えば半導体単結晶棒が受ける回転数や回転方向の変化によるものが挙げられることを本発明者らは見出した。
また、パラメータの変動には周期性が見られる場合があること、さらにはその周期的な変動は、誘導加熱コイル5からの加熱度合いの変化、あるいは晶出側半導体単結晶6あるいは晶出側融液の熱環境の変化によるものであることを発見した。
ここで、一般に誘導加熱コイル5の加熱分布は、その形状により円周方向で不均一であり、半導体単結晶棒6等が受ける熱環境の変化は、半導体単結晶棒6の回転数や回転方向と同期する。
そのため、結晶成長中に半導体単結晶棒6の回転数または回転方向、あるいはそれら両方を変化させた場合(例えば、コーン工程から直胴工程にうつるときなど)、それに応じて、半導体単結晶棒6等が受ける熱環境の変化の周期性も変わることになる。
したがって、半導体単結晶棒6の回転数等の変化に応じてパラメータの変動量の算出周期を変更させれば、該パラメータの変動量が半導体単結晶棒6や晶出側融液の熱環境の変化を的確に示すことができる。そして、このような熱環境の変化を的確に捉えたパラメータの変動量を用い、次の段階で制御値を計算すれば、より一層適切な制御値を求めることができるので好ましい。
なお、パラメータの変動量の算出周期の変更方法はこれに限定されず、その都度決定することができる。
(制御値計算段階)
次に、上記のようにして得られたパラメータの測定値およびパラメータの変動量から、製造装置1における制御機器を適切に制御して所望の半導体単結晶棒が得られるように、制御機器へ送る適切な制御値を計算する。この制御値の計算方法は特に限定されないが、例えば以下の方法により制御値を求めることができる。
図1の例では、この計算は制御コンピュータ9によって行われる。
まず、パラメータの測定値と、パターン設定器13中に格納され、所望の半導体単結晶棒6が得られるように予め設定されたパラメータの目標値とを比較器15によって比較し、それらの偏差を求める。
このとき、上記のようにパラメータの測定値と目標値を比較するだけでなく、パラメータの変動量に関しても算出値と目標値を比較して偏差を求める。
そして、調節器16において、パラメータおよびパラメータの変動量に関して得られた比較結果(偏差)を基にして、各制御機器の制御値を計算する。その後、この計算によって得られた制御値を各制御機器へ送る。
なお、制御機器の制御値の計算方法は上記例に限定されず、適宜決定することができる。
制御値としては、より具体的には、誘導加熱コイル5に供給する電力や、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6の移動速度が挙げられる。すなわち、これらの電力、移動速度が得られるように、各制御機器を制御するための制御値が計算され、各制御機器へ送られる。
(制御段階)
この制御段階では、制御コンピュータ9から送られてきた制御値に基づいて各制御機器の制御を実際に行う。制御機器としては、高周波発振機10を介しての誘導加熱コイル5や、可変速モーター11、12が挙げられる。当然、これら以外にも、所望の半導体単結晶棒6を得ることができるように必要な制御機器を使用することができる。例えば、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6を回転させるための回転用可変速モーターが挙げられる。
発振機制御回路17に送られた制御値に基づき、高周波発振機10により誘導加熱コイル5に所望の電力を供給する。
また、移動速度調整・駆動回路18、19に送られた制御値に基づき、可変速モーター11、12によって、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6が所望の速度で移動するように制御する。
このようにして、測定段階、制御値計算段階、制御段階を所定周期で繰り返し自動実施することによって、測定したパラメータの値やその変動量を、誘導加熱コイル5に供給する電力や原料結晶棒2の移動速度、さらには半導体単結晶棒6の移動速度にフィードバックして制御しつつ結晶成長を行う。
以上のように、FZ法により半導体単結晶棒を製造するとき、パラメータの測定値のみならずパラメータの変動量にも基づいてフィードバック制御するので、単にパラメータの測定値に基づいてフィードバック制御する場合に比べて、より高精度な制御を行うことができる。パラメータの変動量という結晶成長に影響を与える要素をさらに考慮して誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を計算するので、所望の半導体単結晶棒をより確実に得ることが可能である。例えば、パラメータの変動量をより小さくするように制御することで、結晶成長を安定化させ、有転位化率が低い半導体単結晶棒を得ることもできる。
なお、上述した例ではパラメータの測定値等とパターン設定器13に格納された目標値を比較することによって制御値を計算したが、このパラメータの目標値は必要に応じて補正することができる。
この補正方法は特に限定されず、より適切な制御値が得られるように、その都度決定することができる。データ演算器14で算出したパラメータの変動量などに応じて補正することができる。
例えば、ゾーン長Lの変動量が大きい場合には、パターン設定器13に格納されているゾーン長Lの目標値を、予め設定された値よりも大きくすることができる。
前述のようにゾーン長Lの変動量は誘導加熱コイル5からの加熱分布を反映している。そこでゾーン長Lの目標値を大きくすることにより、結果として誘導加熱コイル5からの晶出界面の距離が遠くなり、加熱分布の影響を受けにくくすることができる。
このように、パラメータの変動量に対する制御値を変化させるだけでなく、予め設定されたパラメータの目標値を補正して制御値を変化させることも有効である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示したFZ法による半導体結晶の製造装置を用いて、直径205mmのシリコン単結晶棒を製造した。すなわち、シリコン単結晶棒の成長は、原料結晶棒を溶融して種結晶に融着させ、さらにこの種付けの際に結晶に生じた転位を抜くための絞りを行う工程(種付け・絞り工程)の後、シリコン単結晶棒を205mmの直径まで拡げながら成長させる工程(コーン工程)、シリコン単結晶棒を205mmの一定の直径に制御しつつ成長させていく工程(直胴工程)を経ながら結晶成長させた。なお、晶出側のシリコン単結晶棒を交互に回転させながら成長を行った。
なお、結晶成長中には、所望の結晶品質のシリコン単結晶棒が得られるように、ゾーン長およびその変動量をフィードバック制御した。
つまり、CCDカメラ7等を用いてゾーン長を測定し、データ演算器14において、その移動平均値を計算するとともに、ゾーン長の変動量(最大値−最小値)を算出して求めた(測定段階)。
そして、ゾーン長の平均値とその変動量の各々に関して、パターン設定器13に格納されたパターン(目標値)と比較演算を行い、原料結晶棒の移動速度へフィードバックするための制御値を計算した(制御値計算段階)。
そして、該制御値に基づいて実際に原料結晶棒の移動速度の制御を行った(制御段階)。
結晶成長中に、これらの段階からなる工程を周期的に自動実施してシリコン単結晶棒を製造した。
なお、ゾーン長の変動量を算出する周期は、シリコン半導体単結晶棒の交互回転の1周期(右回転から左回転を経て右回転に戻るまでの時間)とした。
このような本発明の製造方法を実施した結果、結晶の有転位化率は45%であった。後述する比較例1に比べ、結晶成長を安定化させ、格段に有転位化率を改善できた。
(実施例2)
シリコン単結晶棒の製造の際に、シリコン単結晶棒の回転に関して、コーン工程と直胴工程で異なる交互回転周期とし、また、それにあわせてゾーン長の変動量を算出する周期もコーン工程と直胴工程で変更した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
その結果、結晶の有転位化率は40%であり、実施例1よりも優れたシリコン単結晶棒を得ることができた。
(実施例3)
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長の変動量を原料結晶棒の下降速度へフィードバックさせるとともに、ゾーン長の変動量に応じ、予め設定されたゾーン長のパターン(目標値)を補正するようにプログラムを作成した。具体的には、ゾーン長の変動量がその目標値より大きい場合には、ゾーン長の目標値をプラス側に補正して(すなわち目標値を大きくして)制御を行った。
また、ゾーン長の平均値については、上記のようにして補正された目標値と比較演算し、原料結晶棒の下降速度へフィードバックさせた。
それら以外は実施例1と同様にして製造を行った。
その結果、結晶の有転位化率は38%であり、実施例1、2よりも優れたシリコン単結晶棒を得ることができた。
(比較例1)
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例1とは異なり、ゾーン長の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、ゾーン長の平均値のフィードバック制御のみを行った。
その結果、直胴工程中の結晶の有転位化率は70%であった。実施例1−3に比べて有転位化率が格段に高くなってしまっている。
(実施例4)
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御する代わりに、シリコン単結晶棒の結晶直径およびその変動量を誘導加熱コイルに供給する電力へフィードバック制御した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
その結果、結晶の有転位化率は48%であった。後述する比較例2に比べて格段に有転位化率を改善できた。
(比較例2)
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例4とは異なり、結晶直径の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、結晶直径の平均値のフィードバック制御のみを行った。
その結果、直胴工程中の結晶の有転位化率は72%であった。
(実施例5)
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御する代わりに、溶融帯域のネック径およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
その結果、結晶の有転位化率は46%であった。後述する比較例3に比べて格段に有転位化率を改善できた。
(比較例3)
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例5とは異なり、ネック径の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、ネック径の平均値のフィードバック制御のみを行った。
その結果、直胴工程中の結晶の有転位化率は74%であった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…半導体単結晶棒製造装置、 2…原料結晶棒、 3…成長炉、
4…溶融帯域、 5…誘導加熱コイル、 6…半導体単結晶棒、
7…CCDカメラ、 8…画像処理装置、 9…制御コンピュータ、
10…高周波発振機、 11、12…可変速モーター、
13…パターン設定器、 14…データ演算器、 15…比較器、
16…調節器、 17…発振機制御回路、 18、19…移動速度調整・駆動回路。

Claims (4)

  1. 原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側半導体単結晶棒を軸方向へ移動させることにより溶融帯域を軸方向に移動させて、半導体単結晶棒を成長させて製造するFZ法による半導体単結晶棒の製造方法であって、
    前記半導体単結晶棒の結晶直径、前記溶融帯域のネック径および前記溶融帯域のゾーン長のいずれか1つ以上のパラメータの値を測定し、該測定値から、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算し、該計算した制御値に基づいて、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上を制御する工程を、周期的に自動実施することにより、前記パラメータをフィードバック制御して半導体単結晶棒を成長させるにあたって、
    前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算するとき、さらに前記測定したパラメータの値から周期的に算出したパラメータの変動量に基づいて制御値の計算を行うことを特徴とする半導体単結晶棒の製造方法。
  2. 前記半導体単結晶棒を回転させながら成長させるとき、
    該半導体単結晶棒の回転数および回転方向のいずれか1つ以上の変化に応じて、前記パラメータの変動量を算出する周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶棒の製造方法。
  3. 前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を、前記測定したパラメータの値と予め設定されたパラメータの目標値とを比較して計算するとき、
    前記周期的に算出したパラメータの変動量に応じて、前記パラメータの目標値を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体単結晶棒の製造方法。
  4. 前記周期的に算出したパラメータの変動量を、周期内における前記パラメータの最大値と、最小値と、最大値と最小値の差、のうちのいずれか1つ以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体単結晶棒の製造方法。
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