JP5768764B2 - 半導体単結晶棒の製造方法 - Google Patents
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Description
制御値の計算の際、検出・測定された晶出側半導体単結晶棒の結晶直径、溶融帯域のネック径、溶融帯域のゾーン長等のパラメータについて、晶癖線の影響や操業条件により大きく変動することがあった。
例えば、結晶条件(設定ゾーン長や設定結晶直径等)は変化させないにも関わらず、抵抗率分布をコントロールするために結晶の回転方向や回転数を絶えず変化させることで、CCDカメラなどで検出される制御対象(溶融帯域のゾーン長等)の変動が大きくなってしまう。そしてそれに伴って意図せずに制御値も大きく変動してしまう。
しかしながら、逆に本来検出されるべき変化が平均化によりならされてしまい、その変化を見逃してしまっていた。そしてその変化を制御値に反映できず、適切な制御ができないという問題点もある。
そして、これらの問題は結晶成長の不安定化など、思い通りにならない結晶成長を招くことになる。
しかも、上記パラメータの測定値だけでなく、それらに加えて周期的に算出したパラメータの変動量に基づいて誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を計算することができるので、より適切な制御値を得ることができる。その結果、より確実に所望の半導体単結晶棒を成長させることができる。
例えば、パラメータの変動量を小さくするように誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を計算し、制御することで、実際にパラメータの変動量を抑制して結晶成長をより安定化させることができる。それによって有転位化率を大幅に改善した半導体単結晶棒を製造することができる。
なお、ここでいう周期的に算出したパラメータの変動量としては、例えば、一定周期内におけるパラメータの最大値、最小値、最大値と最小値の差等、が挙げられる。少なくともこれらの中から1つ以上選択することができる。
前述したように、従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造においては、本来捉えるべきパラメータの変動を見逃すなどして適切な制御を行えておらず、それらの結果、所望の半導体単結晶棒が得られないことがあることを本発明者らは見出した。そして、パラメータの値のみならずそのパラメータの変動量を考慮して誘導加熱コイルに供給する電力等の制御値を周期的に計算することで、より適切な制御値を得ることができ、所望の半導体単結晶棒をより確実に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
FZ法による半導体結晶棒の製造装置1は、原料結晶棒2を収容する成長炉3と、原料結晶棒2を溶融して溶融帯域4を形成する熱源となる誘導加熱コイル5とを有する。さらには、晶出側の半導体単結晶棒6の結晶直径等の1つ以上のパラメータを測定するとともに、該パラメータの変動量を算出し、それらをフィードバック制御する手段を有する。
晶出側の半導体単結晶棒6の結晶直径Ds、溶融帯域4におけるゾーン長Lやネック径Dn等のパラメータに基づいて誘導加熱コイル5に供給する電力等の制御値が計算され、該計算値に基づく制御が周期的に自動実施されて、フィードバック制御が可能な構成となっている。この他、さらにこの例では晶出側の融液肩部の直径Dmのフィードバック制御が可能な構成となっている。
なお、晶出側の融液肩部の直径は、融液部と単結晶の界面から一定距離離れた位置における融液直径とすることができる。また、溶融帯域4のゾーン長は、誘導加熱コイル5の下面と晶出界面との距離とすることができる。
主に、各パラメータの測定のためのCCDカメラ7や画像処理装置8、得られた測定値から制御機器への制御値を計算するための制御コンピュータ9、制御値に基づき、誘導加熱コイル5に供給する電力を制御する高周波発振機10、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6の移動速度を制御する可変速モーター11、12が挙げられる。
画像処理装置8は、CCDカメラ7により撮影された映像信号の処理を行い、各パラメータの値を測定するためのものである。
なお、このパターン設定器13には、上記パラメータの目標値の他、パラメータの変動量(最大値、最小値、(最大値−最小値)等)のパターン(パラメータの変動量の目標値)も格納されている。以下では、パラメータの変動量として(最大値−最小値)を選択した場合を例に挙げて説明する。ただし、当然これに限定されず、パラメータ変動量として最大値のみ、最小値のみ、さらにはこれらのうち複数を選択することも可能である。
上記高周波発振機10から誘導加熱コイル5へ高周波電力が供給されて原料結晶棒2の一部が加熱溶融され、原料結晶棒2と半導体単結晶棒6との間に溶融帯域4が形成される。
ここで、半導体単結晶棒6は、不図示の下軸によって鉛直に配置されており、昇降用可変速モーター12により下軸を移動させることで、下方へVsで移動可能である。また図示されない回転用可変速モーターにより回転可能である。
一方、原料結晶棒2は、不図示の上軸によって鉛直に配置されており、昇降用可変速モーター11により上軸を移動させることで、下方へVpで移動可能である。また図示されない回転用可変速モーターにより、回転可能である。
そして、制御コンピュータ9は、内部のプログラムにより、以下に詳述する本発明でのフィードバック制御における各段階の周期のコントロールも兼ねており、それぞれの段階を同時平行的に処理可能になっている。
さらには、制御コンピュータ9によって、晶出側の半導体単結晶棒6の長さや結晶径が監視・算出され、それらがあらかじめ設定された値になると、コーン工程や直胴工程といった成長工程の切り替え、あるいは晶出側の半導体単結晶棒6の成長速度や結晶回転などの制御も合わせて行うことが可能である。
ここで、まず、FZ法による半導体単結晶棒の製造方法の全体の工程について説明する。
上軸に取り付けた原料結晶棒2の先端を誘導加熱コイル5で溶融した後、下軸に取り付けた種結晶に融着させる。そして融着の際に結晶に生じた転位を抜くために絞りを行う(種付け・絞り工程)。
そして、上軸および下軸を回転させながら(すなわち原料結晶棒2および半導体単結晶棒6を回転させながら)下降させ、溶融帯域4を原料結晶棒2に対して相対的に移動させながら半導体単結晶棒6を成長させる。この時、絞り後、所望の直径まで半導体単結晶棒6の直径を徐々に拡大させてコーン部を形成する(コーン工程)。
所望直径まで達した後はその所望直径で一定に保ったまま結晶成長を行い、直胴部を形成する(直胴工程)。
そして所望の長さの直胴部を得た後は、原料の供給を止め、半導体単結晶棒6の直径を縮小させて、原料結晶棒2から切り離す(切り離し工程)。
(測定段階)
まず、制御すべき半導体単結晶棒6等のパラメータを測定する。このパラメータとしては、半導体単結晶棒6の結晶直径Ds、溶融帯域4のネック径Dn、溶融帯域4のゾーン長Lが挙げられる。少なくとも、これらのうち1つ以上を測定する。所望の直径や結晶品質を有する半導体単結晶棒を得るにあたって、これらのパラメータを制御することは有効である。
なお、必要に応じて融液肩部の直径Dmなど他のパラメータも測定し、同様にフィードバック制御に用いることができる。フィードバック制御するパラメータを追加するにあたっては、その種類、数等は特に限定されず、所望とする結晶品質やコスト面等に応じて適宜決定することができる。
また、上記のようにパラメータの測定値を求めるとともに、データ演算器14によってパラメータの測定値からパラメータの変動量を算出して求める。
図2(A)に結晶成長時間とゾーン長Lの測定値の関係の一例を示す。
また、図2(B)に結晶成長時間とゾーン長Lの平均値の関係の一例を示すとともに、結晶成長時間とゾーン長Lの変動量の関係の一例を示す。参考のため、ゾーン長Lの測定値も併せて示している。
図2(A)に示すようにゾーン長Lの測定値が上下に大きく変動していることが分かる。しかし図2(B)に示すようにその平均値(この場合、50点の移動平均)をとると、当然、図2(A)に比べてゾーン長Lの変動の上下幅がならされる。本発明者らは、このゾーン長L等の測定値の変動幅にも着目し、フィードバック制御に利用するため、例えば図2(B)に示すような任意の周期でゾーン長Lの変動量を算出している。
まず前述したように、パラメータの変動の原因の一つとして例えば半導体単結晶棒が受ける回転数や回転方向の変化によるものが挙げられることを本発明者らは見出した。
また、パラメータの変動には周期性が見られる場合があること、さらにはその周期的な変動は、誘導加熱コイル5からの加熱度合いの変化、あるいは晶出側半導体単結晶6あるいは晶出側融液の熱環境の変化によるものであることを発見した。
そのため、結晶成長中に半導体単結晶棒6の回転数または回転方向、あるいはそれら両方を変化させた場合(例えば、コーン工程から直胴工程にうつるときなど)、それに応じて、半導体単結晶棒6等が受ける熱環境の変化の周期性も変わることになる。
なお、パラメータの変動量の算出周期の変更方法はこれに限定されず、その都度決定することができる。
次に、上記のようにして得られたパラメータの測定値およびパラメータの変動量から、製造装置1における制御機器を適切に制御して所望の半導体単結晶棒が得られるように、制御機器へ送る適切な制御値を計算する。この制御値の計算方法は特に限定されないが、例えば以下の方法により制御値を求めることができる。
図1の例では、この計算は制御コンピュータ9によって行われる。
まず、パラメータの測定値と、パターン設定器13中に格納され、所望の半導体単結晶棒6が得られるように予め設定されたパラメータの目標値とを比較器15によって比較し、それらの偏差を求める。
このとき、上記のようにパラメータの測定値と目標値を比較するだけでなく、パラメータの変動量に関しても算出値と目標値を比較して偏差を求める。
なお、制御機器の制御値の計算方法は上記例に限定されず、適宜決定することができる。
この制御段階では、制御コンピュータ9から送られてきた制御値に基づいて各制御機器の制御を実際に行う。制御機器としては、高周波発振機10を介しての誘導加熱コイル5や、可変速モーター11、12が挙げられる。当然、これら以外にも、所望の半導体単結晶棒6を得ることができるように必要な制御機器を使用することができる。例えば、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6を回転させるための回転用可変速モーターが挙げられる。
また、移動速度調整・駆動回路18、19に送られた制御値に基づき、可変速モーター11、12によって、原料結晶棒2や半導体単結晶棒6が所望の速度で移動するように制御する。
この補正方法は特に限定されず、より適切な制御値が得られるように、その都度決定することができる。データ演算器14で算出したパラメータの変動量などに応じて補正することができる。
前述のようにゾーン長Lの変動量は誘導加熱コイル5からの加熱分布を反映している。そこでゾーン長Lの目標値を大きくすることにより、結果として誘導加熱コイル5からの晶出界面の距離が遠くなり、加熱分布の影響を受けにくくすることができる。
このように、パラメータの変動量に対する制御値を変化させるだけでなく、予め設定されたパラメータの目標値を補正して制御値を変化させることも有効である。
(実施例1)
図1に示したFZ法による半導体結晶の製造装置を用いて、直径205mmのシリコン単結晶棒を製造した。すなわち、シリコン単結晶棒の成長は、原料結晶棒を溶融して種結晶に融着させ、さらにこの種付けの際に結晶に生じた転位を抜くための絞りを行う工程(種付け・絞り工程)の後、シリコン単結晶棒を205mmの直径まで拡げながら成長させる工程(コーン工程)、シリコン単結晶棒を205mmの一定の直径に制御しつつ成長させていく工程(直胴工程)を経ながら結晶成長させた。なお、晶出側のシリコン単結晶棒を交互に回転させながら成長を行った。
つまり、CCDカメラ7等を用いてゾーン長を測定し、データ演算器14において、その移動平均値を計算するとともに、ゾーン長の変動量(最大値−最小値)を算出して求めた(測定段階)。
そして、ゾーン長の平均値とその変動量の各々に関して、パターン設定器13に格納されたパターン(目標値)と比較演算を行い、原料結晶棒の移動速度へフィードバックするための制御値を計算した(制御値計算段階)。
そして、該制御値に基づいて実際に原料結晶棒の移動速度の制御を行った(制御段階)。
結晶成長中に、これらの段階からなる工程を周期的に自動実施してシリコン単結晶棒を製造した。
シリコン単結晶棒の製造の際に、シリコン単結晶棒の回転に関して、コーン工程と直胴工程で異なる交互回転周期とし、また、それにあわせてゾーン長の変動量を算出する周期もコーン工程と直胴工程で変更した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長の変動量を原料結晶棒の下降速度へフィードバックさせるとともに、ゾーン長の変動量に応じ、予め設定されたゾーン長のパターン(目標値)を補正するようにプログラムを作成した。具体的には、ゾーン長の変動量がその目標値より大きい場合には、ゾーン長の目標値をプラス側に補正して(すなわち目標値を大きくして)制御を行った。
それら以外は実施例1と同様にして製造を行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例1とは異なり、ゾーン長の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、ゾーン長の平均値のフィードバック制御のみを行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御する代わりに、シリコン単結晶棒の結晶直径およびその変動量を誘導加熱コイルに供給する電力へフィードバック制御した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例4とは異なり、結晶直径の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、結晶直径の平均値のフィードバック制御のみを行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、ゾーン長およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御する代わりに、溶融帯域のネック径およびその変動量を原料結晶棒の移動速度へフィードバック制御した。
それ以外は実施例1と同様にして製造を行った。
シリコン単結晶棒の製造の際に、実施例5とは異なり、ネック径の変動量の算出やそのフィードバック制御は行わず、ネック径の平均値のフィードバック制御のみを行った。
4…溶融帯域、 5…誘導加熱コイル、 6…半導体単結晶棒、
7…CCDカメラ、 8…画像処理装置、 9…制御コンピュータ、
10…高周波発振機、 11、12…可変速モーター、
13…パターン設定器、 14…データ演算器、 15…比較器、
16…調節器、 17…発振機制御回路、 18、19…移動速度調整・駆動回路。
Claims (4)
- 原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側半導体単結晶棒を軸方向へ移動させることにより溶融帯域を軸方向に移動させて、半導体単結晶棒を成長させて製造するFZ法による半導体単結晶棒の製造方法であって、
前記半導体単結晶棒の結晶直径、前記溶融帯域のネック径および前記溶融帯域のゾーン長のいずれか1つ以上のパラメータの値を測定し、該測定値から、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算し、該計算した制御値に基づいて、前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上を制御する工程を、周期的に自動実施することにより、前記パラメータをフィードバック制御して半導体単結晶棒を成長させるにあたって、
前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を計算するとき、さらに前記測定したパラメータの値から周期的に算出したパラメータの変動量に基づいて制御値の計算を行うことを特徴とする半導体単結晶棒の製造方法。 - 前記半導体単結晶棒を回転させながら成長させるとき、
該半導体単結晶棒の回転数および回転方向のいずれか1つ以上の変化に応じて、前記パラメータの変動量を算出する周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶棒の製造方法。 - 前記誘導加熱コイルに供給する電力および前記原料結晶棒の移動速度のいずれか1つ以上の制御値を、前記測定したパラメータの値と予め設定されたパラメータの目標値とを比較して計算するとき、
前記周期的に算出したパラメータの変動量に応じて、前記パラメータの目標値を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体単結晶棒の製造方法。 - 前記周期的に算出したパラメータの変動量を、周期内における前記パラメータの最大値と、最小値と、最大値と最小値の差、のうちのいずれか1つ以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体単結晶棒の製造方法。
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