JP5771019B2 - 車両用シートバックフレーム構造 - Google Patents
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Description
本発明のシートバックフレーム構造における繊維強化複合材料とは、強化繊維とマトリックス樹脂とを含むものである。繊維強化複合材料中の強化繊維の形態は、短繊維でも、長繊維でも、連続繊維でも良く、これらのうち2種類以上を組み合わせて用いても良い。短繊維とは繊維長が0.1〜10mm未満、長繊維とは繊維長が10mm〜100mm、連続繊維とは繊維長が100mm以上のものである。短繊維や長繊維の場合は、チョップドストランド等を用いて抄紙されたペーパーであってもよい。連続繊維の場合は、織編物、ストランドの一方方向配列シート状物及び多軸織物等のシート状、または不織布状でマトリックス樹脂中に含有されていることも好ましい。なお、多軸織物とは、一般に、一方向に引き揃えた繊維強化材の束をシート状にして角度を変えて積層したもの(多軸織物基材)を、ナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等のステッチ糸で、この積層体を厚さ方向に貫通して、積層体の表面と裏面の間を表面方向に沿って往復しステッチした織物をいう。該繊維強化複合材料成形体を構成する繊維強化材料は、強化繊維がランダムに分散したものあるいは特定の繊維配向をしたものでもよく、強化繊維が面配向したものあるいは一軸配向したもの、あるいはそれらの組み合わせ、あるいはそれらの積層体であることが好ましい。
本発明のシートバックフレーム構造に用いられるマトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂であり、好ましくは熱可塑性樹脂またはそれらの組成物である。具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸、ポリアミド樹脂、ASA樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、およびこれらの樹脂から選ばれる2種類以上の混合物(樹脂組成物)等からなる群から選択された少なくとも1種が挙げられるが特に制限はない。上記の樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の組成物、ポリカーボネートとABS樹脂との組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂の組成物、ポリアミド樹脂とABS樹脂の組成物、およびポリエステル樹脂とナイロン樹脂の組成物等からなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。
本発明のシートバックフレーム構造に用いられる強化繊維としては、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、炭素繊維、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ボロン繊維、アゾール繊維、アルミナ繊維等からなる群から選択された少なくとも1種が好ましいものとして挙げられ、特に好ましくは比強度と比弾性に優れる炭素繊維である。
本発明のシートバックフレーム構造は、主たる構造が繊維強化複合材料からなるシートバックフレーム1と金属製のリトラクタ支持ブラケット6を備え、リトラクタ2が金属製のリトラクタ支持ブラケット6を介してシートバックフレーム1に取り付けられたシートバックフレーム構造であって、リトラクタ支持ブラケット6にシートベルト巻き出し用ガイド3が一体化されたものである。シートバックフレーム構造の好ましい第1の実施形態としては、パネル体とその外周部に配置されたフレーム体を有するもの、好ましい第2の実施形態としてはモノコック形状体からなるもの、好ましい第3の実施形態としてはパネル体とその外周部に配置されたフレーム体に加えリトラクタの周囲に一体的に配置されたフレーム体を有するものが挙げられる。第3の実施形態におけるリトラクタの周囲に一体的に配置されたフレーム体は、リトラクタを確実に保持する機能を担うものであり、またリトラクタ支持ブラケットをシートバックフレームに嵌合を含む方法で接合する場合には、嵌合部としての機能も有する。
シートバックフレーム1は、第1または第3の実施形態(図2〜5および図10〜13)に示すようにパネル体1Bとその外周部に配置されたフレーム体1Aを有してもよく、第2の実施形態(図6〜9)に示すようにモノコック形状体1Cであっても良く、それ以外の形状であっても良い。また、一体成形されていても良く、複数の部材が組み合わされて構成されていても良い。
本発明のシートバックフレーム構造におけるシートバックフレーム1が、例えば第1または第3の実施形態のようにパネル体1Bとその外周部に配置されたフレーム体1Aを有している場合、フレーム体1Aは、繊維強化複合材料で構成されていることが好ましく、その形状はシートバックフレーム構造に応じたものになり、例えば略方形、台形、逆台形などが挙げられる。角部の形状は曲率を有していても、直線を基調としたものでも良い。フレーム体1Aの形状としては開断面形状もしくは閉断面形状が挙げられる。ここで開断面形状とは断面が開いた形状のものであり、閉断面形状とは断面が閉じた形状のものである。開断面形状としては、ハット形状、U字形状、V字形状などが挙げられ、パネル体1Bとの接合部を有した構造とすることが好ましい。開断面形状としては、丸パイプ形状、角パイプ形状などが挙げられ、一体成形されていてもよく、複数の開断面形状を接合して閉断面形状としていても良い。フレーム体1Aの断面形状がハット形状の例(図14)をとり、厚みなどの定義を説明する。フレーム体1Aの厚み(記号12)は特に限定はないが、強度と軽量化のバランスから、1〜6mm程度が望ましい。5mm以下とすることが好ましく、より好ましくは4mm以下である。開断面の高さ(記号13)は特に限定はないが、好ましくは10mm以上、100mm以下、より好ましくは40mm以上、60mm以下である。開断面の幅(記号14)は10mm以上、100mm以下、より好ましくは20mm以上、40mm以下である。接合部の幅(記号15)は接合が可能であれば良いが、具体的には5mm以上、50mm以下、より好ましくは10mm以上、30mm以下である。これらはフレーム体において一様であっても、フレームの部位によって適宜選択しても良い。このような形状とすることにより、フレーム体の変形性を高めることができるため、効率的なエネルギー吸収が可能となる。
本発明のシートバックフレーム構造におけるシートバックフレーム1が、例えば第1または第3の実施形態のようにパネル体1Bとその外周部に配置されたフレーム体1Aを有している場合、パネル体1Bは軽量でエネルギー吸収に優れていれば良く、金属、樹脂などから選択できる。金属の場合は高張力鋼鈑やアルミなどが好ましい。樹脂の場合は、成形性、生産性、加工性に優れる点から熱可塑性樹脂であることが好ましい。さらにパネル体1Bは繊維強化複合材料であってもよく、強化繊維として有機長繊維、マトリックスとして熱可塑性樹脂を含む繊維強化複合材料とすることが好ましい。
本発明のシートバックフレーム構造におけるシートバックフレーム1が例えば第2の実施形態のようにモノコック形状体1Cである場合、モノコック形状体1Cはコア体1Eの周囲にスキン体1Dを配置した構造体であることが好ましい。(図6〜9に具体例を示す。)スキン体1Dはコア体1Eを完全に被覆していることが好ましいが、一部が露出していても良い。スキン体1Dは繊維強化複合材料で構成するのが好ましく、コア体1Eはハニカム材、発泡樹脂、紙など低比重の材料で構成するのが好ましい。スキン体1Dとコア体1Eは型内で一体成形されていてもよく、複数に分割されたスキン体1Dとコア体1Eが組み合わされて構成されていても良い。モノコック形状体1Cの厚みはとくに限定はないが、強度と軽量化のバランスから、10〜100mm程度が望ましい。スキン体1Eの厚みもとくに限定はないが、強度と軽量化のバランスから、1〜6mm程度が望ましい。スキン体1Eの厚みは、5mm以下とすることが好ましく、より好ましくは4mm以下である。
リトラクタ支持ブラケット6は、リトラクタ2を固定するためのリトラクタ締結部4をもつ金属製の部材であり、鉄やアルミが好ましく用いられる。リトラクタ2の締結方法として、ボルト・ナット接合が好ましく用いられる。製造方法としては、切削加工、プレス加工方法、鋳造方法などが好ましく用いられ、複数の金属部材が溶接、リベット、ボルト・ナット、接着などの方法によって接合されていても良い。厚みは特に限定は無いが、5mm以下の金属板で製造されるのが好ましく、厚み1〜3mmが特に好ましい。必要な強度を確保した上で、軽量化のための肉抜き加工や減肉加工が施されていても良い。
リトラクタ支持ブラケット6のシートバックフレーム1への取り付け方法としては、接着、溶着、機械的締結などによって接合することが可能である。また、あらかじめ製造したリトラクタ支持ブラケット6をインサート部品として型内に挿入し、インサート成形によって型内で接合することも可能である。この際、リトラクタ支持ブラケット6に接合強度を高めるための表面処理を施すことも可能である。
本発明のシートバックフレーム構造は、ワゴン型車両やハッチバック型車両のリアシートに好適に適用することが可能だが、それ以外の車両、例えばセダン型車両に適用しても良い。また、フロントシートに適用することも可能である。
1A フレーム体
1B パネル体
1C モノコック形状体
1D スキン体
1E コア体
2 リトラクタ
3 巻き出し用ガイド
4 リトラクタ締結部
4B リトラクタ締結部(補助)
5 シートベルト
6 リトラクタ支持ブラケット
7 ヒンジ機構取り付け部
8 保持機構取り付け部
9 中空構造(A)
10 中空構造(B)
11 嵌合部
12 フレーム体の厚み
13 開断面の高さ
14 開断面の幅
15 開断面の接合部の幅
Claims (8)
- 繊維強化複合材料からなるパネル体、及び該パネル体とは別体として形成され、かつ該パネル体の外周部に配置された繊維強化複合材料からなるフレーム体を有するシートバックフレームと、金属製のリトラクタ支持ブラケットとを備え、リトラクタが該リトラクタ支持ブラケットを介して該シートバックフレームに取り付けられた車両用シートバックフレーム構造であって、該リトラクタ支持ブラケットが該パネル体と該フレーム体とに挟み込まれて固定されており、かつ該リトラクタ支持ブラケットにシートベルト巻き出し用ガイドが一体化されたことを特徴とする車両用シートバックフレーム構造。
- 前記リトラクタ支持ブラケットの周囲に一体的に配置されたフレーム体を備える、請求項1に記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 該リトラクタ支持ブラケットが該シートバックフレームに少なくとも嵌合を含む接合方法で取り付けられている請求項1又は2記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 該リトラクタ支持ブラケットがシートベルトを通す中空構造(A)を有している請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 該リトラクタ支持ブラケットがリトラクタ締結部補強のための中空構造(B)を有している請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 該繊維強化複合材料の強化繊維が炭素繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 該繊維強化複合材料のマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の車両用シートバックフレーム構造。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の車両用シートバックフレーム構造を有するワゴン型車両またはハッチバック型車両のリアシート。
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